JP2004233221A - 保護カバー付トーンホイール - Google Patents
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Abstract
【課題】構造簡単、組み付けも容易で且つ低コスト化が図られる新規な保護カバー付トーンホイールを提供する。
【解決手段】軸受2を介して軸回転可能に支持されるドライブシャフト1の周壁部に嵌着されるトーンホイール5であって、上記トーンホイール5は、ドライブシャフト1の周壁部に嵌着される芯金4の表面に貼着支持され、トーンホイール5への水、砂粒或いは塵埃の付着或いは衝当を防止する為の保護カバー6が、上記トーンホイール5に近接してドライブシャフト1の周壁部に嵌着されている。
【選択図】図1
【解決手段】軸受2を介して軸回転可能に支持されるドライブシャフト1の周壁部に嵌着されるトーンホイール5であって、上記トーンホイール5は、ドライブシャフト1の周壁部に嵌着される芯金4の表面に貼着支持され、トーンホイール5への水、砂粒或いは塵埃の付着或いは衝当を防止する為の保護カバー6が、上記トーンホイール5に近接してドライブシャフト1の周壁部に嵌着されている。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に、軸受を介し支持される自動車の車輪用ドライブシャフトの周壁部に嵌着され、ドライブシャフト(車輪・・タイヤホイール)の回転速度を検出するエンコーダを構成するトーンホイールに関する。
【0002】
【従来の技術】
近時においては、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持するとともに、アンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロールシステム(TCS)を制御するため、回転側(例えば、軸受の内輪、或いは軸受のシールリング)にトーンホイールを取着し、車体側にセンサーを配置して、このトーンホイールとセンサーとにより車輪の回転速度を測定検出するためのエンコーダを構成することが広く採用されている。
【0003】
上記トーンホイールとしては、ゴム材中に磁性剤を混在させ上記回転側支持体の形状に合わせたゴムリング体からなり、且つその周方向にN極、S極を交互に着磁させたゴム磁石からなるものが採用されるに至っているが、このようなトーンホイールは、水や塵埃が付着すると退化することがあり、また砂粒等が衝当すれば(飛散して来た砂粒が衝突すること)、そのチッピング作用により傷付き、劣化して、エンコーダ機能が損傷を受けることもあった。そこで、これらの付着或いは衝当を防止する為の保護カバーを、トーンホイールの近傍に配置する試みもなされるようになっており、特許文献1はこのような例を示すものである。
【0004】
【特許文献1】
実用新案登録第2528784号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1では、ドライブシャフトを支持する内輪にトーンホイール(センサロータ)を取着し、外輪にこのトーンホイールを覆うよう保護カバーが取付けられている。しかしながら、この保護カバーは、トーンホイールへの塵埃付着防止機能を奏するが、軸受ユニットを構成する内輪及び外輪に夫々トーンホイールとともに取付けられているので、両者の嵌め合い及び組み立てがとりわけ煩わしいものになっている。また、回転速度検出センサーは車体側に取付けられるので、この検出面をトーンホイールに対向させる為に、保護カバーの一部を刳り抜く必要もあり、しかもこれらの組み立ての際には、この繰り抜き部分に検出部を挿通させて装着させるために煩わしい作業が余儀なくされる。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、構造簡単、組み付けも容易で且つ低コスト化が図られる新規な保護カバー付トーンホイールを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明に係る保護カバー付トーンホイールは、軸受を介して軸回転可能に支持されるドライブシャフトの周壁部に嵌着されるトーンホイールであって、上記トーンホイールは、ドライブシャフトの周壁部に嵌着される芯金の表面に貼着支持され、トーンホイールへの水、砂粒或いは塵埃の付着或いは衝当を防止する為の保護カバーが、上記トーンホイールに近接してドライブシャフトの周壁部に嵌着されていることを特徴とする。
【0008】
このような構成においては、保護カバーによって、トーンホイールへの水、砂粒或いは塵埃の付着或いは衝当が防止されるから、トーンホイールの劣化が抑制され、その機能が長く維持される。また、トーンホイールは、芯金に支持されるから強度保持がなされ、しかも芯金と共にドライブシャフトの周壁部に嵌着されるから、その取付は極めて簡単であり、保護カバーの取付けも同様であるので、これらの組み立ては容易である。したがって、このような構造によれば、従来は不可能とされていた車両へのエンコーダの後付け作業も可能となる。
