JP2010222399A - 硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】難燃性に優れる硬質ポリウレタンフォームを得るための硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物を提供することを目的とする。また、該ポリオール組成物を使用した硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ポリオール化合物、発泡剤である水、整泡剤及び触媒を含み、ウレタン発泡装置によりポリイソシアネート成分と混合し、反応させて硬質ポリウレタンフォームを形成するポリオール組成物であって、
前記ポリオール化合物は、芳香族ポリエステルポリオールを50〜80重量%含み、かつ前記ポリオール化合物の合計重量に対する芳香環濃度が13〜17重量%であることを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、水を発泡剤とする硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物、及び該ポリオール組成物を使用した硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関するものである。特に、本発明のポリオール組成物は、スプレー装置を用いたスプレー発泡タイプの硬質ポリウレタンフォームの原料として好適に用いられる。
硬質ポリウレタンフォームは、断熱材、軽量構造材等として周知の材料である。係る硬質ポリウレタンフォームは、ポリオール化合物、発泡剤を必須成分として含有するポリオール組成物とポリイソシアネート成分とを混合し、発泡、硬化させることにより形成される。発泡剤としては、古くはCFC−11等のフロン化合物が使用されていたが、CFC化合物がオゾン層の破壊を引き起こすことから禁止され、HCFC−141bに切り換えられ、さらに2004年からはオゾン層破壊係数がゼロであるHFC化合物への切り換えが行われているが、HFC化合物はGWP(地球温暖化係数)が大きいという問題を有する。
HFC化合物等のハロゲン化炭化水素化合物に代えて、低コストの発泡剤としてn−ペンタン、iso−ペンタン、シクロペンタン等のペンタン類を使用する技術が公知であるが、ペンタン類は可燃性が高く、火災防止のための設備に多大の費用が必要であるという問題を有する。
作業環境においても地球環境においても問題がなく、しかも低コストの発泡剤として水が知られており、発泡剤として水を使用した硬質ポリウレタンフォームは公知であるが、原料であるポリエステルポリオールが発泡剤の水と反応して加水分解を起こし、反応の遅延を生ずる。また、発泡ガスとして炭酸ガスを使用するため、炭酸ガスの拡散が早く、発泡後のフォーム内が減圧状態となって、フォームの収縮という問題を有する。係る問題を解決する技術として硬質ポリウレタンフォーム発泡原液組成物のクリームタイム及び得られた硬質ポリウレタンフォームの独立気泡率を限定した技術(特許文献1)が公知である。
また、発泡剤として水とHFC化合物を併用する硬質ウレタンフォームについて開示されている(特許文献2及び3)。
しかし、特許文献1に記載の技術は、原材料としてピペラジンないしアミノアルキルピペラジンを開始剤とするポリエーテルポリオール化合物を使用するものであり、耐燃焼性が十分ではない。耐燃焼性改善のために芳香族エステル系ポリオールの使用が考えられるが、公知のエチレングリコールないしジエチレングリコールとフタル酸のエステルポリオールを使用すると発泡剤である水の存在により加水分解を起こし、生じた酸が触媒のアミンと塩を形成するために反応性が低下してポリオール組成物の貯蔵時間経過とともにスプレー法による硬質ポリウレタンフォームの製造が困難となるという問題を有する。
また、特許文献2及び3に開示された技術については、上述したようにHFC化合物は、高価である上に、従来のHCFC−141bを用いる処方と比べて、反応性をマイルドに調整することが困難であり、スプレー法で硬質ポリウレタンフォームの厚吹きが必要な冷蔵倉庫などでは平滑に吹けないなど作業性が悪く問題がある。
一方、硬質ポリウレタンフォームに要求される特性としては、難燃性が挙げられる。従来、硬質ポリウレタンフォームの難燃性を高めるために難燃剤が使用されているが、難燃剤の使用のみでは十分な難燃性を得ることは困難である。
特許文献4〜8では、良好な難燃性を得るため、又は難燃剤の配合によるポリオールプレミックスの貯蔵安定性を高めるために、難燃剤としてトリイソブチルフォスフェートを用いること、配合液の配合直後のpHを9以下にすること、及び触媒としてビスマス化合物やギ酸ブロック触媒を用いることなどが提案されている。
特許文献9では、耐燃焼性に優れる硬質ポリウレタンフォームを製造することを目的として、ポリオール化合物として、特定のポリオキシエチレングリコールと芳香族ジカルボン酸とから得られるエステルポリオールを用いることが記載されている。
