JP2004227652A - 光ディスク、光ディスク作成方法および光ディスク記録装置、ならびに、光ディスク再生装置 - Google Patents
光ディスク、光ディスク作成方法および光ディスク記録装置、ならびに、光ディスク再生装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】トラックピッチを光スポットの分解能に基づく遮断周波数より高い周期にしても、トラッキングエラー信号を生成できるようにする。
【解決手段】光ディスク1は、環状に形成されたトラックに形成されたピット2によって情報が記録される。光ディスク1は、全ての記録トラックに対して連続するグルーブ3又はランド4が形成される。グルーブ3とランド4との光学的深さの差が、レーザビームの波長λに対して略λ/8になるようにされる。グルーブ3(またはランド4)の間隔は、トラックピッチの2倍とし、グルーブ3及びランド4に夫々ピット2を形成する。ディスクの情報記録面に照射されたレーザ光の戻り光を2分割光検出器で検出することで、トラック毎に反転したトラッキングエラー信号が生成される。光学的な遮断周波数よりも高い周期のトラックピッチでトラックが配置されても、トラッキングを行うことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】光ディスク1は、環状に形成されたトラックに形成されたピット2によって情報が記録される。光ディスク1は、全ての記録トラックに対して連続するグルーブ3又はランド4が形成される。グルーブ3とランド4との光学的深さの差が、レーザビームの波長λに対して略λ/8になるようにされる。グルーブ3(またはランド4)の間隔は、トラックピッチの2倍とし、グルーブ3及びランド4に夫々ピット2を形成する。ディスクの情報記録面に照射されたレーザ光の戻り光を2分割光検出器で検出することで、トラック毎に反転したトラッキングエラー信号が生成される。光学的な遮断周波数よりも高い周期のトラックピッチでトラックが配置されても、トラッキングを行うことができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、より狭いトラックピッチでのトラッキングを実現する光ディスク、光ディスク作成方法および光ディスク記録装置、ならびに、光ディスク再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ディスク型の光記録媒体(以下、単に光ディスクという)においては、情報記録面にスパイラルまたは同心円状に形成された記録トラックに沿って光ピックアップからの光スポットをトラッキングさせ、この光スポットの戻り光を光検出器で検出することにより、情報記録面に形成されたピットを読み取り、情報の記録や再生を行うようになっている。
【0003】
そして、このようなトラッキングに際し、光ディスクの情報記録面に形成された案内溝としてのグルーブあるいはピットによる光スポットの戻り光を検出することにより、トラッキングエラー信号を生成し、このトラッキングエラー信号に基づいて光ピックアップのトラッキングサーボをかけることにより、適正なトラッキング状態を確保している。
【0004】
また、近年では、特許文献1に記載されるように、磁気超解像(Magnetically Indused Super Resolution:MSR)と呼ばれる技術を用いてより高密度を実現するディスクが提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−200448号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このようなトラッキングエラー信号の検出方法やトラッキングサーボの方法等については、従来から各種の方式が種々提案され、実用化されている。しかしながら、光ディスクにおける記録情報のトラック方向の密度については、何れの方式においても、光スポットの分解能により制限されるため、ある程度以上の記録密度を実現することができないという問題点があった。
【0007】
図8は、各種光ディスクのトラックピッチと分解能に関する諸条件を一覧して示す。光源の波長(λ)、対物レンズの開口数(NA)、カットオフ周波数(本/mm)、トラックピッチ換算のカットオフ周波数(μm)、トラックピッチ設定数(μm)、倍率(Ratio)の各実数を示している。図8に示されるように、既に実用化されているCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、MD(Mini Disc:登録商標)においては、光学的カットオフのトラックピッチ換算値に対して十分な振幅が得られるように、トラックピッチに1.3倍以上のピッチ設定がなされている。
【0008】
ところが、より高密度記録を目指したHD−ROM(High Density−Read Only Memory)などでは、トラックピッチとして、例えばトラックピッチ換算カットオフ周波数〔0.867(μm)〕に対して比率が1未満の、〔0.8(μm)〕が設定される。この場合、トラックによるカットオフ周波数が光スポットの分解能に基づくカットオフ周波数を上回る密度となる。これは、このようなトラックピッチでは、トラッキングの際にトラッキングエラー信号が検出されず、トラッキングが行えないことを示している。
【0009】
したがって、この発明の目的は、光スポットの分解能に基づくカットオフ周波数を上回る、あるいは、当該カットオフ周波数に近いトラックピッチでトラックを形成しても、トラッキングエラー信号を生成できるような光ディスク、光ディスク作成方法および光ディスク記録装置、ならびに、光ディスク再生装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、上述した課題を解決するために、ディスク基板上の情報記録面に所定のトラックピッチで環状にトラックが設けられた光ディスクにおいて、トラックは、グルーブおよびグルーブに対して光学的深さが異ならされたランドに沿って形成され、グルーブおよびランドに沿ったトラックのそれぞれに記録データに基づくピットを形成するようにしたことを特徴とする光ディスクである。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、ディスク基板上の情報記録面に所定のトラックピッチで環状にトラックが設けられた光ディスクを作成する光ディスク作成方法において、トラックは、グルーブおよびグルーブに対して光学的深さが異ならされたランドに沿って形成され、グルーブおよびランドに沿ったトラックのそれぞれにピットを形成することを特徴とする光ディスク作成方法である。
【0012】
また、請求項5に記載の発明は、ディスク基板上の情報記録面に所定のトラックピッチで環状にトラックが設けられた光ディスクに記録データを記録する光ディスク記録装置において、レーザ光を記録データで光変調して出力する光変調手段を有し、トラックは、グルーブおよびグルーブに対して光学的深さが異ならされたランドに沿って形成され、光変調手段から出力されたレーザ光によりグルーブおよびランドに沿ったトラックのそれぞれにピットを形成することで記録データを記録するようにしたことを特徴とする光ディスク記録装置である。
【0013】
また、請求項6に記載の発明は、ディスク基板上の情報記録面に所定のトラックピッチで環状にトラックが設けられた光ディスクに対してレーザ光を照射し、レーザ光の光ディスクからの戻り光を用いてトラッキングを行い記録データを再生する光ディスク再生装置において、トラックは、グルーブおよびグルーブに対して光学的深さが異ならされたランドに沿って形成され、グルーブおよびランドに沿ったトラックのそれぞれに記録データに基づくピットが形成された光ディスクに対してレーザビームを照射するレーザ照射手段と、レーザ照射手段により照射されたレーザ光の光ディスクからの戻り光を、受光面が少なくともトラック方向に沿って分割された光検出器を用いて検出する光検出手段とを有し、光検出手段により検出された、受光面の分割された領域のそれぞれの受光量の差分に基づく、トラック毎に極性が反転されたトラッキングエラー信号を用いてトラッキングを行うようにしたことを特徴とする光ディスク再生装置である。
【0014】
