JP2004236943A - 車両用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】車両用シートにおいて、乗降性能を確保しつつ、乗車後のサイドサポート部による拘束性を高く維持する。
【解決手段】シートバック20のメイン部21と両サイドサポート部22,23とは、それぞれこのシート100の前方Frおよび後方Rrに移動可能に設けられ、シートバックフレーム24には、シートバック20の後面に沿って上下方向に延設された2本の支軸31,31が固設され、この支軸31,31には、サイドサポート部22,23の後面22a,23aに後方から支持するサイドサポート支持部33b,34bとメイン部21の後面21aに後方Rrから支持するメイン支持部33a,34aとが形成されている横断面略L字状の回動アーム33,34が回動可能に軸支されている。
【選択図】 図2
【解決手段】シートバック20のメイン部21と両サイドサポート部22,23とは、それぞれこのシート100の前方Frおよび後方Rrに移動可能に設けられ、シートバックフレーム24には、シートバック20の後面に沿って上下方向に延設された2本の支軸31,31が固設され、この支軸31,31には、サイドサポート部22,23の後面22a,23aに後方から支持するサイドサポート支持部33b,34bとメイン部21の後面21aに後方Rrから支持するメイン支持部33a,34aとが形成されている横断面略L字状の回動アーム33,34が回動可能に軸支されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用シートに関し、詳細には、メイン部とこの両側のサイドサポート部とを有する車両用シートの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車等の車両用シートは、シートに着座する乗込みの際およびシートから降りる際(以下、これらを総称して、単に「シートへの乗降の際」という。)における乗降性能の向上と、乗車後の拘束性能の向上とが求められている。
【0003】
ここで、乗降性能は、シートへの乗降の際に、円滑にシートに着座することができ、また円滑にシートから降りることができる性能であり、背もたれ部であるシートバックや、着座部であるシートクッションの各幅方向側部に突出した部分がない程、円滑な乗降性能を得ることができる。
【0004】
一方、拘束性能は、シートの幅方向についての乗員に対する拘束性能であり、特に、車両が旋回したときに乗員に作用する横加速度に対向して、乗員をシートの中央部(メイン部)に保持させる性能である。
【0005】
そして、この拘束性能は、シートの側部(サイドサポート部)がメイン部よりも突出している程、向上する。
【0006】
このように、乗降性能を高めるには、シートは平滑化され、一方、拘束性能を高めるには、シートのサイドサポート部が突出される。
【0007】
したがって、拘束性能と乗降性能とは相反する性能であり、両者の性能を共に向上させるのは困難であった。
【0008】
そこで、横加速度を検出するセンサを設けるとともに、サイドサポート部による拘束性能を高める位置と拘束性能を低くして乗降性能を高める位置との間を可動するように、サイドサポート部を空気袋によって膨縮させる手段を設け、センサの検出結果に応じて、サイドサポート部を動かす技術が開発されている。
【0009】
そして、この技術によれば、乗降時は横加速度がゼロであるため、サイドサポート部は、メイン部に対するサイドサポート部の突出量が小さくなる位置となるため、乗降性能を確保することができ、一方、走行中に横加速度が大きくなると、サイドサポート部は、その突出量が大きくなる位置となるため、拘束性能を向上させることができる(特許文献1)。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−284942号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献1によって開示されている技術によれば、旋回時等車両および乗員に作用する横加速度が大きい状態においてのみ、サイドサポート部による拘束性が向上するため、横加速度が大きく作用していない走行中は、拘束性能が低く、乗員はサイドサポート部によるフィット感を得られない、という問題がある。
【0012】
また、横加速度の大小によってサイドサポート部を作動させる空気袋が膨縮するため、走行中に膨縮動作し、乗員に違和感を与える場合がある。
【0013】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、乗降性能を確保しつつ、乗車後のサイドサポート部による拘束性能を高く維持することができる車両用シートを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る第1の車両用シートは、メイン部の両側方にそれぞれサイドサポート部が連設されたシートバックを備えた車両用シートにおいて、前記メイン部および前記サイドサポート部のうち少なくとも一方が、他方に対して相対的に、前後方向に移動可能に設けられ、前記車両用シートへの着座を検出する着座検出機構と、前記着座検出機構による前記着座の検出により、前記メイン部に対する前記サイドサポート部の前方への突出量を増大させるように、前記メイン部および前記サイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる移動機構とを備えたことを特徴とする。
【0015】
このように構成された本発明に係る第1の車両用シートによれば、着座検出機構が着座を検出すると、移動機構が、シートバックのメイン部に対するサイドサポート部の前方への突出量を増大させるように、シートバックのメイン部およびサイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる。
【0016】
したがって、着座する際やシートから降りる降座の際すなわち乗降時よりも、実際に着座したときは、突出したサイドサポート部による拘束性能が向上し、横加速度の大小に拘わらず、乗車中の拘束性能を高く維持することができる。
【0017】
しかも、着座していないときのサイドサポート部の初期突出量を予め小さく設定しておくことによって、乗降時に、突出したサイドサポート部が邪魔になるのを防止することができ、乗降性能を確保することができる。
【0018】
また、本発明に係る第2の車両用シートは、メイン部の両側方にそれぞれサイドサポート部が連設されたシートバックを備えた車両用シートにおいて、前記メイン部および前記サイドサポート部のうち少なくとも一方が、他方に対して相対的に、前後方向に移動可能に設けられ、前記車両用シートへの乗降動作を検出する乗降検出機構と、前記乗降検出機構による前記乗降動作の検出により、前記メイン部に対する前記サイドサポート部の前方への突出量を減少させるように、前記メイン部および前記サイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる移動機構とを備えたことを特徴とする。
【0019】
このように構成された本発明に係る第2の車両用シートによれば、乗降検出機構が乗降動作を検出すると、移動機構が、シートバックのメイン部に対するサイドサポート部の前方への突出量を減少させるように、シートバックのメイン部およびサイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる。
【0020】
したがって、着座する際やシートから降りる降座の際すなわち乗降時は、実際に着座しているときよりも、突出したサイドサポート部による拘束性能が低下し、反対に乗降性能を向上させることができる。
【0021】
しかも、着座しているときのサイドサポート部の初期突出量を予め大きく設定しておくことによって、横加速度の大小に拘わらず、乗車中の拘束性能を高く確保することができる。
【0022】
また、本発明に係る第3の車両用シートは、メイン部の両側方にそれぞれサイドサポート部が連設されたシートクッションを備えた車両用シートにおいて、前記メイン部および前記サイドサポート部のうち少なくとも一方が、他方に対して相対的に、上下方向に移動可能に設けられ、前記車両用シートへの着座を検出する着座検出機構と、前記着座検出機構による前記着座の検出により、前記メイン部に対する前記サイドサポート部の上方への突出量を増大させるように、前記メイン部および前記サイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる移動機構とを備えたことを特徴とする。
【0023】
このように構成された本発明に係る第3の車両用シートによれば、着座検出機構が着座を検出すると、移動機構が、シートクッションのメイン部に対するサイドサポート部の前方への突出量を増大させるように、シートクッションのメイン部およびサイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる。
【0024】
したがって、着座する際やシートから降りる降座の際すなわち乗降時よりも、実際に着座したときは、突出したサイドサポート部による拘束性能が向上し、横加速度の大小に拘わらず、乗車中の拘束性能を高く維持することができる。
【0025】
しかも、着座していないときのサイドサポート部の初期突出量を予め小さく設定しておくことによって、乗降時に、突出したサイドサポート部が邪魔になるのを防止することができ、乗降性能を確保することができる。
【0026】
また、本発明に係る第4の車両用シートは、メイン部の両側方にそれぞれサイドサポート部が連設されたシートクッションを備えた車両用シートにおいて、前記メイン部および前記サイドサポート部のうち少なくとも一方が、他方に対して相対的に、上下方向に移動可能に設けられ、前記車両用シートへの乗降動作を検出する乗降検出機構と、前記乗降検出機構による前記乗降動作の検出により、前記メイン部に対する前記サイドサポート部の上方への突出量を減少させるように、前記メイン部および前記サイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる移動機構とを備えたことを特徴とする。
【0027】
このように構成された本発明に係る第4の車両用シートによれば、乗降検出機構が乗降動作を検出すると、移動機構が、シートクッションのメイン部に対するサイドサポート部の前方への突出量を減少させるように、シートクッションのメイン部およびサイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる。
【0028】
したがって、着座する際やシートから降りる降座の際、すなわち乗降時は、実際に着座しているときよりも、突出したサイドサポート部による拘束性能が低下し、反対に乗降性能を向上させることができる。
【0029】
しかも、着座しているときのサイドサポート部の初期突出量を予め大きく設定しておくことによって、横加速度の大小に拘わらず、乗車中の拘束性能を高く確保することができる。
【0030】
また、本発明に係る第5の車両用シートは、メイン部の両側方にそれぞれサイドサポート部が連設されたシートバックを備えた車両用シートにおいて、前記サイドサポート部が、前記シートバックの幅方向に対して回動可能に設けられ、前記メイン部への押圧力に応じてシートバック後方に変位する押圧機構と、前記押圧機構の変位が大きくなるにしたがって、前記シートバックの幅方向に対する前記サイドサポート部の傾斜角度を大きくするように、前記サイドサポート部を回動させる回動機構とを備えたことを特徴とする。
【0031】
このように構成された本発明に係る第5の車両用シートによれば、着座によって、メイン部に後方への押圧力が作用すると、押圧機構が後方に変位し、この押圧機構の後方への変位に応じて、回動機構がサイドサポート部の傾斜角度を大きくし、メイン部の乗員をサイドサポート部が両側方から挟み込む。
【0032】
この結果、着座する際やシートから降りる降座の際すなわち乗降時よりも、実際に着座したときは、傾斜角度が大きくなったサイドサポート部による拘束性能が向上し、横加速度の大小に拘わらず、乗車中の拘束性能を高く維持することができる。
【0033】
しかも、着座していないときのサイドサポート部の初期傾斜角度を予め小さく設定しておくことによって、乗降時に、突出したサイドサポート部が邪魔になるのを防止することができ、乗降性能を確保することができる。
【0034】
さらに、乗車時の、シートへの押圧力を変化させることによって、サイドサポート部による拘束力を調整することもできる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両用シートの具体的な実施の形態について、図面を用いて説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明に係る第1の車両用シートおよび第2の車両用シートについての一実施形態である車両用シート(以下、単にシートという。)100を示す部分破断斜視図、図2は、図1に示したシートバックの上下方向に直交する面による横断面を示す断面図である。
【0036】
図示のシート100は、幅方向Wの中央部であるメイン部21とこのメイン部21の両側方にそれぞれ連設されたサイドサポート部22,23とを有する背もたれ部分であるシートバック20と、座面であるシートクッション60と、シートバック20の上面に設けられたヘッドレスト10と、シートクッション60の下面に接続されて、シート100の下方Loの車室内フロアに、このシート100を固定する基部90とを備えている。
【0037】
ここで、シートバック20のメイン部21と両サイドサポート部22,23とは、それぞれこのシート100の前方Frおよび後方Rrに移動可能に設けられている。
【0038】
また、シートバック20の後面には、このシートバック20の後面に沿ってシートバックフレーム24が配設されており、このシートバックフレーム24には、シートバック20の後面に沿って上下方向に延設された2本の支軸31,31が固設されている。
