JP2004234684A - 車両走行制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
交差点を通過するとき信号機の状態を把握しておかないと、先行車に追従運転しているような場合、先行車の交差点進入時の,信号機の状態が分からないと黄色信号で進入しかねない。
本発明の目的は先行車、自車が交差点を通過するときの信号機の状態を予測して自車速度を制御し、一般道路での車間距離一定走行を可能にすることにある。
【解決手段】
交差点の信号機の特性Csを取得する信号機特性取得手段と、交差点までの距離を含む交差点情報を取得する道路情報取得手段と、交差点までの距離と自車速度及び先行車走行状態をもとに自車及び先行車が交差点に到達する時間を計算する交差点到達時間計算手段と、前記信号機特性と前記交差点到達時間をもとに前記信号機の状態を予測する信号機状態予測手段と、前記予測した信号機の状態によって自車の走行制御内容を変更する制御内容変更手段と、を備えることに特徴がある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車のクルーズコントロール装置に係り、特に自車が走行する道路に設置された前方信号機の状態を把握し、自車の速度や先行車との車間距離を適切に制御する車両走行制御装置に関する。
自動車の性能が向上するにつれ、走行レーンや、他車両など、自車が走行する周囲の状況を認識して、事故が発生しそうな状況を検出し、ドライバーに警報を出して危険回避操作を促したり、あるいは積極的に車を自動制御して事故を未然に防止する予防安全の付与が重要になってきている。
具体的には、レーザレーダやミリ波レーダを用いて自車の前方を走行する先行車との車間距離を計測して、この車間距離を一定に制御して走行する自動クルーズシステムが製品化されてきている。しかし、このシステムは高速道路での使用を想定しているが、今後は一般道路走行への適用が考えられている。
そこで、従来技術として、特許文献1、特許文献2及び特許文献3に開示されている装置が知られている。特許文献1に開示されている従来装置は、交通信号の状態を画像処理で認識し、自車が信号機から所定距離のところに到達したとき、信号状態を運転者に報知するとともに、赤信号の時は車両を減速させるものである。また、特許文献2に開示されている従来装置は、信号機の色情報を検知する手段を有していて、検知した信号機の色が所定の色のとき、車間距離制御の動作を停止させるものである。
また特許文献3に開示されている従来装置では、交差点までの距離と信号の状態を交差点から所定距離だけ離れた路上装置から受信し、制御をおこなうものである。
また、従来装置では、受信した交差点までの距離と自車速度に基いて自車が交差点を通過する時の信号の状態を予測し、さらに自車が所定の減速特性で交差点の手前に停止可能かどうかを判断する。そして、自車が所定の減速特性で交差点の手前で停止可能であるが、交差点を安全に通行できない場合には運転者に警報を発する。また、自車が所定の減速特性で交差点の手前に停止可能でないときは、交差点を安全に通行できる場合でも運転者に警報を発する。
従って、従来上記装置によれば、自動減速させたり、運転者に警報を発して運転者に減速を促すことで、安全に交差点の手前で停止させるようにしている。
特開平3−201100号公報 特開平3−260899号公報 特開平11−250399号公報
しかし、上記従来技術の自動クルージングシステムでは、一般道路を走行する場合には、多くの不都合が生じてしまう。すなはち、自動クルージングシステムは車間距離のみを計測しているため、先行車が交差点を黄信号または赤信号直前で通過すると、自車は赤信号にも関わらず先行車に追従してしまう。
また、自車が交差点を通過する時の信号機の状態のみを考慮して減速を行わせるため、不要な減速が発生したり、先行車の停止を考慮した減速ができないなど、よりきめこまかな車間距離制御ができないという問題があった。
