JP2004232690A - 地中に埋設された既設管の引抜撤去方法 - Google Patents

地中に埋設された既設管の引抜撤去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】引き抜きを容易にする。
【解決手段】地中に埋設された既設管1を撤去するにあたり、既設管の撤去部分1bの基端部に至る立坑2を形成し、既設管の撤去部分1bと残置部分1aとを切り離した後、撤去部分1bを立坑2内へ引き抜き撤去する方法において、切り離した撤去部分1bの環状先端面の実質的に全体に支圧体10を当接配置した後、この支圧体10を介して撤去部分1bを立坑2内へ引き抜き撤去するようにする。また撤去部分1bの周囲の摩擦低減を図る。
【選択図】図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地中に埋設された既設管の引抜撤去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる既設埋設管は、他の土木工事の障害になる場合、老朽化したり破損したりしたときの布設替えを行う場合等、必要に応じて撤去することがある。そして、かかる既設埋設管の撤去は開削工法により行うのが一般的であった。
【0003】
他方、近年では、上記開削工法における問題点、すなわち既設管の撤去部分全体の開削が必要であること、山留めが必要であること、電線等が設置されている場所では吊り防護が必要であること、埋め戻しが必要であること、残土処分が必要であること等に鑑み、非開削での既設管の撤去が種々提案されている。
【0004】
例えば、特開平8−28753号公報や、特開2000−179749号公報には、既設管撤去部分の基端部に至る立坑を形成し、次いで撤去部分をその前方の残置部分から切り離した後、既設管内に固定された支圧体を介して既設管の撤去部分を立坑内に引き抜き撤去する技術が開示されている。
【特許文献1】
特開平8−28753号公報
【特許文献2】
特開2000−179749号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記先行技術では、既設管内に設けた支圧体を介して引き抜きを行うため、既設管に対してバランス良く引抜力を作用させることができず、既設管を破壊せずに引き抜くのは困難であった。
【0006】
また、既設管は周囲の地盤による強い拘束力を受けているにも関わらず、上記先行技術ではこの拘束力を弱めるような処理を行わずに、既設管の引き抜きを行うものであるため、引き抜きが更に困難となっていた。
【0007】
そこで、本発明の主たる課題は、容易に既設管を引き抜くことができる方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
地中に埋設された既設管を撤去するにあたり、既設管の撤去部分の基端部に至る立坑を形成し、既設管の撤去部分と残置部分とを切り離した後、前記撤去部分を立坑内へ引き抜き撤去する方法において、
切り離した撤去部分の環状先端面の実質的に全体に支圧体を当接配置した後、この支圧体を介して前記撤去部分を立坑内へ引き抜き撤去する、
ことを特徴とする地中に埋設された既設管の引抜撤去方法。
【0009】
(作用効果)
このように、本発明では、切り離した撤去部分の環状先端面の実質的に全体に支圧体を当接し、この支圧体を介して立坑内へ引き抜きを行う。よって、引抜力は撤去部分の環状先端面全体にバランス良く作用する。また管は端面に作用する管軸方向の力に対して非常に強いことは説明するまでもない。したがって、引抜力によって撤去部分が破壊しにくくなり、より容易に既設管の引抜撤去を行うことができるようになる。
【0010】
<請求項2記載の発明>
前記支圧体は、それぞれ前記既設管内を通過しうるサイズの複数の分割ユニットからなるものであり、
前記支圧体設置工程にて、前記分割ユニットを既設管内を通して撤去部分先端に持ち込み、当該位置で分割ユニットを組み立てて前記支圧体の設置を行うようにする、請求項1記載の地中に埋設された既設管の引抜撤去方法。
【0011】
(作用効果)
支圧体は、本請求項2記載のように管内を通過しうるサイズの分割ユニットからなるユニット構造とするのが望ましい。これにより、狭い既設管撤去部分内を通してその前方に支圧体を持ち込むことができるようになる。
【0012】
