JP2004231678A - 硬質ポリウレタンフォーム成形用組成物、及び該組成物を用いた硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

硬質ポリウレタンフォーム成形用組成物、及び該組成物を用いた硬質ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発泡剤としてハイドロカーボン類を単独で、または、ハイドロカーボン類と水を併用して使用した硬質ポリウレタンフォームにおいて、低温寸法安定性を、容易に且つ安価な方法により改善できる、硬質ポリウレタンフォーム成形用組成物、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】改質添加剤として隣接して不飽和結合とカルボニル基を有する化合物を、有機ポリイソシアネートまたはポリオール100質量部に対し0.01〜20質量部用いることにより解決する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は硬質ポリウレタンフォーム成形用組成物および製造方法に関し、更に詳しくは、発泡剤としてハイドロカーボン類(必要に応じて、さらに水)を使用した、低温での寸法安定性に優れる硬質ポリウレタンフォーム成形用組成物および製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、硬質ポリウレタンフォームを製造する方法として、発泡剤として塩素を含むフロン類(CFC−11、HCFC−141b、HCFC−123、HCFC−22、CFC−12等のCFC類およびHCFC類)を用いる方法が公知である。しかし、CFC類およびHCFC類はオゾン層破壊という環境問題の原因の一つとされており、削減及び撤廃が実施されようとしている。そのため、水とイソシアネート基の反応により発生する炭酸ガスを利用する水発泡が注目された。
【0003】
しかしながら、水だけを発泡剤として用いた場合、従来のCFC類あるいはHCFC類を用いて発泡したフォームに比べ、脆性が強く、結果として面材との接着性が悪化し、また、寸法安定性に劣るため低密度化が困難であるという問題が生じていた。
【0004】
近年、発泡剤としてハイドロフルオロカーボン類(以下「HFC類」と略記)が注目されている。しかし、HFC類は水発泡における発泡ガスである炭酸ガスと比べて沸点が高く、低温においてはフォームのセル内で液化してセル内圧を低下させ、結果としてフォームの寸法安定性が悪化するという問題がある。また、HFC類はオゾン破壊係数(ODP)は有しないものの、地球温暖化係数(GWP)が高いという、環境上の問題点を有している。
【0005】
そこで、オゾン破壊係数(ODP)や地球温暖化係数(GWP)の心配のない代替発泡剤として、ハイドロカーボン類の使用が近年、特に注目されている。しかし、ハイドロカーボン類は従来の発泡剤に比してポリオールへの溶解性が低い。そのため、好適な密度を得るべく発泡剤として必要な量を導入するには限界が生じ、導入しきれない分を水などの別の発泡剤を用いて補う必要があった。この場合、同時に、得られる硬質ポリウレタンフォームに所望される熱伝導性能についても限界が生じていた。
【0006】
一方で、比較的ハイドロカーボン類との溶解度の高いポリオールを選択する等の方法により、ハイドロカーボン類の導入量を増やし、得られる硬質ポリウレタンフォームに所望される熱伝導性能を確保する方法が考えられた。しかしこの場合、得られる硬質ポリウレタンフォームの寸法安定性、特に低温寸法安定性が著しく悪化するという問題があった。
【0007】
これら一連の問題は結果として、ハイドロカーボン類を発泡剤とした組成に切り替えるために、原料、特にポリオールについて、硬質ポリウレタンフォームを得るための組成を大幅に見直す必要性が生じるという問題に発展した。故に、安易に切り替えることができず、また、組成を成す原料の見直しにかかるコストが非常に大きかった。
【0008】
これまで、フォームの寸法安定性の悪化を防ぐ方法として、特定のポリオールを用いる方法、具体的には、ショ糖を開始剤とした高官能ポリエーテルポリオールと芳香族系ポリオールを各々特定量以上導入し併用する方法(例えば、特許文献1参照)、両末端にヒドロキシル基を有する特定の第三級アミノアルコールと特定の陰イオン性離脱基を持つ炭化水素を併用する方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
