JP2004233442A - 照明装置およびプロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】光利用効率が高く明るさムラの少ない照明光を発生できる照明装置と、それを用いたプロジェクタを提供することを目的とする。特に、明るさが均一で、投写画像にむらが無く、レンズの製造も容易に行えるようにする。
【解決手段】光源10、11からの光束を複数の部分光束に分割・集光する集光光学素子12、13と、集光光学素子12、13により生成された複数の部分光束を被照明領域上に伝達する伝達光学素子と、伝達光学素子により伝達される複数の部分光束を被照明領域上で重畳する重畳光学素子17、18とを有する照明装置1であって、集光光学素子12、13は、互いに集光方向の異なる少なくとも2種類のレンズアレイ12、13で構成されていると共に、重畳光学素子17、18は、互いに集光方向の異なる少なくとも2種類のレンズ17,18で構成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源からの不定偏光光を略一種類の偏光光束に変換すると共に、被照明領域を略均一に照明する照明装置、およびそれを用いたプロジェクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、液晶ライトバルブを光源からの光で照明し、スクリーンなどに画像を投写して表示する投写型表示装置(液晶プロジェクタ)が実用化されている。液晶プロジェクタでは、明るく、明るさムラのない投写画像を表示するために、略一種類の偏光光束を高い効率で生成すると共に、被照明領域である液晶ライトバルブ(電気光学装置)上で略均一な照度分布を実現する照明光学系が必要とされる。これを実現するために、図10に示す偏光照明系(例えば、特許文献1参照)が本願発明者らによって考案され実用化されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−304739号公報
【特許文献2】
特開平11−231262号公報
【特許文献3】
特開2000−180813号公報
【0004】
図10において、光源ランプ100から放射された不定偏光光束は、リフレクタ101によって略平行化され第1レンズアレイ102に入射する。第1レンズアレイ102及び第2レンズアレイ103は、共に複数の小レンズ102a、103aがアレイ状に配置された構成を成している。第1レンズアレイ102に入射した光束は複数の部分光束に分割されると共に集光され、対応する第2レンズアレイ103の小レンズ103aに入射した後、重畳レンズ106を経て被照明領域である液晶ライトバルブ108上で重畳される。ここで、小レンズ102aの外形形状は被照明領域である液晶ライトバルブ108の表示領域と略相似形を成すように設定されている。液晶プロジェクタに使用される液晶ライトバルブ108の多くは3:4の縦横比の表示領域を有するため、第1レンズアレイ102も3:4の縦横比を有する小レンズ102aによって構成される。なお、第2レンズアレイ103の小レンズ103aについては、第1レンズアレイ102の小レンズ102aの様な制約はないが、レンズアレイの製造コストの低減を狙って、第1レンズアレイ102と同じ物を第2レンズアレイ103として使用する場合が殆どである。
【0005】
上記の照明光学系においては、さらに、部分光束が集光され光源像を形成する位置の近傍に、偏光変換光学系としての偏光ビームスプリッタアレイ104と位相差板アレイ105とが配置され、光源ランプ100からの不定偏光光束を略一種類の偏光光束に変換している。偏光ビームスプリッタアレイ104は、不定偏光をP偏光とS偏光に分離する偏光分離面104aと、偏光分離面104aからの光の向きを変える反射面104bとを、交互に配列した構造を有する光学素子であり、偏光分離面104aは小レンズ103aの列或いは行方向に対応して配置される。また、製造の容易さを考慮して、偏光分離面104aは等間隔で配置される構成となっている。以上により、液晶ライトバルブ108は略一種類の偏光光束で略均一に照明される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
偏光ビームスプリッタアレイ104において偏光分離を効率良く行うためには、偏光分離面104aにのみ選択的に部分光束を入射させることが必要となる。しかしながら、有限長の発光部を有する光源ランプ100からの光束は完全な平行光束ではなく、照明光軸Lに対して傾いた方向から入射する光も存在する。この様な光は第1レンズアレイ102により形成される光源像110の寸法を大型化させる原因の一つとなり、その結果、図11に示すように、部分光束の一部は偏光ビームスプリッタアレイ104の対応する偏光分離面104aには入射せず、隣接する反射面104bに入射する。反射面104bに直接入射した光は、照明に寄与しない偏光光束となって、或いは液晶ライトバルブ108に入射しない光束となって位相差板アレイ105から射出されるため、このような光の存在が多くなる程照明効率は低下する。例えば、表示領域の縦横比が3:4の液晶ライトバルブ108を照明する場合には、縦横比が3:2の入射開口部を有する偏光分離面104aに部分光束を集光させる必要がある。このような縦横比の開口部では、長辺に比して短辺の寸法が2/3となるため、短辺方向に拡がった(角度分布を有する)光束を効率良く入射させることができず、光利用効率が悪くなるという課題があった。
【0007】