【0009】
上記トーンホイ−ルとしては、ゴム材中に磁性剤を混在させたゴムリング体からなり、周方向にN極とS極を交互に等間隔で着磁形成したもの(請求項2)が望ましく採用される。トーンホイ−ルを構成するゴム材としては、NBR、H−NBR、ACM、AEM、FKMから選ばれたいずれかが望ましく採用される(請求項3)。また、芯金の表面がトーンホイールにより覆われているもの(請求項4)とすれば、芯金が雨水等に晒されることがないから防錆性を必要とせず、従って芯金として安価な低炭素鋼を採用すること(請求項5)が可能となり、低コスト化が図られる。一方、芯金と保護カバーとを一体のものとすれば(請求項6)、部品点数が少なくなる上に取付作業が1回で済む。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の保護カバー付トーンホイールが組み込まれた自動車のタイヤホイール懸架機構を示す断面図、図2は図1におけるX部の拡大図である。図3は同変形例を示す図である。
【0011】
図1において、1は自動車のドライブシャフトであり、軸受ユニット(軸受)2により軸回転可能に支持されている。軸受ユニット2は、内輪を構成するハブ21と、内輪部材22と、外輪23と、2列の転動体(玉)24…とより構成されている。この2列の転動体(玉)24…は、ハブ21及び内輪部材22により構成される内輪と外輪23との間に、リテーナ25で保持された状態で介装されている。26、27は、上記転動体24…の転動部に装填される潤滑剤の漏出を防止するためのシールリングである。
【0012】
上記ハブ21には、ボルト28によりタイヤホイール(不図示)が取付固定され、また、外輪23は車体の懸架装置(ハウジング)3に取付固定される。29は、ハブ21に形成されたスプライン孔であり、このスプライン孔29にはドライブシャフト1の先側部がスプライン嵌合固定されて、該ドライブシャフト1の回転駆動力がタイヤホイールに駆動伝達される。
【0013】
ドライブシャフト1の先側は、段階状に細く加工され、また後方側は等速ジョイント(不図示)に接合されている。ドライブシャフト1の段差部11には、芯金4に貼着支持されたトーンホイール5と、保護カバー6とが嵌着されている。保護カバー6は外向鍔部61を有する筒状体であり、また、芯金4は、内向鍔部41を有する筒状体で、その外面がトーンホイール5により密着的に覆われている(図2参照)。
【0014】
トーンホイール5及び保護カバー6をドライブシャフト1の周壁部に嵌着させるに際しては、先ず、ドライブシャフト1の先側から保護カバー6をその外向鍔部61よりその周壁部にスラスト方向に沿って嵌装し、外向鍔部61が段差部11の端面11aに押当するまで圧入する。次いで、トーンホイール5を外面に一体的に貼着支持した状態の芯金4を、筒状体側から(内向鍔部41が形成されていない側から)ドライブシャフト1の先側よりその周壁部にスラスト方向に沿って嵌装し、内向鍔部41が段差部11の端面11bに押当するまで圧入する。これらはドライブシャフト1の周壁部に、圧入された状態で嵌着されているから安定した取付状態が維持される上に、その取付は極めて簡単である。7はハウジング3に設置された検出器であり、磁気センサー71を含み、トーンホイール5とによりエンコーダを構成してドライブシャフト1(タイヤホイール)の回転速度を検出する。
【0015】
図2は、トーンホイール5及び保護カバー6の取付状態を示す拡大断面図である。トーンホイール5は、ゴム材にフェライト等の磁性粉末を混練し、この混練物を金型に注入して芯金4の外周面を覆うようなリング形状に成形加工し、更にその周方向に沿ってN極及びS極を交互且つ等間隔に着磁形成したものである。尚、上記混練物をシート状にした上で上記形状に沿うよう芯金4の外周面に添着させることも除外するものではない。このトーンホイール5は、芯金4の外周面を覆い更にその端部を包み込むように、接着剤を介し或いは加硫接着により芯金4の外周面に貼着一体とされている。
【0016】
トーンホイール5の上記端面11bに押当する面には、円環状突起51が形成されており、上記芯金4をドライブシャフト1の周壁部に圧入する際、この円環状突起51が端面11bに押圧されて弾性変形された状態となる。従って、この部分がそのパッキン作用により気密的となり、これと、芯金4がドライブシャフト1の周壁部に圧入され且つその外周面がトーンホイール5により覆われているので、そのシール効果により、芯金4の外周面が腐食環境下に晒されることがない。その為、芯金4として高価なステンレス鋼ではなく、低炭素鋼を用いることができ、低コスト化が図られる。尚、トーンホイール5の他端部は、ドライブシャフト1の周壁部に沿った圧入部である為、この部分に上記円環状突起51と同様の突起を形成することができないが、保護カバー6の端部に対してトーンホイール5をスラスト方向に沿って強く締め付け、トーンホイール5の端部を弾性変形させるように固定することによって、この部分のパッキン作用が得られる。
