JP2004234986A - イグニッションスイッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン始動装置にガタなくワンタッチで取り付け可能なイグニッションスイッチを提供する。
【解決手段】車両等のエンジンの始動操作を行うエンジン始動装置に用いられ、エンジン始動装置の後端に形成された筒状のスイッチ取付部内に取り付けられるイグニッションスイッチにおいて、イグニッションスイッチをエンジン始動装置のスイッチ取付部内に挿入したときに、スイッチ取付部に設けられた係合部に係合する弾性片と、イグニッションスイッチとスイッチ取付部との間に挟持されて変形可能に形成された圧入リブとをイグニッションスイッチに一体に設けた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両に用いられ、キーの挿入よりエンジンのスタートを可能とするエンジン始動装置、または、エンジン始動装置にステアリングシャフトをロックする機能を備えたステアリングロック装置等に用いられるイグニションスイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
実公昭63−21868号公報
【0003】
従来、自動車等に用いられ、キーを挿入して回動操作することによりエンジンを始動させるエンジン始動装置、及びステアリングシャフトをロックする機能を備えたステアリングロック装置の後端部には、キーの回転によってスイッチ操作されてイグニッション回路の開閉を行うイグニッションスイッチが取り付けられている。このイグニッションスイッチは、例えば、特許文献1に記載されているように、ネジによって相手側のケースに取り付けられるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ネジによるイグニッションスイッチの取り付けは、取り付け時間がかかり、部品点数も増加してしまう。特に、走行により振動が発生する環境に取り付けられるイグニッションスイッチにおいては、振動による異音等の発生を防止するためにガタつきなく取り付ける必要があるが、現在においてもガタつきなく取り付ける、ネジに代わる手段は、いまだに考え出されていない。
【0005】
よって本発明は、ガタなくワンタッチで取り付け可能なイグニッションスイッチを提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、前記問題を解決するために本発明は、車両等のエンジンの始動操作を行うエンジン始動装置に用いられ、エンジン始動装置の後端に形成された筒状のスイッチ取付部内に取り付けられるイグニッションスイッチにおいて、イグニッションスイッチをエンジン始動装置のスイッチ取付部内に挿入したときに、スイッチ取付部に設けられた係合部に係合する弾性片と、イグニッションスイッチとスイッチ取付部との間に挟持されて変形可能に形成された圧入リブとをイグニッションスイッチに一体に設けたことを特徴とするものである。
【0007】
このように構成することにより、イグニッションスイッチをエンジン始動装置のスイッチ取付部内に挿入するだけで、イグニッションスイッチの弾性片がスイッチ取付部の係合部に係合して、イグニッションスイッチがスイッチ取付部内に取り付けられるとともに、圧入リブがイグニッションスイッチとスイッチ取付部間に圧縮変形されて挟持されるため、圧入リブとスイッチ取付部との摩擦力によって、スイッチ取付部内でイグニッションスイッチがガタつくのを防止することができる。
【0008】
また、イグニッションスイッチに、エンジン始動装置のスイッチ取付部の外周壁に形成された開口部に周方向に係合してイグニッションスイッチの回転を阻止する回転規制部を設け、回転規制部の開口部と係合する側の面に前記圧入リブを設けるようにしてもよい。
【0009】
このように構成することにより、イグニッションスイッチのスイッチ取付部内での周方向の動きを確実に阻止することができ、また、回転規制部と開口部との隙間に部品精度によるばらつきが発生しても、圧入リブの変形分によってその形状のばらつきを吸収することができるため、回転規制部と開口部との間に隙間が発生することがなく、ガタつきによる異音の発生を確実に防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態であるイグニッションスイッチ20をステアリングロック装置10に組み込む状態を示す。なお、図1では、便宜上、右下側(図2、図3では右側)を「前」、左上側(図2、図3では左側)を「後ろ」という。
【0011】
本実施形態のイグニッションスイッチ20は、ステアリングロック装置10の後端に設けられたスイッチ取付部12に取り付けられる。このスイッチ取付部12は略円筒状に形成されて、内部にイグニッションスイッチ20が嵌入して取り付けられる。このスイッチ取付部12の外周壁の対向位置には、穿設された係合孔14と、係合孔14の後端開口を塞ぐように胴体部42の外周面上に掛け渡された係合部15とがそれぞれ形成されている(図1において一方側のみ図示)。また、スイッチ取付部12の外周壁の係合孔14からおよそ90度の位置には、後端側が開口した開口部16が形成されている。さらに、スイッチ取付部12の底面の軸心部には、キーの回動操作により回動するカムシャフト18(図2に図示)がイグニッションスイッチ20側に突出して設けられている。