そこで、形成される光源像の寸法形状に対応させて、小レンズ103aや偏光ビームスプリッタアレイ104の偏光分離面104aと反射面104bの大きさ及び配置状態を個々に変えることが想致される。しかし、その場合には偏光ビームスプリッタアレイ104の構成が複雑となり、製造コストの著しい上昇を招くという問題があり、有効な解決策とはなっていない。
【0008】
また、第1レンズアレイ102のF値を小さく設定して、部分光束を偏光分離面104aの入射開口部の短辺よりも小さな寸法となるように絞込み、入射開口部で遮られることなく部分光束を通過させた後、通過した部分光束の発散角を調整して所定の被照明領域上で重畳を行う構成が本願発明者らによって考案されている(例えば、特許文献2参照)。また、従来の重畳レンズ106を縦方向と横方向で集光性の異なる2つのシリンドリカル状の補助レンズとした構成(例えば、特許文献3参照)が開示されている。
【0009】
上記の特許文献3では、第1レンズアレイにおける小レンズと被照明領域との相似関係を崩し、小レンズの大きさを横方向(横方向は偏光分離面の入射開口部の短辺方向に対応する)のみ拡大させ、横方向における部分光束径を小さく絞り込んで偏光分離面の入射開口部を通過させた後、2つのシリンドリカル状の補助レンズによって照明角を補正する構成となっている。
【0010】
しかし、前者の構成では光利用効率を十分に高めるには至っておらず、また、後者の構成でも光利用効率をある程度向上できるものの、小レンズの大きさを横方向のみ拡大しているため、横方向における小レンズの数が少なくなり、被照明領域における照度分布の悪化を招きやすいという新たな問題を生じる。また、横方向の拡大に対応させてレンズを厚くする必要があるが、その結果、小レンズの中心部と周辺部との間で厚み差が大きくなり、アレイ化に際して隣接する小レンズ間の境界部では正確なレンズ形状を実現し難いという課題があった。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、光利用効率が高く明るさムラの少ない照明光を発生できる照明装置と、それを用いたプロジェクタを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明にかかる照明装置は、光源からの光束を複数の部分光束に分割・集光する集光光学素子と、前記集光光学素子により生成された複数の部分光束を被照明領域上に伝達する伝達光学素子と、前記伝達光学素子により伝達される複数の部分光束を被照明領域上で重畳する重畳光学素子とを有する照明装置であって、前記集光光学素子は、互いに集光方向の異なる少なくとも2種類のレンズアレイで構成されていると共に、前記重畳光学素子は、互いに集光方向の異なる少なくとも2種類のレンズで構成されていることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、光源からの光束を互いに集光方向の異なる少なくとも2種類のレンズアレイで構成された集光光学素子により複数の部分光束に分割・集光し、その複数の部分光束を伝達光学素子により被照明領域上に伝達し、その伝達される複数の部分光束を互いに集光方向の異なる少なくとも2種類のレンズで構成された重畳光学素子により被照明領域上で重畳するようにしたため、集光光学素子により形成される光源像(部分光束)の寸法(光束径)を異なる集光方向においてそれぞれ独立して制御することができ、照明装置からの射出光が入射する入射部の形状に対応させて光源像を最適な寸法とすることができるので、入射部への入射効率を高めることができる。よって光利用効率が高く明るさムラの少ない照明光を実現することができる。
【0014】
上記構成において、前記集光光学素子を構成する前記2種類のレンズアレイは、互いに異なる焦点距離に設定されており、前記重畳光学素子を構成する前記2種類のレンズは、互いに異なる焦点距離に設定されていることが好ましい。
このように構成すれば、照明装置からの射出光が入射する入射部おいて、部分光束をより絞り込むことができ、入射部への入射効率をより一層高めることができる。
【0015】
また、前記集光光学素子の光射出側に、前記集光光学素子により生成された複数の部分光束を偏光方向の揃った複数の偏光部分光束に変換する偏光変換素子を更に備える照明装置にあっては、前記集光光学素子は、前記偏光変換素子の偏光分離方向と略同じ方向に集光性を有するレンズアレイが、他方のレンズアレイよりも前記偏光変換素子側に配置されて構成されていることが好ましく、また、前記各レンズアレイの焦点距離は、各レンズアレイと前記偏光変換素子との間の光路長と略等しくなるようにそれぞれ設定されていることが好ましい。
この構成によれば、集光光学素子により形成される光源像の寸法(部分光束の光束径)を異なる集光方向において、それぞれ独立して制御することができる。とくに、偏光変換素子の偏光分離方向と略同じ方向に集光方向を有するレンズアレイを、他方のレンズアレイよりも偏光変換素子側に配置する構成(換言すれば、偏光変換素子が長方形状の開口部を有する場合には、開口部の短辺方向に集光性を有するレンズアレイを他方のレンズアレイに比して偏光変換素子側に配置する構成)とし、また、各レンズアレイの焦点距離を、各レンズアレイと偏光変換素子との間の光路長と略等しくなるようにそれぞれ設定したので、例えば、表示領域の縦横比が3:4の電気光学装置を照明する場合には、偏光変換素子にあっては縦横比(横方向が偏光分離方向)が3:2の入射開口部を有する偏光分離面に部分光束を集光させる必要があるが、このような長辺に比して短辺の寸法が2/3となる開口部において短辺方向に拡がった(角度分布を有する)光束を効率良く入射させることができる。したがって、偏光変換素子の入射開口部への入射効率を高めることができ、よって光利用効率が高く明るさムラの少ない照明光を実現することができる。
【0016】
