JP2004233252A - 水道メータのレジスタボックス - Google Patents

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Abstract

【課題】耐圧性および耐久性に優れ、経年変形が極めて小さく、水分が浸入することもなく、製造コストの削減も図ることができる、水道メータのレジスタボックスを提供する。
【解決手段】水道メータのレジスタボックス1は、内壁層2a、外壁層2bからなる2層構造の隔壁2で形成され、片方の端面が開口した有底円筒状であり、下部ケース53内に嵌め込み可能な形状となっている。内壁層2aはガラス繊維を混合した強化ABS樹脂で形成され、外壁層2bは非透水性に優れたPP樹脂で形成され、隔壁2の底部には、羽根車56上端部分が収容される凹部2cが設けられている。内壁層2aには、防磁部材3がその鍔部3aを底部に埋設させ、突出部3bを露出させた状態で一体成形されている。内壁層2aの底部内面には、複数のリブ4,5が内壁層2aと一体的に形成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水道メータの下方部分を構成するレジスタボックスに関する。
【0002】
【従来の技術】
図5に示すように、従来の水道メータ70は、水道水の流入口51と流出口52とを備えた下部ケース53内に着脱可能に嵌め込まれ、下部ケース53の上方は上部ケース64で気密状態に押圧保持され、この上部ケース64には、その上面を覆う開閉蓋65が取り付けられている。下部ケース53内には羽根車室54が設けられ、羽根車室54内には、支軸55によって回転自在に軸支された羽根車56が配置され、支軸57の上端部分には磁石58が内蔵されている。この羽根車室54の上方において、この羽根車室54と隔離した状態で水道メータ70が下部ケース53内に嵌め込まれている。
【0003】
水道メータ70の下方部分を構成するレジスタボックス57内においては、その中心付近に磁石付きギア59が回転軸60に軸支され、回転軸60の下端部は、レジスタボックス57内の底部中央に組み込まれた軸受部材68に軸支されている。なお、軸受部材68は、滑り抵抗の低い人造宝石で形成され、熱カシメによってレジスタボックス57内の底部中央に組み込まれている。
【0004】
レジスタボックス57の上方の開口部には、リング状のガスケット62を介在させた状態で透明なカバーガラス63が気密状に取り付けられている。また、外部からの磁力の作用によって磁石付きギア59が悪影響を受けるのを防止するため、磁石付きギア59の周囲を囲む状態でリング状の防磁部材66が配置されている。
【0005】
流入口51から流出口52に向かって羽根車室54内を水道水が通過すると、水道水の流動エネルギによって羽根車56が支軸55を中心として回転し、羽根車56の上端部分の磁石58と磁石付きギア59との相互作用によって、磁石付きギア59が羽根車56に同期して回転し、その回転が図示しない複数の歯車を経て数字車61に伝達され、水道使用量が表示される。
【0006】
前述したように、水道メータ70は、レジスタボックス57部分を下部ケース53内に嵌め込んだ状態で取り付けられており、一定期間(8年間)が経過すると、その状態の如何に関わらず交換されるようになっている。ところが、使用中の水道メータ70のレジスタボックス57には、羽根車室54からの静圧(7MPa〜10MPa)が常に加わるだけでなく、ウォータハンマ現象に起因する大きな衝撃波圧(70MPa〜80MPa)も加わるため、取り付け後のレジスタボックス57の経年変形により水道メータ70の交換作業が困難となることがある。そこで、このような事態を回避する趣旨から、8年後のレジスタボックス57の予想変形量が0.5mmを超えてはならない旨の規定がある。
【0007】
このため、従来、レジスタボックス57は、比較的安価で寸法精度も良好な、強度の高いガラス繊維強化ABS樹脂で形成されることが多かったが、このガラス繊維強化ABS樹脂は僅かながら透水性を有しているため、羽根車室54を通過する水道水の一部が、レジスタボックス57を構成する隔壁を透過して水道メータ70の内部に浸入することがある。
【0008】
レジスタボックス57の隔壁を通して水道メータ70内へ浸入した水分は外気温の上昇などによって水蒸気化するが、気温が低下するとカバーガラス63の下面に結露してカバーガラス63を曇らせるため、水道メータ70を検針する際の妨げとなっている。また、水道メータ70内へ浸入した水分が磁石付きギア59や数字車61などの回転部品に付着すると、これらの回転部品が回転する際に抵抗が増し、羽根車56と磁石付きギア59との同期が不完全となることから、正確な計量という水道メータ70本来の機能に支障が生じることもある。
