JP2004229744A - 刃物 - Google Patents
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Abstract
【課題】刃体の刃先部を適切かつ容易に研ぐことが可能に構成されている刃物を提供する。
【解決手段】刃体1と、この刃体1を支持する柄2と、この柄2に着脱自在な砥石3と、を備えた刃物Xであって、柄2の外面のうち、刃体1の厚み方向に間隔を隔てた一対の側面21a,21bの少なくとも一方の全体または一部は、刃体1の厚み方向中心線Lに対して傾斜した平面状の傾斜面とされており、砥石3を用いて刃体1の刃先部13を研ぐときには、上記傾斜面が所望の台5の表面51に接触するように柄2を台5上に載置することによって刃体1がその刀背14から刃先15に向かうにつれて上方に変位する斜めの姿勢に設定可能とされている。
【選択図】 図2
【解決手段】刃体1と、この刃体1を支持する柄2と、この柄2に着脱自在な砥石3と、を備えた刃物Xであって、柄2の外面のうち、刃体1の厚み方向に間隔を隔てた一対の側面21a,21bの少なくとも一方の全体または一部は、刃体1の厚み方向中心線Lに対して傾斜した平面状の傾斜面とされており、砥石3を用いて刃体1の刃先部13を研ぐときには、上記傾斜面が所望の台5の表面51に接触するように柄2を台5上に載置することによって刃体1がその刀背14から刃先15に向かうにつれて上方に変位する斜めの姿勢に設定可能とされている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、包丁などの刃物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の刃物の一例としては、特許文献1に記載されている包丁があり、この包丁を本願の図6に示す。図示された包丁100は、刃体110と、柄120と、砥石体130と、を有して構成されている。刃体110は、柄120の先端部に取り付けられている。柄120は、砥石体130が嵌合可能な嵌合溝121を有しており、砥石体130は、この嵌合溝121に着脱自在に取り付けられている。砥石体130には、刃体110の刃先部111を研ぐための砥石部131が設けられている。
【0003】
このような構成によれば、砥石体130が柄120の嵌合溝121に取り付けられているため、刃先部111の切れ味が悪くなったときには、嵌合溝121から砥石体130を抜き取ってから、この砥石体130によって即座に刃先部111を研ぐことができる。
【0004】
【特許文献1】
実開平5−21870号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の包丁100においては、刃体110の刃先部111を研ぐときに、柄120を片手で持ち、かつ砥石体130をもう一方の手で持って、砥石部131と刃先部111とを接触させながら、たとえば砥石体130を刃先部111の延びる方向に往復運動させていた。しかしながら、このような研ぎ方では、刃体110および砥石体130はぐらつきやすく、刃先部111と砥石部131との接触角度を一定に保ちながら砥石体130を移動させることは困難であった。このため、刃先部111を適切に研ぐことができない場合があった。
【0006】
本願発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、刃体の刃先部を適切かつ容易に研ぐことが可能に構成されている刃物を提供することをその課題としている。
【0007】
【発明の開示】
上記の課題を解決するために、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0008】
本願発明によって提供される刃物は、刃体と、この刃体を支持する柄と、この柄に着脱自在な砥石と、を備えた刃物であって、上記柄の表面のうち、上記刃体の厚み方向に間隔を隔てた一対の側面の少なくとも一方の全体または一部は、上記刃体の厚み方向中心線に対して傾斜した平面状の傾斜面とされており、上記砥石を用いて上記刃体の刃先部を研ぐときには、上記傾斜面が所望の台の表面に接触するように上記柄を上記台上に載置することによって上記刃体がその刀背から刃先に向かうにつれて上方に変位する斜めの姿勢に設定可能とされていることを特徴としている。
【0009】