上記構成において、前記重畳光学素子は、前記偏光変換素子の偏光分離方向と略同じ方向に集光性を有するレンズよりも、他方のレンズが前記偏光変換素子側に配置されて構成されていることが好ましい。
この構成によれば、上記集光光学素子を採用した照明装置において、この集光光学素子により形成される部分光束を好適に被照明領域上で重畳することができる。よって光利用効率が高く、明るさムラの少ない照明光を得ることができる。上記した集光光学素子を構成する2種類のレンズアレイは、シリンドリカル面を有する複数のレンズをそれぞれ備えて構成することができる。
上記2種類のレンズアレイは、複数のシリンドリカルレンズで構成されるので、隣接するシリンドリカルレンズ間の境界部において段差構造を生じず、アレイ化が容易であり、レンズアレイの低コスト化を実現できる。
また、上記伝達光学素子は、トーリック面を有する複数のレンズを備えたレンズアレイで構成することができる。
これら複数のレンズの屈折作用面を、上記集光光学素子の2種類のレンズアレイの互いに異なる集光方向に対応させて、これらの方向で曲率が異なるトーリック面とすることによって、集光光学素子で形成された部分光束を好適に被照明領域上に伝達することができる。よって光利用効率が高く、明るさムラの少ない照明光を得ることができる。
また、前記重畳光学素子を構成する2種類のレンズは、それぞれシリンドリカル面を有するレンズで構成することもできる。
上記構成において、前記被照明領域の入射側には、入射光束を略平行化して被照明領域内を照射する平行化レンズをさらに備えており、前記平行化レンズは、トーリック面を有するレンズで構成されていることが好ましい。
これらの構成によれば、上記集光光学素子及び重畳光学素子を採用した照明装置において、上記集光光学素子により形成されて上記重畳光学素子から射出される部分光束の発散角を好適に小さくして入射効率を高め、被照明領域上で重畳することができる。よって光利用効率が高く、明るさムラの少ない状態で被照明領域を照明することができる。
【0017】
上記課題を解決するため、本発明にかかるプロジェクタは、上記の照明装置と、前記照明装置の被照明領域に配置された電気光学装置と、前記電気光学装置からの射出光を拡大投写する投写光学系と、を備えていることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、上記の照明装置を備えたプロジェクタとしたため、光利用効率が高く、明るい、明るさムラの少ない投写画像を表示することができる。
【0019】
上記構成において、前記電気光学装置には、複数の略矩形状の画素開口部が設けられ、前記画素開口部の入射側には、各々の画素開口部に対して入射光束を集光するマイクロレンズが配置されていることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、電気光学装置に入射する光束は、マイクロレンズで集光され、光束径が絞り込まれた状態で対応する画素開口部に入射する。したがって、画素開口部の物理的な開口寸法を変えることなく電気光学装置における光利用効率を高めることができる。
【0021】
上記構成において、前記マイクロレンズは、前記マイクロレンズに入射する角度分布に異方性を有する照明光束に対応して、前記照明光束における角度分布の拡がりがより大きな方向において、他の方向よりも大きな集光性を有していることが好ましい。上記マイクロレンズは、トーリック面を有するレンズで構成することができる。
【0022】
この構成によれば、マイクロレンズを、マイクロレンズに入射する角度分布に異方性を有する照明光束に対応して、前記照明光束における角度分布の拡がりがより大きな方向において、他の方向よりも大きな集光性を有する構成としたので、角度分布に異方性を有する照明光束であっても光束を十分細く絞り込んで画素開口部に入射させることができる。したがって、電気光学装置における光利用効率を更に高めることができ、より一層明るい投写画像を表示することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる照明装置およびこの照明装置を用いたプロジェクタの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0024】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明にかかる照明装置の一構成例を示す図であり、(a)は垂直面上の断面図、(b)は水平面上の断面図である。なお、X方向、Y方向、Z方向は、互いに直交する3方向を示している。
【0025】
図1における照明装置1は、光源としての光源ランプ10、リフレクタ11、集光光学素子としての第1−Aレンズアレイ12と第1−Bレンズアレイ13、伝達光学素子としての第2レンズアレイ14、偏光変換素子としての偏光ビームスプリッタアレイ15と位相差板16、重畳光学素子としてのA重畳レンズ17とB重畳レンズ18、平行化レンズ19、および、被照明領域としての液晶ライトバルブ(電気光学装置)20などにより構成されている。
【0026】
照明装置1の特徴的な点は、図10を用いて説明した従来の照明装置に対して、部分光束を生成する集光光学素子として互いに集光方向が異なる2つのレンズアレイ(第1−Aレンズアレイ12、第1−Bレンズアレイ13)を、また、それに対応する重畳光学素子として互いに集光方向が異なる2つのレンズ(A重畳レンズ17、B重畳レンズ18)を備えたところにある。これにより、部分光束の集光性(XY平面における部分光束の断面寸法)を制御し、偏光変換素子への入射効率を高めて、光利用効率の高い照明装置を実現している。
【0027】
