JP6252861B2 - トンネル構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トンネル掘進機によって地山を掘削するとともに地山の掘削面に沿ってセグメントを設置してトンネルを構築してゆくトンネル構築方法に関する。
従来、トンネルTを構築する方法としてトンネルボーリングマシン(T.B.M)やシールド工法が多用されており、シールド工法では、筒状のスキンプレートの前部側(フード部)に、地山を掘削するためのカッタヘッド、スキンプレートの後部側(テール部)の内部に、推進ジャッキやエレクタ装置などを備えたトンネル掘進機が用いられている。そして、シールド工法においては、カッタヘッドを切羽面に当接させて地山を掘削し、セグメントの端部で反力を確保して推進ジャッキを伸長させることでトンネル掘進機を掘進させる。また、このように地山を掘削するとともに、エレクタ装置でセグメントを順次組み立てて地山の掘削面に沿ってセグメントリング(覆工体)を構築してゆく。
一方、トンネル掘進機で地山を掘削するとともにスキンプレートと地山の掘削面の間の空洞(余掘り空間)に裏込め材を充填し、この防護工としての裏込め注入工によって地山の肌落ちや沈下を防止するようにしている。さらに、シールドトンネルの地中拡幅などを行う際に、防護工として凍結工法を適用する場合がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−264717号公報
ここで、防護工として凍結工法を適用する場合には、組み立てたセグメントに凍結膨張圧が作用し、この凍結膨張圧によってセグメントボルトが破断するおそれがある。また、凍結膨張圧が大きい場合には、セグメントに破損が生じることもあり得る。このため、トンネル構築時の防護工として凍結工法を用いる場合には凍結膨張圧を低減することが必要になる。
そして、従来、凍結膨張圧対策手法として、「凍結管列外側への温水管設置」、「凍土周囲の地山抜き取り」、「凍結運転制御(間引き運転等)による凍土成長の抑制」、「凍結膨張圧に対応したセグメントの補強」等が用いられている。
しかしながら、「凍結管列外側への温水管設置」は、掘削開始後の凍土量の増加を好適に抑えることができ、効果的に凍結膨張圧を低減することが可能であるが、凍結管とほぼ同数の温水管を地山に埋設する必要があり、コストの増大、工期の長期化を招くという問題がある。
「凍土周囲の地山抜き取り」は、凍土周囲の地山を抜き取り、凍結膨張分を吸収する方法であり、この手法も効果的に凍結膨張圧を低減することが可能であるが、定量的な予測が難しく、また、掘削作業中にも抜き取り作業をする場合、作業の支障になって工期の長期化を招く可能性がある。また、抜き取り工によるコストの増大も生じる。
「凍結運転制御による凍土成長の抑制」は、手法として提案されているが、制御が難しく効果が得られにくい。
「凍結膨張圧に対応したセグメントの補強」は、粘性土を含む土層や大きな凍土厚を造成する場合、例えば径が16m近くの大断面シールドの切り開きで400〜1500kN/mの凍結膨張圧が発生すると推定されており、鋼鉄などの補強部材を用いてもこのような大きな凍結膨張圧に対応することが難しい。
すなわち、凍結工法は、優れた遮水性と強度を併せ持ち、シールドの発進・到達時やセグメントの切り開き時の防護工として多用されるが、特に大規模な凍土造成や凍結対象地山に粘性土が含まれているような場合に凍結膨張圧が大きくなり、周辺(立坑・セグメントなど)に影響を与えるおそれがある。これに対し、上記の通り、緩衝孔の設置や、温水管の設置による不要凍土の抑制などにより凍結膨張圧を低減する手法が用いられているが、コストの増大、工期の長期化を招くなどの問題がある。
