JP2004233861A - マスク、露光方法及びデバイス製造方法 - Google Patents
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- H01L27/1259—Multistep manufacturing methods
- H01L27/1288—Multistep manufacturing methods employing particular masking sequences or specially adapted masks, e.g. half-tone mask
Abstract
【課題】露光装置の解像限界に影響されずに良好にハーフトーン露光できるマスク及び露光方法を提供する。
【解決手段】マスクM上に形成され、露光光を遮蔽する遮蔽部6と露光光を透過する透過部7とを有するパターン2を感光基板に露光する際、パターン2は、遮蔽部6に対する透過部7を所定のピッチDで繰り返した繰り返し領域5を有し、繰り返した方向XにピッチD分だけマスクMを感光基板に対してシフトし、マスクMのパターン2を複数回に分けて露光する。
【選択図】 図3
【解決手段】マスクM上に形成され、露光光を遮蔽する遮蔽部6と露光光を透過する透過部7とを有するパターン2を感光基板に露光する際、パターン2は、遮蔽部6に対する透過部7を所定のピッチDで繰り返した繰り返し領域5を有し、繰り返した方向XにピッチD分だけマスクMを感光基板に対してシフトし、マスクMのパターン2を複数回に分けて露光する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光処理に用いるマスク、露光方法及びデバイス製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)等のスイッチング素子を含む複数の機能層を基板上に形成することで製造されるが、薄膜トランジスタを製造する際のパターニング工程に従来よりフォトリソグラフィ工程が用いられている。フォトリソグラフィ工程は、基板上に感光性材料であるフォトレジストを塗布してフォトレジスト層(感光性材料層)を形成する塗布工程と、マスクを露光光で照明することによりマスクに形成されたパターンを前記フォトレジスト層が設けられた基板に露光する露光工程と、フォトレジスト層のうち露光光により感光した感光部あるいは非感光部のフォトレジストを除去する現像工程とを有している。
【0003】
図27は従来における薄膜トランジスタの製造工程の一例を示す図である。図27(a)において、まず、絶縁性基板であるガラス基板301上にゲート電極形成用金属層302Aが形成され、次いで第1のマスク300Aを用いたフォトリソグラフィ工程によりパターニングすることによりゲート電極302が形成される。そして、図27(b)に示すように、ゲート電極302が形成された基板301上に、ゲート絶縁層303、ドープしていないアモルファスシリコンからなる活性半導体層であるa−Si層304、リン等を高濃度でドープしたシリコンからなるn+a−Si層305、ソース/ドレイン電極形成用金属層306、及びフォトレジスト層307が順次積層される。次いで、図27(c)に示すように、フォトレジスト層307が第2のマスク300Bを用いたフォトリソグラフィ工程でパターニングされる。なお、ここでのフォトレジスト層307には、露光光を照射されない非照射部が現像処理後に除去されるネガ型レジストが用いられている。次いで、図27(d)に示すように、a−Si層304、n+a−Si層305、及びソース/ドレイン電極形成用金属層306がエッチングされ、図27(e)に示すように、フォトレジスト層307がアッシングされる。次に、再びフォトレジスト層307が設けられ、図27(f)に示すように、このフォトレジスト層307が第3のマスク300Cを用いたフォトリソグラフィ工程で図27(c)に示したパターンとは異なるパターンにパターニングされる。そして、図27(g)に示すように、薄膜トランジスタのチャネル部308に対応する部分のn+a−Si層305、及びソース/ドレイン電極形成用金属層306がエッチングされ、フォトレジスト層307をアッシングすることで、図27(h)に示すように、チャネル部308、ソース電極309、及びドレイン電極310が形成される。そして、ドレイン電極310に接続する不図示の画素電極を形成することで薄膜トランジスタが形成される。
【0004】
図27を参照して説明したように、薄膜トランジスタを製造する際にはフォトリソグラフィ工程を複数回繰り返すことになるが、処理期間の短期化及びコスト低減のためにフォトリソグラフィ工程数の削減、すなわちフォトリソグラフィ工程で用いるマスクの枚数の削減が求められる。このマスクの枚数を削減するための一手法としてハーフトーン露光が提案されている。ハーフトーン露光は、1つのフォトレジスト層を少なくとも2つの異なる膜厚に現像し、このフォトレジストをアッシングしながら被エッチング層(ゲート電極形成用金属層、n+a−Si層、及びソース/ドレイン電極形成用金属層等)をエッチングすることで、1回のフォトリソグラフィ工程(塗布工程、露光工程、及び現像工程)で2層の被エッチング層をそれぞれ別のパターンにパターンニングする方法である。これによれば1回分のフォトリソグラフィ工程(すなわち1枚のマスクの枚数)を削減することができる。
【0005】
図28はハーフトーン露光を用いた薄膜トランジスタの製造工程の一例を示す図である。図28(a)において、まず、ガラス基板301上にゲート電極形成用金属層302Aが形成され、次いで第1のマスク300Aを用いたフォトリソグラフィ工程によりパターニングすることによりゲート電極302が形成される。次いで、図28(b)に示すように、ゲート電極302が形成された基板301上に、ゲート絶縁層303、ドープしていないアモルファスシリコンからなる活性半導体層であるa−Si層304、リン等を高濃度でドープしたシリコンからなるn+a−Si層305、ソース/ドレイン電極形成用金属層306、及びフォトレジスト層307が順次積層される。
【0006】
そして、図28(c)に示すように、フォトレジスト層307がハーフトーン露光用マスク320を用いたフォトリソグラフィ工程でパターニングされる。ここで、ハーフトーン露光用マスク320は、露光光を透過可能な透光性基板320Aと、透光性基板320Aに形成されたクロム等からなる遮光部320Bと、所定のピッチで形成された遮光部であるライン部320Cとを備えている。ライン部320Cは露光装置(投影光学系)の解像限界以下の線幅を有している。したがって、マスク320を露光光で照明した際、ライン部320Cは基板301上で解像せずにぼけるため、マスク320のうちライン部320Cが形成された領域を通過した露光光の基板301上における露光量(照度)がほぼ均一化される。すなわち、ハーフトーン露光用マスク320は、パターンが形成されていない領域である光透過領域321Aと、遮光部320Bが形成されている光遮蔽領域321Bと、ライン部320Cが形成され光透過領域321Aより低い光透過率を有する低透過領域321Cとを有する構成となっている。したがって、基板301上において、低透過領域321Cに対応するフォトレジスト層307の所定領域であるチャネル形成予定領域307Cに照射される露光量は、光透過領域321Aに対応するフォトレジスト層307の電極形成予定領域307Aに照射される露光量に対して低い値に設定される。このフォトレジスト層307の各領域307A、307Cにおける露光量の違いにより、現像処理後においてフォトレジスト層307の膜厚を異ならせることができ、図28(c)に示すように、フォトレジスト層307のうち半透過領域321Cに対応するチャネル形成予定領域307Cの膜厚を、光透過領域321Aに対応する電極形成予定領域307Aに対して薄く設定でき、薄膜部(チャネル形成予定領域)307Cと厚膜部(電極形成予定領域)307Aとを形成することができる。
【0007】
そして、図28(d)に示すように、フォトレジスト層307以外の領域に対応するa−Si層304、n+a−Si層305、及びソース/ドレイン電極形成用金属層306がエッチングされる。ここで、ソース/ドレイン電極形成用金属層306やa−Si層304、n+a−Si層305がエッチングされている間、フォトレジスト層307もエッチング(アッシング)されている。そのため、フォトレジスト層307のうち薄膜部307Cが厚膜部307Aより先に除かれ、これによりチャネル部308に対応するソース/ドレイン形成用金属層306が露出し、図28(e)に示すように、薄膜トランジスタのチャネル部308に対応する部分のソース/ドレイン電極形成用金属層306、及びn+a−Si層305がエッチングされる。そして、残った厚膜部307Aをアッシングすることで、図28(f)に示すように、チャネル部308、ソース電極309、及びドレイン電極310が形成される。そして、ドレイン電極310に接続する不図示の画素電極を形成することで薄膜トランジスタが形成される。
【0008】
このように、図28を参照して説明したハーフトーン露光に基づく製造工程によれば、図27を参照して説明した製造工程に比べて使用するマスクの枚数、すなわちフォトリソグラフィ工程の工程数を削減することができる。下記特許文献1〜3にはハーフトーン露光に関する技術が開示されている。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−55364号公報
【特許文献2】
特開2002−141512号公報
【特許文献3】
特開2002−151381号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術には以下に述べる問題が存在する。
図28を参照して説明したように、ハーフトーン露光では、露光装置(投影光学系)の解像限界以下のライン部320Cを有する低透過領域321Cをマスク320上に形成することにより、チャネル形成予定領域307Cに対する露光量を、電極形成予定領域307Aに対する露光量より低く設定して膜厚を相違させている。しかしながら、露光処理に用いる露光装置(投影光学系)が高い解像限界を有する場合、前記ライン部320Cがフォトレジスト層307のチャネル形成予定領域307Cで解像してしまう。すると、フォトレジスト層307(チャネル形成予定領域307C)は均一な露光量で露光光を照射されず、これによりエッチング(アッシング)時にチャネル形成予定領域307Cに凹凸が生じ、所望の平坦度(膜厚)を有するフォトレジスト層307が得られなくなる。すると、エッチング時にチャネル形成予定領域307Cにおけるソース/ドレイン電極形成用金属層306の一部が露出したにもかかわらず他の一部が露出せず、所望の形状にパターニングできないという問題が生じる。
【0011】
高い解像限界を有する露光装置を用いた場合、ライン部320Cの線幅を更に細く形成して露光処理することも考えられるが、マスク320(光透過基板320A)にパターンを描画する際の描画能力に限界があるため、描画誤差を生じることなく細い線幅のライン部320Cを描画することは困難である。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、露光装置の解像限界に影響されずに良好にハーフトーン露光できるマスク、露光方法及びデバイス製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は実施の形態に示す図1〜図26に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明のマスク(M)は、放射線(EL)を遮蔽する遮蔽部(6、15’)と放射線(EL)を透過する透過部(7、15)とを有するパターン(2、11、12、17)を含む露光処理に用いるマスク(M)において、遮蔽部(6、15’)に対する透過部(7、15)、又は透過部(7、15)に対する遮蔽部(6、15’)を所定のピッチ(D、L、W)で繰り返した繰り返し領域(5)を有し、露光処理の際に繰り返した方向(X)にピッチ(D、L、W)分だけパターン(2、11、12、17)をシフトすることによりハーフトーンを形成することを特徴とする。
【0014】
本発明の露光方法は、マスク(M)上に形成され、放射線(EL)を遮蔽する遮蔽部(6、15’)と放射線(EL)を透過する透過部(7、15)とを有するパターン(2、11、12、17)を感光基板(P)に露光する露光方法において、パターン(2、11、12、17)は、遮蔽部(6、15’)に対する透過部(7、159、又は透過部(7、15)に対する遮蔽部(6、15’)を所定のピッチ(D、L、W)で繰り返した繰り返し領域を有し、繰り返した方向(X)にピッチ(D、L、W)分だけマスク(M)を感光基板(P)に対してシフトし、マスク(M)のパターン(2、11、12、17)を複数回に分けて露光することを特徴とする。
【0015】
本発明のデバイス製造方法は、マスク(M)のパターン(2、11、12、17)を感光基板(P)に露光することにより感光基板(P)に回路パターン(109、110)を形成しデバイス(TFT)を製造するデバイス製造方法において、マスク(M)として上記記載のマスクを用いることを特徴とする。
また、本発明のデバイス製造方法は、マスク(M)のパターン(2、11、12、17)を感光基板(P)に露光することにより感光基板(P)に回路パターン(109、110)を形成しデバイスを製造するデバイス製造方法において、マスク(M)のパターン(2、11、12、17)を感光基板(P)に露光する露光方法として上記記載の露光方法を用いて回路パターン(109、110)を形成することを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、露光装置(投影光学系)が高い解像限界を有する場合であっても、遮蔽部と透過部とを所定のピッチで繰り返した繰り返し領域をマスク上に設け、露光処理の際に繰り返し方向に前記ピッチ分だけパターンをシフトして複数回露光するようにしたので、ハーフトーン露光領域(例えばチャネル形成予定領域)を均一な露光量で露光することができる。したがって、現像処理後においてハーフトーン露光されたフォトレジスト層の表面を平坦に形成でき、所望のパターン形状を得ることができ、これにより所望の性能を有するデバイスを製造できる。また、本発明によれば、マスク上には放射線(露光光)を略100%透過する透過部と略0%透過する遮蔽部との2値化されたパターンを形成すればよく、その両者の中間の透過率を有する半透過部を別に形成する必要が無いので、マスクを製造する上においても有利である。
【0017】
ここで、ハーフトーン露光とは、基板上の複数の領域に対してそれぞれ異なる露光量で露光処理を行うことにより、最終的に得られるフォトレジスト層(感光性材料層)の膜厚を部分的に相違させる露光処理をいう。
また、以下の説明において、基板上のフォトレジスト層において予め設定された設定露光量(100%露光量)に対して少ない露光量(ハーフトーン露光量、ハーフドーズ量)で露光され、前記設定露光量で露光される領域に対して前記ハーフトーン露光量で露光される領域を適宜「ハーフトーン露光領域」と称する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のマスク及び露光方法について説明する。まず、図1を参照しながら本発明の露光方法に用いる露光装置について説明する。図1は露光装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
図1において、露光装置EXは、マスクMを支持するマスクステージMSTと、感光基板Pを支持する基板ステージPSTと、光源を有し、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMを基板ステージPSTに支持されている感光基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を統括制御する制御装置CONTとを備えている。感光基板Pはガラス基板等の絶縁性基板上にフォトレジスト(感光性材料)を設けてフォトレジスト層(感光性材料層)を形成したものである。ここで、以下の説明において、水平面内における第1の方向をX軸方向、水平面内において第1の方向と直交する第2の方向をY軸方向、X軸及びY軸方向に直交する方向、すなわち鉛直方向をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわり方向をそれぞれθX、θY、及びθZ方向とする。
【0019】
マスクステージMSTはマスクステージ駆動装置MSTDにより2次元方向(XY方向)に移動し、基板ステージPSTは基板ステージ駆動装置PSTDにより2次元方向(XY方向)に移動する。更に、基板ステージPSTはZ軸、θX、θY、及びθZ方向にも移動可能である。マスクMを支持するマスクステージMSTのXY方向の位置はレーザ干渉計51、52により検出される。レーザ干渉計51、52はマスクステージMST上の移動鏡53、54に対してレーザ光を照射し、マスクステージMSTひいてはマスクMの位置検出を行う。同様に、感光基板Pを支持する基板ステージPSTのXY方向の位置はレーザ干渉計55、56により検出される。レーザ干渉計55、56は基板ステージPST上の移動鏡57、58に対してレーザ光を照射し、基板ステージPSTひいては感光基板Pの位置検出を行う。また、感光基板PのZ軸方向における位置は不図示のフォーカス検出装置により検出される。
【0020】
<第1実施形態>
次に、本発明のマスク及び露光方法の第1実施形態について説明する。
まず、図2を参照しながら本実施形態に係るマスクについて説明する。図2は本発明のマスクの第1実施形態に係る模式図であって、図2(a)は平面図、図2(b)は側面図である。
図2において、マスクMは、露光光(放射線)ELを透過可能な透光性基板1上にクロム等の遮光性材料でパターン2を形成したものである。本実施形態では、パターン2は薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)のソース/ドレイン電極パターニング用のパターンであって、ソース用パターン部3と、ドレイン用パターン部4とを有している。そして、パターン部3、4の間には、薄膜トランジスタのチャネル部に対応するギャップ部(繰り返し領域)5が設定されており、ギャップ部5には所定の線幅Dを有するライン部(遮蔽部)6が設けられている。ライン部6は前記遮光性材料により形成されており露光光ELを遮蔽する。本実施形態において、ライン部6はギャップ部5の図中X軸方向の略中央部に1つ設けられている。また、ライン部6とパターン部3との間、及びライン部6とパターン部4との間のそれぞれには遮光性材料が設けられておらず、露光光ELを透過するスペース部(透過部)7となっている。スペース部7の幅もライン部6の線幅と同じDに設定されている。そして、ギャップ部5はライン部6とスペース部7とが所定のピッチDで繰り返された繰り返し領域となっている。本実施形態において、ライン部6とスペース部7とは図2中、X軸方向に繰り返されている。すなわち、X軸方向が繰り返し方向となっている。
【0021】
次に、上述したマスクMを用いてマスクMのパターンを感光基板Pに露光する露光方法を図3及び図4を参照しながら説明する。図3は第1実施形態に係る露光方法を説明する説明図、図4は露光方法を示すフローチャート図である。なお、本実施形態におけるフォトレジスト層には、露光光を照射された照射部が現像処理で除去されるポジ型レジストが用いられている。
まず、図3(a)に示すように、制御装置CONTはマスクステージMSTを介してマスクMを第1の位置に位置決めする(ステップSA1)。マスクMの位置はレーザ干渉計により検出される。また、制御装置CONTは基板ステージPSTを介して感光基板Pを所定の位置に位置決めする。感光基板Pの位置もレーザ干渉計により検出される。次いで、制御装置CONTは第1の位置に位置決めしたマスクMを照明光学系ILにより露光光ELで照明し、マスクMのパターン2を感光基板Pに露光(第1の露光)する(ステップSA2)。
【0022】
第1の露光をするに際し、制御装置CONTはマスクMに対する露光光ELの照射量を予め設定されている設定照射量に対して少ない値に設定し、照射する。これにより感光基板P上のフォトレジスト層は予め設定された設定露光量(100%露光量)に対して少ない露光量(ハーフトーン露光量)で露光される。本実施形態において、第1の露光では感光基板P(フォトレジスト層)は設定露光量に対して50%の露光量で露光される。そして、感光基板Pのフォトレジスト層のギャップ部5に対応する領域のうち、スペース部7に対応する領域が露光光を選択的に照射される。
【0023】
第1の露光が終了したら、制御装置CONTはマスクMを感光基板Pに対してX軸方向、すなわちライン部6とスペース部7との繰り返し方向に距離(ピッチ)Dだけシフトする。これにより、図3(b)に示すように、マスクMは第1の位置より距離DだけX軸方向にシフトした第2の位置に位置決めされる(ステップSA3)。マスクMの位置はレーザ干渉計により検出される。このとき、感光基板Pは前記所定の位置に位置決めされている。
【0024】