このような構成によれば、上記砥石を用いて上記刃体の刃先部を研ぐときに、上記柄の傾斜面が上記台の表面に接触した状態で上記柄を上記台に押圧することにより、上記刃体は上記斜めの姿勢で安定することとなる。すなわち、上記従来技術とは異なり、上記刃体のぐらつきを容易に防止することができる。したがって、上記刃先部と上記砥石との接触角度を一定に保ちやすくなり、上記刃先部を上記従来技術よりも適切にかつ容易に研ぐことが可能となる。
【0010】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記柄の傾斜面は、この傾斜面が上記台の表面に接触するときに上向きとなる上記刃体の刃先面に略平行である。
【0011】
このような構成によれば、上記柄の傾斜面を上記台の表面に接触させれば、上記刃体の刃先面は上記台の表面に略平行となる。したがって、上記刃先面を研ぐときには、上記砥石を上記台の表面に対して略平行に移動させればよい。上記砥石が上記台の表面に対して略平行な姿勢を維持しているか否かは視覚的に確認しやすいため、上記砥石のぐらつきも容易に防止可能となる。このため、上記刃先面と上記砥石との接触角度をより一定に保ちやすくなり、上記刃先面を具合よく研ぐことが可能となる。
【0012】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記砥石の一端部には、この砥石を支持する砥石台が取り付けられており、この砥石台は、上記刃体が上記斜めの姿勢に設定された状態において上記砥石を用いて上記刃先部を研ぐときに、上記台の表面に接触可能に構成されている。
【0013】
このような構成によれば、上記砥石を用いて上記刃体の刃先部を研ぐときには、上記砥石台を上記台の表面に接触させながら上記砥石を移動させることができる。したがって、上記砥石のぐらつきを防止することがより容易となり、上記刃先部をより具合よく研ぐことが可能となる。
【0014】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記柄には、上記砥石を収容可能な収容部が形成されており、上記砥石台は、上記砥石が上記収容部に収容されたときには、この砥石台の表面と上記柄の表面とが略面一となるようにして上記柄の後端部に連続する構成とされている。
【0015】
このような構成によれば、上記砥石を上記柄の収容部に収容させることができるため、上記柄を持って刃物を利用する際に上記砥石は邪魔とならず、上記柄が握り難くなるといったことを防止することができる。また、上記砥石台は、この砥石台の表面と上記柄の表面とが略面一となるようにして上記柄の後端部に連続しており、外観上、上記柄の一部のように見えるため、刃物の美観を損ねることも防止することができる。この砥石台は把持部としても利用されるため、上記砥石の使い勝手を良くすることも可能となる。
【0016】
本願発明のその他の特徴および利点については、以下に行う発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0018】
図1は、本願発明に係る刃物の一実施形態を示している。本実施形態は、本願発明を包丁に適用したものである。本実施形態の包丁Xは、刃体1と、一定方向に延びるとともに、刃体1を支持する柄2と、この柄2に着脱自在な砥石3と、を備えている。
【0019】
刃体1は、たとえばステンレス鋼製であり、耐食性に優れたものとなっている。この刃体1は、柄2の先端部21から柄2の長手方向に延びている刃身11と、柄2に埋め込まれている中子12とから構成されている。刃体1はたとえば両刃であって、刃身11の片側縁には、鋭角をなして交わる一対の刃先面13a,13bを有する刃先部13が形成されている。中子12の長さは、たとえば柄2の長手方向寸法の略半分の長さである。中子12は、刃体1がぐらついたり、または柄2から容易に離脱しないように、たとえば中子12および柄2を貫通する鋲4によって柄2に強固に固定されている。鋲4は、柄2の表面から突出しないように柄2に埋め込まれている。
【0020】
柄2は、図2によく表われているように、断面視略台形状であり、たとえば合成樹脂製である。柄2の表面のうち、刃体1の厚み方向に間隔を隔てた一対の側面21a,21bは、この柄2の背部22寄りほど刃体1の厚み方向中心線Lとの間隔が小さくなるように中心線Lに対して斜めに傾いた略平面状の傾斜面とされている。このことにより、刃体1は、一対の側面21a,21bのいずれか一方をテーブルなどの台5の表面51に接触させるようにして柄2を台5上に載置したときに、刃身11がその刀背14から刃先15に向かうにつれて上方に変位するような、言い換えれば刃身11が台5の表面51に対して所定の角度をもって立ち上がるような斜めの姿勢をとるようになっている。また、一対の側面21a,21bは、側面21aが刃先面13aに略平行となるように、かつ側面21bが刃先面13bに略平行となるようにも設定されている。