特許文献10では、経時変化による収縮が小さく、耐燃焼性に優れる硬質ポリウレタンフォームを製造することを目的として、特定のポリオキシエチレングリコールと芳香族ジカルボン酸とから得られるエステルポリオール、及び樹脂微粒子含有ポリエーテルポリオールを用いることが記載されている。
特開2001−40054号公報 特開2004−51693号公報 特開2004−59900号公報 特開2005−307143号公報 特開2005−307144号公報 特開2005−307145号公報 特開2005−307146号公報 特開2005−307147号公報 特開2008−138042号公報 特開2008−138137号公報
本発明は、上記公知技術の問題に鑑み、難燃性に優れる硬質ポリウレタンフォームを得るための硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物を提供することを目的とする。また、該ポリオール組成物を使用した硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、ポリオール化合物、発泡剤である水、整泡剤及び触媒を含み、ウレタン発泡装置によりポリイソシアネート成分と混合し、反応させて硬質ポリウレタンフォームを形成するポリオール組成物であって、
前記ポリオール化合物は、芳香族ポリエステルポリオールを50〜80重量%含み、かつ前記ポリオール化合物の合計重量に対する芳香環濃度が13〜17重量%であることを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物、に関する。
上記構成のポリオール組成物は、水を発泡剤とし、難燃性に優れる硬質ポリウレタンフォームを形成することができる。
ポリオール化合物中の芳香族ポリエステルポリオールの含有量が50重量%未満の場合には、難燃性に優れる硬質ポリウレタンフォームが得られず、一方、80重量%を超える場合には、硬質ポリウレタンフォームの寸法安定性や接着性が悪くなる。
また、ポリオール化合物の合計重量に対する芳香環濃度(ベンゼン環構成炭素の重量%)が13重量%未満の場合には、難燃性に優れる硬質ポリウレタンフォームが得られず、一方、17重量%を超える場合には、硬質ポリウレタンフォームの寸法安定性が悪くなる。
芳香族ポリエステルポリオールは、フタル酸系ポリエステルポリオールであることが好ましい。また、ポリオール化合物は、樹脂微粒子含有ポリエーテルポリオールを含有することが好ましく、樹脂微粒子含有ポリエーテルポリオールは、樹脂微粒子含有マンニッヒポリエーテルポリオールであることが好ましい。これらポリオールを用いることにより、難燃性に非常に優れる硬質ポリウレタンフォームを得ることができる。
整泡剤としては、ポリジメチルシロキサンとポリエチレングリコールのグラフト共重合体を含むシリコーン整泡剤であって、前記グラフト共重合体は、数平均分子量が1250〜1350、ポリジメチルシロキサン含有量が25〜35重量%、かつグラフトしたポリエチレングリコールの末端に水酸基を有するものを使用することが好ましい。該シリコーン整泡剤を用いることにより、硬質ポリウレタンフォームの難燃性がより向上する。該シリコーン整泡剤は、ポリオール組成物中に1重量%未満配合することが好ましい。該シリコーン整泡剤の配合量が1重量%以上の場合には、硬質ポリウレタンフォームの難燃性が低下する傾向にある。
触媒としては、三量化触媒(イソシアヌレート結合形成を促進する触媒)を用いることが好ましい。特に、三量化触媒として第4級アンモニウム塩を用いることが好ましい。第4級アンモニウム塩を用いることにより、硬質ポリウレタンフォームの寸法安定性が向上する。
上記組成にてフォームの寸法安定性が向上する理由は明らかではないが、樹脂微粒子含有ポリエーテルポリオールや第4級アンモニウム塩の使用により、フォームを形成するポリウレタンの気泡にごく微細な孔が形成され、気泡内の炭酸ガスの拡散によって、気泡内の圧力低下に起因する収縮が抑制されると推測される。
また、本発明は、前記ポリオール組成物とポリイソシアネート成分とをウレタン発泡装置により混合し、反応させて硬質ポリウレタンフォームを得る硬質ポリウレタンフォームの製造方法、に関する。
硬質ポリウレタンフォームの発泡方法としては、ポリウレタンの技術分野において公知の発泡方法を限定なく使用することができる。例えば、連続製造法、不連続製造法、スプレー法、注入法等が使用できる。特に、スプレー法は施工対象物に2成分の原液をスプレー装置で混合し吹き付ける方法で、対象物に到達すると発泡・硬化し、施工が容易なため、有効な方法である。また、連続製造法は連続コンベア上において、下面材上に混合原液を流し、上面材を供給して連続発泡させる方法であり、所定の長さに裁断することにより、サンドイッチパネルを製造することができる。
本発明のポリオール組成物は、ポリオール化合物、発泡剤である水、整泡剤及び触媒を含み、ポリオール化合物は、芳香族ポリエステルポリオールを含む。本発明のポリオール組成物の粘度は、連続製造法、スプレー法等による硬質ポリウレタンフォームの製造が容易に行える観点より1000mPa・s(20℃)以下であることが好ましく、800mPa・s(20℃)以下であることがより好ましい。
