JP2004228665A - アンテナ、その製法および携帯無線機 - Google Patents

アンテナ、その製法および携帯無線機 Download PDF

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Kazusuke Yanagisawa
和介 柳沢
Fusao Sekiguchi
房雄 関口
Kenichi Miki
健一 三木
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Abstract

【課題】セルラー用と周波数が低く広帯域のデジタルTV用のアンテナなど、2周波に対応するアンテナで、携帯電話機などの小型無線機に搭載し得る構造にしたアンテナおよびそれを用いた携帯無線機を提供する。
【解決手段】筐体9内に、一端部が給電部6と接続される折返しエレメントからなる第1アンテナエレメント1と、筐体内に収納されたり外部に伸張し得ると共に外部に伸張されるときに第1アンテナエレメントの他端部1bに一端部2aが電気的に接続されるホイップ状の第2アンテナエレメント2と、第2アンテナエレメントの他端部2bに電気的に接続され、筐体の外に露出する非直線形状の第3アンテナエレメント3とから構成されている。第2アンテナエレメントが筐体内に収納されるとき、セルラー用として、筐体から伸張されるときデジタルTVとセルラー用の両方で使用できるように各エレメントが調整されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば携帯電話機で、通話をしながらデジタルテレビジョンを鑑賞し得るように、携帯無線機に搭載し、2以上の異なる周波数帯の送受信を行なうことができるアンテナ、その製法および携帯無線機に関する。さらに詳しくは、送受信する周波数帯の1つが、デジタルテレビジョンの周波数帯域のように広帯域の場合でも携帯無線機で送受信することができるアンテナ、その製法および携帯無線機に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえばAM帯とFM帯とか、セルラー用でPDC(personal digital cellular;800MHz帯/1500MHz帯)とPHS(personal handy hone system;1900MHz帯)のように、複数の周波数帯に対応するアンテナは、トラップ回路を用いた線状アンテナや、折返しアンテナなどにより2周波対応アンテナとし用いられている。近年では、たとえば携帯電話機で、セルラー用とGPS(global positioning system;衛星測位システム、1500MHz帯)やブルートゥース(blue tooth;2450MHz帯)など異なる分野の周波数帯を受信することにより、携帯無線機機の多様化が図られている。
【0003】
このような、たとえばセルラー用とGPS用のアンテナを携帯電話機などの携帯無線機に搭載するアンテナとして、図8に示されるように、GPS用のパッチアンテナ53bとセルラー用の折返しアンテナ53aとが、1枚の誘電体基板53c上に形成されて複合化されたアンテナ53が、回路基板組立体51の接地導体52のない部分に折返しアンテナ53aが位置するように搭載され、その回路基板組立体51が携帯電話機などの筐体54内に組み込まれる構造が知られている(たとえば特許文献1参照)。一方、近年デジタルテレビジョン放送が開始される方向にあり、携帯電話機によりその受信ができれば、さらにその携帯電話機の用途が広がる。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−295021号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、デジタルテレビジョンは、周波数帯が470MHzから770MHzであり、周波数が低く非常に広帯域(中心周波数620MHzに対して、±24.2%)である。周波数が低くなると波長は大きくなるため、アンテナが大きくなり、小型化する携帯電話機などの携帯無線機に、通常のセルラー用アンテナとデジタルテレビジョン用アンテナをただそのまま併設するという訳にはいかない。