本発明は、上記事情に鑑み、確実に凍結膨張圧を吸収でき、防護工の工期短縮、コストダウンを可能にするトンネル構築方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明のトンネル構築方法は、トンネル掘進機を用いて地山を掘削するとともに地山の掘削面に沿ってセグメントを設置し、前記セグメントと地山の掘削面の間の空洞に裏込め材を充填してトンネルを構築する方法において、凍結工法を用いて地山を凍結する凍結区間では、前記セグメントと地山の間に袋体を介在させ、前記トンネル掘進機のテールパッキン通過後に凍結管を地山に挿入配置し、前記袋体を膨張させた状態で前記凍結管にブラインを供給してトンネル周囲の地山を凍結させることを特徴とする。
また、本発明のトンネル構築方法においては、前記凍結区間のセグメントが、一般部の施工区間のセグメントに対して外径が小さくなるように形成されるとともに外面に前記袋体を取り付けて形成され、且つ前記袋体を前記一般部の施工区間のセグメントに対して縮小した高さ以下となるように膨張させつつ、前記袋体を成形物で被覆して前記一般部の施工区間のセグメントと略同形同大になるように形成されていることが望ましい。
さらに、本発明のトンネル構築方法においては、前記凍結区間のセグメントが、主桁、継手板、縦リブ、スキンプレートからなるスチールセグメントとされ、スキンプレートをトンネル内側に配置して形成されるとともに主桁、継手板とスキンプレートで囲まれた内部空間に前記袋体を設置して形成され、且つ前記袋体を膨張させつつ、前記袋体を成形物で被覆し前記凍結区間のセグメントの外面が形成されていてもよい。
また、本発明のトンネル構築方法においては、前記凍結区間のセグメントが、外面に袋体を取り付けて形成されるとともに、縮小時に前記袋体が外面に接するように配されて前記セグメントの外側が略平らになるように形成されていてもよい。
さらに、本発明のトンネル構築方法においては、前記凍結区間のセグメントが、主桁、継手板、縦リブ、スキンプレートからなるスチールセグメントとされ、スキンプレートをトンネル内側に配置して形成されるとともに主桁、継手板とスキンプレートで囲まれた内部空間に前記袋体を設置、あるいはスキンプレートをトンネル内側に配置して形成されるとともに縦リブを主桁より低くし、該縦リブとセグメント外側の間に袋体を設置して形成され、且つ縮小した状態の前記袋体を成形物で被覆し前記凍結区間のセグメントの外面が形成されていてもよい。
また、本発明のトンネル構築方法においては、前記袋体への充填物を加熱する設備を備え、凍土の影響を受けて前記袋体が凍結することを防止し、前記袋体内の充填物の流動性を維持することが望ましい。
さらに、本発明のトンネル構築方法においては、上記のトンネル構築方法において、前記袋体を膨張、縮小させるための連通孔と、前記連通孔に設けられたリリーフ弁及び/又は開閉弁と、前記袋体を成形物で被覆してなる保護層に設けられ、該保護層を通じてセグメントにかかる荷重を計測するための圧力計とを備え、前記圧力計で計測した計測値に基づいて前記袋体の圧力を調節することがより望ましい。
本発明のトンネル構築方法においては、セグメントと地山の間に袋体を設け、この袋体をクッションとして凍結膨張圧(凍土膨張による変位)を吸収することにより、凍結工法を防護工として用いた際にセグメントにかかる荷重を低減することができ、セグメントボルトの破断やセグメントの破損などを防止することができる。
また、袋体をクッションとして用いるようにしたことで、モルタル等の保護層を通じてセグメントにかかる荷重を圧力計で直接管理することが可能になり、確実に凍結膨張圧を低減することができる。さらに、従来のセグメントと同様にテールパッキンを通過し、且つ即時に裏込め注入が可能である。
また、袋体を予めセグメントに取り付けた袋付きセグメントは事前に製作できるため、工期に与える影響がほとんどなく、従来の手法に比べて大幅な工期短縮を実現することが可能である。
さらに、コスト面においては、袋体の設置費用、モルタル等の保護層設置費用が別途必要になるが、従来の手法に比べ、緩衝孔のボーリングや温水の循環設備などの大掛かりな施工や設備が不要になるため、結果として大幅なコストダウンを実現できる。