芳香族ポリエステルポリオールは、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及び平均分子量が150〜500のポリオキシエチレングリコールなどのグリコールと、テレフタル酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、及びトリメリット酸などの芳香族カルボン酸との重縮合反応によって得られる化合物である。これらのうち、フタル酸系ポリエステルポリオールを用いることが好ましい。
芳香族ポリエステルポリオールの芳香環濃度(ベンゼン環構成炭素の重量%)は、難燃性の観点から高いことが好ましい。芳香環濃度を高くする方法としては、多価アルコールや3官能以上の芳香族カルボン酸を用いたり、分子量の小さいグリコールを用いる方法が挙げられる。また、芳香族モノカルボン酸やフェノキシエタノールを添加してエステル化により芳香環を増やしてもよい。芳香族ポリエステルポリオールの芳香環濃度は13〜15重量%であることが好ましい。
芳香族ポリエステルポリオールは、ポリオール化合物中に50〜80重量%用いることが必要であり、好ましくは60〜80重量%である。
ポリオール化合物として、樹脂微粒子含有ポリエーテルポリオールを併用することが好ましい。樹脂微粒子含有ポリエーテルポリオールは、公知の方法により製造することができる。例えば塊状重合法や溶液重合法などにより製造した樹脂を粉砕して微粒子化し、必要に応じて分級して得られた樹脂微粉末をポリエーテルポリオールに添加混合する方法、エマルジョン重合法により得られた樹脂微粒子を含むエマルジョンをそのまま添加する方法、ポリエーテルポリオールにモノマーを溶解ないし分散し、AIBNやBPO等のラジカル重合開始剤を添加して加熱し、重合させて樹脂微粒子を形成する方法などが例示される。これらの中でもポリエーテルポリオール中にて重合して樹脂微粒子を形成する方法が、長期間放置しても粒子が沈降しにくく、安定な樹脂微粒子含有ポリエーテルポリオールが得られることから、最も好ましい。
樹脂微粒子は、ポリウレタンフォーム用ポリオールに含有される公知の樹脂微粒子を使用することができ、具体的にはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、アクリルモノマー類などの単独重合体微粒子やこれらのモノマーから選択される2種以上のモノマーの共重合体微粒子を使用することができる。
樹脂微粒子含有ポリエーテルポリオールのうち、特に樹脂微粒子含有マンニッヒポリエーテルポリオールを用いることが好ましい。マンニッヒポリエーテルポリオールは、フェノール及び/又はそのアルキル置換誘導体、ホルムアルデヒド及びアルカノールアミンのマンニッヒ反応により得られた活性水素化合物又はこの化合物にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドの少なくとも1種を開環付加重合させることによって得られる活性水素化合物である。
樹脂微粒子含有ポリエーテルポリオールとしては市販品も使用可能であり、具体的には、旭硝子ウレタン社等の製品が例示できる。
樹脂微粒子含有ポリエーテルポリオールは、ポリオール化合物中に20〜50重量%用いることが好ましく、より好ましくは20〜40重量%である。
本発明においては、前記ポリオール化合物の合計重量に対する芳香環濃度(ベンゼン環構成炭素の重量%)が13〜17重量%であることが必要であり、好ましくは13〜15重量%である。
本発明のポリオール組成物は、さらに脂肪族アミンポリオール、芳香族アミンポリオールから選択される少なくとも1種の水酸基価200〜500mgKOH/gのポリオール化合物を含むものであってもよい。
脂肪族アミンポリオールとしては、アルキレンジアミン系ポリオールや、アルカノールアミン系ポリオールが例示される。これらのポリオール化合物は、アルキレンジアミンやアルカノールアミンを開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドの少なくとも1種を開環付加させた末端水酸基の多官能ポリオール化合物である。アルキレンジアミンとしては、公知の化合物が限定なく使用できる。具体的にはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ネオペンチルジアミン等の炭素数が2〜8のアルキレンジアミンの使用が好適である。これらの中でも、炭素数の小さなアルキレンジアミンの使用がより好ましく、特にエチレンジアミン、プロピレンジアミンを開始剤としたポリオール化合物の使用が好ましい。アルキレンジアミン系ポリオールにおいては、開始剤であるアルキレンジアミンは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが例示される。アルキレンジアミンを開始剤としたポリオール化合物の官能基数は4であり、アルカノールアミンを開始剤としたポリオール化合物の官能基数は3である。