【0039】
そして、この支軸31,31にはそれぞれ、シートバック20の上下方向に直交する面による横断面(図2(a)参照)が、略L字状に形成され、シートバック20の上下方向に延びる回動アーム33,34が回動可能に軸支されている。
【0040】
この回動アーム33,34は、シート100の幅方向外側の部分に、サイドサポート部22,23の後面22a,23aにそれぞれ当接して、これらサイドサポート部22,23を後方Rrから支持するサイドサポート支持部33b,34bが形成され、支軸31,31を挟んでサイドサポート支持部33b,34bの反対側すなわちシート100の幅方向中央側の部分に、メイン部21の後面21aに当接して、このメイン部21を後方Rrから支持するメイン支持部33a,34aが形成されている。
【0041】
これにより、前後方向に移動可能のメイン部21に、後方Rrに向く押圧力が作用すると、メイン部21が後退し、メイン部21の後面21aが、メイン支持部33a,34aを後方Rrに変位させ、回動アーム33,34は支軸31,31回りにそれぞれ回動する。
【0042】
そして、回動アーム33,34の回動によって、各サイドサポート支持部33b,34bが前方Frに変位し、サイドサポート支持部33b,34bはそれぞれ対応する各サイドサポート部22,23の後面22a,23aに、前方Frに向いた押圧力を作用させ、各サイドサポート部22,23を前方Frに変位させる。
【0043】
ここで、メイン支持部33a,34aは、乗員の着座によってメイン部21に負荷する押圧力を検出していることになり、着座検出機構ということができる。
【0044】
また、このメイン支持部33a,34aは、メイン部21が後方Rrに移動するのを許容するものであるため、メイン部21を後方Rrに移動させて、メイン部21に対するサイドサポート部22,23の前方Frへの突出量を相対的に増大させる作用も奏する移動機構ということができる。
【0045】
さらに、サイドサポート支持部33b,34bも、サイドサポート部22,23を前方Frに移動させて、メイン部21に対するサイドサポート部22,23の前方Frへの突出量を相対的に増大させる移動機構ということができる。
【0046】
一方、前後方向に移動可能のサイドサポート部22,23に、後方Rrに向く押圧力が作用すると、サイドサポート部22,23が後退し、サイドサポート部22,23の後面22a,23aが、サイドサポート支持部33b,34bを後方Rrに変位させ、回動アーム33,34は支軸31,31回りにそれぞれ回動する。
【0047】
そして、回動アーム33,34の回動によって、メイン支持部33a,34aが前方Frに変位し、メイン支持部33a,34aはそれぞれ対応するメイン部21の後面21aに、前方Frに向いた押圧力を作用させ、メイン部21を前方Frに変位させる。
【0048】
ここで、サイドサポート支持部33b,34bは、乗員の乗降時にサイドサポート部22,23に負荷する押圧力を検出していることになり、乗降検出機構ということができる。
【0049】
また、このサイドサポート支持部33b,34bは、サイドサポート部22,23が後方Rrに移動するのを許容するものであるため、サイドサポート部22,23を後方Rrに移動させて、メイン部21に対するサイドサポート部22,23の前方Frへの突出量を相対的に減少させる作用も奏する移動機構ということができる。
【0050】
さらに、メイン支持部33a,34aも、メイン部21を前方Frに移動させて、メイン部21に対するサイドサポート部22,23の前方Frへの突出量を相対的に減少させる移動機構ということができる。
【0051】
また、シートバック20には、図2(a)に示すように、シートバック20の両側面および前面に亘って、メイン部21および両サイドサポート部22,23を後方Rrに付勢するように、両端がシートバックフレーム24に固定された弾性変形可能のシート表皮26が張り込まれ、メイン部21および両サイドサポート部22,23が、前後方向に、任意に移動するのを防止している。
【0052】
次に、本実施形態に係るシート100の作用について説明する。
【0053】
まず、図2(b)に示すように、乗員200がこのシート100の右方からシート100に乗り込む動作を行うと、乗員200がシートバック20のメイン部21に到達する以前に、乗員200の肩部や背中部が、乗込み側である右側のサイドサポート部23に、後方Rrに向かう押圧力fが作用する。
【0054】
そして、このサイドサポート部23は、作用した押圧力fによって後退し、サイドサポート部23の後面23aが、サイドサポート支持部34bを後方Rrに変位させ、回動アーム34は支軸31回りに回動する。
【0055】
そして、回動アーム34の回動によって、メイン支持部34aが前方Frに変位し、メイン支持部34aはメイン部21の後面21aに、前方Frに向いた押圧力を作用させ、メイン部21を前方Frに変位させる。
【0056】
このように、乗員200の乗込み動作によって、シートバック20のメイン部21に対する乗込み側のサイドサポート部23の前方Frへの突出量が減少するため、乗降性能が向上する。
【0057】
なお、メイン部21が前方Frへ、相対的に突出することによって、シート表皮26は伸び、このシート表皮26が張り込まれたメイン部21および両サイドサポート部22,23に作用する後方Rrへの付勢力が、この伸びた分の弾性復元力分だけさらに増大する。
【0058】
したがって、この付勢力の増大によって、乗込み側とは反対側である左側のサイドサポート部22も、後方Rrに変位する。
【0059】
以上の作用は、乗込み側がシート100の右側である場合であるが、乗込み側が左側である場合には乗込み側が右側である場合と左右対称に作用する。
【0060】
また、上述の作用は、乗員200がシート100に乗り込む場合であるが、乗員200がシート100から降座する際、すなわち、乗員200の背中部や肩部がメイン部21から離れて降座側のサイドサポート部22(または23)に対して押圧力を作用させた場合にも、乗込みの際と同様の作用を奏する。
【0061】
したがって、乗員200の降座動作によって、シートバック20のメイン部21に対する降座側のサイドサポート部23の前方Frへの突出量が減少するため、乗降性能が向上する。
【0062】
次に、図2(c)に示すように、乗員200がこのシート100の中央のメイン部21に着座すると、乗員200の肩部や背中部がメイン部21に、後方Rrに向かう押圧力fが作用する。
【0063】
そして、このメイン部21は、作用した押圧力fによって後退し、メイン部21の後面21aが、メイン支持部33a,34aを後方Rrに変位させ、回動アーム33,34は、それぞれ支軸31,31回りに回動する。
【0064】
そして、回動アーム33,34の回動によって、サイドサポート支持部33b,34bが前方Frに変位し、サイドサポート支持部33bはサイドサポート部22の後面22aに、前方Frに向いた押圧力を作用させて、サイドサポート部22を前方Frに変位させ、サイドサポート支持部34bはサイドサポート部23の後面23aに、前方Frに向いた押圧力を作用させて、サイドサポート部23を前方Frに変位させる。
【0065】
このように、乗員200の着座によって、シートバック20のメイン部21に対するサイドサポート部22,23の前方Frへの突出量が増大するため、サイドサポート部22,23による拘束性能が向上する。
【0066】
また、回動アーム33,34は、メイン部21の後退と、サイドサポート部22,23の前進とを連動させることができるとともに、メイン部21の前進と、サイドサポート部22,23の後退とを連動させることもでき、部品点数を低減させることができる。
【0067】
さらに、シート表皮26は、シート100が空席の場合(例えば、このシートが助手席である場合)に、車両の加減速に対する慣性力によって、メイン部21および両サイドサポート部22,23が、前後方向に任意に移動するのを防止することができる。
(実施形態2)
図3は、本発明に係る第3の車両用シートおよび第4の車両用シートについての一実施形態である車両用シート(以下、単にシートという。)100を示す部分破断斜視図、図4は、図3に示したシートクッションの前後方向に直交する面による横断面を示す断面図である。
【0068】
図示のシート100は、背もたれ部分であるシートバック20と、幅方向Wの中央部であるメイン部61とこのメイン部61の両側方にそれぞれ連設されたサイドサポート部62,63とを有する座面であるシートクッション60と、シートバック20の上面に設けられたヘッドレスト10と、シートクッション60の下面に接続されて、シート100の下方Loの車室内フロアに、このシート100を固定する基部90とを備えている。
【0069】
ここで、シートクッション60のメイン部61と両サイドサポート部62,63とは、それぞれこのシート100の上方Upおよび下方Loに移動可能に設けられている。
【0070】
また、シートクッション60の下面には、このシートクッション60の下面に沿ってシートクッションフレーム64が配設されており、このシートクッションフレーム64には、シートクッション60の下面に沿って前後方向方向に延設された2本の支軸71,71が固設されている。
【0071】
そして、この支軸71,71にはそれぞれ、シートクッション60の前後方向に直交する面による横断面(図4(a)参照)が、略L字状に形成され、シートクッション60の前後方向に延びる回動アーム73,74が回動可能に軸支されている。
【0072】
この回動アーム73,74は、シート100の幅方向外側の部分に、サイドサポート部62,63の下面62a,63aにそれぞれ当接して、これらサイドサポート部62,63を下方Loから支持するサイドサポート支持部73b,74bが形成され、支軸71,71を挟んでサイドサポート支持部73b,74bの反対側すなわちシート100の幅方向中央側の部分に、メイン部61の下面61aに当接して、このメイン部61を下方Loから支持するメイン支持部73a,74aが形成されている。
【0073】
これにより、上下方向に移動可能のメイン部61に、下方Loに向く押圧力が作用すると、メイン部61が降下し、メイン部61の下面61aが、メイン支持部73a,74aを下方Loに変位させ、回動アーム73,74は支軸71,71回りにそれぞれ回動する。
【0074】
そして、回動アーム73,74の回動によって、各サイドサポート支持部73b,74bが上方Upに変位し、サイドサポート支持部73b,74bはそれぞれ対応する各サイドサポート部62,63の下面62a,63aに、上方Upに向いた押圧力を作用させ、各サイドサポート部62,63を上方Upに変位させる。
【0075】
ここで、メイン支持部73a,74aは、乗員の着座によってメイン部61に負荷する押圧力を検出していることになり、着座検出機構ということができる。
【0076】
また、このメイン支持部73a,74aは、メイン部61が下方Loに移動するのを許容するものであるため、メイン部61を下方Loに移動させて、メイン部61に対するサイドサポート部62,63の上方Upへの突出量を相対的に増大させる作用も奏する移動機構ということができる。
【0077】
さらに、サイドサポート支持部73b,74bも、サイドサポート部62,63を上方Upに移動させて、メイン部61に対するサイドサポート部62,63の上方Upへの突出量を相対的に増大させる移動機構ということができる。
【0078】
一方、上下方向に移動可能のサイドサポート部62,63に、下方Loに向く押圧力が作用すると、サイドサポート部62,63が降下し、サイドサポート部62,63の下面62a,63aが、サイドサポート支持部73b,74bを下方Loに変位させ、回動アーム73,74は支軸71,71回りにそれぞれ回動する。
【0079】
そして、回動アーム73,74の回動によって、メイン支持部73a,74aが上方Upに変位し、メイン支持部73a,74aはそれぞれ対応するメイン部61の下面61aに、上方Upに向いた押圧力を作用させ、メイン部61を上方Upに変位させる。
【0080】
ここで、サイドサポート支持部73b,74bは、乗員の乗降時にサイドサポート部62,63に負荷する押圧力を検出していることになり、乗降検出機構ということができる。
【0081】
また、このサイドサポート支持部73b,74bは、サイドサポート部62,63が下方Loに移動するのを許容するものであるため、サイドサポート部62,63を下方Loに移動させて、メイン部61に対するサイドサポート部62,63の上方Upへの突出量を相対的に減少させる作用も奏する移動機構ということができる。
【0082】
さらに、メイン支持部73a,74aも、メイン部61を上方Upに移動させて、メイン部61に対するサイドサポート部62,63の上方Upへの突出量を相対的に減少させる移動機構ということができる。
【0083】
また、シートクッション60には、図4(a)に示すように、シートクッション60の両側面および上面に亘って、メイン部61および両サイドサポート部62,63を下方Loに付勢するように、両端がシートクッションフレーム64に固定された弾性変形可能のシート表皮66が張り込まれ、メイン部61および両サイドサポート部62,63が、上下方向に、任意に移動するのを防止している。
【0084】
次に、本実施形態に係るシート100の作用について説明する。
【0085】
まず、図4(b)に示すように、乗員200がこのシート100の右方からシート100に乗り込む動作を行うと、乗員200がシートクッション60のメイン部61に到達する以前に、乗員200の臀部が、乗込み側である右側のサイドサポート部63に、下方Loに向かう押圧力fが作用する。
【0086】
そして、このサイドサポート部63は、作用した押圧力fによって降下し、サイドサポート部63の下面63aが、サイドサポート支持部74bを下方Loに変位させ、回動アーム74は支軸71回りに回動する。
【0087】
そして、回動アーム74の回動によって、メイン支持部74aが上方Upに変位し、メイン支持部74aはメイン部61の下面61aに、上方Upに向いた押圧力を作用させ、メイン部61を上方Upに変位させる。