そして、制御装置CONTは第2の位置に位置決めしたマスクMを照明光学系ILにより露光光ELで照明し、マスクMのパターン2を感光基板Pに露光(第2の露光)する(ステップSA4)。これにより、感光基板PはマスクMのパターンを複数回(ここでは2回)に分けて露光されたことになる。
【0025】
第2の露光においても、制御装置CONTはマスクMに対する露光光ELの照射量を予め設定されている設定照射量に対して少ない値に設定し、照射する。これにより感光基板P上のフォトレジスト層は予め設定された設定露光量(100%露光量)に対して少ない露光量(ハーフトーン露光量)で露光される。本実施形態において、第2の露光でも感光基板Pのフォトレジスト層は設定露光量に対して50%の露光量で露光される。すなわち、制御装置CONTは第1及び第2の露光における露光量のそれぞれをほぼ同一の露光量に設定して露光処理する。
【0026】
そして、フォトレジスト層のギャップ部5に対応する領域において、第1の露光でライン部7を透過した露光光により選択的に露光された間の部分は、第2の露光でライン部7を透過した露光光により補間される。これにより、第1の露光及び第2の露光による感光基板P上での合成露光量は図3(c)のようになる。すなわち、感光基板P上において、ソース用パターン部3及びドレイン用パターン部4のそれぞれに対応する領域(電極形成予定領域)には露光光が照射されず、合成露光量はほぼゼロである。一方、ギャップ部5に対応する領域(チャネル形成予定領域、ハーフトーン露光領域)での合成露光量は設定露光量のほぼ50%であり、露光量分布は第1及び第2の露光によりほぼ均一となる。したがって、この露光光を照射されたフォトレジスト層の現像処理後の形状は図3(d)に示すような形状となる。すなわち、マスクMのギャップ部5に対応するフォトレジスト層10の所定領域であるチャネル形成予定領域(ハーフトーン露光領域)10Aは薄膜化された薄膜部となり、一方、パターン部3、4に対応する領域である電極形成予定領域10Bは薄膜部(チャネル形成予定領域)10Aより厚い厚膜部10Bとなる。そして、薄膜部10Aの表面形状はほぼ平坦となる。一方、フォトレジスト層10のうちパターン2に対応する以外の領域10Cは設定露光量(100%露光量)で露光されるため、ポジ型レジストであるフォトレジスト層は現像処理後において除去される。
【0027】
以上のようにして、感光基板P上において、ギャップ部(繰り返し領域)5に対応するフォトレジスト層10上のチャネル形成予定領域10Aに照射される露光量は、マスクMのパターン部2以外の領域である光透過領域に対応するフォトレジスト層10上の領域10Cに照射される露光量に対して低い値に設定される。このフォトレジスト層10の各領域10A、10B、及び10Cにおける露光量の違いにより、現像処理後においてフォトレジスト層10の膜厚を異ならせることができ、図3(d)に示すように、フォトレジスト層10のうちギャップ部5に対応するチャネル形成予定領域10Aの膜厚を、パターン部3、4に対応する電極形成予定領域10Bに対して薄く設定でき、薄膜部(10A)と厚膜部(10B)とを形成することができる。
【0028】
以上説明したように、遮蔽部であるライン部6と透過部であるスペース部7とが所定のピッチDで繰り返された繰り返し領域であるギャップ部5をマスクM上に設け、第1の露光した後に第2の露光する際、繰り返し方向であるX軸方向にピッチD分だけパターンをシフトして露光するようにしたので、露光装置EXの投影光学系PLが高い解像限界を有していても、ハーフトーン露光領域であるチャネル形成予定領域10Aを均一な露光量で露光することができる。したがって、現像処理後においてチャネル形成予定領域(薄膜部)10Aは平坦化され、所望のパターン形状を得ることができる。
【0029】
本実施形態では、ライン部6の線幅はDであり、一方、スペース部7の幅もライン部6と同じDである。すなわち、ライン部6とスペース部7との線幅の比率は1:1である。したがって、第1の露光と第2の露光とでマスクMを距離Dだけシフトして2回露光する際、第1の露光における露光量と第2の露光における露光量とを同じ露光量(50%露光量)に設定することで、チャネル形成予定領域10Aにおける露光量分布を均一にすることができる。すなわち、ライン部6とスペース部7との比率に基づいてギャップ部5での露光量を決定することにより、ハーフトーン露光領域10Aでの露光量分布を均一にすることができる。
【0030】
そして、複数回(2回)に分けて露光する際の露光量のそれぞれを同じ値に設定したことにより、露光量調整動作が不要となり、露光処理における作業性を向上することができる。
【0031】
なお、露光量は照度(単位面積当たりの露光光照射量)と露光時間との積であるので、第1の露光における露光量と第2の露光における露光量とを同じ値に設定するために、照度(あるいは露光時間)を第1の露光と第2の露光とで変更した際には、この変更に応じて露光時間(あるいは照度)も変更すればよい。
【0032】
また、フォトレジスト層10に対する露光量と現像処理後のフォトレジスト層の膜厚とは比例関係でなく、レジスト特性(レジスト感度)に応じて変化する場合がある。したがって、照射される露光量と現像処理後のフォトレジスト層の膜厚との関係をレジスト特性に基づいて予め求めておき、この求めた結果に基づいて、フォトレジスト層の目標膜厚に対応する露光量を決定すればよい。
【0033】
ところで、第1の露光と第2の露光とでマスクMをシフトすることにより、例えばマスクM上におけるソース用パターン部3のパターン形状、具体的にはパターン線幅Da(図3(a)参照)に対して、フォトレジスト層10のソース用パターン部3に対応する領域の線幅Da’(図3(d)参照)は太くなり、これに伴って実際に基板P上に形成されるソース電極(ソース線)の線幅もマスクM上の線幅Daに対して太くなる。同様に、マスクM上のギャップ部5の幅に対して、基板上に形成されるソース/ドレイン間のチャネル部の幅の太くなる。したがって、このマスク上でのパターン形状(パターン幅)と基板上でのパターン形状(パターン幅)との差異、すなわち、ピッチDだけパターンをシフトして露光した際のズレ領域Dz(=Da’−Da)の露光量を補正するように、ライン部6とスペース部7との繰り返し領域を除くパターンであるマスクM上におけるソース用パターン部3やドレイン用パターン部4のパターン形状(パターン幅)を、基板上において所望のパターン形状(パターン幅)となるように予め設定しておけばよい。換言すれば、シフトして露光することにより基板上でのパターン幅が太くなる量(Dz)を予め考慮してマスクMに形成するパターン形状(パターン幅Da)を設計しておけばよい。
【0034】
本実施形態では、高い解像限界を有する露光装置を用いた際にライン部6が感光基板P上で解像しても平坦な薄膜部10Aを形成することを目的の1つとしており、ライン部6は感光基板P上で解像してもよく、解像されずにぼけた状態で感光基板P上に投影されてもよい。解像しない状態でマスクMを感光基板Pに対して相対的にシフトしながら露光することにより、より一層薄膜部10Aを平坦化できる。
【0035】
なお、本実施形態では、感光基板Pを所定の位置に固定した状態でマスクMをシフト(移動)するように説明したが、マスクMの位置を固定した状態で感光基板Pをシフトするようにしてもよい。あるいは、マスクMと感光基板Pとを同時に移動するようにしてもよい。
【0036】
なお、本実施形態では、フォトレジスト層10を、露光光を照射された照射部が現像処理において除去されるポジ型レジストとして説明したが、露光光を照射されない非照射部が現像処理において除去されるネガ型レジストを用いた場合にも本発明を適用することはもちろん可能である。フォトレジスト層10としてネガ型レジストを用いた場合、例えば図2に示す例においては、パターン2を光透過領域とし、パターン2以外の部分に遮光性材料を設けて光遮蔽領域とする。また、ポジ型レジストでは、本実施形態においてギャップ部5はライン部(遮蔽部)6に対してスペース部(透過部)7が所定のピッチDで繰り返された構成であるが、ネガ型レジストである場合には、ギャップ部5がスペース部(透過部)7に対してライン部(遮蔽部)6が所定のピッチDで繰り返される構成となる。
【0037】
<第2実施形態>
次に、本発明のマスク及び露光方法の第2実施形態について図5及び図6を参照しながら説明する。ここで、以下の説明において上述した第1実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略もしくは省略する。
【0038】
図5はギャップ部5の変形例である。図5に示すマスクMにおいて、ライン部6の線幅D’に対して、スペース部7の線幅は2D’に設定されている。すなわち、ライン部6とスペース部7との線幅の比率は1:2であって、ライン部6に対してスペース部7がピッチD’で繰り返されている。
【0039】
図6は図5を参照して説明したマスクMを用いた露光方法の一例を説明するための図である。まず、図6(a)に示すように、制御装置CONTはマスクMを第1の位置に位置決めするとともに、感光基板Pを所定の位置に位置決めする。次いで、制御装置CONTは第1の位置に位置決めしたマスクMを露光光ELで照明し、マスクMのパターン2を感光基板Pに露光(第1の露光)する。
【0040】
第1の露光をするに際し、制御装置CONTはマスクMに対する露光光ELの照射量を予め設定されている設定照射量に対して少ない値に設定し、照射する。本実施形態において、第1の露光では感光基板Pのフォトレジスト層10は設定露光量に対して1/3の露光量で露光される。そして、フォトレジスト層10のうちスペース部7に対応する領域に露光光が選択的に照射される。
【0041】
第1の露光が終了したら、図6(b)に示すように、制御装置CONTはマスクMを感光基板Pに対してX軸方向に距離(ピッチ)D’だけシフトする。これにより、マスクMは第1の位置より距離D’だけX軸方向にシフトした第2の位置に位置決めされる。このとき、感光基板Pは前記所定の位置に位置決めされている。そして、制御装置CONTは第2の位置に位置決めしたマスクMを露光光ELで照明し、マスクMのパターン2を感光基板Pに露光(第2の露光)する。
【0042】
第2の露光が終了したら、図6(c)に示すように、制御装置CONTはマスクMを感光基板Pに対してX軸方向に距離(ピッチ)D’だけシフトする。これにより、マスクMは第2の位置より距離D’だけ(第1の位置より距離2D’だけ)X軸方向にシフトした第3の位置に位置決めされる。このとき、感光基板Pは前記所定の位置に位置決めされている。そして、制御装置CONTは第3の位置に位置決めしたマスクMを露光光ELで照明し、マスクMのパターン2を感光基板Pに露光(第3の露光)する。このように、感光基板PはマスクMのパターンを複数回(ここでは3回)に分けて露光される。
【0043】
第2及び第3の露光においても、制御装置CONTはマスクMに対する露光光ELの照射量を予め設定されている設定照射量に対して少ない値に設定し、照射する。本実施形態において、第2及び第3の露光でも感光基板P(フォトレジスト層)は設定露光量に対して1/3の露光量で露光される。すなわち、制御装置CONTは、第1、第2、及び第3の露光における露光量のそれぞれをほぼ同一の露光量に設定して露光処理する。
【0044】
そして、フォトレジスト層10のチャネル形成予定領域10Aにおいて、第1の露光でライン部7を透過した露光光により選択的に露光された間の部分は、第2及び第3の露光でライン部7を透過した露光光により補間される。これにより、第1、第2、及び第3の露光による電極形成予定領域10Bにおける合成露光量はほぼゼロとなり、チャネル形成予定領域10Aにおける合成露光量は設定露光量のほぼ2/3となる。そして、チャネル形成予定領域10Aでの露光量分布は第1、第2、及び第3の露光によりほぼ均一となる。したがって、この露光光を照射されたフォトレジスト層の現像処理後の形状は図6(d)に示すような形状となる。すなわち、フォトレジスト層10のチャネル形成予定領域10Aは薄膜化された薄膜部となり、一方、電極形成予定領域10Bは厚膜部となる。そして、薄膜部10Aの表面形状はほぼ平坦となる。一方、パターン2に対応する以外の領域10Cは設定露光量(100%露光量)で露光されるため、ポジ型レジストであるフォトレジスト層は現像処理後において除去される。
【0045】
以上説明したように、ライン部6とスペース部7とは互いに異なる線幅であってもよい。そして、ピッチD’分だけシフトしながら複数回露光することで、第1実施形態同様、ハーフトーン露光できる。ここで、本実施形態では、ライン部6とスペース部7との線幅の比率は1:2である。したがって、第1、第2、及び第3の露光でマスクMを距離D’だけシフトして3回露光する際、第1、第2、及び第3の露光における露光量のそれぞれを同じ値(1/3露光量)に設定することで、薄膜部10Aにおける露光量分布を均一にすることができる。このように、ライン部6とスペース部7との比率に基づいてギャップ部5での露光量を決定することにより、ギャップ部5に対応するフォトレジスト層10(チャネル形成予定領域10A)での露光量分布を均一にすることができる。
【0046】
なお、図6(d)では、フォトレジスト層10のチャネル形成予定領域10Aに段差が形成されるように示されているが、フォトレジスト層10に対して現像処理を施した際、実際には鋭角状の段差は形成されにくく、薄膜部と厚膜部との境界は滑らかな形状となるため、フォトレジスト層10のチャネル形成予定領域10Aの表面はほぼ平坦化された形状となる。
【0047】
図7はパターン2の変形例を示す図である。図7においてライン部6はギャップ部5において2本設けられている。また、ライン部6の線幅はDであり、スペース部7の幅もDである。すなわち、ライン部6はギャップ部5において等間隔に設けられている。このように、ライン部6の数は2本以上の任意の複数本であってもよい。また、図7に示す例において、ライン部6及びスペース部7の幅はそれぞれ同じ値に設定されているが、もちろん異なる値(例えば、スペース部7の幅が2Dあるいは3D等)に設定されててもよい。
【0048】
ここで、上記各実施形態において、フォトレジスト層がポジ型レジストである場合、ライン部6の線幅に対してスペース部7の線幅は整数倍(n倍)であることが望ましい。これにより、前記n回だけシフト及び露光処理を繰り返すことにより、フォトレジスト層10のうちチャネル形成予定領域(ハーフトーン露光領域)10Aでの露光量分布を略均一化することができる。一方、フォトレジスト層がネガ型レジストである場合にはスペース部7の線幅に対してライン部6の線幅が整数倍に設定されていることが望ましい。また、ギャップ部5において、ライン部6及びスペース部7は繰り返し方向(X軸方向)に関して対称に形成されていることが望ましい。
【0049】
なお、ライン部6の線幅はスペース部7より細いことが望ましいが太くてもよい。この場合、シフトしながら露光することでフォトレジスト層に凹凸が形成される場合があるが、現像処理後のフォトレジスト層の形状(凹凸具合)を例えば予め実験的に求めておき、前記凹凸形状が許容範囲内となるライン部6の線幅を設定すればよい。同様に、ネガ型レジストを用いる場合にはライン部6の線幅はスペース部7に対して太いことが望ましいが細くてもよい。
【0050】
ライン部6(スペース部7)を複数設ける場合、複数のライン部6(スペース部7)の線幅のそれぞれは等しいことが望ましいが異なっていてもよい。例えば、フォトレジスト層がポジ型レジストである場合において、現像処理後のフォトレジスト層10のハーフトーン露光領域10Aを薄く形成したい場合には、複数あるライン部6のうち任意のライン部6を細く設定することで、フォトレジスト層10のうちハーフトーン露光領域10Aに対する露光量を多くすることができる。この場合、マスクMをシフトしながら露光することでフォトレジスト層10に段差が形成されることが考えられるが、上述したように、実際の現像処理後においてはフォトレジスト層に鋭角状の段差は形成されにくく滑らかな形状となり、フォトレジスト層10のハーフトーン露光領域10Aの表面を略平坦に形成することができる。そして、ライン部6の線幅と露光及び現像処理後のフォトレジスト層の形状との関係を予め実験的に求めておき、フォトレジスト層のパターン形状誤差(凹凸具合)が許容範囲内となるライン部6の線幅を予め設定しておけば、複数のライン部のそれぞれは互いに異なる線幅であってもよい。このように、ギャップ部(繰り返し領域)5におけるライン部6及びスペース部7の線幅によって露光及び現像処理後のフォトレジスト層の形状(膜厚)を制御できる。
【0051】
図8及び図9はパターン2の変形例である。図8に示すように、ライン部6及びスペース部7はY軸方向に所定ピッチDで繰り返されていてもよい。図8に示す繰り返し領域5を有するマスクMを用いて露光処理する際には、マスクMをY軸方向(すなわちライン部6とスペース部7との繰り返し方向)にシフトしつつ露光処理する。また、遮蔽部6及び透過部7はライン状でなくてもよく、図9に示すようにドットパターン状でもよい。図9に示す例では、略正方形状の遮蔽部6と透過部7とが市松模様状に配置されている。すなわち、遮蔽部6と透過部7とがX軸方向及びY軸方向のそれぞれに関して繰り返されている。図9に示す繰り返し領域5を有するマスクMを用いて露光処理する際には、マスクMをX軸方向及びY軸方向のいずれか一方にシフトしつつ露光処理することが可能である。
【0052】
<第3実施形態>
次に本発明の第3実施形態として、本発明の露光方法を走査型露光装置に適用した例について図10を参照しながら説明する。走査型露光装置はマスクMと感光基板Pとを所定方向(X軸方向)に同期移動しながらマスクMのパターンを投影光学系PLを介して感光基板P上に連続的に露光する露光装置である。また、本実施形態におけるマスクMは、図2を参照して説明したライン部6及びスペース部7のそれぞれが同じ線幅Dに設定されたパターンを有しているものとする。
まず、図10(a)に示すように、制御装置CONTはマスクMを第1の位置に位置決めするとともに感光基板Pを所定の位置に位置決めする。次いで、図10(b)に示すように、制御装置CONTは、マスクMと感光基板PとをX軸方向に同期移動しつつマスクMを露光光ELで照明し、マスクMのパターン2を感光基板Pに連続的に露光(第1の露光)する。ここで、投影光学系PLが等倍系である場合マスクMと感光基板Pとは同じ速度でX軸方向に移動する。
【0053】
第1の露光をするに際し、制御装置CONTはマスクMに対する露光光ELの照射量を予め設定されている設定照射量に対して少ない値に設定し、照射する。本実施形態において、第1の露光では感光基板Pのフォトレジスト層10は設定露光量に対して50%の露光量で露光される。そして、フォトレジスト層10のチャネル形成予定領域10Aのうちスペース部7に対応する領域に露光光が選択的に照射される。
【0054】
第1の露光が終了したら、図10(c)に示すように、制御装置CONTはマスクMを第2の位置に位置決めするとともに感光基板Pを所定の位置に位置決めする。ここで、図10(c)に示す第2の位置とは、図10(a)に示した第1の位置に対してX軸方向に距離Dだけシフトした位置である。一方、感光基板Pの位置は第1の露光開始時(すなわち図10(a)の状態)と、第2の露光開始時(すなわち図10(c)の状態)とで同じである。すなわち、第2の露光を行うに際し、感光基板Pははじめの位置に戻される。
【0055】
そして、図10(d)に示すように、制御装置CONTは、マスクMと感光基板PとをX軸方向に同期移動しつつマスクMを露光光ELで照明し、マスクMのパターン2を感光基板Pに連続的に露光(第2の露光)する。第2の露光においても、制御装置CONTはフォトレジスト層10を設定露光量に対して50%の露光量で露光する。これにより、第1の露光時に感光基板P上に露光されたパターンに対して、第2の露光時に露光されるパターンがX軸方向にピッチD分だけシフトすることになり、第1実施形態同様、ハーフトーン露光が実行される。
【0056】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について図11〜図17を参照しながら説明する。図11(a)において、マスクMは、第1のパターン11が形成された第1パターン形成領域Aと、第1のパターン11は別の第2のパターン17が形成された第2パターン形成領域Bとを有している。第1パターン形成領域Aと第2パターン形成領域Bとはほぼ同じ大きさの矩形状に設定されており、マスクM上において隣り合わせて設けられている。そして、第1のパターン11と第2のパターン17とは独立したパターンとなっている。
【0057】
第1のパターン11は、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)のソース/ドレイン電極パターニング用のパターンである。ここで、本実施形態のパターン11と図2に示したパターン2との異なる点は、パターン11ではソース用パターン部13とドレイン用パターン部14とが連続している点である。すなわち、本実施形態に係るパターン11には第1実施形態のパターン2のギャップ部5に相当する部分が無く、この部分は遮蔽部15’となっている。
【0058】
