JP2019094682A - 既設管路の改築工法及びそれに使用する既設管破砕装置 - Google Patents

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広治 西田
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Koji Wada
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英二 森長
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孝司 片山
桂三 吉田
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桂三 吉田
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Takuji Yasuda
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Tomoyuki Ueda
智之 上田
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吉住 中谷
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Abstract

【課題】既設管路の新規な改築を提案する。【解決手段】30m程度のマンホールM1、M2間の既設管路Aを改築する。内面に破砕刃12を有する先導管11を内外管18、19を継ぎ足しながら推進し、その推進による破砕刃の既設管aの押圧破砕によって既設管を破砕する。破砕片a’は内管18内に回収される。この作用を発進側のマンホールM1から到達側のマンホールM2まで行う。その途中において、管路の両端に止水ボール31、34を挿入し、安定液cを管路内に充填して土圧によって管路が破壊しないようにする。既設管路Aの管aの破壊回収が終われば、内管18を破砕ガラa’と共に回収する。その回収後、既設管路の直線性を測定し、直線性が出ていれば、新管を装填して新管路を構築し、直線性が出ていない場合、直線性がでるように旧管路を掘削して直線性を出した後、その旧管路に新管を装填して新管路を構築する。外管19で新設管路が構成し得る場合は前記新管の装填は止める。【選択図】図12

Description

この発明は、老朽化した埋設既設管路を開削せずに新たな管路に改築する工法、及びその工法に使用する既設管の破砕装置に関するものである。
上下水道、ガス等のライフラインとして地中に埋設されている管(以下、「既設管」と称する。)は経年劣化が進み、耐用年数を超えた既設管(以下、その既設管から成る管路を「既設管路」と称する。)は、適宜に新たな管(以下、「新管」と称する。)に更新する必要がある(以下、その更新した新管から成る管路を「新設管路」と称する。)。
その既設管路の新設管路への改築工法として、埋設している地盤を開削して行うことが考えられるが、通常、下水道等の管路は道路下に埋設されており、開削によってその道路を通行止めにする場合が多い。交通量の多い今日、その通行止めは好ましくない。
このため、改築しようとする既設管路の一端に発進立坑を形成するとともに、その発進立坑から所要距離を隔てて(既設管路の他端に)到達立坑を形成し、前記発進立坑から到達立坑に至る既設管路の既設管をカッターヘッドで破砕し、その破砕した管破砕片(破砕ガラ)をスクリュウで除去するとともに、除去した孔に新管を装填して新設管路を構築する技術が提案されている(特許文献1段落0018〜同0046,図1〜図2等参照)。
特開2010−150887号公報
上記従来の既設管路の改築工法は、立坑を形成するコストがかかる上に、カッターヘッドやスクリュウ等が大型の機械となっており、それらを持ち込む発進立坑や到達立坑も大きなものとなっている。このため、改築作業が大がかりとなり、コスト的に問題となる。
また、通常、下水管路などにおいては、所定間隔にマンホールが形成されており、そのマンホールを上記立坑に代用することが考えられる。しかし、通常のマンホールの大きさは、内径:ほぼ900mm径程度であり、上記カッターヘッドやスクリュウ等の大型の機械を搬入することができない。
特に、例えば、30m(メートル)前後の道路下に施設された下水管の改築は、上記立坑を形成して行うにはコスト的に問題となり、開削が考えられる。しかし、その枝管路、例えば、下水枝管も道路下に施設されており、開削時、その道路を通行止めにする必要がある。このため、コスト面から、上記マンホールを利用して改築を行いたい。