【0009】
そこで、レジスタボックスの隔壁を通して水道メータ内へ浸入した水分に起因するカバーガラスの曇りなどを防止する機能を備えたものとして、数字車の上部とカバーガラス(窓ガラス)との間に透明な樹脂製の曇り防止板を配置したものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−230811号公報(第4−7頁)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載されている乾式水道メータは曇り防止板などを設けることによって窓ガラスの曇りを防止するものであり、ある程度の効果を得ることはできるが、レジスタボックスの隔壁を経由しての水道メータ内への水分浸入そのものを回避するものではないので、水分浸入に起因する様々なトラブル、特に、前述した水道メータ本来の機能である正確な計量に関する問題を根本的に解決することはできない。
【0012】
また、特許文献1には、水道メータを構成するレジスタボックスをガラス繊維強化ポリプロピレンまたはガラス繊維強化PPSを用いて形成すれば、水分透過を減少させることができる旨の記載があるが、ポリプロピレン樹脂自体の透水性は低いものの樹脂強度も低いため、しばしばガラス繊維を入れて強化して使用されている。ところが、ポリプロピレン樹脂にガラス繊維を混入させると、ポリプロピレン樹脂とガラス繊維との境界に存在する微細な隙間を通じて水分が透過することがあり、この現象はポリプロピレン樹脂に混入させるガラス繊維の長さが増大するほど顕著となるため、ガラス繊維強化ポリプロピレンを用いてレジスタボックスを形成しても水道メータ内への水分浸入をなくすことはできない。
【0013】
一方、成形材料としては高価ではあるが、高い強度と比較的良好な非透水性を有するPPS(ポリファレンサルファイド)樹脂を用いても、従来の構造では前述の高い衝撃波圧に耐えることができない。すなわち、特許文献1に記載されている乾式水道メータは、レジスタボックスを通して水道メータ内に浸入した水分に起因する窓ガラスの曇りを、曇り防止板を配置することによって防止するものであるため、PPS樹脂を用いてレジスタボックスを形成しても、耐水性に優れているというPPS樹脂の特長を生かすことのできる構造となっていない。
【0014】
そのほか、図6に示すように、従来のレジスタボックス57においては、隔壁の底部に放射方向および円周方向に複雑な形状のリブ67を形成したり、樹脂量を増やして隔壁を厚くしたりすることによって強度を高めるとともに、隔壁の内面全体にアルミ蒸着を施して浸水を防止するなどの対策が講じられているが、十分な効果が得られていないのが実状である。
【0015】
さらに、PP(ポロプロピレン)樹脂は、成形工程において比較的長い硬化時間を必要とする樹脂であるため、例えば、図6に示すレジスタボックス57を成形する場合、60秒〜90秒程度の成形時間を要している。また、隔壁内面に肉厚のリブを形成すると樹脂量が増すため、成形工程においては冷却時間が必要となり、成形時間がさらに延びることとなる。そのほか、PP樹脂はアルミニウムが付着し難い性質であるため、アルミ蒸着を行う場合、2回のアンダーコート、アルミ蒸着およびトップコートの合計4層処理を必要とし、コスト高となっている。このように、従来の技術では、十分な防水性を得ることができないだけでなく、コスト面でも課題を残したままであった。
【0016】
本発明が解決しようとする課題は、耐圧性および耐久性に優れ、経年変形が極めて小さく、水分が浸入することもなく、製造コストの削減も図ることができる、水道メータのレジスタボックスを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る水道メータのレジスタボックスは、種類の異なる合成樹脂を用いて構成した複層構造の隔壁で形成され、片方の端面が開口した有底筒状のレジスタボックスであって、外壁層を非透水性の合成樹脂で形成し、内壁層を外壁層より曲げ弾性率の高い合成樹脂で形成したことを特徴とする。
【0018】
このような構成とすることにより、曲げ弾性率の高い合成樹脂で形成した内壁層で強度を確保し、非透水性の合成樹脂で形成した外壁層で水の透過をほぼ完全に阻止することができるようになるため、優れた耐圧性および耐久性を発揮し、経年変形が極めて小さくなり、水分が浸入することもなくなり、当該レジスタボックスを用いて水道メータを形成した場合、カバーガラスの曇りや回転部品の動作不良など、水浸入に起因する様々なトラブルをなくすことができる。
【0019】