【0012】
次に、イグニッションスイッチ20の構造について、図1、図2および図4を参照して詳細に説明する。
本実施形態のイグニッションスイッチ20は、ステアリングロック装置10のカムシャフト18に連結されるロータ30と、ロータ30を回動可能に収納するケース22と、このケース22に取り付けられるターミナルベース40とを備えている。
【0013】
ケース22は、略円筒有底状に形成されており、外周面にはターミナルベース40に組み付けるための係合爪24が一体に形成されている。このケース22の底面の軸心には、後述するロータ30の円軸32を受ける軸受孔26が形成されている。
【0014】
ロータ30の前部には、前側に突出して設けられた円軸32が形成されている。この円軸32はステアリングロック装置10のカムシャフト18が嵌入して連結され、一緒に回動されるものである。ロータ30の後部には、各々略円板状の第1コンタクトプレート34および第2コンタクトプレート36が取り付けられている。第1コンタクトプレート34および第2コンタクトプレート36は、スプリング34a、36aによりそれぞれ後方側に付勢されている。これらコンタクトプレート34、36がロータ30と共に回転してターミナルベース40に一体に設けられた後述する固定接点56と接触することにより、周知のロータリースイッチが構成され、ステアリングロック装置10に挿入されたキーのACC位置、オン位置およびスタート位置の各位置に応じてカムシャフト18およびロータ30も一緒に回動し、上述したようなスイッチ操作がなされるようになっている。
【0015】
ターミナルベース40は、樹脂材料にて形成され、前記ケース22を内接嵌合する略円筒状の胴体部42と、胴体部42から図中上方側に突出して設けられたコネクタ部44とからなる。胴体部42の外周面の対向位置には、前記ステアリングロック装置10の係合孔14内に侵入して係合部15と係合する弾性片46がそれぞれ設けられている。この弾性片46は、胴体部42の外周面の前端から後方側に延びて胴体部42に一体に形成され、胴体部42の軸心側に弾性変形可能に形成されている。さらに、弾性片46の先端の外側には傾斜面46aが形成されている。
【0016】
また、弾性片46の先端部近傍には、胴体部42の外周面から突出して設けられ、組み付け時にはスイッチ取付部12の係合孔14内に嵌入する段部54が設けられている。
【0017】
さらに、胴体部42の外周壁の所定の位置には、前記ケース22の係合爪24が係合する係合穴48aが設けられた連結部48が設けられている。この連結部48の両側には溝50が形成されて連結部48が外側方向に弾性変形可能となっており、ターミナルベース40の胴体部42内にケース22を挿入するだけで、ケース22の係合爪24が係合穴48a内に侵入して係合し、ターミナルベース40とケース22が簡単に組み付けられるようになっている。
【0018】
連結部48の両方側の外周面上にはそれぞれ、前記ステアリングロック装置10のスイッチ取付部12の開口部16の側部にそれぞれ嵌合する回転規制部である2つのレール状部52が設けられている。このレール状部52は、胴体部42の前端から軸方向に後方側まで延びて、外周面から一体に突出して設けられており、イグニッションスイッチ20の挿入位置の確認のための目印及び真っ直ぐにイグニッションスイッチ20をスイッチ取付部12内に挿入できるようにする役割を備えている。
【0019】
このレール状部52の、開口部16の側部に摺動する側の側面の後方側には、図4に示すように、三角柱を横にした形状の圧入リブ53が突設されている。そして、この2つの圧入リブ53の頂点間の間隔は、開口部16の幅よりも少しだけ大きくなるように設定されている。また、レール状部52の後端には、他方側のレール状部52側に向けて垂直に一体に形成されたリブ部52aが設けられ、レール状部52の強度を向上する役割をなしている。
【0020】
さらに、胴体部42の内側底部には、前記コンタクトプレート34、36が接触する固定接点56が配置されている。この固定接点56はコネクタ部44内に配置された複数の端子57にそれぞれ接続され、この端子57は図示しないイグニッション回路に接続される。
【0021】
なお、本実施例のイグニッションスイッチ20はカムシャフト18の後側への移動も検知できるプッシュスイッチ機構58が内蔵されているが、このプッシュスイッチ機構58は、本発明とは直接関係がないので詳細な説明は省略する。
【0022】
続いて、以上の構成からなるイグニッションスイッチ20のステアリングロック装置10への組み付けについて説明する。
【0023】