光源ランプ10から放射された光は、リフレクタ11によって反射され、略平行な光束となって集光光学素子としての2つのレンズアレイ(第1−Aレンズアレイ12、第1−Bレンズアレイ13)に入射する。ここで、光源ランプ10としては、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、ハロゲンランプなどを使用できる。
【0028】
第1−Aレンズアレイ12は、図2(a)に示すように、Y方向(垂直方向)にのみ集光性を有する複数のAシリンドリカルレンズ12aを備え、他方、第1−Bレンズアレイ13は、図2(b)に示すように、X方向(水平方向)にのみ集光性を有する複数のBシリンドリカルレンズ13aを備えて構成されている。
【0029】
2つのレンズアレイ12、13における屈折作用面の位置はZ方向(光軸L方向)に離れているため、それに対応するように2つのレンズアレイ12、13の焦点距離は互いに異なる焦点距離に設定されている。具体的には、第1−Aレンズアレイ12の焦点距離は、第1−Aレンズアレイ12と偏光ビームスプリッタアレイ15との間の光路長と略等しくなるように設定され、一方、第1−Bレンズアレイ13の焦点距離は、第1−Bレンズアレイ13と偏光ビームスプリッタアレイ15との間の光路長と略等しくなるように設定されている。
また、第1−Aレンズアレイ12を構成するAシリンドリカルレンズ12aのY方向におけるレンズ幅WYは、被照明領域である液晶ライトバルブ20の表示領域におけるY方向の寸法(DY)と対応しており、一方、第1−Bレンズアレイ13を構成するBシリンドリカルレンズ13aのX方向におけるレンズ幅WXは、同様に被照明領域である液晶ライトバルブ20の表示領域におけるX方向の寸法(DX)と対応しており、互いに相似関係を維持するように設定されている。すなわち、WYとWXの比は、DYとDXの比に略等しい。
さらに、2つのレンズアレイ12、13の配置順序は、後述する偏光ビームスプリッタアレイ15における偏光分離方向を考慮して決定されている。詳細は後述するが、偏光ビームスプリッタアレイ15における偏光分離方向(図1ではX方向)と同じ方向において集光性を有する一方のレンズアレイ(図1では第1−Bレンズアレイ13)が、他方のレンズアレイよりも偏光ビームスプリッタアレイ15側に配置される。
【0030】
なお、必ずしも2つのレンズアレイ12、13を分離して2ヶ所に配置する必要はない。要するに、2つの方向における屈折作用面の位置が光軸L方向で互いに離れて分離されていればよいため、例えば、2つのレンズアレイを一体化し、光源側の面にはY方向のみに集光性を有するレンズ形状を、偏光ビームスプリッタアレイ15側の面にはX方向のみに集光性を有するレンズ形状を、それぞれ形成したものを用いることもできる。2つのレンズアレイの一体化によってレンズ枚数を低減できるため、照明装置の低コスト化やレンズ界面の減少による光利用効率の向上を期待できる。
【0031】
第2レンズアレイ14は、上記した2つのレンズアレイ12、13によって生成された複数の部分光束を液晶ライトバルブ20上に効率良く伝達する伝達光学素子であり、図3に示すように、部分光束の数に対応した複数の小レンズ14aを備えて構成されている。より詳しくは、小レンズ14aの機能は、第1−Aレンズアレイ12と第1−Bレンズアレイ13の各々の屈折作用面における像(光束分布)を液晶ライトバルブ20上に伝達することであり、それらの2つの屈折作用面は互いに離れて存在すること、また、後述する重畳光学素子も光軸L方向の離れた位置に2つの屈折作用面を有すること、などを考慮してレンズ特性は設定される。この様な点を考慮して、本実施の形態では、小レンズ14aの屈折作用面をX方向とY方向とでレンズの曲率が異なるトーリック面としている。もちろん、集光光学素子や重畳光学素子における各々2つの屈折作用面の位置関係によっては、レンズの曲率が一軸対称である一般的な球面レンズや非球面レンズを用いることもできる。なお、小レンズ14aの外形形状は、1対1で対応する部分光束の断面形状を包含できるように設定されれば良く、図3に示したような矩形状には限定されない。
【0032】
本実施の形態では、偏光ビームスプリッタアレイ15の入射側に1つのレンズアレイとして第2レンズアレイ14を配置しているが、これ以外にも偏光ビームスプリッタアレイ15の後方に配置したり、1つのレンズアレイを2つに機能分離して偏光ビームスプリッタアレイ15の前後(入射側と射出側)にシリンドリカルレンズアレイとして配置するなどのバリエーションが考えられる。その際、偏光ビームスプリッタアレイ15の射出側に配置された伝達光学素子としての第2レンズアレイ14は、後述する重畳光学素子としてのA重畳レンズ17などと一体化して構成しても良い。或いは、A重畳レンズ17を偏光ビームスプリッタアレイ15の入射側に配置して、第2レンズアレイ14と一体化しても良い。一体化によってレンズ枚数を低減できるため、照明装置の低コスト化やレンズ界面の減少による光利用効率の向上を期待できる。
【0033】
偏光ビームスプリッタアレイ15は、図1に示すように、第1−Aレンズアレイ12と第1−Bレンズアレイ13によって複数の光源像が形成される位置の近傍に配置され、より望ましくは、光源像を形成する部分光束が最も集光された状態で偏光ビームスプリッタアレイ15に入射する位置に配置されている。この偏光ビームスプリッタアレイ15は、第2レンズアレイ14によって伝達される複数の不定偏光である部分光束を、互いに偏光方向が異なる2種類の偏光部分光束に分離する機能を有する。偏光ビームスプリッタアレイ15は、図4(a)に示すように、X方向に互い違いに、略平行且つ略等間隔で配置された複数の偏光分離面24と反射面21とを備え、この偏光分離面24や反射面21が透光性のガラス体や樹脂体などによって挟持された構造を成しており、入射する不定偏光光束をP偏光光束とS偏光光束に分離する機能を有している。一つの偏光分離面24と一つの反射面21とによって構成される対の数は、第1−Aレンズアレイ12を構成するAシリンドリカルレンズ12aまたは第1−Bレンズアレイ13を構成するBシリンドリカルレンズ13aの数に対応している。偏光分離面24のX方向における配置間隔は第2レンズアレイ14の小レンズ14aのX方向における配置間隔に略等しい。