第2のパターン17は、第2パターン形成領域Bのほぼ全域に設けられた遮蔽部16と、第2パターン形成領域Bの所定の位置に設けられた透過部15とを有している。透過部15は略矩形状であって、第1パターン形成領域Aに対して第2パターン形成領域Bを重ね合わせた際、第1のパターン11のソース用パターン部13とドレイン用パターン部14との連続部(遮蔽部)15’に重なる位置に設けられている。すなわち、第2のパターン17の透過部15は、露光処理した際、フォトレジスト層10のチャネル形成予定領域10A、すなわちハーフトーン露光領域に対応する位置に形成されている。そして、図11(a)に示すマスクMでは、遮蔽部15’と透過部15とがピッチLで繰り返された構成となっており、符号5で示す領域が繰り返し領域となっている。なお、図11(a)では、マスクMは第1のパターン11と第2のパターン17とをそれぞれ1つずつ有する構成であるが、第1のパターン11が形成された第1パターン形成領域Aと、第2のパターン17が形成された第2パターン形成領域Bとを、X軸方向に複数並べて設けてもよい。これにより、透過部15と、第1、第2パターン形成領域A、Bを重ねたときに透過部15に対応するパターン11上での領域である遮蔽部15’とがX軸方向に所定のピッチLで繰り返された構成となる。
【0059】
図11(b)は図11(a)のマスクMを用いて露光処理される感光基板Pを示す模式図である。図11(b)に示すように、感光基板Pには露光処理される第1、第2、及び第3露光領域E、F、及びGが設定されている。この露光領域E、F、及びGのそれぞれの大きさは、マスクMの第1、第2パターン形成領域A、Bと同じに設定されている。露光領域E、F、及びGは等間隔に設定されており、露光領域E、F、及びGそれぞれの間隔と、マスクMの第1、第2パターン形成領域A、Bの間の間隔とは同じ値に設定されている。すなわち、第1、第2パターン形成領域A、Bのピッチと、露光領域E、F、及びGのピッチとはそれぞれ同じ値Lに設定されている。
【0060】
図12は、第1のパターン11と第2のパターン17とを感光基板P上で重ね合わせるようにして露光した際の露光量分布及び現像後のフォトレジスト層10の形状を示す模式図である。ここでは、感光基板Pの第1露光領域Eで第1のパターン11と第2のパターン17とを重ね合わせる場合について説明する。
まず、制御装置CONTは、第1のパターン11を有する第1パターン形成領域Aと第1露光領域Eとを位置合わせする。次いで、制御装置CONTはマスクMの第1パターン形成領域Aを露光光ELで照明し、マスクMのパターン11を感光基板Pに露光(第1の露光)する。
【0061】
第1の露光をするに際し、制御装置CONTはマスクMに対する露光光ELの照射量を予め設定されている設定照射量(100%露光量)に設定して露光する。これにより、図12(a)に示す模式図のように、感光基板Pのフォトレジスト層10のうちパターン11に対応する領域は遮光され(0%露光量)、パターン11以外に対応する領域は100%露光量で露光される。
【0062】
第1の露光が終了したら、制御装置CONTはマスクMを感光基板Pに対してX軸方向にピッチL分だけシフトし、第2パターン17を有する第2パターン形成領域Bと、第1露光領域Eとを位置合わせする。そして、制御装置CONTはマスクMの第2パターン形成領域Bを露光光ELで照明し、マスクMのパターン17を感光基板Pに露光(第2の露光)する。
【0063】
第2の露光において、制御装置CONTはマスクMに対する露光光ELの照射量を予め設定されている設定照射量に対して少ない値に設定し、照射する。第2の露光では、制御装置CONTは、設定露光量(100%露光量)に対して任意の比率の露光量を照射可能である。例えば、制御装置CONTは設定露光量に対して30%露光量で露光することが可能である。これにより感光基板Pのフォトレジスト層10のうち透過部15に対応する領域は、図12(b)に示す模式図のように30%露光量で露光される。また、70%露光量で露光すればフォトレジスト層10のうち透過部15に対応する領域は70%露光量で露光される。
【0064】
第1、第2の露光により、図12(c)に示すように、フォトレジスト層10のうち第1のパターン11以外に対応する領域での合成露光量は100%露光量となり、一方、透過部15に対応する領域であるチャネル形成予定領域(ハーフトーン露光領域)10Aでの合成露光量は30%露光量となる。そして、このフォトレジスト層10に対して現像処理を施すことにより、フォトレジスト層10は図12(d)に示すような形状となる。
【0065】
以上説明したように、本実施形態では、チャネル形成予定領域(ハーフトーン露光領域)10Aに対する露光量(ハーフトーン露光量)を任意の値に容易に設定することができるため、チャネル形成予定領域10Aの膜厚調整を精度良く行うことができる。そして、露光量とフォトレジスト層10の膜厚との関係をフォトレジスト層10の材料特性に基づいて予め求めておき、第2の露光時においては、前記求めた関係に基づいて露光量を設定することにより、所望の膜厚を有するフォトレジスト層を得ることができる。
【0066】
なお、ここでは、透過部15を透過率100%の透過部として説明したが、例えば透過率50%といったような半透過部であってもよい。また、図11(a)において、マスクMは第1のパターン11と第2のパターン17とをそれぞれ1つずつ有する構成であるが、上述したように、第1のパターン11が形成された第1パターン形成領域Aと、第2のパターン17が形成された第2パターン形成領域Bとを、X軸方向に複数並べて設けてもよい。これにより、透過部15と遮蔽部15’とがX軸方向に所定のピッチLで繰り返された構成となり、露光処理の際には前記繰り返した方向(すなわちX軸方向)にピッチL分だけマスクをシフトすることでハーフトーン露光する構成となる。
【0067】
また、第1パターン形成領域Aのパターンを第1実施形態で説明した例えば図2に示したパターン2とし、この第1のパターンをX軸方向にピッチDだけシフトして複数回にわけて露光し、次いで第2パターン形成領域Bに形成されたパターン17を基板上で重ね合わせるようにしてもよい。すなわち、第1実施形態と第4実施形態とのそれぞれの露光方法を組み合わせて露光処理してもよい。
【0068】
図13はマスクMに形成されているパターンの変形例である。図13において、マスクMは、第1のパターン11が形成された第1パターン形成領域Aと、第1のパターン11は別の第2のパターン12が形成された第2パターン形成領域Bとを有している。第1パターン形成領域Aと第2パターン形成領域Bとはほぼ同じ大きさに設定されており、マスクM上において隣り合わせて設けられている。そして、第1のパターン11と第2のパターン12とは独立したパターンとなっている。
【0069】
第1のパターン11は、図11(a)に示した薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)のソース/ドレイン電極パターニング用のパターンと同等のパターンである。一方、第2のパターン12は、ソース用パターン部13とドレイン用パターン部14とが連続しておらず、透過部15が形成されている。透過部15は、第1パターン形成領域Aに対して第2パターン形成領域Bを重ね合わせた際、第1のパターン11のソース用パターン部13とドレイン用パターン部14との連続部(遮蔽部)15’に重なる位置に設けられている。すなわち、第2のパターン12の透過部15は、露光処理した際、フォトレジスト層10のチャネル形成予定領域10A、すなわちハーフトーン露光領域に対応する位置に形成されている。
【0070】
図14は、第1のパターン11と第2のパターン12とを感光基板P上で重ね合わせるようにして露光した際の露光量分布及び現像後のフォトレジスト層10の形状を示す模式図である。ここでは、感光基板Pの第1露光領域Eで第1のパターン11と第2のパターン12とを重ね合わせる場合について説明する。
まず、制御装置CONTは、第1のパターン11を有する第1パターン形成領域Aと第1露光領域Eとを位置合わせする。次いで、制御装置CONTはマスクMの第1パターン形成領域Aを露光光ELで照明し、マスクMのパターン11を感光基板Pに露光(第1の露光)する。
【0071】
第1の露光をするに際し、制御装置CONTはマスクMに対する露光光ELの照射量を予め設定されている設定照射量(100%露光量)に対して少ない値に設定し、照射する。具体的には、制御装置CONTは第1の露光での露光量を100%露光量に対して任意の比率に設定する。ここでは70%露光量を照射する。これにより感光基板Pのフォトレジスト層10のうちパターン11以外に対応する領域は、図14(a)に示す模式図のように70%露光量で露光される。
【0072】
第1の露光が終了したら、制御装置CONTはマスクMを感光基板Pに対してX軸方向にピッチL分だけシフトし、第2パターン12を有する第2パターン形成領域Bと、第1露光領域Eとを位置合わせする。そして、制御装置CONTはマスクMの第2パターン形成領域Bを露光光ELで照明し、マスクMのパターン12を感光基板Pに露光(第2の露光)する。
【0073】
第2の露光において、制御装置CONTは、第1の露光での露光量と第2の露光での露光量との総和が設定露光量(100%)になるように第2の露光での露光量を設定する。ここでは、制御装置CONTは30%露光量で露光する。これにより感光基板Pのフォトレジスト層10のうち透過部15に対応する領域は、図14(b)に示す模式図のように30%露光量で露光される。
【0074】
そして、図14(c)に示すように、第1及び第2の露光によりフォトレジスト層10のうちパターン以外の領域は100%露光量で露光されたことになる。一方、透過部15に対応する領域であるチャネル形成予定領域10Aでの合成露光量は30%露光量となる。そして、このフォトレジスト層10に対して現像処理を施すことにより、フォトレジスト層10は図14(d)に示すような形状となる。
【0075】
以上説明したように、図13及び図14を参照して説明した例では、チャネル形成予定領域10Aに対する露光量(ハーフトーン露光量)を任意の値に容易に設定することができるため、チャネル形成予定領域10Aの膜厚調整を精度良く行うことができる。ここでは、第1の露光で70%露光量、第2の露光で30%露光量としたが、例えば第1の露光で50%露光量、第2の露光で50%露光量とすれば、パターン以外の領域を100%露光量で露光でき、ハーフトーン露光領域を50%露光量で露光できる。そして、露光量とフォトレジスト層の膜厚との関係をフォトレジスト層の材料特性に基づいて予め求めておき、第2の露光時においては、前記求めた関係に基づいて露光量を設定することにより、所望の膜厚を有するフォトレジスト層を得ることができる。
【0076】
なお、ここでは第1の露光で第1パターン11を露光し、第2の露光で第2パターン12を露光する構成であるが、第1の露光で第1パターンを露光し、第2、第3の露光で第2パターン12を露光するようにしてもよい。この場合、フォトレジスト層のうちパターン以外に対応する領域での第1、第2、第3の露光の合成露光量が100%露光量となり、第2、第3の露光での透過部15に対応する領域での合成露光量が設定露光量に対して任意の比率の露光量に設定される。
【0077】
次に、図11(a)に示したマスクMのパターンを図11(b)に示した感光基板Pに露光する露光方法について図15を参照しながら説明する。
まず、図15(a)に示すように、制御装置CONTは、マスクMの第1パターン形成領域Aと感光基板Pの第1露光領域Eとを位置合わせするとともに、第2パターン形成領域Bと第2露光領域Fとを位置合わせする。そして、第1のパターン11を第1露光領域Eに露光するとともに、第2のパターン17を第2露光領域Fに露光する。
【0078】
次いで、図15(b)に示すように、制御装置CONTは、マスクMを感光基板Pに対してピッチL分だけ+X方向にシフトし、第1パターン形成領域Aと第2露光領域Fとを位置合わせするとともに、第2パターン形成領域Bと第3露光領域Gとを位置合わせする。そして、制御装置CONTは、第1のパターン11を第2露光領域Fに露光するとともに、第2のパターン17を第3露光領域Gに露光する。このとき、感光基板Pの第2露光領域Fでは、第1のパターン11が第2のパターン17と重ね合わされるように露光される。すなわち、感光基板P上の第2のパターン17のうち繰り返し領域を構成する透過部15に対して、マスクMの第1のパターン11のうち繰り返し領域を構成する遮光部15’が重ね合わせられるようにして露光される(繰り返し領域露光ステップ)。そして、これと別に、感光基板P上の第2のパターン17のソース及びドレイン用パターン部13、14に対して、マスクMの第1のパターン11のソース及びドレイン用パターン部13、14が重ね合わせられるようにして露光される(パターン露光ステップ)。
【0079】
次いで、図15(c)に示すように、制御装置CONTは、マスクMを感光基板Pに対してピッチ2L分だけ−X方向にシフトし、第2パターン形成領域Bと第1露光領域Fとを位置合わせする。そして、制御装置CONTは、第2のパターン17を第1露光領域Eに露光する。感光基板Pの第1露光領域Eでは、第2のパターン17が第1のパターン11と重ね合わされるように露光される。
【0080】
次いで、図15(d)に示すように、制御装置CONTは、マスクMを感光基板Pに対してピッチ3L分だけ+X方向にシフトし、第1パターン形成領域Aと第3露光領域Gとを位置合わせする。そして、制御装置CONTは、第1のパターン11を第3露光領域Gに露光する。感光基板Pの第3露光領域Gでは、第1のパターン11が第2のパターン17と重ね合わされるように露光される。
【0081】
以上のようにして、第1、第2、及び第3露光領域E、F、及びGのそれぞれに第1のパターン11及び第2のパターン17が互いに重ね合わせられるようにして露光される。以上説明した露光方法によれば、1回の露光動作でマスクM上の複数(2つ)のパターン11、17を感光基板Pに同時に露光することができ、処理時間を短縮することができる。
【0082】
なお、図15を参照して説明した例では図11に示したマスクMを用いているが、もちろん図13に示したマスクMを用いることもできる。また、ここでは、感光基板P上には3つの露光領域E、F、及びGを設定した場合について説明したが、図16(a)、(b)に示すように、6つや9つといった複数の露光領域を設定した場合についても本実施形態のマスク及び露光方法を適用可能である。
【0083】
ところで、図15を参照して説明した露光方法の場合、マスクMのパターン描画誤差等に起因して、第1のパターン11と第2のパターン12(17)とが感光基板P上で精度良く重ならない場合が考えられる。その場合、図17に示すように、まず、制御装置CONTは、第1のパターン11と第2のパターン12とを感光基板P上で重ね合わせるテスト露光を行う(ステップSB1)。ここで、テスト露光工程は現像工程も含む。
【0084】
次いで、テスト露光及び現像処理後の感光基板P上に形成されている第1のパターン11と第2のパターン12との位置誤差(重ね合わせ誤差)がパターン形状計測装置で計測される(ステップSB2)。
【0085】
パターン形状計測装置の計測結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTはパターン形状計測装置の計測結果に基づいて、位置誤差を補正する補正量を求める(ステップSB3)。
【0086】
そして、制御装置CONTは、デバイス製造のための露光をするに際し、前記補正量に基づいて補正しつつ露光する(ステップSB4)。例えば、第1のパターン11と第2のパターン12とがX軸方向にずれて感光基板P上で重ならない場合、制御装置CONTはマスクMをシフトするシフト量の補正量(オフセット量)を求め、このオフセット量に基づいて補正してから露光する。
【0087】
以上説明したように、第1のパターン11と第2のパターン12との重ね合わせ誤差を予め計測し、この計測した誤差量に対する補正量を求めることにより、求めた補正量に基づいて重ね合わせ誤差を補正しつつ露光処理でき、精度良い露光処理を実現することができる。
【0088】
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について図18〜図22を参照しながら説明する。図18に示すマスクMは、図13を参照して説明した第1のパターン11と第2のパターン12とが間隔(ピッチ)WでX軸方向に交互に繰り返されている。そして、隣り合う第1、第2のパターン11、12どうしでパターンに関する1つのグループが設定されている。
【0089】
上述したように、第1、第2のパターン11、12は薄膜トランジスタのソース/ドレイン電極パターニング用のパターンであって、ソース用パターン部13とドレイン用パターン部14とを有している。すなわち、図18に示すマスクMは薄膜トランジスタのソースドレイン層形成用マスクである。ここで、薄膜トランジスタは液晶表示装置等の表示デバイスにおいてマトリクス状に配列された各画素に対応して配置される。したがって、第1、第2のパターン11、12のX軸方向におけるピッチWは液晶表示装置の画素ピッチに一致している。換言すれば、第1、第2のパターン11、12は画素に対応して繰り返された繰り返しパターンである。
【0090】
したがって、液晶表示装置のX軸方向に複数並ぶ画素(画素列)において第1の画素(画素列)に対応した第1のパターン11のうちチャネル形成予定領域に対応する領域に設けられた遮蔽部(所定領域)15’に対して、前記第1の画素(画素列)に隣り合う第2の画素(画素列)に対応した第2のパターン12のうち前記遮蔽部15’に対応する領域(すなわち第2のパターン12のうちチャネル形成予定領域に対応する領域)が透過部15となっている。
【0091】
図19は図18に示したマスクMを用いて露光する手順の一例を示す模式図である。図19(a)に示すように、制御装置CONTは、マスクMを第1の位置に位置合わせし、マスクMの第1、第2パターン11、12を感光基板Pに露光(第1の露光)する。これにより、感光基板Pのフォトレジスト層には、第1、第2のパターン11、12の像が転写される。ここで、第1の露光においては、制御装置CONTは設定露光量(100%露光量)に対して50%露光量で露光する。
【0092】
次いで、図19(b)に示すように、制御装置CONTは、マスクMを感光基板Pに対してピッチW分だけ−X方向にシフトし、感光基板P上の第1のパターン11に対してマスクM上の第2のパターン12を位置合わせするとともに、感光基板P上の第2のパターン12に対してマスクM上の第1のパターン11を位置合わせし、マスクMの第1、第2のパターン11、12を感光基板Pに露光(第2の露光)する。これにより、感光基板P上の第1のパターン11に対してマスクMの第2のパターン12の像が重ね合わせられるとともに、感光基板P上の第2のパターン12に対してマスクMの第1のパターン11の像が重ね合わせられる。ここで、第2の露光においては、制御装置CONTは設定露光量に対して50%露光量で露光する。すなわち、第1及び第2の露光における各露光量のそれぞれは略同一の露光量(50%露光量)に設定される。
【0093】
以上の第1及び第2の露光により、感光基板Pのフォトレジスト層のチャネル形成予定領域(ハーフトーン露光領域)10Aは50%露光量で露光され、パターン以外の領域10Cは100%露光量で露光され、フォトレジスト層1ソース用パターン部13及びドレイン用パターン部14に対応する電極形成予定領域10Bは0%露光量となる。これにより、上述した各実施形態同様、フォトレジスト層10のうちチャネル形成予定領域10Aと電極形成予定領域10Bとの膜厚を異ならせることができる。
【0094】
以上説明したように、画素に対応して所定間隔WでX軸方向(あるいはY軸方向)に繰り返される繰り返しパターンであるソース及びドレイン形成用パターン11、12を露光する際に、ハーフトーン露光領域に対応する第1のパターン11の所定領域(15’)を遮蔽部(あるいは透過部)とするとともに、第2のパターン12の所定領域(15)を透過部(あるいは遮蔽部)とすることにより、第1、第2のパターン11、12のピッチW分だけマスクMをX軸方向にシフトして複数回露光するだけで、容易にハーフトーン露光することができる。
【0095】
なお、図19(b)に示す感光基板P上のパターンのうち、例えば−X側に設けられたパターンJは第1のパターン11のみが転写されたものであるため回路パターンとして使用しなければよい。
【0096】
なお、図18及び図19を参照して説明した例では、第1、第2のパターン11、12を1つずつ交互に繰り返すことにより、ハーフトーン露光領域の露光量は設定露光量に対して50%となるが、ハーフトーン露光領域の露光量を変化したい場合には、マスクM上における第1のパターン11と第2のパターン12との比率を変えればよい。例えば、図20に示すマスクMは、第1のパターン11が1つ設けられ、第2のパターン12が2つ並んで設けられている。そして、1つの第1のパターン11と2つの第2のパターン12、12とで1つのグループが設定されている。ここで、1つのグループは3つ並んだパターンから構成されており、各パターンは液晶表示装置の赤(R)、緑(G)、及び青(B)の画素のそれぞれに対応している。
