JP2004230659A - 胴の表面仕上げ方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】筒状の胴本体の外周面上に溶射により形成された被覆金属層の外周面を短時間の作業で適正状態に仕上げることのできる胴の表面仕上げ方法を提供することを課題とする。
【解決手段】略円筒状をなす金属製の胴本体1の外周面に対して被覆用の金属が溶射され、胴本体1の外周面上に被覆金属層2の形成された胴の表面仕上げ方法であって、胴4の軸心に対して直交方向の回転軸周りで、所定の回転数で回転するブラシ12における複数の金属製線状体10,…の先端部を、被覆金属層2の表面に対して押し付けた押付状態で、胴4の軸方向でブラシ12と胴4とを相対移動させる軸方向移動工程と、押付状態でブラシ12が胴4の外周面に沿って移動するように、胴4の軸心周りでブラシ12と胴4とを相対的に回転させる回転工程とで構成されたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】略円筒状をなす金属製の胴本体1の外周面に対して被覆用の金属が溶射され、胴本体1の外周面上に被覆金属層2の形成された胴の表面仕上げ方法であって、胴4の軸心に対して直交方向の回転軸周りで、所定の回転数で回転するブラシ12における複数の金属製線状体10,…の先端部を、被覆金属層2の表面に対して押し付けた押付状態で、胴4の軸方向でブラシ12と胴4とを相対移動させる軸方向移動工程と、押付状態でブラシ12が胴4の外周面に沿って移動するように、胴4の軸心周りでブラシ12と胴4とを相対的に回転させる回転工程とで構成されたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート体の搬送や、シート体の印刷等に用いられる胴の表面仕上げ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、渡し胴、版胴、圧胴等といった円筒状の胴のそれぞれを、所定箇所で枢設することで各胴の有する機能を発揮させ、ロール紙や枚葉紙等のシート体の搬送や、該シート体の印刷を行う印刷機がある。
【0003】
かかる印刷機は、印刷にインキ、水、薬液などが使用されるので、胴の耐腐食性が重要となる。特に、印刷済み、或いは印刷前の前処理済みのシート体を搬送する渡し胴は、シート体の面と外周面とが接触する機会が多いため、シート体に付着したインキ、水、薬液の水分等が渡し胴の外表面に付着しやすく、耐腐食性を備える必要がある。
【0004】
そこで、水分等の付着し易い渡し胴等の胴は、金属製の胴本体の外周面に耐腐食性を有する被覆用の金属が溶射され、胴本体に被覆金属層を形成したものが採用されることがある。
【0005】
このように被覆金属層を備えた胴は、シート体を傷めることなく搬送できるように、製造過程において胴本体の外周面上に形成された被覆金属層に対してショットブラストすることで胴の外周面を研削し、該外周面の表面うねりや表面粗さ等を調整して製造されていた。
【0006】
ところが、ショットブラストによる胴の外周面(被覆金属層)の調整は、ブラスト剤の衝突により行うため、該ブラスト剤の吹き出し速度や吹き出し位置等の設定には細心の注意を要し、また、被覆金属層(溶射に使用される被覆用の金属)の硬度が高いため、胴の外周面の全面を均一に仕上げるには長時間(例えば、外径φ360mm、長さ600mmの胴の外周面を仕上げるのに、40分〜50分)の作業を要し、製造コストの高騰を招く原因となっていた。
【0007】
そこで、種々検討を行った結果、何らの加工も施していない被覆金属層の外周面(溶射肌)が、ショットブラストした場合の表面粗さと大差がなく、また、シート体を円滑に搬送することができる程度のものであることがわかり、被覆金属層に対して表面処理を施していない溶射肌のものを胴として採用し、コストダウンを図ることとした。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−12151号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記構成の胴は、外周面が胴本体の外周面の形状に即して形成された溶射肌であるため、外周面の表面うねりが矯正されておらず、メンテナンス時において、胴の外周面をウエス(布きれ等)で清掃すると、ウエスの繊維(毛)が胴の外周面の表面うねりによる凸部分等に引っかかって、該繊維が外周面に付着してしまう。
【0010】
そのため、メンテナンス時に繊維を除去する作業が必要となり、メンテナンス効率が悪化してしまうといった問題が生じた。
【0011】