芳香族アミン系ポリオールは、芳香族ジアミンを開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドの少なくとも1種を開環付加させた末端水酸基の多官能ポリエーテルポリオール化合物である。開始剤としては、公知の芳香族ジアミンを限定なく使用することができる。具体的には2,4−トルエンジアミン、2,6−トルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、p−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、ナフタレンジアミン等が例示される。これらの中でも得られる硬質ポリウレタンフォームの断熱性と強度などの特性が優れている点でトルエンジアミン(2,4−トルエンジアミン、2,6−トルエンジアミン又はこれらの混合物)の使用が特に好ましい。
また、上記のポリオール化合物に加えて、本発明の特徴を損なわない範囲で他のポリオール化合物、例えばヒドロキノン、ビスフェノールA、キシリレングリコール等の芳香族化合物を開始剤とした芳香族ポリエーテルポリオール、シュークロース、ソルビトール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の脂肪族多官能アルコールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エーテル化合物を開環付加させた脂肪族ポリエーテルポリオールなどを添加してもよい。
本発明のポリオール組成物を構成する成分として架橋剤を使用してもよい。架橋剤としてはポリウレタンの技術分野において使用される低分子量多価アルコールが使用可能である。具体的には、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリエタノールアミン等が例示される。
整泡剤としては、公知の硬質ポリウレタンフォーム用の整泡剤が使用できるが、ポリジメチルシロキサンとポリエチレングリコールのグラフト共重合体を含むシリコーン整泡剤であって、前記グラフト共重合体は、数平均分子量が1250〜1350、ポリジメチルシロキサン含有量が25〜35重量%、かつグラフトしたポリエチレングリコールの末端に水酸基を有するものを使用することが好ましい。ポリジメチルシロキサン含有量は、例えば、合成時にグラフトするポリエチレングリコールの分子量や配合量を調整することにより目的の範囲に調整することができる。該シリコーン整泡剤の市販品としては、SH−193(東レダウコーニング社製)等が例示される。該シリコーン整泡剤は、ポリオール組成物中に1重量%未満配合することが必要であり、好ましくは0.2〜0.7重量%である。
触媒としては、公知の硬質ポリウレタンフォーム用の触媒が使用でき、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン(Kao.No.1)、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン(Kao.No.3)等のN−アルキルポリアルキレンポリアミン類、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール等、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(ポリキャット−8)、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、ビス(2−ジメチル−アミノエチル)エーテル(NIAX−A−1)等の第3級アミン類、ジメチルメタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、2−[メチル[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]エタノール(TMAEEA)、2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]エタノール(DMAEE)、1,3−ビス(ジメチルアミノ)−2−プロパノール(TMHPDA)、4−メチルピペラジン−1−エタノール、3,3’−[3−(ジメチルアミノ)プロピルイミノ]ビス(2−プロパノール)(Thancat−DPA)、2−モルホリノエタノール、1−[ビス[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ]エタン−2−オール(ポリキャット16)、1−[ビス[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ]プロパン−2−オール(ポリキャット17)、1−(2−ヒドロキシプロピル)−イミダゾリン(Dabco WT)等の反応型アミン類などが挙げられる。なお、触媒を併用する場合には、配合比(重量比)はポリウレタンの技術分野において使用できる範囲であれば、特に限定されない。