【0021】
柄2の内部には、図1(b)に示されているように、その後端部23に開口した収容部24が形成されている。収容部24は、刃体1の中子12と干渉しないように柄2の長手方向に延びている。この収容部24には、砥石3が収容されることとなる。
【0022】
砥石3は、略細長棒状であり、その表面は、刃身11を研ぐのに適した粗面となっている。ここで、本明細書において、単に「砥石」という場合には、砂岩などからなる石製のものに限定されず、たとえばセラミックス製やステンレスなどの金属製のものも含む。本実施形態における砥石3は、たとえばセラミックス製であり、摩耗し難くなっている。この砥石3には、たとえばその一端部近傍の外周面にこの外周面を一周する環状の凸部31が形成されている。砥石3の一端部には、この砥石3を支持する砥石台32が取り付けられている。砥石台32は、柄2と同様に、たとえば合成樹脂製である。この砥石台32には、略半球状の突起部32aが形成されている。
【0023】
砥石3は、通常時においては、図1(a)に示されているように、柄2の収容部24に収容されるようにして柄2に取り付けられている。このとき、砥石台32は、その表面と柄2の表面とが略面一となるようにして柄2の後端部23に連続するようになっている。収容部24の内周面には、この内周面を一周し、かつ砥石3を収容したときに凸部31が係合可能な環状の凹部24aが形成されている。このように、砥石3は、凸部31が凹部24aに係合することにより、柄2から容易に離脱しない構成とされている。
【0024】
一方、砥石3は、刃体1の刃先部13を研ぐときには、図1(b)に示されているように、砥石台32を矢印A方向に引っ張ることにより、柄2から抜き取り可能となっている。砥石台32は、図3に示されているように、たとえば柄2の側面21aを台5の表面51に接触させたときに上向きとなる刃先面13aに対して砥石3を接触させるとともに、この砥石3の姿勢を表面51に対して略平行とさせたときに、突起部32aが表面51と接触するように構成されている。
【0025】
上記した構成の包丁Xにおいて、たとえば刃体1の刃先面13aを研ぐときには、図3に示されているように、まず、側面21aが台5の表面51に接触した状態で柄2を台5に片手で押圧することにより刃体1の斜めの姿勢を固定させる。それから、予め柄2から抜き取っておいた砥石3付きの砥石台32をもう一方の手で持ち、砥石3を刃体1の刃先面13aに接触させながら刃先面13aの延びる方向に移動させればよい。このような研ぎ方によれば、上記従来技術とは異なり、刃体1のぐらつきが防止されるため、刃先面13aを適切にかつ容易に研ぐことが可能となる。刃先面13bについても、側面21bが台5の表面51側に向くように包丁Xを反転させることにより、上記と同様にして研ぐことができる。
【0026】
また、柄2の側面21a,21bは、それぞれ刃先面13a,13bに略平行となるように設定されているため、柄2が図3に示されている姿勢をとっているときには、刃先面13aと台5の表面51とは略平行となる。このことにより、刃先面13aを研ぐときには、砥石3が台5の表面51に対して略平行な姿勢を維持するように砥石3を移動させればよく、刃先角が不適切な角度とならないように刃先部13を研ぐことができる。砥石3が台5の表面51に対して略平行な姿勢を維持しているか否かは視覚的に確認しやすいため、砥石3のぐらつきを防止することは容易となる。したがって、刃先面13aと砥石5との接触角度をより一定に保ちやすくなり、刃先面13aをより適切にかつ容易に研ぐことが可能となる。さらに、この刃先面13aに砥石3を略平行に接触させたときには、砥石台32の突起部32aが台5の表面51と接触する。このことにより、砥石3のぐらつきをより容易に防止することでき、刃先面13aを具合よく研ぐことが可能となる。
【0027】
一方、上記した構成の包丁Xにおいては、通常時、砥石3は柄2の収容部24に収容され、砥石台32はその表面と柄2の表面とが段差を生じることなく滑らかに柄2の後端部23に連続している。このことにより、柄2の持ち心地の良さが損なわれることはなく、包丁Xの美観も良好である。
【0028】