【0009】
また、フォームの寸法安定性の悪化を防ぐ別の方法として、発泡剤としてハイドロカーボン類と反応に起因しない不活性ガスとの混合物を用いる方法(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
【0010】
一方で、1,2−ブチレンオキサイドを付加重合して得られるポリエーテルポリオールを用いる方法(例えば、特許文献4参照)、5種類の限定された特定のポリオールからなる混合ポリオールを用いる方法(例えば、特許文献5参照)、特定の芳香族系エステルポリオールと特定開始剤組成のポリエーテルポリオールからなる混合ポリオールを用いる方法(例えば、特許文献6参照)のように、ポリオールとハイドロカーボン類との溶解性を確保しながらフォームの寸法安定性の悪化を防ぐ方法も提案されている。
【0011】
しかし、これらいずれの方法も、特定組成のポリオールを必要とする等、これまでのCFC類やHCFC類を発泡剤として用いてきた組成を大幅に変える必要があるなど、経済面での不利益が非常に大きい。
【0012】
【特許文献1】
特開平10−182776号公報(第2〜4頁)
【特許文献2】
特開平10−182780号公報(第2〜4頁)
【特許文献3】
特開2000−53743号公報(第2〜4頁)
【特許文献4】
特開平10−218964号公報(第2〜4頁)
【特許文献5】
特開平10−110022号公報(第3〜5頁)
【特許文献6】
特開2001−158815号公報(第2〜4頁)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、発泡剤としてハイドロカーボン類を用いた場合に、前述の問題を鑑み、容易な手段により、特に低温での寸法安定性に優れた硬質ポリウレタンフォームを製造するための組成物、およびその製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の問題点を解決するために、本発明者らは鋭意検討を行った結果、硬質ポリウレタンフォームを製造するための原料である有機ポリイソシアネート、ポリオール、発泡剤としてハイドロカーボン類(及び必要に応じて水)、触媒、整泡剤を含有する原料に、改質添加剤として、隣接して不飽和結合とカルボニル基を有する分子量500未満の低分子化合物(ア)を、ポリオールまたは有機ポリイソシアネート100質量部に対し0.01〜20質量部の割合で導入した組成物を用いることが非常に有効であることを見出し、本発明に至った。
【0015】
すなわち、本発明は次の(1)〜(6)のとおりである。
(1) 有機ポリイソシアネート、ポリオール、触媒、整泡剤、発泡剤としてのハイドロカーボン類からなる組成物に、さらに改質添加剤として、隣接して不飽和結合とカルボニル基を有する分子量500未満の低分子化合物(ア)をポリオール100質量部に対し0.01〜20質量部用いることを特徴とする、硬質ポリウレタンフォーム成形用組成物。
(2) 有機ポリイソシアネート、ポリオール、触媒、整泡剤、発泡剤としてのハイドロカーボン類及び水からなる組成物に、さらに改質添加剤として、隣接して不飽和結合とカルボニル基を有する分子量500未満の低分子化合物(ア)をポリオール100質量部に対し0.01〜20質量部用いることを特徴とする、硬質ポリウレタンフォーム成形用組成物。
(3) 有機ポリイソシアネート、ポリオール、触媒、整泡剤、発泡剤としてのハイドロカーボン類からなる組成物に、さらに改質添加剤として、隣接して不飽和結合とカルボニル基を有する分子量500未満の低分子化合物(ア)を有機ポリイソシアネート100質量部に対し0.01〜20質量部用いることを特徴とする、硬質ポリウレタンフォーム成形用組成物。
(4) 有機ポリイソシアネート、ポリオール、触媒、整泡剤、発泡剤としてのハイドロカーボン類及び水からなる組成物に、さらに改質添加剤として、隣接して不飽和結合とカルボニル基を有する分子量500未満の低分子化合物(ア)を有機ポリイソシアネート100質量部に対し0.01〜20質量部用いることを特徴とする、硬質ポリウレタンフォーム成形用組成物。
(5) 低分子化合物(ア)がマレイン酸エステルであることを特徴とする、(1)〜(4)に記載の硬質ポリウレタンフォーム成形用組成物。
(6) (1)〜(5)に記載の成形用組成物を用いることを特徴とする、硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明をさらに詳細に説明する。