【0088】
このように、乗員200の乗込み動作によって、シートクッション60のメイン部61に対する乗込み側のサイドサポート部63の上方Upへの突出量が減少するため、乗降性能が向上する。
【0089】
なお、メイン部61が上方Upへ、相対的に突出することによって、シート表皮66は伸び、このシート表皮66が張り込まれたメイン部61および両サイドサポート部62,63に作用する下方Loへの付勢力が、この伸びた分の弾性復元力分だけさらに増大する。
【0090】
したがって、この付勢力の増大によって、乗込み側とは反対側である左側のサイドサポート部62も、下方Upに変位する。
【0091】
以上の作用は、乗込み側がシート100の右側である場合であるが、乗込み側が左側である場合には乗込み側が右側である場合と左右対称に作用する。
【0092】
また、上述の作用は、乗員200がシート100に乗り込む場合であるが、乗員200がシート100から降座する際、すなわち、乗員200の臀部がメイン部61から離れて降座側のサイドサポート部62(または63)に対して押圧力を作用させた場合にも、乗込みの際と同様の作用を奏する。
【0093】
したがって、乗員200の降座動作によって、シートクッション60のメイン部61に対する降座側のサイドサポート部63の上方Upへの突出量が減少するため、乗降性能が向上する。
【0094】
次に、図4(c)に示すように、乗員200がこのシート100の中央のメイン部61に着座すると、乗員200の臀部がメイン部61に、下方Loに向かう押圧力fが作用する。
【0095】
そして、このメイン部61は、作用した押圧力fによって降下し、メイン部61の下面61aが、メイン支持部73a,74aを下方Loに変位させ、回動アーム73,74は、それぞれ支軸71,71回りに回動する。
【0096】
そして、回動アーム73,74の回動によって、サイドサポート支持部73b,74bが上方Upに変位し、サイドサポート支持部73bはサイドサポート部62の下面62aに、上方Upに向いた押圧力を作用させて、サイドサポート部62を上方Upに変位させ、サイドサポート支持部74bはサイドサポート部63の下面63aに、上方Upに向いた押圧力を作用させて、サイドサポート部63を上方Upに変位させる。
【0097】
このように、乗員200の着座によって、シートクッション60のメイン部61に対するサイドサポート部62,63の上方Upへの突出量が増大するため、サイドサポート部62,63による拘束性能が向上する。
【0098】
また、回動アーム73,74は、メイン部61の降下と、サイドサポート部62,63の上昇とを連動させることができるとともに、メイン部61の上昇と、サイドサポート部62,63の降下とを連動させることもでき、部品点数を低減させることができる。
【0099】
さらに、シート表皮66は、シート100が空席の場合(例えば、このシートが助手席である場合)に、車両が凹凸を乗り越えたときの上下方向の加減速に対する慣性力によって、メイン部61および両サイドサポート部62,63が、上下方向に任意に移動するのを防止することができる。
【0100】
なお、上記実施形態1に係るシート100は、シートバック20単独の実施形態であり、実施形態2に係るシート100は、シートクッション60単独の実施形態であるが、これら実施形態1と実施形態2とを組み合わせたものとしてもよいことはいうまでもない。
【0101】
また、上記各実施形態に係る車両用シート100は、メイン部21(61)やサイドサポート部22(62),23(63)の全体を移動させているが、本発明に係る車両用シートは、この形態に限るものではなく、少なくとも、メイン部21(61)またはサイドサポート部22(62),23(63)の前端部分(上端部分)を移動させるものであればよい。
【0102】
このように、メイン部またはサイドサポート部の前端部分を移動させるものとしては、メイン部やサイドサポート部の内部に、空気や液体等の流動体を収容した袋を配設し、袋内部における流動体の滞留位置に応じて、メイン部やサイドサポート部の前端部分を膨縮させればよい。
【0103】
また、上記各実施形態に係る車両用シートは、回動アームを着座検出機構および乗降検出手段機構として適用したものであるが、本発明に係る車両用シートは、この形態に限定されるものではなく、これら着座検出機構や乗降検出機構として、押圧力を電気的に検出する圧力センサ等を適用し、この圧力センサによる検出結果に応じて、メイン部やサイドサポート部を移動させるモータ等を含むリンク機構を移動機構として適用することもできる。
(変形例1)
図5(a)は、上記実施形態2において、支軸71,71および回動アーム73,74に代えて、内部に流動体の一例である空気68が密封された可撓性を有する袋体67およびこの袋体67を下方Loから支える支持板65を、メイン部61の下面61aおよび両サイドサポート部62,63の下面62a,63aに亘って配設してなるものである。
【0104】
このように構成された変形例に係るシート100のシートクッション60は、図5(b)に示すように、右側のサイドサポート部63に、下方Loに向かう押圧力fが作用すると、このサイドサポート部63は、作用した押圧力fによって降下し、サイドサポート部63の下面63aが、袋体67を圧縮する。
【0105】
この結果、袋体67内部の、サイドサポート部63の下面63a下方Loの部分に滞留している空気68は、メイン部61の下面61a下方Loの部分に移動する。
【0106】
この結果、袋体67内部の、メイン部61の下面61a下方Loの部分に滞留する空気68の体積が増大し、メイン部61の下面61aに、上方Upに向いた押圧力を作用させ、メイン部61を上方Upに変位させる。
【0107】
したがって、実施形態2のシート100と同様に、乗員200の乗込み動作によって、シートクッション60のメイン部61に対する乗込み側のサイドサポート部63の上方Upへの突出量が減少するため、乗降性能が向上する。
【0108】
一方、図5(c)に示すように、メイン部61に、下方Loに向かう押圧力fが作用すると、メイン部61は、作用した押圧力fによって降下し、メイン部61の下面61aが、作用した押圧力fによって降下し、メイン部61の下面61aが、袋体67を圧縮する。
【0109】
この結果、袋体67内部の、メイン部61の下面61a下方Loの部分に滞留している空気68は、両サイドサポート部62,63の下面62a,63a下方Loの部分に移動する。
【0110】
この結果、袋体67内部の、両サイドサポート部62,63の下面62a,63a下方Loの部分に滞留する空気68の体積が増大し、両サイドサポート部62,63の下面62a,63aに、上方Upに向いた押圧力を作用させ、両サイドサポート部62,63を上方Upに変位させる。
【0111】
したがって、実施形態2のシート100と同様に、乗員200の着座によって、シートクッション60のメイン部61に対する乗込み側のサイドサポート部63の上方Upへの突出量が増大するため、拘束性能が向上する。
(実施形態3)
図6は、本発明に係る第5の車両用シートについての一実施形態である車両用シート(以下、単にシートという。)100を示す部分破断斜視図、図7は、図6に示した車両用シートの押圧リンクおよび回動アームの詳細を示す要部斜視図、図8,9,10は、図6に示したシートの作用を説明する図である。
【0112】
図示のシート100は、幅方向Wの中央部であるメイン部21とこのメイン部21の両側方にそれぞれ連設されたサイドサポート部22,23とを有する背もたれ部分であるシートバック20と、座面であるシートクッション60と、シートバック20の上面に設けられたヘッドレスト10と、シートクッション60の下面に接続されて、シート100の下方Loの車室内フロアに、このシート100を固定する基部90とを備えている。
【0113】
ここで、シートバック20のメイン部21は、シート100の前後方向に移動可能に設けられ、両サイドサポート部22,23は、シートバック20の幅方向Wに対して回動可能に設けられている。
【0114】
また、シートバック20の後面には、このシートバック20の後面に沿ってシートバックフレーム24が配設されており、このシートバックフレーム24の、シートバック20の後面に沿って上下方向に延びた部分は、支軸31,31を形成している。
【0115】
そして、この支軸31,31にはそれぞれ、シートバック20の上下方向に所定の間隔を以て配列された複数の回動アーム35,36が、回動可能に軸支されている。
【0116】
これらの回動アーム35,36は略L字形状を呈し、支軸31よりも幅方向Wの外側部分は、サイドサポート支持部35a,36aであり、サイドサポート部22,23に内蔵されている。
【0117】
一方、支軸31よりも幅方向Wの中央側部分は、メイン部21への後方Rrへの押圧力に応じてシートバック20の後方Rrに変位する押圧機構としての押圧リンク37と連結された連結部35b,36bを形成している。
【0118】
そして、これらの回動アーム35,36は、支軸31,31回りの回動により、シートバック20の幅方向Wに対するサイドサポート部22,23の傾斜角度を変化させるように、サイドサポート部22,23を回動させる回動機構を形成している。
【0119】
また、押圧リンク37は、メイン部21の内部に、幅方向Wに沿って内蔵されており、押圧リンク37の後方Rrへの変位が大きくなるにしたがって、回動アーム35,36は、サイドサポート部22,23の傾斜角度を大きくするように回動する。
【0120】
ここで、押圧リンク37と各回動アーム35,36とは、図7(a)に示すように、押圧リンク37の下面の両端部近傍に、下方に向けて設けられた連結軸38,38が、各回動アーム35,36の連結部35b,36bに形成された幅方向Wに長い長孔39,39に挿通されて、連結されている。
ここで、連結部35b,36bに形成された長孔39,39が幅方向Wに長いのは、各回動アーム35,36の回動によって両連結部35,36間の幅方向Wのピッチが変化しても、このピッチの変化を吸収することができるためである。
【0121】
また、各支軸31,31と各回動アーム35,36とは、図7(b)に示すように、弦巻バネ40を介して、支持されている。
【0122】
そして、この弦巻バネ40は、回動アーム35,36の連結部35b,36bを、シート100の前方Frに回動させる方向に付勢している。
【0123】
次に、本実施形態に係るシート100の作用について、説明する。
【0124】
まず、乗員200の着座前の状態においては、弦巻バネ40の付勢力によって、回動アーム35,36の連結部35b,36bは、シート100の前方Frに回動する方向に付勢されているため、連結部35b,36bに連結された押圧リンク37が前方Frに付勢され、この押圧リンク37に支持されたメイン部21も前方Frに付勢されている。
【0125】
一方、回動アーム35,36のサイドサポート支持部35a,36aは、シート100の後方Rrに回動される方向に付勢されるため、サイドサポート支持部35a,36aに支持された各サイドサポート部22,23は、傾斜角度が小さくなる方向に付勢されている。
【0126】
したがって、サイドサポート部22,23とメイン部21とは、全体としてフラットな状態となっており、乗員200がシート100の側方から乗り込む際に、サイドサポート部22,23が邪魔にならず、乗込性が高い状態となっている。
【0127】
そして、乗員200がシート100に着座して、シートバック20のメイン部21に、背中部から後方Rrに向けた押圧力を加えると、メイン部21は、上述した前方Frに向かう付勢力に抗して、この押圧力に応じた距離だけ後方Rrに移動する。
【0128】
メイン部21が後方Rrに移動すると、押圧リンク37もメイン部21と一体的に後方Rrに移動し、連結軸38を介してこのメイン部21と連結された各回動アーム35,36の連結部35b,36bが後方Rr方向に移動され、各回動アーム35,36がこの移動量に応じた回動角度で回動する。
【0129】
そして、回動アーム35,36の回動によって、これら回動アーム35,36のサイドサポート支持部35a,36aは、回動角度に応じた角度分だけ、シートバック20の幅方向Wに対する傾斜角度が大きくなる。
【0130】
次いで、サイドサポート支持部35a,36aの回動にしたがって、それぞれ対応するサイドサポート部22,23が回動して、傾斜角度が大きくなり、メイン部21の乗員200を、両サイドから挟み込むように拘束する。
【0131】
ここで、サイドサポート部22,23の回動量は、メイン部21への後方Rrへの押圧力に応じたものとなり、押圧力が大きいほど、回動量が大きくなって、拘束力が増大し、押圧力が小さいほど、回動量が小さくなって、拘束力は緩和される。
【0132】
さらに、回動アーム35,36は、サイドサポート部22,23の上下方向に沿って、所定の間隔で、シートバック20の上下方向に複数配列されており、各回動アーム35,36に対応する押圧リンク37も、メイン部21の上下方向に沿って、所定の間隔で、シートバック20の上下方向に複数配列されているため、乗員200の背中部の高さ部分ごとに、後方Rrに押圧する押圧力が異なる場合には、その高さ部分ごとの押圧力にそれぞれ対応して、サイドサポート部22,23の高さ部分が独立した傾斜角度で回動し、高さ部分ごとに拘束力を異なるものとすることができる。
【0133】
この作用を、図8,9,10を参照して説明する。
【0134】
まず、図8(a)に示すように、乗員200の背中部の上部、中間部、下部について、下部よりも中間部における押圧力が大きく、中間部よりも上部における押圧力が大きい場合は、上部に対応するA−A線断面(図8(b))では、サイドサポート部22,23の傾斜角度が最も大きく、したがって、拘束力も最も大きいものとなる。
【0135】
また、中間部に対応するB−B線断面(図8(c))では、サイドサポート部22,23の傾斜角度が、上部に次いで大きく、したがって、拘束力も上部に次いで大きいものとなる。
【0136】