また、請求項7に記載の発明は、ディスク基板上の情報記録面に所定のトラックピッチで環状にトラックが設けられた光ディスクにおいて、同一平面上に環状に設けられたトラックに対して記録データに基づくピットが設けられ、ピットは、隣接するトラック毎に交互に平面からの光学的深さが異ならされるように設けられたことを特徴とする光ディスクである。
【0015】
また、請求項10に記載の発明は、ディスク基板上の情報記録面に所定のトラックピッチで環状にトラックが設けられた光ディスクを作成する光ディスク作成方法において、同一平面上に環状に設けられたトラックに対して、隣接するトラック毎に交互に平面からの光学的深さが異ならされるように、記録データに基づくピットを形成することを特徴とする光ディスク作成方法である。
【0016】
また、請求項11に記載の発明は、ディスク基板上の情報記録面に所定のトラックピッチで環状にトラックが設けられた光ディスクに記録データを記録する光ディスク記録装置において、レーザ光を記録データで光変調して出力する光変調手段を有し、同一平面上に環状に設けられたトラックに対して、光変調手段から出力されたレーザ光を、隣接するトラック毎に交互に平面からの光学的深さが異ならされるように制御してピットを形成し、記録データを記録するようにしたことを特徴とする光ディスク記録装置である。
【0017】
また、請求項12に記載の発明は、ディスク基板上の情報記録面に所定のトラックピッチで環状にトラックが設けられた光ディスクに対してレーザ光を照射し、レーザ光の光ディスクからの戻り光を用いてトラッキングを行い記録データを再生する光ディスク再生装置において、同一平面上に環状に設けられたトラックに対して記録データに基づくピットが設けられ、ピットは、隣接するトラック毎に交互に平面からの光学的深さが異ならされるように設けられた光ディスクに対してレーザ光を照射するレーザ照射手段と、レーザ照射手段により照射されたレーザ光の光ディスクからの戻り光を、受光面が少なくともトラック方向に沿って分割された光検出器を用いて検出する光検出手段とを有し、光検出手段により検出された、受光面の分割された領域のそれぞれの受光量の差分に基づく、トラック毎に極性が反転されたトラッキングエラー信号を用いてトラッキングを行うようにしたことを特徴とする光ディスク再生装置である。
【0018】
上述したように、請求項1に記載の発明は、トラックは、グルーブおよびグルーブに対して光学的深さが異ならされたランドに沿って形成され、グルーブおよびランドに沿ったトラックのそれぞれに記録データに基づくピットを形成するようにしているため、ディスクの情報記録面に照射されたレーザ光の戻り光を2分割光検出器で検出することで、トラック毎に反転したトラッキングエラー信号が生成される。
【0019】
また、請求項4に記載の発明は、トラックは、グルーブおよびグルーブに対して光学的深さが異ならされたランドに沿って形成され、グルーブおよびランドに沿ったトラックのそれぞれにピットを形成して光ディスクを作成するようにしているため、この方法で作成された光ディスクの情報記録面に照射されたレーザ光の戻り光を2分割光検出器で検出することで、トラック毎に反転したトラッキングエラー信号が生成される。
【0020】
また、請求項5に記載の発明は、トラックは、グルーブおよびグルーブに対して光学的深さが異ならされたランドに沿って形成され、レーザ光を光変調したレーザ光によりグルーブおよびランドに沿ったトラックのそれぞれにピットを形成することで記録データを記録するようにしているため、ディスクの情報記録面に照射されたレーザ光の戻り光を2分割光検出器で検出することで、トラック毎に反転したトラッキングエラー信号が生成される。
【0021】
また、請求項6に記載の発明は、トラックは、グルーブおよびグルーブに対して光学的深さが異ならされたランドに沿って形成され、グルーブおよびランドに沿ったトラックのそれぞれに記録データに基づくピットが形成された光ディスクに対して照射されたレーザ光の光ディスクからの戻り光を、受光面が少なくともトラック方向に沿って分割された光検出器を用いて検出し、受光面の分割された領域のそれぞれの受光量の差分に基づく、トラック毎に極性が反転されたトラッキングエラー信号を用いてトラッキングを行うようにしているため、光学的な遮断周波数よりも高い周期のトラックピッチでトラックが配置されても、トラッキングを行うことができる。
【0022】
また、請求項7に記載の発明は、同一平面上に環状に設けられたトラックに対して記録データに基づくピットが設けられ、ピットは、隣接するトラック毎に交互に平面からの光学的深さが異ならされるように設けられているため、ディスクの情報記録面に照射されたレーザ光の戻り光を2分割光検出器で検出することで、トラック毎に反転したトラッキングエラー信号が生成される。
【0023】
また、請求項10に記載の発明は、同一平面上に環状に設けられたトラックに対して、隣接するトラック毎に交互に平面からの光学的深さが異ならされるように、記録データに基づくピットを形成して光ディスクを作成するようにしているため、この方法で作成された光ディスクの情報記録面に照射されたレーザ光の戻り光を2分割光検出器で検出することで、トラック毎に反転したトラッキングエラー信号が生成される。
【0024】
また、請求項11に記載の発明は、レーザ光を記録データで光変調して出力する光変調手段を有し、同一平面上に環状に設けられたトラックに対して、光変調手段から出力されたレーザ光を、隣接するトラック毎に交互に平面からの光学的深さが異ならされるように制御してピットを形成し、記録データを記録するようにしているため、ディスクの情報記録面に照射されたレーザ光の戻り光を2分割光検出器で検出することで、トラック毎に反転したトラッキングエラー信号が生成される。
【0025】
また、請求項12に記載の発明は、同一平面上に環状に設けられたトラックに対して記録データに基づくピットが設けられ、ピットは、隣接するトラック毎に交互に平面からの光学的深さが異ならされるように設けられた光ディスクに対して照射されたレーザ光の光ディスクからの戻り光を、受光面が少なくともトラック方向に沿って分割された光検出器を用いて検出し、受光面の分割された領域のそれぞれの受光量の差分に基づく、トラック毎に極性が反転されたトラッキングエラー信号を用いてトラッキングを行うようにしているため、光学的な遮断周波数よりも高い周期のトラックピッチでトラックが配置されても、トラッキングを行うことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の第1の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の第1の形態による光ディスク1の断面の一部を示す。レーザービームは、図の上方から照射される。これは、以下の同様の図面において共通である。この光ディスク1は、情報記録面に同心円状またはスパイラル状にトラックが形成され、トラックに対して設けられたピット2によって情報が記録される。光ディスク1は、全ての記録トラックに対して連続するグルーブ3またはランド4が形成される。
【0027】
光ディスク1において、読み取りのためのレーザ光に対して凹状になる部分がグルーブ3であり、凸状になる部分がランド4である。グルーブ3およびランド4にそれぞれピット2が形成され、ディジタルデータが記録される。
【0028】
この発明の実施の第1の形態では、グルーブ3とランド4との光学的深さの差が、読み取りためのレーザビームの波長λに対して略λ/8になるように、光ディスク1が形成される。グルーブ3(またはランド4)の間隔は、記録トラックのトラックピッチの2倍とし、グルーブ3およびランド4にそれぞれピット2を形成する。
【0029】
このように形成された光ディスク1に対するトラッキング方法について、図2を用いて説明する。光ディスク1の記録面に対して、波長λのレーザビームが例えばスポット100のように照射される。トラッキングは、レーザビーム100が光ディスク1の表面で反射された戻り光を、2分割された光検出器を用いて、スポット100を左右に2分割した領域Aおよび領域Bについてそれぞれ検出し、各々の差分を取ることで両極性のトラッキングエラー信号を得る、プッシュプル法により行う。
【0030】