<請求項3記載の発明>
地中に埋設された既設管を撤去するにあたり、既設管の撤去部分の基端部に至る立坑を形成し、既設管の撤去部分と残置部分とを切り離した後、前記撤去部分を立坑内へ引き抜き撤去する方法において、
前記引抜工程に先立って撤去部分と周囲地盤との摩擦を低減させる、ことを特徴とする地中に埋設された既設管の引抜撤去方法。
【0013】
(作用効果)
このように引抜工程に先立って摩擦低減を図ることにより、撤去部分と周囲地盤との摩擦を低減させ、周囲の地盤による拘束力を弱めた後に既設管撤去部分を引き抜くことができる。よって、より容易に撤去部分を引き抜くことができ、管の破損等のトラブルが発生し難くなる。
【0014】
<請求項4記載の発明>
前記摩擦を低減させるにあたり、
前記撤去部分の周囲地盤に滑材を注入する処理、
前記撤去部分の周囲地盤を液体噴射により乱し弛緩状態にする処理、および
前記撤去部分の周囲地盤をボーリングする処理、
の少なくとも一つの摩擦低減処理を行う、請求項3記載の地中に埋設された既設管の引抜撤去方法。
【0015】
(作用効果)
かかる処理を行うことによって、撤去部分と周囲地盤との摩擦を低減させることができる。中でも滑材(後述するように界面活性剤液等の潤滑材)注入は作業が容易であり、非常に好ましい。
【0016】
<請求項5記載の発明>
前記摩擦を低減するにあたり、前記撤去部分の少なくとも先端部を所定の押し込み長さ分だけ撤去するとともに、前記摩擦低減処理を施した状態で、前記撤去部分を押し込み前記撤去部分と周囲地盤との摩擦を低減させる、請求項4記載の地中に埋設された既設管の引抜撤去方法。
【0017】
(作用効果)
摩擦低減処理後に撤去部分を押し込むことによって、既設管撤去部分と周囲地盤との摩擦が著しく低減(以下、「摩擦を切る」ともいう)し、より容易に撤去部分を引き抜くことが可能となる、
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、φ800mmの下水管を人孔部分から所定長さ範囲にわたり撤去する例を引いて詳説する。
(立坑形成工程)
先ず、引抜設備の設置スペースおよび作業スペースを確保するために、図1に示すように、既設管1の撤去部分1bの基端部に至る立坑2を形成する。具体的に本実施形態の場合、ライナープレート(図示略)を建込みながら既設人孔Mの周囲を掘削し、既設人孔Mを撤去し、立坑2を形成する。立坑2のサイズは、定尺(2.43m)の既設管をそのまま搬出できる3.5m程度確保するのが望ましい。
【0019】
(摩擦低減工程−前処理−)
次いで図2に示すように、作業員が立坑2内から既設管1内に入り、撤去部分の少なくとも先端部を所定の押し込み長さ、例えば10〜30cm程度の範囲Lをハツリ(破壊し)撤去する。これにより、本実施形態では撤去部分と残置部分とが切り離される。
【0020】
またこの前後において、作業員が既設管1内に入り、適宜の位置、例えば管頂部に滑材注入孔1hを形成する。注入孔1hは管軸方向に所定間隔、例えば5〜10m程度の間隔をおいて複数設けるのが好ましい。また注入孔1hは管の周方向に複数設けることもできるが、図示のように少なくとも管頂部に設けるのが望ましい。しかる後、注入孔1hに注入管3aを接続し、滑材注入プラント3bから供給される滑材を注入孔1hを介して、撤去部分の周囲地盤に注入する。図中にはこの注入部分を符号Xにより示してある。この滑材としては、推進用滑材として一般に用いられている界面活性剤等を好適に使用できる。かくして撤去部分1bと周囲地盤Gとの摩擦を低減できるようになる。
【0021】
(推進設備設置工程)
上記前処理と並行して又はその前後に、図3に示すように、立坑2内に管押し込み及び引き抜きのための推進設備4を設置する。図示形態では、押し込み方向の前後壁面にコンクリート等よりなる反力壁5f,5bをそれぞれ形成するとともに、底部に推進架台6を設置し、この推進架台6上に推進ジャッキ7,7を設け、推進ジャッキ7,7の反力を反力壁5bから取るように構成している。
【0022】
本工程では、後の既設管押し込みのための設置状態を示しており、推進ジャッキ7,7は後方の反力壁5bに反力を取るように取り付けられ、またこの推進ジャッキ7,7と既設管1の基端部との間には、既設管1の環状基端面全体に当接するリング材8が介在され、推進ジャッキ7,7の推進力が既設管1の基端面全体にバランス良く作用するようになっている。なお、必要な推進力は、本実施形態のようにφ800mmの下水管が土被り7.5m程度で設置されている場合で、約60t程度である。