この発明は、以上の実状の下、マンホールを使用し得る従来にない既設管路の改築工法及びそれに使用する既設管破砕装置を提供することを課題とする。
上記課題を達成するため、この発明は、既設管を破砕刃による押圧によって破砕することとしたのである。
破砕刃による押圧破砕は、マンホール等の狭いスペースに搬入し得る前記破砕刃を移動させる駆動機、例えば、能力:30Ton(トン)程度の油圧ジャッキであれば行うことができて、前記スペース内に搬入することができる。油圧ジャッキ等の押圧手段は、小型化が可能であるからである。
既設管は、破砕し易い陶器製(陶管)が好ましいが、塩ビ管やヒューム管、鋼管等の種々の管が対象である。埋設既設管は数十年を経てかなり劣化しているからである。既設管の大きさとしては、種々の大きさが考えられるが、内径:200〜250mm程度をこの発明の対象とするのが好ましい。大径になると、大型の機器によらなければ破砕できない場合が多いからである。
この発明に係る改築工法の具体的な構成としては、地中に埋設された既設管路をなす既設管の端面から、破砕刃を管軸方向に移動させ、その移動による破砕刃の既設管への押圧によって既設管を破砕し、その破砕した破砕片を回収して、その破砕片を回収した既設管路が存在していた部位に新設管路を構築する構成を採用することができる。
新設管路の構築方法としては推進工法等を採用できる。その推進工法は、推進管の先端に掘進機を取り付け、地中を掘削しつつ、後方の油圧ジャッキ等で推し進めて、管を埋設する工法であり、地面を掘り起こして管を設置する「開削工法」に対するものである。この発明の場合、既設管路があるため、掘削機を使用せず、実施形態で示す先導管でその代わりを行ったり、それらを使用せずに推進管を推し進めるたりするだけで新設管路を設けることもできる。
上記破砕刃は先導管内に設けたものとし、その先導管内に上記既設管の端部を入れつつ、押圧破砕を行うようにすることができる。このようにすると、破砕した既設管の破砕ガラ(破砕片)が先導管内に納まるので、その回収が容易となる。
このとき、先導管を推進管を継ぎ足しながら推進し、その推進によって破砕刃の既設管への押圧を行うようにすれば、前記破砕ガラをその推進管内に導いて収納することができるため、破砕ガラの回収がより容易となる。前記継ぎ足された推進管は新設管路としたり、その継ぎ足された推進管をさや管とし、そのさや管内に新設管路を構築するようにしたりすることができる。
また、上記推進管を内外の2重管により構成し、その内管で上記先導管を押圧し、その後、内管が進行した距離分、外管を進行させるようにすれば、内管に周面摩擦抵抗がかかり難いため、先導管の移動が円滑である。
通常、上下水道等の流体管路は自然流下するように2〜3mm程度の落差勾配を設けるのが一般的であり、また、直線性(直進性)を持たせる場合がある。しかし、既設管路は、経年によって直線性が維持されていない場合がある。このため、この既設管路の改築前や、改築作業中の適宜な時に、既設管路の直線性を測定し、直線性が出ていれば、上記継ぎ足された推進管を新設管路とし、直線性が出ていなければ、破砕ガラを回収後、上記継ぎ足された推進管を引き抜きながら、推進工法で新設管路を構築したり、既設管路を掘削して直線性を出したりした後、新設管路を構築することもできる。
また、上記既設管路の両端を止水し、その間に安定液を充填すれば、既設管路の土圧による破壊や既設管路上部の地盤の崩壊及び弛みを防止することができる。その止水は、止水ボールを装填する等の手段を採用することができる。
上記既設管路の改築工法に使用する既設管破砕装置としては、種々の物が考えられるが、例えば、円環状先導管と、その先導管の内面周囲に設けた破砕刃と、前記先導管を、既設管の管軸方向に移動させて、前記破砕刃により、既設管の端面に押圧して既設管端部を破砕する作用を繰り返す駆動手段と、を有する構成のものとすることができる。
この構成において、上記破砕刃は、上記先導管の周囲に複数設けられて管軸方向前後にずれているものとすると、押圧に伴って、ずれている破砕刃が順々に破砕作用を行うため、その作用が円滑である。
この破砕装置は、先導管内に上記既設管の端部を入れつつ、上記押圧破砕を行うようにすれば、破砕ガラ(破砕片)が先導管内に入り込むため、そのガラの処理が容易となる。
このとき、上記のように、破砕刃を有する先導管を推進管を継ぎ足しながら推進して既設管を破砕するようにする場合、その推進管内に上記破砕ガラも入り込んでその処理がし易くなる。また、前記推進管を内外の2重管により構成することができる。
この発明は、以上のように構成して、押圧によって既設管を破砕するようにしたので、従来に無かった改築方法となる。