【0017】
トーンホイール5は、ドライブシャフト1の周壁部に嵌着されているから、ドライブシャフト1の回転に伴い軸回転すると、検出器7の磁気センサー71が、このトーンホイール5の回転に伴うN極及びS極による磁気変化を検出し、これをドライブシャフト1、即ちタイヤホイールの回転数として計測する。
【0018】
図2のような保護カバー6の取付状態では、その外向鍔部61の周縁がドライブシャフト1の周壁部より突出し、且つハウジング3の内面に近接するよう配置される。従って、外部からトーンホイール5の存在する内部空間に、水、塵埃或いは砂粒等の侵入が抑制され、トーンホイール5のこれらによる劣化が抑えられてそのエンコーダ機能が長く維持される。尚、保護カバー6は、腐食環境下に晒されることになるから、防錆処理がなされたステンレス鋼により製することが望ましい。また、外向鍔部61の周縁には、ハウジング3の内面とのクリアランスをなくす為に、ハウジング3の内面に摺接する弾性シール材を固着させることも可能で、こうすることにより、水、塵埃或いは砂粒等の上記空間への侵入をより完全に防止することができる。
【0019】
図3は他の実施形態を示すものであり、芯金4と保護カバー6とが一体成形されたものであることを特徴とする。芯金4の外面部分はトーンホイール5により覆われているが、その延長部である保護カバー6の部分はトーンホイール5では覆われない。従って、一部腐食環境下に晒されることになるので、ステンレス鋼などの耐蝕性に優れた素材を採用することが望ましいが、部品点数が少なく、しかも1回の作業でドライブシャフト1への取付が可能で、第1の実施形態と同様望ましく採用される。尚、その他の構成は第1の実施形態と同様であるから、共通部分には同一の符号を付し、ここではその説明を省略する。
【0020】
尚、上記実施の形態では、自動車用タイヤホイールの懸架機構に適用した例について述べたが、その他のエンコーダを構成する為のト−ンホイールにも採用可能であることは言うまでもない。
【0021】
【発明の効果】
本発明の保護カバー付トーンホイールによれば、保護カバーによって、トーンホイールへの水、砂粒或いは塵埃の付着或いは衝当が防止されるから、トーンホイールの劣化が抑制され、その機能が長く維持される。また、トーンホイールは、芯金に支持されるから強度保持がなされ、しかも芯金と共にドライブシャフトの周壁部に嵌着されるだけであるから、その取付は極めて簡単であり、保護カバーの取付けも同様であるので、これらの組み立て作業は極めて容易である(請求項1)。
【0022】
また、上記トーンホイ−ルとして、ゴム材中に磁性剤を混在させたゴムリング体からなり、周方向にN極とS極を交互に等間隔で着磁形成したものとし、また、芯金の表面をトーンホイールにより覆うようにすれば、ゴム製トーンホイールのシール効果により、芯金が雨水等に晒されることがないから防錆性を必要とせず、従って芯金として安価な低炭素鋼などを採用することが可能となり、低コスト化が図られる(請求項2〜5)。一方、芯金と保護カバーとを一体のものとすれば、部品点数が少なくなる上に、ドライブシャフトへの取付作業が1回で済み、その作業効率が向上する(請求項6)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保護カバー付トーンホイールが組み込まれた自動車のタイヤホイール懸架機構を示す断面図である。
【図2】図1におけるX部の拡大図である。
【図3】同変形例を示す図である。
【符号の説明】
1 ドライブシャフト
2 軸受(軸受ユニット)
4 芯金
5 トーンホイール
6 保護カバー
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に、軸受を介し支持される自動車の車輪用ドライブシャフトの周壁部に嵌着され、ドライブシャフト(車輪・・タイヤホイール)の回転速度を検出するエンコーダを構成するトーンホイールに関する。
【0002】
【従来の技術】
近時においては、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持するとともに、アンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロールシステム(TCS)を制御するため、回転側(例えば、軸受の内輪、或いは軸受のシールリング)にトーンホイールを取着し、車体側にセンサーを配置して、このトーンホイールとセンサーとにより車輪の回転速度を測定検出するためのエンコーダを構成することが広く採用されている。
【0003】
上記トーンホイールとしては、ゴム材中に磁性剤を混在させ上記回転側支持体の形状に合わせたゴムリング体からなり、且つその周方向にN極、S極を交互に着磁させたゴム磁石からなるものが採用されるに至っているが、このようなトーンホイールは、水や塵埃が付着すると退化することがあり、また砂粒等が衝当すれば(飛散して来た砂粒が衝突すること)、そのチッピング作用により傷付き、劣化して、エンコーダ機能が損傷を受けることもあった。そこで、これらの付着或いは衝当を防止する為の保護カバーを、トーンホイールの近傍に配置する試みもなされるようになっており、特許文献1はこのような例を示すものである。