本願発明は、上述した実施形態の内容に限定されるものではない。本願発明に係る刃物の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0029】
たとえば、柄の一対の側面は、その全体が平面状の傾斜面とされていなくてもかまわず、図4に示されているように、その一部が平面状の傾斜面とされていてもよい。このような構成であっても、刃体に斜めの姿勢をとらせて、その姿勢を維持させることができる。
【0030】
刃体は、その刃先部の両面が傾斜状の刃先面とされた両刃であることに限定されず、図5に示されているように、刃先部13の片面のみが傾斜状の刃先面13cとされた片刃であってもよい。この場合には、刃体11の厚み方向に間隔を隔てた一対の側面21a,21bの両方を必ずしも傾斜面とする必要はなく、刃先面13cを研ぐときに台5の表面51と接触することとなる側面21aのみを傾斜面としてもよい。
【0031】
砥石も略細長棒状に限定されず、たとえば略平板状であってもよい。また、砥石は柄の内部に収容されるようにして柄に取り付けられることに限定されず、たとえば柄の表面に形成された凹状溝に収容され、柄の外部に露出した状態で柄に取り付けられてもよい。砥石に形成された凸部も環状に限定されず、非環状であってもよい。さらに、本願発明は、包丁に限定されず、他の刃物にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本願発明に係る刃物の一例を示す側面図であり、
(b)は、(a)に示す刃物の作用説明図である。
【図2】図1(a)のII−II断面図である。
【図3】図1に示す刃物の作用説明図である。
【図4】本願発明に係る刃物の他の実施形態を示す断面図である。
【図5】本願発明に係る刃物の他の実施形態を示す断面図である。
【図6】従来の刃物の一例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 刃体
14 刀背
15 刃先部
2 柄
21a,21b 一対の側面
24 収容部
3 砥石
32 砥石台
5 台
51 表面
L 刃体の厚み方向中心線
X 包丁
【発明の属する技術分野】
本願発明は、包丁などの刃物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の刃物の一例としては、特許文献1に記載されている包丁があり、この包丁を本願の図6に示す。図示された包丁100は、刃体110と、柄120と、砥石体130と、を有して構成されている。刃体110は、柄120の先端部に取り付けられている。柄120は、砥石体130が嵌合可能な嵌合溝121を有しており、砥石体130は、この嵌合溝121に着脱自在に取り付けられている。砥石体130には、刃体110の刃先部111を研ぐための砥石部131が設けられている。
【0003】
このような構成によれば、砥石体130が柄120の嵌合溝121に取り付けられているため、刃先部111の切れ味が悪くなったときには、嵌合溝121から砥石体130を抜き取ってから、この砥石体130によって即座に刃先部111を研ぐことができる。
【0004】
【特許文献1】
実開平5−21870号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の包丁100においては、刃体110の刃先部111を研ぐときに、柄120を片手で持ち、かつ砥石体130をもう一方の手で持って、砥石部131と刃先部111とを接触させながら、たとえば砥石体130を刃先部111の延びる方向に往復運動させていた。しかしながら、このような研ぎ方では、刃体110および砥石体130はぐらつきやすく、刃先部111と砥石部131との接触角度を一定に保ちながら砥石体130を移動させることは困難であった。このため、刃先部111を適切に研ぐことができない場合があった。
【0006】
本願発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、刃体の刃先部を適切かつ容易に研ぐことが可能に構成されている刃物を提供することをその課題としている。
【0007】
【発明の開示】
上記の課題を解決するために、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0008】