【0034】
偏光分離面24と反射面21とは、光軸Lに対して45度の傾きをなすように配置されることが望ましい。なお、少なくとも対応する一対の偏光分離面24と反射面21とが互いに平行に配置されていれば良く、全ての偏光分離面24と反射面21とを同じ方向に配列する必要はない。したがって、光軸Lを対称軸として、その両側で偏光分離面24が対向するように配置したり、或いは、一対の偏光分離面24と反射面21毎に大きさを変えて配置しても良い。
【0035】
偏光ビームスプリッタアレイ15の光射出面側には、図4(b)に示すように、λ/2位相差層26が短冊状に規則的に形成された位相差板16が設置されており、偏光ビームスプリッタアレイ15によって分離された2種類の偏光部分光束を偏光方向が略揃った一種類の偏光部分光束に変換して射出する。ここで、λ/2位相差層26は偏光分離面24の位置に対応して形成され、反射面21からの光束が通過する位置にはλ/2位相差層26は形成されていない。
【0036】
図5は、図1(b)の偏光ビームスプリッタアレイ15の一部に入射した不定偏光光束(P偏光成分とS偏光成分とが混在する光と見なせる)が1種類の偏光に変換される状態を説明する図である。図5に示すように、第2レンズアレイ14から偏光ビームスプリッタアレイ15に偏光方向が互いに直交するP偏光成分とS偏光成分とが混在する光束が入射されると、偏光分離面24でS偏光成分のみが反射され、反射面21で再度反射されてS偏光光束として射出される。また、P偏光成分は、偏光分離面24を透過するが、射出側に設けられた位相差板16のλ/2位相差層26により偏光方向が回転されS偏光光束に変換されて射出される。したがって、偏光ビームスプリッタアレイ15と位相差板16によって、不定偏光光束は略一種類の偏光光束(この場合はS偏光光束)に変換される。なお、ここでは、不定偏光光束をS偏光光束に変換する場合について説明したが、位相差板16の配置の仕方によってはP偏光光束に変換することも可能である。
【0037】
位相差板16の射出側には、重畳光学素子であるA重畳レンズ17とB重畳レンズ18が配置されており、偏光変換素子によって偏光方向が略揃った複数の偏光部分光束を被照明領域である液晶ライトバルブ20上で重畳する。A重畳レンズ17は第1−Aレンズアレイ12によってY方向のみに集光された光成分の進行方向を、また、B重畳レンズ18は第1−Bレンズアレイ13によってX方向のみに集光された光成分の進行方向を、それぞれ被照明領域の略中央部に向ける機能を有する。第1−Aレンズアレイ12と第1−Bレンズアレイ13は光軸L方向に分離されて配置されているため、これらに対応する2つの重畳レンズ17、18も光軸L方向に分離されて配置されている。したがって、これら2つの重畳レンズ17、18は、図6(a)、(b)に示すように、互いに集光方向と焦点距離が異なるシリンドリカルレンズとなっており、それらの配置の順序は、第1−Aレンズアレイ12と第1−Bレンズアレイ13の配置の順序に対応している。すなわち、Y方向のみに集光性を有する第1−Aレンズアレイ12が光源側に配置されることに対応して、Y方向のみに集光性を有するA重畳レンズ17はB重畳レンズ18よりも光源側に配置されている。集光光学素子と重畳光学素子におけるこのような配置の関係については後述する。
【0038】
なお、必ずしも2つの重畳レンズ17、18を分離して2ヶ所に配置する必要はない。要するに、2つの方向における屈折作用面の位置が光軸L方向に分離されていればよいため、例えば、2つの重畳レンズを一体化し、光源側の面にはY方向のみに集光性を有するレンズ形状を、被照明領域側の面にはX方向のみに集光性を有するレンズ形状を、それぞれ形成したものを用いることもできる。このように構成すれば、2つのレンズの一体化によってレンズ枚数を低減できるため、照明装置の低コスト化やレンズ界面の減少による光利用効率の向上を期待できる。
【0039】
被照明領域である液晶ライトバルブ20の入射側には平行化レンズ19が配置され、2つの重畳レンズ17、18から射出され液晶ライトバルブ20に入射する偏光部分光束の発散角を小さくして、液晶ライトバルブ20における表示ムラを低減したり、その後段に配置される光学素子(図示せず)への入射効率を高めている。したがって、液晶ライトバルブ20の表示特性やその後段に配置される光学素子(図示せず)の光学性能によっては、平行化レンズ19を省略しても良い。平行化レンズ19の入射側に配置される重畳光学素子は互いに光軸L方向に離れた位置に2つの屈折作用面を有するため、これに対応して、平行化レンズ19のレンズ特性は設定される。本実施の形態では、平行化レンズ19の屈折作用面をトーリック面としている。もちろん、重畳光学素子における2つの屈折作用面の位置関係によっては、レンズの曲率が一軸対称である一般的な球面レンズや非球面レンズを用いることもできる。
【0040】