【0004】
【特許文献1】
実用新案登録第2528784号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1では、ドライブシャフトを支持する内輪にトーンホイール(センサロータ)を取着し、外輪にこのトーンホイールを覆うよう保護カバーが取付けられている。しかしながら、この保護カバーは、トーンホイールへの塵埃付着防止機能を奏するが、軸受ユニットを構成する内輪及び外輪に夫々トーンホイールとともに取付けられているので、両者の嵌め合い及び組み立てがとりわけ煩わしいものになっている。また、回転速度検出センサーは車体側に取付けられるので、この検出面をトーンホイールに対向させる為に、保護カバーの一部を刳り抜く必要もあり、しかもこれらの組み立ての際には、この繰り抜き部分に検出部を挿通させて装着させるために煩わしい作業が余儀なくされる。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、構造簡単、組み付けも容易で且つ低コスト化が図られる新規な保護カバー付トーンホイールを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明に係る保護カバー付トーンホイールは、軸受を介して軸回転可能に支持されるドライブシャフトの周壁部に嵌着されるトーンホイールであって、上記トーンホイールは、ドライブシャフトの周壁部に嵌着される芯金の表面に貼着支持され、トーンホイールへの水、砂粒或いは塵埃の付着或いは衝当を防止する為の保護カバーが、上記トーンホイールに近接してドライブシャフトの周壁部に嵌着されていることを特徴とする。
【0008】
このような構成においては、保護カバーによって、トーンホイールへの水、砂粒或いは塵埃の付着或いは衝当が防止されるから、トーンホイールの劣化が抑制され、その機能が長く維持される。また、トーンホイールは、芯金に支持されるから強度保持がなされ、しかも芯金と共にドライブシャフトの周壁部に嵌着されるから、その取付は極めて簡単であり、保護カバーの取付けも同様であるので、これらの組み立ては容易である。したがって、このような構造によれば、従来は不可能とされていた車両へのエンコーダの後付け作業も可能となる。
【0009】
上記トーンホイ−ルとしては、ゴム材中に磁性剤を混在させたゴムリング体からなり、周方向にN極とS極を交互に等間隔で着磁形成したもの(請求項2)が望ましく採用される。トーンホイ−ルを構成するゴム材としては、NBR、H−NBR、ACM、AEM、FKMから選ばれたいずれかが望ましく採用される(請求項3)。また、芯金の表面がトーンホイールにより覆われているもの(請求項4)とすれば、芯金が雨水等に晒されることがないから防錆性を必要とせず、従って芯金として安価な低炭素鋼を採用すること(請求項5)が可能となり、低コスト化が図られる。一方、芯金と保護カバーとを一体のものとすれば(請求項6)、部品点数が少なくなる上に取付作業が1回で済む。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の保護カバー付トーンホイールが組み込まれた自動車のタイヤホイール懸架機構を示す断面図、図2は図1におけるX部の拡大図である。図3は同変形例を示す図である。
【0011】
図1において、1は自動車のドライブシャフトであり、軸受ユニット(軸受)2により軸回転可能に支持されている。軸受ユニット2は、内輪を構成するハブ21と、内輪部材22と、外輪23と、2列の転動体(玉)24…とより構成されている。この2列の転動体(玉)24…は、ハブ21及び内輪部材22により構成される内輪と外輪23との間に、リテーナ25で保持された状態で介装されている。26、27は、上記転動体24…の転動部に装填される潤滑剤の漏出を防止するためのシールリングである。
【0012】
上記ハブ21には、ボルト28によりタイヤホイール(不図示)が取付固定され、また、外輪23は車体の懸架装置(ハウジング)3に取付固定される。29は、ハブ21に形成されたスプライン孔であり、このスプライン孔29にはドライブシャフト1の先側部がスプライン嵌合固定されて、該ドライブシャフト1の回転駆動力がタイヤホイールに駆動伝達される。
【0013】
ドライブシャフト1の先側は、段階状に細く加工され、また後方側は等速ジョイント(不図示)に接合されている。ドライブシャフト1の段差部11には、芯金4に貼着支持されたトーンホイール5と、保護カバー6とが嵌着されている。保護カバー6は外向鍔部61を有する筒状体であり、また、芯金4は、内向鍔部41を有する筒状体で、その外面がトーンホイール5により密着的に覆われている(図2参照)。
【0014】