なお、トラッキングは、これに限らず、例えば受光面を4分割した光検出器の対角線差信号を用いた、DPD(Differential Phase Detection)法により行ってもよい。
【0031】
図2に一例が示される状態で、2分割光検出器により領域Aおよび領域Bの戻り光を検出すると、例えばランド4に対してフォーカスが合っている場合、ランド4は、グルーブ3と深さが略λ/8だけ異ならされている。周知のように、プッシュプル法では、ピットの深さがλ/8のときに最大のトラッキングエラー信号を得ることができる。ランド4は、グルーブ3に対するピットと考えることができ、2分割光検出器では、領域Aおよび領域Bの戻り光の差分をとることで、トラッキングエラー信号を得ることができる。
【0032】
なお、上述の逆の場合、すなわち、グルーブ3とランド4との関係が入れ替わり、グルーブ3に対してトラッキングを行う場合も、同様にしてトラッキングエラー信号を得ることができる。トラッキングエラー信号は、各トラックの光学深さの異なる周期に基づき、記録トラックの2倍の長さの周期でトラッキングエラー信号が生成される。したがって、トラック毎に極性が反転したトラッキングエラー信号が得られることになる。
【0033】
図3は、この実施の第1の形態による光ディスク1の作成方法を概略的に示す。先ず、図3Aに一例が示されるように、記録トラックの2倍のトラック間隔でグルーブ3が形成されたランドグルーブ基板50を製作する。グルーブ3およびランド4は、それぞれ記録マーク配置トラックとして用いる。そのため、グルーブ3およびランド4の幅は、それぞれ同程度とする。また、ランド4のグルーブ3に対する光学的深さは、この光ディスク1のトラッキング時に照射されるレーザビームの波長λに対して、略λ/8とされる。
【0034】
ランドグルーブ基板50に対して、スピンコート法などでフォトレジスト51を例えば厚みが略λ/4になるように塗布する(図3B)。このフォトレジスト51を塗布した基板50に対して、カッティングマシンにより、記録データで変調されたレーザビームをグルーブ3およびランド4にそれぞれ照射し、フォトレジスト51を露光する(図3C)。レーザビームの照射後、現像すると、露光部分52が除去され、図3Dに一例が示されるような、グルーブ3およびランド4上にそれぞれピット2が形成された原盤が得られる。
【0035】
以降、通常の光ディスク作製の際のマスタリングプロセスに従い、この原盤上に金属メッキなどを施しレプリカスタンパを作製し、基板成型用のスタンパを得る。このスタンパを使用して、圧縮形成や射出形成などの方法により、光ディスク1が作成される。
【0036】
なお、上述では、グルーブ3とランド4との光学的深さの差が読み取りためのレーザビームの波長λに対して略λ/8になるように光ディスク1が形成されるとして説明したが、これはこの例に限定されない。グルーブ3とランド4との光学的深さの差は、略λ/8に限らず、略3λ/8、略5λ/8、・・・としてもよい。すなわち、グルーブ3とランド4との光学的深さの差は、nを自然数としたとき、略(2n−1)×λ/8であればよい。
【0037】
次に、この発明の実施の第2の形態について、図面を参照しながら説明する。図4は、この発明の実施の第2の形態による光ディスク1’の断面の一部を示す。上述の実施の第1の形態と同様に、この光ディスク1は、情報記録面に同心円状またはスパイラル状にトラックが形成され、トラックに対して設けられたピット2Aおよび2Bによって情報が記録される。
【0038】
この発明の実施の第2の形態では、ピットの深さをトラック毎に変調する。すなわち、隣接するトラックに配置されるピット2Aおよび2Bは、読み取りためのレーザビームの波長λに対して、光学的深さが略λ/8だけ異ならされる。図4の例では、ピット2Aがピット2Bよりも略λ/8だけ、深くされる。
【0039】
上述したように、プッシュプル法では、ピット深さがλ/8の場合に、最大のトラッキング信号が得られる。したがって、このように、隣接するトラックのピットにλ/8だけ光学深さの差を持たせることで、トラッキングエラー信号のトラック毎の変調度が得られ、トラックピッチをトラックピッチ換算のカットオフ周波数より狭く設定しても、トラッキングエラー信号を得ることができる。
【0040】
図5は、この実施の第2の形態による光ディスク1’の作成方法を概略的に示す。先ず、通常のフラットな基板60上に対し、スピンコート法などでフォトレジスト51を例えば厚みが略λ/4になるように塗布する(図5A)。このフォトレジスト51を塗布した基板60に対して、カッティングマシンにより記録データで変調されたレーザビームを照射し、フォトレジスト51を露光する。露光の際に、隣接するトラックにおいて形成されるピットの光学的深さが略λ/8の差を持つように、トラック毎に交互に露光パワーを制御する(図5B)。
【0041】
例えば、ピット2Aを形成する際には、露光パワーを大きく取り、基板60にまで露光が達するようにする。一方、ピット2Bを形成する際には、ピット2Aに対して光学深さが略λ/8の差を持つように、フォトレジスト51の表面から所定の深さまで露光が達するように、露光パワーを制御する。
【0042】
レーザビームの照射後、現像すると、露光部分52が除去され、図5Cに一例が示されるような、光学的深さで略λ/8の差を有するピット2Aおよび2Bがトラック毎に交互に形成された原盤が得られる。
【0043】
以降、通常の光ディスク作製の際のマスタリングプロセスに従い、この原盤上に金属メッキなどを施しレプリカスタンパを作製し、基板成型用のスタンパを得る。このスタンパを使用して、圧縮形成や射出形成などの方法により、光ディスク1’が作成される。
【0044】
なお、上述では、隣接するトラックにおいて形成されるピットの光学的深さの差が読み取りためのレーザビームの波長λに対して略λ/8になるように光ディスク1が形成されるとして説明したが、これはこの例に限定されない。隣接するトラックにおいて形成されるピットの光学的深さの差は、略λ/8に限らず、略3λ/8、略5λ/8、・・・としてもよい。すなわち、隣接するトラックにおいて形成されるピットの光学的深さの差は、nを自然数としたとき、略(2n−1)×λ/8であればよい。
【0045】
図6は、上述の実施の第1および第2の形態に共通して適用可能なカッティングマシンの一例の構成を、概略的に示す。カッティングマシンは、例えばArイオンレーザ、He−CdレーザやKrイオンレーザなどのガスレーザや半導体レーザであるレーザ41と、このレーザ41から出射されたレーザ光を変調する音響光学効果型または電気光学型の光変調器42と、この光変調器42を通過したレーザ光を集光し、感光物質であるフォトレジスタが塗布されたディスク状のガラス基板44のフォトレジスト面に照射する対物レンズなどを有する記録手段である光ピックアップ43などから構成される。
【0046】
光変調器42は、端子46から供給される記録信号に従ってレーザ41から出射されたレーザ光を変調する。上述した実施の第2の形態による光ディスク1’を作製する際には、図示されない制御部から供給される制御信号に基づき、トラック毎にレーザ光のパワーが制御される。そして、カッティングマシンは、スピンドルモータ45により回転駆動される、フォトレジスト51が塗布されたガラス基板44にこの変調されたレーザ光を照射することによって、フォトレジスト51を露光し、データが記録されたマスタを作成する。
【0047】
なお、図示しないが、カッティングマシンは、光ピックアップ43とガラス基板44との距離を一定に保つ制御、トラッキング制御、スピンドルモータ45の回転駆動動作の制御などを行うサーボ回路を有している。
【0048】
光変調器42から出射された変調されたレーザビームによって、ガラス基板44上のフォトレジストが露光される。このように露光がなされたガラス基板44を現像し、金属メッキ処理などを施すことによりレプリカスタンパを作製し、基板成型用のスタンパを得る。このスタンパを使用して、圧縮形成や射出形成などの方法により、光ディスク1または1’が作成される。
【0049】
次に、上述したこの発明の実施の第1および第2の形態による光ディスク1および1’に対して共通して用いることができる光ディスク再生装置の一例について、図7を参照して説明する。図7において、上述した光ディスク1あるいは光ディスク1’に対応する光ディスク10は、スピンドルモータ11により回転させられる。光学ヘッドによりレーザ光で光ディスク10に形成されたトラックをトレースすることによって、データが再生される。