しかも、470〜770MHz帯と、非常に広帯域で送受信し得ることが必要となる。そのため、セルラー用とデジタルTV用とを満足するアンテナを携帯電話機などの携帯無線機に搭載するには、両者を共用化し非常に小型で広帯域化することが必要となる。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、セルラー用と周波数が低く広帯域のデジタルTV用のアンテナなど、2周波に対応し、しかも一方が広帯域を必要とされるアンテナで、携帯電話機などの小型無線機に搭載し得る構造にしたアンテナおよびそれを用いた携帯無線機を提供することを目的とする。
【0007】
本発明の他の目的は、携帯電話機などの携帯無線機に搭載できるような小型アンテナで、広帯域なアンテナを実現するための携帯無線機用アンテナの製法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によるアンテナは、通信機器の筐体内に設けられ、一端部が給電部と接続される折返しエレメントからなる第1アンテナエレメントと、前記筐体内に収納されたり外部に伸張し得ると共に外部に伸張されるときに前記第1アンテナエレメントの他端部に一端部が電気的に接続されるホイップ状の第2アンテナエレメントと、前記筐体の外に露出するように設けられ、一端部が前記第2アンテナエレメントの他端部に電気的に接続される非直線形状の第3アンテナエレメントとからなり、前記第2アンテナエレメントが前記筐体内に収納されるとき、前記第3アンテナエレメントの一端部が前記第1アンテナエレメントの一端部または他端部と電気的に接続されることにより第1の周波数帯での送受信を可能とし、前記第2アンテナエレメントが前記筐体の外部に伸張されるとき該第2アンテナエレメントの一端部が前記第1アンテナエレメントの他端部と電気的に接続されることにより、広帯域な第2の周波数帯での送受信を可能とするように構成されている。
【0009】
この構成にすることにより、第2アンテナエレメントを筐体内に収納した状態では、第3アンテナエレメントのみが筐体から露出する構造で、通常の携帯電話機と同様の構造で、第3アンテナエレメントを主体として、または第1および第3のアンテナエレメントを主体としてセルラー用の信号を送受信することができる。一方、第2アンテナエレメントを筐体から伸張した状態では、第1、第2および第3アンテナエレメントの全体が直列に接続される。しかし、各アンテナエレメントは異なるタイプのアンテナエレメントで、その繋ぎ目は、不連続になっているため、共振は各アンテナエレメントまたは接続される2もしくは3個のアンテナエレメントで共振をする。そのため、折返しエレメントの調整により、第3アンテナエレメントなどとはある程度独立して共振点を調整することができ、広い周波数帯域でも、その全体で送受信可能なVSWRとすることができる。
【0010】
具体的には、前記第2アンテナエレメントが前記筐体内に収納されるとき、前記第3アンテナエレメント主体で第1の周波数帯に対してほぼ1/4波長で共振し、または第1および第3のアンテナエレメント主体で前記第1の周波数帯に対してほぼ1/2波長で共振し、前記第2アンテナエレメントが外部に伸張されるとき第1、第2および第3のアンテナエレメントにより前記広帯域な第2の周波数帯に少なくとも3つの共振点を有するように、前記第1、第2および第3のアンテナエレメントが形成されることにより、前記第2の周波数帯での送受信を可能とすることができる。さらに具体的には、前記第1の周波数帯がセルラー用の周波数帯であり、前記第2の周波数帯がデジタルテレビジョン用の周波数帯である。
【0011】
ここに「主体」とは、共振に主として寄与することを意味し、他のアンテナエレメントが完全には電気的に分離されていないことを意味する。また、「共振点」とは、とくに周囲よりVSWRの小さい周波数のところを意味する。
【0012】