そして、下部に対応するC−C線断面(図8(d))では、サイドサポート部22,23の傾斜角度が最も小さく、したがって、拘束力も最も小さいものとなる。
【0137】
次に、図9(a)に示すように、乗員200の背中部の上部、中間部、下部の押圧力が略同一である場合は、上部に対応するA−A線断面(図9(b))、中間部に対応するB−B線断面(図9(c))、下部に対応するC−C線断面(図9(d))における、サイドサポート部22,23の傾斜角度は略同一となり、したがって、拘束力も略同一となる。
【0138】
次に、図10(a)に示すように、乗員200の背中部の上部、中間部、下部について、上部よりも中間部における押圧力が大きく、中間部よりも下部における押圧力が大きい場合は、上部に対応するA−A線断面(図10(b))では、サイドサポート部22,23の傾斜角度が最も小さく、したがって、拘束力も最も小さいものとなる。
【0139】
また、中間部に対応するB−B線断面(図10(c))では、サイドサポート部22,23の傾斜角度が、上部に次いで小さく、したがって、拘束力も上部に次いで小さいものとなる。
【0140】
そして、下部に対応するC−C線断面(図10(d))では、サイドサポート部22,23の傾斜角度が最も大きく、したがって、拘束力も最も大きいものとなる。
【0141】
このように、本実施形態に係るシート100は、乗員200の着席姿勢等後方への、上下方向における押圧力の分布に応じて、拘束力を調整することができる。
【0142】
しかも、メイン部21の後方Rrへの移動量も、押圧力に応じたものとなるため、メイン部21の形状が、乗員200の着席姿勢等後方への、上下方向における押圧力の分布に追従したものとなり、着座中における乗員200の疲れを軽減させることもできる。
【0143】
なお、乗員200が降座する際に、乗員200の背中部がメイン部21から離れると、乗員200の背中部から後方Rrに向けてメイン部21に作用していた押圧力がなくなり、メイン部21は、乗込み前と同様に、弦巻バネ40の付勢力によって前方Frに移動する。
【0144】
そして、各サイドサポート部22,23も、弦巻バネ40の付勢力によって、傾斜角度が小さくなる方向に戻る。
【0145】
したがって、サイドサポート部22,23とメイン部21とは、全体としてフラットな状態となり、乗員200がシート100から側方に降りる際に、サイドサポート部22,23が邪魔にならず、降座性が高い状態となっている。
【0146】
このように、本実施形態に係るシート100によれば、シート100に着座する際やシート100から降りる降座の際すなわち乗降時よりも、実際に着座したときは、傾斜角度が大きくなったサイドサポート部22,23による拘束性能が向上し、横加速度の大小に拘わらず、乗車中の拘束性能を高く維持することができる。
【0147】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る第1の車両用シートによれば、着座検出機構が着座を検出すると、移動機構が、シートバックのメイン部に対するサイドサポート部の前方への突出量を増大させるように、シートバックのメイン部およびサイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる。
【0148】
したがって、着座する際やシートから降りる降座の際すなわち乗降時よりも、実際に着座したときは、突出したサイドサポート部による拘束性能が向上し、横加速度の大小に拘わらず、乗車中の拘束性能を高く維持することができる。
【0149】
しかも、着座していないときのサイドサポート部の初期突出量を予め小さく設定しておくことによって、乗降時に、突出したサイドサポート部が邪魔になるのを防止することができ、乗降性能を確保することができる。
【0150】
また、本発明に係る第2の車両用シートによれば、乗降検出機構が乗降動作を検出すると、移動機構が、シートバックのメイン部に対するサイドサポート部の前方への突出量を減少させるように、シートバックのメイン部およびサイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる。
【0151】
したがって、着座する際やシートから降りる降座の際すなわち乗降時は、実際に着座しているときよりも、突出したサイドサポート部による拘束性能が低下し、反対に乗降性能を向上させることができる。
【0152】
しかも、着座しているときのサイドサポート部の初期突出量を予め大きく設定しておくことによって、横加速度の大小に拘わらず、乗車中の拘束性能を高く確保することができる。
【0153】
また、本発明に係る第3の車両用シートによれば、着座検出機構が着座を検出すると、移動機構が、シートクッションのメイン部に対するサイドサポート部の前方への突出量を増大させるように、シートクッションのメイン部およびサイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる。
【0154】
したがって、着座する際やシートから降りる降座の際すなわち乗降時よりも、実際に着座したときは、突出したサイドサポート部による拘束性能が向上し、横加速度の大小に拘わらず、乗車中の拘束性能を高く維持することができる。
【0155】
しかも、着座していないときのサイドサポート部の初期突出量を予め小さく設定しておくことによって、乗降時に、突出したサイドサポート部が邪魔になるのを防止することができ、乗降性能を確保することができる。
【0156】
また、本発明に係る第4の車両用シートによれば、乗降検出機構が乗降動作を検出すると、移動機構が、シートクッションのメイン部に対するサイドサポート部の前方への突出量を減少させるように、シートクッションのメイン部およびサイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる。
【0157】
したがって、着座する際やシートから降りる降座の際すなわち乗降時は、実際に着座しているときよりも、突出したサイドサポート部による拘束性能が低下し、反対に乗降性能を向上させることができる。
【0158】
しかも、着座しているときのサイドサポート部の初期突出量を予め大きく設定しておくことによって、横加速度の大小に拘わらず、乗車中の拘束性能を高く確保することができる。
【0159】
また、本発明に係る第5の車両用シートによれば、着座によって、メイン部に後方への押圧力が作用すると、押圧機構が後方に変位し、この押圧機構の後方への変位に応じて、回動機構がサイドサポート部の傾斜角度を大きくし、メイン部の乗員をサイドサポート部が両側方から挟み込む。
【0160】
この結果、着座する際やシートから降りる降座の際すなわち乗降時よりも、実際に着座したときは、傾斜角度が大きくなったサイドサポート部による拘束性能が向上し、横加速度の大小に拘わらず、乗車中の拘束性能を高く維持することができる。
【0161】
しかも、着座していないときのサイドサポート部の初期傾斜角度を予め小さく設定しておくことによって、乗降時に、突出したサイドサポート部が邪魔になるのを防止することができ、乗降性能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る車両シートを示す部分破断斜視図である。
【図2】図1に示した車両用シートの作用を説明する断面図である。
【図3】本発明の第二の実施形態に係る車両シートを示す部分破断斜視図である。
【図4】図3に示した車両用シートの作用を説明する断面図である。
【図5】本発明の変形例に係る車両シートを示す、図4相当の断面図である。
【図6】本発明の第三の実施形態に係る車両シートを示す部分破断斜視図である。
【図7】図6に示した車両用シートの押圧リンクおよび回動アームの詳細を示す要部斜視図である。
【図8】図6に示した車両用シートの作用を説明する図(その1)である。
【図9】図6に示した車両用シートの作用を説明する図(その2)である。
【図10】図6に示した車両用シートの作用を説明する図(その3)である。
【符号の説明】
10 ヘッドレスト
20 シートバック
21,61 メイン部
22,23,62,63 サイドサポート部
21a,22a,23a,61a,62a,63a 後面
24 シートバックフレーム
26,66 シート表皮
31,71 支軸
33,34,73,74 回動アーム
33a,34a,73a,74a メイン支持部
33b,34b,73b,74b サイドサポート支持部
35,36 回動アーム
35a,36a サイドサポート支持部
35b,36b 連結部
37 押圧リンク(押圧部材)
38 連結軸
39 連結孔
40 弦巻バネ
60 シートクッション
64 シートクッションフレーム
65 支持板
67 袋体
68 空気
90 基部
100 シート(車両用シート)
200 乗員
f 押圧力
Fr 前方
Rr 後方
Up 上方
Lo 下方
W 幅方向
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用シートに関し、詳細には、メイン部とこの両側のサイドサポート部とを有する車両用シートの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車等の車両用シートは、シートに着座する乗込みの際およびシートから降りる際(以下、これらを総称して、単に「シートへの乗降の際」という。)における乗降性能の向上と、乗車後の拘束性能の向上とが求められている。
【0003】
ここで、乗降性能は、シートへの乗降の際に、円滑にシートに着座することができ、また円滑にシートから降りることができる性能であり、背もたれ部であるシートバックや、着座部であるシートクッションの各幅方向側部に突出した部分がない程、円滑な乗降性能を得ることができる。
【0004】
一方、拘束性能は、シートの幅方向についての乗員に対する拘束性能であり、特に、車両が旋回したときに乗員に作用する横加速度に対向して、乗員をシートの中央部(メイン部)に保持させる性能である。
【0005】
そして、この拘束性能は、シートの側部(サイドサポート部)がメイン部よりも突出している程、向上する。
【0006】
このように、乗降性能を高めるには、シートは平滑化され、一方、拘束性能を高めるには、シートのサイドサポート部が突出される。
【0007】
したがって、拘束性能と乗降性能とは相反する性能であり、両者の性能を共に向上させるのは困難であった。
【0008】
そこで、横加速度を検出するセンサを設けるとともに、サイドサポート部による拘束性能を高める位置と拘束性能を低くして乗降性能を高める位置との間を可動するように、サイドサポート部を空気袋によって膨縮させる手段を設け、センサの検出結果に応じて、サイドサポート部を動かす技術が開発されている。
【0009】
そして、この技術によれば、乗降時は横加速度がゼロであるため、サイドサポート部は、メイン部に対するサイドサポート部の突出量が小さくなる位置となるため、乗降性能を確保することができ、一方、走行中に横加速度が大きくなると、サイドサポート部は、その突出量が大きくなる位置となるため、拘束性能を向上させることができる(特許文献1)。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−284942号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献1によって開示されている技術によれば、旋回時等車両および乗員に作用する横加速度が大きい状態においてのみ、サイドサポート部による拘束性が向上するため、横加速度が大きく作用していない走行中は、拘束性能が低く、乗員はサイドサポート部によるフィット感を得られない、という問題がある。
【0012】
また、横加速度の大小によってサイドサポート部を作動させる空気袋が膨縮するため、走行中に膨縮動作し、乗員に違和感を与える場合がある。
【0013】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、乗降性能を確保しつつ、乗車後のサイドサポート部による拘束性能を高く維持することができる車両用シートを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る第1の車両用シートは、メイン部の両側方にそれぞれサイドサポート部が連設されたシートバックを備えた車両用シートにおいて、前記メイン部および前記サイドサポート部のうち少なくとも一方が、他方に対して相対的に、前後方向に移動可能に設けられ、前記車両用シートへの着座を検出する着座検出機構と、前記着座検出機構による前記着座の検出により、前記メイン部に対する前記サイドサポート部の前方への突出量を増大させるように、前記メイン部および前記サイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる移動機構とを備えたことを特徴とする。
【0015】
このように構成された本発明に係る第1の車両用シートによれば、着座検出機構が着座を検出すると、移動機構が、シートバックのメイン部に対するサイドサポート部の前方への突出量を増大させるように、シートバックのメイン部およびサイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる。
【0016】
したがって、着座する際やシートから降りる降座の際すなわち乗降時よりも、実際に着座したときは、突出したサイドサポート部による拘束性能が向上し、横加速度の大小に拘わらず、乗車中の拘束性能を高く維持することができる。
【0017】
しかも、着座していないときのサイドサポート部の初期突出量を予め小さく設定しておくことによって、乗降時に、突出したサイドサポート部が邪魔になるのを防止することができ、乗降性能を確保することができる。
【0018】
また、本発明に係る第2の車両用シートは、メイン部の両側方にそれぞれサイドサポート部が連設されたシートバックを備えた車両用シートにおいて、前記メイン部および前記サイドサポート部のうち少なくとも一方が、他方に対して相対的に、前後方向に移動可能に設けられ、前記車両用シートへの乗降動作を検出する乗降検出機構と、前記乗降検出機構による前記乗降動作の検出により、前記メイン部に対する前記サイドサポート部の前方への突出量を減少させるように、前記メイン部および前記サイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる移動機構とを備えたことを特徴とする。