【0097】
図21は図20に示したマスクMを用いて露光する手順の一例を示す模式図である。図21(a)に示すように、制御装置CONTは、マスクMを第1の位置に位置合わせし、マスクMの第1、第2パターン11、12を感光基板Pに露光(第1の露光)する。これにより、感光基板Pのフォトレジスト層には、第1、第2パターン11、12の像が転写される。ここで、第1の露光においては、制御装置CONTは設定露光量(100%露光量)に対して1/3露光量で露光する。
【0098】
次いで、図21(b)に示すように、制御装置CONTは、マスクMを感光基板Pに対してピッチW分だけ−X方向にシフトし、感光基板P上の第1、第2のパターン11、12に対してマスクM上の第1、第2のパターン11、12を位置合わせし、マスクMの第1、第2のパターン11、12を感光基板Pに露光(第2の露光)する。これにより、感光基板P上の第1、第2のパターン11、12に対してマスクMの第1、第2のパターン11、12の像が重ね合わせられる。ここで、第2の露光においては、制御装置CONTは設定露光量に対して1/3露光量で露光する。
【0099】
更に、図21(c)に示すように、制御装置CONTは、マスクMを感光基板Pに対してピッチW分だけ−X方向にシフトし、感光基板P上の第1、第2のパターン11、12に対してマスクM上の第1、第2のパターン11、12を位置合わせし、マスクMの第1、第2のパターン11、12を感光基板Pに露光(第3の露光)する。これにより、感光基板P上の第1、第2のパターン11、12に対してマスクMの第1、第2のパターン11、12の像が重ね合わせられる。ここで、第3の露光においては、制御装置CONTは設定露光量に対して1/3露光量で露光する。すなわち、第1、第2、及び第3の露光における各露光量のそれぞれは略同一の露光量(1/3露光量)に設定される。
【0100】
以上の第1、第2及び第3の露光により、図2(c)の感光基板PのパターンKのフォトレジスト層のチャネル形成予定領域(ハーフトーン露光領域)10Aは2/3露光量で露光され、パターン以外の領域10Cは100%露光量で露光され、フォトレジスト層のうちソース用パターン部13及びドレイン用パターン部14に対応する電極形成予定領域10Bは0%露光量となる(図22(c)参照)。これにより、上述した各実施形態同様、フォトレジスト層10のうちチャネル形成予定領域10Aと電極形成予定領域10Bとの膜厚を異ならせることができる。なお、感光基板Pのうちパターンの重ね合わせが3回行われていないパターンJ1、J2(図22(a)、(b)参照)は、回路パターンとして用いなければよい。
【0101】
第5実施形態に関して一般に、グループ内のパターン11、12の数をそれぞれNa、Nbとすると、グループどうしのピッチは(Na+Nb)×W、露光回数はNa+Nb、ハーフトーン領域の露光量は設定露光量(100%露光量)のNb/(Na+Nb)倍となる。したがって、遮蔽部15’を有するNa個の第1のパターン11と、透過部15を有するNb個の第2のパターン12とを等間隔Wで、且つ、これら(Na+Nb)個のパターンを1つのグループとし、このグループを間隔(Na+Nb)×WのピッチでマスクM上に配置する。そして、1回の露光量を設定露光量の1/(Na+Nb)倍とし、各露光毎にピッチWだけシフトしながら、(Na+Nb)回の露光を行うことで、ハーフトーン露光領域の露光量を設定露光量(100%露光量)のNb/(Na+Nb)倍に設定することができる。
【0102】
<第6実施形態>
次に、第6実施形態として、本発明の露光方法を用いてデバイスである薄膜トランジスタを製造する手順の一例を図23を参照しながら説明する。なお、以下で説明する薄膜トランジスタは液晶表示装置に設けられるものであって、表示領域にマトリクス状に配置された画素とこの画素に対応して形成される薄膜トランジスタとを有する。
図23(a)において、まず、ガラス基板101上にゲート電極形成用金属層が形成され、次いで第1のマスクを用いたフォトリソグラフィ工程によりパターニングすることによりゲート電極102が形成される。ここで、ゲート電極102と同時に、前記表示領域の外側に周辺回路パターン100が形成される。周辺回路パターン100は例えば薄膜トランジスタ用ドライバ部と薄膜トランジスタとの接続線や端子部を含む。この周辺回路パターン100は、薄膜トランジスタを構成するソース/ドレイン電極と異なり非繰り返しパターンである。つまり、ソース/ドレイン電極はマトリクス状に形成されるため、X軸及びY軸方向に所定のピッチ(画素ピッチ)で繰り返される繰り返しパターンであるが、周辺回路パターン100は非繰り返しパターンである。そして、この非繰り返しパターンである周辺回路パターン100がゲート電極102と同じレイヤ(ゲート電極層)に形成される(非繰り返しパターン露光ステップ)。
【0103】
次いで、図23(b)に示すように、ゲート電極102が形成された基板101上に、ゲート絶縁層103、ドープしていないアモルファスシリコンからなる活性半導体層であるa−Si層104、リン等を高濃度でドープしたシリコンからなるn+a−Si層105、ソース/ドレイン電極形成用金属層106、及びフォトレジスト層107が順次積層される。
【0104】
そして、図23(c)に示すように、フォトレジスト層107が本発明に係るハーフトーン露光によりパターニングされる。フォトレジスト層107には、薄膜部であるチャネル形成予定領域107Aと厚膜部である電極形成予定領域107Bとが形成される。すなわち、繰り返しパターンであるソース/ドレイン電極形成予定領域107B及びチャネル形成予定用域107Aが露光される(繰り返しパターン露光ステップ)。
【0105】
そして、図23(d)に示すように、フォトレジスト層107以外の領域に対応するa−Si層104、n+a−Si層105、及びソース/ドレイン電極形成用金属層106が順次エッチングされる。ここで、ソース/ドレイン電極形成用金属層106やa−Si層104、n+a−Si層105がエッチングされている間、フォトレジスト層107もエッチング(アッシング)されている。そのため、フォトレジスト層107のうち薄膜部107Aが厚膜部107Bより先に除かれ、これによりチャネル部108に対応するソース/ドレイン形成用金属層106が露出し、図23(e)に示すように、薄膜トランジスタのチャネル部108に対応する部分のソース/ドレイン電極形成用金属層106、及びn+a−Si層105がエッチングされる。そして、残った厚膜部107Bをアッシングすることで、図23(f)に示すように、チャネル部108、ソース電極(回路パターン)109、及びドレイン電極(回路パターン)110が形成される。そして、ドレイン電極110に接続する不図示の画素電極を形成することで薄膜トランジスタが形成される。
【0106】
以上説明したように、本発明のハーフトーン露光は繰り返しパターンであるソース/ドレイン電極を形成するために用いることができる。そして、ゲート電極層に形成された非繰り返しパターンである周辺回路パターン100に対して、繰り返しパターンであるソース/ドレイン電極109、110はゲート電極層とは別のレイヤであるソース/ドレイン電極層に形成された構成である。これによれば、繰り返しパターンにおいて図22のパターンJ1、J2のような回路パターンとして所望の性能を有しない不良パターンが形成される場合でも、繰り返しパターンと非繰り返しパターンとを別のレイヤに形成することにより、ゲート電極層で非繰り返しパターンを形成し、一方、ソース/ドレイン電極層で前記不良パターンを含む繰り返しパターンを形成した後、この不良パターンを除去する等といった所定の処理を行えばよい。
【0107】
<第7実施形態>
図24に示す露光装置EXは、複数(5つ)並んだ投影光学系PLa〜PLeを有し、この投影光学系PL(PLa〜PLe)に対してマスクMと感光基板Pとを所定方向に同期移動しつつマスクMのパターンを感光基板Pに露光する、いわゆるマルチレンズスキャン型露光装置である。複数の投影光学系PLa〜PLeにおいて、投影光学系PLa、PLc、PLeと投影光学系PLb、PLdとは2列に千鳥状に配列されている。すなわち、千鳥状に配置されている各投影光学系PLa〜PLeは、隣合う投影光学系どうし(例えば投影光学系PLaとPLb、PLbとPLc)をY軸方向に所定量変位させて配置されている。これら投影光学系PLa〜PLeのそれぞれは照明光学系ILから射出されマスクMを透過した複数の露光光ELを透過させ、基板ステージPSTに支持されている感光基板PにマスクMのパターン像を投影する。
【0108】
図25は投影光学系PLdの概略構成図である。なお、他の投影光学系PLa、PLb、PLc、及びPLeも投影光学系PLdと同等の構成を有している。
図25に示すように、投影光学系PLd(PLa、PLb、PLc、PLe)は、シフト調整機構63と、二組の反射屈折型光学系64、65と、視野絞り66と、スケーリング調整機構67とを備えている。マスクMを透過した光束はシフト調整機構63に入射する。シフト調整機構63は、θY方向に回転可能に設けられた平行平面ガラス板63AとθX方向に回転可能に設けられた平行平面ガラス板63Bと有している。平行平面ガラス板63A、63Bは駆動装置により回転する。平行平面ガラス板63Aが回転することにより感光基板P上におけるマスクMのパターンの像はX軸方向にシフトし、平行平面ガラス板63Bが回転することにより感光基板P上におけるマスクMのパターンの像はY軸方向にシフトする。シフト調整機構63を透過した光束は1組目の反射屈折型光学系64に入射する。反射屈折型光学系64は、マスクMのパターンの中間像を形成するものであって、直角プリズム68と、レンズ69と、凹面鏡70とを備えている。直角プリズム68はθZ方向に回転可能に設けられており駆動装置により回転する。直角プリズム68が回転することにより感光基板P上におけるマスクMのパターンの像はθZ方向に回転する。すなわち、直角プリズム68はローテーション調整機構としての機能を有している。反射屈折型光学系64により形成されるパターンの中間像位置には視野絞り66が配置されている。視野絞り66は感光基板P上における投影領域を設定するものであって本実施形態では台形状(スリット状)に設定する。視野絞り66を透過した光束は2組目の反射屈折型光学系65に入射する。反射屈折型光学系65は、反射屈折型光学系64と同様に、ローテーション調整機構としての直角プリズム71と、レンズ72と、凹面鏡73とを備えている。直角プリズム71もθZ方向に回転するようになっており、回転することで感光基板P上におけるマスクMのパターンの像をθZ方向に回転する。反射屈折型光学系65から射出した光束はスケーリング調整機構67を通り、感光基板P上にマスクMのパターンの像を正立等倍で結像する。スケーリング調整機構67は、例えば、平凹レンズ、両凸レンズ、平凹レンズの3枚のレンズから構成され、平凹レンズと平凹レンズとの間に位置する両凸レンズをZ軸方向に移動させることによりマスクMのパターンの像の倍率(スケーリング)調整を行うようになっている。そして、投影光学系PLdの結像特性を調整する結像特性調整装置が、シフト調整機構63、ローテーション調整機構68、71、及びスケーリング調整機構67を含んで構成されている。なお、3枚のレンズ構成として平凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズとしてもよい。
【0109】
このように、投影光学系PL(PLa〜PLe)に結像特性調整装置を設けることにより、図17を参照して説明した第4実施形態において、第1のパターンと第2のパターンとで非線形な重ね合わせ誤差がある場合でも、この重ね合わせ誤差に対する補正量を求め、求めた補正量に基づいて結像特性調整装置を駆動することにより、第1のパターンと第2のパターンとを精度良く重ね合わせることができる。
【0110】
また、図10を参照して説明した第3実施形態では、ハーフトーン露光するために第1の走査露光に対してマスクMを距離Dだけシフトし第2の走査露光を行う構成であって、走査露光を2回行う必要があった。しかしながら、投影光学系PLがシフト調整機構を含む結像特性調整装置を有していることにより、例えば、1回の走査露光中において、投影光学系PLのスリット状(台形状)の投影領域の位置とマスクMのパターン2(ギャップ部5)の位置とが一致したときにシフト調整機構を駆動してパターン2の感光基板P上での像をシフトすることで、1回の走査露光でハーフトーン露光を行うことも可能となる。あるいは、1回の走査露光中に、マスクステージMST(あるいは基板ステージPST)を一定速度で走査せずに、投影領域とパターン2(ギャップ部5)との位置が一致した時点でステージ速度を変化させることで、感光基板P上においてパターン2がシフトするため、ハーフトーン露光を行うことができる。
【0111】
なお、上記各実施形態では、本発明のマスク及び露光方法を、液晶表示装置の一部を構成する薄膜トランジスタを製造する際に適用するように説明したが、プラズマ表示装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置の一部を構成する薄膜トランジスタを製造する際にも本発明を適用することができる。すなわち、フォトリソグラフィ工程を用いて形成されるスイッチング素子(TFT、MIM)を製造する場合や、1回のフォトリソグラフィ工程でフォトレジスト層に膜厚の違い(段部)を形成する場合において本発明を適用可能である。
【0112】
なお、上記各実施形態における露光装置EXの用途としては角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば、半導体製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッドを製造するための露光装置にも広く適当できる。
【0113】
本実施形態の露光装置EXの光源は、g線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)のみならず、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)を用いることができる。
【0114】
投影光学系PLの倍率は等倍系のみならず、縮小系及び拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザを用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にする。
【0115】
基板ステージPSTやマスクステージMSTにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。
【0116】
ステージの駆動装置として平面モ−タを用いる場合、磁石ユニットと電機子ユニットのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットの他方をステージの移動面側(ベース)に設ければよい。
【0117】
基板ステージPSTの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0118】
マスクステージMSTの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0119】
以上のように、本願実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0120】
半導体デバイスは、図26に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板(ウエハ、ガラスプレート)を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置によりレチクルのパターンを基板に露光し、この露光した基板を現像する基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0121】
【発明の効果】
本発明によれば、露光装置が高い解像限界を有する場合であっても、ハーフトーン露光領域に対して均一な露光量分布で円滑にハーフトーン露光できる。これにより所望のパターン形状が得られるので、処理期間を短縮しつつ所望の性能を有するデバイスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマスクを用いた露光方法に用いる露光装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るマスクを示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る露光方法を説明するための図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る露光方法を説明するためのフローチャート図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るマスクを示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る露光方法を説明するための図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るマスクの変形例を示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るマスクの変形例を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係るマスクの変形例を示す図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る露光方法を説明するための図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係るマスクと感光基板とを示す図である。
【図12】本発明の第4実施形態に係る露光方法を説明するための図である。
【図13】本発明の第4実施形態に係るマスクを示す図である。
【図14】本発明の第4実施形態に係る露光方法を説明するための図である。
【図15】本発明の第4実施形態に係る露光方法を説明するための図である。
【図16】本発明の第4実施形態に係る露光方法を説明するための図である。
【図17】本発明の第4実施形態に係る露光方法を説明するための図である。
【図18】本発明の第5実施形態に係るマスクを示す図である。
【図19】本発明の第5実施形態に係る露光方法を説明するための図である。
【図20】本発明の第5実施形態に係るマスクを示す図である。
【図21】本発明の第5実施形態に係る露光方法を説明するための図である。
【図22】本発明の第5実施形態に係る露光方法を説明するための図である。
【図23】本発明の第6実施形態に係る露光方法を説明するための図である。
【図24】本発明の第7実施形態に係る露光装置の概略斜視図である。
【図25】図24の投影光学系の概略構成図である。
【図26】半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【図27】従来の露光方法を説明するための図である。
【図28】従来のハーフトーン露光方法を説明するための図である。
【符号の説明】
2…パターン、5…ギャップ部、繰り返し領域、6…ライン部、遮蔽部、
7…スペース部、透過部、11…第1のパターン、12…第2のパターン、
15…透過部、15’…遮蔽部、17…第2のパターン、
100…周辺回路パターン(非繰り返しパターン)、
108…チャネル部(繰り返しパターン)、
109…ソース電極(回路パターン、繰り返しパターン)、
110…ドレイン電極(回路パターン、繰り返しパターン)、
A…第1パターン形成領域、D…ピッチ、EL…露光光(放射線)、
L…ピッチ、M…マスク、P…感光基板、W…ピッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光処理に用いるマスク、露光方法及びデバイス製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)等のスイッチング素子を含む複数の機能層を基板上に形成することで製造されるが、薄膜トランジスタを製造する際のパターニング工程に従来よりフォトリソグラフィ工程が用いられている。フォトリソグラフィ工程は、基板上に感光性材料であるフォトレジストを塗布してフォトレジスト層(感光性材料層)を形成する塗布工程と、マスクを露光光で照明することによりマスクに形成されたパターンを前記フォトレジスト層が設けられた基板に露光する露光工程と、フォトレジスト層のうち露光光により感光した感光部あるいは非感光部のフォトレジストを除去する現像工程とを有している。
【0003】