この発明に係る既設管路の改築工法の一実施形態を示し、(a)はその対象既設管路の作用概略図、(b)は同要部右側面図、(c)は同要部切断平面図 同実施形態の要部作用概略図 同実施形態の要部作用概略図 同実施形態の要部作用概略図 同実施形態の要部作用概略図 同実施形態の要部作用概略図 (a)〜(d)は同実施形態の要部作用概略平面図 同実施形態の要部作用概略図 同実施形態の要部作用概略平面図 同実施形態の作用概略図 (a)、(b)は同実施形態の要部作用概略平面図 同実施形態の作用概略図 同実施形態の作用概略図 (a)、(b)は同実施形態の要部作用概略平面図 同実施形態の作用概略図 同実施形態の作用概略図 同実施形態の作用概略図 同実施形態の作用概略図 同実施形態の作用概略図 (a)は同実施形態の先導管の切断正面図、(b)は同左側面図 この発明に係る既設管路の改築工法の他の実施形態の要部作用概略平面図 同実施形態の内外ソケットの作用説明図であり、(a)は結合前、(b)は結合後を示し、その左は一部切断正面図、右はX−X線断面図 この発明に係る既設管路の改築工法のさらに他の実施形態の要部作用概略平面図
この実施形態の既設管路は、内径(口径):200〜250mmの陶器製の既設管aからなり、この実施形態は、図1〜図19に示す、その管路の一対のマンホールM1、M2の間の約30mの道路下に埋設された管路Aを改築する場合である。このマンホールM1、M2は既設であって、内径:900mm程度であり、その中に破砕装置及び鋼管(推進管)等を装入する。図中、1はマンホール蓋、2はモルタル層、3は高さ調整リング、4は斜壁、5は足掛金具、6は直壁、7は踊り場、8は管取付壁、9は底版である。
破砕装置は、図1、図20に示すように、円筒状の先導管11と元押装置20等からなる。先導管11は、鋼管からなって、その内部に破砕刃12(12a、12b、12c)が設けられている。破砕刃12は先導管11の外周面に設けることもできる。
破砕刃12は、斜辺を有する台形状をした硬質材からなっており、斜辺にはより硬質な硬化肉盛溶接等を行う。また、破砕刃12は先導管11の管軸方向にこの実施形態では3段階にずれて周方向等間隔に8枚設けられている。前列の破砕刃12aが上下に、後列の破砕刃12cが左右に、中列の破砕刃12bがその前後列の破砕刃12a、12cの間にそれぞれ設けられている。破砕刃12の数、段数及びずれ度合いは現場の既設管路の敷設状況や管の種類等に基づいて適宜に設定する。
破砕刃12の先導管11への取付構造は、溶接やボルト止めが考えられるが、逆T字状のレール状固定部材を先導管11内面に固定し、その溝に破砕刃12を嵌め込み、ボルトによって取り替え自在に固定するようにすることができる。
先導管11の後部は、2重リング(筒)13、14が設けられ、その内側のリング13は先導管11内に嵌っている。外側のリング14はその内側リング13の外側に弾性体15を介して嵌り、突起14aによってそれ以上の嵌り込みが防止される。内外リング13、14の後部内面にはねじ13b、14bが形成されている。なお、突起13a、14aは先導管11に溶接によって固定され、リング13はその突起13a、14aに溶接によって固定されて、それら13a、14a、13は先導管11に一体となっている。
内外リング13、14には、それぞれ筒状の押圧ソケット16、17がねじ込み可能となっている(図2〜図5、図20参照)。また、この内外リング13、14には、先導管11と同径の鋼管製外管19及び少し小径の鋼管製内管(推進管)18がねじ込み可能となっている。
元押装置20は、架台21上に油圧ジャッキ22がその軸方向に移動可能に支持されるとともに、その一端で回転可能に設けられており、その元押装置20の軸方向長さは900mm以下としてマンホールM1内の底版9上に横置きできる大きさとなっている。架台21は、油圧ジャッキ22や、マンホールM1の内壁との間に反力板やスペーサを介在可能の構成とする。
油圧ジャッキ22からはロッド23がその軸方向に進退可能となっているとともに、一端には基板24が設けられている。元押装置20には抜き差しピン23aが抜き差し可能に設けられて、この抜き差しピン23aを抜くことによって、油圧ジャッキ(本体)22が架台21に対して軸方向に移動可能となる。
油圧ジャッキ22に移動板26が軸方向に移動自在に設けられ、この移動板26の油圧ジャッキ22の周りには、5個の小型油圧ジャッキ25が等間隔に設けられている。この小型油圧ジャッキ25の数や間隔は任意である。この小型油圧ジャッキ25の伸縮ロッド25aが伸長すると、基板24に当接して小型油圧ジャッキ25を取り付けた移動板26が油圧ジャッキ22に沿って移動する。
なお、油圧ジャッキ22は能力30Ton程度であり、小型油圧ジャッキ25は5本合わせて能力30Ton程度である。