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、筒状の胴本体の外周面上に溶射により形成された被覆金属層の外周面を短時間の作業で適正状態に仕上げることのできる胴の表面仕上げ方法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる胴の表面仕上げ方法は、請求項1記載の如く、略円筒状をなす金属製の胴本体1の外周面に対して被覆用の金属が溶射され、胴本体1の外周面上に被覆金属層2の形成された胴の表面仕上げ方法であって、胴4の軸心に対して直交方向の回転軸周りで、所定の回転数で回転するブラシ12における複数の金属製線状体10,…の先端部を、被覆金属層2の表面に対して押し付けた押付状態で、胴4の軸方向でブラシ12と胴4とを相対移動させる軸方向移動工程と、押付状態でブラシ12が胴4の外周面に沿って移動するように、胴4の軸心周りでブラシ12と胴4とを相対的に回転させる回転工程とで構成されたことを特徴とする。
【0013】
上記方法によれば、被覆金属層2の表面にブラシ12の金属製線状体10,…を押し付けた押付状態にするようにしたので、この状態において金属製線状体10,…は湾曲状に撓んだ状態となり、全ての金属製線状体10,…の先端部が胴4の外周面に均一に接触した状態となる。したがって、上述の如くブラシ12を所定回転数で回転させれば、金属製線状体10,…の先端部が回転軸周りに回転して被覆金属層2の表面に擦りつけられた状態となり、被覆金属層2の外周面の一部が金属製線状体10,…により研磨されることとなる。
【0014】
そして、押付状態が保たれた状態で、ブラシ12が胴4の外周面に沿って移動するように、胴4の軸心周りでブラシ12と胴4とを相対的に回転させる(回転工程)ようにしたので、胴4の全周を研磨することができ、また、胴4の軸方向でブラシ12と胴4とを相対移動させる(軸方向移動工程)ようにしたので、胴4の外周面を胴4の全長に亘って研磨することができ、これにより、胴4の全周面を研磨することができる。
【0015】
また、上述の如く、押付状態で回転工程、及び軸方向移動工程を行うので、被覆金属層2を研磨する際の金属製線状体10,…と被覆金属層2との当接状態が一定となり、軸方向における被覆金属層2の外周(胴4の外周面)の表面うねりを矯正して仕上げることができるとともに、被覆金属層2の全外周面を均一且つ適正な表面粗さで仕上げることができる。また、ブラシ12の回転、及びブラシ12と胴4の相対移動により、被覆金属層2の全周面を研磨するようにしたので、短時間での加工で胴4の全外周面を仕上げることができる。
【0016】
また、請求項2記載の如く、軸方向移動工程は、ブラシ12のみを胴4の軸方向の直線移動軌跡上で移動させてなり、回転工程は、軸方向移動工程における直線移動軌跡上にブラシ12を配置した状態で、胴4のみを軸心周りに回転させてなれば、ブラシ12及び胴4を複雑な動きにすることなく、略連続的に被覆金属層2の表面の全周を効率よく研磨することができ、表面仕上げ時間を短縮することができる。
【0017】
さらに、請求項3記載の如く、胴4は、該胴4と同軸をなす枢支軸5を両端部に備えてなり、この枢支軸5を枢支することで、回転工程において胴4を回転可能にすることが好ましい。このようにすれば、枢支軸5の軸心周りで胴4を回転させつつ、その胴4の外周面が研磨されることとなるので、加工上の精度により胴本体1に対して枢支軸5が設けられるに際し、枢支軸5の軸心と胴本体1の軸心とが微小にずれていた場合であっても、研磨後の外周面を基準にして胴4の軸心と枢支軸5の軸心とが一致し(同心となり)、胴4を製品として使用するにあたり、上記枢支軸5を用いて当該胴4を枢設すれば、胴4を回転させた際に外周面が微小にぶれるといった事態を防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態にかかる胴の表面仕上げ方法について、添付図面を参照して説明する。なお、本実施形態は、印刷機に内装され、シート体を搬送する胴(渡し胴)を一例にとって説明する。
【0019】
本実施形態にかかる渡し胴は、図1に示す如く、略円筒状をなす金属製の胴本体1の外周面上に被覆金属層2が形成されたものである。
【0020】
本実施形態にかかる胴本体1は、球状黒鉛鋳鉄(FCD450)で構成されており、シート体は把持するチャック機構(図示しない)を内装可能に構成された二つの凹部3が外周面に軸方向に延びるように形成されている。該二つ凹部3のそれぞれは、外周回りで約180°の間隔を有して設けられている。かかる胴本体1は、各凹部3を除く外周面上に耐腐食性を有する被覆金属層2が形成されており、被覆金属層2を含めた外径Xがφ360mm、軸方向の長さLが600mmに設定されている。なお、本実施形態にかかる被覆金属層2は、ニッケル系合金(ハステロイ)により形成されている。
【0021】
上記構成の渡し胴4は、当該渡し胴4(胴本体1)と同軸をなすように枢支軸5が両端部に取り付けられている。この枢支軸5は、印刷機内で枢支されることで、渡し胴4を軸心周りに回転可能にするためのものであり、また、渡し胴4の外周面を仕上げるのに使用するものである。
【0022】