本発明の目的は、上記の点を鑑みてなされたもので、自車のみでなく先行車が交差点を通過するときの信号機の状態を予測して自車速度を制御し、一般道路での車間距離一定走行を可能にした車両走行制御装置を提供することにある。
上記の目的は、以下の手段によって解決することができる。
交差点の信号機の特性Csを取得する信号機特性取得手段と、交差点までの距離を含む交差点情報を取得する道路情報取得手段と、交差点までの距離と自車速度及び先行車走行状態をもとに自車および先行車が交差点に到達する時間を計算する交差点到達時間計算手段と、前記信号機特性と前記交差点到達時間をもとに前記信号機の状態を予測する信号機状態予測手段と、前記予測した信号機の状態によって自車の走行制御内容を変更する制御内容変更手段と、を備えたことに特徴がある。
また、上記発明による車両走行制御装置において、ターンシグナルもしくは前記道路情報取得手段が生成する目的地までの経路情報の少なくとも1つを入力して自車の行動パターンを生成する右左折制御信号生成手段をさらに備え、自車が交差点を直進する場合、右折する場合、左折する場合に前記制御内容変更手段は自車の走行制御内容を変更するように構成してもよい。
また、上記発明による車両走行制御装置において、前記信号機特性取得手段を、信号機の特性Csを計測する信号機特性計測手段と計測した信号機特性を学習する信号機特性学習手段と、前記信号機特性計測手段からの信号機特性と前記信号機特性学習手段からの信号機特性を切り替えて出力できるように構成してもよい。
また、上記発明による車両走行制御装置において、前記信号機特性学習手段を、前記道路情報取得手段からの交差点情報と対応付けて学習するように構成してもよい。ここで交差点情報としては、交差点の番号と道路番号を使用すればよい。
また、上記発明による車両走行制御装置において、前記信号機特性取得手段を撮像手段と、前記撮像手段の画像を処理して信号機特性を取得する画像処理手段とで構成する時に、前記道路情報取得手段からの交差点距離Lに応じて前記画像処理装置が前記撮像装置の撮像倍率を変更するように構成してもよい。
また、上記発明による車両走行制御装置において、前記走行制御装置が制御内容を変更する場合には、運転者に対してその旨を知らせるための警報を発生する警報手段をさらに備える構成としてもよい。
また、上記発明による車両走行制御装置において、前記先行車走行状態を外部から得るために通信手段をさらに備え、前記通信手段を介して得た先行車の走行状態(車間距離、相対速度)をもとに先行車の交差点到達時間及びその時の信号状態(赤、青、黄)を予測して、車両制御を行う構成としてもよい。ここで、前記通信手段から得る先行車走行状態は、1台もしくは複数台の走行状態であってもよい。
本発明によれば、一般道路で先行車に追従して走行する際に、黄色信号で交差点を先行車に追従して進入走行することがなくなり、ドライバーに不安感を与えることなく走行することができる。
本発明による車両走行制御装置の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1に一実施形態における車両走行制御装置のブロック構成図を示す。本実施形態の車両走行制御装置は、大別すると信号機特性取得手段1、道路情報取得手段2、交差点到達時間計算手段3、信号機状態予測手段4、制御内容変更手段5、走行制御手段6及び警報手段7とから構成されている。
信号機特性取得手段1は、例えば自車の走行方向の画像を撮影する撮像手段と撮像手段(101)で撮影した画像を処理する画像処理手段(102、図12参照、後述する)とで構成し、後述する処理手順を実行することで図2に示すような信号機の特性Cs(赤時間Tr、青時間Tb、黄時間Ty及び信号状態サイクルの開始から現在時刻までの経過時間T)を取得して、信号機状態予測手段4へ出力する。
ここで、信号機特性取得手段1が取得する信号機の特性Csとは、例えば図2に示すように信号機の青、黄、赤を1サイクルとした時の青時間Tb、黄時間Ty、赤時間Trおよびサイクルの開始から現在時刻までの経過時間T、である。信号機特性取得手段は、例えばTVカメラなどの撮像装置と画像処理装置で実現でき、撮像装置で撮影した画像を処理して信号機を認識し、現在時間と対応づけをして青時間、黄時間、赤時間を計測して取得することができる。あるいは、通信手段を介して路上に設置された信号機あるいはその制御装置または他の路上装置から取得することも可能である。