以上の構成の破砕装置によってこの既設管路Aの改築作用を、図1〜図19を参照して説明すると、まず、図1に示すように、発進抗及び到達坑となるマンホールM1、M2のインバート等の作業の邪魔となる部材や部分を撤去するとともに、両マンホールM1、M2内の整理(整備)を行う。また、既設管路AのマンホールM1、M2周りの地盤Wの地質改良を行う。その地質改良は、マンホールM1、M2それぞれから管軸方向に長さ1.6m程度とする。さらに、発進側となるマンホールM1の既設管路Aの周りに先導管11が入る程度を斫りとった孔Cを形成する(図2参照)。その孔Cの軸方向(既設管路Aの筒軸方向)長さは40cm程度とする。その孔Cの形成時、その孔C内の既設管aは破砕して除去する。
次に、発進側となるマンホールM1(図1において右側)の底面に架台21及び元押装置20を設置する。その架台21等のマンホールM1への装入は、各種の吊り下げ機器(図示せず)によって吊り下ろすことによって行う。このとき、架台21等は横長のため、その横長方向を縦(上下方向)して装入する(図2参照)。
続いて、図2に示すように、外側の押圧ソケット17を取り付けた先導管11を吊りフックfを介した吊り下げによってマンホールM1内に装入する。このとき、油圧ジャッキ22は起立させてその油圧ジャッキ22に先導管11を嵌める(図3)。その後、図4に示すように、油圧ジャッキ22を倒伏させて先導管11を孔Cに同一軸上として臨ませる。
その後、図5に示すように、ロッド23を伸長させて先導管11を孔C内に押し込む。このとき、ロッド23の先端とマンホールM1周壁の間にスペーサ27を介在し(図4参照)、基板24が押圧ソケット17の後端に当接することによって先導管11は押し込まれる。また、抜き差しピン23aを油圧ジャッキ22に差し込んで架台21に固定し、ロッド23の伸長時、油圧ジャッキ22が架台21上を移動しないようにする。さらに、押圧ソケット17の存在によって、その長さ分、先導管11を孔C内に押し込むことができるとともに、外側リング14の後端のねじ14bの損傷が防止される。
なお、油圧ジャッキ22を起伏させるのは、狭いマンホールM1内で先導管11などを受け取り・横向き設置を行うためである。
そのロッド23が全開長さまで伸長したら、固定用差し板鋼材23bを抜いてロッド23を10cm程度収縮させる。このとき、図5に示すように、油圧ジャッキ22のロッド23と内壁固定の反力鋼板23cとを固定用差し板鋼材23bで繋いで、油圧ジャッキ22が動かないようにする。繋がないと、油圧ジャッキ22が押し込んだ位置に留まってしまうからである。
その後、固定用差し板鋼材23bを反力鋼板23cから外し、必要があれば、反力鋼板23cとマンホールM1周壁の間にスペーサ27を介在し、ロッド23とスペーサ27の間に反力鋼板23cを介在してロッド23を伸長させて先導管11を少し(例えば、6cm程)押し込む。この押し込みは人によっても良い。この押し込み完了後、押圧ソケット17を外側リング14からねじ外す。また、架台21に溶接やボルト締めによって先導管11を仮止めして先導管11が動かないようにして、図6に示すように、ロッド23を引き戻しする(収縮させる)。
その後、図6に示すように、反力鋼板23cとスペーサ27を取り除き、油圧ジャッキ22を上向き回転し、押圧ソケット17を吊り上げて回収する(同図実線から鎖線)。続けて、上記とは異なり、両押圧ソケット16、17を取り付けた鋼管製内外管18、19を吊り下げによってマンホールM1内に装入し、油圧ジャッキ22にその内外管18、19を嵌める(図3参照)。その後、油圧ジャッキ22を倒してその内外管18、19を先導管11に臨ませる。このとき、架台21と先導管11の仮止めは開放する。
その内外管18、19が先導管11に臨めば、図7(a)から同(b)に示すように、ロッド23を適宜に伸長しつつ、内管18を先導管11の内側リング13に押圧ソケット16を介してねじ込み固定すると共に、同外管19を同外側リング14に押圧ソケット17を介してねじ込み固定する。
この後、同図(c)に示すように、小型油圧ジャッキ25のロッド25aを伸長させる。この伸長に伴い、内管18を介して先導管11が進行し、既設管aを破砕刃12によって押し付け破砕する。
このとき、軸方向にずれた3段階の破砕刃12a、12b、12cによって段階的に既設管aが破壊されるため、押し割りによって十分に破壊される。その押し込み長さは、既設管aの破壊程度によって適宜に設定すれば良いが、例えば、陶管であれば、10cm程度とする。破壊された破砕ガラ(破砕片)a’は先導管11及び内管18内に収納される。
また、外管19は、内管18の押し込みとともに移動したり、地盤Wとの抵抗によって移動しなかったりするが、弾性体15の伸長によって内外管18、19の間の閉塞は維持される。