上記構成の渡し胴4を製造するには、円筒状の胴本体1の外周面に対して被覆金属を溶射し、胴本体1の外周面上に所定の厚さの被覆金属層2を形成する。そして、この胴の外周面を適正な状態に仕上げる。
【0023】
この渡し胴4の外周面を適正な状態に仕上げるには、ブラシが用いられる。かかるブラシは、図2に示す如く、円板状のフランジ体9の一方の面に複数の金属製線状体10,…が植毛され、フランジ体9の他方の面に、該フランジ体9の中心と軸心を一致させた軸体11が突設された構成を有している。
【0024】
かかる複数の金属製線状体10,…のそれぞれは、線径がφ0.1mmに設定されたステンレス鋼(例えば、胴の被覆金属がニッケル系合金である場合には、SUS304)で構成されている。該ブラシ12を上記サイズの胴の外周面を仕上げるのに最適なものとすべく、複数の金属製線状体10,…は、フランジ体9の一方の面において、外径Aが略φ75mm、内径Bが略φ50mmに設定され、中心がこの面の中心と一致したドーナツ状の領域に植毛され、植毛密度は、400本/cm2となっている。また、各金属製線状体10,…は、フランジ体9の一方の面からの長さCが10mmとなるように設定されている。
【0025】
上記構成のブラシ12を用いて渡し胴4の未仕上げの外周面を仕上げるには、図3(イ)に示す如く、一旦、ブラシ12の金属製線状体10,…の先端を渡し胴4の被覆金属層2の表面に接触させてから、図3(ロ)に示す如く、ブラシ12を渡し胴4側に所定量δ(本実施形態においては3mm)変位させ、金属製線状体10,…を渡し胴4の被覆金属層2の表面に対して押し付ける。つまり、金属製線状体10,…の材質(硬度)、線径、長さ、植毛本数、植毛密度等に応じた変位量δでブラシ12を変位させ、渡し胴4の被覆金属層2の表面に所定の押し付け力が作用した状態にする。
【0026】
そうすると、金属製線状体10,…は、撓んだ状態となり、先端及び該先端近傍(先端部)の外周面が被覆金属層2の表面に接触することとなる。なお、この状態において外周面が未仕上げの渡し胴4は、枢支軸5が回転可能に軸支されて配置されている。
【0027】
そして、ブラシ12を所定の回転数で軸体11周りで回転させ、このブラシ12と渡し胴4とを、当該渡し胴4の軸心周りで相対的に回転させる(回転工程)とともに、軸方向に相対移動させる(軸方向移動工程)。
【0028】
具体的には、図4に示す如く、ブラシ12の金属製線状体10,…を胴に押し付けた状態を維持しつつ、所定回転数(本実施形態においては、3000rpm)でブラシ12を回転させるとともに、渡し胴4を所定回転数(本実施形態においては、120rpm)を回転させ(回転工程)、ブラシ12を渡し胴4の軸方向の直線移動軌跡上を移動させる(軸方向移動工程)。なお、本実施形態におけるブラシ12の軸方向の移動は、ブラシ12の金属製線状体10,…が渡し胴4の外周面を所定周回研磨した後、ブラシ12を軸方向に所定の送りピッチ(本実施形態においては、3mm)で送る動作を繰り返すようになっている。
【0029】
そうすると、金属製線状体10,…の先端部が被覆金属層2の表面に高速で擦りつけられた状態となり、被覆金属層2の表面が金属製線状体10,…により研磨されることとなる。
【0030】
そして、金属製線状体10,…による被覆金属層2に対しての押付状態が保たれた状態、すなわち、渡し胴4の外周面とブラシ12のフランジ体9との距離が保たれた状態で、高速回転するブラシ12と渡し胴4とが、当該渡し胴4の軸方向に相対移動するとともに、渡し胴4の軸心周りに相対的に回転することで、複数の金属製線状体10,…によって渡し胴4の外周面の全域が適正な表面粗さで表面うねりを矯正するように研削されることとなる。
【0031】
したがって、被覆金属層2の外周(渡し胴4の外周)を軸方向に亘って表面うねりを矯正した適正な状態に仕上げることができるとともに、被覆金属層2の全外周面を適正な表面粗さで仕上げることができ、シート体の搬送、及びメンテナンスに適した外周面を備えた渡し胴4を製造することができる。
【0032】
また、ブラシ12の回転、及びブラシ12と渡し胴4との相対移動、及び相対回転により、被覆金属層2の全周面を研磨するようにしたので、短時間(上記構成の胴の場合においては、約20分)で該胴の全外周面を仕上げることができる。なお、発明者の測定結果によれば、上記条件において、仕上げられた被覆金属層2の表面粗さは、Rmax=43〜60を得ることができる。一方、未仕上げの溶射肌の表面粗さは、Rmax=66.2〜69.4であり、溶射後にショットブラストを行った従来の胴の表面粗さは、Rmax=50.5〜54.7であった。
【0033】
以上のように、上記渡し胴4の表面仕上げ方法によれば、未仕上げ状態の渡し胴4の外周面に対して、高速回転するブラシ12の複数の金属製線状体10,…を押し付け、この押し付け状態を維持すべく、渡し胴4の軸心と直交する方向における渡し胴4の外表面とブラシ12との距離を維持しつつ、渡し胴4とブラシ12とを、該渡し胴4の軸心周りに相対的に回転させるとともに、軸方向に相対移動させるようにしたので、ブラシ12の回転により渡し胴4の外周面を金属製線状体10,…で均一に研磨して適正な表面粗さで仕上げることができる。つまり、当該渡し胴4(胴)の表面仕上げ方法によれば、渡し胴4の全外周面の表面うねりを矯正しつつ、適正な表面粗さに仕上げることができる。