なお、曲げ弾性率の高い合成樹脂としては、例えば、SAN(スチレン・アクリロニトリル)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、H−PVC(ポリ塩化ビニル)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、PC(ポリカーボネート)などが好適である。
【0020】
ここで、前記内壁層をガラス繊維または炭素繊維を混合した強化合成樹脂で形成することが望ましく、これによって、高い曲げ弾性率を有する高強度の内壁層を形成することができるため、さらに優れた耐圧性および耐久性を発揮するようになる。
【0021】
また、前記内壁層の底部に防磁部材の少なくとも一部を埋設することにより、内壁層の底部の強度(特に剛性)を高めることができるため、全体的な強度をさらに向上させることができる。なお、防磁部材は内壁層と一体成形することが望ましく、これによって、従来は独立部品であった防磁部材がレジスタボックスの内壁層と一体化するので、従来、組立工程において、磁石付きギアと一緒に組み込まれていた防磁リング(防磁部材)の組込作業が不要となり、熟練を要する前記組込み作業がなくなることで、製造工程の大幅な簡略化を図ることができる。
【0022】
なお、防磁部材の材質としては、例えば、透磁率の高いパーマロイ(ニッケルと鉄との合金)が最も好適であるが、防磁部材をリング形状とすれば閉じた磁性回路が形成されるため、一般的な鉄材であっても十分な防磁効果を得ることができる。
【0023】
この場合、前記防磁部材の形状を、頂上部が開口した鍔付き帽子形状とすることにより、内壁層の底部の比較的広範囲に防磁部材の鍔部を埋設することができるようになるため、内壁層の剛性が大幅に高まり耐圧性および耐久性がさらに向上する。また、内壁の剛性が高まることで、内壁層の底部に形成されていた複雑な形状のリブを単純な形状のものへ変更することができるようになるため、成形工程におけるヒケ、ウェルドラインの発生などが抑制され、当該レジスタボックスの成形用金型についても設計工数や製作工数を低減することができる。さらに、レジスタボックスの経年変形も大幅に減少するので、8年経過後、当該レジスタボックスで構成された水道メータの交換作業も容易となる。
【0024】
また、前記内壁層をガラス繊維を混合した強化ABS樹脂で形成し、前記外壁層を非透水性に最も優れたガラス繊維なしのPP樹脂を用いて必要最小限の層厚で一体形成することにより、成形時間の短縮を図りながら、耐圧性および耐久性を高め、優れた浸水防止機能を得ることができるほか、内壁層と外壁層との密着性を高めることができる。
【0025】
この場合、前記ガラス繊維を混合した強化ABS樹脂としては、繊維長5mm〜10mmのガラス繊維を20重量%〜40重量%含有するものであることが望ましく、これによって、実用上全く問題のない耐圧性、耐久性および浸水防止機能を得ることができる。
【0026】
なお、ガラス繊維の繊維長が前記範囲より短くなると必要な強度が得られなくなり、前記範囲より長くなると樹脂材料のチップ長が過大となるため、射出成形装置への材料供給時にスクリューの食い込みが悪化して生産性が低下する。また、ガラス繊維の含有率が前記範囲より小さくなると前述と同様に強度不足となり、ガラス繊維の含有率が前記範囲より大きくなると射出成形装置の射出部ノズルやスクリューあるいは金型のゲートやランナー部などの樹脂通過経路部分の磨耗が著しく増大し、メンテナンスコストの増大を招来するため、ABS樹脂に添加するガラス繊維の繊維長および含有率は前記範囲が最適範囲である。
【0027】
一方、水道メータの構成部品である回転軸の下端部を軸支するための軸受部材を内壁層の底部に埋設することにより、従来の組立工程で行われていた、人造宝石製の軸受部材を熱カシメによって組み込む作業が不要となり、熟練を要する前記組み込み作業をなくすことができるため、製造工程の大幅な簡略化を図ることができる。なお、軸受部材の材質としては、例えば、人工サファイアなどの人造宝石のほか、セラミックス、ガラスあるいは耐磨耗性の良好なガラス繊維入りの合成樹脂などが好適である。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態である水道メータのレジスタボックスを示す平面図、図2は図1におけるA−A線断面図、図3は図1に示すレジスタボックスに用いる防磁部材の平面図、図4は図3におけるB−B線断面図である。
【0029】