その後、図7(d)に示すように、油圧ジャッキ22のロッド23を上記小型油圧ジャッキ25のロッド25aの伸長長さと同程度伸長させる。この伸長によって、弾性体15が収縮しつつ、外管19が押し込まれる。このとき、破砕作用は行わないため、地盤Wからの土圧(地下水圧)があってもその押し込みは可能である。
この内管18及び外管19の押し込み時、押圧ソケット16、17の存在によって、その長さ分、内外管18、19を押し込むことができるとともに、内外管18、19の後端のねじの損傷が防止される。
以上の、尺取り虫の動きと同様な、小型油圧ジャッキ25による押し込みと、油圧ジャッキ22による押し込みを繰り返して同図(d)に示す状態から、後行きの内外管18、19の内外押圧ソケット16、17がマンホールM1内に少し突出する状態(上記油圧ジャッキ22が全開長さまで伸長した状態)となれば、架台21に溶接やボルト締めによって外管19を仮止めする。この後、内外押圧ソケット16、17を内外管18、19からねじ外した後、ロッド23を引き戻しする(収縮させる)。
その後、油圧ジャッキ22を上向き回転し、押圧ソケット16、17を吊り上げて回収する。その後、上記と同様に、両押圧ソケット16、17を取り付けた内外管18、19を吊り下げによってマンホールM1内に装入し、油圧ジャッキ22にその内外管18、19(2番目の内外管)を嵌める。その後、油圧ジャッキ22を倒してその内外管18、19を先行き(1番目)の内外管18,19に臨ませる。このとき、外管19の架台21への仮止めは開放する。
その内外管18、19が先行きの内外管18、19に臨めば、同様に、ロッド23を適宜に伸長しつつ、内管18を先行きの内管18にねじ込み固定すると共に、外管19を先行きの外管19にねじ込み固定する。この後、上記と同様に、尺取り虫の動きによって、押圧ソケット16、17を介して、小型油圧ジャッキ25による押し込みと、油圧ジャッキ22による押し込みを繰り返して(図7(c)、(d)参照)、図8に示すように、後行き(2番目)の内外管18、19の後端がマンホールM1内に少し突出する状態(上記油圧ジャッキ22が全開長さまで伸長した状態)となれば、架台21に溶接やボルト締めによって後行き(2番目)の外管19を仮止めする。このとき、上記のように、先導管11に突起13a、14aを介してリング13が一体化し、そのリング13に内管18がねじ込んで一体化されているため、外管19を架台21に仮止めすることによって先導管11の後退が阻止されて内管18が後方に押し戻されること(バッキング:BK)はない。
この後、押圧ソケット16、17を内外管18、19からねじ外した後、ロッド23を引き戻して、図9に示すように、油圧ジャッキ22を起立させるとともに、先導管11と内管18、18内の破砕ガラa’を撤去する。
破砕ガラa’を撤去した後、図9に示すように、その隣り合う内管18、18内に両管に亘る止水ボール31を装填して水にベントナイト等を混入した安定液cを充満させて内外管18,19内を止水する。この止水ボール31には開閉弁33付空気抜きパイプ32が水密に貫通して設けられている。
一方、図10に示すように、到達側(同図において左側)のマンホールM2の既設管路Aの管口に坑口リング(図示せず)を形成して抜け出し防止支保装置を構成する。
その後、到達側マンホールM2の既設管路Aの管口に止水ボール34を装入して止水し、開閉弁35付パイプ36から、上記と同様の安定液cを注入し、既設管路A内に安定液cを充満させて、地下水圧程度の圧力状態とする。このとき、発進側マンホールM1のパイプ32から空気抜きを行う。
この既設管路A内が地下水圧程度の安定液cで充満されていることによって、既設管aの破壊による振動等による土圧などによって既設管路Aの破損や既設管路A上部の地盤の崩壊及び弛みが生じる恐れが極めて少ないものとなる。
以後、又は、その前に、押圧ソケット16、17を吊り上げて回収する作用、両押圧ソケット16、17を取り付けた内外管18、19を吊り下げによってマンホールM1内に装入し、油圧ジャッキ22にその内外管18、19を嵌める作用、油圧ジャッキ22を倒してその内外管18、19を先行きの内外管18、19に臨ませて接続する作業等を行う。
このとき、空気抜きパイプ(バイパスパイプ)32の開閉弁33は閉じ、パイプ32は適宜に丸めて管路A内に収納する。上記BK防止の溶接等は開放(切断)する。
その後、小型油圧ジャッキ25による押し込みと、油圧ジャッキ22による押し込みを繰り返す尺取り虫の動きを、繰り返して、図11(a)に示すように、3番目の内外管18、19の押し込み及び既設管aの破壊を行う。この後、油圧ジャッキ22の起立、パイプ32の接続延長等を行い(図11(b))、さらに、上記と同様な作用を行って、図12に示す、4番目の内外管18、19の接続、同押し込み及び既設管aの破壊を行う。