【0034】
これにより、渡し胴4の外周面に凹凸が形成されず、メンテナンス時においてウエスで外周面を擦っても、当該ウエスの繊維が付着することがなくなる。これにより、繊維を除去する作業が必要なくなり、メンテナンス効率を高めることができる。
【0035】
また、ブラシ12の回転、ブラシ12と渡し胴4との相対移動(回転)により、渡し胴4の全周面を研磨するようにしたので、作業時間を短縮することができ、これにより、渡し胴4の製造コストを低減することができる。
【0036】
尚、本発明の胴の表面仕上げ方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0037】
本実施形態において、ブラシ12の金属製線状体10,…が胴の外周における外周を所定回数研磨した後、ブラシ12を軸方向に所定の送りピッチで送る動作を繰り返すようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、ブラシ12が渡し胴4の全長に亘って軸方向に往動した後、渡し胴4を所定の回転角度(ピッチ)で回転させ、再度ブラシ12を渡し胴4の軸方向に復動させる動作を繰り返し行うようにしてもよい。また、所定回転数で回転するブラシ12を固定した渡し胴4の軸心周りに回転させたり、渡し胴4を連続的に回転させつつ、ブラシ12を軸方向に移動させるようにしたりしてもよい。
【0038】
つまり、渡し胴4とブラシ12との相対移動速度、及び相対回転速度を勘案し、渡し胴4の被覆金属層2の形成された全外周面を研磨することができるように、ブラシ12と渡し胴4とを、当該渡し胴4の軸方向に相対移動させるとともに、渡し胴4の軸心周りで相対的に回転させればよい。
【0039】
本実施形態において、シート体を把持するチャック機構が内装される凹部3を外周面に備えた渡し胴4を一例に挙げて表面仕上げ方法について説明したが、これに限定されるものではなく、胴本体1の外周面に凹部3の形成されていない真円筒状の胴であっても表面仕上げできることは勿論のことである。
【0040】
また、本実施形態において、印刷機に内装される胴(渡し胴4)の表面仕上げについて説明したが、印刷機用の胴に限定されるものではなく、金属性の筒状をなる金属製の胴本体1の外周面上に耐腐食性を有する被覆用の金属を溶射し、被覆金属層の形成された胴であれば、適正な表面粗さで外周面の表面うねりを矯正した適正な表面状態に仕上げることができる。
【0041】
本実施形態において、胴本体1に取り付けた枢支軸5を軸支することにより、渡し胴4を回転させて外周面を仕上げるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、枢支軸5の取り付けられていない胴本体1と被覆金属層2とで構成された渡し胴4の外周面をローラ等で支え、このローラ等の回転により渡し胴4を軸心周りに回転させるようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかる胴の表面仕上げ方法によれば、所定の回転数で回転するブラシのおける複数の金属製線状体の先端部を、被覆金属層の表面に対して所定の押し付け力で押し付けた押付状態で、胴の軸方向でブラシと胴とを相対移動させる軸方向移動工程と、押付状態でブラシが胴の外周面に沿って移動するように、胴の軸心周りでブラシと胴とを相対的に回転させる回転工程とで構成されているので、短時間の作業で溶射により形成された被覆金属層の外周面を適正な状態に仕上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる渡し胴の外観斜視図を示す。
【図2】同実施形態にかかる渡し胴の外周面を仕上げるためのブラシの全体斜視図を示す。
【図3】同実施形態にかかる渡し胴の表面仕上げ方法を説明する説明図であって、(イ)は、被覆金属層の外周面にブラシの金属製線状体を接触させた際の状態図を示し、(ロ)は、被覆金属層の外周面に対して所定の押し付け力が作用するように、ブラシを渡し胴側に押し付けた際の状態図を示す。
【図4】同実施形態にかかる渡し胴の外周面を仕上げる際の状態斜視図を示す。
【符号の説明】
1…胴本体、2…被覆金属層、3…凹部、4…渡し胴(胴)、5…枢支軸、9…フランジ体、10…金属製線状体、11…軸体、12…ブラシ
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート体の搬送や、シート体の印刷等に用いられる胴の表面仕上げ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、渡し胴、版胴、圧胴等といった円筒状の胴のそれぞれを、所定箇所で枢設することで各胴の有する機能を発揮させ、ロール紙や枚葉紙等のシート体の搬送や、該シート体の印刷を行う印刷機がある。