本願発明によって提供される刃物は、刃体と、この刃体を支持する柄と、この柄に着脱自在な砥石と、を備えた刃物であって、上記柄の表面のうち、上記刃体の厚み方向に間隔を隔てた一対の側面の少なくとも一方の全体または一部は、上記刃体の厚み方向中心線に対して傾斜した平面状の傾斜面とされており、上記砥石を用いて上記刃体の刃先部を研ぐときには、上記傾斜面が所望の台の表面に接触するように上記柄を上記台上に載置することによって上記刃体がその刀背から刃先に向かうにつれて上方に変位する斜めの姿勢に設定可能とされていることを特徴としている。
【0009】
このような構成によれば、上記砥石を用いて上記刃体の刃先部を研ぐときに、上記柄の傾斜面が上記台の表面に接触した状態で上記柄を上記台に押圧することにより、上記刃体は上記斜めの姿勢で安定することとなる。すなわち、上記従来技術とは異なり、上記刃体のぐらつきを容易に防止することができる。したがって、上記刃先部と上記砥石との接触角度を一定に保ちやすくなり、上記刃先部を上記従来技術よりも適切にかつ容易に研ぐことが可能となる。
【0010】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記柄の傾斜面は、この傾斜面が上記台の表面に接触するときに上向きとなる上記刃体の刃先面に略平行である。
【0011】
このような構成によれば、上記柄の傾斜面を上記台の表面に接触させれば、上記刃体の刃先面は上記台の表面に略平行となる。したがって、上記刃先面を研ぐときには、上記砥石を上記台の表面に対して略平行に移動させればよい。上記砥石が上記台の表面に対して略平行な姿勢を維持しているか否かは視覚的に確認しやすいため、上記砥石のぐらつきも容易に防止可能となる。このため、上記刃先面と上記砥石との接触角度をより一定に保ちやすくなり、上記刃先面を具合よく研ぐことが可能となる。
【0012】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記砥石の一端部には、この砥石を支持する砥石台が取り付けられており、この砥石台は、上記刃体が上記斜めの姿勢に設定された状態において上記砥石を用いて上記刃先部を研ぐときに、上記台の表面に接触可能に構成されている。
【0013】
このような構成によれば、上記砥石を用いて上記刃体の刃先部を研ぐときには、上記砥石台を上記台の表面に接触させながら上記砥石を移動させることができる。したがって、上記砥石のぐらつきを防止することがより容易となり、上記刃先部をより具合よく研ぐことが可能となる。
【0014】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記柄には、上記砥石を収容可能な収容部が形成されており、上記砥石台は、上記砥石が上記収容部に収容されたときには、この砥石台の表面と上記柄の表面とが略面一となるようにして上記柄の後端部に連続する構成とされている。
【0015】
このような構成によれば、上記砥石を上記柄の収容部に収容させることができるため、上記柄を持って刃物を利用する際に上記砥石は邪魔とならず、上記柄が握り難くなるといったことを防止することができる。また、上記砥石台は、この砥石台の表面と上記柄の表面とが略面一となるようにして上記柄の後端部に連続しており、外観上、上記柄の一部のように見えるため、刃物の美観を損ねることも防止することができる。この砥石台は把持部としても利用されるため、上記砥石の使い勝手を良くすることも可能となる。
【0016】
本願発明のその他の特徴および利点については、以下に行う発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0018】
図1は、本願発明に係る刃物の一実施形態を示している。本実施形態は、本願発明を包丁に適用したものである。本実施形態の包丁Xは、刃体1と、一定方向に延びるとともに、刃体1を支持する柄2と、この柄2に着脱自在な砥石3と、を備えている。
【0019】
刃体1は、たとえばステンレス鋼製であり、耐食性に優れたものとなっている。この刃体1は、柄2の先端部21から柄2の長手方向に延びている刃身11と、柄2に埋め込まれている中子12とから構成されている。刃体1はたとえば両刃であって、刃身11の片側縁には、鋭角をなして交わる一対の刃先面13a,13bを有する刃先部13が形成されている。中子12の長さは、たとえば柄2の長手方向寸法の略半分の長さである。中子12は、刃体1がぐらついたり、または柄2から容易に離脱しないように、たとえば中子12および柄2を貫通する鋲4によって柄2に強固に固定されている。鋲4は、柄2の表面から突出しないように柄2に埋め込まれている。
【0020】