本発明の一実施形態に係るトンネル構築方法、第1の袋体取付け構造を示す図である。 本発明の一実施形態に係るトンネル構築方法、第1の袋体取付け構造で凍土膨張による変位を吸収している状態を示す図である。 図3(a)は一般的なスチールセグメント、図3(b)は本発明の一実施形態に係るトンネル構築方法で用いるセグメント、第2の袋体取付け構造を示す図である。 本発明の一実施形態に係るトンネル構築方法、第3の袋体取付け構造を示す図である。 本発明の一実施形態に係るトンネル構築方法、第3の袋体取付け構造で凍土膨張による変位を吸収している状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係るトンネル構築方法、第4の袋体取付け構造を示す図である。
以下、図1から図6を参照し、本発明の一実施形態に係るトンネル構築方法について説明する。
本実施形態のトンネル構築方法は、トンネル掘進機を用いて地山を掘削するとともに地山の掘削面に沿ってセグメントを設置し、このセグメントと地山の掘削面の間の空洞に裏込め材を充填してトンネルを構築する方法に関し、さらに凍結工法を用いて地山の崩落等を防止しながらトンネルを構築する方法に関するものである。
はじめに、本実施形態のトンネル掘進機1は、図1に示すように、筒状のスキンプレート2の前部側(フード部)に、地山Gを掘削するためのカッタヘッド、後部側(テール部2a)に、推進ジャッキや、スキンプレート内でセグメント3、4を順次組み立てて地山Gの掘削面に沿ってセグメントリング(覆工体)5を構築するエレクタ装置などを備えて構成されている。また、テール部2aには、裏込め材6がトンネル掘進機1の後端から内部(スキンプレート2の内部)に流入することを防止するためのテールパッキン(テールシール)7が、トンネル掘進機1の軸線方向(掘進方向)Mに所定の間隔をあけて複数設けられている。
そして、上記のトンネル掘進機1を用いてトンネルを構築する際には、カッタヘッドを切羽面に当接させて地山Gを掘削し、セグメント3、4の端部で反力を確保し推進ジャッキを伸長させることでトンネル掘進機1を掘進させる。また、このように地山Gを掘削するとともに、エレクタ装置でセグメント3、4を順次組み立てて地山Gの掘削面に沿ってセグメントリング5を構築してゆく。
また、地山Gの掘削面とセグメント3、4の間に形成された空洞(テールボイド)で地山Gの肌落ちや沈下(地山の緩み)が発生することを防止するため、このセグメント3、4と地山Gの掘削面の間の空洞に順次裏込め材6を充填してゆく。
さらに、本実施形態のトンネル構築方法では、地山強度が低く、地山耐力を増大させることが必要な施工区間(凍結区間)に対し凍結工法を適用する。すなわち、図1及び図2に示すように、この施工区間では、トンネル掘進機1を掘進させてテールパッキン7が通過し、裏込め材6を空洞に充填した後に、セグメント4の内側からトンネル周囲の地山Gを削孔し、凍結管8を削孔に挿入配置する。そして、この凍結管8にブラインを供給し、トンネル周囲の地山Gを凍結させて凍土を造成する。これにより、地山耐力を増大させ、地山Gの肌落ちや沈下が発生することを防止する。
このとき、凍結膨張による変位を吸収してセグメント4にかかる凍結膨張圧を低減することが必要になる。また、凍結膨張による変位を吸収できればセグメント4にかかる凍結膨張圧は発生しないが、セグメント4が周辺地山Gの土水圧を支持する必要があるため、凍結膨張中においても土水圧以上でセグメント4の設計荷重以下となる一定の圧力を保持する必要がある。
そして、本実施形態のトンネル構築方法では、この条件を満足する凍結膨張圧の低減手段として、セグメント4と凍結の対象となる地山Gの間に袋体10を介在させ、この袋体10を膨らませてクッションにすることで、地山Gが変位しても土水圧以上の圧力を保持できるようにする。
具体的に、クッションとなる袋体10をセグメント4の外側あるいは内側に予め取り付けた袋付きセグメントを用い、凍結区間において、シールド掘進機1内からエレクタ装置で袋付きセグメント4を順次組み立てて地山Gの掘削面G1に沿ってセグメントリング5を構築してゆくことにより、袋体10を地山Gとセグメント4の間に介在させる。