図27は従来における薄膜トランジスタの製造工程の一例を示す図である。図27(a)において、まず、絶縁性基板であるガラス基板301上にゲート電極形成用金属層302Aが形成され、次いで第1のマスク300Aを用いたフォトリソグラフィ工程によりパターニングすることによりゲート電極302が形成される。そして、図27(b)に示すように、ゲート電極302が形成された基板301上に、ゲート絶縁層303、ドープしていないアモルファスシリコンからなる活性半導体層であるa−Si層304、リン等を高濃度でドープしたシリコンからなるn+a−Si層305、ソース/ドレイン電極形成用金属層306、及びフォトレジスト層307が順次積層される。次いで、図27(c)に示すように、フォトレジスト層307が第2のマスク300Bを用いたフォトリソグラフィ工程でパターニングされる。なお、ここでのフォトレジスト層307には、露光光を照射されない非照射部が現像処理後に除去されるネガ型レジストが用いられている。次いで、図27(d)に示すように、a−Si層304、n+a−Si層305、及びソース/ドレイン電極形成用金属層306がエッチングされ、図27(e)に示すように、フォトレジスト層307がアッシングされる。次に、再びフォトレジスト層307が設けられ、図27(f)に示すように、このフォトレジスト層307が第3のマスク300Cを用いたフォトリソグラフィ工程で図27(c)に示したパターンとは異なるパターンにパターニングされる。そして、図27(g)に示すように、薄膜トランジスタのチャネル部308に対応する部分のn+a−Si層305、及びソース/ドレイン電極形成用金属層306がエッチングされ、フォトレジスト層307をアッシングすることで、図27(h)に示すように、チャネル部308、ソース電極309、及びドレイン電極310が形成される。そして、ドレイン電極310に接続する不図示の画素電極を形成することで薄膜トランジスタが形成される。
【0004】
図27を参照して説明したように、薄膜トランジスタを製造する際にはフォトリソグラフィ工程を複数回繰り返すことになるが、処理期間の短期化及びコスト低減のためにフォトリソグラフィ工程数の削減、すなわちフォトリソグラフィ工程で用いるマスクの枚数の削減が求められる。このマスクの枚数を削減するための一手法としてハーフトーン露光が提案されている。ハーフトーン露光は、1つのフォトレジスト層を少なくとも2つの異なる膜厚に現像し、このフォトレジストをアッシングしながら被エッチング層(ゲート電極形成用金属層、n+a−Si層、及びソース/ドレイン電極形成用金属層等)をエッチングすることで、1回のフォトリソグラフィ工程(塗布工程、露光工程、及び現像工程)で2層の被エッチング層をそれぞれ別のパターンにパターンニングする方法である。これによれば1回分のフォトリソグラフィ工程(すなわち1枚のマスクの枚数)を削減することができる。
【0005】
図28はハーフトーン露光を用いた薄膜トランジスタの製造工程の一例を示す図である。図28(a)において、まず、ガラス基板301上にゲート電極形成用金属層302Aが形成され、次いで第1のマスク300Aを用いたフォトリソグラフィ工程によりパターニングすることによりゲート電極302が形成される。次いで、図28(b)に示すように、ゲート電極302が形成された基板301上に、ゲート絶縁層303、ドープしていないアモルファスシリコンからなる活性半導体層であるa−Si層304、リン等を高濃度でドープしたシリコンからなるn+a−Si層305、ソース/ドレイン電極形成用金属層306、及びフォトレジスト層307が順次積層される。
【0006】
そして、図28(c)に示すように、フォトレジスト層307がハーフトーン露光用マスク320を用いたフォトリソグラフィ工程でパターニングされる。ここで、ハーフトーン露光用マスク320は、露光光を透過可能な透光性基板320Aと、透光性基板320Aに形成されたクロム等からなる遮光部320Bと、所定のピッチで形成された遮光部であるライン部320Cとを備えている。ライン部320Cは露光装置(投影光学系)の解像限界以下の線幅を有している。したがって、マスク320を露光光で照明した際、ライン部320Cは基板301上で解像せずにぼけるため、マスク320のうちライン部320Cが形成された領域を通過した露光光の基板301上における露光量(照度)がほぼ均一化される。すなわち、ハーフトーン露光用マスク320は、パターンが形成されていない領域である光透過領域321Aと、遮光部320Bが形成されている光遮蔽領域321Bと、ライン部320Cが形成され光透過領域321Aより低い光透過率を有する低透過領域321Cとを有する構成となっている。したがって、基板301上において、低透過領域321Cに対応するフォトレジスト層307の所定領域であるチャネル形成予定領域307Cに照射される露光量は、光透過領域321Aに対応するフォトレジスト層307の電極形成予定領域307Aに照射される露光量に対して低い値に設定される。このフォトレジスト層307の各領域307A、307Cにおける露光量の違いにより、現像処理後においてフォトレジスト層307の膜厚を異ならせることができ、図28(c)に示すように、フォトレジスト層307のうち半透過領域321Cに対応するチャネル形成予定領域307Cの膜厚を、光透過領域321Aに対応する電極形成予定領域307Aに対して薄く設定でき、薄膜部(チャネル形成予定領域)307Cと厚膜部(電極形成予定領域)307Aとを形成することができる。
【0007】
そして、図28(d)に示すように、フォトレジスト層307以外の領域に対応するa−Si層304、n+a−Si層305、及びソース/ドレイン電極形成用金属層306がエッチングされる。ここで、ソース/ドレイン電極形成用金属層306やa−Si層304、n+a−Si層305がエッチングされている間、フォトレジスト層307もエッチング(アッシング)されている。そのため、フォトレジスト層307のうち薄膜部307Cが厚膜部307Aより先に除かれ、これによりチャネル部308に対応するソース/ドレイン形成用金属層306が露出し、図28(e)に示すように、薄膜トランジスタのチャネル部308に対応する部分のソース/ドレイン電極形成用金属層306、及びn+a−Si層305がエッチングされる。そして、残った厚膜部307Aをアッシングすることで、図28(f)に示すように、チャネル部308、ソース電極309、及びドレイン電極310が形成される。そして、ドレイン電極310に接続する不図示の画素電極を形成することで薄膜トランジスタが形成される。
【0008】
このように、図28を参照して説明したハーフトーン露光に基づく製造工程によれば、図27を参照して説明した製造工程に比べて使用するマスクの枚数、すなわちフォトリソグラフィ工程の工程数を削減することができる。下記特許文献1〜3にはハーフトーン露光に関する技術が開示されている。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−55364号公報
【特許文献2】
特開2002−141512号公報
【特許文献3】
特開2002−151381号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術には以下に述べる問題が存在する。
図28を参照して説明したように、ハーフトーン露光では、露光装置(投影光学系)の解像限界以下のライン部320Cを有する低透過領域321Cをマスク320上に形成することにより、チャネル形成予定領域307Cに対する露光量を、電極形成予定領域307Aに対する露光量より低く設定して膜厚を相違させている。しかしながら、露光処理に用いる露光装置(投影光学系)が高い解像限界を有する場合、前記ライン部320Cがフォトレジスト層307のチャネル形成予定領域307Cで解像してしまう。すると、フォトレジスト層307(チャネル形成予定領域307C)は均一な露光量で露光光を照射されず、これによりエッチング(アッシング)時にチャネル形成予定領域307Cに凹凸が生じ、所望の平坦度(膜厚)を有するフォトレジスト層307が得られなくなる。すると、エッチング時にチャネル形成予定領域307Cにおけるソース/ドレイン電極形成用金属層306の一部が露出したにもかかわらず他の一部が露出せず、所望の形状にパターニングできないという問題が生じる。
【0011】
高い解像限界を有する露光装置を用いた場合、ライン部320Cの線幅を更に細く形成して露光処理することも考えられるが、マスク320(光透過基板320A)にパターンを描画する際の描画能力に限界があるため、描画誤差を生じることなく細い線幅のライン部320Cを描画することは困難である。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、露光装置の解像限界に影響されずに良好にハーフトーン露光できるマスク、露光方法及びデバイス製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は実施の形態に示す図1〜図26に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明のマスク(M)は、放射線(EL)を遮蔽する遮蔽部(6、15’)と放射線(EL)を透過する透過部(7、15)とを有するパターン(2、11、12、17)を含む露光処理に用いるマスク(M)において、遮蔽部(6、15’)に対する透過部(7、15)、又は透過部(7、15)に対する遮蔽部(6、15’)を所定のピッチ(D、L、W)で繰り返した繰り返し領域(5)を有し、露光処理の際に繰り返した方向(X)にピッチ(D、L、W)分だけパターン(2、11、12、17)をシフトすることによりハーフトーンを形成することを特徴とする。
【0014】
本発明の露光方法は、マスク(M)上に形成され、放射線(EL)を遮蔽する遮蔽部(6、15’)と放射線(EL)を透過する透過部(7、15)とを有するパターン(2、11、12、17)を感光基板(P)に露光する露光方法において、パターン(2、11、12、17)は、遮蔽部(6、15’)に対する透過部(7、159、又は透過部(7、15)に対する遮蔽部(6、15’)を所定のピッチ(D、L、W)で繰り返した繰り返し領域を有し、繰り返した方向(X)にピッチ(D、L、W)分だけマスク(M)を感光基板(P)に対してシフトし、マスク(M)のパターン(2、11、12、17)を複数回に分けて露光することを特徴とする。
【0015】
本発明のデバイス製造方法は、マスク(M)のパターン(2、11、12、17)を感光基板(P)に露光することにより感光基板(P)に回路パターン(109、110)を形成しデバイス(TFT)を製造するデバイス製造方法において、マスク(M)として上記記載のマスクを用いることを特徴とする。
また、本発明のデバイス製造方法は、マスク(M)のパターン(2、11、12、17)を感光基板(P)に露光することにより感光基板(P)に回路パターン(109、110)を形成しデバイスを製造するデバイス製造方法において、マスク(M)のパターン(2、11、12、17)を感光基板(P)に露光する露光方法として上記記載の露光方法を用いて回路パターン(109、110)を形成することを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、露光装置(投影光学系)が高い解像限界を有する場合であっても、遮蔽部と透過部とを所定のピッチで繰り返した繰り返し領域をマスク上に設け、露光処理の際に繰り返し方向に前記ピッチ分だけパターンをシフトして複数回露光するようにしたので、ハーフトーン露光領域(例えばチャネル形成予定領域)を均一な露光量で露光することができる。したがって、現像処理後においてハーフトーン露光されたフォトレジスト層の表面を平坦に形成でき、所望のパターン形状を得ることができ、これにより所望の性能を有するデバイスを製造できる。また、本発明によれば、マスク上には放射線(露光光)を略100%透過する透過部と略0%透過する遮蔽部との2値化されたパターンを形成すればよく、その両者の中間の透過率を有する半透過部を別に形成する必要が無いので、マスクを製造する上においても有利である。
【0017】
ここで、ハーフトーン露光とは、基板上の複数の領域に対してそれぞれ異なる露光量で露光処理を行うことにより、最終的に得られるフォトレジスト層(感光性材料層)の膜厚を部分的に相違させる露光処理をいう。
また、以下の説明において、基板上のフォトレジスト層において予め設定された設定露光量(100%露光量)に対して少ない露光量(ハーフトーン露光量、ハーフドーズ量)で露光され、前記設定露光量で露光される領域に対して前記ハーフトーン露光量で露光される領域を適宜「ハーフトーン露光領域」と称する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のマスク及び露光方法について説明する。まず、図1を参照しながら本発明の露光方法に用いる露光装置について説明する。図1は露光装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
図1において、露光装置EXは、マスクMを支持するマスクステージMSTと、感光基板Pを支持する基板ステージPSTと、光源を有し、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMを基板ステージPSTに支持されている感光基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を統括制御する制御装置CONTとを備えている。感光基板Pはガラス基板等の絶縁性基板上にフォトレジスト(感光性材料)を設けてフォトレジスト層(感光性材料層)を形成したものである。ここで、以下の説明において、水平面内における第1の方向をX軸方向、水平面内において第1の方向と直交する第2の方向をY軸方向、X軸及びY軸方向に直交する方向、すなわち鉛直方向をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわり方向をそれぞれθX、θY、及びθZ方向とする。
【0019】
マスクステージMSTはマスクステージ駆動装置MSTDにより2次元方向(XY方向)に移動し、基板ステージPSTは基板ステージ駆動装置PSTDにより2次元方向(XY方向)に移動する。更に、基板ステージPSTはZ軸、θX、θY、及びθZ方向にも移動可能である。マスクMを支持するマスクステージMSTのXY方向の位置はレーザ干渉計51、52により検出される。レーザ干渉計51、52はマスクステージMST上の移動鏡53、54に対してレーザ光を照射し、マスクステージMSTひいてはマスクMの位置検出を行う。同様に、感光基板Pを支持する基板ステージPSTのXY方向の位置はレーザ干渉計55、56により検出される。レーザ干渉計55、56は基板ステージPST上の移動鏡57、58に対してレーザ光を照射し、基板ステージPSTひいては感光基板Pの位置検出を行う。また、感光基板PのZ軸方向における位置は不図示のフォーカス検出装置により検出される。
【0020】
<第1実施形態>
次に、本発明のマスク及び露光方法の第1実施形態について説明する。
まず、図2を参照しながら本実施形態に係るマスクについて説明する。図2は本発明のマスクの第1実施形態に係る模式図であって、図2(a)は平面図、図2(b)は側面図である。
図2において、マスクMは、露光光(放射線)ELを透過可能な透光性基板1上にクロム等の遮光性材料でパターン2を形成したものである。本実施形態では、パターン2は薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)のソース/ドレイン電極パターニング用のパターンであって、ソース用パターン部3と、ドレイン用パターン部4とを有している。そして、パターン部3、4の間には、薄膜トランジスタのチャネル部に対応するギャップ部(繰り返し領域)5が設定されており、ギャップ部5には所定の線幅Dを有するライン部(遮蔽部)6が設けられている。ライン部6は前記遮光性材料により形成されており露光光ELを遮蔽する。本実施形態において、ライン部6はギャップ部5の図中X軸方向の略中央部に1つ設けられている。また、ライン部6とパターン部3との間、及びライン部6とパターン部4との間のそれぞれには遮光性材料が設けられておらず、露光光ELを透過するスペース部(透過部)7となっている。スペース部7の幅もライン部6の線幅と同じDに設定されている。そして、ギャップ部5はライン部6とスペース部7とが所定のピッチDで繰り返された繰り返し領域となっている。本実施形態において、ライン部6とスペース部7とは図2中、X軸方向に繰り返されている。すなわち、X軸方向が繰り返し方向となっている。
【0021】
次に、上述したマスクMを用いてマスクMのパターンを感光基板Pに露光する露光方法を図3及び図4を参照しながら説明する。図3は第1実施形態に係る露光方法を説明する説明図、図4は露光方法を示すフローチャート図である。なお、本実施形態におけるフォトレジスト層には、露光光を照射された照射部が現像処理で除去されるポジ型レジストが用いられている。
まず、図3(a)に示すように、制御装置CONTはマスクステージMSTを介してマスクMを第1の位置に位置決めする(ステップSA1)。マスクMの位置はレーザ干渉計により検出される。また、制御装置CONTは基板ステージPSTを介して感光基板Pを所定の位置に位置決めする。感光基板Pの位置もレーザ干渉計により検出される。次いで、制御装置CONTは第1の位置に位置決めしたマスクMを照明光学系ILにより露光光ELで照明し、マスクMのパターン2を感光基板Pに露光(第1の露光)する(ステップSA2)。
【0022】
第1の露光をするに際し、制御装置CONTはマスクMに対する露光光ELの照射量を予め設定されている設定照射量に対して少ない値に設定し、照射する。これにより感光基板P上のフォトレジスト層は予め設定された設定露光量(100%露光量)に対して少ない露光量(ハーフトーン露光量)で露光される。本実施形態において、第1の露光では感光基板P(フォトレジスト層)は設定露光量に対して50%の露光量で露光される。そして、感光基板Pのフォトレジスト層のギャップ部5に対応する領域のうち、スペース部7に対応する領域が露光光を選択的に照射される。
【0023】
第1の露光が終了したら、制御装置CONTはマスクMを感光基板Pに対してX軸方向、すなわちライン部6とスペース部7との繰り返し方向に距離(ピッチ)Dだけシフトする。これにより、図3(b)に示すように、マスクMは第1の位置より距離DだけX軸方向にシフトした第2の位置に位置決めされる(ステップSA3)。マスクMの位置はレーザ干渉計により検出される。このとき、感光基板Pは前記所定の位置に位置決めされている。
【0024】
そして、制御装置CONTは第2の位置に位置決めしたマスクMを照明光学系ILにより露光光ELで照明し、マスクMのパターン2を感光基板Pに露光(第2の露光)する(ステップSA4)。これにより、感光基板PはマスクMのパターンを複数回(ここでは2回)に分けて露光されたことになる。
【0025】
第2の露光においても、制御装置CONTはマスクMに対する露光光ELの照射量を予め設定されている設定照射量に対して少ない値に設定し、照射する。これにより感光基板P上のフォトレジスト層は予め設定された設定露光量(100%露光量)に対して少ない露光量(ハーフトーン露光量)で露光される。本実施形態において、第2の露光でも感光基板Pのフォトレジスト層は設定露光量に対して50%の露光量で露光される。すなわち、制御装置CONTは第1及び第2の露光における露光量のそれぞれをほぼ同一の露光量に設定して露光処理する。
【0026】
そして、フォトレジスト層のギャップ部5に対応する領域において、第1の露光でライン部7を透過した露光光により選択的に露光された間の部分は、第2の露光でライン部7を透過した露光光により補間される。これにより、第1の露光及び第2の露光による感光基板P上での合成露光量は図3(c)のようになる。すなわち、感光基板P上において、ソース用パターン部3及びドレイン用パターン部4のそれぞれに対応する領域(電極形成予定領域)には露光光が照射されず、合成露光量はほぼゼロである。一方、ギャップ部5に対応する領域(チャネル形成予定領域、ハーフトーン露光領域)での合成露光量は設定露光量のほぼ50%であり、露光量分布は第1及び第2の露光によりほぼ均一となる。したがって、この露光光を照射されたフォトレジスト層の現像処理後の形状は図3(d)に示すような形状となる。すなわち、マスクMのギャップ部5に対応するフォトレジスト層10の所定領域であるチャネル形成予定領域(ハーフトーン露光領域)10Aは薄膜化された薄膜部となり、一方、パターン部3、4に対応する領域である電極形成予定領域10Bは薄膜部(チャネル形成予定領域)10Aより厚い厚膜部10Bとなる。そして、薄膜部10Aの表面形状はほぼ平坦となる。一方、フォトレジスト層10のうちパターン2に対応する以外の領域10Cは設定露光量(100%露光量)で露光されるため、ポジ型レジストであるフォトレジスト層は現像処理後において除去される。
【0027】
以上のようにして、感光基板P上において、ギャップ部(繰り返し領域)5に対応するフォトレジスト層10上のチャネル形成予定領域10Aに照射される露光量は、マスクMのパターン部2以外の領域である光透過領域に対応するフォトレジスト層10上の領域10Cに照射される露光量に対して低い値に設定される。このフォトレジスト層10の各領域10A、10B、及び10Cにおける露光量の違いにより、現像処理後においてフォトレジスト層10の膜厚を異ならせることができ、図3(d)に示すように、フォトレジスト層10のうちギャップ部5に対応するチャネル形成予定領域10Aの膜厚を、パターン部3、4に対応する電極形成予定領域10Bに対して薄く設定でき、薄膜部(10A)と厚膜部(10B)とを形成することができる。