前記第1アンテナエレメントが、該第1アンテナエレメントによる2つの共振周波数を近づけるように折返し部が調整されることにより、前記第1および第2のアンテナエレメントを主体として、前記デジタルテレビジョン用周波数帯の両端部の近傍にほぼ1/4波長で2つの共振点を有し、前記第1、第2および第3のアンテナエレメントにより、前記両端部近傍の2つの共振点間にほぼ1/4波長で別の共振点を有するように、前記第1、第2および第3のアンテナエレメントが形成されることにより、所望の周波数に対して±20%以上の広帯域でも小型の携帯無線機用アンテナで送受信を可能とすることができる。
【0013】
本発明による携帯無線機用アンテナの製法は、(a)折返しエレメントからなる第1アンテナエレメントの給電端と異なる他端部にホイップ状のアンテナエレメントからなる第2アンテナエレメントの一端部を電気的に接続した状態で所望の広帯域のほぼ両端部近傍に少なくとも共振点を有するように前記第1アンテナエレメントの折返し部および第1と第2のアンテナエレメントの長さを調整し、(b)前記第2アンテナエレメントの他端部に前記第2アンテナエレメントと不連続となる非直線状の第3アンテナエレメントを電気的に接続し、前記所望の広帯域の間でVSWRの悪い周波数近傍で共振点を有するように前記第3アンテナエレメントを調整することにより、所望の周波数に対して±20%以上の広帯域で送受信を可能とするものである。
【0014】
本発明による携帯無線機は、送受信回路と、該送受信回路を覆う筐体と、該筐体の近傍に設けられ、前記送受信回路と電気的に接続される給電部と、前記筐体に取り付けられ、前記給電部と電気的に接続し得るアンテナとを有する携帯無線機であって、前記アンテナに請求項1ないし5のいずれか1項記載のアンテナが用いらている。
【0015】
【発明の実施の形態】
つぎに、図面を参照しながら本発明のアンテナおよびその製法について説明をする。本発明によるアンテナは、図1(a)〜(c)にその一実施形態の構成説明図が示されるように、通信機器の筐体9内に、一端部が給電部6と接続される折返しエレメントからなる第1アンテナエレメント1が設けられ、筐体9内に収納されたり外部に伸張し得ると共に外部に伸張されるときに第1アンテナエレメント1の他端部1bに一端部2aが電気的に接続されるホイップ状の第2アンテナエレメント2が設けられ、さらにその第2アンテナエレメント2の他端部2bに電気的に接続されると共に、筐体9の外に露出するように非直線形状の第3アンテナエレメント3が設けられることにより構成されている。
【0016】
そして、この第2アンテナエレメント2が筐体9内に収納されるとき、図1(b)に示されるように、第3アンテナエレメント3の一端部3aが第1アンテナエレメントの一端部1aまたは他端部1b(図1の例では他端部1b)と電気的に接続されることにより第1の周波数帯、たとえばセルラー用(たとえば1500MHz帯)での送受信を可能とし、第2アンテナエレメント2が筐体9の外部に伸張されるとき、図1(c)に示されるように、第2アンテナエレメント2の一端部2aが第1アンテナエレメントの他端部1bと電気的に接続されることにより、広帯域な第2の周波数帯、たとえばデジタルTV帯(470〜770MHz帯)での送受信を可能とするように構成されている。
【0017】
図1に示される例では、第1アンテナエレメント1の一端部1aおよび他端部1bと他のアンテナエレメントとを接続するため、第1アンテナエレメント1の一端部1aおよび他端部1bが、他のアンテナエレメントとDC結合(直接接触)することができる第1の接続リング4および第2の接続リング5にそれぞれ接続され、第1の接続リング4には、給電部6が整合回路7を介して接続されている。この整合回路7は、図1(b)、(c)および図2以降の図面では省略してある。また、第1アンテナエレメント1と他のアンテナエレメントとの結合は、後述するように、DC結合ではなく、AC結合(容量的および/または誘導的結合)とすることもできる。以下、通常の携帯電話機などに搭載する、1500MHz帯のセルラー用とデジタルTV(470〜770MHz帯)用の2波対応アンテナとして説明をするが、これ以外の組合せの2波対応でもよいことは言うまでもない。
【0018】