また、道路情報取得手段2は、GPSなどで得られる自車の位置と道路地図を用いて自車が向かっている交差点までの距離Lを計算する手段で、ナビゲーション装置を用いることで実現することもできる。道路情報取得手段2は、例えば図3に示すGPSを利用したナビゲーション装置20、GPSアンテナ21で構成することができる。すなわち、GPSを利用して自車の走行位置を求め、求めた走行位置とナビゲーション装置20に格納されている道路地図とを対応させることで、自車両が走行している地図上の道路と自車が向かっている交差点を判定し、道路地図に格納されている道路の形状などの情報から自車が向かっている交差点までの距離Lを計算する。判定した道路や交差点には固有の番号が付され、道路地図として格納されているため、道路番号や交差点番号もあわせて出力することができる。
さらに、ナビゲーション装置に経路計算機能が備わっている場合は、出発地と目的地までの最適経路を計算することができるため、計算した経路に基いて自車が向かっている交差点を直進するのか、右折するのかあるいは左折するのかの情報も出力することが可能である。
交差点到達時間計算手段3は、交差点までの距離、自車速度、先行車走行状態(車間距離、相対速度)を用いて、自車及び先行車が交差点に到達する時間を予測する。いま道路情報取得手段2から出力される交差点までの距離をLとし、走行制御手段6が出力する自車速度Vo、先行車までの車間距離Dmおよび先行車の相対速度Vrを用いて、次式により自車および先行車が交差点に到達する時間TsおよびTpを予測し、信号機状態予測手段4に出力する。
自車の到達時間Ts=交差点距離L/自車速度Vo
先行車の到達時間Tp=(交差点距離L−車間距離Dm)/先行車速度Vs
先行車速度Vs=自車速度Vo+相対速度Vr
また、信号機状態予測手段4は、自車及び先行車が交差点に到達する時間と信号機特性(信号機の青時間Tb、黄時間Ty、赤時間Tr及び信号状態サイクルの開始から現在時刻までの経過時間T)をもとに、自車及び先行車が交差点に到達した時の信号状態(青、黄、赤)を予測する。信号機特性取得手段1が出力する信号機の特性Csと交差点到達時間計算手段3が出力する自車及び先行車の交差点到達時間Ts、Tp、を用いて、図4に示すように自車及び先行車が交差点に到達した時の信号機の状態STs及びSTpを予測する。図4の例では、先行車が交差点に到達する時、信号機は赤信号の状態Trにあり、自車が交差点に到達する時は青信号の状態Tbにある、ことを示している。
そして、制御内容変更手段5は、予測された自車及び先行車が交差点に到達した時の信号状態(青、黄、赤)によって、車間距離制御を続行するか、交差点までの距離と自車速度に応じた減速特性で減速動作を行うか、を判定して車両の走行を制御する。また、この減速動作を自車及び先行車が交差点に到達した時の信号状態(赤、青、黄)によって変更することも可能である。
いま、信号機状態予測手段4が出力する信号機の予測状態STs及びSTp、道路情報取得手段2が出力する交差点距離L及び走行制御手段6が出力する自車速度Vに基づいて、走行制御モードMと速度指令VCOPを出力する。さらに、走行制御モードが変化した場合には、その旨を運転者に告知する警報を発生させるため制御信号Saを生成し、警報手段7へ出力する。
警報手段7は、制御モード変更を示す制御信号Saに基いて、実際に制御内容が変更される前に運転者への警報を音、光、振動等によりおこなう。
走行制御手段6は、先行車との車間距離を一定に維持して自車を走行させる制御装置で、例えば図5に示すように構成する。走行制御手段6は、目標距離(Dr)設定手段607、相対速度(Vr)検出手段602と、距離(Dm)検出手段604とを備えるレーダ605、速度指令(Vcmd)設定手段608、車両速度制御手段609、自車速度検出手段610、スロットルアクチュエータ611、変速機アクチュエータ612、及びブレーキアクチュエータ613を備えている。