また、袋体10とセグメントリング5内の坑内とを連通させる連通孔(連通管)11を1つ以上設けるようにし、袋体10内に空気もしくは不凍液を充填することで、地山Gの掘削面とセグメント4の間で膨張させる。袋体10内に充填するものとしては前記以外にも液体、ゲル状の物質等であれば様々なものが利用可能である。さらに、本実施形態では、袋体10の連通孔11に1つ以上のリリーフ弁と開閉弁を設けるようにし、設定圧力以上の過大圧力作用時に自動的にリリーフ弁が開き一定の圧力を維持でき、また、開閉弁で袋体10の連通孔11を自在に開閉できるようにする。
ここで、図1に示すように、袋体10をセグメント4に予め取り付けた場合、シールド掘進機1内でセグメント4とともに組み立て配置された袋体10上をシールド掘進機1のテールパッキン7が通過する。そして、このとき、テールパッキン7がシール掘削機1内に地下水等が侵入することを防止するためのものであるため、通過時にセグメント4の外側の段差が大きいとその機能が発揮されなくなるおそれがある。
これに対し、本実施形態では、従来のセグメント3と同様にテールパッキン7を好適に通過させ、且つ即時に裏込め注入が可能な凍結膨張による変位吸収用の袋体10の4つの取付け構造を適宜選択的に用いる。
図1及び図2に示すように、第1の袋体取付け構造では、一般部のセグメント3と比べてセグメント(袋付きセグメント)4の外径を小さくし、このセグメント4の外側に袋体10を取り付け、地山圧力を保持可能な圧力となるように袋体10を膨張させておく。また、膨張した袋体10の高さがセグメントの外径を縮小した高さ分以下となるようにセグメント寸法や袋体10を設定する。
さらに、セグメント4の外側の膨張した袋体10以外の部分は一般部のセグメント3と同じ形状となるように成形物12を用いて成形し、この成形物12で袋体10を被覆しつつセグメント4の外面を形成する。成形物12には、ゴムやモルタル等、変形や破損することで地山圧力を確実に袋体10に伝達させることが可能な材料を用いる。また、凍結管8は袋体10と干渉しないように配置し、スリーブ管で保護する。
そして、テールパッキン7が通過した後に凍結管8を地山Gに押し付けるように押し込み、地山Gを削孔して凍結管8を地山Gに挿入し、セグメント4の外側の地山Gを凍結させる。このとき、第1の袋体取付構造を備えた場合には、凍結膨張による地山変位が生じると、凍結膨張圧を受けるとともに成形物12が変形、破損し、この凍結膨張圧がクッションの袋体10に伝わって吸収、緩和される。これにより、セグメント4に凍結膨張圧が作用し、セグメントボルトの破断やセグメントの破損が生じることが確実に防止される。
図3(図1参照)に示すように、第2の袋体取付け構造では、凍結区間のセグメント4としてスチールセグメントを使用する。このスチールセグメント4は、主桁、継手板13、縦リブ14やスキンプレート15等で構成され、セグメント4の主桁高さ(セグメント4の外径及び内径)を他の一般部のセグメント3と同じように形成する。また、セグメント4の主桁や継手板13で囲まれた内部にクッションとなる袋体10を設置する。
スキンプレート15は通常セグメント3の外側に配置するが、本実施形態では袋体10より内側に配置し地下水の坑内への漏水を防止する。また、袋体10には、空気もしくは不凍材を予め充填しておき、外圧相当以上の圧力を保持しておく。
さらに、スキンプレート15より外側でセグメント高さ内の膨張した袋体10以外の部分は成形物12を用いて成形し、この成形物12で袋体10を被覆しつつセグメント4の外面を形成する。この成形物12は、第1の袋体取付け構造と同様、ゴムやモルタル等、変形や破損により圧力を伝達できる材料を用いる。また、凍結管8は袋体10と干渉しないようにして配置するとともにスリーブ管で保護する。
そして、テールパッキン7が通過した後に凍結管8を地山Gに押し付けるように押し込み、地山Gを削孔して凍結管8を地山Gに挿入し、セグメント4の外側の地山Gを凍結させる。このとき、第2の袋体取付構造を備えた場合には、凍結膨張による地山変位が生じると、凍結膨張圧を受けるとともに成形物12が変形、破損し、この凍結膨張圧がクッションの袋体10に伝わって吸収、緩和される。これにより、セグメント4に凍結膨張圧が作用し、セグメントボルトの破断やセグメントの破損が生じることが確実に防止される。