第1アンテナエレメント1は、図1に示される例では、線状アンテナで軸方向に沿って折返しが形成された折返しエレメントからなっている。このような折返しエレメントにすることにより、その折返しエレメント間の間隔や長さなどを調整すれば、その共振周波数を調整することができ、たとえばデジタルTVの470〜770MHz帯のような広帯域の両端近傍に2つの共振周波数が来るように調整することができる。そのため、折返しエレメントにする必要があるが、線状アンテナでなくても、たとえばセラミック基板や誘電体フィルム、リング状絶縁体などに銅箔などの金属膜(ストリップライン)またはワイヤなどでアンテナエレメントを形成する場合でもよく、また、1回の折返しではなく、複数回の折返しエレメントにすることもできる。しかし後述するように、第2アンテナエレメント2とも結合するように、第2アンテナエレメント2と近接して配置する必要がある。
【0019】
図1(a)に示される例では、通常の携帯電話機などで、アンテナを筐体内に収納したときに、収納したアンテナが筐体や回路基板などに触れて、アンテナ特性が変動しないように絶縁体などからなる収納パイプ8内に収納されるが、その収納パイプ8内に第1アンテナエレメント1も収納されている。その結果、従来の携帯電話機などの構造と全く同じ構造で、前述のデジタルTVなども受信することができる。なお、筐体9は、電波を透過し得る樹脂などにより形成されている。
【0020】
第2アンテナエレメント2は、筐体9から伸張させることにより、他の第1および第3のアンテナエレメント1、2と共に、主としてデジタルTV帯の受信用に用いられるもので、デジタルTV用の周波数帯で共振するように、その長さが調整される。なお、第2アンテナエレメント2が携帯電話機などの筐体9内に収納されているときは、前述のように、第3アンテナエレメント3と若干結合してセルラー用の周波数帯に影響はするものの、非常に高インピーダンスで余り影響はない。この第2アンテナエレメント2は、前述のように、筐体9内に収納されたり、筐体9から引き出して使用されるため、ホイップ状に形成されるが、必ずしも直線状のアンテナでなくても、小さなコイル状に巻回したものが直線状に延びるアンテナでも構わない。
【0021】
第3アンテナエレメント3は、図1に示される例ではコイル状エレメントからなっており、通常の携帯電話機などの着呼アンテナと同様の構造で、着呼用のみならず、通話用に用いられるアンテナで、セルラー用および後述するデジタルTVの共振特性の悪いところを補うアンテナとして用いられている。すなわち、後述するように、第2アンテナエレメント2を筐体内に収納したときは、主として第1アンテナエレメント1と共に(第2アンテナエレメントも若干関係する)セルラー用の1500MHz帯に対してほぼ1/2波長の電気長になるように形成されている。この第3アンテナエレメント3も、図1に示されるようなコイル状に限定されるものではなく、絶縁基板に形成された折返しエレメントでもよく、また、絶縁筒体の外周にエレメントをメアンダ状に形成したものなどでもよい。しかし、第2アンテナエレメント2などと分離した共振もし得るようにするため、前述のホイップ状の第2アンテナエレメントと不連続を形成する非直線状アンテナエレメントにする必要がある。
【0022】
つぎに、この構造のアンテナで、1500MHz帯のセルラー用とデジタルTV用のアンテナに調整する方法(アンテナの製法)について説明をする。まず、第2アンテナエレメント2を筐体9から引き出して伸張した状態(図2(a)参照)で、第1アンテナエレメント1と第2アンテナエレメント2とによる第1および第2の共振点が、図3(a)に示されるように、デジタルTV帯内に少なくとも2つの共振点(f、f)をほぼλ/4(λはその周波数での波長)相当の電気長で、かつ、セルラー帯に第3の共振点fをほぼ3λ/4相当の電気長で共振するように、第1アンテナエレメント1の長さL、折返し部および折返しエレメントの間隔dならびに第2アンテナエレメント2の長さLを調整する。なお、設計段階の初期においては、第3アンテナエレメント3を接続しないで第1および第2のアンテナエレメント2のみでその長さを調整してもよい。
【0023】