【0050】
レーザ駆動回路14によってレーザ光源15例えば半導体レーザが駆動され、所定の波長のレーザ光がレーザ光源15から出力される。レーザ光源15からのレーザ光がコリメータレンズ16によって平行光に変換され、ビームスプリッタ17および対物レンズ18を介して光ディスク10上に照射される。光ディスク10からの戻り光がビームスプリッタ17から集光レンズ19を介してフォトディテクタ20に入射される。
【0051】
フォトディテクタ20の出力がI(電流)V(電圧)変換回路22を介してマトリックス回路23に供給される。マトリックス回路23において、4分割フォトディテクタ20の分割受光部の出力信号が演算される。
【0052】
例えば非点収差法によりフォーカスエラーを検出し、フォーカスエラー信号FEが形成される。また、マトリックス回路23で求められたMO信号がデータ検出回路24に供給され、プッシュプル信号PPがトラッキングエラー生成回路25に供給される。データ検出回路24からデータ情報エリアから再生されたデータが得られる。トラッキングエラー生成回路25は、プッシュプル信号PPに基づき領域Aおよび領域Bの差分を求め、トラッキングエラー信号を出力する。フォーカスエラー信号FEおよびトラッキングエラー信号が位相補償回路26に供給される。
【0053】
位相補償回路26は、サーボ系の位相補償のために設けられている。位相補償回路26の出力が2軸駆動回路27に供給される。対物レンズ18は、ディスク径方向(すなわち、トラッキング方向)とディスクの信号面に対して直交して上下する方向(すなわち、フォーカス方向)とに変位可能とされている。2軸駆動回路27は、レンズアクチュエータ(図示せず)を駆動して、トラッキングエラーの補正とフォーカスエラーの補正とを行う。
【0054】
さらに、図示しないが、スピンドルモータ11を制御するスピンドルモータサーボ制御回路、並びに光学ヘッドのディスク径方向の移動を制御するスレッドサーボ制御回路が設けられている。例えば、スピンドルモータサーボ制御回路からスピンドルモータ11の回転情報を取り出し、トラッキングエラー生成回路25に供給することで、トラッキングエラー生成回路25は、トラック毎に極性が反転するトラッキングエラー信号に追従した処理を行うことができる。
【0055】
なお、上述では、この発明の実施の第1および第2の形態において適用されるディスクが光ディスクであるとして説明したが、実際には、この光ディスクは、例えばMSR(Magnetically Indused Super Resolution:磁気超解像)などの方法でデータを再生するようにされた光磁気ディスクを用いることが考えられる。すなわち、トラッキングは、上述したような光学的手法により行い、データの抽出は、この磁気超解像技術を用いて行う。
【0056】
磁気超解像技術は、所定の温度になると、切断層が磁気的にニュートラルな状態になり、再生層に転写されていた磁壁が移動することで、微少なマークがビームスポットの中で大きく見えるようになることを利用したものである。磁気超解像技術を使うことにより、ディスクの線密度方向の記録容量を向上することができる。
【0057】
磁気超解像技術を用いたディスクでは、透明基板上に、少なくとも情報を記録する記録層となる磁性層と、切断層と、情報再生用の磁性層とが積層される。切断層は、交換結合力調整用層となる。所定の温度になると、切断層が磁気的にニュートラルな状態になり、記録層に転写されていた磁壁が再生用の磁性層に転写される。これにより、微少なマークがビームスポットの中に見えるようになる。なお、記録時には、レーザパルス磁界変調技術を使うことで、微少なマークを生成することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明による光ディスクでは、トラック密度が光学的カットオフ周波数で示される密度以上であってもトラッキングエラー信号の検出を行えるようにしている。そのため、読み取り時に照射されるレーザビームがトラック密度に対して光学的に限界を超えたスポット径であっても、適切にトラッキングエラー信号を生成することができ、適正にトラッキングエラーを検出できる効果がある。
【0059】
そのため、記録トラックピッチを短縮して記録密度を向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の第1の形態による光ディスクの断面の一部を拡大して示す略線図である。
【図2】この発明の実施の第1の形態により形成された光ディスクに対するトラッキング方法について説明するための図である。
【図3】この実施の第1の形態による光ディスクの作成方法を概略的に示す略線図である。
【図4】この発明の実施の第2の形態による光ディスクの断面の一部を拡大して示す略線図である。
【図5】この実施の第2の形態による光ディスクの作成方法を概略的に示す略線図である。
【図6】カッティングマシンの一例の構成を概略的に示すブロック図である。
【図7】光ディスク再生装置の一例の構成を概略的に示すブロック図である。
【図8】各種光ディスクのトラックピッチと分解能に関する諸条件を一覧して示す略線図である。
【符号の説明】
1,1’・・・光ディスク、2,2A,2B・・・ピット、3・・・グルーブ、4・・・ランド、20・・・フォトディテクタ、25・・・トラッキングエラー生成回路、26・・・位相補償回路、50・・・ランドグルーブ基板、51・・・フォトレジスト、60・・・基板
【発明の属する技術分野】
この発明は、より狭いトラックピッチでのトラッキングを実現する光ディスク、光ディスク作成方法および光ディスク記録装置、ならびに、光ディスク再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ディスク型の光記録媒体(以下、単に光ディスクという)においては、情報記録面にスパイラルまたは同心円状に形成された記録トラックに沿って光ピックアップからの光スポットをトラッキングさせ、この光スポットの戻り光を光検出器で検出することにより、情報記録面に形成されたピットを読み取り、情報の記録や再生を行うようになっている。
【0003】
そして、このようなトラッキングに際し、光ディスクの情報記録面に形成された案内溝としてのグルーブあるいはピットによる光スポットの戻り光を検出することにより、トラッキングエラー信号を生成し、このトラッキングエラー信号に基づいて光ピックアップのトラッキングサーボをかけることにより、適正なトラッキング状態を確保している。
【0004】
また、近年では、特許文献1に記載されるように、磁気超解像(Magnetically Indused Super Resolution:MSR)と呼ばれる技術を用いてより高密度を実現するディスクが提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−200448号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このようなトラッキングエラー信号の検出方法やトラッキングサーボの方法等については、従来から各種の方式が種々提案され、実用化されている。しかしながら、光ディスクにおける記録情報のトラック方向の密度については、何れの方式においても、光スポットの分解能により制限されるため、ある程度以上の記録密度を実現することができないという問題点があった。
【0007】
図8は、各種光ディスクのトラックピッチと分解能に関する諸条件を一覧して示す。光源の波長(λ)、対物レンズの開口数(NA)、カットオフ周波数(本/mm)、トラックピッチ換算のカットオフ周波数(μm)、トラックピッチ設定数(μm)、倍率(Ratio)の各実数を示している。図8に示されるように、既に実用化されているCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、MD(Mini Disc:登録商標)においては、光学的カットオフのトラックピッチ換算値に対して十分な振幅が得られるように、トラックピッチに1.3倍以上のピッチ設定がなされている。
【0008】