【0003】
かかる印刷機は、印刷にインキ、水、薬液などが使用されるので、胴の耐腐食性が重要となる。特に、印刷済み、或いは印刷前の前処理済みのシート体を搬送する渡し胴は、シート体の面と外周面とが接触する機会が多いため、シート体に付着したインキ、水、薬液の水分等が渡し胴の外表面に付着しやすく、耐腐食性を備える必要がある。
【0004】
そこで、水分等の付着し易い渡し胴等の胴は、金属製の胴本体の外周面に耐腐食性を有する被覆用の金属が溶射され、胴本体に被覆金属層を形成したものが採用されることがある。
【0005】
このように被覆金属層を備えた胴は、シート体を傷めることなく搬送できるように、製造過程において胴本体の外周面上に形成された被覆金属層に対してショットブラストすることで胴の外周面を研削し、該外周面の表面うねりや表面粗さ等を調整して製造されていた。
【0006】
ところが、ショットブラストによる胴の外周面(被覆金属層)の調整は、ブラスト剤の衝突により行うため、該ブラスト剤の吹き出し速度や吹き出し位置等の設定には細心の注意を要し、また、被覆金属層(溶射に使用される被覆用の金属)の硬度が高いため、胴の外周面の全面を均一に仕上げるには長時間(例えば、外径φ360mm、長さ600mmの胴の外周面を仕上げるのに、40分〜50分)の作業を要し、製造コストの高騰を招く原因となっていた。
【0007】
そこで、種々検討を行った結果、何らの加工も施していない被覆金属層の外周面(溶射肌)が、ショットブラストした場合の表面粗さと大差がなく、また、シート体を円滑に搬送することができる程度のものであることがわかり、被覆金属層に対して表面処理を施していない溶射肌のものを胴として採用し、コストダウンを図ることとした。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−12151号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記構成の胴は、外周面が胴本体の外周面の形状に即して形成された溶射肌であるため、外周面の表面うねりが矯正されておらず、メンテナンス時において、胴の外周面をウエス(布きれ等)で清掃すると、ウエスの繊維(毛)が胴の外周面の表面うねりによる凸部分等に引っかかって、該繊維が外周面に付着してしまう。
【0010】
そのため、メンテナンス時に繊維を除去する作業が必要となり、メンテナンス効率が悪化してしまうといった問題が生じた。
【0011】
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、筒状の胴本体の外周面上に溶射により形成された被覆金属層の外周面を短時間の作業で適正状態に仕上げることのできる胴の表面仕上げ方法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる胴の表面仕上げ方法は、請求項1記載の如く、略円筒状をなす金属製の胴本体1の外周面に対して被覆用の金属が溶射され、胴本体1の外周面上に被覆金属層2の形成された胴の表面仕上げ方法であって、胴4の軸心に対して直交方向の回転軸周りで、所定の回転数で回転するブラシ12における複数の金属製線状体10,…の先端部を、被覆金属層2の表面に対して押し付けた押付状態で、胴4の軸方向でブラシ12と胴4とを相対移動させる軸方向移動工程と、押付状態でブラシ12が胴4の外周面に沿って移動するように、胴4の軸心周りでブラシ12と胴4とを相対的に回転させる回転工程とで構成されたことを特徴とする。
【0013】
上記方法によれば、被覆金属層2の表面にブラシ12の金属製線状体10,…を押し付けた押付状態にするようにしたので、この状態において金属製線状体10,…は湾曲状に撓んだ状態となり、全ての金属製線状体10,…の先端部が胴4の外周面に均一に接触した状態となる。したがって、上述の如くブラシ12を所定回転数で回転させれば、金属製線状体10,…の先端部が回転軸周りに回転して被覆金属層2の表面に擦りつけられた状態となり、被覆金属層2の外周面の一部が金属製線状体10,…により研磨されることとなる。
【0014】
そして、押付状態が保たれた状態で、ブラシ12が胴4の外周面に沿って移動するように、胴4の軸心周りでブラシ12と胴4とを相対的に回転させる(回転工程)ようにしたので、胴4の全周を研磨することができ、また、胴4の軸方向でブラシ12と胴4とを相対移動させる(軸方向移動工程)ようにしたので、胴4の外周面を胴4の全長に亘って研磨することができ、これにより、胴4の全周面を研磨することができる。
【0015】
また、上述の如く、押付状態で回転工程、及び軸方向移動工程を行うので、被覆金属層2を研磨する際の金属製線状体10,…と被覆金属層2との当接状態が一定となり、軸方向における被覆金属層2の外周(胴4の外周面)の表面うねりを矯正して仕上げることができるとともに、被覆金属層2の全外周面を均一且つ適正な表面粗さで仕上げることができる。また、ブラシ12の回転、及びブラシ12と胴4の相対移動により、被覆金属層2の全周面を研磨するようにしたので、短時間での加工で胴4の全外周面を仕上げることができる。