図1,2に示すように、本実施形態に係る水道メータのレジスタボックス1は、種類の異なる合成樹脂を用いて構成した内壁層2aおよび外壁層2bからなる2層構造の隔壁2で形成され、全体的な形状は片方の端面が開口した有底円筒状であり、外周は底部に向かって階段状に縮径しており、図5で示した下部ケース53内に嵌め込み可能な形状となっている。隔壁2を構成する内壁層2aはガラス繊維を混合した強化ABS樹脂で形成され、外壁層2bは非透水性に最も優れたガラス繊維なしのPP樹脂で形成され、隔壁2の底部には、図5で示した羽根車56上端の磁石58を内蔵した部分が収容される凹部2cが設けられている。
【0030】
内壁層2aには、図3,図4に示すように頂上部が開口した鍔付き帽子形状の防磁部材3が、その鍔部3aを内壁層2aの底部に埋設させ、倒立擂鉢形状の突出部3bを露出させた状態で一体成形されている。また、内壁層2aの底部内面には、補強用として、半径方向の複数のリブ4および弦方向の複数のリブ5が内壁層2aと一体的に形成されている。また、内壁層2aの底部内面の中央には、水道メータの構成部品である回転軸(図5で示した回転軸60に相当する部品)の下端部を回動自在に軸支するための軸受部材6が埋設されている。なお、防磁部材3の突出部3bが、図5で示したリング状の防磁部材66と同じ機能を発揮する。
【0031】
図3に示すように、防磁部材3の鍔部3aに90度間隔で合計4つ設けられた貫通孔3cは、防磁部材3を内壁層2aの底部内に一体成形する際に樹脂を充填させるためのものである。そして、成形後においては、図2に示すように、これらの貫通孔3cに樹脂が充填された状態となることによって防磁部材3と内壁層2aとを強固に一体化されるため、強度向上に有効である。
【0032】
このような構成とすることにより、ガラス繊維を混合した強化ABS樹脂で形成した内壁層2aで強度を確保し、最も優れた非透水性を有する合成樹脂であるガラスなしPP樹脂で形成した外壁層2bで水の透過をほぼ完全に阻止することができるため、このような2層構造から成る隔壁2で形成されたレジスタボックス1は優れた耐圧性および耐久性を発揮し、経年変形が極めて少なく、水分が浸入することもない。
【0033】
したがって、レジスタボックス1内に歯車や数字車などの回転部品やその他の構成部品(いずれも図示せず)を組込み、上面開口部にカバーガラス(図示せず)を気密状に装着して水道メータを形成した場合、カバーガラスの曇りや回転部品の動作不良など、水浸入に起因する様々なトラブルをなくすことができる。
【0034】
また、内壁層2aの底部に防磁部材3の鍔部3aを埋設することにより、内壁層2aの底部の強度(特に剛性)を高めることができるため、レジスタボックス1の全体的な強度をさらに向上させることができる。なお、防磁部材3は内壁層2aと一体成形しているため、従来の組立工程では、熟練作業者が磁石付きギアと一緒に組み込んでいた防磁リング(防磁部材)の組込作業が不要となるため、製造工程の大幅な簡略化を図ることができる。
【0035】
また、防磁部材3の形状を、頂上部が開口した鍔付き帽子形状とすることにより、内壁層2aの底部の比較的広範囲に防磁部材3の鍔部3aを埋設した構造としているため、内壁層2aの剛性が高く、耐圧性および耐久性の向上に大きく寄与する。また、内壁層2aの剛性が高まることにより、内壁層2aの底部のリブ4,5を、図6に示す従来のリブ67に比べ大幅に単純化することができるため、成形工程におけるヒケ、ウェルドラインの発生などを抑制し、成形時間の短縮化を図るとともに、成形用金型の設計工数や製作工数を低減することができ、製造コストの削減も可能である。
【0036】
また、内壁層2aの底部のリブ4,5を従来よりも少なく、薄くすることが可能となるため、成形工程における冷却時間を従来より大幅に短縮することができる。したがって、レジスタボックス1は多重成形であるにも関わらず、従来の一体成形のレジスタボックスよりも短時間で成形することが可能であり、これによって生産性が著しく向上し、製造コストを低減することができる。
【0037】
さらに、内壁層2aの剛性が高まることで、レジスタボックス1の経年変形が極めて小さくなるので、レジスタボックス1を用いて構成した水道メータ(図示せず)を図5に示す下部ケース53内に嵌め込んで使用した場合、8年経過後におけるレジスタボックス1の変形量は規定値を大きく下回るものとなるため、水道メータの交換作業も容易である。
【0038】
本実施形態において、隔壁2の内壁層2aを構成する、ガラス繊維を混合した強化ABS樹脂として、繊維長10mmのガラス繊維を30重量%程度含有するものを使用したところ、レジスタボックス1に求められる水準を十分に満たすだけの耐圧性、耐久性を得ることができた。
【0039】
レジスタボックス1のような構成とすることにより、従来のレジスタボックスよりも隔壁を薄くし、リブを減らすことができるようになるため、原料となる合成樹脂の使用量を低減し、軽量化を図ることができる。また、隔壁内面へのアルミ蒸着なども不要となるため、製造工程を簡略化することができるだけでなく、使用後のレジスタボックス1を廃棄処分する際のアルミニウム回収工程をなくすこともできる。