【0028】
以上説明したように、遮蔽部であるライン部6と透過部であるスペース部7とが所定のピッチDで繰り返された繰り返し領域であるギャップ部5をマスクM上に設け、第1の露光した後に第2の露光する際、繰り返し方向であるX軸方向にピッチD分だけパターンをシフトして露光するようにしたので、露光装置EXの投影光学系PLが高い解像限界を有していても、ハーフトーン露光領域であるチャネル形成予定領域10Aを均一な露光量で露光することができる。したがって、現像処理後においてチャネル形成予定領域(薄膜部)10Aは平坦化され、所望のパターン形状を得ることができる。
【0029】
本実施形態では、ライン部6の線幅はDであり、一方、スペース部7の幅もライン部6と同じDである。すなわち、ライン部6とスペース部7との線幅の比率は1:1である。したがって、第1の露光と第2の露光とでマスクMを距離Dだけシフトして2回露光する際、第1の露光における露光量と第2の露光における露光量とを同じ露光量(50%露光量)に設定することで、チャネル形成予定領域10Aにおける露光量分布を均一にすることができる。すなわち、ライン部6とスペース部7との比率に基づいてギャップ部5での露光量を決定することにより、ハーフトーン露光領域10Aでの露光量分布を均一にすることができる。
【0030】
そして、複数回(2回)に分けて露光する際の露光量のそれぞれを同じ値に設定したことにより、露光量調整動作が不要となり、露光処理における作業性を向上することができる。
【0031】
なお、露光量は照度(単位面積当たりの露光光照射量)と露光時間との積であるので、第1の露光における露光量と第2の露光における露光量とを同じ値に設定するために、照度(あるいは露光時間)を第1の露光と第2の露光とで変更した際には、この変更に応じて露光時間(あるいは照度)も変更すればよい。
【0032】
また、フォトレジスト層10に対する露光量と現像処理後のフォトレジスト層の膜厚とは比例関係でなく、レジスト特性(レジスト感度)に応じて変化する場合がある。したがって、照射される露光量と現像処理後のフォトレジスト層の膜厚との関係をレジスト特性に基づいて予め求めておき、この求めた結果に基づいて、フォトレジスト層の目標膜厚に対応する露光量を決定すればよい。
【0033】
ところで、第1の露光と第2の露光とでマスクMをシフトすることにより、例えばマスクM上におけるソース用パターン部3のパターン形状、具体的にはパターン線幅Da(図3(a)参照)に対して、フォトレジスト層10のソース用パターン部3に対応する領域の線幅Da’(図3(d)参照)は太くなり、これに伴って実際に基板P上に形成されるソース電極(ソース線)の線幅もマスクM上の線幅Daに対して太くなる。同様に、マスクM上のギャップ部5の幅に対して、基板上に形成されるソース/ドレイン間のチャネル部の幅の太くなる。したがって、このマスク上でのパターン形状(パターン幅)と基板上でのパターン形状(パターン幅)との差異、すなわち、ピッチDだけパターンをシフトして露光した際のズレ領域Dz(=Da’−Da)の露光量を補正するように、ライン部6とスペース部7との繰り返し領域を除くパターンであるマスクM上におけるソース用パターン部3やドレイン用パターン部4のパターン形状(パターン幅)を、基板上において所望のパターン形状(パターン幅)となるように予め設定しておけばよい。換言すれば、シフトして露光することにより基板上でのパターン幅が太くなる量(Dz)を予め考慮してマスクMに形成するパターン形状(パターン幅Da)を設計しておけばよい。
【0034】
本実施形態では、高い解像限界を有する露光装置を用いた際にライン部6が感光基板P上で解像しても平坦な薄膜部10Aを形成することを目的の1つとしており、ライン部6は感光基板P上で解像してもよく、解像されずにぼけた状態で感光基板P上に投影されてもよい。解像しない状態でマスクMを感光基板Pに対して相対的にシフトしながら露光することにより、より一層薄膜部10Aを平坦化できる。
【0035】
なお、本実施形態では、感光基板Pを所定の位置に固定した状態でマスクMをシフト(移動)するように説明したが、マスクMの位置を固定した状態で感光基板Pをシフトするようにしてもよい。あるいは、マスクMと感光基板Pとを同時に移動するようにしてもよい。
【0036】
なお、本実施形態では、フォトレジスト層10を、露光光を照射された照射部が現像処理において除去されるポジ型レジストとして説明したが、露光光を照射されない非照射部が現像処理において除去されるネガ型レジストを用いた場合にも本発明を適用することはもちろん可能である。フォトレジスト層10としてネガ型レジストを用いた場合、例えば図2に示す例においては、パターン2を光透過領域とし、パターン2以外の部分に遮光性材料を設けて光遮蔽領域とする。また、ポジ型レジストでは、本実施形態においてギャップ部5はライン部(遮蔽部)6に対してスペース部(透過部)7が所定のピッチDで繰り返された構成であるが、ネガ型レジストである場合には、ギャップ部5がスペース部(透過部)7に対してライン部(遮蔽部)6が所定のピッチDで繰り返される構成となる。
【0037】
<第2実施形態>
次に、本発明のマスク及び露光方法の第2実施形態について図5及び図6を参照しながら説明する。ここで、以下の説明において上述した第1実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略もしくは省略する。
【0038】
図5はギャップ部5の変形例である。図5に示すマスクMにおいて、ライン部6の線幅D’に対して、スペース部7の線幅は2D’に設定されている。すなわち、ライン部6とスペース部7との線幅の比率は1:2であって、ライン部6に対してスペース部7がピッチD’で繰り返されている。
【0039】
図6は図5を参照して説明したマスクMを用いた露光方法の一例を説明するための図である。まず、図6(a)に示すように、制御装置CONTはマスクMを第1の位置に位置決めするとともに、感光基板Pを所定の位置に位置決めする。次いで、制御装置CONTは第1の位置に位置決めしたマスクMを露光光ELで照明し、マスクMのパターン2を感光基板Pに露光(第1の露光)する。
【0040】
第1の露光をするに際し、制御装置CONTはマスクMに対する露光光ELの照射量を予め設定されている設定照射量に対して少ない値に設定し、照射する。本実施形態において、第1の露光では感光基板Pのフォトレジスト層10は設定露光量に対して1/3の露光量で露光される。そして、フォトレジスト層10のうちスペース部7に対応する領域に露光光が選択的に照射される。
【0041】
第1の露光が終了したら、図6(b)に示すように、制御装置CONTはマスクMを感光基板Pに対してX軸方向に距離(ピッチ)D’だけシフトする。これにより、マスクMは第1の位置より距離D’だけX軸方向にシフトした第2の位置に位置決めされる。このとき、感光基板Pは前記所定の位置に位置決めされている。そして、制御装置CONTは第2の位置に位置決めしたマスクMを露光光ELで照明し、マスクMのパターン2を感光基板Pに露光(第2の露光)する。
【0042】
第2の露光が終了したら、図6(c)に示すように、制御装置CONTはマスクMを感光基板Pに対してX軸方向に距離(ピッチ)D’だけシフトする。これにより、マスクMは第2の位置より距離D’だけ(第1の位置より距離2D’だけ)X軸方向にシフトした第3の位置に位置決めされる。このとき、感光基板Pは前記所定の位置に位置決めされている。そして、制御装置CONTは第3の位置に位置決めしたマスクMを露光光ELで照明し、マスクMのパターン2を感光基板Pに露光(第3の露光)する。このように、感光基板PはマスクMのパターンを複数回(ここでは3回)に分けて露光される。
【0043】
第2及び第3の露光においても、制御装置CONTはマスクMに対する露光光ELの照射量を予め設定されている設定照射量に対して少ない値に設定し、照射する。本実施形態において、第2及び第3の露光でも感光基板P(フォトレジスト層)は設定露光量に対して1/3の露光量で露光される。すなわち、制御装置CONTは、第1、第2、及び第3の露光における露光量のそれぞれをほぼ同一の露光量に設定して露光処理する。
【0044】
そして、フォトレジスト層10のチャネル形成予定領域10Aにおいて、第1の露光でライン部7を透過した露光光により選択的に露光された間の部分は、第2及び第3の露光でライン部7を透過した露光光により補間される。これにより、第1、第2、及び第3の露光による電極形成予定領域10Bにおける合成露光量はほぼゼロとなり、チャネル形成予定領域10Aにおける合成露光量は設定露光量のほぼ2/3となる。そして、チャネル形成予定領域10Aでの露光量分布は第1、第2、及び第3の露光によりほぼ均一となる。したがって、この露光光を照射されたフォトレジスト層の現像処理後の形状は図6(d)に示すような形状となる。すなわち、フォトレジスト層10のチャネル形成予定領域10Aは薄膜化された薄膜部となり、一方、電極形成予定領域10Bは厚膜部となる。そして、薄膜部10Aの表面形状はほぼ平坦となる。一方、パターン2に対応する以外の領域10Cは設定露光量(100%露光量)で露光されるため、ポジ型レジストであるフォトレジスト層は現像処理後において除去される。
【0045】
以上説明したように、ライン部6とスペース部7とは互いに異なる線幅であってもよい。そして、ピッチD’分だけシフトしながら複数回露光することで、第1実施形態同様、ハーフトーン露光できる。ここで、本実施形態では、ライン部6とスペース部7との線幅の比率は1:2である。したがって、第1、第2、及び第3の露光でマスクMを距離D’だけシフトして3回露光する際、第1、第2、及び第3の露光における露光量のそれぞれを同じ値(1/3露光量)に設定することで、薄膜部10Aにおける露光量分布を均一にすることができる。このように、ライン部6とスペース部7との比率に基づいてギャップ部5での露光量を決定することにより、ギャップ部5に対応するフォトレジスト層10(チャネル形成予定領域10A)での露光量分布を均一にすることができる。
【0046】
なお、図6(d)では、フォトレジスト層10のチャネル形成予定領域10Aに段差が形成されるように示されているが、フォトレジスト層10に対して現像処理を施した際、実際には鋭角状の段差は形成されにくく、薄膜部と厚膜部との境界は滑らかな形状となるため、フォトレジスト層10のチャネル形成予定領域10Aの表面はほぼ平坦化された形状となる。
【0047】
図7はパターン2の変形例を示す図である。図7においてライン部6はギャップ部5において2本設けられている。また、ライン部6の線幅はDであり、スペース部7の幅もDである。すなわち、ライン部6はギャップ部5において等間隔に設けられている。このように、ライン部6の数は2本以上の任意の複数本であってもよい。また、図7に示す例において、ライン部6及びスペース部7の幅はそれぞれ同じ値に設定されているが、もちろん異なる値(例えば、スペース部7の幅が2Dあるいは3D等)に設定されててもよい。
【0048】
ここで、上記各実施形態において、フォトレジスト層がポジ型レジストである場合、ライン部6の線幅に対してスペース部7の線幅は整数倍(n倍)であることが望ましい。これにより、前記n回だけシフト及び露光処理を繰り返すことにより、フォトレジスト層10のうちチャネル形成予定領域(ハーフトーン露光領域)10Aでの露光量分布を略均一化することができる。一方、フォトレジスト層がネガ型レジストである場合にはスペース部7の線幅に対してライン部6の線幅が整数倍に設定されていることが望ましい。また、ギャップ部5において、ライン部6及びスペース部7は繰り返し方向(X軸方向)に関して対称に形成されていることが望ましい。
【0049】
なお、ライン部6の線幅はスペース部7より細いことが望ましいが太くてもよい。この場合、シフトしながら露光することでフォトレジスト層に凹凸が形成される場合があるが、現像処理後のフォトレジスト層の形状(凹凸具合)を例えば予め実験的に求めておき、前記凹凸形状が許容範囲内となるライン部6の線幅を設定すればよい。同様に、ネガ型レジストを用いる場合にはライン部6の線幅はスペース部7に対して太いことが望ましいが細くてもよい。
【0050】
ライン部6(スペース部7)を複数設ける場合、複数のライン部6(スペース部7)の線幅のそれぞれは等しいことが望ましいが異なっていてもよい。例えば、フォトレジスト層がポジ型レジストである場合において、現像処理後のフォトレジスト層10のハーフトーン露光領域10Aを薄く形成したい場合には、複数あるライン部6のうち任意のライン部6を細く設定することで、フォトレジスト層10のうちハーフトーン露光領域10Aに対する露光量を多くすることができる。この場合、マスクMをシフトしながら露光することでフォトレジスト層10に段差が形成されることが考えられるが、上述したように、実際の現像処理後においてはフォトレジスト層に鋭角状の段差は形成されにくく滑らかな形状となり、フォトレジスト層10のハーフトーン露光領域10Aの表面を略平坦に形成することができる。そして、ライン部6の線幅と露光及び現像処理後のフォトレジスト層の形状との関係を予め実験的に求めておき、フォトレジスト層のパターン形状誤差(凹凸具合)が許容範囲内となるライン部6の線幅を予め設定しておけば、複数のライン部のそれぞれは互いに異なる線幅であってもよい。このように、ギャップ部(繰り返し領域)5におけるライン部6及びスペース部7の線幅によって露光及び現像処理後のフォトレジスト層の形状(膜厚)を制御できる。
【0051】
図8及び図9はパターン2の変形例である。図8に示すように、ライン部6及びスペース部7はY軸方向に所定ピッチDで繰り返されていてもよい。図8に示す繰り返し領域5を有するマスクMを用いて露光処理する際には、マスクMをY軸方向(すなわちライン部6とスペース部7との繰り返し方向)にシフトしつつ露光処理する。また、遮蔽部6及び透過部7はライン状でなくてもよく、図9に示すようにドットパターン状でもよい。図9に示す例では、略正方形状の遮蔽部6と透過部7とが市松模様状に配置されている。すなわち、遮蔽部6と透過部7とがX軸方向及びY軸方向のそれぞれに関して繰り返されている。図9に示す繰り返し領域5を有するマスクMを用いて露光処理する際には、マスクMをX軸方向及びY軸方向のいずれか一方にシフトしつつ露光処理することが可能である。
【0052】
<第3実施形態>
次に本発明の第3実施形態として、本発明の露光方法を走査型露光装置に適用した例について図10を参照しながら説明する。走査型露光装置はマスクMと感光基板Pとを所定方向(X軸方向)に同期移動しながらマスクMのパターンを投影光学系PLを介して感光基板P上に連続的に露光する露光装置である。また、本実施形態におけるマスクMは、図2を参照して説明したライン部6及びスペース部7のそれぞれが同じ線幅Dに設定されたパターンを有しているものとする。
まず、図10(a)に示すように、制御装置CONTはマスクMを第1の位置に位置決めするとともに感光基板Pを所定の位置に位置決めする。次いで、図10(b)に示すように、制御装置CONTは、マスクMと感光基板PとをX軸方向に同期移動しつつマスクMを露光光ELで照明し、マスクMのパターン2を感光基板Pに連続的に露光(第1の露光)する。ここで、投影光学系PLが等倍系である場合マスクMと感光基板Pとは同じ速度でX軸方向に移動する。
【0053】
第1の露光をするに際し、制御装置CONTはマスクMに対する露光光ELの照射量を予め設定されている設定照射量に対して少ない値に設定し、照射する。本実施形態において、第1の露光では感光基板Pのフォトレジスト層10は設定露光量に対して50%の露光量で露光される。そして、フォトレジスト層10のチャネル形成予定領域10Aのうちスペース部7に対応する領域に露光光が選択的に照射される。
【0054】
第1の露光が終了したら、図10(c)に示すように、制御装置CONTはマスクMを第2の位置に位置決めするとともに感光基板Pを所定の位置に位置決めする。ここで、図10(c)に示す第2の位置とは、図10(a)に示した第1の位置に対してX軸方向に距離Dだけシフトした位置である。一方、感光基板Pの位置は第1の露光開始時(すなわち図10(a)の状態)と、第2の露光開始時(すなわち図10(c)の状態)とで同じである。すなわち、第2の露光を行うに際し、感光基板Pははじめの位置に戻される。
【0055】
そして、図10(d)に示すように、制御装置CONTは、マスクMと感光基板PとをX軸方向に同期移動しつつマスクMを露光光ELで照明し、マスクMのパターン2を感光基板Pに連続的に露光(第2の露光)する。第2の露光においても、制御装置CONTはフォトレジスト層10を設定露光量に対して50%の露光量で露光する。これにより、第1の露光時に感光基板P上に露光されたパターンに対して、第2の露光時に露光されるパターンがX軸方向にピッチD分だけシフトすることになり、第1実施形態同様、ハーフトーン露光が実行される。
【0056】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について図11〜図17を参照しながら説明する。図11(a)において、マスクMは、第1のパターン11が形成された第1パターン形成領域Aと、第1のパターン11は別の第2のパターン17が形成された第2パターン形成領域Bとを有している。第1パターン形成領域Aと第2パターン形成領域Bとはほぼ同じ大きさの矩形状に設定されており、マスクM上において隣り合わせて設けられている。そして、第1のパターン11と第2のパターン17とは独立したパターンとなっている。
【0057】
第1のパターン11は、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)のソース/ドレイン電極パターニング用のパターンである。ここで、本実施形態のパターン11と図2に示したパターン2との異なる点は、パターン11ではソース用パターン部13とドレイン用パターン部14とが連続している点である。すなわち、本実施形態に係るパターン11には第1実施形態のパターン2のギャップ部5に相当する部分が無く、この部分は遮蔽部15’となっている。
【0058】
第2のパターン17は、第2パターン形成領域Bのほぼ全域に設けられた遮蔽部16と、第2パターン形成領域Bの所定の位置に設けられた透過部15とを有している。透過部15は略矩形状であって、第1パターン形成領域Aに対して第2パターン形成領域Bを重ね合わせた際、第1のパターン11のソース用パターン部13とドレイン用パターン部14との連続部(遮蔽部)15’に重なる位置に設けられている。すなわち、第2のパターン17の透過部15は、露光処理した際、フォトレジスト層10のチャネル形成予定領域10A、すなわちハーフトーン露光領域に対応する位置に形成されている。そして、図11(a)に示すマスクMでは、遮蔽部15’と透過部15とがピッチLで繰り返された構成となっており、符号5で示す領域が繰り返し領域となっている。なお、図11(a)では、マスクMは第1のパターン11と第2のパターン17とをそれぞれ1つずつ有する構成であるが、第1のパターン11が形成された第1パターン形成領域Aと、第2のパターン17が形成された第2パターン形成領域Bとを、X軸方向に複数並べて設けてもよい。これにより、透過部15と、第1、第2パターン形成領域A、Bを重ねたときに透過部15に対応するパターン11上での領域である遮蔽部15’とがX軸方向に所定のピッチLで繰り返された構成となる。
【0059】
図11(b)は図11(a)のマスクMを用いて露光処理される感光基板Pを示す模式図である。図11(b)に示すように、感光基板Pには露光処理される第1、第2、及び第3露光領域E、F、及びGが設定されている。この露光領域E、F、及びGのそれぞれの大きさは、マスクMの第1、第2パターン形成領域A、Bと同じに設定されている。露光領域E、F、及びGは等間隔に設定されており、露光領域E、F、及びGそれぞれの間隔と、マスクMの第1、第2パターン形成領域A、Bの間の間隔とは同じ値に設定されている。すなわち、第1、第2パターン形成領域A、Bのピッチと、露光領域E、F、及びGのピッチとはそれぞれ同じ値Lに設定されている。
【0060】
図12は、第1のパターン11と第2のパターン17とを感光基板P上で重ね合わせるようにして露光した際の露光量分布及び現像後のフォトレジスト層10の形状を示す模式図である。ここでは、感光基板Pの第1露光領域Eで第1のパターン11と第2のパターン17とを重ね合わせる場合について説明する。
まず、制御装置CONTは、第1のパターン11を有する第1パターン形成領域Aと第1露光領域Eとを位置合わせする。次いで、制御装置CONTはマスクMの第1パターン形成領域Aを露光光ELで照明し、マスクMのパターン11を感光基板Pに露光(第1の露光)する。
【0061】
第1の露光をするに際し、制御装置CONTはマスクMに対する露光光ELの照射量を予め設定されている設定照射量(100%露光量)に設定して露光する。これにより、図12(a)に示す模式図のように、感光基板Pのフォトレジスト層10のうちパターン11に対応する領域は遮光され(0%露光量)、パターン11以外に対応する領域は100%露光量で露光される。