このとき、図3(a)に示されるように、デジタルTV帯の帯域幅が広いたため、第1および第2の共振点f(たとえば470MHz)、f(たとえば770MHz)の間にVSWRの悪い周波数が現れる。そこで第3のアンテナエレメント3を第2アンテナエレメント2の他端部2bに接続し、第3アンテナエレメント3を含めた全体の長さで、デジタルTV帯のVSWRの悪い周波数f(たとえば620MHz)のところに第4の共振点がほぼλ/4の電気長で現れるように第3アンテナエレメント3の電気的長さLを調整する(図3(b)参照)。
【0024】
このとき、第1および第2の共振点f、fに関しては、第2アンテナエレメント2と第3アンテナエレメント3とが不連続になっているため、第3アンテナエレメント3を付けても、第1および第2のアンテナエレメント1、2による共振は維持される。また、デジタルTV帯のVSWRが悪化する周波数帯は、1500MHz帯のほぼ1/3の周波数であるため、第3の共振点fも殆ど影響を受けないで、ほぼセルラー帯の周波数帯に第3の共振点f’を有している。その結果、図3(b)に示されるように、デジタルTV帯およびセルラー帯でVSWRの小さい広い共振帯域を得ることができる。なお、図3(b)で、破線で示したのが、第3アンテナエレメント3により調整された共振周波数特性を示している。
【0025】
つぎに、第2アンテナエレメント2を筐体9内に収納したとき、図2(b)に等価回路図が示されるように、第1アンテナエレメント1の他端部1bが直接第3アンテナエレメント3の一端部3aと接続される。この場合、第2アンテナエレメント2はハイインピーダンスになるため、殆ど影響を受けないが、第1および第3のアンテナエレメント1、3に接続されているため、とくに第1アンテナエレメント1との間隔dにより共振点を調整することができる。そして、第2アンテナエレメント2を収納したときに、セルラー用周波数帯1500MHz帯に対し、ほぼλ/2の電気長で共振するように第1および第2のアンテナエレメント1、2の間隔dを調整する。
【0026】
この際、dだけで調整しきれない場合には、第3アンテナエレメント3の長さLも含めて調整することもできるが、その場合、前述の第2アンテナエレメント2を伸張したときのセルラー用周波数帯とデジタル用周波数帯でVSWRの悪い周波数帯を再度調整する必要がある。すなわち、第1アンテナエレメント1の間隔dの調整をし直すことになるが、極端に第3アンテナエレメント3の長さLがずれていない限り、第1アンテナエレメント1と第2アンテナエレメント2との間隔dで調整することができる。
【0027】
具体例として、第1アンテナエレメント1に0.5mmφの線状アンテナを用いてほぼ半分のところで1回折返したアンテナエレメントを用い、第2アンテナエレメント2として、1.0mmφの直線状アンテナエレメントを用い、第2アンテナエレメント2を筐体9から引き出した状態で、デジタルTVの周波数帯の470〜770MHz帯に2つの共振点(f、f)と、セルラー帯に第3の共振点(f)が現れるように調整したときの第1アンテナエレメント1の長さLは32.0mm、エレメント間隔dが0.5mm、第2アンテナエレメント2の長さLが82.0mmであった。そして、0.5mmφの線を巻径(外径)2.8mmφで、ピッチpが2.1mmの第3アンテナエレメント3を接続して調整した結果、L=8.0mmで、セルラー用の1500MHz帯に第3の共振点(f)は殆ど変らないで、デジタルTV用の周波数帯でVSWRの悪い周波数(f)での共振させることができた。
【0028】
さらに、第2アンテナエレメント2を筐体9内に収納した状態で、1500MHz帯の共振を調整した結果、第3アンテナエレメント3の長さLは、8.0mmのままで、第1アンテナエレメント1と第2アンテナエレメント2との間隔dを1.0mmにすることにより、第2アンテナエレメント2を筐体9内に収納したときにもセルラー用周波数帯で、共振を得ることができた。
【0029】