4番目の内外管18、19の押し込みが完了すれば、図13に示すように、油圧ジャッキ22を起立させ、収縮した第2の止水ボール37を4番目の内外管18、19内に装入する。その止水ボール37には、エアホース38やフランジパッキン39a介在のパイプ39を貫通して設ける。エアホース38は管口付近まで移動させる。フランジパッキン39aは止水ボール37の前にあってその中にロッドを通す。
その状態で、5番目の内外管18、19のマンホールM1内への取り込み、4番目の内外管18、19への接続を行い、上記作用によって、押込み破壊を行う。5番目の内外管18,19の後端がマンホールM1の内面に至れば、図14(a)に示すように、第2の止水ボール37を後退させて5番目の内外管18、19まで移動させて、同(b)に示すように、第2の止水ボール37に安定液cを充満させて止水するとともに、第1の止水ボール31を縮小させて3番目の内外管18、19まで移動し、図15に示すように、その第1の止水ボール31に再度安定液cを充満させて止水する。
このように、2つの止水ボール31、37によって止水するのは、第1の止水ボール31の後退時、管路A内の多くの安定液cが管口から漏れ出ないように、第2の止水ボール37で止水するためである。
以後、第1、第2の止水ボール31、37の管口への移動(盛替)を行いながら、同様な作用によって、図16に示すように、先導管11、内外管18、19の推進(押し込み)、既設管aの破壊を繰り返し、到達側のマンホールM2まで、先導管11を至らす。
このとき、内管18の推進力(押圧力)の抵抗が高い(大きい)場合は、内管18外側にパッキンを設けた物を所々に配置して内管18に孔を開けて、安定液cが内外管18、19の間にも満たされる処置を行う。これによって、内管18が外管19に対して移動し易くなる。
到達側のマンホールM2においては、先導管11が至る前に、上記支保工を撤去し、管口を先導管11の外径に合わせ、到達坑口を形成する。
その後、さらに、内外管18、19の接続、同押し込み及び既設管aの破壊を行い、図17に示すように、先導管11を既設管a及び止水ボール34とともに到達側のマンホールM2内に押し抜く。その後、図18に示すように、安定液cを抜く。
同図に示すように、マンホールM2に至った先導管11は、吊り上げによって回収する。また、発進側の最終内管18に蓋45をし、到達側から内管18を順々にねじ外しして回収する。この内管18の引き抜きに伴ってその中の破砕ガラa’も回収することができる。引き抜きによる回収ができない場合、発進側から縮径管を異形アダプタとして使用して到達側に各内管18を押し抜く。全ての内管18が回収されれば、前記縮径管も回収する。それらの回収は先導管11と同様とする。
その内管18等が撤去された状態が図19に示すものであり、その状態で管路として使用可能であれば、適宜な後処理をして改築が終了する。この態様は、外管19によって新設管路Bが構築されたものとなる。
一方、外管19の管路Bでは強度等の面から十分でない場合、従来と同様な推進工法によって、外管19からなる管路(さや管)内に、鉄筋コンクリート管、鋼管等の本管を設置(装填)してその本管からなる新設管路を構築する。このとき、外管19と本管の間には、適宜な個所にスペーサを介在し、その間に中込材を充填する。その本管による新設管路Bは、推進工法によって本管を推進・継ぎ足しによって構築する。
また、外管19からなる管路が曲がっている等によって、新管(本管)を装入できない場合、その発進側の外管19に蓋をした後、到達側から外管19を引き抜きながら、その引き抜きによって生じた空洞に適宜な充填材を充填した(埋め戻した)後、推進工法によって前記新管を推進・継ぎ足しして新設管路を構築する。前記充填材は、ゲル状充填材やセメント系充填材等を使用し、例えば、クリーンバック工法(Clean Back System 株式会社立花マテリアル)などによって、既設管路Aを除去した部位(外管19を引き抜いた部位)全長を埋め戻す。
このとき、外管19の引き抜きが不可能な場合、引き抜きが可能となるまで、発進側から縮径管を押し込み外管19を押しながら外管19を回収する。引き抜き可能となった時点で、発進側の縮径管に蓋をして充填材を充填しながら、外管19及び縮径管を到達側のマンホールM2に引き抜く。その引き抜き及び充填が完了すれば、新管を推進工法によって所定の位置に敷設して新設管路を構築する。
また、引き抜かれた空洞が直線性の無いなどの管路として適切でない場合は、内外管18、19を引き抜き後、掘削等によって適切な直線性を持った形状とする。このとき、自然流下するように2〜3mm程度の落差勾配を設けた管路とする。