【0017】
本発明において改質添加剤として用いられる、隣接して不飽和結合とカルボニル基を有する分子量500未満の低分子化合物(ア)の添加部数は、ポリオールまたは有機ポリイソシアネート100質量部に対し0.01〜20質量部添加するのが好ましく、中でも0.1〜10質量部添加するのがより好ましい。0.01質量部未満では、ハイドロカーボン発泡硬質ポリウレタンフォームの低温寸法安定性を改善する効果が小さい。また、20質量部を超えると、フォーム内部に残った改質添加剤の影響により、特に高温下での寸法安定性を悪化させる。
【0018】
該低分子化合物(ア)としては、マレイン酸、マレイン酸エステル、フマル酸、フマル酸エステル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、イタコン酸、イタコン酸エステル、アクロレイン、メタアクロレイン、クロトン酸、ベンゾキノン、イソホロンなど、ポリオールとの混合性が良く、且つ、粘度が低いものであることが好ましいとの観点から、分子量が500未満のものであれば、いずれも用いることができる。本発明に於いては、これらのうち、マレイン酸ジメチル,マレイン酸ジエチル,マレイン酸ジブチル,マレイン酸ジオクチル(マレイン酸ジ2−エチルヘキシル)等のマレイン酸エステルを用いるのが好ましく、中でも、粘度、有機イソシアネートあるいはポリオールとの混和性、臭気、安全性、価格などの面で最も優れるとの観点から、マレイン酸ジメチル及び/またはマレイン酸ジブチルを選択して用いるのが特に好ましい。
【0019】
該低分子化合物(ア)は、1級アミノ基とは速やかに反応するが、ポリオールの水酸基や有機ポリイソシアネートのイソシアネート基とは反応しない。従って、硬質ポリウレタンフォームを得る形態として、ポリオールを含む成形前混合物(ポリオールプレミックス)と、有機ポリイソシアネートを含む成形前混合物(または有機ポリイソシアネート単独のもの)の2液を、成形時に混合して得る形態をとる場合、該低分子化合物(ア)を予め、ポリオールを含む成形前混合物、あるいは有機ポリイソシアネートを含む成形前混合物(または、有機ポリイソシアネート単独)のいずれか一方、または、双方に各々という形態で予め添加しておく方法により用いられる。該低分子化合物(ア)が添加された成形前混合物は、液の粘度が低下し、且つ、液の混合性を改善するという優れた効果も有する。
【0020】
また、硬質ポリウレタンフォームを得る形態として、ポリオールを含む成形前混合物(ポリオールプレミックス)と、有機ポリイソシアネートを含む成形前混合物(または有機ポリイソシアネート単独のもの)の他に、さらに該低分子化合物(ア)等を予め添加せず第3成分とし、3液以上の状態で成形時に混合して得る形態も、勿論可能である。
【0021】
本発明における有機ポリイソシアネートとしては、公知の各種多官能性の脂肪族、脂環族及び芳香族イソシアネートを使用でき、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4、4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製トリレンジイソシアネート、変性トリレンジイソシアネート、4、4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、ポリメリックMDI(粗製ジフェニルメタンジイソシアネート、クルードMDI等と呼称されている:以下「p−MDI」と略記する)、変性ジフェニルメタンジイソシアネート(カルボジイミド変性、プレポリマー変性等)、オルトトルイジンジイソシアネート(TODI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、リジンジイソシアネート(LDI)などが挙げられる。本発明においては、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI)、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2′−MDI)、4、4′−MDI、及びベンゼン環を3つ以上有するポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの混合物であるp−MDI、又は、該p−MDIとその他のイソシアネート成分との混合物を用いるのが好ましく、中でも、得られる硬質ポリウレタンフォームの機械物性や価格の観点に於いて優れるとの観点から、ベンゼン環を2つ有するジフェニルメタンジイソシアネートにおける2,4′−MDIと2,2′−MDIとの合計の比率が0〜30質量%であり、且つ、該ジフェニルメタンジイソシアネートが25〜70質量%、ベンゼン環を3つ以上有するポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートが30〜75質量%から成るp−MDIを用いるのが特に好ましい。