柄2は、図2によく表われているように、断面視略台形状であり、たとえば合成樹脂製である。柄2の表面のうち、刃体1の厚み方向に間隔を隔てた一対の側面21a,21bは、この柄2の背部22寄りほど刃体1の厚み方向中心線Lとの間隔が小さくなるように中心線Lに対して斜めに傾いた略平面状の傾斜面とされている。このことにより、刃体1は、一対の側面21a,21bのいずれか一方をテーブルなどの台5の表面51に接触させるようにして柄2を台5上に載置したときに、刃身11がその刀背14から刃先15に向かうにつれて上方に変位するような、言い換えれば刃身11が台5の表面51に対して所定の角度をもって立ち上がるような斜めの姿勢をとるようになっている。また、一対の側面21a,21bは、側面21aが刃先面13aに略平行となるように、かつ側面21bが刃先面13bに略平行となるようにも設定されている。
【0021】
柄2の内部には、図1(b)に示されているように、その後端部23に開口した収容部24が形成されている。収容部24は、刃体1の中子12と干渉しないように柄2の長手方向に延びている。この収容部24には、砥石3が収容されることとなる。
【0022】
砥石3は、略細長棒状であり、その表面は、刃身11を研ぐのに適した粗面となっている。ここで、本明細書において、単に「砥石」という場合には、砂岩などからなる石製のものに限定されず、たとえばセラミックス製やステンレスなどの金属製のものも含む。本実施形態における砥石3は、たとえばセラミックス製であり、摩耗し難くなっている。この砥石3には、たとえばその一端部近傍の外周面にこの外周面を一周する環状の凸部31が形成されている。砥石3の一端部には、この砥石3を支持する砥石台32が取り付けられている。砥石台32は、柄2と同様に、たとえば合成樹脂製である。この砥石台32には、略半球状の突起部32aが形成されている。
【0023】
砥石3は、通常時においては、図1(a)に示されているように、柄2の収容部24に収容されるようにして柄2に取り付けられている。このとき、砥石台32は、その表面と柄2の表面とが略面一となるようにして柄2の後端部23に連続するようになっている。収容部24の内周面には、この内周面を一周し、かつ砥石3を収容したときに凸部31が係合可能な環状の凹部24aが形成されている。このように、砥石3は、凸部31が凹部24aに係合することにより、柄2から容易に離脱しない構成とされている。
【0024】
一方、砥石3は、刃体1の刃先部13を研ぐときには、図1(b)に示されているように、砥石台32を矢印A方向に引っ張ることにより、柄2から抜き取り可能となっている。砥石台32は、図3に示されているように、たとえば柄2の側面21aを台5の表面51に接触させたときに上向きとなる刃先面13aに対して砥石3を接触させるとともに、この砥石3の姿勢を表面51に対して略平行とさせたときに、突起部32aが表面51と接触するように構成されている。
【0025】
上記した構成の包丁Xにおいて、たとえば刃体1の刃先面13aを研ぐときには、図3に示されているように、まず、側面21aが台5の表面51に接触した状態で柄2を台5に片手で押圧することにより刃体1の斜めの姿勢を固定させる。それから、予め柄2から抜き取っておいた砥石3付きの砥石台32をもう一方の手で持ち、砥石3を刃体1の刃先面13aに接触させながら刃先面13aの延びる方向に移動させればよい。このような研ぎ方によれば、上記従来技術とは異なり、刃体1のぐらつきが防止されるため、刃先面13aを適切にかつ容易に研ぐことが可能となる。刃先面13bについても、側面21bが台5の表面51側に向くように包丁Xを反転させることにより、上記と同様にして研ぐことができる。
【0026】
また、柄2の側面21a,21bは、それぞれ刃先面13a,13bに略平行となるように設定されているため、柄2が図3に示されている姿勢をとっているときには、刃先面13aと台5の表面51とは略平行となる。このことにより、刃先面13aを研ぐときには、砥石3が台5の表面51に対して略平行な姿勢を維持するように砥石3を移動させればよく、刃先角が不適切な角度とならないように刃先部13を研ぐことができる。砥石3が台5の表面51に対して略平行な姿勢を維持しているか否かは視覚的に確認しやすいため、砥石3のぐらつきを防止することは容易となる。したがって、刃先面13aと砥石5との接触角度をより一定に保ちやすくなり、刃先面13aをより適切にかつ容易に研ぐことが可能となる。さらに、この刃先面13aに砥石3を略平行に接触させたときには、砥石台32の突起部32aが台5の表面51と接触する。このことにより、砥石3のぐらつきをより容易に防止することでき、刃先面13aを具合よく研ぐことが可能となる。