【0023】
(摩擦低減工程−後処理−)
上記前処理および推進設備の設置を完了した後、本実施形態では更に摩擦を低減させるべく、撤去部分1bを押し込み、撤去部分1bと周囲地盤Gとの摩擦を切る。好適には、先ず上記推進設備4により撤去部分1bを若干、例えば10cm程度推進して必要な推力を把握する。必要な推力が大きく撤去部分1bの破壊のおそれがある場合には、撤去部分1bの中途位置で、10cm程度の長さ範囲をハツリ撤去し、撤去部分1bを複数に分割した後に推力を加えるようにする。これにより、基端側の分割部分から順に分割して推力をかけ摩擦を切ることができる。反対に必要な推力が小さい場合にはそのまま押し込み、摩擦を切る。
【0024】
(支圧体設置工程)
しかる後、図4に示すように、撤去部分1bを引抜くための支圧体10を撤去部分1bの環状先端面(前述の分割を行った場合は、最先端の分割部分の先端面)の実質的に全体に当接させて配置する。
【0025】
撤去部分1bの先端部前方にスペースが少ない又はない場合には、撤去部分の先端部を適宜の長さ範囲、例えば20cm程度にわたりハツリ撤去する。これにより支圧体設置スペースおよび設置作業スペースSが確保される。必要に応じて周囲地盤Gを掘削撤去することにより作業スペースを径方向に拡大させることも可能である。撤去部分1bの先端部前方にスペースSが十分にあるときにはかかるハツリ作業は不要である。また、前述の押し込みのための先端部撤去に際して、押し込みに必要な長さ範囲Lだけでなく、支圧体設置スペースSに必要な長さをも確保しておき、撤去部分1bを押し込んだ後にもその前方に支圧体設置スペースSを残すようにでき、この場合にも本工程における撤去部分先端部の撤去は不要となる。
【0026】
支圧体設置スペースSが確保されたならば、次いで作業員が既設管1内を通じてその前方スペースに支圧体10を持ち込み、支圧体10を撤去部分1bの環状先端面の実質的に全体に当接させて配置する。かかる当接配置形態を採る場合、支圧体10の外径が既設管1内径よりも大きくなければらならないため、支圧体10は、図5に示すように、既設管内を通過しうるサイズの複数の分割ユニットからなる現場組立タイプのものが望ましい。かくして、各ユニットを撤去部分1b内を通じて撤去部分前方スペースSに持ち込み、組み立てることにより、既設管撤去部分1bの前方に既設管1内径よりも大径の支圧体10を配置できる。
【0027】
より具体的には、本実施形態の支圧体10は、図5に示すように、撤去部分1bの環状先端面f1に当接されるリング材11と、このリング材11の先端面に当接し、リング材11の開口を閉塞するための隔壁(蓋材)12と、この隔壁12に係合される加圧冶具13とから構成されている。また符合14は、引抜き力を支圧体に伝達するための引張材を示しており、PC鋼線あるいはPC鋼棒を用いることができ、例えば複数の引張材ユニット14aを連結材14bで接続して形成することができるものである。引張材ユニット14aとしては、例えばネジ式PC鋼棒を用いることができ、連結材14bとしてはPC鋼のナットを用いることができる。
【0028】
リング材11は、図6にも示すように、既設管1の横断面と略同程度の端面11fを有する(少なくとも既設管の外径よりも内径が小径である)ものであり、図示例では一点鎖線で示すボルト止め部分により、略均等な3つの分割ユニット11uに分割可能なものである。また隔壁12は、図7にも示すように、リング材11と略同程度の外径を有する(少なくともリング材の内径より外径が大径である)円盤状体であり、表裏に連通する引張材挿通孔12aと裏込注入孔12bとが設けられており、図示例では一点鎖線で示すボルト止め部分により、略均等な大きさの4つの分割ユニット12uに分割可能(これよりも少ない又は多い分割数であっても良い)なものである。特に図示形態では、引張材挿通孔12aもその軸方向に沿う面で分割できるように、当該挿通孔12aの中心が分割線上に位置するように形成されている。
【0029】
また加圧冶具13は、図8に示すように、隔壁12の外径と略同程度の長さを有し、かつ既設管1の内径よりも幅の小さい部材であり、隔壁12の引張材挿通孔12aと対応する位置に引張材取付孔13aが形成されたものである。これらリング材等11,12,13は鋼材等の、適切な強度を有する材料により形成する。