図4及び図5に示すように、第3の袋体取付け構造では、一般部のセグメント3と同じ高さのセグメント4の外側に袋体10を取り付ける。さらに、袋体10は、縮小したときにセグメント4の外側が平らに近くなるような材料で形成されている。また、凍結管8は袋体10と干渉しないようにして配置するとともにスリーブ管で保護する。
そして、テールパッキン7が通過した後に凍結管8を地山に押し付けるように押し込み、地山Gを削孔するとともに、袋体10を地山圧力の保持が可能な圧力まで膨張させる。これにより、凍結膨張による変位が生じた場合に、凍結膨張圧がクッションの袋体10で吸収、緩和され、セグメント4に作用することが防止される。よって、セグメント4に凍結膨張圧が作用し、セグメントボルトの破断やセグメントの破損が生じることが確実に防止される。
図6に示すように、第4の袋体取付け構造では、凍結区間のセグメント4としてスチールセグメントを使用する。このスチールセグメント4は、主桁、継手板、縦リブやスキンプレート等で構成され、セグメント4の主桁高さ(セグメント4の外径及び内径)を他の一般部のセグメント3と同じように形成する。また、縦リブを主桁より低くし、縦リブとセグメント外側の間に袋体10を配置する。もしくは縦リブを主桁と略同等の高さにし、主桁、継手板と縦リブで囲まれた範囲に袋体10を配置する。
また、スキンプレートより外側でセグメント高さ内の袋体10以外の部分は成形物12を用いて成形し、この成形物12で袋体10を被覆しつつセグメント4の外面を形成する。この成形物12は、第1の袋体取付け構造と同様、ゴムやモルタル等、変形や破損により圧力を伝達できる材料を用いる。
また、本実施形態では袋体10より内側にスキンプレートを配置し地下水の坑内への漏水を防止する。さらに、凍結管8は袋体10と干渉しないようにして配置するとともにスリーブ管で保護する。
そして、テールパッキン7が通過した後に凍結管8を地山Gに押し付けるように押し込み、地山Gを削孔して凍結管8を地山Gに挿入し、セグメント4の外側の地山Gを凍結させる。これにより、凍結膨張による変位が生じた場合に、凍結膨張圧がクッションの袋体10で吸収、緩和され、セグメントに作用することが防止される。
したがって、本実施形態のトンネル構築方法においては、上記の第1から第4の袋体取付け構造を適宜選択的に採用してセグメント4と地山Gの間に袋体10を設け、この袋体10をクッションとして凍結膨張圧(凍土膨張による変位)を吸収することにより、凍結工法を防護工として用いた際にセグメント4にかかる荷重を低減することができ、セグメントボルトの破断やセグメントの破損などを防止することができる。
また、袋体10内の充填物を不凍液以外の液体、ゲル状の物質等とした場合、充填物の凍結を防止するため、充填物を加熱する設備を備え、袋体10内の充填物の流動性を維持するようにするとよい。具体的に、直接または間接に加熱する方法として温水循環設備、電気ヒーター、ガス燃焼等の方法が挙げられる。
また、袋体10をクッションとして用いるようにしたことで、モルタル等の成形物12からなる保護層によってテールパッキン7の通過時の水密性等を確保しつつ、この保護層を通じてセグメント4にかかる荷重を圧力計で直接管理することも可能になる。さらに、この場合には、圧力計の計測値に応じて、袋体10の連通孔11に設けられた開閉弁やリリーフ弁で袋体10の圧力を調節することができ、確実に袋体10で吸収、緩和させ、セグメント4にかかる凍結膨張圧を低減することができる。
さらに、従来のセグメント3と同様にテールパッキン7を好適に通過させ、且つ即時に裏込め注入を行うことも可能である。
また、袋体10を予めセグメント4に取り付けた袋付きセグメントは事前に製作できるため、工期に与える影響がほとんどなく、従来の手法に比べて大幅な工期短縮を実現することが可能である。
さらに、コスト面においては、袋体10の設置費用、モルタル等の保護層設置費用が別途必要になるが、従来の手法に比べ、緩衝孔のボーリングや温水の循環設備などの大掛かりな施工や設備が不要になるため、結果として大幅なコストダウンを実現できる。