自車速度Voを検出する自車速度検出手段610には、例えば車輪の回転数から車速を検出する車輪側センサを用いることができる。レーダ605は、例えばミリ波レーダで構成され、距離検出手段604と相対速度検出手段602を備え、車間距離Dm、相対速度Vrをそれぞれ測定し出力する。
目標距離設定手段607は、自車速度検出手段610で検出される自車速度Vに基き、目標距離Drを設定する。
速度指令設定手段608では、目標距離Dr、測定した車間距離Dm、測定した相対速度Vrに基き速度指令Vcmdが設定される。
車両速度制御手段609は、自車速度V0、速度指令Vcmd、車間距離Dm、相対速度Vr、制御モードM、速度指令Vcopに基づいて、スロットル開度指令、変速指令、ブレーキ指令を算出し、スロットルアクチュエータ611、変速機アクチュエータ612、及びブレーキアクチュエータ613を制御する。
ここで、制御内容変更手段5、目標距離設定部607、速度指令設定手段608、及び車両速度制御手段609は、例えば、それぞれ対応する制御プログラムをコンピュータで実行することで実現される。各制御プログラムに対応する処理手順を以下に詳述する。
まず、車両走行制御装置の目標距離設定部607と速度指令設定手段608とで実行される処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。
ステップ301では自車速度検出手段610より自車速度Voを取り込む。ステップ302では自車速度Voに応じた目標距離Drを設定する。この設定方法としては、例えば、自車速度Voが18km/h未満のときは目標距離Drを10mとする。自車速度Voが18km/hから45km/hの間は、目標距離を10mから自車速度に比例して長くし、自車速度Voが45km/hのときに目標距離Drを25mとする。さらに自車速度Voが45km/h以上でも目標距離を自車速度に比例して長くし、自車速度Voが90km/hのときに目標距離Drが75mとする。これ以外の設定方法としては、自車速度Voに所定時間(例えば、1秒)を掛けて求める方法もある。
ステップ303では距離検出手段605より測定した車間距離Dmを取り込む。さらにステップ304では測定した相対速度Vrを取り込む。ステップ305では速度指令Vcmdを目標距離Dr、車間距離Dm、相対速度Vr、自車速度Voから次の数1により算出する。
Figure 2004234684
ここで、Kiは目標車間距離Drと計測した車間距離Dmとの偏差が所定時間続く場合にそれに応じて目標速度を変更するための係数、tは上記所定時間、Kpは目標車間距離Drと計測した車間距離Dmとの偏差に応じて目標速度を変更するための係数、Kdは相対速度に応じて目標速度を変更するための係数である。これらの値は、シミュレーションや実験などによってオフラインで決定し、車両走行制御プログラムの中でパラメータとして組み込み設定する。
車両速度制御手段609で行われる処理について、図7のフローチャートを参照して説明する。ステップ401では、制御内容変更手段5から制御モードMを取り込む。ステップ402において、制御モードMが、制御内容変更手段5が生成した速度指令Vcopの使用を指定しているかどうかを判定する。もし、速度指令Vcopの使用を指定していなければステップ404へ進み、速度指令Vcopの使用を指定している場合はステップ403へ進む。
ステップ403は速度指令Vcopの使用を指定している場合で、制御内容変更手段5から速度指令Vcopを取り込み、それを速度指令Vcmdに再設定する。
ステップ404では速度制御目標トルクTcmdを数式2より算出する。
Figure 2004234684
ここでKjとKqは予め設定した制御定数である。Kjは目標速度と自車速度との偏差の時間積分(偏差の速度で所定時間移動する距離)に応じて目標トルクを変更するための係数、Kqは自車速度に応じて目標トルクを変更するための係数である。