ところが、より高密度記録を目指したHD−ROM(High Density−Read Only Memory)などでは、トラックピッチとして、例えばトラックピッチ換算カットオフ周波数〔0.867(μm)〕に対して比率が1未満の、〔0.8(μm)〕が設定される。この場合、トラックによるカットオフ周波数が光スポットの分解能に基づくカットオフ周波数を上回る密度となる。これは、このようなトラックピッチでは、トラッキングの際にトラッキングエラー信号が検出されず、トラッキングが行えないことを示している。
【0009】
したがって、この発明の目的は、光スポットの分解能に基づくカットオフ周波数を上回る、あるいは、当該カットオフ周波数に近いトラックピッチでトラックを形成しても、トラッキングエラー信号を生成できるような光ディスク、光ディスク作成方法および光ディスク記録装置、ならびに、光ディスク再生装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、上述した課題を解決するために、ディスク基板上の情報記録面に所定のトラックピッチで環状にトラックが設けられた光ディスクにおいて、トラックは、グルーブおよびグルーブに対して光学的深さが異ならされたランドに沿って形成され、グルーブおよびランドに沿ったトラックのそれぞれに記録データに基づくピットを形成するようにしたことを特徴とする光ディスクである。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、ディスク基板上の情報記録面に所定のトラックピッチで環状にトラックが設けられた光ディスクを作成する光ディスク作成方法において、トラックは、グルーブおよびグルーブに対して光学的深さが異ならされたランドに沿って形成され、グルーブおよびランドに沿ったトラックのそれぞれにピットを形成することを特徴とする光ディスク作成方法である。
【0012】
また、請求項5に記載の発明は、ディスク基板上の情報記録面に所定のトラックピッチで環状にトラックが設けられた光ディスクに記録データを記録する光ディスク記録装置において、レーザ光を記録データで光変調して出力する光変調手段を有し、トラックは、グルーブおよびグルーブに対して光学的深さが異ならされたランドに沿って形成され、光変調手段から出力されたレーザ光によりグルーブおよびランドに沿ったトラックのそれぞれにピットを形成することで記録データを記録するようにしたことを特徴とする光ディスク記録装置である。
【0013】
また、請求項6に記載の発明は、ディスク基板上の情報記録面に所定のトラックピッチで環状にトラックが設けられた光ディスクに対してレーザ光を照射し、レーザ光の光ディスクからの戻り光を用いてトラッキングを行い記録データを再生する光ディスク再生装置において、トラックは、グルーブおよびグルーブに対して光学的深さが異ならされたランドに沿って形成され、グルーブおよびランドに沿ったトラックのそれぞれに記録データに基づくピットが形成された光ディスクに対してレーザビームを照射するレーザ照射手段と、レーザ照射手段により照射されたレーザ光の光ディスクからの戻り光を、受光面が少なくともトラック方向に沿って分割された光検出器を用いて検出する光検出手段とを有し、光検出手段により検出された、受光面の分割された領域のそれぞれの受光量の差分に基づく、トラック毎に極性が反転されたトラッキングエラー信号を用いてトラッキングを行うようにしたことを特徴とする光ディスク再生装置である。
【0014】
また、請求項7に記載の発明は、ディスク基板上の情報記録面に所定のトラックピッチで環状にトラックが設けられた光ディスクにおいて、同一平面上に環状に設けられたトラックに対して記録データに基づくピットが設けられ、ピットは、隣接するトラック毎に交互に平面からの光学的深さが異ならされるように設けられたことを特徴とする光ディスクである。
【0015】
また、請求項10に記載の発明は、ディスク基板上の情報記録面に所定のトラックピッチで環状にトラックが設けられた光ディスクを作成する光ディスク作成方法において、同一平面上に環状に設けられたトラックに対して、隣接するトラック毎に交互に平面からの光学的深さが異ならされるように、記録データに基づくピットを形成することを特徴とする光ディスク作成方法である。
【0016】
また、請求項11に記載の発明は、ディスク基板上の情報記録面に所定のトラックピッチで環状にトラックが設けられた光ディスクに記録データを記録する光ディスク記録装置において、レーザ光を記録データで光変調して出力する光変調手段を有し、同一平面上に環状に設けられたトラックに対して、光変調手段から出力されたレーザ光を、隣接するトラック毎に交互に平面からの光学的深さが異ならされるように制御してピットを形成し、記録データを記録するようにしたことを特徴とする光ディスク記録装置である。
【0017】
また、請求項12に記載の発明は、ディスク基板上の情報記録面に所定のトラックピッチで環状にトラックが設けられた光ディスクに対してレーザ光を照射し、レーザ光の光ディスクからの戻り光を用いてトラッキングを行い記録データを再生する光ディスク再生装置において、同一平面上に環状に設けられたトラックに対して記録データに基づくピットが設けられ、ピットは、隣接するトラック毎に交互に平面からの光学的深さが異ならされるように設けられた光ディスクに対してレーザ光を照射するレーザ照射手段と、レーザ照射手段により照射されたレーザ光の光ディスクからの戻り光を、受光面が少なくともトラック方向に沿って分割された光検出器を用いて検出する光検出手段とを有し、光検出手段により検出された、受光面の分割された領域のそれぞれの受光量の差分に基づく、トラック毎に極性が反転されたトラッキングエラー信号を用いてトラッキングを行うようにしたことを特徴とする光ディスク再生装置である。
【0018】
上述したように、請求項1に記載の発明は、トラックは、グルーブおよびグルーブに対して光学的深さが異ならされたランドに沿って形成され、グルーブおよびランドに沿ったトラックのそれぞれに記録データに基づくピットを形成するようにしているため、ディスクの情報記録面に照射されたレーザ光の戻り光を2分割光検出器で検出することで、トラック毎に反転したトラッキングエラー信号が生成される。
【0019】
また、請求項4に記載の発明は、トラックは、グルーブおよびグルーブに対して光学的深さが異ならされたランドに沿って形成され、グルーブおよびランドに沿ったトラックのそれぞれにピットを形成して光ディスクを作成するようにしているため、この方法で作成された光ディスクの情報記録面に照射されたレーザ光の戻り光を2分割光検出器で検出することで、トラック毎に反転したトラッキングエラー信号が生成される。
【0020】
また、請求項5に記載の発明は、トラックは、グルーブおよびグルーブに対して光学的深さが異ならされたランドに沿って形成され、レーザ光を光変調したレーザ光によりグルーブおよびランドに沿ったトラックのそれぞれにピットを形成することで記録データを記録するようにしているため、ディスクの情報記録面に照射されたレーザ光の戻り光を2分割光検出器で検出することで、トラック毎に反転したトラッキングエラー信号が生成される。
【0021】
また、請求項6に記載の発明は、トラックは、グルーブおよびグルーブに対して光学的深さが異ならされたランドに沿って形成され、グルーブおよびランドに沿ったトラックのそれぞれに記録データに基づくピットが形成された光ディスクに対して照射されたレーザ光の光ディスクからの戻り光を、受光面が少なくともトラック方向に沿って分割された光検出器を用いて検出し、受光面の分割された領域のそれぞれの受光量の差分に基づく、トラック毎に極性が反転されたトラッキングエラー信号を用いてトラッキングを行うようにしているため、光学的な遮断周波数よりも高い周期のトラックピッチでトラックが配置されても、トラッキングを行うことができる。
【0022】
また、請求項7に記載の発明は、同一平面上に環状に設けられたトラックに対して記録データに基づくピットが設けられ、ピットは、隣接するトラック毎に交互に平面からの光学的深さが異ならされるように設けられているため、ディスクの情報記録面に照射されたレーザ光の戻り光を2分割光検出器で検出することで、トラック毎に反転したトラッキングエラー信号が生成される。
【0023】