【0040】
【発明の効果】
本発明により、以下に示す効果を奏する。
【0041】
(1)種類の異なる合成樹脂を用いて構成した複層構造の隔壁で形成され片方の端面が開口した有底筒状であり、外壁層を非透水性の合成樹脂で形成し、内壁層を外壁層より曲げ弾性率の高い合成樹脂で形成したことにより、内壁層で強度を確保し、外壁層で透水を阻止することができるようになるため、優れた耐圧性および耐久性を発揮し、経年変形が極めて小さくなり、水分が浸入することもなくなり、水道メータを形成した場合のガラスカバーの曇りや回転部品の動作不良など、水浸入に起因する様々なトラブル、特に、水道メータ本来の機能である正確な計量に関する問題を根本的に解決することができる。
【0042】
(2)前記内壁層をガラス繊維または炭素繊維を混合した強化合成樹脂で形成することにより、高い曲げ弾性率を有する高強度の内壁層を形成することができるため、さらに優れた耐圧性および耐久性が得られる。
【0043】
(3)前記内壁層の底部に防磁部材の少なくとも一部を埋設することにより、内壁層の底部の強度(特に剛性)を高めることができるため、全体的な強度をさらに向上させることができ、水道メータの組立工程の簡略化も図ることができる。
【0044】
(4)前記防磁部材の形状を、頂上部が開口した鍔付き帽子形状とすることにより、内壁層底部の比較的広い範囲に防磁部材の鍔部を埋設することができるため、内壁層の剛性が大幅に高まり耐圧性および耐久性がさらに向上し、補強用のリブの削減、薄肉化を通じて成形時間の短縮、製造コストの低減を図ることができる。
【0045】
(5)前記内壁層をガラス繊維を混合した強化ABS樹脂で形成し、前記外壁層をPP樹脂で形成することにより、成形時間の短縮を図りながら、耐圧性および耐久性を高め、経年変形を大幅に低減し、優れた浸水防止機能を得ることができ、製造コストの低減も図ることができる。
【0046】
(6)前記ガラス繊維を混合した強化ABS樹脂として、繊維長5mm〜10mmのガラス繊維を20重量%〜40重量%含有するものを用いることにより、実用上、必要かつ十分な耐圧性、耐久性および浸水防止機能を得ることができる。
【0047】
(7)水道メータの構成部品である回転軸の下端部を軸支するための軸受部材を内壁層の底部に埋設することにより、熟練を要する軸受部材の組込み作業が不要となるため、製造工程の大幅な簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である水道メータのレジスタボックスを示す平面図である。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】図1に示すレジスタボックスに用いる防磁部材の平面図である。
【図4】図3におけるB−B線断面図である。
【図5】従来の水道メータを示す垂直断面図である。
【図6】従来の水道メータのレジスタボックスを示す平面図である。
【符号の説明】
1 レジスタボックス
2 隔壁
2a 内壁層
2b 外壁層
2c 凹部
3 防磁部材
3a 鍔部
3b 突出部
3c 貫通孔
4,5 リブ
6 軸受部材

Claims (7)

  1. 種類の異なる合成樹脂を用いて構成した複層構造の隔壁で形成され片方の端面が開口した有底筒状のレジスタボックスであって、外壁層を非透水性の合成樹脂で形成し、内壁層を前記外壁層より曲げ弾性率の高い合成樹脂で形成したことを特徴とする水道メータのレジスタボックス。
  2. 前記内壁層をガラス繊維または炭素繊維を混合した強化合成樹脂で形成した請求項1記載の水道メータのレジスタボックス。
  3. 前記内壁層の底部に防磁部材の少なくとも一部を埋設した請求項1または2記載の水道メータのレジスタボックス。
  4. 前記防磁部材の形状が、頂上部が開口した鍔付き帽子形状である請求項3記載の水道メータのレジスタボックス。
  5. 前記内壁層をガラス繊維を混合した強化ABS樹脂で形成し、前記外壁層をPP樹脂で形成した請求項2記載の水道メータのレジスタボックス。
  6. 前記ガラス繊維を混合した強化ABS樹脂が繊維長5mm〜10mmのガラス繊維を20重量%〜40重量%含有するものである請求項5記載の水道メータのレジスタボックス。
  7. 水道メータの構成部品である回転軸の下端部を軸支するための軸受部材を前記内壁層の底部に埋設した請求項1〜6のいずれかに記載の水道メータのレジスタボックス。
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