【0019】
このように構成された本発明に係る第2の車両用シートによれば、乗降検出機構が乗降動作を検出すると、移動機構が、シートバックのメイン部に対するサイドサポート部の前方への突出量を減少させるように、シートバックのメイン部およびサイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる。
【0020】
したがって、着座する際やシートから降りる降座の際すなわち乗降時は、実際に着座しているときよりも、突出したサイドサポート部による拘束性能が低下し、反対に乗降性能を向上させることができる。
【0021】
しかも、着座しているときのサイドサポート部の初期突出量を予め大きく設定しておくことによって、横加速度の大小に拘わらず、乗車中の拘束性能を高く確保することができる。
【0022】
また、本発明に係る第3の車両用シートは、メイン部の両側方にそれぞれサイドサポート部が連設されたシートクッションを備えた車両用シートにおいて、前記メイン部および前記サイドサポート部のうち少なくとも一方が、他方に対して相対的に、上下方向に移動可能に設けられ、前記車両用シートへの着座を検出する着座検出機構と、前記着座検出機構による前記着座の検出により、前記メイン部に対する前記サイドサポート部の上方への突出量を増大させるように、前記メイン部および前記サイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる移動機構とを備えたことを特徴とする。
【0023】
このように構成された本発明に係る第3の車両用シートによれば、着座検出機構が着座を検出すると、移動機構が、シートクッションのメイン部に対するサイドサポート部の前方への突出量を増大させるように、シートクッションのメイン部およびサイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる。
【0024】
したがって、着座する際やシートから降りる降座の際すなわち乗降時よりも、実際に着座したときは、突出したサイドサポート部による拘束性能が向上し、横加速度の大小に拘わらず、乗車中の拘束性能を高く維持することができる。
【0025】
しかも、着座していないときのサイドサポート部の初期突出量を予め小さく設定しておくことによって、乗降時に、突出したサイドサポート部が邪魔になるのを防止することができ、乗降性能を確保することができる。
【0026】
また、本発明に係る第4の車両用シートは、メイン部の両側方にそれぞれサイドサポート部が連設されたシートクッションを備えた車両用シートにおいて、前記メイン部および前記サイドサポート部のうち少なくとも一方が、他方に対して相対的に、上下方向に移動可能に設けられ、前記車両用シートへの乗降動作を検出する乗降検出機構と、前記乗降検出機構による前記乗降動作の検出により、前記メイン部に対する前記サイドサポート部の上方への突出量を減少させるように、前記メイン部および前記サイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる移動機構とを備えたことを特徴とする。
【0027】
このように構成された本発明に係る第4の車両用シートによれば、乗降検出機構が乗降動作を検出すると、移動機構が、シートクッションのメイン部に対するサイドサポート部の前方への突出量を減少させるように、シートクッションのメイン部およびサイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる。
【0028】
したがって、着座する際やシートから降りる降座の際、すなわち乗降時は、実際に着座しているときよりも、突出したサイドサポート部による拘束性能が低下し、反対に乗降性能を向上させることができる。
【0029】
しかも、着座しているときのサイドサポート部の初期突出量を予め大きく設定しておくことによって、横加速度の大小に拘わらず、乗車中の拘束性能を高く確保することができる。
【0030】
また、本発明に係る第5の車両用シートは、メイン部の両側方にそれぞれサイドサポート部が連設されたシートバックを備えた車両用シートにおいて、前記サイドサポート部が、前記シートバックの幅方向に対して回動可能に設けられ、前記メイン部への押圧力に応じてシートバック後方に変位する押圧機構と、前記押圧機構の変位が大きくなるにしたがって、前記シートバックの幅方向に対する前記サイドサポート部の傾斜角度を大きくするように、前記サイドサポート部を回動させる回動機構とを備えたことを特徴とする。
【0031】
このように構成された本発明に係る第5の車両用シートによれば、着座によって、メイン部に後方への押圧力が作用すると、押圧機構が後方に変位し、この押圧機構の後方への変位に応じて、回動機構がサイドサポート部の傾斜角度を大きくし、メイン部の乗員をサイドサポート部が両側方から挟み込む。
【0032】
この結果、着座する際やシートから降りる降座の際すなわち乗降時よりも、実際に着座したときは、傾斜角度が大きくなったサイドサポート部による拘束性能が向上し、横加速度の大小に拘わらず、乗車中の拘束性能を高く維持することができる。
【0033】
しかも、着座していないときのサイドサポート部の初期傾斜角度を予め小さく設定しておくことによって、乗降時に、突出したサイドサポート部が邪魔になるのを防止することができ、乗降性能を確保することができる。
【0034】
さらに、乗車時の、シートへの押圧力を変化させることによって、サイドサポート部による拘束力を調整することもできる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両用シートの具体的な実施の形態について、図面を用いて説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明に係る第1の車両用シートおよび第2の車両用シートについての一実施形態である車両用シート(以下、単にシートという。)100を示す部分破断斜視図、図2は、図1に示したシートバックの上下方向に直交する面による横断面を示す断面図である。
【0036】
図示のシート100は、幅方向Wの中央部であるメイン部21とこのメイン部21の両側方にそれぞれ連設されたサイドサポート部22,23とを有する背もたれ部分であるシートバック20と、座面であるシートクッション60と、シートバック20の上面に設けられたヘッドレスト10と、シートクッション60の下面に接続されて、シート100の下方Loの車室内フロアに、このシート100を固定する基部90とを備えている。
【0037】
ここで、シートバック20のメイン部21と両サイドサポート部22,23とは、それぞれこのシート100の前方Frおよび後方Rrに移動可能に設けられている。
【0038】
また、シートバック20の後面には、このシートバック20の後面に沿ってシートバックフレーム24が配設されており、このシートバックフレーム24には、シートバック20の後面に沿って上下方向に延設された2本の支軸31,31が固設されている。
【0039】
そして、この支軸31,31にはそれぞれ、シートバック20の上下方向に直交する面による横断面(図2(a)参照)が、略L字状に形成され、シートバック20の上下方向に延びる回動アーム33,34が回動可能に軸支されている。
【0040】
この回動アーム33,34は、シート100の幅方向外側の部分に、サイドサポート部22,23の後面22a,23aにそれぞれ当接して、これらサイドサポート部22,23を後方Rrから支持するサイドサポート支持部33b,34bが形成され、支軸31,31を挟んでサイドサポート支持部33b,34bの反対側すなわちシート100の幅方向中央側の部分に、メイン部21の後面21aに当接して、このメイン部21を後方Rrから支持するメイン支持部33a,34aが形成されている。
【0041】
これにより、前後方向に移動可能のメイン部21に、後方Rrに向く押圧力が作用すると、メイン部21が後退し、メイン部21の後面21aが、メイン支持部33a,34aを後方Rrに変位させ、回動アーム33,34は支軸31,31回りにそれぞれ回動する。
【0042】
そして、回動アーム33,34の回動によって、各サイドサポート支持部33b,34bが前方Frに変位し、サイドサポート支持部33b,34bはそれぞれ対応する各サイドサポート部22,23の後面22a,23aに、前方Frに向いた押圧力を作用させ、各サイドサポート部22,23を前方Frに変位させる。
【0043】
ここで、メイン支持部33a,34aは、乗員の着座によってメイン部21に負荷する押圧力を検出していることになり、着座検出機構ということができる。
【0044】
また、このメイン支持部33a,34aは、メイン部21が後方Rrに移動するのを許容するものであるため、メイン部21を後方Rrに移動させて、メイン部21に対するサイドサポート部22,23の前方Frへの突出量を相対的に増大させる作用も奏する移動機構ということができる。
【0045】
さらに、サイドサポート支持部33b,34bも、サイドサポート部22,23を前方Frに移動させて、メイン部21に対するサイドサポート部22,23の前方Frへの突出量を相対的に増大させる移動機構ということができる。
【0046】
一方、前後方向に移動可能のサイドサポート部22,23に、後方Rrに向く押圧力が作用すると、サイドサポート部22,23が後退し、サイドサポート部22,23の後面22a,23aが、サイドサポート支持部33b,34bを後方Rrに変位させ、回動アーム33,34は支軸31,31回りにそれぞれ回動する。
【0047】
そして、回動アーム33,34の回動によって、メイン支持部33a,34aが前方Frに変位し、メイン支持部33a,34aはそれぞれ対応するメイン部21の後面21aに、前方Frに向いた押圧力を作用させ、メイン部21を前方Frに変位させる。
【0048】
ここで、サイドサポート支持部33b,34bは、乗員の乗降時にサイドサポート部22,23に負荷する押圧力を検出していることになり、乗降検出機構ということができる。
【0049】
また、このサイドサポート支持部33b,34bは、サイドサポート部22,23が後方Rrに移動するのを許容するものであるため、サイドサポート部22,23を後方Rrに移動させて、メイン部21に対するサイドサポート部22,23の前方Frへの突出量を相対的に減少させる作用も奏する移動機構ということができる。
【0050】
さらに、メイン支持部33a,34aも、メイン部21を前方Frに移動させて、メイン部21に対するサイドサポート部22,23の前方Frへの突出量を相対的に減少させる移動機構ということができる。
【0051】
また、シートバック20には、図2(a)に示すように、シートバック20の両側面および前面に亘って、メイン部21および両サイドサポート部22,23を後方Rrに付勢するように、両端がシートバックフレーム24に固定された弾性変形可能のシート表皮26が張り込まれ、メイン部21および両サイドサポート部22,23が、前後方向に、任意に移動するのを防止している。
【0052】
次に、本実施形態に係るシート100の作用について説明する。
【0053】
まず、図2(b)に示すように、乗員200がこのシート100の右方からシート100に乗り込む動作を行うと、乗員200がシートバック20のメイン部21に到達する以前に、乗員200の肩部や背中部が、乗込み側である右側のサイドサポート部23に、後方Rrに向かう押圧力fが作用する。
【0054】
そして、このサイドサポート部23は、作用した押圧力fによって後退し、サイドサポート部23の後面23aが、サイドサポート支持部34bを後方Rrに変位させ、回動アーム34は支軸31回りに回動する。
【0055】
そして、回動アーム34の回動によって、メイン支持部34aが前方Frに変位し、メイン支持部34aはメイン部21の後面21aに、前方Frに向いた押圧力を作用させ、メイン部21を前方Frに変位させる。
【0056】
このように、乗員200の乗込み動作によって、シートバック20のメイン部21に対する乗込み側のサイドサポート部23の前方Frへの突出量が減少するため、乗降性能が向上する。
【0057】
なお、メイン部21が前方Frへ、相対的に突出することによって、シート表皮26は伸び、このシート表皮26が張り込まれたメイン部21および両サイドサポート部22,23に作用する後方Rrへの付勢力が、この伸びた分の弾性復元力分だけさらに増大する。
【0058】
したがって、この付勢力の増大によって、乗込み側とは反対側である左側のサイドサポート部22も、後方Rrに変位する。
【0059】
以上の作用は、乗込み側がシート100の右側である場合であるが、乗込み側が左側である場合には乗込み側が右側である場合と左右対称に作用する。
【0060】
また、上述の作用は、乗員200がシート100に乗り込む場合であるが、乗員200がシート100から降座する際、すなわち、乗員200の背中部や肩部がメイン部21から離れて降座側のサイドサポート部22(または23)に対して押圧力を作用させた場合にも、乗込みの際と同様の作用を奏する。
【0061】
したがって、乗員200の降座動作によって、シートバック20のメイン部21に対する降座側のサイドサポート部23の前方Frへの突出量が減少するため、乗降性能が向上する。
【0062】
次に、図2(c)に示すように、乗員200がこのシート100の中央のメイン部21に着座すると、乗員200の肩部や背中部がメイン部21に、後方Rrに向かう押圧力fが作用する。
【0063】
そして、このメイン部21は、作用した押圧力fによって後退し、メイン部21の後面21aが、メイン支持部33a,34aを後方Rrに変位させ、回動アーム33,34は、それぞれ支軸31,31回りに回動する。
【0064】