【0030】
本実施形態では、これらリング材等11,12,13を分割状態で撤去部分前方のスペースSに持ち込み、当該前方スペースSで図示のように組み立てる。すなわち、撤去部分1b及び残置部分1aの両方に作業員が入れる場合には、隔壁12およびリング材11をそれぞれ完全に組み立てた後、引張材14を隔壁12の撤去部分1b側から残置部分1a側へ挿通させ、残置部分1a側で加圧冶具13を引張材14と連結する。
【0031】
また、撤去部分1b側からのみの作業で支圧体10を組立てる場合には、加圧冶具13の取付孔13aに引張材14を貫通させ、加圧冶具13の前方側に突出する部分にナットを螺合させ、引張材14を加圧冶具13に連結する。またこの前後において、隔壁12の下半分のみを組み立て、その上面に露出する挿通孔形成溝内に引張材14を配置する。挿通孔12aを分割不可能な位置に形成したときには当該挿通孔12aに引張材14を通した後、これを隔壁前方において加圧冶具13と連結する。しかる後、隔壁12の上半分を組立て、次いで隔壁12の後方側でリング材11を組み立てる。
【0032】
また本実施形態では、適宜の段階、例えば支圧体組立て後に、隔壁12の注入孔12bに裏込注入管20を接続する。裏込注入管20の基端は裏込材注入プラント21に接続する。
【0033】
かくして、図4及び図5に示すように、撤去部分1bの環状先端面の実質的に全体に当接するように支圧体10が配置され、支圧体10と係合連結された引張材14が立坑2内まで延在される。
【0034】
(推進設備変更工程)
支圧体10の設置と並行的にまたはその前後において、推進設備4の推進方向を、図9に示すように反対向きに変更する。すなわち本実施形態の場合、推進ジャッキ7,7の向きを引抜き方向に変更し、反力を立坑前壁の反力壁5fに反力を取るようにするとともに、引張材14の基端部を推進ジャッキ7,7の先端部に対して連結する。
【0035】
(引抜撤去工程)
以上の準備段階が完了したならば、次いで図9に示すように、撤去部分1bの引抜工程に移る。すなわち、推進ジャッキ7,7を伸張させて、引張材14及び支圧体10を介して撤去部分1bを立坑2内に引き出す。立坑2のスペースには限りがあるので、所定長さ(例えばジャッキの1ストローク分)撤去部分1bを引き出したならば、その引出部分1cを切断して立坑2外に撤去(図10参照)する。またこの際、ジャッキ7,7のストローク長に応じて、引張材14の長さを調節する。前述のように複数の引張材ユニット14aを連結具14bを介して連結している場合には、基端側のユニット14aを取り外した後、新たに推進ジャッキ7,7へ連結するようにする。この観点から、一回の撤去部分1bの引出し長さは、引き抜き管の定尺長を考慮し、引張材ユニット14aの長さを設定するのが望ましい。すなわち、立坑2のスペースは引き抜き管の定尺長を考慮することが望ましく、ジャッキ7,7のストローク長の不足分としてスペーサーをかませながら所定長さを引き抜くのが望ましい。
【0036】
一方、かかる引き抜きのみを行うと、既設管1を引き抜いた部分が空洞となり、地盤沈下を引き起こすおそれがある。よって、これを防止するため、前述の裏込注入管20および注入プラント21を利用して、引き抜きに伴って形成される撤去部分前方のスペースSS内に、そのスペースSSの増加に応じてセメントミルク等の裏込材Cを順次注入するのが望ましい。この場合、注入に先立って、残置部分1aの撤去部分側端部に、図示しない裏込材流入防止用隔壁(蓋材)を取り付けておく。
【0037】
かくして、図10に示すように引き抜きが完了したならば、図11に示すように必要に応じて立坑2を埋め戻し、工事を完了する。符号Rは埋め戻し部分を示している。
【0038】
(その他)
(イ)上記実施形態では、人孔Mを利用して立坑2を形成したが、本発明は人孔Mの有無に限定されるものではなく、人孔の無い位置に立坑を形成しても良い。また、立坑2は撤去部分1bの基端部に形成する必要があるが、併せてその他の部位、例えば撤去部分1bの先端部または残置部分1aに設けると、上記支圧体10の設置が容易になる等の利点がある。
【0039】
(ロ)摩擦低減処理は、上記実施形態で説明した滑材注入の他、撤去部分1bの周囲地盤を液体噴射により乱し弛緩状態にする処理や、撤去部分1bの周囲地盤をボーリングする処理等も採用でき、またこれらの処理を組み合わせて行うこともできる。