【0062】
第1の露光が終了したら、制御装置CONTはマスクMを感光基板Pに対してX軸方向にピッチL分だけシフトし、第2パターン17を有する第2パターン形成領域Bと、第1露光領域Eとを位置合わせする。そして、制御装置CONTはマスクMの第2パターン形成領域Bを露光光ELで照明し、マスクMのパターン17を感光基板Pに露光(第2の露光)する。
【0063】
第2の露光において、制御装置CONTはマスクMに対する露光光ELの照射量を予め設定されている設定照射量に対して少ない値に設定し、照射する。第2の露光では、制御装置CONTは、設定露光量(100%露光量)に対して任意の比率の露光量を照射可能である。例えば、制御装置CONTは設定露光量に対して30%露光量で露光することが可能である。これにより感光基板Pのフォトレジスト層10のうち透過部15に対応する領域は、図12(b)に示す模式図のように30%露光量で露光される。また、70%露光量で露光すればフォトレジスト層10のうち透過部15に対応する領域は70%露光量で露光される。
【0064】
第1、第2の露光により、図12(c)に示すように、フォトレジスト層10のうち第1のパターン11以外に対応する領域での合成露光量は100%露光量となり、一方、透過部15に対応する領域であるチャネル形成予定領域(ハーフトーン露光領域)10Aでの合成露光量は30%露光量となる。そして、このフォトレジスト層10に対して現像処理を施すことにより、フォトレジスト層10は図12(d)に示すような形状となる。
【0065】
以上説明したように、本実施形態では、チャネル形成予定領域(ハーフトーン露光領域)10Aに対する露光量(ハーフトーン露光量)を任意の値に容易に設定することができるため、チャネル形成予定領域10Aの膜厚調整を精度良く行うことができる。そして、露光量とフォトレジスト層10の膜厚との関係をフォトレジスト層10の材料特性に基づいて予め求めておき、第2の露光時においては、前記求めた関係に基づいて露光量を設定することにより、所望の膜厚を有するフォトレジスト層を得ることができる。
【0066】
なお、ここでは、透過部15を透過率100%の透過部として説明したが、例えば透過率50%といったような半透過部であってもよい。また、図11(a)において、マスクMは第1のパターン11と第2のパターン17とをそれぞれ1つずつ有する構成であるが、上述したように、第1のパターン11が形成された第1パターン形成領域Aと、第2のパターン17が形成された第2パターン形成領域Bとを、X軸方向に複数並べて設けてもよい。これにより、透過部15と遮蔽部15’とがX軸方向に所定のピッチLで繰り返された構成となり、露光処理の際には前記繰り返した方向(すなわちX軸方向)にピッチL分だけマスクをシフトすることでハーフトーン露光する構成となる。
【0067】
また、第1パターン形成領域Aのパターンを第1実施形態で説明した例えば図2に示したパターン2とし、この第1のパターンをX軸方向にピッチDだけシフトして複数回にわけて露光し、次いで第2パターン形成領域Bに形成されたパターン17を基板上で重ね合わせるようにしてもよい。すなわち、第1実施形態と第4実施形態とのそれぞれの露光方法を組み合わせて露光処理してもよい。
【0068】
図13はマスクMに形成されているパターンの変形例である。図13において、マスクMは、第1のパターン11が形成された第1パターン形成領域Aと、第1のパターン11は別の第2のパターン12が形成された第2パターン形成領域Bとを有している。第1パターン形成領域Aと第2パターン形成領域Bとはほぼ同じ大きさに設定されており、マスクM上において隣り合わせて設けられている。そして、第1のパターン11と第2のパターン12とは独立したパターンとなっている。
【0069】
第1のパターン11は、図11(a)に示した薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)のソース/ドレイン電極パターニング用のパターンと同等のパターンである。一方、第2のパターン12は、ソース用パターン部13とドレイン用パターン部14とが連続しておらず、透過部15が形成されている。透過部15は、第1パターン形成領域Aに対して第2パターン形成領域Bを重ね合わせた際、第1のパターン11のソース用パターン部13とドレイン用パターン部14との連続部(遮蔽部)15’に重なる位置に設けられている。すなわち、第2のパターン12の透過部15は、露光処理した際、フォトレジスト層10のチャネル形成予定領域10A、すなわちハーフトーン露光領域に対応する位置に形成されている。
【0070】
図14は、第1のパターン11と第2のパターン12とを感光基板P上で重ね合わせるようにして露光した際の露光量分布及び現像後のフォトレジスト層10の形状を示す模式図である。ここでは、感光基板Pの第1露光領域Eで第1のパターン11と第2のパターン12とを重ね合わせる場合について説明する。
まず、制御装置CONTは、第1のパターン11を有する第1パターン形成領域Aと第1露光領域Eとを位置合わせする。次いで、制御装置CONTはマスクMの第1パターン形成領域Aを露光光ELで照明し、マスクMのパターン11を感光基板Pに露光(第1の露光)する。
【0071】
第1の露光をするに際し、制御装置CONTはマスクMに対する露光光ELの照射量を予め設定されている設定照射量(100%露光量)に対して少ない値に設定し、照射する。具体的には、制御装置CONTは第1の露光での露光量を100%露光量に対して任意の比率に設定する。ここでは70%露光量を照射する。これにより感光基板Pのフォトレジスト層10のうちパターン11以外に対応する領域は、図14(a)に示す模式図のように70%露光量で露光される。
【0072】
第1の露光が終了したら、制御装置CONTはマスクMを感光基板Pに対してX軸方向にピッチL分だけシフトし、第2パターン12を有する第2パターン形成領域Bと、第1露光領域Eとを位置合わせする。そして、制御装置CONTはマスクMの第2パターン形成領域Bを露光光ELで照明し、マスクMのパターン12を感光基板Pに露光(第2の露光)する。
【0073】
第2の露光において、制御装置CONTは、第1の露光での露光量と第2の露光での露光量との総和が設定露光量(100%)になるように第2の露光での露光量を設定する。ここでは、制御装置CONTは30%露光量で露光する。これにより感光基板Pのフォトレジスト層10のうち透過部15に対応する領域は、図14(b)に示す模式図のように30%露光量で露光される。
【0074】
そして、図14(c)に示すように、第1及び第2の露光によりフォトレジスト層10のうちパターン以外の領域は100%露光量で露光されたことになる。一方、透過部15に対応する領域であるチャネル形成予定領域10Aでの合成露光量は30%露光量となる。そして、このフォトレジスト層10に対して現像処理を施すことにより、フォトレジスト層10は図14(d)に示すような形状となる。
【0075】
以上説明したように、図13及び図14を参照して説明した例では、チャネル形成予定領域10Aに対する露光量(ハーフトーン露光量)を任意の値に容易に設定することができるため、チャネル形成予定領域10Aの膜厚調整を精度良く行うことができる。ここでは、第1の露光で70%露光量、第2の露光で30%露光量としたが、例えば第1の露光で50%露光量、第2の露光で50%露光量とすれば、パターン以外の領域を100%露光量で露光でき、ハーフトーン露光領域を50%露光量で露光できる。そして、露光量とフォトレジスト層の膜厚との関係をフォトレジスト層の材料特性に基づいて予め求めておき、第2の露光時においては、前記求めた関係に基づいて露光量を設定することにより、所望の膜厚を有するフォトレジスト層を得ることができる。
【0076】
なお、ここでは第1の露光で第1パターン11を露光し、第2の露光で第2パターン12を露光する構成であるが、第1の露光で第1パターンを露光し、第2、第3の露光で第2パターン12を露光するようにしてもよい。この場合、フォトレジスト層のうちパターン以外に対応する領域での第1、第2、第3の露光の合成露光量が100%露光量となり、第2、第3の露光での透過部15に対応する領域での合成露光量が設定露光量に対して任意の比率の露光量に設定される。
【0077】
次に、図11(a)に示したマスクMのパターンを図11(b)に示した感光基板Pに露光する露光方法について図15を参照しながら説明する。
まず、図15(a)に示すように、制御装置CONTは、マスクMの第1パターン形成領域Aと感光基板Pの第1露光領域Eとを位置合わせするとともに、第2パターン形成領域Bと第2露光領域Fとを位置合わせする。そして、第1のパターン11を第1露光領域Eに露光するとともに、第2のパターン17を第2露光領域Fに露光する。
【0078】
次いで、図15(b)に示すように、制御装置CONTは、マスクMを感光基板Pに対してピッチL分だけ+X方向にシフトし、第1パターン形成領域Aと第2露光領域Fとを位置合わせするとともに、第2パターン形成領域Bと第3露光領域Gとを位置合わせする。そして、制御装置CONTは、第1のパターン11を第2露光領域Fに露光するとともに、第2のパターン17を第3露光領域Gに露光する。このとき、感光基板Pの第2露光領域Fでは、第1のパターン11が第2のパターン17と重ね合わされるように露光される。すなわち、感光基板P上の第2のパターン17のうち繰り返し領域を構成する透過部15に対して、マスクMの第1のパターン11のうち繰り返し領域を構成する遮光部15’が重ね合わせられるようにして露光される(繰り返し領域露光ステップ)。そして、これと別に、感光基板P上の第2のパターン17のソース及びドレイン用パターン部13、14に対して、マスクMの第1のパターン11のソース及びドレイン用パターン部13、14が重ね合わせられるようにして露光される(パターン露光ステップ)。
【0079】
次いで、図15(c)に示すように、制御装置CONTは、マスクMを感光基板Pに対してピッチ2L分だけ−X方向にシフトし、第2パターン形成領域Bと第1露光領域Fとを位置合わせする。そして、制御装置CONTは、第2のパターン17を第1露光領域Eに露光する。感光基板Pの第1露光領域Eでは、第2のパターン17が第1のパターン11と重ね合わされるように露光される。
【0080】
次いで、図15(d)に示すように、制御装置CONTは、マスクMを感光基板Pに対してピッチ3L分だけ+X方向にシフトし、第1パターン形成領域Aと第3露光領域Gとを位置合わせする。そして、制御装置CONTは、第1のパターン11を第3露光領域Gに露光する。感光基板Pの第3露光領域Gでは、第1のパターン11が第2のパターン17と重ね合わされるように露光される。
【0081】
以上のようにして、第1、第2、及び第3露光領域E、F、及びGのそれぞれに第1のパターン11及び第2のパターン17が互いに重ね合わせられるようにして露光される。以上説明した露光方法によれば、1回の露光動作でマスクM上の複数(2つ)のパターン11、17を感光基板Pに同時に露光することができ、処理時間を短縮することができる。
【0082】
なお、図15を参照して説明した例では図11に示したマスクMを用いているが、もちろん図13に示したマスクMを用いることもできる。また、ここでは、感光基板P上には3つの露光領域E、F、及びGを設定した場合について説明したが、図16(a)、(b)に示すように、6つや9つといった複数の露光領域を設定した場合についても本実施形態のマスク及び露光方法を適用可能である。
【0083】
ところで、図15を参照して説明した露光方法の場合、マスクMのパターン描画誤差等に起因して、第1のパターン11と第2のパターン12(17)とが感光基板P上で精度良く重ならない場合が考えられる。その場合、図17に示すように、まず、制御装置CONTは、第1のパターン11と第2のパターン12とを感光基板P上で重ね合わせるテスト露光を行う(ステップSB1)。ここで、テスト露光工程は現像工程も含む。
【0084】
次いで、テスト露光及び現像処理後の感光基板P上に形成されている第1のパターン11と第2のパターン12との位置誤差(重ね合わせ誤差)がパターン形状計測装置で計測される(ステップSB2)。
【0085】
パターン形状計測装置の計測結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTはパターン形状計測装置の計測結果に基づいて、位置誤差を補正する補正量を求める(ステップSB3)。
【0086】
そして、制御装置CONTは、デバイス製造のための露光をするに際し、前記補正量に基づいて補正しつつ露光する(ステップSB4)。例えば、第1のパターン11と第2のパターン12とがX軸方向にずれて感光基板P上で重ならない場合、制御装置CONTはマスクMをシフトするシフト量の補正量(オフセット量)を求め、このオフセット量に基づいて補正してから露光する。
【0087】
以上説明したように、第1のパターン11と第2のパターン12との重ね合わせ誤差を予め計測し、この計測した誤差量に対する補正量を求めることにより、求めた補正量に基づいて重ね合わせ誤差を補正しつつ露光処理でき、精度良い露光処理を実現することができる。
【0088】
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について図18〜図22を参照しながら説明する。図18に示すマスクMは、図13を参照して説明した第1のパターン11と第2のパターン12とが間隔(ピッチ)WでX軸方向に交互に繰り返されている。そして、隣り合う第1、第2のパターン11、12どうしでパターンに関する1つのグループが設定されている。
【0089】
上述したように、第1、第2のパターン11、12は薄膜トランジスタのソース/ドレイン電極パターニング用のパターンであって、ソース用パターン部13とドレイン用パターン部14とを有している。すなわち、図18に示すマスクMは薄膜トランジスタのソースドレイン層形成用マスクである。ここで、薄膜トランジスタは液晶表示装置等の表示デバイスにおいてマトリクス状に配列された各画素に対応して配置される。したがって、第1、第2のパターン11、12のX軸方向におけるピッチWは液晶表示装置の画素ピッチに一致している。換言すれば、第1、第2のパターン11、12は画素に対応して繰り返された繰り返しパターンである。
【0090】
したがって、液晶表示装置のX軸方向に複数並ぶ画素(画素列)において第1の画素(画素列)に対応した第1のパターン11のうちチャネル形成予定領域に対応する領域に設けられた遮蔽部(所定領域)15’に対して、前記第1の画素(画素列)に隣り合う第2の画素(画素列)に対応した第2のパターン12のうち前記遮蔽部15’に対応する領域(すなわち第2のパターン12のうちチャネル形成予定領域に対応する領域)が透過部15となっている。
【0091】
図19は図18に示したマスクMを用いて露光する手順の一例を示す模式図である。図19(a)に示すように、制御装置CONTは、マスクMを第1の位置に位置合わせし、マスクMの第1、第2パターン11、12を感光基板Pに露光(第1の露光)する。これにより、感光基板Pのフォトレジスト層には、第1、第2のパターン11、12の像が転写される。ここで、第1の露光においては、制御装置CONTは設定露光量(100%露光量)に対して50%露光量で露光する。
【0092】
次いで、図19(b)に示すように、制御装置CONTは、マスクMを感光基板Pに対してピッチW分だけ−X方向にシフトし、感光基板P上の第1のパターン11に対してマスクM上の第2のパターン12を位置合わせするとともに、感光基板P上の第2のパターン12に対してマスクM上の第1のパターン11を位置合わせし、マスクMの第1、第2のパターン11、12を感光基板Pに露光(第2の露光)する。これにより、感光基板P上の第1のパターン11に対してマスクMの第2のパターン12の像が重ね合わせられるとともに、感光基板P上の第2のパターン12に対してマスクMの第1のパターン11の像が重ね合わせられる。ここで、第2の露光においては、制御装置CONTは設定露光量に対して50%露光量で露光する。すなわち、第1及び第2の露光における各露光量のそれぞれは略同一の露光量(50%露光量)に設定される。
【0093】
以上の第1及び第2の露光により、感光基板Pのフォトレジスト層のチャネル形成予定領域(ハーフトーン露光領域)10Aは50%露光量で露光され、パターン以外の領域10Cは100%露光量で露光され、フォトレジスト層1ソース用パターン部13及びドレイン用パターン部14に対応する電極形成予定領域10Bは0%露光量となる。これにより、上述した各実施形態同様、フォトレジスト層10のうちチャネル形成予定領域10Aと電極形成予定領域10Bとの膜厚を異ならせることができる。
【0094】
以上説明したように、画素に対応して所定間隔WでX軸方向(あるいはY軸方向)に繰り返される繰り返しパターンであるソース及びドレイン形成用パターン11、12を露光する際に、ハーフトーン露光領域に対応する第1のパターン11の所定領域(15’)を遮蔽部(あるいは透過部)とするとともに、第2のパターン12の所定領域(15)を透過部(あるいは遮蔽部)とすることにより、第1、第2のパターン11、12のピッチW分だけマスクMをX軸方向にシフトして複数回露光するだけで、容易にハーフトーン露光することができる。
【0095】
なお、図19(b)に示す感光基板P上のパターンのうち、例えば−X側に設けられたパターンJは第1のパターン11のみが転写されたものであるため回路パターンとして使用しなければよい。
【0096】
なお、図18及び図19を参照して説明した例では、第1、第2のパターン11、12を1つずつ交互に繰り返すことにより、ハーフトーン露光領域の露光量は設定露光量に対して50%となるが、ハーフトーン露光領域の露光量を変化したい場合には、マスクM上における第1のパターン11と第2のパターン12との比率を変えればよい。例えば、図20に示すマスクMは、第1のパターン11が1つ設けられ、第2のパターン12が2つ並んで設けられている。そして、1つの第1のパターン11と2つの第2のパターン12、12とで1つのグループが設定されている。ここで、1つのグループは3つ並んだパターンから構成されており、各パターンは液晶表示装置の赤(R)、緑(G)、及び青(B)の画素のそれぞれに対応している。
【0097】
図21は図20に示したマスクMを用いて露光する手順の一例を示す模式図である。図21(a)に示すように、制御装置CONTは、マスクMを第1の位置に位置合わせし、マスクMの第1、第2パターン11、12を感光基板Pに露光(第1の露光)する。これにより、感光基板Pのフォトレジスト層には、第1、第2パターン11、12の像が転写される。ここで、第1の露光においては、制御装置CONTは設定露光量(100%露光量)に対して1/3露光量で露光する。
【0098】
次いで、図21(b)に示すように、制御装置CONTは、マスクMを感光基板Pに対してピッチW分だけ−X方向にシフトし、感光基板P上の第1、第2のパターン11、12に対してマスクM上の第1、第2のパターン11、12を位置合わせし、マスクMの第1、第2のパターン11、12を感光基板Pに露光(第2の露光)する。これにより、感光基板P上の第1、第2のパターン11、12に対してマスクMの第1、第2のパターン11、12の像が重ね合わせられる。ここで、第2の露光においては、制御装置CONTは設定露光量に対して1/3露光量で露光する。
【0099】
更に、図21(c)に示すように、制御装置CONTは、マスクMを感光基板Pに対してピッチW分だけ−X方向にシフトし、感光基板P上の第1、第2のパターン11、12に対してマスクM上の第1、第2のパターン11、12を位置合わせし、マスクMの第1、第2のパターン11、12を感光基板Pに露光(第3の露光)する。これにより、感光基板P上の第1、第2のパターン11、12に対してマスクMの第1、第2のパターン11、12の像が重ね合わせられる。ここで、第3の露光においては、制御装置CONTは設定露光量に対して1/3露光量で露光する。すなわち、第1、第2、及び第3の露光における各露光量のそれぞれは略同一の露光量(1/3露光量)に設定される。
【0100】
以上の第1、第2及び第3の露光により、図2(c)の感光基板PのパターンKのフォトレジスト層のチャネル形成予定領域(ハーフトーン露光領域)10Aは2/3露光量で露光され、パターン以外の領域10Cは100%露光量で露光され、フォトレジスト層のうちソース用パターン部13及びドレイン用パターン部14に対応する電極形成予定領域10Bは0%露光量となる(図22(c)参照)。これにより、上述した各実施形態同様、フォトレジスト層10のうちチャネル形成予定領域10Aと電極形成予定領域10Bとの膜厚を異ならせることができる。なお、感光基板Pのうちパターンの重ね合わせが3回行われていないパターンJ1、J2(図22(a)、(b)参照)は、回路パターンとして用いなければよい。
【0101】