そして、回動アーム33,34の回動によって、サイドサポート支持部33b,34bが前方Frに変位し、サイドサポート支持部33bはサイドサポート部22の後面22aに、前方Frに向いた押圧力を作用させて、サイドサポート部22を前方Frに変位させ、サイドサポート支持部34bはサイドサポート部23の後面23aに、前方Frに向いた押圧力を作用させて、サイドサポート部23を前方Frに変位させる。
【0065】
このように、乗員200の着座によって、シートバック20のメイン部21に対するサイドサポート部22,23の前方Frへの突出量が増大するため、サイドサポート部22,23による拘束性能が向上する。
【0066】
また、回動アーム33,34は、メイン部21の後退と、サイドサポート部22,23の前進とを連動させることができるとともに、メイン部21の前進と、サイドサポート部22,23の後退とを連動させることもでき、部品点数を低減させることができる。
【0067】
さらに、シート表皮26は、シート100が空席の場合(例えば、このシートが助手席である場合)に、車両の加減速に対する慣性力によって、メイン部21および両サイドサポート部22,23が、前後方向に任意に移動するのを防止することができる。
(実施形態2)
図3は、本発明に係る第3の車両用シートおよび第4の車両用シートについての一実施形態である車両用シート(以下、単にシートという。)100を示す部分破断斜視図、図4は、図3に示したシートクッションの前後方向に直交する面による横断面を示す断面図である。
【0068】
図示のシート100は、背もたれ部分であるシートバック20と、幅方向Wの中央部であるメイン部61とこのメイン部61の両側方にそれぞれ連設されたサイドサポート部62,63とを有する座面であるシートクッション60と、シートバック20の上面に設けられたヘッドレスト10と、シートクッション60の下面に接続されて、シート100の下方Loの車室内フロアに、このシート100を固定する基部90とを備えている。
【0069】
ここで、シートクッション60のメイン部61と両サイドサポート部62,63とは、それぞれこのシート100の上方Upおよび下方Loに移動可能に設けられている。
【0070】
また、シートクッション60の下面には、このシートクッション60の下面に沿ってシートクッションフレーム64が配設されており、このシートクッションフレーム64には、シートクッション60の下面に沿って前後方向方向に延設された2本の支軸71,71が固設されている。
【0071】
そして、この支軸71,71にはそれぞれ、シートクッション60の前後方向に直交する面による横断面(図4(a)参照)が、略L字状に形成され、シートクッション60の前後方向に延びる回動アーム73,74が回動可能に軸支されている。
【0072】
この回動アーム73,74は、シート100の幅方向外側の部分に、サイドサポート部62,63の下面62a,63aにそれぞれ当接して、これらサイドサポート部62,63を下方Loから支持するサイドサポート支持部73b,74bが形成され、支軸71,71を挟んでサイドサポート支持部73b,74bの反対側すなわちシート100の幅方向中央側の部分に、メイン部61の下面61aに当接して、このメイン部61を下方Loから支持するメイン支持部73a,74aが形成されている。
【0073】
これにより、上下方向に移動可能のメイン部61に、下方Loに向く押圧力が作用すると、メイン部61が降下し、メイン部61の下面61aが、メイン支持部73a,74aを下方Loに変位させ、回動アーム73,74は支軸71,71回りにそれぞれ回動する。
【0074】
そして、回動アーム73,74の回動によって、各サイドサポート支持部73b,74bが上方Upに変位し、サイドサポート支持部73b,74bはそれぞれ対応する各サイドサポート部62,63の下面62a,63aに、上方Upに向いた押圧力を作用させ、各サイドサポート部62,63を上方Upに変位させる。
【0075】
ここで、メイン支持部73a,74aは、乗員の着座によってメイン部61に負荷する押圧力を検出していることになり、着座検出機構ということができる。
【0076】
また、このメイン支持部73a,74aは、メイン部61が下方Loに移動するのを許容するものであるため、メイン部61を下方Loに移動させて、メイン部61に対するサイドサポート部62,63の上方Upへの突出量を相対的に増大させる作用も奏する移動機構ということができる。
【0077】
さらに、サイドサポート支持部73b,74bも、サイドサポート部62,63を上方Upに移動させて、メイン部61に対するサイドサポート部62,63の上方Upへの突出量を相対的に増大させる移動機構ということができる。
【0078】
一方、上下方向に移動可能のサイドサポート部62,63に、下方Loに向く押圧力が作用すると、サイドサポート部62,63が降下し、サイドサポート部62,63の下面62a,63aが、サイドサポート支持部73b,74bを下方Loに変位させ、回動アーム73,74は支軸71,71回りにそれぞれ回動する。
【0079】
そして、回動アーム73,74の回動によって、メイン支持部73a,74aが上方Upに変位し、メイン支持部73a,74aはそれぞれ対応するメイン部61の下面61aに、上方Upに向いた押圧力を作用させ、メイン部61を上方Upに変位させる。
【0080】
ここで、サイドサポート支持部73b,74bは、乗員の乗降時にサイドサポート部62,63に負荷する押圧力を検出していることになり、乗降検出機構ということができる。
【0081】
また、このサイドサポート支持部73b,74bは、サイドサポート部62,63が下方Loに移動するのを許容するものであるため、サイドサポート部62,63を下方Loに移動させて、メイン部61に対するサイドサポート部62,63の上方Upへの突出量を相対的に減少させる作用も奏する移動機構ということができる。
【0082】
さらに、メイン支持部73a,74aも、メイン部61を上方Upに移動させて、メイン部61に対するサイドサポート部62,63の上方Upへの突出量を相対的に減少させる移動機構ということができる。
【0083】
また、シートクッション60には、図4(a)に示すように、シートクッション60の両側面および上面に亘って、メイン部61および両サイドサポート部62,63を下方Loに付勢するように、両端がシートクッションフレーム64に固定された弾性変形可能のシート表皮66が張り込まれ、メイン部61および両サイドサポート部62,63が、上下方向に、任意に移動するのを防止している。
【0084】
次に、本実施形態に係るシート100の作用について説明する。
【0085】
まず、図4(b)に示すように、乗員200がこのシート100の右方からシート100に乗り込む動作を行うと、乗員200がシートクッション60のメイン部61に到達する以前に、乗員200の臀部が、乗込み側である右側のサイドサポート部63に、下方Loに向かう押圧力fが作用する。
【0086】
そして、このサイドサポート部63は、作用した押圧力fによって降下し、サイドサポート部63の下面63aが、サイドサポート支持部74bを下方Loに変位させ、回動アーム74は支軸71回りに回動する。
【0087】
そして、回動アーム74の回動によって、メイン支持部74aが上方Upに変位し、メイン支持部74aはメイン部61の下面61aに、上方Upに向いた押圧力を作用させ、メイン部61を上方Upに変位させる。
【0088】
このように、乗員200の乗込み動作によって、シートクッション60のメイン部61に対する乗込み側のサイドサポート部63の上方Upへの突出量が減少するため、乗降性能が向上する。
【0089】
なお、メイン部61が上方Upへ、相対的に突出することによって、シート表皮66は伸び、このシート表皮66が張り込まれたメイン部61および両サイドサポート部62,63に作用する下方Loへの付勢力が、この伸びた分の弾性復元力分だけさらに増大する。
【0090】
したがって、この付勢力の増大によって、乗込み側とは反対側である左側のサイドサポート部62も、下方Upに変位する。
【0091】
以上の作用は、乗込み側がシート100の右側である場合であるが、乗込み側が左側である場合には乗込み側が右側である場合と左右対称に作用する。
【0092】
また、上述の作用は、乗員200がシート100に乗り込む場合であるが、乗員200がシート100から降座する際、すなわち、乗員200の臀部がメイン部61から離れて降座側のサイドサポート部62(または63)に対して押圧力を作用させた場合にも、乗込みの際と同様の作用を奏する。
【0093】
したがって、乗員200の降座動作によって、シートクッション60のメイン部61に対する降座側のサイドサポート部63の上方Upへの突出量が減少するため、乗降性能が向上する。
【0094】
次に、図4(c)に示すように、乗員200がこのシート100の中央のメイン部61に着座すると、乗員200の臀部がメイン部61に、下方Loに向かう押圧力fが作用する。
【0095】
そして、このメイン部61は、作用した押圧力fによって降下し、メイン部61の下面61aが、メイン支持部73a,74aを下方Loに変位させ、回動アーム73,74は、それぞれ支軸71,71回りに回動する。
【0096】
そして、回動アーム73,74の回動によって、サイドサポート支持部73b,74bが上方Upに変位し、サイドサポート支持部73bはサイドサポート部62の下面62aに、上方Upに向いた押圧力を作用させて、サイドサポート部62を上方Upに変位させ、サイドサポート支持部74bはサイドサポート部63の下面63aに、上方Upに向いた押圧力を作用させて、サイドサポート部63を上方Upに変位させる。
【0097】
このように、乗員200の着座によって、シートクッション60のメイン部61に対するサイドサポート部62,63の上方Upへの突出量が増大するため、サイドサポート部62,63による拘束性能が向上する。
【0098】
また、回動アーム73,74は、メイン部61の降下と、サイドサポート部62,63の上昇とを連動させることができるとともに、メイン部61の上昇と、サイドサポート部62,63の降下とを連動させることもでき、部品点数を低減させることができる。
【0099】
さらに、シート表皮66は、シート100が空席の場合(例えば、このシートが助手席である場合)に、車両が凹凸を乗り越えたときの上下方向の加減速に対する慣性力によって、メイン部61および両サイドサポート部62,63が、上下方向に任意に移動するのを防止することができる。
【0100】
なお、上記実施形態1に係るシート100は、シートバック20単独の実施形態であり、実施形態2に係るシート100は、シートクッション60単独の実施形態であるが、これら実施形態1と実施形態2とを組み合わせたものとしてもよいことはいうまでもない。
【0101】
また、上記各実施形態に係る車両用シート100は、メイン部21(61)やサイドサポート部22(62),23(63)の全体を移動させているが、本発明に係る車両用シートは、この形態に限るものではなく、少なくとも、メイン部21(61)またはサイドサポート部22(62),23(63)の前端部分(上端部分)を移動させるものであればよい。
【0102】
このように、メイン部またはサイドサポート部の前端部分を移動させるものとしては、メイン部やサイドサポート部の内部に、空気や液体等の流動体を収容した袋を配設し、袋内部における流動体の滞留位置に応じて、メイン部やサイドサポート部の前端部分を膨縮させればよい。
【0103】
また、上記各実施形態に係る車両用シートは、回動アームを着座検出機構および乗降検出手段機構として適用したものであるが、本発明に係る車両用シートは、この形態に限定されるものではなく、これら着座検出機構や乗降検出機構として、押圧力を電気的に検出する圧力センサ等を適用し、この圧力センサによる検出結果に応じて、メイン部やサイドサポート部を移動させるモータ等を含むリンク機構を移動機構として適用することもできる。
(変形例1)
図5(a)は、上記実施形態2において、支軸71,71および回動アーム73,74に代えて、内部に流動体の一例である空気68が密封された可撓性を有する袋体67およびこの袋体67を下方Loから支える支持板65を、メイン部61の下面61aおよび両サイドサポート部62,63の下面62a,63aに亘って配設してなるものである。
【0104】
このように構成された変形例に係るシート100のシートクッション60は、図5(b)に示すように、右側のサイドサポート部63に、下方Loに向かう押圧力fが作用すると、このサイドサポート部63は、作用した押圧力fによって降下し、サイドサポート部63の下面63aが、袋体67を圧縮する。
【0105】
この結果、袋体67内部の、サイドサポート部63の下面63a下方Loの部分に滞留している空気68は、メイン部61の下面61a下方Loの部分に移動する。
【0106】
この結果、袋体67内部の、メイン部61の下面61a下方Loの部分に滞留する空気68の体積が増大し、メイン部61の下面61aに、上方Upに向いた押圧力を作用させ、メイン部61を上方Upに変位させる。
【0107】
したがって、実施形態2のシート100と同様に、乗員200の乗込み動作によって、シートクッション60のメイン部61に対する乗込み側のサイドサポート部63の上方Upへの突出量が減少するため、乗降性能が向上する。
【0108】
一方、図5(c)に示すように、メイン部61に、下方Loに向かう押圧力fが作用すると、メイン部61は、作用した押圧力fによって降下し、メイン部61の下面61aが、作用した押圧力fによって降下し、メイン部61の下面61aが、袋体67を圧縮する。
【0109】
この結果、袋体67内部の、メイン部61の下面61a下方Loの部分に滞留している空気68は、両サイドサポート部62,63の下面62a,63a下方Loの部分に移動する。
【0110】
この結果、袋体67内部の、両サイドサポート部62,63の下面62a,63a下方Loの部分に滞留する空気68の体積が増大し、両サイドサポート部62,63の下面62a,63aに、上方Upに向いた押圧力を作用させ、両サイドサポート部62,63を上方Upに変位させる。
【0111】