次に、集光光学素子と重畳光学素子において、各々2つの屈折作用面を設定する理由について説明する。発明が解決しようとする課題の項で説明したように、表示領域の縦横比(Y方向寸法とX方向寸法の比)が3:4の液晶ライトバルブ20を照明する場合には、縦横比が3:2の入射開口部を有する偏光分離面24に部分光束を集光させる必要がある。一般的に、レンズなどの集光素子によって光束を集光する場合、集光素子の焦点距離に比例して光束径を小さく絞り込むことができるため、集光光学素子における集光性に異方性を持たせることができれば、入射開口部の形状に対応させて部分光束を最適な断面寸法となるように絞り込むことが可能となり、入射開口部への入射効率を高めることができる。本実施の形態では、偏光分離面24への入射開口部がX方向に幅の狭い長方形であることに対応して、集光光学素子のX方向の集光性とY方向の集光性を、それらの屈折作用面の位置を分離することによって異ならしめている。すなわち、X方向の光成分に対する焦点距離をY方向のそれに比べて短く設定することにより、入射開口部付近における光束径がY方向に比べてX方向でより小さくなり、光束径(光源像)の断面形状が入射開口部の形状に略対応したものとなる。これにより、部分光束が偏光分離面24の入射開口部に遮られることなく入射する効率を高めることができる。
【0041】
偏光ビームスプリッタアレイ15に入射する部分光束は、X方向の光成分における集光角がY方向の光成分における集光角よりも大きいため、偏光ビームスプリッタアレイ15から射出される偏光部分光束も、X方向の光成分における発散角がY方向の光成分における発散角よりも大きくなる。これに対応させて、重畳光学素子の屈折作用面もX方向のみとY方向のみに集光性を有する各々2つの屈折作用面(A重畳レンズ17、B重畳レンズ18)に分離し、大きな発散角を有するX方向の光成分に対しては偏光ビームスプリッタアレイ15から離れた位置にBシリンドリカルレンズ18を配置して発散角を絞り込むことで、小さな発散角を有するY方向の光束成分と発散角を一致させている。したがって、偏光ビームスプリッタアレイ15の偏光分離面24への入射開口部がX方向に狭いため、集光光学素子においてX方向にのみ光を屈折させる屈折作用面(第1−Bレンズアレイ13)を、Y方向にのみ光を屈折させる屈折作用面(第1−Aレンズアレイ12)よりも偏光ビームスプリッタアレイ15に近い側に配置し、逆に、重畳光学素子においてX方向にのみ光を屈折させる屈折作用面(B重畳レンズ18)を、Y方向にのみ光を屈折させる屈折作用面(A重畳レンズ17)よりも液晶ライトバルブ20に近い側に配置した構成としている。
【0042】
以上説明したように、本実施の形態の照明装置1によれば、集光方向が異なる2つの第1レンズアレイ12、13と2つの重畳レンズ17、18を備えているため、偏光ビームスプリッタアレイ15の近傍で形成される光束径(光源像)の縦方向と横方向の寸法を独立して制御することができる。これにより、偏光ビームスプリッタアレイ15における偏光分離面24への入射開口部の寸法形状に対応した光束径(光源像)を形成することができるため、偏光ビームスプリッタアレイ15への入射効率を高めることができる。したがって、光利用効率が高く、明るい照明光が得られる照明装置を実現できる。
【0043】
さらに、2種類の第1レンズアレイ12、13は複数のシリンドリカルレンズで構成されるため、隣接するシリンドリカルレンズ間の境界部において段差構造を生じず、アレイ化が容易であり、レンズアレイの高精度化と低コスト化を実現しやすい。
【0044】
なお、本実施の形態では、偏光変換素子としての偏光ビームスプリッタアレイ15を用いた照明装置について説明したが、偏光変換素子を備えない照明装置に対しても本発明の構成を適用することができる。例えば、上記関係を有する集光光学素子、伝達光学素子、重畳光学素子を備えた照明装置を構成しても、上記と略同様に好適な効果を実現することができる。その場合には、伝達光学素子を構成する小レンズ14aの入射開口部の形状に合わせた部分光束を生成することにより、伝達光学素子への入射効率を高め、光利用効率の高い照明装置を実現することができる。
【0045】
(第2の実施の形態)
本第2の実施の形態では、上記第1の実施の形態で説明した照明装置をプロジェクタに適用した場合について説明する。
【0046】
図7は、電気光学装置として透過型液晶ライトバルブを3枚用いて構成したプロジェクタ2の概略構成図である。図7において、照明装置は、図1と同じものを用いているため、既に説明した各構成要素と同様の構成要素については、図1で用いたものと同じ参照番号或いは符号を付し、その部分の説明を省略する。
【0047】
図7に示すように、プロジェクタ2において、照明装置1の光源ランプ10から放射された白色光は、偏光方向が略揃った偏光光束に変換された後、フォールディングミラー27を経て、色分離を行う2枚のダイクロイックミラー28、30によって、赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの色光に分光され、対応する液晶ライトバルブ20r、20g、20b(電気光学装置)を照明する。ここで、これら液晶ライトバルブ20r、20g、20bは、照明装置1の被照明領域(或いは被照明領域と光学的に透過な位置)にそれぞれ配置されている。不図示の外部からの画像情報に基づいて液晶ライトバルブ20r、20g、20bで強度変調された各色光は、クロスダイクロイックプリズム36で合成された後、投写レンズ37(投写光学系)によって不図示のスクリーン上に拡大投写される。
【0048】