ステップ405においては、予め設定した目標トルク閾値Tthと比較する。Tthは、スロットル開度指令を主に使用して自車速度V0を制御するか、それともブレーキ指令を主に使用して自車速度V0を制御するかの選択をするための閾値である。Tcmd≧Tthの場合にはステップ406からステップ408を、Tcmd<Tthの場合にはステップ409からステップ411を実行する。
Tcmd≧Tthの場合は、主にスロットル開度指令を使用して加速と、エンジンブレーキによる減速の制御をおこなう。ステップ406においてはスロットル開度指令を設定する。現在の変速比と速度制御目標トルクTcmdから目標エンジントルクを計算し、さらに目標エンジントルクとエンジン回転数からスロットル開度指令を設定する。これはエンジン回転数とスロットル開度、エンジントルクの関係を利用したものである。
次にステップ407においては変速指令を設定する。速度指令目標トルクTcmdがエンジンブレーキによる減速を必要とする場合にシフトダウンンをおこなうよう変速指令を設定する。そしてステップ408においてブレーキ指令を設定する。ここではブレーキを操作する必要が無いので、ブレーキ指令はブレーキを解放するよう設定される。
一方、Tcmd<Tthの場合は主にブレーキを使用して減速制御をおこなう。ステップ409では、ブレーキを制御して減速をおこなうので、スロットル開度が全閉となるよう設定する。ステップ410では変速機アクチュエータ612の変速比を設定する。ステップ411では速度指令目標トルクTcmdに応じてブレーキ指令を設定する。そしてスロットルアクチュエータ611はスロットル開度指令に基づき、変速機アクチュエータ612は変速指令に基づき、ブレーキアクチュエータ613はブレーキ指令に基づいてそれぞれが駆動され、自車速度が制御される。
次に、制御内容変更手段5で実行される処理について、図8を参照して説明する。
図8の(A)は、自車及び先行車が交差点に到達した時の信号機の状態をそれぞれ▲および△で示したもので、先行車の信号機の状態によって12個の状態、すなわち(1)〜(12)に分類することができる。各状態での制御内容変更手段5の動作を以下に説明する。
図8の(A)で、状態(1)〜(3)は、先行車がない場合で、自車は低速走行をしている状態を表している。この状態の時は、自車が交差点に到達した時の信号機の状態のみを考えればよいので、自車の制御モードMとしては下記の動作が考えられる。以下、制御内容変更手段5が制御状態(1)〜(12)によって生成する制御モードMを、図8の(B)に示す。
状態(1):自車は青信号で進入するので、そのまま車間距離制御を維持すればよい。したがって、制御モードMは、速度指令設定手段608の速度指令Vcmdを用いるように指令する。
状態(2):自車は黄信号で進入するので、交差点手前で停止する必要がある。したがって、制御モードMは、制御内容変更手段5の速度指令Vcopを用いるように指令する。速度指令Vcopの生成方法としては、例えば交差点で自車速度がゼロとなるようにすればよく、交差点距離Lと自車速度V0を用いて図9に示すパターンが考えられる。
状態(3):自車は赤信号で進入するので、交差点手前で停止する必要がある。したがって、制御モードMは、制御内容変更手段5の速度指令Vcopを用いるように指令する。速度指令Vcopは状態(2)と同じパターンを用いればよい。
状態(4)〜(6)は、先行車が青信号で交差点に進入していく状態を表している。この状態の時は、上記の状態(1)〜(3)と同様な制御を行えばよいので、自車の制御モードMとしては下記の動作が考えられる。
状態(4):自車も青信号で進入するので、そのまま車間距離制御を維持すればよくい。したがって、制御モードMは、速度指令設定手段608の速度指令Vcmdを用いるように指令する(図8の(B))。
状態(5):自車は黄信号で進入するので、交差点手前で停止する必要がある。したがって、制御モードMは、制御内容変更手段5の速度指令Vcopを用いるように指令する。速度指令Vcopの生成方法としては、例えば交差点で自車速度がゼロとなるようにすればよく、交差点までの距離Lと自車速度V0を用いて図9に示すパターンが考えられる。