この収納時および伸張時の周波数に対するVSWRを図4(a)および(b)にそれぞれ示す。収納時の図4(a)において、矢印4が1502MHzで、VSWRが1.2277、矢印3が1428.6MHzで、VSWRが1.2581であった。なお、矢印1は470MHzで、VSWRが22.174、矢印2が770MHzで7.1987であった。また、伸張時の図4(b)で、矢印1は470MHzで、VSWRが1.3563、矢印2が770MHzで、VSWRが2.1307、矢印3が1428MHzで、VSWRが1.8176、矢印4が1502MHzで、VSWRが1.864であった。なお、図4において横軸は0.03MHz(左端)から2000MHz(右端)で、一目盛が約200MHzで、縦軸が1から始まり、一目盛が1である。図4から明らかなように、収納時にはセルラー用の1500MHz帯で非常に良好な共振特性が得られ、第2アンテナエレメント2を伸張したときには、セルラー帯と共に、デジタルTV帯においても、450〜900MHz帯において、非常に良好な共振特性が得られていることが分る。
【0030】
以上のように、本発明のアンテナによれば、第1〜第3のアンテナエレメントが電気的に接続される構造になっているが、それぞれが異なるタイプのアンテナで不連続が形成されているため、それぞれのアンテナエレメントおよび組合せによるアンテナエレメントの共振特性を得ることができ、デジタルTVのような非常に広帯域の周波数帯で良好な共振特性を得ながら、さらにセルラー用の周波数帯においても収納時および伸張時の両方で良好な共振特性を得ることができる。その結果、携帯電話機などで通話を行いながら、デジタルTVの鑑賞をすることもできる。
【0031】
前述の例では、セルラー用として1500MHz帯の例であったが、たとえば800MHz帯の場合には、デジタルTV帯と非常に周波数帯が接近するため、前述のデジタルTV帯を満たす広帯域の両端部近傍に少なくとも2つの共振を形成するように第1アンテナエレメント1の折返し間隔などを調整する際に、セルラー用の周波数帯も含むように調整をし、その後でその範囲内のVSWRの悪い周波数で共振するように第3アンテナエレメントを調整すればよい。現に前述の図4に示される例でも、第2アンテナエレメント2の伸張時に900MHzでも送受信し得る共振が得られており、第2アンテナエレメント2を筐体内に収納したときの共振特性を800MHzで共振するように第1アンテナエレメント1と第2アンテナエレメント2との間隔dを調整すれば、収納時にセルラー用の送受信を、伸張時にセルラー用とデジタルTV用の送受信をすることができる。
【0032】
前述の例では、第2アンテナエレメント2を筐体9内に収納したときに、第1アンテナエレメント1と第3アンテナエレメント3とを直列に接続して両者を主体とした状態で共振を得る構造であったが、収納した状態では、第3アンテナエレメント3のみを主体としてセルラー用のみの通信を行う構造にすることもできる。その例が図5に、図1(b)〜(c)および図2と同様の図で示されている。すなわち、図5(a)は第2アンテナエレメント2を筐体内に収納したときの概略構成を示した図で、接続リング4、5による接続構造は図1に示される構造と同じで、図5(b)はその各エレメント長を示す等価回路図である。
【0033】
この例では、第3アンテナエレメント3に、第1アンテナエレメント1および第2アンテナエレメント2がぶら下がった構造になってはいるが、第3アンテナエレメント3の一端部3aが直接給電部6に接続されているため、第1および第2アンテナエレメント1、2はハイインピーダンスとなり、殆ど第3アンテナエレメント3のみで、Lがセルラー帯1500MHzのほぼλ/4の電気長で共振するように、その共振特性を調整することができる。そのため、共振特性を調整しやすい。
【0034】
第2アンテナエレメント2を筐体から伸張したときは、図5(c)および(d)にそれぞれ同様の図で示されるように、デジタルTV帯に対しては、前述の図1に示される例と同様に、第1および第2のアンテナエレメント1、2の折返し間隔や長さを調整することにより、L+Lがほぼλ/4の電気長で、470〜770MHz帯に対して、その両端部近傍に少なくとも2つの共振点が得られるように調整され、さらに第3アンテナエレメント3も含めたL+L+Lで、デジタルTV帯でVSWRの悪い周波数に対してλ/4で共振し、さらにセルラー帯に対して3λ/4で共振するように調整されている。