したがって、実施形態2のシート100と同様に、乗員200の着座によって、シートクッション60のメイン部61に対する乗込み側のサイドサポート部63の上方Upへの突出量が増大するため、拘束性能が向上する。
(実施形態3)
図6は、本発明に係る第5の車両用シートについての一実施形態である車両用シート(以下、単にシートという。)100を示す部分破断斜視図、図7は、図6に示した車両用シートの押圧リンクおよび回動アームの詳細を示す要部斜視図、図8,9,10は、図6に示したシートの作用を説明する図である。
【0112】
図示のシート100は、幅方向Wの中央部であるメイン部21とこのメイン部21の両側方にそれぞれ連設されたサイドサポート部22,23とを有する背もたれ部分であるシートバック20と、座面であるシートクッション60と、シートバック20の上面に設けられたヘッドレスト10と、シートクッション60の下面に接続されて、シート100の下方Loの車室内フロアに、このシート100を固定する基部90とを備えている。
【0113】
ここで、シートバック20のメイン部21は、シート100の前後方向に移動可能に設けられ、両サイドサポート部22,23は、シートバック20の幅方向Wに対して回動可能に設けられている。
【0114】
また、シートバック20の後面には、このシートバック20の後面に沿ってシートバックフレーム24が配設されており、このシートバックフレーム24の、シートバック20の後面に沿って上下方向に延びた部分は、支軸31,31を形成している。
【0115】
そして、この支軸31,31にはそれぞれ、シートバック20の上下方向に所定の間隔を以て配列された複数の回動アーム35,36が、回動可能に軸支されている。
【0116】
これらの回動アーム35,36は略L字形状を呈し、支軸31よりも幅方向Wの外側部分は、サイドサポート支持部35a,36aであり、サイドサポート部22,23に内蔵されている。
【0117】
一方、支軸31よりも幅方向Wの中央側部分は、メイン部21への後方Rrへの押圧力に応じてシートバック20の後方Rrに変位する押圧機構としての押圧リンク37と連結された連結部35b,36bを形成している。
【0118】
そして、これらの回動アーム35,36は、支軸31,31回りの回動により、シートバック20の幅方向Wに対するサイドサポート部22,23の傾斜角度を変化させるように、サイドサポート部22,23を回動させる回動機構を形成している。
【0119】
また、押圧リンク37は、メイン部21の内部に、幅方向Wに沿って内蔵されており、押圧リンク37の後方Rrへの変位が大きくなるにしたがって、回動アーム35,36は、サイドサポート部22,23の傾斜角度を大きくするように回動する。
【0120】
ここで、押圧リンク37と各回動アーム35,36とは、図7(a)に示すように、押圧リンク37の下面の両端部近傍に、下方に向けて設けられた連結軸38,38が、各回動アーム35,36の連結部35b,36bに形成された幅方向Wに長い長孔39,39に挿通されて、連結されている。
ここで、連結部35b,36bに形成された長孔39,39が幅方向Wに長いのは、各回動アーム35,36の回動によって両連結部35,36間の幅方向Wのピッチが変化しても、このピッチの変化を吸収することができるためである。
【0121】
また、各支軸31,31と各回動アーム35,36とは、図7(b)に示すように、弦巻バネ40を介して、支持されている。
【0122】
そして、この弦巻バネ40は、回動アーム35,36の連結部35b,36bを、シート100の前方Frに回動させる方向に付勢している。
【0123】
次に、本実施形態に係るシート100の作用について、説明する。
【0124】
まず、乗員200の着座前の状態においては、弦巻バネ40の付勢力によって、回動アーム35,36の連結部35b,36bは、シート100の前方Frに回動する方向に付勢されているため、連結部35b,36bに連結された押圧リンク37が前方Frに付勢され、この押圧リンク37に支持されたメイン部21も前方Frに付勢されている。
【0125】
一方、回動アーム35,36のサイドサポート支持部35a,36aは、シート100の後方Rrに回動される方向に付勢されるため、サイドサポート支持部35a,36aに支持された各サイドサポート部22,23は、傾斜角度が小さくなる方向に付勢されている。
【0126】
したがって、サイドサポート部22,23とメイン部21とは、全体としてフラットな状態となっており、乗員200がシート100の側方から乗り込む際に、サイドサポート部22,23が邪魔にならず、乗込性が高い状態となっている。
【0127】
そして、乗員200がシート100に着座して、シートバック20のメイン部21に、背中部から後方Rrに向けた押圧力を加えると、メイン部21は、上述した前方Frに向かう付勢力に抗して、この押圧力に応じた距離だけ後方Rrに移動する。
【0128】
メイン部21が後方Rrに移動すると、押圧リンク37もメイン部21と一体的に後方Rrに移動し、連結軸38を介してこのメイン部21と連結された各回動アーム35,36の連結部35b,36bが後方Rr方向に移動され、各回動アーム35,36がこの移動量に応じた回動角度で回動する。
【0129】
そして、回動アーム35,36の回動によって、これら回動アーム35,36のサイドサポート支持部35a,36aは、回動角度に応じた角度分だけ、シートバック20の幅方向Wに対する傾斜角度が大きくなる。
【0130】
次いで、サイドサポート支持部35a,36aの回動にしたがって、それぞれ対応するサイドサポート部22,23が回動して、傾斜角度が大きくなり、メイン部21の乗員200を、両サイドから挟み込むように拘束する。
【0131】
ここで、サイドサポート部22,23の回動量は、メイン部21への後方Rrへの押圧力に応じたものとなり、押圧力が大きいほど、回動量が大きくなって、拘束力が増大し、押圧力が小さいほど、回動量が小さくなって、拘束力は緩和される。
【0132】
さらに、回動アーム35,36は、サイドサポート部22,23の上下方向に沿って、所定の間隔で、シートバック20の上下方向に複数配列されており、各回動アーム35,36に対応する押圧リンク37も、メイン部21の上下方向に沿って、所定の間隔で、シートバック20の上下方向に複数配列されているため、乗員200の背中部の高さ部分ごとに、後方Rrに押圧する押圧力が異なる場合には、その高さ部分ごとの押圧力にそれぞれ対応して、サイドサポート部22,23の高さ部分が独立した傾斜角度で回動し、高さ部分ごとに拘束力を異なるものとすることができる。
【0133】
この作用を、図8,9,10を参照して説明する。
【0134】
まず、図8(a)に示すように、乗員200の背中部の上部、中間部、下部について、下部よりも中間部における押圧力が大きく、中間部よりも上部における押圧力が大きい場合は、上部に対応するA−A線断面(図8(b))では、サイドサポート部22,23の傾斜角度が最も大きく、したがって、拘束力も最も大きいものとなる。
【0135】
また、中間部に対応するB−B線断面(図8(c))では、サイドサポート部22,23の傾斜角度が、上部に次いで大きく、したがって、拘束力も上部に次いで大きいものとなる。
【0136】
そして、下部に対応するC−C線断面(図8(d))では、サイドサポート部22,23の傾斜角度が最も小さく、したがって、拘束力も最も小さいものとなる。
【0137】
次に、図9(a)に示すように、乗員200の背中部の上部、中間部、下部の押圧力が略同一である場合は、上部に対応するA−A線断面(図9(b))、中間部に対応するB−B線断面(図9(c))、下部に対応するC−C線断面(図9(d))における、サイドサポート部22,23の傾斜角度は略同一となり、したがって、拘束力も略同一となる。
【0138】
次に、図10(a)に示すように、乗員200の背中部の上部、中間部、下部について、上部よりも中間部における押圧力が大きく、中間部よりも下部における押圧力が大きい場合は、上部に対応するA−A線断面(図10(b))では、サイドサポート部22,23の傾斜角度が最も小さく、したがって、拘束力も最も小さいものとなる。
【0139】
また、中間部に対応するB−B線断面(図10(c))では、サイドサポート部22,23の傾斜角度が、上部に次いで小さく、したがって、拘束力も上部に次いで小さいものとなる。
【0140】
そして、下部に対応するC−C線断面(図10(d))では、サイドサポート部22,23の傾斜角度が最も大きく、したがって、拘束力も最も大きいものとなる。
【0141】
このように、本実施形態に係るシート100は、乗員200の着席姿勢等後方への、上下方向における押圧力の分布に応じて、拘束力を調整することができる。
【0142】
しかも、メイン部21の後方Rrへの移動量も、押圧力に応じたものとなるため、メイン部21の形状が、乗員200の着席姿勢等後方への、上下方向における押圧力の分布に追従したものとなり、着座中における乗員200の疲れを軽減させることもできる。
【0143】
なお、乗員200が降座する際に、乗員200の背中部がメイン部21から離れると、乗員200の背中部から後方Rrに向けてメイン部21に作用していた押圧力がなくなり、メイン部21は、乗込み前と同様に、弦巻バネ40の付勢力によって前方Frに移動する。
【0144】
そして、各サイドサポート部22,23も、弦巻バネ40の付勢力によって、傾斜角度が小さくなる方向に戻る。
【0145】
したがって、サイドサポート部22,23とメイン部21とは、全体としてフラットな状態となり、乗員200がシート100から側方に降りる際に、サイドサポート部22,23が邪魔にならず、降座性が高い状態となっている。
【0146】
このように、本実施形態に係るシート100によれば、シート100に着座する際やシート100から降りる降座の際すなわち乗降時よりも、実際に着座したときは、傾斜角度が大きくなったサイドサポート部22,23による拘束性能が向上し、横加速度の大小に拘わらず、乗車中の拘束性能を高く維持することができる。
【0147】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る第1の車両用シートによれば、着座検出機構が着座を検出すると、移動機構が、シートバックのメイン部に対するサイドサポート部の前方への突出量を増大させるように、シートバックのメイン部およびサイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる。
【0148】
したがって、着座する際やシートから降りる降座の際すなわち乗降時よりも、実際に着座したときは、突出したサイドサポート部による拘束性能が向上し、横加速度の大小に拘わらず、乗車中の拘束性能を高く維持することができる。
【0149】
しかも、着座していないときのサイドサポート部の初期突出量を予め小さく設定しておくことによって、乗降時に、突出したサイドサポート部が邪魔になるのを防止することができ、乗降性能を確保することができる。
【0150】
また、本発明に係る第2の車両用シートによれば、乗降検出機構が乗降動作を検出すると、移動機構が、シートバックのメイン部に対するサイドサポート部の前方への突出量を減少させるように、シートバックのメイン部およびサイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる。
【0151】
したがって、着座する際やシートから降りる降座の際すなわち乗降時は、実際に着座しているときよりも、突出したサイドサポート部による拘束性能が低下し、反対に乗降性能を向上させることができる。
【0152】
しかも、着座しているときのサイドサポート部の初期突出量を予め大きく設定しておくことによって、横加速度の大小に拘わらず、乗車中の拘束性能を高く確保することができる。
【0153】
また、本発明に係る第3の車両用シートによれば、着座検出機構が着座を検出すると、移動機構が、シートクッションのメイン部に対するサイドサポート部の前方への突出量を増大させるように、シートクッションのメイン部およびサイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる。
【0154】
したがって、着座する際やシートから降りる降座の際すなわち乗降時よりも、実際に着座したときは、突出したサイドサポート部による拘束性能が向上し、横加速度の大小に拘わらず、乗車中の拘束性能を高く維持することができる。
【0155】
しかも、着座していないときのサイドサポート部の初期突出量を予め小さく設定しておくことによって、乗降時に、突出したサイドサポート部が邪魔になるのを防止することができ、乗降性能を確保することができる。
【0156】
また、本発明に係る第4の車両用シートによれば、乗降検出機構が乗降動作を検出すると、移動機構が、シートクッションのメイン部に対するサイドサポート部の前方への突出量を減少させるように、シートクッションのメイン部およびサイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる。
【0157】
したがって、着座する際やシートから降りる降座の際すなわち乗降時は、実際に着座しているときよりも、突出したサイドサポート部による拘束性能が低下し、反対に乗降性能を向上させることができる。
【0158】
しかも、着座しているときのサイドサポート部の初期突出量を予め大きく設定しておくことによって、横加速度の大小に拘わらず、乗車中の拘束性能を高く確保することができる。
【0159】
また、本発明に係る第5の車両用シートによれば、着座によって、メイン部に後方への押圧力が作用すると、押圧機構が後方に変位し、この押圧機構の後方への変位に応じて、回動機構がサイドサポート部の傾斜角度を大きくし、メイン部の乗員をサイドサポート部が両側方から挟み込む。
【0160】
この結果、着座する際やシートから降りる降座の際すなわち乗降時よりも、実際に着座したときは、傾斜角度が大きくなったサイドサポート部による拘束性能が向上し、横加速度の大小に拘わらず、乗車中の拘束性能を高く維持することができる。
【0161】