【0016】
また、請求項2記載の如く、軸方向移動工程は、ブラシ12のみを胴4の軸方向の直線移動軌跡上で移動させてなり、回転工程は、軸方向移動工程における直線移動軌跡上にブラシ12を配置した状態で、胴4のみを軸心周りに回転させてなれば、ブラシ12及び胴4を複雑な動きにすることなく、略連続的に被覆金属層2の表面の全周を効率よく研磨することができ、表面仕上げ時間を短縮することができる。
【0017】
さらに、請求項3記載の如く、胴4は、該胴4と同軸をなす枢支軸5を両端部に備えてなり、この枢支軸5を枢支することで、回転工程において胴4を回転可能にすることが好ましい。このようにすれば、枢支軸5の軸心周りで胴4を回転させつつ、その胴4の外周面が研磨されることとなるので、加工上の精度により胴本体1に対して枢支軸5が設けられるに際し、枢支軸5の軸心と胴本体1の軸心とが微小にずれていた場合であっても、研磨後の外周面を基準にして胴4の軸心と枢支軸5の軸心とが一致し(同心となり)、胴4を製品として使用するにあたり、上記枢支軸5を用いて当該胴4を枢設すれば、胴4を回転させた際に外周面が微小にぶれるといった事態を防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態にかかる胴の表面仕上げ方法について、添付図面を参照して説明する。なお、本実施形態は、印刷機に内装され、シート体を搬送する胴(渡し胴)を一例にとって説明する。
【0019】
本実施形態にかかる渡し胴は、図1に示す如く、略円筒状をなす金属製の胴本体1の外周面上に被覆金属層2が形成されたものである。
【0020】
本実施形態にかかる胴本体1は、球状黒鉛鋳鉄(FCD450)で構成されており、シート体は把持するチャック機構(図示しない)を内装可能に構成された二つの凹部3が外周面に軸方向に延びるように形成されている。該二つ凹部3のそれぞれは、外周回りで約180°の間隔を有して設けられている。かかる胴本体1は、各凹部3を除く外周面上に耐腐食性を有する被覆金属層2が形成されており、被覆金属層2を含めた外径Xがφ360mm、軸方向の長さLが600mmに設定されている。なお、本実施形態にかかる被覆金属層2は、ニッケル系合金(ハステロイ)により形成されている。
【0021】
上記構成の渡し胴4は、当該渡し胴4(胴本体1)と同軸をなすように枢支軸5が両端部に取り付けられている。この枢支軸5は、印刷機内で枢支されることで、渡し胴4を軸心周りに回転可能にするためのものであり、また、渡し胴4の外周面を仕上げるのに使用するものである。
【0022】
上記構成の渡し胴4を製造するには、円筒状の胴本体1の外周面に対して被覆金属を溶射し、胴本体1の外周面上に所定の厚さの被覆金属層2を形成する。そして、この胴の外周面を適正な状態に仕上げる。
【0023】
この渡し胴4の外周面を適正な状態に仕上げるには、ブラシが用いられる。かかるブラシは、図2に示す如く、円板状のフランジ体9の一方の面に複数の金属製線状体10,…が植毛され、フランジ体9の他方の面に、該フランジ体9の中心と軸心を一致させた軸体11が突設された構成を有している。
【0024】
かかる複数の金属製線状体10,…のそれぞれは、線径がφ0.1mmに設定されたステンレス鋼(例えば、胴の被覆金属がニッケル系合金である場合には、SUS304)で構成されている。該ブラシ12を上記サイズの胴の外周面を仕上げるのに最適なものとすべく、複数の金属製線状体10,…は、フランジ体9の一方の面において、外径Aが略φ75mm、内径Bが略φ50mmに設定され、中心がこの面の中心と一致したドーナツ状の領域に植毛され、植毛密度は、400本/cm2となっている。また、各金属製線状体10,…は、フランジ体9の一方の面からの長さCが10mmとなるように設定されている。
【0025】
上記構成のブラシ12を用いて渡し胴4の未仕上げの外周面を仕上げるには、図3(イ)に示す如く、一旦、ブラシ12の金属製線状体10,…の先端を渡し胴4の被覆金属層2の表面に接触させてから、図3(ロ)に示す如く、ブラシ12を渡し胴4側に所定量δ(本実施形態においては3mm)変位させ、金属製線状体10,…を渡し胴4の被覆金属層2の表面に対して押し付ける。つまり、金属製線状体10,…の材質(硬度)、線径、長さ、植毛本数、植毛密度等に応じた変位量δでブラシ12を変位させ、渡し胴4の被覆金属層2の表面に所定の押し付け力が作用した状態にする。
【0026】
そうすると、金属製線状体10,…は、撓んだ状態となり、先端及び該先端近傍(先端部)の外周面が被覆金属層2の表面に接触することとなる。なお、この状態において外周面が未仕上げの渡し胴4は、枢支軸5が回転可能に軸支されて配置されている。
【0027】