状態(6):自車は赤信号で進入するので、交差点手前で停止する必要がある。したがって、制御モードMは、制御内容変更手段5の速度指令Vcopを用いるように指令する。速度指令Vcopは状態(5)と同じパターンを用いればよい。
状態(7)〜(9)は、先行車が黄信号で交差点に進入していく状態を表している。この状態の時は、先行車が通過する場合と交差点で停止する場合が考えられるが、制御内容変更手段5は安全性を考慮して先行車が通過してしまう場合を考えればよい。ただし、速度指令Vcopを生成する時は、先行車が交差点で停止すると考えて発生すればよい。したがって、自車の制御モードMとしては下記の動作が考えられる。
状態(7):自車は黄信号で進入するので、交差点手前で停止する必要がある。したがって、制御モードMは、制御内容変更手段5の速度指令Vcopを用いるように指令する。速度指令Vcopの生成方法としては、状態(5)(6)と同様に考え、さらに先行車が交差点で停止していることを考慮して、例えば図10に示すように交差点距離Lから先行車の車長を考慮した値を引いて、その地点L1で自車速度がゼロとなるようにすればよい。先行車の車長としては、大型車の車長をデフォルトとしてプログラムに組み込んでおくか、あるいは、信号機特性取得手段1が撮像装置と画像処理装置で構成されている場合は、画像処理で先行車のナンバープレートを認識して車種を判別しその車種に応じた車長を用いることもできる。
状態(8):自車は赤信号で進入するので、交差点手前で停止する必要がある。したがって、制御モードMは、制御内容変更手段5の速度指令Vcopを用いるように指令する。速度指令Vcopは状態(7)と同じパターンを用いればよい。
状態(9):自車は青信号で進入するので通過可能であるので、そのまま車間距離制御を維持すればよい。もし、先行車が黄信号で停止している場合でも、車間距離制御が動作する。したがって、制御モードMは、速度指令設定手段608の速度指令Vcmdを用いるように指令する。
状態(10)〜(12)は、先行車が赤信号で交差点に進入していく状態を表している。この時は、先行車は交差点で停止していると考えてよいので、自車はそのまま車間距離制御を維持すればよい。したがって、状態(10)〜(12)の全て制御モードMとしては速度指令設定手段608の速度指令Vcmdを用いるように指令する。
図8では信号機の状態が青、黄、赤を1つのサイクルとした時、1サイクルの中に先行車と自車が存在する場合を考えているが、2つ以上のサイクルにまたがる場合もありうる。ただし、この場合は先行車との車間距離が十分ある状態と考えられるため、自車と先行車の信号機の状態が図8のように1サイクルの中に入るまで、車間距離制御を維持した走行制御をおこなえばよい。
また、制御内容変更手段5が、走行制御モードMを変化した場合には、その旨を運転者に告知する警報を発生させるため制御信号Sa(図1)を生成し、警報手段7へ出力する。
信号機の特性(例えば、信号機の青、黄、赤を1サイクル内の青時間Tb、黄時間Ty、赤時間Tr及びサイクルの開始から現在時刻までの経過時間Tなど)を取得する図1に示した信号機特性取得手段1は、例えば図11に示すような構成が考えられる。信号機特性取得手段1は、信号機特性計測手段10と学習手段11を備えている。信号機特性計測手段10では、信号機の特性を計測する。また、学習手段11では、信号機特性計測手段10で計測した信号機特性を交差点番号、道路番号などと合わせて記憶する。信号機特性計測手段10が、信号機の特性を計測することが出来なかった場合、あるいは計測困難となった場合は、学習手段11が記憶していた信号機特性を交差点番号、道路番号に基いて読み出す。