引き抜きが完了すれば、新管を推進工法によって引き抜かれた空洞に装填して新設管路を構築する。
なお、地盤が固く埋め戻す必要がなければ、外管19を引き抜いたままとして新設管路を構築しても良いし、外管19が新設管路の構築に支障がなければ、外管19を引き抜かなくても良い。
既設管路Aの直線性は、図17,図18の内外管18、19が到達坑M2に至った状態で測定したり、図19の内管18等が撤去された状態で測定したり、この改築工法を施工する前等の、管路の直線性を測定し得る時であれば、適宜な時に行えば良い。その直線性は、例えば、PASS:小口径管路測定システム(蛇行・勾配計測システム:Pipeline Alignment Surveying System 機動技研)等によって行う。
なお、上記止水ボール31の装填、安定液cの充填、防止支保装置の構築は、必ずしも図7(d)に示す内外管18、19を2つ連結した状態でなくても、既設管路Aの破損や既設管路A上部の地盤の崩壊及び弛みが生じる恐れがなければ、何時でも良く、全く、その恐れがなければ、それらを行う必要はない。
上記実施形態は、内外管18、19を先導管11に接続して、推進押圧破壊したが、一方の管18又は19によって、その推進押圧破壊ができれば、一方の管18又は19のみでも良い。この場合、リング13、14、ソケット16,17や元押装置20等もその態様に適合したものとすることは勿論である。
このとき、その押圧(推進)管(内管18又は外管19)で新設管路を構築できれば、本管(新管)を再装填する必要がないこと言うまでもない。
また、上記実施形態においては、押圧ソケット16、17を別々にしたが、図21、図22に示すように、段差を有するソケット50とすることもできる。このソケット50は、同図に示すように、内側ソケット51と外側ソケット52とからなり、両ソケット51、52は一方の突起53を他方のL字状溝54に嵌め込むことによって軸方向に一体となる。
このソケット50は、図21(a)に示すように、先導管11の内側リング13又は内管18に内側ソケット51をねじ込み、同外側リング14又は外管19に外側ソケット52をねじ込んで一体とする。そのとき、内側リング13、内管18、外側リング14、外管19は適宜に引き出してそのねじ合わせを行い、後からねじ合わせするソケット51又は52のねじ合わせ時、上記突起53と溝54の嵌め込みによって両者51、52を一体とする(図22(b))。
このソケット50による押圧は、図22(b)に示すように、内側ソケット51外面の突起53が外側ソケット52内面の段差に係止している状態において、図21(c)に示すように、油圧ジャッキ22によって内側ソケット51を介して先導管11又は内管18を押し、既設管aを破壊する。このとき、外側ソケット52を回転させて突起53と溝54を嵌め合わせてバッキング(BK)を防止する(図22(b))。
また、上述のように、外管19は、内管18の押し込みとともに移動したり、地盤Wとの抵抗によって移動しなかったりするが、弾性体15の伸長によって内外管18、19の間の閉塞は維持される。その外管19が移動しなかった場合、図22(a)から同(b)に示すように、内側ソケット51に対して外側ソケット52を回転させて突起53を溝54の軸方向部分に移動させた後、図21(d)に示すように、外側ソケット52を押圧して、外管19を移動させる。その後、油圧ジャッキ22のロッド23を後退させ、図21(d)に示すように、U型スペーサ55を外側ソケット52と基板24の間に介在して外管19を押し付けることによりバッキングを防止する。
以上の作用を行って、先導管11に両ソケット51、52を介して内外管18、19を接続するとともに、既設管aを押圧破砕し、図17に示す外管19等からなる管路を構築する。
図23には、他の実施形態を示し、この実施形態は、到達側マンホールM1からスケジュール管61を継ぎ足しながら、発進側に設置した先導管11に至らせ、そのスケジュール管61の先端に内面静的破砕油圧装置70を備えたものである。
内面静的破砕油圧装置70は、油圧ジャッキ71で開閉する破砕刃72を有し、その破砕刃72が同図(a)から(c)に開くことによって既設管aを破壊する。このため、先導管11の推進による既設管aの破壊と協働して行うこととなる。油圧ジャッキ71には、油圧ホース62によって到達側から油圧を供給する。
なお、内面静的破砕油圧装置70の後退に伴って先導管11は上記実施形態と同様な作用によって進行する。
既設管aは陶管以外に、塩ビ管、ヒューム管、鋼管等に適宜に採用し得る。これらの既設管aは数十年経過しているため、劣化していることから、押圧破砕が可能である。