【0027】
一方、上記した構成の包丁Xにおいては、通常時、砥石3は柄2の収容部24に収容され、砥石台32はその表面と柄2の表面とが段差を生じることなく滑らかに柄2の後端部23に連続している。このことにより、柄2の持ち心地の良さが損なわれることはなく、包丁Xの美観も良好である。
【0028】
本願発明は、上述した実施形態の内容に限定されるものではない。本願発明に係る刃物の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0029】
たとえば、柄の一対の側面は、その全体が平面状の傾斜面とされていなくてもかまわず、図4に示されているように、その一部が平面状の傾斜面とされていてもよい。このような構成であっても、刃体に斜めの姿勢をとらせて、その姿勢を維持させることができる。
【0030】
刃体は、その刃先部の両面が傾斜状の刃先面とされた両刃であることに限定されず、図5に示されているように、刃先部13の片面のみが傾斜状の刃先面13cとされた片刃であってもよい。この場合には、刃体11の厚み方向に間隔を隔てた一対の側面21a,21bの両方を必ずしも傾斜面とする必要はなく、刃先面13cを研ぐときに台5の表面51と接触することとなる側面21aのみを傾斜面としてもよい。
【0031】
砥石も略細長棒状に限定されず、たとえば略平板状であってもよい。また、砥石は柄の内部に収容されるようにして柄に取り付けられることに限定されず、たとえば柄の表面に形成された凹状溝に収容され、柄の外部に露出した状態で柄に取り付けられてもよい。砥石に形成された凸部も環状に限定されず、非環状であってもよい。さらに、本願発明は、包丁に限定されず、他の刃物にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本願発明に係る刃物の一例を示す側面図であり、
(b)は、(a)に示す刃物の作用説明図である。
【図2】図1(a)のII−II断面図である。
【図3】図1に示す刃物の作用説明図である。
【図4】本願発明に係る刃物の他の実施形態を示す断面図である。
【図5】本願発明に係る刃物の他の実施形態を示す断面図である。
【図6】従来の刃物の一例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 刃体
14 刀背
15 刃先部
2 柄
21a,21b 一対の側面
24 収容部
3 砥石
32 砥石台
5 台
51 表面
L 刃体の厚み方向中心線
X 包丁
Claims (4)
- 刃体と、この刃体を支持する柄と、この柄に着脱自在な砥石と、を備えた刃物であって、
上記柄の表面のうち、上記刃体の厚み方向に間隔を隔てた一対の側面の少なくとも一方の全体または一部は、上記刃体の厚み方向中心線に対して傾斜した平面状の傾斜面とされており、
上記砥石を用いて上記刃体の刃先部を研ぐときには、上記傾斜面が所望の台の表面に接触するように上記柄を上記台上に載置することによって上記刃体がその刀背から刃先に向かうにつれて上方に変位する斜めの姿勢に設定可能とされていることを特徴とする、刃物。 - 上記柄の傾斜面は、この傾斜面が上記台の表面に接触するときに上向きとなる上記刃体の刃先面に略平行である、請求項1に記載の刃物。
- 上記砥石の一端部には、この砥石を支持する砥石台が取り付けられており、
この砥石台は、上記刃体が上記斜めの姿勢に設定された状態において上記砥石を用いて上記刃先部を研ぐときに、上記台の表面に接触可能に構成されている、請求項1または2に記載の刃物。 - 上記柄には、上記砥石を収容可能な収容部が形成されており、
上記砥石台は、上記砥石が上記収容部に収容されたときには、この砥石台の表面と上記柄の表面とが略面一となるようにして上記柄の後端部に連続する構成とされている、請求項3に記載の刃物。
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-
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- 2003-01-28 JP JP2003019255A patent/JP2004229744A/ja active Pending
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