【0022】
本発明において、イソシアネート基と反応しうるポリオール、即ち、活性水素含有官能基を2以上有する活性水素化合物としては、水酸基やアミノ基などの活性水素含有官能基を2以上有する化合物、あるいはその化合物の2種以上の混合物であれば、公知のものをいずれも使用することができる。本発明においては特に、得られる硬質ポリウレタンフォームの機械物性が向上するとの観点から、2以上の水酸基を有する化合物やその混合物、またはそれを主成分としさらにポリアミンなどを含む混合物を用いることが好ましい。
【0023】
但し、予め隣接して不飽和結合とカルボニル基を有する分子量500未満の低分子化合物(ア)と反応する1級アミノ基を持つ化合物をポリオールとして使用する場合は、該低分子化合物(ア)を、予め有機ポリイソシアネートと混合して用いるか、若しくは発泡成形時にポリオール成分、有機ポリイソシアネート成分、該低分子化合物(ア)の3成分を同時に混合して用いるなど、本発明の目的とする効果を得るためにも、発泡成形時までに、1級アミノ基を持つ化合物と該低分子化合物(ア)が触れないようにする必要がある。
【0024】
前記の2以上の水酸基を有する化合物としては、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、多価アルコール、水酸基含有ジエチレン系ポリマーなどが挙げられる。なお、ポリオールとしてポリマーポリオールあるいはグラフトポリオールと呼ばれる主にポリエーテル系ポリオール中にビニルポリマーの微粒子が分散したポリオール組成物を使用することも可能である。
【0025】
前記のポリエステル系ポリオールとしては、多価アルコール、多価カルボン酸縮合系のポリオールや環状エステル開環重合体系のポリオールがあり、多価アルコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどがある。多価カルボン酸としては、無水フタル酸、テレフタル酸、ジメチルテレフタル酸、アジピン酸、ヘット酸などがある。
【0026】
本発明に於いては、作業性や経済性等に優れるとの観点から、ポリエーテル系ポリオールの1種以上のみからなるか、それを主成分としてポリエステル系ポリオール、多価アルコール、ポリアミン、アルカノールアミン、その他の活性水素化合物と併用されるのが好ましい。
【0027】
本発明に於いてはまた、ポリエーテル系ポリオールとして、多価アルコール、糖類、アルキルアミン、アルカノールアミン、その他の開始剤に環状エーテル、特にプロピレンオキシドやエチレンオキシドなどのアルキレンオキシドを付加して得られるポリエーテル系ポリオールを用いることが好ましい。
【0028】
なお、ポリオールの有する水酸基価は、得られる硬質ポリウレタンフォームの用途、即ち要求される諸物性に応じて、15〜2000(mgKOH/g)の範囲の中から選択される。
【0029】
本発明に於いては、ポリオールと有機ポリイソシアネートを反応させる際、反応を促進するなどの目的から、触媒の使用が必要とされる。該触媒としては、ポリオール中の活性水素含有基と有機ポリイソシアネート中のイソシアネート基の反応を促進させる有機スズ化合物などの金属化合物系触媒やトリエチレンジアミン(TEDA)、テトラメチルヘキサメチレンジアミン(TMHMDA)、ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、ジメチルシクロヘキシルアミン(DMCHA)、ビスジメチルアミノエチルエーテル(BDMAEA)などの3級アミン触媒が使用される。また、該イソシアネート基同士を反応させる三量化触媒も目的に応じて使用される。
【0030】
本発明に於いては、良好な気泡を形成する目的から、整泡剤の使用が必要とされる。該整泡剤としては、ポリウレタン工業において整泡剤として公知のものであれば、いずれも使用することができ、例えば、シリコーン系整泡剤や含フッ素化合物系整泡剤などがある。
【0031】