第5実施形態に関して一般に、グループ内のパターン11、12の数をそれぞれNa、Nbとすると、グループどうしのピッチは(Na+Nb)×W、露光回数はNa+Nb、ハーフトーン領域の露光量は設定露光量(100%露光量)のNb/(Na+Nb)倍となる。したがって、遮蔽部15’を有するNa個の第1のパターン11と、透過部15を有するNb個の第2のパターン12とを等間隔Wで、且つ、これら(Na+Nb)個のパターンを1つのグループとし、このグループを間隔(Na+Nb)×WのピッチでマスクM上に配置する。そして、1回の露光量を設定露光量の1/(Na+Nb)倍とし、各露光毎にピッチWだけシフトしながら、(Na+Nb)回の露光を行うことで、ハーフトーン露光領域の露光量を設定露光量(100%露光量)のNb/(Na+Nb)倍に設定することができる。
【0102】
<第6実施形態>
次に、第6実施形態として、本発明の露光方法を用いてデバイスである薄膜トランジスタを製造する手順の一例を図23を参照しながら説明する。なお、以下で説明する薄膜トランジスタは液晶表示装置に設けられるものであって、表示領域にマトリクス状に配置された画素とこの画素に対応して形成される薄膜トランジスタとを有する。
図23(a)において、まず、ガラス基板101上にゲート電極形成用金属層が形成され、次いで第1のマスクを用いたフォトリソグラフィ工程によりパターニングすることによりゲート電極102が形成される。ここで、ゲート電極102と同時に、前記表示領域の外側に周辺回路パターン100が形成される。周辺回路パターン100は例えば薄膜トランジスタ用ドライバ部と薄膜トランジスタとの接続線や端子部を含む。この周辺回路パターン100は、薄膜トランジスタを構成するソース/ドレイン電極と異なり非繰り返しパターンである。つまり、ソース/ドレイン電極はマトリクス状に形成されるため、X軸及びY軸方向に所定のピッチ(画素ピッチ)で繰り返される繰り返しパターンであるが、周辺回路パターン100は非繰り返しパターンである。そして、この非繰り返しパターンである周辺回路パターン100がゲート電極102と同じレイヤ(ゲート電極層)に形成される(非繰り返しパターン露光ステップ)。
【0103】
次いで、図23(b)に示すように、ゲート電極102が形成された基板101上に、ゲート絶縁層103、ドープしていないアモルファスシリコンからなる活性半導体層であるa−Si層104、リン等を高濃度でドープしたシリコンからなるn+a−Si層105、ソース/ドレイン電極形成用金属層106、及びフォトレジスト層107が順次積層される。
【0104】
そして、図23(c)に示すように、フォトレジスト層107が本発明に係るハーフトーン露光によりパターニングされる。フォトレジスト層107には、薄膜部であるチャネル形成予定領域107Aと厚膜部である電極形成予定領域107Bとが形成される。すなわち、繰り返しパターンであるソース/ドレイン電極形成予定領域107B及びチャネル形成予定用域107Aが露光される(繰り返しパターン露光ステップ)。
【0105】
そして、図23(d)に示すように、フォトレジスト層107以外の領域に対応するa−Si層104、n+a−Si層105、及びソース/ドレイン電極形成用金属層106が順次エッチングされる。ここで、ソース/ドレイン電極形成用金属層106やa−Si層104、n+a−Si層105がエッチングされている間、フォトレジスト層107もエッチング(アッシング)されている。そのため、フォトレジスト層107のうち薄膜部107Aが厚膜部107Bより先に除かれ、これによりチャネル部108に対応するソース/ドレイン形成用金属層106が露出し、図23(e)に示すように、薄膜トランジスタのチャネル部108に対応する部分のソース/ドレイン電極形成用金属層106、及びn+a−Si層105がエッチングされる。そして、残った厚膜部107Bをアッシングすることで、図23(f)に示すように、チャネル部108、ソース電極(回路パターン)109、及びドレイン電極(回路パターン)110が形成される。そして、ドレイン電極110に接続する不図示の画素電極を形成することで薄膜トランジスタが形成される。
【0106】
以上説明したように、本発明のハーフトーン露光は繰り返しパターンであるソース/ドレイン電極を形成するために用いることができる。そして、ゲート電極層に形成された非繰り返しパターンである周辺回路パターン100に対して、繰り返しパターンであるソース/ドレイン電極109、110はゲート電極層とは別のレイヤであるソース/ドレイン電極層に形成された構成である。これによれば、繰り返しパターンにおいて図22のパターンJ1、J2のような回路パターンとして所望の性能を有しない不良パターンが形成される場合でも、繰り返しパターンと非繰り返しパターンとを別のレイヤに形成することにより、ゲート電極層で非繰り返しパターンを形成し、一方、ソース/ドレイン電極層で前記不良パターンを含む繰り返しパターンを形成した後、この不良パターンを除去する等といった所定の処理を行えばよい。
【0107】
<第7実施形態>
図24に示す露光装置EXは、複数(5つ)並んだ投影光学系PLa〜PLeを有し、この投影光学系PL(PLa〜PLe)に対してマスクMと感光基板Pとを所定方向に同期移動しつつマスクMのパターンを感光基板Pに露光する、いわゆるマルチレンズスキャン型露光装置である。複数の投影光学系PLa〜PLeにおいて、投影光学系PLa、PLc、PLeと投影光学系PLb、PLdとは2列に千鳥状に配列されている。すなわち、千鳥状に配置されている各投影光学系PLa〜PLeは、隣合う投影光学系どうし(例えば投影光学系PLaとPLb、PLbとPLc)をY軸方向に所定量変位させて配置されている。これら投影光学系PLa〜PLeのそれぞれは照明光学系ILから射出されマスクMを透過した複数の露光光ELを透過させ、基板ステージPSTに支持されている感光基板PにマスクMのパターン像を投影する。
【0108】
図25は投影光学系PLdの概略構成図である。なお、他の投影光学系PLa、PLb、PLc、及びPLeも投影光学系PLdと同等の構成を有している。
図25に示すように、投影光学系PLd(PLa、PLb、PLc、PLe)は、シフト調整機構63と、二組の反射屈折型光学系64、65と、視野絞り66と、スケーリング調整機構67とを備えている。マスクMを透過した光束はシフト調整機構63に入射する。シフト調整機構63は、θY方向に回転可能に設けられた平行平面ガラス板63AとθX方向に回転可能に設けられた平行平面ガラス板63Bと有している。平行平面ガラス板63A、63Bは駆動装置により回転する。平行平面ガラス板63Aが回転することにより感光基板P上におけるマスクMのパターンの像はX軸方向にシフトし、平行平面ガラス板63Bが回転することにより感光基板P上におけるマスクMのパターンの像はY軸方向にシフトする。シフト調整機構63を透過した光束は1組目の反射屈折型光学系64に入射する。反射屈折型光学系64は、マスクMのパターンの中間像を形成するものであって、直角プリズム68と、レンズ69と、凹面鏡70とを備えている。直角プリズム68はθZ方向に回転可能に設けられており駆動装置により回転する。直角プリズム68が回転することにより感光基板P上におけるマスクMのパターンの像はθZ方向に回転する。すなわち、直角プリズム68はローテーション調整機構としての機能を有している。反射屈折型光学系64により形成されるパターンの中間像位置には視野絞り66が配置されている。視野絞り66は感光基板P上における投影領域を設定するものであって本実施形態では台形状(スリット状)に設定する。視野絞り66を透過した光束は2組目の反射屈折型光学系65に入射する。反射屈折型光学系65は、反射屈折型光学系64と同様に、ローテーション調整機構としての直角プリズム71と、レンズ72と、凹面鏡73とを備えている。直角プリズム71もθZ方向に回転するようになっており、回転することで感光基板P上におけるマスクMのパターンの像をθZ方向に回転する。反射屈折型光学系65から射出した光束はスケーリング調整機構67を通り、感光基板P上にマスクMのパターンの像を正立等倍で結像する。スケーリング調整機構67は、例えば、平凹レンズ、両凸レンズ、平凹レンズの3枚のレンズから構成され、平凹レンズと平凹レンズとの間に位置する両凸レンズをZ軸方向に移動させることによりマスクMのパターンの像の倍率(スケーリング)調整を行うようになっている。そして、投影光学系PLdの結像特性を調整する結像特性調整装置が、シフト調整機構63、ローテーション調整機構68、71、及びスケーリング調整機構67を含んで構成されている。なお、3枚のレンズ構成として平凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズとしてもよい。
【0109】
このように、投影光学系PL(PLa〜PLe)に結像特性調整装置を設けることにより、図17を参照して説明した第4実施形態において、第1のパターンと第2のパターンとで非線形な重ね合わせ誤差がある場合でも、この重ね合わせ誤差に対する補正量を求め、求めた補正量に基づいて結像特性調整装置を駆動することにより、第1のパターンと第2のパターンとを精度良く重ね合わせることができる。
【0110】
また、図10を参照して説明した第3実施形態では、ハーフトーン露光するために第1の走査露光に対してマスクMを距離Dだけシフトし第2の走査露光を行う構成であって、走査露光を2回行う必要があった。しかしながら、投影光学系PLがシフト調整機構を含む結像特性調整装置を有していることにより、例えば、1回の走査露光中において、投影光学系PLのスリット状(台形状)の投影領域の位置とマスクMのパターン2(ギャップ部5)の位置とが一致したときにシフト調整機構を駆動してパターン2の感光基板P上での像をシフトすることで、1回の走査露光でハーフトーン露光を行うことも可能となる。あるいは、1回の走査露光中に、マスクステージMST(あるいは基板ステージPST)を一定速度で走査せずに、投影領域とパターン2(ギャップ部5)との位置が一致した時点でステージ速度を変化させることで、感光基板P上においてパターン2がシフトするため、ハーフトーン露光を行うことができる。
【0111】
なお、上記各実施形態では、本発明のマスク及び露光方法を、液晶表示装置の一部を構成する薄膜トランジスタを製造する際に適用するように説明したが、プラズマ表示装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置の一部を構成する薄膜トランジスタを製造する際にも本発明を適用することができる。すなわち、フォトリソグラフィ工程を用いて形成されるスイッチング素子(TFT、MIM)を製造する場合や、1回のフォトリソグラフィ工程でフォトレジスト層に膜厚の違い(段部)を形成する場合において本発明を適用可能である。
【0112】
なお、上記各実施形態における露光装置EXの用途としては角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば、半導体製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッドを製造するための露光装置にも広く適当できる。
【0113】
本実施形態の露光装置EXの光源は、g線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)のみならず、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)を用いることができる。
【0114】
投影光学系PLの倍率は等倍系のみならず、縮小系及び拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザを用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にする。
【0115】
基板ステージPSTやマスクステージMSTにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。
【0116】
ステージの駆動装置として平面モ−タを用いる場合、磁石ユニットと電機子ユニットのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットの他方をステージの移動面側(ベース)に設ければよい。
【0117】
基板ステージPSTの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0118】
マスクステージMSTの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0119】
以上のように、本願実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0120】
半導体デバイスは、図26に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板(ウエハ、ガラスプレート)を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置によりレチクルのパターンを基板に露光し、この露光した基板を現像する基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0121】
【発明の効果】
本発明によれば、露光装置が高い解像限界を有する場合であっても、ハーフトーン露光領域に対して均一な露光量分布で円滑にハーフトーン露光できる。これにより所望のパターン形状が得られるので、処理期間を短縮しつつ所望の性能を有するデバイスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマスクを用いた露光方法に用いる露光装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るマスクを示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る露光方法を説明するための図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る露光方法を説明するためのフローチャート図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るマスクを示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る露光方法を説明するための図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るマスクの変形例を示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るマスクの変形例を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係るマスクの変形例を示す図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る露光方法を説明するための図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係るマスクと感光基板とを示す図である。
【図12】本発明の第4実施形態に係る露光方法を説明するための図である。
【図13】本発明の第4実施形態に係るマスクを示す図である。
【図14】本発明の第4実施形態に係る露光方法を説明するための図である。
【図15】本発明の第4実施形態に係る露光方法を説明するための図である。
【図16】本発明の第4実施形態に係る露光方法を説明するための図である。
【図17】本発明の第4実施形態に係る露光方法を説明するための図である。
【図18】本発明の第5実施形態に係るマスクを示す図である。
【図19】本発明の第5実施形態に係る露光方法を説明するための図である。
【図20】本発明の第5実施形態に係るマスクを示す図である。
【図21】本発明の第5実施形態に係る露光方法を説明するための図である。
【図22】本発明の第5実施形態に係る露光方法を説明するための図である。
【図23】本発明の第6実施形態に係る露光方法を説明するための図である。
【図24】本発明の第7実施形態に係る露光装置の概略斜視図である。
【図25】図24の投影光学系の概略構成図である。
【図26】半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【図27】従来の露光方法を説明するための図である。
【図28】従来のハーフトーン露光方法を説明するための図である。
【符号の説明】
2…パターン、5…ギャップ部、繰り返し領域、6…ライン部、遮蔽部、
7…スペース部、透過部、11…第1のパターン、12…第2のパターン、
15…透過部、15’…遮蔽部、17…第2のパターン、
100…周辺回路パターン(非繰り返しパターン)、
108…チャネル部(繰り返しパターン)、
109…ソース電極(回路パターン、繰り返しパターン)、
110…ドレイン電極(回路パターン、繰り返しパターン)、
A…第1パターン形成領域、D…ピッチ、EL…露光光(放射線)、
L…ピッチ、M…マスク、P…感光基板、W…ピッチ
Claims (14)
- 放射線を遮蔽する遮蔽部と前記放射線を透過する透過部とを有するパターンを含む露光処理に用いるマスクにおいて、
前記遮蔽部に対する前記透過部、又は前記透過部に対する前記遮蔽部を所定のピッチで繰り返した繰り返し領域を有し、
前記露光処理の際に前記繰り返した方向に前記ピッチ分だけパターンをシフトすることによりハーフトーンを形成することを特徴とするマスク。 - 前記ピッチ分だけパターンをシフトして露光する露光量を補正するように、前記繰り返し領域を除くパターンのパターン形状が予め設定されていることを特徴とする請求項1記載のマスク。
- 前記パターンは画素に対応して繰り返された繰り返しパターンを含み、
第1の画素に対応した第1のパターンのうち所定領域に設けられた遮蔽部又は透過部の一方に対して、前記第1の画素に隣り合う第2の画素に対応した第2のパターンのうち前記所定領域に対応する領域が前記遮蔽部又は透過部の他方となっていることを特徴とする請求項1又は2記載のマスク。 - マスク上に形成され、放射線を遮蔽する遮蔽部と前記放射線を透過する透過部とを有するパターンを感光基板に露光する露光方法において、
前記パターンは、前記遮蔽部に対する前記透過部、又は前記透過部に対する前記遮蔽部を所定のピッチで繰り返した繰り返し領域を有し、
前記繰り返した方向に前記ピッチ分だけ前記マスクを前記感光基板に対してシフトし、前記マスクのパターンを複数回に分けて露光することを特徴とする露光方法。 - 前記遮蔽部と前記透過部との比率により前記繰り返し領域の露光量を決定することを特徴とする請求項4記載の露光方法。
- 前記複数回に分けて露光する際の露光量のそれぞれを略同一の露光量に設定したことを特徴とする請求項4又は5記載の露光方法。
- 前記繰り返し領域を露光する繰り返し領域露光ステップとは別に、前記感光基板にパターンを露光するパターン露光ステップを含むことを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項記載の露光方法。
- 第1のパターンが形成された第1パターン形成領域と、第2のパターンが形成された第2パターン形成領域とを前記マスク上に隣り合わせて設けておき、
前記第1のパターンを前記感光基板に露光した後、前記第1のパターンと前記第2のパターンとのピッチ分だけシフトし、前記第2のパターンを前記第1のパターンと前記感光基板上で重ね合わせるように露光することを特徴とする請求項4〜7のいずれか一項記載の露光方法。 - 前記第1のパターンと前記第2のパターンとはそれぞれ独立したパターンであることを特徴とする請求項8記載の露光方法。
- 前記パターンは画素に対応して繰り返された繰り返しパターンを含み、
第1の画素に対応した第1のパターンのうち所定領域に設けられた遮蔽部又は透過部の一方に対して、前記第1の画素に隣り合う第2の画素に対応した第2のパターンのうち前記所定領域に対応する領域が前記遮蔽部又は透過部の他方となっており、前記第1のパターンと前記第2のパターンとを前記感光基板上で重ね合わせることを特徴とする請求項8記載の露光方法。 - 前記繰り返しパターンを露光する繰り返しパターン露光ステップと、
非繰り返しパターンを露光する非繰り返しパターン露光ステップとを有することを特徴とする請求項10記載の露光方法。 - 前記非繰り返しパターンを前記繰り返しパターンと別のレイヤに形成することを特徴とする請求項11記載の露光方法。
- マスクのパターンを感光基板に露光することにより前記感光基板に回路パターンを形成しデバイスを製造するデバイス製造方法において、前記マスクとして請求項1〜請求項3のいずれか一項記載のマスクを用いることを特徴とするデバイス製造方法。
- マスクのパターンを感光基板に露光することにより前記感光基板に回路パターンを形成しデバイスを製造するデバイス製造方法において、
前記マスクのパターンを前記感光基板に露光する露光方法として請求項4〜請求項12のいずれか一項記載の露光方法を用いて前記回路パターンを形成することを特徴とするデバイス製造方法。
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