また、請求項10に記載の発明は、同一平面上に環状に設けられたトラックに対して、隣接するトラック毎に交互に平面からの光学的深さが異ならされるように、記録データに基づくピットを形成して光ディスクを作成するようにしているため、この方法で作成された光ディスクの情報記録面に照射されたレーザ光の戻り光を2分割光検出器で検出することで、トラック毎に反転したトラッキングエラー信号が生成される。
【0024】
また、請求項11に記載の発明は、レーザ光を記録データで光変調して出力する光変調手段を有し、同一平面上に環状に設けられたトラックに対して、光変調手段から出力されたレーザ光を、隣接するトラック毎に交互に平面からの光学的深さが異ならされるように制御してピットを形成し、記録データを記録するようにしているため、ディスクの情報記録面に照射されたレーザ光の戻り光を2分割光検出器で検出することで、トラック毎に反転したトラッキングエラー信号が生成される。
【0025】
また、請求項12に記載の発明は、同一平面上に環状に設けられたトラックに対して記録データに基づくピットが設けられ、ピットは、隣接するトラック毎に交互に平面からの光学的深さが異ならされるように設けられた光ディスクに対して照射されたレーザ光の光ディスクからの戻り光を、受光面が少なくともトラック方向に沿って分割された光検出器を用いて検出し、受光面の分割された領域のそれぞれの受光量の差分に基づく、トラック毎に極性が反転されたトラッキングエラー信号を用いてトラッキングを行うようにしているため、光学的な遮断周波数よりも高い周期のトラックピッチでトラックが配置されても、トラッキングを行うことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の第1の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の第1の形態による光ディスク1の断面の一部を示す。レーザービームは、図の上方から照射される。これは、以下の同様の図面において共通である。この光ディスク1は、情報記録面に同心円状またはスパイラル状にトラックが形成され、トラックに対して設けられたピット2によって情報が記録される。光ディスク1は、全ての記録トラックに対して連続するグルーブ3またはランド4が形成される。
【0027】
光ディスク1において、読み取りのためのレーザ光に対して凹状になる部分がグルーブ3であり、凸状になる部分がランド4である。グルーブ3およびランド4にそれぞれピット2が形成され、ディジタルデータが記録される。
【0028】
この発明の実施の第1の形態では、グルーブ3とランド4との光学的深さの差が、読み取りためのレーザビームの波長λに対して略λ/8になるように、光ディスク1が形成される。グルーブ3(またはランド4)の間隔は、記録トラックのトラックピッチの2倍とし、グルーブ3およびランド4にそれぞれピット2を形成する。
【0029】
このように形成された光ディスク1に対するトラッキング方法について、図2を用いて説明する。光ディスク1の記録面に対して、波長λのレーザビームが例えばスポット100のように照射される。トラッキングは、レーザビーム100が光ディスク1の表面で反射された戻り光を、2分割された光検出器を用いて、スポット100を左右に2分割した領域Aおよび領域Bについてそれぞれ検出し、各々の差分を取ることで両極性のトラッキングエラー信号を得る、プッシュプル法により行う。
【0030】
なお、トラッキングは、これに限らず、例えば受光面を4分割した光検出器の対角線差信号を用いた、DPD(Differential Phase Detection)法により行ってもよい。
【0031】
図2に一例が示される状態で、2分割光検出器により領域Aおよび領域Bの戻り光を検出すると、例えばランド4に対してフォーカスが合っている場合、ランド4は、グルーブ3と深さが略λ/8だけ異ならされている。周知のように、プッシュプル法では、ピットの深さがλ/8のときに最大のトラッキングエラー信号を得ることができる。ランド4は、グルーブ3に対するピットと考えることができ、2分割光検出器では、領域Aおよび領域Bの戻り光の差分をとることで、トラッキングエラー信号を得ることができる。
【0032】
なお、上述の逆の場合、すなわち、グルーブ3とランド4との関係が入れ替わり、グルーブ3に対してトラッキングを行う場合も、同様にしてトラッキングエラー信号を得ることができる。トラッキングエラー信号は、各トラックの光学深さの異なる周期に基づき、記録トラックの2倍の長さの周期でトラッキングエラー信号が生成される。したがって、トラック毎に極性が反転したトラッキングエラー信号が得られることになる。
【0033】
図3は、この実施の第1の形態による光ディスク1の作成方法を概略的に示す。先ず、図3Aに一例が示されるように、記録トラックの2倍のトラック間隔でグルーブ3が形成されたランドグルーブ基板50を製作する。グルーブ3およびランド4は、それぞれ記録マーク配置トラックとして用いる。そのため、グルーブ3およびランド4の幅は、それぞれ同程度とする。また、ランド4のグルーブ3に対する光学的深さは、この光ディスク1のトラッキング時に照射されるレーザビームの波長λに対して、略λ/8とされる。
【0034】
ランドグルーブ基板50に対して、スピンコート法などでフォトレジスト51を例えば厚みが略λ/4になるように塗布する(図3B)。このフォトレジスト51を塗布した基板50に対して、カッティングマシンにより、記録データで変調されたレーザビームをグルーブ3およびランド4にそれぞれ照射し、フォトレジスト51を露光する(図3C)。レーザビームの照射後、現像すると、露光部分52が除去され、図3Dに一例が示されるような、グルーブ3およびランド4上にそれぞれピット2が形成された原盤が得られる。
【0035】
以降、通常の光ディスク作製の際のマスタリングプロセスに従い、この原盤上に金属メッキなどを施しレプリカスタンパを作製し、基板成型用のスタンパを得る。このスタンパを使用して、圧縮形成や射出形成などの方法により、光ディスク1が作成される。
【0036】
なお、上述では、グルーブ3とランド4との光学的深さの差が読み取りためのレーザビームの波長λに対して略λ/8になるように光ディスク1が形成されるとして説明したが、これはこの例に限定されない。グルーブ3とランド4との光学的深さの差は、略λ/8に限らず、略3λ/8、略5λ/8、・・・としてもよい。すなわち、グルーブ3とランド4との光学的深さの差は、nを自然数としたとき、略(2n−1)×λ/8であればよい。
【0037】
次に、この発明の実施の第2の形態について、図面を参照しながら説明する。図4は、この発明の実施の第2の形態による光ディスク1’の断面の一部を示す。上述の実施の第1の形態と同様に、この光ディスク1は、情報記録面に同心円状またはスパイラル状にトラックが形成され、トラックに対して設けられたピット2Aおよび2Bによって情報が記録される。
【0038】
この発明の実施の第2の形態では、ピットの深さをトラック毎に変調する。すなわち、隣接するトラックに配置されるピット2Aおよび2Bは、読み取りためのレーザビームの波長λに対して、光学的深さが略λ/8だけ異ならされる。図4の例では、ピット2Aがピット2Bよりも略λ/8だけ、深くされる。
【0039】
上述したように、プッシュプル法では、ピット深さがλ/8の場合に、最大のトラッキング信号が得られる。したがって、このように、隣接するトラックのピットにλ/8だけ光学深さの差を持たせることで、トラッキングエラー信号のトラック毎の変調度が得られ、トラックピッチをトラックピッチ換算のカットオフ周波数より狭く設定しても、トラッキングエラー信号を得ることができる。
【0040】
図5は、この実施の第2の形態による光ディスク1’の作成方法を概略的に示す。先ず、通常のフラットな基板60上に対し、スピンコート法などでフォトレジスト51を例えば厚みが略λ/4になるように塗布する(図5A)。このフォトレジスト51を塗布した基板60に対して、カッティングマシンにより記録データで変調されたレーザビームを照射し、フォトレジスト51を露光する。露光の際に、隣接するトラックにおいて形成されるピットの光学的深さが略λ/8の差を持つように、トラック毎に交互に露光パワーを制御する(図5B)。
【0041】