トーンホイール5及び保護カバー6をドライブシャフト1の周壁部に嵌着させるに際しては、先ず、ドライブシャフト1の先側から保護カバー6をその外向鍔部61よりその周壁部にスラスト方向に沿って嵌装し、外向鍔部61が段差部11の端面11aに押当するまで圧入する。次いで、トーンホイール5を外面に一体的に貼着支持した状態の芯金4を、筒状体側から(内向鍔部41が形成されていない側から)ドライブシャフト1の先側よりその周壁部にスラスト方向に沿って嵌装し、内向鍔部41が段差部11の端面11bに押当するまで圧入する。これらはドライブシャフト1の周壁部に、圧入された状態で嵌着されているから安定した取付状態が維持される上に、その取付は極めて簡単である。7はハウジング3に設置された検出器であり、磁気センサー71を含み、トーンホイール5とによりエンコーダを構成してドライブシャフト1(タイヤホイール)の回転速度を検出する。
【0015】
図2は、トーンホイール5及び保護カバー6の取付状態を示す拡大断面図である。トーンホイール5は、ゴム材にフェライト等の磁性粉末を混練し、この混練物を金型に注入して芯金4の外周面を覆うようなリング形状に成形加工し、更にその周方向に沿ってN極及びS極を交互且つ等間隔に着磁形成したものである。尚、上記混練物をシート状にした上で上記形状に沿うよう芯金4の外周面に添着させることも除外するものではない。このトーンホイール5は、芯金4の外周面を覆い更にその端部を包み込むように、接着剤を介し或いは加硫接着により芯金4の外周面に貼着一体とされている。
【0016】
トーンホイール5の上記端面11bに押当する面には、円環状突起51が形成されており、上記芯金4をドライブシャフト1の周壁部に圧入する際、この円環状突起51が端面11bに押圧されて弾性変形された状態となる。従って、この部分がそのパッキン作用により気密的となり、これと、芯金4がドライブシャフト1の周壁部に圧入され且つその外周面がトーンホイール5により覆われているので、そのシール効果により、芯金4の外周面が腐食環境下に晒されることがない。その為、芯金4として高価なステンレス鋼ではなく、低炭素鋼を用いることができ、低コスト化が図られる。尚、トーンホイール5の他端部は、ドライブシャフト1の周壁部に沿った圧入部である為、この部分に上記円環状突起51と同様の突起を形成することができないが、保護カバー6の端部に対してトーンホイール5をスラスト方向に沿って強く締め付け、トーンホイール5の端部を弾性変形させるように固定することによって、この部分のパッキン作用が得られる。
【0017】
トーンホイール5は、ドライブシャフト1の周壁部に嵌着されているから、ドライブシャフト1の回転に伴い軸回転すると、検出器7の磁気センサー71が、このトーンホイール5の回転に伴うN極及びS極による磁気変化を検出し、これをドライブシャフト1、即ちタイヤホイールの回転数として計測する。
【0018】
図2のような保護カバー6の取付状態では、その外向鍔部61の周縁がドライブシャフト1の周壁部より突出し、且つハウジング3の内面に近接するよう配置される。従って、外部からトーンホイール5の存在する内部空間に、水、塵埃或いは砂粒等の侵入が抑制され、トーンホイール5のこれらによる劣化が抑えられてそのエンコーダ機能が長く維持される。尚、保護カバー6は、腐食環境下に晒されることになるから、防錆処理がなされたステンレス鋼により製することが望ましい。また、外向鍔部61の周縁には、ハウジング3の内面とのクリアランスをなくす為に、ハウジング3の内面に摺接する弾性シール材を固着させることも可能で、こうすることにより、水、塵埃或いは砂粒等の上記空間への侵入をより完全に防止することができる。
【0019】
図3は他の実施形態を示すものであり、芯金4と保護カバー6とが一体成形されたものであることを特徴とする。芯金4の外面部分はトーンホイール5により覆われているが、その延長部である保護カバー6の部分はトーンホイール5では覆われない。従って、一部腐食環境下に晒されることになるので、ステンレス鋼などの耐蝕性に優れた素材を採用することが望ましいが、部品点数が少なく、しかも1回の作業でドライブシャフト1への取付が可能で、第1の実施形態と同様望ましく採用される。尚、その他の構成は第1の実施形態と同様であるから、共通部分には同一の符号を付し、ここではその説明を省略する。
【0020】
尚、上記実施の形態では、自動車用タイヤホイールの懸架機構に適用した例について述べたが、その他のエンコーダを構成する為のト−ンホイールにも採用可能であることは言うまでもない。
【0021】
【発明の効果】
本発明の保護カバー付トーンホイールによれば、保護カバーによって、トーンホイールへの水、砂粒或いは塵埃の付着或いは衝当が防止されるから、トーンホイールの劣化が抑制され、その機能が長く維持される。また、トーンホイールは、芯金に支持されるから強度保持がなされ、しかも芯金と共にドライブシャフトの周壁部に嵌着されるだけであるから、その取付は極めて簡単であり、保護カバーの取付けも同様であるので、これらの組み立て作業は極めて容易である(請求項1)。
【0022】