【0035】
このアンテナの調整を行うには、前述の図1に示されるアンテナと同様に、まず第2アンテナエレメント2を伸張した状態で、第1および第2アンテナエレメント1、2により、デジタルTVの周波数帯の両端部近傍に少なくとも共振点を有するように第1アンテナエレメントの間隔および第1および第2アンテナエレメントのエレメント長を調整する。そして、第3アンテナエレメント3を接続した状態で、セルラー用周波数帯に対して3λ/4波長で共振し、かつ、デジタルTV帯でVSWRの悪い周波数のところに共振点が来るように第3アンテナエレメントの長さLを調整する。そして、第2アンテナエレメント2を筐体内に収納した状態で、第3アンテナエレメント3を主体としてλ/4で共振するように、第1アンテナエレメント1と第2アンテナエレメント2との間隔を調整することにより、前述の動作をするアンテナが得られる。この場合は、第1アンテナエレメント1も第2アンテナエレメント2もハイインピーダンスになっているため、その間隔は殆ど影響を受けない。
【0036】
前述の各例では、第1アンテナエレメント1と第2アンテナエレメント2などの接続を直接接続するDC結合の例であったが、直接接続されなくても、容量や磁界などを介してAC的に結合し電気的に接続される構造でもよい。その例が、図6に示されている。すなわち、図6(a)は、第1アンテナエレメント1の一端部1aと第3アンテナエレメント3の一端部3aとをAC結合した例で、第3アンテナエレメント3の一端部3aを第1アンテナエレメント1の一端部1aと電気的結合し得るように近接した構造にしておき、第2アンテナエレメント2を筐体内に収納したとき、第1アンテナエレメント1の一端部1aとは直接には接触はしない構造になっている。この際、第1アンテナエレメント1の他端部1bと第2アンテナエレメント2との間隔は大きいため、AC結合もせず、第1アンテナエレメント1と第3アンテナエレメント3のみが電気的に接続される。
【0037】
同様に、図6(b)に示されるように、第2アンテナエレメント2が筐体から伸張されたときは、第2アンテナエレメント2の一端部2aが第1アンテナエレメント1の他端部1bと直接には接触しないが、電気的結合し得るように近接する構造になっているため、両者間でAC結合をするが、他の部分では、近接する部分がなく、電気的結合をしない。このように、アンテナエレメント同士の結合は、直接DC結合する場合に限らず、AC結合でもよい。
【0038】
また、前述の図5(a)に示されるように、第3アンテナエレメント3の一端部3aを直接第1アンテナエレメント1の一端部1aと接続する場合、第2アンテナエレメント2などはハイインピーダンスとなり、殆ど影響しないが、さらに収納状態で送信を行うときに、第2アンテナエレメント2からの不要輻射を減らすため、図7に示されるように、第2アンテナエレメント2の一端部2a側を、コイル、コンデンサなどからなる補正回路40に接続し、アースGNDに落すことにより、第2アンテナエレメント2からの不要輻射を完全になくすることができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、セルラー用周波数帯とデジタルTVのような広い周波数帯域を有する周波数帯との2周波を、従来の携帯電話機のような携帯無線機の構造を全く同じにして、送受信することができるため、無線通信と共に、デジタルTVの鑑賞をすることができるなど、携帯無線機の用途を大幅に拡張することができる。その結果、携帯電話機などのさらなる多様化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアンテナの一実施形態を説明する図である。
【図2】図1に示されるアンテナの動作を説明する図である。
【図3】図1に示されるアンテナの共振特性を調整する方法を説明する図である。
【図4】図1に示されるアンテナの周波数に対する共振特性の一例を示す図である。
【図5】本発明によるアンテナの他の実施形態を説明する図である。
【図6】アンテナエレメントの結合方法の他の例を説明する図である。