例えば、ピット2Aを形成する際には、露光パワーを大きく取り、基板60にまで露光が達するようにする。一方、ピット2Bを形成する際には、ピット2Aに対して光学深さが略λ/8の差を持つように、フォトレジスト51の表面から所定の深さまで露光が達するように、露光パワーを制御する。
【0042】
レーザビームの照射後、現像すると、露光部分52が除去され、図5Cに一例が示されるような、光学的深さで略λ/8の差を有するピット2Aおよび2Bがトラック毎に交互に形成された原盤が得られる。
【0043】
以降、通常の光ディスク作製の際のマスタリングプロセスに従い、この原盤上に金属メッキなどを施しレプリカスタンパを作製し、基板成型用のスタンパを得る。このスタンパを使用して、圧縮形成や射出形成などの方法により、光ディスク1’が作成される。
【0044】
なお、上述では、隣接するトラックにおいて形成されるピットの光学的深さの差が読み取りためのレーザビームの波長λに対して略λ/8になるように光ディスク1が形成されるとして説明したが、これはこの例に限定されない。隣接するトラックにおいて形成されるピットの光学的深さの差は、略λ/8に限らず、略3λ/8、略5λ/8、・・・としてもよい。すなわち、隣接するトラックにおいて形成されるピットの光学的深さの差は、nを自然数としたとき、略(2n−1)×λ/8であればよい。
【0045】
図6は、上述の実施の第1および第2の形態に共通して適用可能なカッティングマシンの一例の構成を、概略的に示す。カッティングマシンは、例えばArイオンレーザ、He−CdレーザやKrイオンレーザなどのガスレーザや半導体レーザであるレーザ41と、このレーザ41から出射されたレーザ光を変調する音響光学効果型または電気光学型の光変調器42と、この光変調器42を通過したレーザ光を集光し、感光物質であるフォトレジスタが塗布されたディスク状のガラス基板44のフォトレジスト面に照射する対物レンズなどを有する記録手段である光ピックアップ43などから構成される。
【0046】
光変調器42は、端子46から供給される記録信号に従ってレーザ41から出射されたレーザ光を変調する。上述した実施の第2の形態による光ディスク1’を作製する際には、図示されない制御部から供給される制御信号に基づき、トラック毎にレーザ光のパワーが制御される。そして、カッティングマシンは、スピンドルモータ45により回転駆動される、フォトレジスト51が塗布されたガラス基板44にこの変調されたレーザ光を照射することによって、フォトレジスト51を露光し、データが記録されたマスタを作成する。
【0047】
なお、図示しないが、カッティングマシンは、光ピックアップ43とガラス基板44との距離を一定に保つ制御、トラッキング制御、スピンドルモータ45の回転駆動動作の制御などを行うサーボ回路を有している。
【0048】
光変調器42から出射された変調されたレーザビームによって、ガラス基板44上のフォトレジストが露光される。このように露光がなされたガラス基板44を現像し、金属メッキ処理などを施すことによりレプリカスタンパを作製し、基板成型用のスタンパを得る。このスタンパを使用して、圧縮形成や射出形成などの方法により、光ディスク1または1’が作成される。
【0049】
次に、上述したこの発明の実施の第1および第2の形態による光ディスク1および1’に対して共通して用いることができる光ディスク再生装置の一例について、図7を参照して説明する。図7において、上述した光ディスク1あるいは光ディスク1’に対応する光ディスク10は、スピンドルモータ11により回転させられる。光学ヘッドによりレーザ光で光ディスク10に形成されたトラックをトレースすることによって、データが再生される。
【0050】
レーザ駆動回路14によってレーザ光源15例えば半導体レーザが駆動され、所定の波長のレーザ光がレーザ光源15から出力される。レーザ光源15からのレーザ光がコリメータレンズ16によって平行光に変換され、ビームスプリッタ17および対物レンズ18を介して光ディスク10上に照射される。光ディスク10からの戻り光がビームスプリッタ17から集光レンズ19を介してフォトディテクタ20に入射される。
【0051】
フォトディテクタ20の出力がI(電流)V(電圧)変換回路22を介してマトリックス回路23に供給される。マトリックス回路23において、4分割フォトディテクタ20の分割受光部の出力信号が演算される。
【0052】
例えば非点収差法によりフォーカスエラーを検出し、フォーカスエラー信号FEが形成される。また、マトリックス回路23で求められたMO信号がデータ検出回路24に供給され、プッシュプル信号PPがトラッキングエラー生成回路25に供給される。データ検出回路24からデータ情報エリアから再生されたデータが得られる。トラッキングエラー生成回路25は、プッシュプル信号PPに基づき領域Aおよび領域Bの差分を求め、トラッキングエラー信号を出力する。フォーカスエラー信号FEおよびトラッキングエラー信号が位相補償回路26に供給される。
【0053】
位相補償回路26は、サーボ系の位相補償のために設けられている。位相補償回路26の出力が2軸駆動回路27に供給される。対物レンズ18は、ディスク径方向(すなわち、トラッキング方向)とディスクの信号面に対して直交して上下する方向(すなわち、フォーカス方向)とに変位可能とされている。2軸駆動回路27は、レンズアクチュエータ(図示せず)を駆動して、トラッキングエラーの補正とフォーカスエラーの補正とを行う。
【0054】
さらに、図示しないが、スピンドルモータ11を制御するスピンドルモータサーボ制御回路、並びに光学ヘッドのディスク径方向の移動を制御するスレッドサーボ制御回路が設けられている。例えば、スピンドルモータサーボ制御回路からスピンドルモータ11の回転情報を取り出し、トラッキングエラー生成回路25に供給することで、トラッキングエラー生成回路25は、トラック毎に極性が反転するトラッキングエラー信号に追従した処理を行うことができる。
【0055】
なお、上述では、この発明の実施の第1および第2の形態において適用されるディスクが光ディスクであるとして説明したが、実際には、この光ディスクは、例えばMSR(Magnetically Indused Super Resolution:磁気超解像)などの方法でデータを再生するようにされた光磁気ディスクを用いることが考えられる。すなわち、トラッキングは、上述したような光学的手法により行い、データの抽出は、この磁気超解像技術を用いて行う。
【0056】
磁気超解像技術は、所定の温度になると、切断層が磁気的にニュートラルな状態になり、再生層に転写されていた磁壁が移動することで、微少なマークがビームスポットの中で大きく見えるようになることを利用したものである。磁気超解像技術を使うことにより、ディスクの線密度方向の記録容量を向上することができる。
【0057】
磁気超解像技術を用いたディスクでは、透明基板上に、少なくとも情報を記録する記録層となる磁性層と、切断層と、情報再生用の磁性層とが積層される。切断層は、交換結合力調整用層となる。所定の温度になると、切断層が磁気的にニュートラルな状態になり、記録層に転写されていた磁壁が再生用の磁性層に転写される。これにより、微少なマークがビームスポットの中に見えるようになる。なお、記録時には、レーザパルス磁界変調技術を使うことで、微少なマークを生成することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明による光ディスクでは、トラック密度が光学的カットオフ周波数で示される密度以上であってもトラッキングエラー信号の検出を行えるようにしている。そのため、読み取り時に照射されるレーザビームがトラック密度に対して光学的に限界を超えたスポット径であっても、適切にトラッキングエラー信号を生成することができ、適正にトラッキングエラーを検出できる効果がある。
【0059】
そのため、記録トラックピッチを短縮して記録密度を向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の第1の形態による光ディスクの断面の一部を拡大して示す略線図である。
【図2】この発明の実施の第1の形態により形成された光ディスクに対するトラッキング方法について説明するための図である。