本発明に於いては、発泡剤としてハイドロカーボン類、具体的には、炭素数が2〜8の炭化水素化合物を用いる。例えば、シクロペンタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロヘキサンなどが挙げられる。また、本発明に於いては、ハイドロカーボン類と併用する形態で水を発泡剤として用いることもできる。
【0032】
本発明に於いては、必要に応じて、さらに助剤として、例えば充填剤、安定剤、着色剤、難燃剤などを用いることができる。難燃剤の代表的なものとしてはトリス(クロロプロピル)ホスフェート(TCPP)がある。
【0033】
本発明においては、これらの原料を使用して、ポリウレタンフォーム、ウレタン変性ポリイソシアヌレートフォーム、その他の発泡合成樹脂が得られる。本発明は、硬質ポリウレタンフォーム、ウレタン変性ポリイソシアヌレートフォーム、その他の硬質フォームの製造において有用である。中でも、水酸基価約40〜900(mgKOH/g)のポリオールあるいはポリオール混合物と、芳香族系のポリイソシアネート化合物を使用して得られるHFC発泡硬質ポリウレタンフォームの製造において、特に有用である。
【0034】
【実施例】
さらに具体的に本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は以下に示す実施例のみに限定して解釈されるものではない。
【0035】
発泡速度の測定
表1に記載の原料を用意し、表1に記載されている配合比に基づいてポリオールプレミックスやイソシアネート成分を調合する等の準備をした。これらを各々20℃に温調した後、合計重量が500gになるように2000mlのデスカップに秤量し、ホモミキサー(回転数7000rpm)で5秒間攪拌した。攪拌終了後、予め40℃に温調された内寸250×250×250mmの上面開放型アルミ製モールドに直ちに注入し、自由発泡フォームの反応速度(クリームタイム、ゲルタイム、タックフリータイム、ライズタイム)を測定した。
【0036】
パネル発泡フォームの作成
表1に記載の原料を用意し、表1に記載されている配合比に基づいてポリオールプレミックスやイソシアネート成分を調合する等の準備をした。これらを各々20℃に温調した後、合計重量が650gになるように2000mlのデスカップに秤量し、ホモミキサー(回転数7000rpm)で5秒間攪拌した。攪拌終了後、予め40℃に温調された内寸500×500×60(厚み)mmのアルミ製モールドに直ちに注入、10分後に脱型しパネル発泡フォームとした。脱型後、24時間室温にて静置した後、次の項目について測定を行った。
パネル発泡密度:JIS A9511(表1に於ける単位:kg/m
低温寸法変化率:下記の測定方法(表1に於ける単位:%)
高温寸法変化率:下記の測定方法(表1に於ける単位:%)
【0037】
寸法変化率
パネル発泡フォームを50×50×50mmのサイズにカットした。このカットしたフォームサンプルについて、−20℃または70℃一定雰囲気条件で、48時間後の寸法変化(体積変化)率を測定した。
【0038】
実施例1、2:
ポリエーテルポリオールA、シクロペンタン、必要に応じて水、触媒、整泡剤、難燃剤、改質添加剤としてマレイン酸ジブチルを表1に示す配合比により混合してポリオールプレミックスを調合した。その後、該プレミックスと有機ポリイソシアネートを表1に示す配合比になるように混合し、前述の方法により、発泡速度の測定、パネル発泡フォームの作成、及びパネル発泡密度・低温または高温寸法変化率の測定を行った。結果を表1に示す。
【0039】
実施例3:
ポリエーテルポリオールA、シクロペンタン、水、触媒、整泡剤、難燃剤を表1に示す配合比により混合してポリオールプレミックスを調合した。その後、該プレミックスと有機ポリイソシアネート、さらに、改質添加剤としてマレイン酸ジブチルを表1に示す配合比になるように混合し、前述の方法により、発泡速度の測定、パネル発泡フォームの作成、及びパネル発泡密度・低温または高温寸法変化率の測定を行った。結果を表1に示す。
【0040】
実施例4、5:
ポリエーテルポリオールA、シクロペンタン、必要に応じて水、触媒、整泡剤、難燃剤を表1に示す配合比により混合してポリオールプレミックスを調合した。一方、有機ポリイソシアネートに改質添加剤としてマレイン酸ジブチルを表1に示す配合比で混合した有機ポリイソシアネート混合物を調合した。その後、該プレミックスと該混合物を表1に示す配合比になるように混合し、前述の方法により、発泡速度の測定、パネル発泡フォームの作成、及びパネル発泡密度・低温または高温寸法変化率の測定を行った。結果を表1に示す。