また、上記トーンホイ−ルとして、ゴム材中に磁性剤を混在させたゴムリング体からなり、周方向にN極とS極を交互に等間隔で着磁形成したものとし、また、芯金の表面をトーンホイールにより覆うようにすれば、ゴム製トーンホイールのシール効果により、芯金が雨水等に晒されることがないから防錆性を必要とせず、従って芯金として安価な低炭素鋼などを採用することが可能となり、低コスト化が図られる(請求項2〜5)。一方、芯金と保護カバーとを一体のものとすれば、部品点数が少なくなる上に、ドライブシャフトへの取付作業が1回で済み、その作業効率が向上する(請求項6)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保護カバー付トーンホイールが組み込まれた自動車のタイヤホイール懸架機構を示す断面図である。
【図2】図1におけるX部の拡大図である。
【図3】同変形例を示す図である。
【符号の説明】
1 ドライブシャフト
2 軸受(軸受ユニット)
4 芯金
5 トーンホイール
6 保護カバー
Claims (6)
- 軸受を介して軸回転可能に支持されるドライブシャフトの周壁部に嵌着されるトーンホイールであって、
上記トーンホイールは、ドライブシャフトの周壁部に嵌着される芯金の表面に貼着支持され、トーンホイールへの水、砂粒或いは塵埃の付着或いは衝当を防止する為の保護カバーが、上記トーンホイールに近接してドライブシャフトの周壁部に嵌着されていることを特徴とする保護カバー付トーンホイール。 - 請求項1において、
上記トーンホイ−ルが、ゴム材中に磁性剤を混在させたゴムリング体からなり、周方向にN極とS極を交互に等間隔で着磁形成したものであることを特徴とする保護カバー付トーンホイール。 - 請求項2において、
上記ゴム材が、NBR、H−NBR、ACM、AEM、FKMから選ばれたいずれかであることを特徴とする保護カバー付トーンホイール。 - 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
上記芯金の表面がトーンホイールにより覆われていることを特徴とする保護カバー付トーンホイール。 - 請求項4において、
上記芯金が低炭素鋼からなることを特徴とする保護カバー付トーンホイール。 - 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
上記芯金と保護カバーとが一体であることを特徴とする保護カバー付トーンホイール。
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JP2003022703A JP2004233221A (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | 保護カバー付トーンホイール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003022703A JP2004233221A (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | 保護カバー付トーンホイール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004233221A true JP2004233221A (ja) | 2004-08-19 |
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ID=32951711
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JP2003022703A Pending JP2004233221A (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | 保護カバー付トーンホイール |
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JP (1) | JP2004233221A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006162014A (ja) * | 2004-12-10 | 2006-06-22 | Nok Corp | 密封装置 |
JP2014215176A (ja) * | 2013-04-25 | 2014-11-17 | 株式会社デンソー | 回転検出装置 |
CN107449931A (zh) * | 2017-09-05 | 2017-12-08 | 中铁工程装备集团机电工程有限公司 | 隧道机车的轮轴测速码盘装置 |
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2003
- 2003-01-30 JP JP2003022703A patent/JP2004233221A/ja active Pending
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