そして、ブラシ12を所定の回転数で軸体11周りで回転させ、このブラシ12と渡し胴4とを、当該渡し胴4の軸心周りで相対的に回転させる(回転工程)とともに、軸方向に相対移動させる(軸方向移動工程)。
【0028】
具体的には、図4に示す如く、ブラシ12の金属製線状体10,…を胴に押し付けた状態を維持しつつ、所定回転数(本実施形態においては、3000rpm)でブラシ12を回転させるとともに、渡し胴4を所定回転数(本実施形態においては、120rpm)を回転させ(回転工程)、ブラシ12を渡し胴4の軸方向の直線移動軌跡上を移動させる(軸方向移動工程)。なお、本実施形態におけるブラシ12の軸方向の移動は、ブラシ12の金属製線状体10,…が渡し胴4の外周面を所定周回研磨した後、ブラシ12を軸方向に所定の送りピッチ(本実施形態においては、3mm)で送る動作を繰り返すようになっている。
【0029】
そうすると、金属製線状体10,…の先端部が被覆金属層2の表面に高速で擦りつけられた状態となり、被覆金属層2の表面が金属製線状体10,…により研磨されることとなる。
【0030】
そして、金属製線状体10,…による被覆金属層2に対しての押付状態が保たれた状態、すなわち、渡し胴4の外周面とブラシ12のフランジ体9との距離が保たれた状態で、高速回転するブラシ12と渡し胴4とが、当該渡し胴4の軸方向に相対移動するとともに、渡し胴4の軸心周りに相対的に回転することで、複数の金属製線状体10,…によって渡し胴4の外周面の全域が適正な表面粗さで表面うねりを矯正するように研削されることとなる。
【0031】
したがって、被覆金属層2の外周(渡し胴4の外周)を軸方向に亘って表面うねりを矯正した適正な状態に仕上げることができるとともに、被覆金属層2の全外周面を適正な表面粗さで仕上げることができ、シート体の搬送、及びメンテナンスに適した外周面を備えた渡し胴4を製造することができる。
【0032】
また、ブラシ12の回転、及びブラシ12と渡し胴4との相対移動、及び相対回転により、被覆金属層2の全周面を研磨するようにしたので、短時間(上記構成の胴の場合においては、約20分)で該胴の全外周面を仕上げることができる。なお、発明者の測定結果によれば、上記条件において、仕上げられた被覆金属層2の表面粗さは、Rmax=43〜60を得ることができる。一方、未仕上げの溶射肌の表面粗さは、Rmax=66.2〜69.4であり、溶射後にショットブラストを行った従来の胴の表面粗さは、Rmax=50.5〜54.7であった。
【0033】
以上のように、上記渡し胴4の表面仕上げ方法によれば、未仕上げ状態の渡し胴4の外周面に対して、高速回転するブラシ12の複数の金属製線状体10,…を押し付け、この押し付け状態を維持すべく、渡し胴4の軸心と直交する方向における渡し胴4の外表面とブラシ12との距離を維持しつつ、渡し胴4とブラシ12とを、該渡し胴4の軸心周りに相対的に回転させるとともに、軸方向に相対移動させるようにしたので、ブラシ12の回転により渡し胴4の外周面を金属製線状体10,…で均一に研磨して適正な表面粗さで仕上げることができる。つまり、当該渡し胴4(胴)の表面仕上げ方法によれば、渡し胴4の全外周面の表面うねりを矯正しつつ、適正な表面粗さに仕上げることができる。
【0034】
これにより、渡し胴4の外周面に凹凸が形成されず、メンテナンス時においてウエスで外周面を擦っても、当該ウエスの繊維が付着することがなくなる。これにより、繊維を除去する作業が必要なくなり、メンテナンス効率を高めることができる。
【0035】
また、ブラシ12の回転、ブラシ12と渡し胴4との相対移動(回転)により、渡し胴4の全周面を研磨するようにしたので、作業時間を短縮することができ、これにより、渡し胴4の製造コストを低減することができる。
【0036】
尚、本発明の胴の表面仕上げ方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0037】
本実施形態において、ブラシ12の金属製線状体10,…が胴の外周における外周を所定回数研磨した後、ブラシ12を軸方向に所定の送りピッチで送る動作を繰り返すようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、ブラシ12が渡し胴4の全長に亘って軸方向に往動した後、渡し胴4を所定の回転角度(ピッチ)で回転させ、再度ブラシ12を渡し胴4の軸方向に復動させる動作を繰り返し行うようにしてもよい。また、所定回転数で回転するブラシ12を固定した渡し胴4の軸心周りに回転させたり、渡し胴4を連続的に回転させつつ、ブラシ12を軸方向に移動させるようにしたりしてもよい。
【0038】
つまり、渡し胴4とブラシ12との相対移動速度、及び相対回転速度を勘案し、渡し胴4の被覆金属層2の形成された全外周面を研磨することができるように、ブラシ12と渡し胴4とを、当該渡し胴4の軸方向に相対移動させるとともに、渡し胴4の軸心周りで相対的に回転させればよい。
【0039】