また、先導管11、内外管18、19の接続は、ねじ込み以外に、嵌め込み(図22参照)によるなどの種々の手段を採用し得る。
さらに、破砕刃12は先導管11の外周面に設けることもできる。
なお、マンホールM1、M2への他の管路(マンホールM1の右側管路、マンホールM2の左側管路)は、改築する必要が有れば、同様の作業又は開削によって新設管路としたり、改築が不要であれば、そのままとしたりする。
実施形態においては、既設管aの挿し口側からの破砕であったが、受口側(マンホールM2)からの破砕とすることができるが、挿し口側からの破砕が好ましい。
この発明における既設管路Aの撤去方法(押し破砕)は下水管に限らず、上水管、ガス管等の種々の管路の改築に適用できることは勿論である。また、油圧ジャッキ22の回転構造は、マンホール内への設置に限らず、狭いところへの油圧ジャッキ22の設置に応用することができる。さらに、安定液cの既設管路Aへの注入は、既設管路Aの破壊や既設管路A上部の地盤の崩壊及び弛みの発生防止以外に種々の管路の改築に採用できる。
このように、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
A 既設管路
M1 発進側マンホール
M2 到達側マンホール
a 既設管
a’ 破砕片(破砕ガラ)
c 安定液
11 先導管
12、12a、12b、12c 破砕刃
13、14 先導管への装着リング
15 弾性体
16、17 押圧ソケット
18 内管(推進管)
19 外管(推進管)
20 元押装置
21 架台
22 油圧ジャッキ
23 同ロッド
24 同基板
25 小型油圧ジャッキ
25a 同ロッド
31 第1の止水ボール(発進側)
32、36 空気抜きパイプ
33、35 開閉弁
34 止水ボール(到達側)
37 第2の止水ボール(発進側)
38 エアホース
50 段差ソケット
51 内側ソケット
52 外側ソケット
61 スケジュール管
62 油圧ホース
70 内面静的破砕油圧装置
71 油圧ジャッキ
72 破砕刃

Claims (9)

  1. 地中に埋設された既設管路(A)の改築工法であって、前記既設管路(A)をなす既設管(a)の端面から、破砕刃(12)を管軸方向に移動させ、その移動による破砕刃(12)の既設管(a)への押圧によって既設管(a)を破砕し、その破砕した破砕片(a’)を回収して、その破砕片(a’)を回収した既設管路(A)が存在していた部位に新設管路(B)を構築する既設管路の改築工法。
  2. 上記破砕刃(12)が先導管(11)内に設けられたものであり、その先導管(11)内に上記既設管(a)の端部を入れつつ、上記押圧破砕を行うことを特徴とする請求項1に記載の既設管路の改築工法。
  3. 上記先導管(11)を推進管(18、19)を継ぎ足しながら推進し、その推進によって破砕刃(12)の既設管(a)への押圧を行う請求項1に記載の既設管路の改築工法。
  4. 上記継ぎ足された推進管(18、19)を新設管路(B)とする、又は上記継ぎ足された推進管(18、19)をさや管とし、そのさや管内に新設管路(B)を構築する請求項3に記載の既設管路の改築工法。
  5. 上記既設管路(A)の直線性を測定し、直線性が出ていれば、上記継ぎ足された推進管(18、19)を新設管路(B)とし、直線性が出ていなければ、上記破砕片(a’)を回収後、上記継ぎ足された推進管(18、19)を引き抜きながら、推進工法で新設管路(B)を構築することを特徴とする請求項3に記載の既設管路の改築工法。
  6. 上記推進管を内外の2重管(18、19)により構成し、その内管(18)で上記先導管(11)を押圧し、その後、内管(18)が進行した距離分、外管(19)を進行させることを特徴とする請求項3乃至5の何れか1つに記載の既設管路の改築工法。
  7. 上記既設管路(A)の両端を止水し、その間に安定液(c)を充填することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一つに記載の既設管路の改築工法。
  8. 請求項1乃至7の何れか一つに記載の既設管路の改築工法に使用する既設管破砕装置であって、
    円環状先導管(11)と、その先導管(11)の内面周囲に設けた破砕刃(12)と、前記先導管(11)を、既設管(a)の管軸方向に移動させて、前記破砕刃(12)により、既設管(a)の端面に押圧して既設管端部を破砕する作用を繰り返す駆動手段と、
    を有する既設管破砕装置。
  9. 上記破砕刃(12)は、上記先導管(11)の周囲に複数設けられて管軸方向前後にずれていることを特徴とする請求項8に記載の既設管破砕装置。
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