【図3】この実施の第1の形態による光ディスクの作成方法を概略的に示す略線図である。
【図4】この発明の実施の第2の形態による光ディスクの断面の一部を拡大して示す略線図である。
【図5】この実施の第2の形態による光ディスクの作成方法を概略的に示す略線図である。
【図6】カッティングマシンの一例の構成を概略的に示すブロック図である。
【図7】光ディスク再生装置の一例の構成を概略的に示すブロック図である。
【図8】各種光ディスクのトラックピッチと分解能に関する諸条件を一覧して示す略線図である。
【符号の説明】
1,1’・・・光ディスク、2,2A,2B・・・ピット、3・・・グルーブ、4・・・ランド、20・・・フォトディテクタ、25・・・トラッキングエラー生成回路、26・・・位相補償回路、50・・・ランドグルーブ基板、51・・・フォトレジスト、60・・・基板
Claims (12)
- ディスク基板上の情報記録面に所定のトラックピッチで環状にトラックが設けられた光ディスクにおいて、
トラックは、グルーブおよび該グルーブに対して光学的深さが異ならされたランドに沿って形成され、上記グルーブおよび上記ランドに沿った上記トラックのそれぞれに記録データに基づくピットを形成するようにしたことを特徴とする光ディスク。 - 請求項1に記載の光ディスクにおいて、
上記グルーブおよび上記ランドは、トラッキング時に情報記録面に照射されるレーザ光の波長λに対して、nを自然数としたとき、略(2n−1)×λ/8だけ、上記光学的深さが異ならされることを特徴とする光ディスク。 - 請求項1に記載の光ディスクにおいて、
上記トラックは、トラッキング時に情報記録面に照射されるレーザスポット光の光学的な遮断周波数より高いピッチで配置されることを特徴とする光ディスク。 - ディスク基板上の情報記録面に所定のトラックピッチで環状にトラックが設けられた光ディスクを作成する光ディスク作成方法において、
トラックは、グルーブおよび該グルーブに対して光学的深さが異ならされたランドに沿って形成され、上記グルーブおよび上記ランドに沿った上記トラックのそれぞれにピットを形成することを特徴とする光ディスク作成方法。 - ディスク基板上の情報記録面に所定のトラックピッチで環状にトラックが設けられた光ディスクに記録データを記録する光ディスク記録装置において、
レーザ光を記録データで光変調して出力する光変調手段を有し、
トラックは、グルーブおよび該グルーブに対して光学的深さが異ならされたランドに沿って形成され、上記光変調手段から出力された上記レーザ光により上記グルーブおよび上記ランドに沿った上記トラックのそれぞれにピットを形成することで上記記録データを記録するようにしたことを特徴とする光ディスク記録装置。 - ディスク基板上の情報記録面に所定のトラックピッチで環状にトラックが設けられた光ディスクに対してレーザ光を照射し、レーザ光の光ディスクからの戻り光を用いてトラッキングを行い記録データを再生する光ディスク再生装置において、
トラックは、グルーブおよび該グルーブに対して光学的深さが異ならされたランドに沿って形成され、上記グルーブおよび上記ランドに沿った上記トラックのそれぞれに記録データに基づくピットが形成された光ディスクに対してレーザビームを照射するレーザ照射手段と、
上記レーザ照射手段により照射されたレーザ光の上記光ディスクからの戻り光を、受光面が少なくともトラック方向に沿って分割された光検出器を用いて検出する光検出手段と
を有し、
上記光検出手段により検出された、上記受光面の上記分割された領域のそれぞれの受光量の差分に基づく、トラック毎に極性が反転されたトラッキングエラー信号を用いてトラッキングを行うようにしたことを特徴とする光ディスク再生装置。 - ディスク基板上の情報記録面に所定のトラックピッチで環状にトラックが設けられた光ディスクにおいて、
同一平面上に環状に設けられたトラックに対して記録データに基づくピットが設けられ、該ピットは、隣接する該トラック毎に交互に上記平面からの光学的深さが異ならされるように設けられたことを特徴とする光ディスク。 - 請求項7に記載の光ディスクにおいて、
上記ピットは、トラッキング時に情報記録面に照射されるレーザ光の波長λに対して、nを自然数としたとき、略(2n−1)×λ/8だけ、隣接する上記トラック毎に交互に上記平面からの光学的深さが異ならされることを特徴とする光ディスク。 - 請求項7に記載の光ディスクにおいて、
上記トラックは、トラッキング時に情報記録面に照射されるレーザスポット光の光学的な遮断周波数より高いピッチで配置されることを特徴とする光ディスク。 - ディスク基板上の情報記録面に所定のトラックピッチで環状にトラックが設けられた光ディスクを作成する光ディスク作成方法において、
同一平面上に環状に設けられたトラックに対して、隣接する該トラック毎に交互に上記平面からの光学的深さが異ならされるように、記録データに基づくピットを形成することを特徴とする光ディスク作成方法。 - ディスク基板上の情報記録面に所定のトラックピッチで環状にトラックが設けられた光ディスクに記録データを記録する光ディスク記録装置において、
レーザ光を記録データで光変調して出力する光変調手段を有し、
同一平面上に環状に設けられたトラックに対して、上記光変調手段から出力された上記レーザ光を、隣接する該トラック毎に交互に上記平面からの光学的深さが異ならされるように制御してピットを形成し、上記記録データを記録するようにしたことを特徴とする光ディスク記録装置。 - ディスク基板上の情報記録面に所定のトラックピッチで環状にトラックが設けられた光ディスクに対してレーザ光を照射し、レーザ光の光ディスクからの戻り光を用いてトラッキングを行い記録データを再生する光ディスク再生装置において、
同一平面上に環状に設けられたトラックに対して記録データに基づくピットが設けられ、該ピットは、隣接する該トラック毎に交互に上記平面からの光学的深さが異ならされるように設けられた光ディスクに対してレーザ光を照射するレーザ照射手段と、
上記レーザ照射手段により照射されたレーザ光の上記光ディスクからの戻り光を、受光面が少なくともトラック方向に沿って分割された光検出器を用いて検出する光検出手段と
を有し、
上記光検出手段により検出された、上記受光面の上記分割された領域のそれぞれの受光量の差分に基づく、トラック毎に極性が反転されたトラッキングエラー信号を用いてトラッキングを行うようにしたことを特徴とする光ディスク再生装置。
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JP2003013424A JP2004227652A (ja) | 2003-01-22 | 2003-01-22 | 光ディスク、光ディスク作成方法および光ディスク記録装置、ならびに、光ディスク再生装置 |
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JP2003013424A JP2004227652A (ja) | 2003-01-22 | 2003-01-22 | 光ディスク、光ディスク作成方法および光ディスク記録装置、ならびに、光ディスク再生装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2013094486A1 (ja) * | 2011-12-20 | 2013-06-27 | ソニー株式会社 | 露光装置、記録媒体、記録装置、再生装置 |
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2003
- 2003-01-22 JP JP2003013424A patent/JP2004227652A/ja active Pending
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WO2013094486A1 (ja) * | 2011-12-20 | 2013-06-27 | ソニー株式会社 | 露光装置、記録媒体、記録装置、再生装置 |
JP2013131261A (ja) * | 2011-12-20 | 2013-07-04 | Sony Corp | 露光装置、記録媒体、記録装置、再生装置 |
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