図8は、プロジェクタ2で使用される液晶ライトバルブ20r、20g、20bの画素構成を平面的に示す概略図である。表示領域20Dの形状は縦横比(V:H)が3:4の横長(横方向とは図7の紙面と平行な方向)の矩形形状であり、各画素20Gの形状は正方形に、そして、照明光束を透過させる画素開口部20Pは横長の矩形状に設定されている。そこで、プロジェクタ2においては、表示領域20Dの横長の形状に対応させて、照明装置1の偏光ビームスプリッタアレイ15における偏光分離方向も横方向とすることで、照明角の拡大を防止して光利用効率を高めている。液晶ライトバルブは表示性能が照明光の入射角依存性を有するため、照明角の拡大の防止は表示性能の向上に対して都合がよい。
【0049】
さらに、プロジェクタ2の液晶ライトバルブ20r、20g、20bには、個々の画素開口部20Pに対応するようにマイクロレンズを配置したものを用いている。図9は、マイクロレンズを搭載した液晶ライトバルブの構造を示す部分断面図である。図9に示すように、マイクロレンズ39は、レンズ基板38上に形成され、接着層40を介してカバーガラス41に固定されている。各マイクロレンズ39の配列ピッチは、マトリックス状に形成された各画素20Gの配列ピッチに対応し、画素開口部20Pと1対1で対応するように形成されている。隣接する画素間には、ブラックマトリックス43が配置され、画素開口部20Pには、共通電極44と画素電極46とが液晶層42を介して対向配置されている。レンズ基板38側から入射した光束48は、マイクロレンズ39で集光され、光束径が絞り込まれた状態で対応する画素開口部20Pに導かれる。このため、物理的な開口寸法を変えることなく、液晶ライトバルブにおける光利用効率を高めることができる。
【0050】
ところで、レンズなどの集光素子によって光束を集光する場合、角度分布の広がりに比例して光束径を小さく絞り込むことが困難になる。プロジェクタ2で用いている照明装置1においては、A重畳レンズ17に比べてB重畳レンズ18を液晶ライトバルブ20r、20g、20b寄りに配置しているため、照明光束の横方向(X方向)における角度分布は縦方向(Y方向)におけるそれよりも広がっている。したがって、上記の様な角度分布を有する照明光束を一般的な球面レンズからなるマイクロレンズで集光しようとした場合には、横方向における光束径を十分細く絞り込むことができない。
【0051】
上記の点を考慮して、本実施の形態のプロジェクタ2では、照明光束の角度分布特性に対応させて、横長形状の画素開口部20Pを有する液晶ライトバルブ20r、20g、20bを用いている。また、液晶ライトバルブのマイクロレンズ39を、縦方向よりも横方向(図7の紙面と平行な方向、或いは、図8のH方向)に大きな集光性(F値が小さい)を有するトーリックレンズとしている。これらによって、角度分布に異方性を有する照明光束であっても、光束を十分細く絞り込んで画素開口部20Pに入射させることができるため、液晶ライトバルブにおける光利用効率を高めることができる。
【0052】
以上説明したように、本実施の形態のプロジェクタ2によれば、第1の実施の形態で説明した照明装置1を備えているため、光源からの不定偏光光束を偏光方向が略揃った偏光光束に高い効率で変換でき、よって、光利用効率が高く、明るい、明るさムラのない投写画像を表示することができる。また、照明装置1から射出される照明光束の角度分布の異方性に対応させて、横長形状の画素開口部を備えた液晶ライトバルブを用い、また、液晶ライトバルブがマイクロレンズを備えている場合には、横方向に大きな集光性を有するトーリックレンズとすることによって、より一層明るい投写画像を表示することができる。勿論、液晶ライトバルブの画素開口部の形状を横長とする、或いは、トーリックレンズであるマイクロレンズを備える、のどちらか一方のみを採用しても、光利用効率の向上には有効であることは明らかである。また、マイクロレンズとしては、トーリックレンズ以外にも、楕円面を有するレンズなどを用いても同様の効果を実現することができる。なお、ここで言う横方向とは、照明装置1の偏光ビームスプリッタアレイ15における偏光分離方向を指している。
【0053】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は、本発明に含まれるものである。上記実施形態では、電気光学装置として3つの液晶ライトバルブ20r、20g、20bを用いたプロジェクタ2の例のみを挙げたが、本発明は、1つの液晶ライトバルブのみを用いたプロジェクタ、2つのライトバルブを用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の液晶ライトバルブを用いたプロジェクタにも適用可能である。また、上記実施形態では、電気光学装置として液晶ライトバルブを用いていたが、複数のマイクロミラーを2次元的に配列したライトバルブなど、液晶ライトバルブ以外を用いてもよい。さらに、前記実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の液晶ライトバルブを用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶ライトバルブを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる照明装置の一構成例を示す図であり、(a)は垂直面上の断面図、(b)は水平面上の断面図。
【図2】第1レンズアレイの斜視図であり、(a)は第1−Aレンズアレイ、(b)は第1−Bレンズアレイ。
【図3】第2レンズアレイの斜視図。
【図4】偏光変換光学系を示す斜視図であり、(a)は偏光ビームスプリッタアレイ、(b)は位相差板。
【図5】図1(b)の偏光ビームスプリッタアレイの一部に入射した不定偏光が1種類の偏光に変換される状態を説明する図。
【図6】重畳レンズを示す斜視図であり、(a)はA重畳レンズ、(b)はB重畳レンズ。