本実施形態において、シート体を把持するチャック機構が内装される凹部3を外周面に備えた渡し胴4を一例に挙げて表面仕上げ方法について説明したが、これに限定されるものではなく、胴本体1の外周面に凹部3の形成されていない真円筒状の胴であっても表面仕上げできることは勿論のことである。
【0040】
また、本実施形態において、印刷機に内装される胴(渡し胴4)の表面仕上げについて説明したが、印刷機用の胴に限定されるものではなく、金属性の筒状をなる金属製の胴本体1の外周面上に耐腐食性を有する被覆用の金属を溶射し、被覆金属層の形成された胴であれば、適正な表面粗さで外周面の表面うねりを矯正した適正な表面状態に仕上げることができる。
【0041】
本実施形態において、胴本体1に取り付けた枢支軸5を軸支することにより、渡し胴4を回転させて外周面を仕上げるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、枢支軸5の取り付けられていない胴本体1と被覆金属層2とで構成された渡し胴4の外周面をローラ等で支え、このローラ等の回転により渡し胴4を軸心周りに回転させるようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかる胴の表面仕上げ方法によれば、所定の回転数で回転するブラシのおける複数の金属製線状体の先端部を、被覆金属層の表面に対して所定の押し付け力で押し付けた押付状態で、胴の軸方向でブラシと胴とを相対移動させる軸方向移動工程と、押付状態でブラシが胴の外周面に沿って移動するように、胴の軸心周りでブラシと胴とを相対的に回転させる回転工程とで構成されているので、短時間の作業で溶射により形成された被覆金属層の外周面を適正な状態に仕上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる渡し胴の外観斜視図を示す。
【図2】同実施形態にかかる渡し胴の外周面を仕上げるためのブラシの全体斜視図を示す。
【図3】同実施形態にかかる渡し胴の表面仕上げ方法を説明する説明図であって、(イ)は、被覆金属層の外周面にブラシの金属製線状体を接触させた際の状態図を示し、(ロ)は、被覆金属層の外周面に対して所定の押し付け力が作用するように、ブラシを渡し胴側に押し付けた際の状態図を示す。
【図4】同実施形態にかかる渡し胴の外周面を仕上げる際の状態斜視図を示す。
【符号の説明】
1…胴本体、2…被覆金属層、3…凹部、4…渡し胴(胴)、5…枢支軸、9…フランジ体、10…金属製線状体、11…軸体、12…ブラシ
Claims (3)
- 略円筒状をなす金属製の胴本体(1)の外周面に対して被覆用の金属が溶射され、胴本体(1)の外周面上に被覆金属層(2)の形成された胴の表面仕上げ方法であって、胴(4)の軸心に対して直交方向の回転軸周りで、所定の回転数で回転するブラシ(12)における複数の金属製線状体(10,…)の先端部を、被覆金属層(2)の表面に対して押し付けた押付状態で、胴(4)の軸方向でブラシ(12)と胴(4)とを相対移動させる軸方向移動工程と、押付状態でブラシ(12)が胴(4)の外周面に沿って移動するように、胴(4)の軸心周りでブラシ(12)と胴(4)とを相対的に回転させる回転工程とで構成されたことを特徴とする胴の表面仕上げ方法。
- 軸方向移動工程は、ブラシ(12)のみを胴(4)の軸方向の直線移動軌跡上で移動させてなり、回転工程は、軸方向移動工程における直線移動軌跡上にブラシ(12)を配置した状態で、胴(4)のみを軸心周りに回転させてなる請求項1記載の胴の表面仕上げ方法。
- 胴(4)は、該胴(4)と同軸をなす枢支軸(5)を両端部に備えてなり、この枢支軸(5)を枢支することで、回転工程において胴(4)を回転可能にした請求項1又は2記載の胴の表面仕上げ方法。
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JP2003020776A JP2004230659A (ja) | 2003-01-29 | 2003-01-29 | 胴の表面仕上げ方法 |
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JP2006164254A (ja) * | 2004-11-12 | 2006-06-22 | Fuji Xerox Co Ltd | 映像検索結果を提示するためのシステム、装置、方法、およびプログラム |
JP2012086413A (ja) * | 2010-10-18 | 2012-05-10 | Mitsubishi Heavy Industries Printing & Packaging Machinery Ltd | 印刷胴、印刷ユニット、印刷機並びに印刷胴の製造方法 |
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2003
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