以上、本発明によるトンネル構築方法の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 トンネル掘進機
2 スキンプレート
2a テール部
3 一般部のセグメント
4 凍結区間のセグメント
5 セグメントリング(覆工体)
6 裏込め材
7 テールパッキン
8 凍結管
10 袋体
11 連通孔(連通管)
12 成形物
13 継手板
14 縦リブ
15 スキンプレート
G 地山
M トンネル軸線方向

Claims (7)

  1. トンネル掘進機を用いて地山を掘削するとともに地山の掘削面に沿ってセグメントを設置し、前記セグメントと地山の掘削面の間の空洞に裏込め材を充填してトンネルを構築する方法において、
    凍結工法を用いて地山を凍結する凍結区間では、前記セグメントと地山の間に袋体を介在させ、
    前記トンネル掘進機のテールパッキン通過後に凍結管を地山に挿入配置し、前記袋体を膨張させた状態で前記凍結管にブラインを供給してトンネル周囲の地山を凍結させることを特徴とするトンネル構築方法。
  2. 請求項1記載のトンネル構築方法において、
    前記凍結区間のセグメントが、一般部の施工区間のセグメントに対して外径が小さくなるように形成されるとともに外面に前記袋体を取り付けて形成され、
    且つ前記袋体を前記一般部の施工区間のセグメントに対して縮小した高さ以下となるように膨張させつつ、前記袋体を成形物で被覆して前記一般部の施工区間のセグメントと略同形同大になるように形成されていることを特徴するトンネル構築方法。
  3. 請求項1記載のトンネル構築方法において、
    前記凍結区間のセグメントが、主桁、継手板、縦リブ、スキンプレートからなるスチールセグメントとされ、スキンプレートをトンネル内側に配置して形成されるとともに主桁、継手板とスキンプレートで囲まれた内部空間に前記袋体を設置して形成され、
    且つ前記袋体を膨張させつつ、前記袋体を成形物で被覆し前記凍結区間のセグメントの外面が形成されていることを特徴とするトンネル構築方法。
  4. 請求項1記載のトンネル構築方法において、
    前記凍結区間のセグメントが、外面に袋体を取り付けて形成されるとともに、縮小時に前記袋体が外面に接するように配されて前記セグメントの外側が略平らになるように形成されていることを特徴とするトンネル構築方法。
  5. 請求項1記載のトンネル構築方法において、
    前記凍結区間のセグメントが、主桁、継手板、縦リブ、スキンプレートからなるスチールセグメントとされ、スキンプレートをトンネル内側に配置して形成されるとともに主桁、継手板とスキンプレートで囲まれた内部空間に前記袋体を設置、あるいはスキンプレートをトンネル内側に配置して形成されるとともに縦リブを主桁より低くし、該縦リブとセグメント外側の間に袋体を設置して形成され、
    且つ縮小した状態の前記袋体を成形物で被覆し前記凍結区間のセグメントの外面が形成されていることを特徴とするトンネル構築方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のトンネルの構築方法において、
    前記袋体への充填物を加熱する設備を備え、凍土の影響を受けて前記袋体が凍結することを防止し、前記袋体内の充填物の流動性を維持することを特徴とするトンネル構築方法。
  7. 請求項2、請求項3、請求項5のいずれか一項に記載のトンネル構築方法において、
    前記袋体を膨張、縮小させるための連通孔と、
    前記連通孔に設けられたリリーフ弁及び/又は開閉弁と、
    前記袋体を成形物で被覆してなる保護層に設けられ、該保護層を通じてセグメントにかかる荷重を計測するための圧力計とを備え、
    前記圧力計で計測した計測値に基づいて前記袋体の圧力を調節することを特徴とするトンネル構築方法。
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