本発明においては、ポリウレタン分子の構造において耐燃焼性向上に寄与するイソシアヌレート結合を形成する三量化触媒を使用することが好ましい。三量化触媒としては、例えば、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、及び第4級アンモニウム塩などが挙げられるが、特に硬質ポリウレタンフォームの寸法安定性の向上の観点から第4級アンモニウム塩を用いることが好ましい。第4級アンモニウム塩触媒の市販品としては、Dabco−TMR及びDabco−TMR−2(エアプロダクツ)、Toyocat−TRX(東ソー)、U−cat18X(サンアプロ)、Kao.No.420及びKao.No.14(花王)等が例示できる。上述の第3級アミン触媒の中にもイソシアヌレート環形成反応をも促進するものがある。イソシアヌレート結合生成を促進する触媒とウレタン結合生成を促進する触媒を併用してもかまわない。
ポリオール組成物と混合、反応させて硬質ポリウレタンフォームを形成するポリイソシアネート成分としては、取扱の容易性、反応の速さ、得られる硬質ポリウレタンフォームの物理特性が優れていること、低コストであることなどから、液状MDIを使用する。液状MDIとしては、クルードMDI(c−MDI)(スミジュール44V−10,スミジュール44V−20等(住化バイエルウレタン社製)、ミリオネートMR−200(日本ポリウレタン工業))、ウレトンイミン含有MDI(ミリオネートMTL;日本ポリウレタン工業製)、プレポリマー変性の粗製MDI等が使用される。液状MDIに加えて、他のポリイソシアネート化合物を併用してもよい。併用するポリイソシアネート化合物としては、ポリウレタンの技術分野において公知のポリイソシアネート化合物、及びイソシアネート末端プレポリマーを限定なく使用可能である。
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造に際しては、上記成分の他に、当業者に周知の難燃剤、着色剤、酸化防止剤等が使用可能である。
本発明においては、さらに難燃剤を添加することも好ましい態様であり、好適な難燃剤としては、ハロゲン含有化合物、有機リン酸エステル類、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム等の金属化合物が例示される。
有機リン酸エステル類は、可塑剤としての作用も有し、従って硬質ポリウレタンフォームの脆性改良の効果も奏することから、好適な添加剤である。またポリオール組成物の粘度低下効果も有する。かかる有機リン酸エステル類としては、リン酸のハロゲン化アルキルエステル、アルキルリン酸エステルやアリールリン酸エステル、ホスホン酸エステル等が使用可能であり、具体的にはトリス(β−クロロエチル)ホスフェート(CLP、大八化学製)、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート(TMCPP、大八化学製)、トリブトキシエチルホスフェート(TBXP、アクゾノーベル製)、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート等が例示でき、これらの1種以上が使用可能である。有機リン酸エステル類の添加量はポリオール化合物の合計100重量部に対して40重量部以下であり、5〜40重量部であることが好ましい。この範囲を越えると可塑化効果、難燃効果が十分に得られなかったり、フォームの機械的特性が低下するなどの問題が生じる場合がある。
上述の硬質ポリウレタンフォームの製造方法においては、前記ポリオール組成物とポリイソシアネート成分との混合におけるイソシアネート基/活性水素基当量比(NCOインデックス)が0.7〜4.0、より好ましくは1.3〜3.5であり、さらに好ましくは1.3〜2.0である。
係る構成により、硬質ポリウレタンフォームを構成する樹脂中にイソシアヌレート結合が多く形成され、難燃性がより一層向上した硬質ポリウレタンフォームを製造することができる。
本発明により製造される硬質ポリウレタンフォームの密度は、20〜100kg/mであることが好ましく、より好ましくは25〜50kg/mである。
(ポリオール組成物)
表1の上段に記載した組成にてポリオール組成物を調製した。使用した原料の内容、特性は以下の通りである。
a)ポリオールA
フタル酸系ポリエステルポリオール(日立化成ポリマー、水酸基価:200mgKOH/g、芳香環濃度:18重量%)
b)ポリオールB
フタル酸系ポリエステルポリオール(日立化成ポリマー、水酸基価:150mgKOH/g、芳香環濃度:12重量%)
c)ポリオールC
マンニッヒポリプロピレングリコール中に樹脂微粒子を分散させたポリオール(旭硝子、水酸基価:380mgKOH/g、芳香環濃度:7重量%)
d)ポリオールD
ポリプロピレングリコール(水酸基価:750mgKOH/g)
e)TMCPP:リン系難燃剤(可塑剤)(大八化学工業)
f)整泡剤