信号機計測手段10は、例えば図12に示す構成が考えられる。図12で、自車の走行に関する画像を撮影する撮像手段101と撮像手段101で撮像した画像を処理する画像処理手段102を備えている。図12の構成で、信号機特性を計測する方法としては、撮像手段101で撮像した画像から青、黄、赤の色情報を検出し、それらの配置関係が信号機と同じであるかどうかを判定することで信号機かどうかを認識する。そして、この処理を連続した画像に対して行うことで、青、黄、赤の各時間を計測する。計測した信号機特性は信号機状態予測手段4に出力するとともに、学習手段11に出力する。例えば、自車の前方に大型車がいて撮像手段101で信号機が撮像できなくなったっ場合は、学習手段11から信号機特性を読み出してその情報を出力する。また、交差点までの距離Lが長い場合は、信号機が小さく撮像されるため、ズーム機構を備えたレンズを用いて交差点距離Lに応じた倍率を求めて、ズーム制御信号Zmを生成してズームレンズを制御すればよい。
信号機特性計測手段10の他の構成例を図13に示す。図13の構成は、路上に設置された信号機やその制御装置から信号機の特性を通信手段によって得るようにしたもので、信号機特性計測手段10は、電波や光を利用した通信手段103で実現できる。通信手段103では、計測した信号機特性Csを信号機状態予測手段4に出力するとともに、学習手段11に出力する。
学習手段11は、例えばメモリを用いて実現できる。
図1に示した本発明の実施例では、先行車の走行状態(車間距離、相対速度)を走行制御手段6から得るようにしているが、本発明の他の実施例として図14に示す構成とすることもできる。図14の実施例は、路上に設置された制御装置から先行車の走行状態を得るようにしたもので、図1の実施例にさらに先行車情報取得手段8を備えている。先行車情報取得手段8は、例えば、図15に示すように通信手段81と処理手段82で構成できる。通信手段81は、電波や光を利用して路上の制御装置から先行車の走行状態を受け取る。処理手段82は、受け取った先行車の走行状態を交差点到達時間計算手段3に出力する。
図14の実施例を用いると、路上の制御装置から自車の周囲を走行している複数台の先行車両の走行状態を取得することが可能となる。その場合は自車が追従している先行車の前を走行している車両に対して交差点到達時間や信号機状態を予測できるため、さらによりきめこまかな制御を実現することが可能となり、乗り心地の向上につながる。
さらに、本発明を実現するたの実施例として、例えば図16に示す構成が考えられる。図15の実施例では、自車が交差点を右折または左折する場合、対向車、歩行者等を考慮して自車を制御することを目的としている。そのため、図1の実施例の構成に、右左折制御信号生成手段9をさらに備えるようにしている。図14の実施例の構成にさらに備えることも可能である。
右左折制御信号生成手段9は、ターンシグナルと道路情報取得手段が生成する目的地までの経路情報(直進、右折、左折)を入力して、ターンシグナルまたは経路情報の少なくとも1つが右折または左折を示した時に右左折制御信号R/Lを生成し、制御内容変更手段に出力する。右左折制御信号R/Lは、例えば、自車が交差点を直進する場合はR/L=0、右折する場合はR/L=1、左折する場合はR/L=2のパターンとすればよい。制御内容変更手段5は、右左折制御信号R/Lの値に基いて自車の走行制御内容を変更する。例えば、上述した自車と先行車の信号状態に応じた制御内容変更手段5の動作状態(1)〜(12)はR/L=0(直進)の時のみとし、R/L=1または2(右折または左折)の場合は、運転者に対向車、歩行者の確認を告知する警報を生成するとともに速度指令は制御内容変更手段5が生成した速度指令Vcopを使用するように制御モードMを発生する。制御内容変更手段5の制御モードを右左折制御信号R/Lに対応して図17に示す。