しかも、着座していないときのサイドサポート部の初期傾斜角度を予め小さく設定しておくことによって、乗降時に、突出したサイドサポート部が邪魔になるのを防止することができ、乗降性能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る車両シートを示す部分破断斜視図である。
【図2】図1に示した車両用シートの作用を説明する断面図である。
【図3】本発明の第二の実施形態に係る車両シートを示す部分破断斜視図である。
【図4】図3に示した車両用シートの作用を説明する断面図である。
【図5】本発明の変形例に係る車両シートを示す、図4相当の断面図である。
【図6】本発明の第三の実施形態に係る車両シートを示す部分破断斜視図である。
【図7】図6に示した車両用シートの押圧リンクおよび回動アームの詳細を示す要部斜視図である。
【図8】図6に示した車両用シートの作用を説明する図(その1)である。
【図9】図6に示した車両用シートの作用を説明する図(その2)である。
【図10】図6に示した車両用シートの作用を説明する図(その3)である。
【符号の説明】
10 ヘッドレスト
20 シートバック
21,61 メイン部
22,23,62,63 サイドサポート部
21a,22a,23a,61a,62a,63a 後面
24 シートバックフレーム
26,66 シート表皮
31,71 支軸
33,34,73,74 回動アーム
33a,34a,73a,74a メイン支持部
33b,34b,73b,74b サイドサポート支持部
35,36 回動アーム
35a,36a サイドサポート支持部
35b,36b 連結部
37 押圧リンク(押圧部材)
38 連結軸
39 連結孔
40 弦巻バネ
60 シートクッション
64 シートクッションフレーム
65 支持板
67 袋体
68 空気
90 基部
100 シート(車両用シート)
200 乗員
f 押圧力
Fr 前方
Rr 後方
Up 上方
Lo 下方
W 幅方向
Claims (31)
- メイン部の両側方にそれぞれサイドサポート部が連設されたシートバックを備えた車両用シートにおいて、
前記メイン部および前記サイドサポート部のうち少なくとも一方が、他方に対して相対的に、前後方向に移動可能に設けられ、
前記車両用シートへの着座を検出する着座検出機構と、
前記着座検出機構による前記着座の検出により、前記メイン部に対する前記サイドサポート部の前方への突出量を増大させるように、前記メイン部および前記サイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる移動機構とを備えたことを特徴とする車両用シート。 - 前記着座検出機構は、前記メイン部に負荷する押圧力を検出することにより、前記着座を検出するものであることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
- 前記サイドサポート部は、前記メイン部に対して前後方向に移動可能に設けられ、前記移動機構は、前記サイドサポート部を前方に移動させることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用シート。
- 前記メイン部は、前記サイドサポート部に対して前後方向に移動可能に設けられ、前記移動機構は、前記メイン部を後方に移動させることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用シート。
- 前記メイン部および前記サイドサポート部は、前後方向に移動可能に設けられ、前記移動機構は、前記サイドサポート部を前方に移動させるとともに、前記メイン部を後方に移動させることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用シート。
- 前記移動機構は、前記シートバックの後面に略沿って上下方向に延設された支軸と、前記サイドサポート部の後面に当接して該サイドサポート部を後方から支持するサイドサポート支持部、および前記支軸を挟んで前記サイドサポート支持部の反対側に前記メイン部の後面に当接して該メイン部を後方から支持するメイン支持部が形成され、前記支軸回りに回動可能に前記支軸に軸支された回動アームとを備え、
前記メイン支持部は、前記メイン部を介して、該メイン部に負荷した押圧力を受けることにより、前記着座検出機構を兼ねることを特徴とする請求項5に記載の車両用シート。 - メイン部の両側方にそれぞれサイドサポート部が連設されたシートバックを備えた車両用シートにおいて、
前記メイン部および前記サイドサポート部のうち少なくとも一方が、他方に対して相対的に、前後方向に移動可能に設けられ、
前記車両用シートへの乗降動作を検出する乗降検出機構と、
前記乗降検出機構による前記乗降動作の検出により、前記メイン部に対する前記サイドサポート部の前方への突出量を減少させるように、前記メイン部および前記サイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる移動機構とを備えたことを特徴とする車両用シート。 - 前記乗降検出機構は、前記サイドサポート部に負荷する押圧力を検出することにより、前記乗降動作を検出するものであることを特徴とする請求項7に記載の車両用シート。
- 前記サイドサポート部は、前記メイン部に対して前後方向に移動可能に設けられ、前記移動機構は、前記サイドサポート部を後方に移動させることを特徴とする請求項7または8に記載の車両用シート。
- 前記メイン部は、前記サイドサポート部に対して前後方向に移動可能に設けられ、前記移動機構は、前記メイン部を前方に移動させることを特徴とする請求項7または8に記載の車両用シート。
- 前記メイン部および前記サイドサポート部は、前後方向に移動可能に設けられ、前記移動機構は、前記サイドサポート部を後方に移動させるとともに、前記メイン部を前方に移動させることを特徴とする請求項7または8に記載の車両用シート。
- 前記移動機構は、前記シートバックの後面に略沿って上下方向に延設された支軸と、前記サイドサポート部の後面に当接して該サイドサポート部を後方から支持するサイドサポート支持部、および前記支軸を挟んで前記サイドサポート支持部の反対側に前記メイン部の後面に当接して該メイン部を後方から支持するメイン支持部が形成され、前記支軸回りに回動可能に前記支軸に軸支された回動アームとを備え、
前記サイドサポート支持部は、前記サイドサポート部を介して、該サイドサポート部に負荷した押圧力を受けることにより、前記乗降検出機構を兼ねることを特徴とする請求項11に記載の車両用シート。 - 前記メイン支持部は、前記メイン部を介して、該メイン部に負荷した押圧力を受けることにより、前記メイン部に対する前記サイドサポート部の前方への突出量を増大させる方向に前記メイン部および前記サイドサポート部を移動させるように、前記回動アームが回動することを特徴とする請求項12に記載の車両用シート。
- 前記メイン部および前記サイドサポート部を後方に付勢するように、前記車両用シートの両側面および前面に亘って、弾性変形可能のシート表皮が張り込まれていることを特徴とする請求項1から13のうちいずれか1項に記載の車両用シート。
- メイン部の両側方にそれぞれサイドサポート部が連設されたシートクッションを備えた車両用シートにおいて、
前記メイン部および前記サイドサポート部のうち少なくとも一方が、他方に対して相対的に、上下方向に移動可能に設けられ、
前記車両用シートへの着座を検出する着座検出機構と、
前記着座検出機構による前記着座の検出により、前記メイン部に対する前記サイドサポート部の上方への突出量を増大させるように、前記メイン部および前記サイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる移動機構とを備えたことを特徴とする車両用シート。 - 前記着座検出機構は、前記メイン部に負荷する押圧力を検出することにより、前記着座を検出するものであることを特徴とする請求項15に記載の車両用シート。
- 前記サイドサポート部は、前記メイン部に対して上下方向に移動可能に設けられ、前記移動機構は、前記サイドサポート部を上方に移動させることを特徴とする請求項15または16に記載の車両用シート。
- 前記メイン部は、前記サイドサポート部に対して上下方向に移動可能に設けられ、前記移動機構は、前記メイン部を下方に移動させることを特徴とする請求項15または16に記載の車両用シート。
- 前記メイン部および前記サイドサポート部は、上下方向に移動可能に設けられ、前記移動機構は、前記サイドサポート部を上方に移動させるとともに、前記メイン部を下方に移動させることを特徴とする請求項15または16に記載の車両用シート。
- 前記移動機構は、前記シートバックの下面に略沿って前後方向に延設された支軸と、前記サイドサポート部の下面に当接して該サイドサポート部を下方から支持するサイドサポート支持部、および前記支軸を挟んで前記サイドサポート支持部の反対側に前記メイン部の下面に当接して該メイン部を下方から支持するメイン支持部が形成され、前記支軸回りに回動可能に前記支軸に軸支された回動アームとを備え、
前記メイン支持部は、前記メイン部を介して、該メイン部に負荷した押圧力を受けることにより、前記着座検出機構を兼ねることを特徴とする請求項19に記載の車両用シート。 - メイン部の両側方にそれぞれサイドサポート部が連設されたシートクッションを備えた車両用シートにおいて、
前記メイン部および前記サイドサポート部のうち少なくとも一方が、他方に対して相対的に、上下方向に移動可能に設けられ、
前記車両用シートへの乗降動作を検出する乗降検出機構と、
前記乗降検出機構による前記乗降動作の検出により、前記メイン部に対する前記サイドサポート部の上方への突出量を減少させるように、前記メイン部および前記サイドサポート部のうち移動可能の一方を移動させる移動機構とを備えたことを特徴とする車両用シート。 - 前記乗降検出機構は、前記サイドサポート部に負荷する押圧力を検出することにより、前記乗降動作を検出するものであることを特徴とする請求項21に記載の車両用シート。
- 前記サイドサポート部は、前記メイン部に対して上下方向に移動可能に設けられ、前記移動機構は、前記サイドサポート部を下方に移動させることを特徴とする請求項21または22に記載の車両用シート。
- 前記メイン部は、前記サイドサポート部に対して上下方向に移動可能に設けられ、前記移動機構は、前記メイン部を上方に移動させることを特徴とする請求項21または22に記載の車両用シート。
- 前記メイン部および前記サイドサポート部は、上下方向に移動可能に設けられ、前記移動機構は、前記サイドサポート部を下方に移動させるとともに、前記メイン部を上方に移動させることを特徴とする請求項21または22に記載の車両用シート。
- 前記移動機構は、前記シートバックの下面に略沿って前後方向に延設された支軸と、前記サイドサポート部の下面に当接して該サイドサポート部を下方から支持するサイドサポート支持部、および前記支軸を挟んで前記サイドサポート支持部の反対側に前記メイン部の下面に当接して該メイン部を下方から支持するメイン支持部が形成され、前記支軸回りに回動可能に前記支軸に軸支された回動アームとを備え、
前記サイドサポート支持部は、前記サイドサポート部を介して、該サイドサポート部に負荷した押圧力を受けることにより、前記乗降検出機構を兼ねることを特徴とする請求項25に記載の車両用シート。 - 前記メイン支持部は、前記メイン部を介して、該メイン部に負荷した押圧力を受けることにより、前記メイン部に対する前記サイドサポート部の上方への突出量を増大させる方向に前記メイン部および前記サイドサポート部を移動させるように、前記回動アームが回動することを特徴とする請求項26に記載の車両用シート。
- 前記メイン部および前記サイドサポート部を下方に付勢するように、前記車両用シートの両側面および前面に亘って、弾性変形可能のシート表皮が張り込まれていることを特徴とする請求項15から27のうちいずれか1項に記載の車両用シート。
- メイン部の両側方にそれぞれサイドサポート部が連設されたシートバックを備えた車両用シートにおいて、
前記サイドサポート部が、前記シートバックの幅方向に対して回動可能に設けられ、
前記メイン部への押圧力に応じてシートバック後方に変位する押圧機構と、
前記押圧機構の変位が大きくなるにしたがって、前記シートバックの幅方向に対する前記サイドサポート部の傾斜角度を大きくするように、前記サイドサポート部を回動させる回動機構とを備えたことを特徴とする車両用シート。 - 前記押圧機構は、前記メイン部の幅方向に沿って配設された押圧部材であり、
前記回動機構は、前記シートバックの後面に略沿って上下方向に延設された支軸と、前記支軸回りに回動可能に前記支軸に軸支され、前記サイドサポート部の幅方向に沿って配されて、該サイドサポート部を支持するサイドサポート支持部、および前記押圧部材に連結され、前記支軸を挟んで前記サイドサポート支持部とは反対側に位置する連結部が形成された回動アームとを備えたことを特徴とする請求項29に記載の車両用シート。 - 前記押圧部材および前記回動アームの組が、前記支軸に沿った上下方向にそれぞれ複数独立して設けられていることを特徴とする請求項29または30に記載の車両用シート。
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JP2010241254A (ja) * | 2009-04-06 | 2010-10-28 | Toyota Auto Body Co Ltd | 車両用シート |
WO2017006858A1 (ja) * | 2015-07-03 | 2017-01-12 | テイ・エス テック株式会社 | 車両用シート |
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-
2003
- 2003-02-07 JP JP2003030754A patent/JP2004236943A/ja active Pending
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