【図7】不要輻射を低減させるために第2アンテナエレメントの一端部を接地する例の説明図である。
【図8】従来の携帯電話機用にセルラーアンテナとGPS用アンテナを複合化したアンテナの例を説明する図である。
【符号の説明】
1 第1アンテナエレメント
2 第2アンテナエレメント
3 第3アンテナエレメント
6 給電部
8 収納パイプ
9 筐体

Claims (7)

  1. 通信機器の筐体内に設けられ、一端部が給電部と接続される折返しエレメントからなる第1アンテナエレメントと、前記筐体内に収納されたり外部に伸張し得ると共に外部に伸張されるときに前記第1アンテナエレメントの他端部に一端部が電気的に接続されるホイップ状の第2アンテナエレメントと、前記筐体の外に露出するように設けられ、一端部が前記第2アンテナエレメントの他端部に電気的に接続される非直線形状の第3アンテナエレメントとからなり、前記第2アンテナエレメントが前記筐体内に収納されるとき、前記第3アンテナエレメントの一端部が前記第1アンテナエレメントの一端部または他端部と電気的に接続されることにより第1の周波数帯での送受信を可能とし、前記第2アンテナエレメントが前記筐体の外部に伸張されるとき該第2アンテナエレメントの一端部が前記第1アンテナエレメントの他端部と電気的に接続されることにより、広帯域な第2の周波数帯での送受信を可能とする構造のアンテナ。
  2. 前記第2アンテナエレメントが前記筐体内に収納されるとき、前記第3アンテナエレメント主体で第1の周波数帯に対してほぼ1/4波長で共振し、または第1および第3のアンテナエレメント主体で前記第1の周波数帯に対してほぼ1/2波長で共振し、前記第2アンテナエレメントが外部に伸張されるとき第1、第2および第3のアンテナエレメントにより前記広帯域な第2の周波数帯に少なくとも3つの共振点を有するように、前記第1、第2および第3のアンテナエレメントが形成されることにより、前記第2の周波数帯での送受信を可能とする請求項1記載のアンテナ。
  3. 前記第1の周波数帯がセルラー用の周波数帯であり、前記第2の周波数帯がデジタルテレビジョン用の周波数帯である請求項1または2記載のアンテナ。
  4. 前記第1アンテナエレメントが、該第1アンテナエレメントによる2つの共振周波数を近づけるように折返し部が調整されることにより、前記第1および第2のアンテナエレメントを主体として、前記デジタルテレビジョン用周波数帯の両端部の近傍にほぼ1/4波長で2つの共振点を有し、前記第1、第2および第3のアンテナエレメントにより、前記両端部近傍の2つの共振点間にほぼ1/4波長で別の共振点を有するように、前記第1、第2および第3のアンテナエレメントが形成されてなる請求項3記載の複合アンテナ。
  5. 前記第1アンテナエレメントが、前記第2アンテナエレメントを前記筐体内に収納する際の収納パイプ内に収納されてなる請求項1ないし4のいずれか1項記載の複合アンテナ。
  6. (a)折返しエレメントからなる第1アンテナエレメントの給電端と異なる他端部にホイップ状のアンテナエレメントからなる第2アンテナエレメントの一端部を電気的に接続した状態で所望の広帯域のほぼ両端部近傍に少なくとも共振点を有するように前記第1アンテナエレメントの折返し部および第1と第2のアンテナエレメントの長さを調整し、
    (b)前記第2アンテナエレメントの他端部に前記第2アンテナエレメントと不連続となる非直線状の第3アンテナエレメントを電気的に接続し、前記所望の広帯域の間でVSWRの悪い周波数近傍で共振点を有するように前記第3アンテナエレメントを調整する
    ことにより、所望の周波数に対して±20%以上の広帯域で送受信を可能とする携帯無線機用アンテナの製法。
  7. 送受信回路と、該送受信回路を覆う筐体と、該筐体の近傍に設けられ、前記送受信回路と電気的に接続される給電部と、前記筐体に取り付けられ、前記給電部と電気的に接続し得るアンテナとを有する携帯無線機であって、前記アンテナに請求項1ないし5のいずれか1項記載のアンテナが用いられてなる携帯無線機。
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