【0040】
(ハ)摩擦低減処理は、周囲地盤Gの拘束力及び作業の容易性の両方を満たすために、撤去部分1bの少なくとも上側、必要に応じて上側のみならず両脇までの範囲にのみ施すのが望ましいが、他の部位または全体に施しても良い。なお、ボーリングを行う場合の穿孔位置Pの例を図12に示した。
【0041】
(ニ)摩擦低減処理を行う管軸方向範囲は適宜定めることができ、撤去部分1bの略全体に及ぶのが望ましいが、一部、例えば半分以上の範囲でも効果はある。
【0042】
(ホ)摩擦低減工程は、引抜工程に先立って行われていれば足りる。よって、上記例のように滑材注入等の摩擦低減処理に続いて押し込みを行う必要はなく、これらの間に他の工程を行うこともできる。
【0043】
(ヘ)いうまでもないが、撤去部分1bの先端面は、実質的に管軸と直交する平坦な面となるように、すなわち、可能な限り支圧体がバランス良く当接するように、綺麗にハツリとり、必要に応じてグラインダ等を用いて平滑化処理するのが好ましい。また、前述のように撤去部分を分割する場合には、隣接分割部間において推力あるいは引き抜き力がバランス良く伝達するように、分割部の端面も平滑化処理し、必要に応じて分割部間に適切な金具を介在させるのが望ましい。
【0044】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、容易に既設管を引き抜くことができるようになり、引き抜きに伴う既設管の破損のおそれも少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】立坑形成工程を示す断面概略図である。
【図2】摩擦低減工程を示す断面概略図である。
【図3】推進設備設置工程を示す断面概略図である。
【図4】支圧体設置工程を示す断面概略図である。
【図5】支圧体の組立図である。
【図6】リング材の正面図である。
【図7】隔壁の正面図である。
【図8】加圧冶具の図である。
【図9】引抜工程を示す断面概略図である。
【図10】引抜工程を示す断面概略図である。
【図11】工事完了状態を示す断面概略図である。
【図12】ボーリング位置を示す断面概略図である。
【符号の説明】
1…既設管、1a…残置部分、1b…撤去部分、2…立坑、10支圧体。

Claims (5)

  1. 地中に埋設された既設管を撤去するにあたり、既設管の撤去部分の基端部に至る立坑を形成し、既設管の撤去部分と残置部分とを切り離した後、前記撤去部分を立坑内へ引き抜き撤去する方法において、
    切り離した撤去部分の環状先端面の実質的に全体に支圧体を当接配置した後、この支圧体を介して前記撤去部分を立坑内へ引き抜き撤去する、
    ことを特徴とする地中に埋設された既設管の引抜撤去方法。
  2. 前記支圧体は、それぞれ前記既設管内を通過しうるサイズの複数の分割ユニットからなるものであり、
    前記支圧体設置工程にて、前記分割ユニットを既設管内を通して前記撤去部分先端に持ち込み、当該位置で分割ユニットを組み立てて前記支圧体の設置を行うようにする、請求項1記載の地中に埋設された既設管の引抜撤去方法。
  3. 地中に埋設された既設管を撤去するにあたり、既設管の撤去部分の基端部に至る立坑を形成し、既設管の撤去部分と残置部分とを切り離した後、前記撤去部分を立坑内へ引き抜き撤去する方法において、
    前記引抜工程に先立って撤去部分と周囲地盤との摩擦を低減させる、ことを特徴とする地中に埋設された既設管の引抜撤去方法。
  4. 前記摩擦を低減させるにあたり、
    前記撤去部分の周囲地盤に滑材を注入する処理、
    前記撤去部分の周囲地盤を液体噴射により乱し弛緩状態にする処理、および
    前記撤去部分の周囲地盤をボーリングする処理、
    の少なくとも一つの摩擦低減処理を行う、請求項3記載の地中に埋設された既設管の引抜撤去方法。
  5. 前記摩擦を低減するにあたり、前記撤去部分の少なくとも先端部を所定の押し込み長さ分だけ撤去するとともに、前記摩擦低減処理を施した状態で、前記撤去部分を押し込み前記撤去部分と周囲地盤との摩擦を低減させる、請求項4記載の地中に埋設された既設管の引抜撤去方法。
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