【図7】透過型液晶ライトバルブを用いた3板式液晶プロジェクタの概略構成図。
【図8】透過型液晶ライトバルブの画素構成を平面的に示す概略図。
【図9】マイクロレンズを搭載した液晶ライトバルブの構造を示す部分断面図。
【図10】従来の照明光学系を説明する平面断面図。
【図11】偏光ビームスプリッタアレイの入射端面付近における光源像の形成状態を示す図。
【符号の説明】
1 照明装置
2 プロジェクタ
10 光源ランプ
11 リフレクタ
12 第1−Aレンズアレイ
12a Aシリンドリカルレンズ
13 第1−Bレンズアレイ
13a Bシリンドリカルレンズ
14 第2レンズアレイ
15 偏光ビームスプリッタアレイ
16 位相差板
17 A重畳レンズ
18 B重畳レンズ
19 平行化レンズ
20、20r、20g、20b 液晶ライトバルブ
20D 表示領域
20G 画素
20P 画素開口部
21 反射面
22 P偏光光束出射面
23 S偏光光束出射面
24 偏光分離面
25 偏光ビームスプリッタユニット
26 λ/2位相差層
27 フォールディングミラー
28、30 ダイクロイックミラー
31、33 リレーレンズ
32、34 フォールディングミラー
35 リレー光学系
36 クロスダイクロイックプリズム
37 投写レンズ
38 レンズ基板
39 マイクロレンズ
40 接着層
41 カバーガラス
42 液晶層
43 ブラックマトリックス
44 共通電極
45 薄膜トランジスタ(TFT)
46 画素電極

Claims (13)

  1. 光源からの光束を複数の部分光束に分割・集光する集光光学素子と、前記集光光学素子により生成された複数の部分光束を被照明領域上に伝達する伝達光学素子と、前記伝達光学素子により伝達される複数の部分光束を被照明領域上で重畳する重畳光学素子とを有する照明装置であって、
    前記集光光学素子は、互いに集光方向の異なる少なくとも2種類のレンズアレイで構成されていると共に、
    前記重畳光学素子は、互いに集光方向の異なる少なくとも2種類のレンズで構成されていることを特徴とする照明装置。
  2. 請求項1において、
    前記集光光学素子を構成する前記2種類のレンズアレイは、互いに異なる焦点距離に設定されており、
    前記重畳光学素子を構成する前記2種類のレンズは、互いに異なる焦点距離に設定されていることを特徴とする照明装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記集光光学素子の光射出側に、前記集光光学素子により生成された複数の部分光束を偏光方向の揃った複数の偏光部分光束に変換する偏光変換素子を更に備え、
    前記集光光学素子は、前記偏光変換素子の偏光分離方向と略同じ方向に集光性を有するレンズアレイが、他方のレンズアレイよりも前記偏光変換素子側に配置されて構成されていることを特徴とする照明装置。
  4. 請求項3において、
    前記各レンズアレイの焦点距離は、各レンズアレイと前記偏光変換素子との間の光路長と略等しくなるようにそれぞれ設定されていることを特徴とする照明装置。
  5. 請求項3または4において、
    前記重畳光学素子は、前記偏光変換素子の偏光分離方向と略同じ方向に集光性を有するレンズよりも、他方のレンズが前記偏光変換素子側に配置されて構成されていることを特徴とする照明装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    前記集光光学素子を構成する2種類のレンズアレイは、シリンドリカル面を有する複数のレンズをそれぞれ備えていることを特徴とする照明装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
    前記伝達光学素子は、トーリック面を有する複数のレンズを備えたレンズアレイで構成されていることを特徴とする照明装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかにおいて、
    前記重畳光学素子を構成する2種類のレンズは、それぞれシリンドリカル面を有するレンズであることを特徴とする照明装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれかにおいて、
    前記被照明領域の入射側には、入射光束を略平行化して被照明領域内を照射する平行化レンズをさらに備えており、前記平行化レンズは、トーリック面を有するレンズで構成されていることを特徴とする照明装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の照明装置と、
    前記照明装置の被照明領域に配置された電気光学装置と、
    前記電気光学装置からの射出光を拡大投写する投写光学系と、
    を備えていることを特徴とするプロジェクタ。
  11. 請求項10において、
    前記電気光学装置には、複数の略矩形状の画素開口部が設けられ、前記画素開口部の入射側には、各々の画素開口部に対して入射光束を集光するマイクロレンズが配置されていることを特徴とするプロジェクタ。
  12. 請求項11において、
    前記マイクロレンズは、前記マイクロレンズに入射する角度分布に異方性を有する照明光束に対応して、前記照明光束における角度分布の拡がりがより大きな方向において、他の方向よりも大きな集光性を有していることを特徴とする記載のプロジェクタ。
  13. 請求項12において、
    前記マイクロレンズは、トーリック面を有するレンズで構成されていることを特徴とするプロジェクタ。
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