SH−193(東レダウコーニング):数平均分子量1300、ポリジメチルシロキサン含有量30重量%、かつグラフトしたポリエチレングリコールの末端に水酸基を有する、ポリジメチルシロキサンとポリエチレングリコールのグラフト共重合体
なお、数平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)にて測定し、標準PPGにより換算した。
GPC装置:島津製作所製、LC−10A
カラム:2つのPLMix Eカラム(Polymer Laboratories)を連結して使用
流量:0.7ml/min
濃度:0.3wt%
注入量:40μl
カラム温度:40℃
溶離液:THF
g)触媒
(1):第4級アンモニウム塩触媒(U−cat 18X)(サンアプロ)
(2):第3級アミン触媒(Kao.No.3)(花王)
(3):第3級アミン触媒(Kao.No.1)(花王)
(4):第3級アミン触媒(Kao.No.14)(花王)
h)発泡剤:水
(ポリイソシアネート成分)
スミジュール44V−20(住化バイエルウレタン)、NCO%=31.0%
(実施例1〜7及び比較例1〜4)
実施例1〜7及び比較例1〜4は表1の上段に記載した配合にてポリオール組成物を調整した。ポリオール組成物は、まず水と整泡剤を除く成分を撹拌混合し、その後に整泡剤を添加・混合することにより調製した。硬質ポリウレタンフォームの製造においては、ポリオール組成物とポリイソシアネート成分とをNCOインデックス(NCO/OH当量比)が1.33となるようにラボ用撹拌機にて混合した。以下に記載の評価を行い、結果を表1の下段に示した。
(難燃性の評価)
作製した硬質ポリウレタンフォームからサンプルを切り出し、該サンプルを用いてJIS A 1321に準拠して、発煙係数(CA)、温度時間面積(Tdθ)、及び排気温度(Tc)を測定した。発煙係数は120以下であること、温度時間面積は350以下であること、及び排気温度が3分間以内に標準温度曲線を超えないことが求められる。
Figure 2010222399
表1の結果より、本発明の硬質ポリウレタンフォームは、難燃性に優れるものであった。一方、比較例の硬質ポリウレタンフォームは、難燃性が劣っている。

Claims (8)

  1. ポリオール化合物、発泡剤である水、整泡剤及び触媒を含み、ウレタン発泡装置によりポリイソシアネート成分と混合し、反応させて硬質ポリウレタンフォームを形成するポリオール組成物であって、
    前記ポリオール化合物は、芳香族ポリエステルポリオールを50〜80重量%含み、かつ前記ポリオール化合物の合計重量に対する芳香環濃度が13〜17重量%であることを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物。
  2. 前記芳香族ポリエステルポリオールは、フタル酸系ポリエステルポリオールである請求項1記載の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物。
  3. 前記ポリオール化合物は、樹脂微粒子含有ポリエーテルポリオールを含む請求項1又は2記載の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物。
  4. 前記樹脂微粒子含有ポリエーテルポリオールは、樹脂微粒子含有マンニッヒポリエーテルポリオールである請求項3記載の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物。
  5. 前記整泡剤は、ポリジメチルシロキサンとポリエチレングリコールのグラフト共重合体を含むシリコーン整泡剤であり、該グラフト共重合体は、数平均分子量が1250〜1350、ポリジメチルシロキサン含有量が25〜35重量%、かつグラフトしたポリエチレングリコールの末端に水酸基を有するものであり、該シリコーン整泡剤は、ポリオール組成物中に1重量%未満含まれる請求項1〜4のいずれかに記載の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物。
  6. 前記触媒は、三量化触媒を含む請求項1〜5のいずれかに記載の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物。
  7. 前記三量化触媒は、第4級アンモニウム塩である請求項6記載の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物。
  8. ポリオール組成物とポリイソシアネート成分とをウレタン発泡装置により混合し、反応させて硬質ポリウレタンフォームを得る硬質ポリウレタンフォームの製造方法において、
    前記ポリオール組成物として、請求項1〜7のいずれかに記載のポリオール組成物を用いることを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
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