本発明の車両走行制御装置の一実施形態の機能構成ブロック図である。 信号機特性を取得する場合の説明図である。 道路情報取得手段の構成を示すブロック図である。 信号機状態予測方法の説明図である。 車両走行制御装置の構成を示すブロック図である。 目標距離設定手段と速度指令設定手段の処理を説明するためのフローチャートである。 車両速度制御手段の処理を説明するためのフローチャートである。 制御内容変更方法を説明するための図である。 速度指令Vcopの発生方法例をの説明する図である。 速度指令Vcopの発生方法の、他の例を説明する図である。 信号機特性取得手段の構成を説明するブロック図である。 信号機特性計測手段の構成を説明するブロック図である。 信号機特性計測手段の他の構成を示すブロック図である。 本発明の他の構成を示すブロック図である。 先行車情報取得手段の構成を示すブロック図である。 本発明の他の構成例を示すブロック図である。 制御内容変更手段の制御モードの説明図である。
符号の説明
1…信号機特性取得手段、2…道路情報取得手段、3…交差点到達時間計算手段、4…信号機状態予測手段、5…制御内容変更手段、…6走行制御手段、7…警報手段、8…先行車情報取得手段、9…右左折制御信号生成手段、602…相対速度検出手段、604…距離検出手段、605…レーダ、607…目標距離設定手段、608…速度指令設定手段、609…車両速度制御手段、610…自車速度検出手段、611…スロットルアクチュエータ、612…変速機アクチュエータ、613…ブレーキアクチュエータ、20…ナビゲーション装置、10…信号機特性計測手段、11…学習手段、101…撮像手段、102…画像処理手段。

Claims (6)

  1. 先行車との車間距離を所定間隔に維持して走行する車両走行制御装置において、前方交差点の信号機の特性を取得する信号機特性取得手段と、交差点までの距離を含む交差点情報を取得する道路情報取得手段と、交差点までの距離と自車速度及び先行車走行状態をもとに自車及び先行車が交差点に到達する時間を計算する交差点到達時間計算手段と、前記信号機特性と前記交差点到達時間をもとに前記信号機の状態を予測する信号機状態予測手段と、前記予測した信号機の状態によって自車の走行制御内容を変更する制御内容変更手段と、を備えたことを特徴とする車両走行制御装置。
  2. 特許請求項1の記載において、前記信号機特性取得手段に通信手段を備え、前記信号機の状態あるいは前記先行車の走行状態を得ることを特徴とする車両走行制御装置。
  3. 前記請求項1の記載において、タ―ンシグナルもしくは前記道路情報取得手段が生成する目的地までの経路情報から自車の行動パターンを生成して制御内容変更手段に入力する右左折制御信号生成手段、を付加したことを特徴とする車両走行制御装置。
  4. 前記請求項の記載において、前記信号機特性取得手段は、信号機の特性を計測する信号機特性計測手段と計測した信号機特性を学習する信号機特性学習手段とを備えたことを特徴とする車両走行制御装置。
  5. 前記請求項4の記載において、前記信号機特性学習手段は、前記道路情報取得手段からの交差点情報と対応づけて学習することを特徴とする車両走行制御装置。
  6. 先行車との車間距離を一定に維持して走行する車両走行制御装置において、前方交差点の信号機の特性を取得する計測手段としてズーム手段を有する撮像手段と前記撮像手段の画像を処理して信号機特性を取得する画像処理手段と通信手段からなる信号機特性計測手段と交差点番号や道路番号と対応づけて信号機の特性を学習する学習手段とからなる信号機特性取得手段と、前方交差点までの距離を含む交差点情報を取得する道路情報取得手段と、交差点までの距離と自車速度及び先行車走行状態をもとに自車及び先行車が交差点に到達する時間を計算する交差点到達時間計算手段と、前記信号機特性と前記交差点到達時間をもとに前記信号機の状態を予測する信号機状態予測手段と、タ―ンシグナルもしくは前記道路情報取得手段が生成する目的地までの経路情報を入力信号として自車の行動パターン信号を生成し制御内容変更手段に入力する右左折制御信号生成手段と、前記予測した信号機の状態あるいは前記行動パターン信号によって自車の走行制御内容を変更する制御内容変更手段と、前記制御内容を変更する前に対応する警報を発する警報手段、とを備えたことを特徴とする車両走行制御装置。
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