まず、イグニッションスイッチ20のレール状部52、及び弾性片46をそれぞれ、ステアリングロック装置10のスイッチ取付部12の開口部16および係合孔14の位置に対応させ、スイッチ取付部12内にイグニッションスイッチ20の胴体部42を挿入する。すると、イグニッションスイッチ20のレール状部52がスイッチ取付部12の開口部16内に嵌入されるとともに、弾性片46が係合部15の下面に当接して弾性変形して挿入される。
【0024】
さらにイグニッションスイッチ20が挿入されると、開口部16の側壁がレール状部52の圧入リブ53上に摺接して圧入リブ53が内側に圧縮されて変形し、また、段部54が係合孔14内に嵌入される。そして、弾性片46と係合部15との当接が解除されると、弾性片46が弾性復帰して係合部15の側面に係合した図3の状態となり、イグニッションスイッチ20がステアリングロック装置10のスイッチ取付部12に固定される。
【0025】
この取り付け状態においては、弾性片46の先端が係合部15に係合しているため、イグニッションスイッチ20の後方側への抜けが阻止される。また、レール状部52が開口部16に嵌入するとともに、段部54もまた係合孔14内に嵌入しているためイグニッションスイッチ20のスイッチ取付部12内での回転が規制される。
【0026】
また、圧入リブ53がレール状部52と開口部16間に圧縮変形されて介在しているため、レール状部52と開口部16とが隙間なく強く嵌入して組み付けられる。このため、イグニッションスイッチ20がステアリングロック装置10のスイッチ取付部12に対して回転方向側および前後方向側のガタつきが発生することがなく、車両の走行により振動が発生しても、ステアリングロック装置10に対してイグニッションスイッチ20が振動することはなく、異音等が発生することがない。
【0027】
さらに、ステアリングロック装置10のスイッチ取付部12およびイグニッションスイッチ20の胴体部42の形状に、部品精度によるばらつきが発生しても、圧入リブ53の変形分によってその形状のばらつきを吸収することができるため、形状にばらつきが発生しても圧入リブ53と開口部16との間に隙間が発生することがない。
【0028】
なお、本実施例においては、圧入リブ53をレール状部52の側面に形成するようにしたが、圧入リブ53の形成位置はこれに限られることはなく、例えば、段部54の両側面に圧入リブ53を形成し、係合孔14内に嵌入させるようにしてもよく、種々の変形例が考えられる。
【0029】
また、図3に示す取り付け状態において、弾性片46に弾性力を残した状態で、弾性片46の先端の傾斜面46aを係合部15の下面と側面とにより形成される角部に係合させるようにしてもよく、そうすれば、弾性片46に弾性力によりイグニッションスイッチ20が前方側に付勢された状態で取り付けることができるため、よりガタつきなく取り付けることが可能となる。
【0030】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のイグニッションスイッチによれば、ガタなくワンタッチでエンジン始動装置に取り付けることができるため、組み付け工数および部品点数を削減することができ、また、振動によって異音等が発生することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイグニッションスイッチとステアリングロック装置の組み付けを示す斜視図。
【図2】本発明のイグニッションスイッチの側面断面図。
【図3】本発明のイグニッションスイッチをステアリングロック装置に組み付けた状態を示す一部断面側面図。
【図4】図1の要部拡大斜視図。
【符号の説明】
10…ステアリングロック装置(エンジン始動装置)、12…スイッチ取付部、20…イグニッションスイッチ、15…係合部、16…開口部、46…弾性片、52…レール状部(回転規制部)、53…圧入リブ。

Claims (2)

  1. 車両等のエンジンの始動操作を行うエンジン始動装置に用いられ、該エンジン始動装置の後端に形成された筒状のスイッチ取付部内に取り付けられるイグニッションスイッチにおいて、前記イグニッションスイッチを前記エンジン始動装置のスイッチ取付部内に挿入したときに、前記スイッチ取付部に設けられた係合部に係合する弾性片と、前記イグニッションスイッチと前記スイッチ取付部との間に挟持されて変形可能に形成された圧入リブとを前記イグニッションスイッチに一体に設けたことを特徴とするイグニッションスイッチ。
  2. 前記イグニッションスイッチに、前記エンジン始動装置のスイッチ取付部の外周壁に形成された開口部に周方向に係合してイグニッションスイッチの回転を阻止する回転規制部を設け、該回転規制部の前記開口部と係合する側の面に前記圧入リブを設けるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のイグニッションスイッチ。
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