【0041】
比較例1:
ポリエーテルポリオールA、シクロペンタン、水、触媒、整泡剤、難燃剤を表1に示す配合比により混合してポリオールプレミックスを調合した。その後、該プレミックスと有機ポリイソシアネートを表1に示す配合比になるように混合し、前述の方法により、発泡速度の測定、パネル発泡フォームの作成、及びパネル発泡密度・低温または高温寸法変化率の測定を行った。結果を表1に示す。
【0042】
比較例2:
ポリエーテルポリオールA、シクロペンタン、水、触媒、整泡剤、難燃剤、改質添加剤としてマレイン酸ジブチルを表1に示す配合比により混合してポリオールプレミックスを調合した。その後、該プレミックスと有機ポリイソシアネートを表1に示す配合比になるように混合し、前述の方法により、発泡速度の測定、パネル発泡フォームの作成、及びパネル発泡密度・低温または高温寸法変化率の測定を行った。結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
Figure 2004231678
【0044】
表1の注)
Figure 2004231678
【0045】
表1に示すように、隣接して不飽和結合とカルボニル基を有する分子量500未満の低分子化合物(ア)として、マレイン酸ジブチルを導入したフォームは、その導入形態を問わず、いずれも良好な寸法安定性を示した。これに対し、マレイン酸ジブチルを導入しないフォームは、比較例1に示すように低温寸法安定性が著しく悪化した。また、マレイン酸ジブチルを過剰に導入したフォームは、比較例2に示すように高温寸法安定性が著しく悪化した。
【0046】
【発明の効果】
このように、表1の実施例1〜3に示すように、改質添加剤として、隣接して不飽和結合とカルボニル基を有する分子量500未満の低分子化合物を、ポリオールまたは有機ポリイソシアネート100質量部に対し0.01〜20質量部の割合で用いることで、容易に且つ安価な方法により、ハイドロカーボン類、及び必要に応じて水を発泡剤として得られる硬質ポリウレタンフォームの低温寸法安定性を大幅に改善することが可能となった。
【0047】
また、このような優れた効果は同時に、ハイドロカーボン類を発泡剤として用いる硬質ポリウレタンフォームを検討する際に、低温寸法安定性の悪化を気にせずにハイドロカーボン類の多量導入を検討できるなど、組成面における自由度の向上に著しく貢献することが可能となった。

Claims (6)

  1. 有機ポリイソシアネート、ポリオール、触媒、整泡剤、発泡剤としてのハイドロカーボン類からなる組成物に、さらに改質添加剤として、隣接して不飽和結合とカルボニル基を有する分子量500未満の低分子化合物(ア)をポリオール100質量部に対し0.01〜20質量部用いることを特徴とする、硬質ポリウレタンフォーム成形用組成物。
  2. 有機ポリイソシアネート、ポリオール、触媒、整泡剤、発泡剤としてのハイドロカーボン類及び水からなる組成物に、さらに改質添加剤として、隣接して不飽和結合とカルボニル基を有する分子量500未満の低分子化合物(ア)をポリオール100質量部に対し0.01〜20質量部用いることを特徴とする、硬質ポリウレタンフォーム成形用組成物。
  3. 有機ポリイソシアネート、ポリオール、触媒、整泡剤、発泡剤としてのハイドロカーボン類からなる組成物に、さらに改質添加剤として、隣接して不飽和結合とカルボニル基を有する分子量500未満の低分子化合物(ア)を有機ポリイソシアネート100質量部に対し0.01〜20質量部用いることを特徴とする、硬質ポリウレタンフォーム成形用組成物。
  4. 有機ポリイソシアネート、ポリオール、触媒、整泡剤、発泡剤としてのハイドロカーボン類及び水からなる組成物に、さらに改質添加剤として、隣接して不飽和結合とカルボニル基を有する分子量500未満の低分子化合物(ア)を有機ポリイソシアネート100質量部に対し0.01〜20質量部用いることを特徴とする、硬質ポリウレタンフォーム成形用組成物。
  5. 低分子化合物(ア)がマレイン酸エステルであることを特徴とする、請求項1〜4に記載の硬質ポリウレタンフォーム成形用組成物。
  6. 請求項1〜5に記載の成形用組成物を用いることを特徴とする、硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
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