JP2004225799A - 車両用バウンドストッパ - Google Patents
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Abstract
【課題】ロアアーム等の可動部材に当接する際に、可動部材との接触面積を少なくすると共に可動部材との間のスティックスリップの発生を抑えて、それに伴う異音の発生を防止することができる車両用バウンドストッパを提供する。
【解決手段】バウンドストッパ10は、カップ状で底板部12に取付具15を設けた本体金具11と、本体金具の内部に充填されると共に内部から外部に一体で凸曲面状に膨出したブロック状のゴム弾性体部21とを備えている。ゴム弾性体部は、その膨出した表面である当接面22に、互いに径方向に離間した複数の環状溝24を設け、環状溝により当接面側が複数の環状凸部25に分離されている。バウンドストッパは、互いに対向すると共に離間して配置された車体側フレーム1とそれに向けて揺動可能にされたロアアーム3とのいずれか一方の部材に固定されると共に、ゴム弾性体部がいずれか他方の部材に対向して配設される。
【選択図】 図1
【解決手段】バウンドストッパ10は、カップ状で底板部12に取付具15を設けた本体金具11と、本体金具の内部に充填されると共に内部から外部に一体で凸曲面状に膨出したブロック状のゴム弾性体部21とを備えている。ゴム弾性体部は、その膨出した表面である当接面22に、互いに径方向に離間した複数の環状溝24を設け、環状溝により当接面側が複数の環状凸部25に分離されている。バウンドストッパは、互いに対向すると共に離間して配置された車体側フレーム1とそれに向けて揺動可能にされたロアアーム3とのいずれか一方の部材に固定されると共に、ゴム弾性体部がいずれか他方の部材に対向して配設される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに対向すると共に離間して配置された車体側フレームとそれに向けて揺動可能にされたロアアーム等の可動部材とのいずれか一方に固定され、可動部材の過大な揺動を抑える車両用バウンドストッパに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両用バウンドストッパは、例えば図4に示すように、カップ状で底面に取付ボルト7を設けた本体金具6と、本体金具6内に充填されると共に外部に円錐台形状に盛り上がったゴム弾性体部8とを備えている。このバウンドストッパ5は、車両のサスペンションにおいて、車輪を支持するロアアームやコントロールアームやリーフスプリング等の可動部材3が、車輪のバウンドにより限度以上に過大に上下に揺動したり、対向する車体側フレーム1に当接するのを防止するために、これら可動部材3と車体側フレーム1のいずれか一方側に取り付けられている。
【0003】
しかし、このバウンドストッパ5は、可動部材3が当接する際の当接初期の接触面積が大きいため、可動部材3当接時の衝突音が大きくなる。さらに、可動部材3が車両の前後左右方向等にも動くものであり、バウンドストッパ5と可動部材3との接触面積が大きく両者間の接触抵抗が大きくなるため、当接初期においてゴム弾性体部8が可動部材3の動きに追従できなくなる。そのため、ゴム弾性体部8と可動部材3との間に急激なすべりであるいわゆるスティックスリップが発生し、これが直接にさらにサスペンションアームや取付ブラケットを介して車体に伝播して増幅されることにより、車両として異音が発生するという問題がある。上記バウンドストッパと同様の構造のバウンドストッパとしては、例えば特許文献1に示されている。
【0004】
【特許文献1】
実開平5−86048号公報(第2頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した問題を解決しようとするもので、ロアアーム等の可動部材に当接する際に、可動部材との接触面積を少なくすると共に可動部材との間の急激なすべりであるいわゆるスティックスリップの発生を抑えて、それに伴う異音の発生を抑制することができる車両用バウンドストッパを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、上記請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、カップ状で底面に取付部を設けた本体金具と、本体金具の内部に充填されると共に内部から外部に一体で山状に膨出したブロック状のゴム弾性体部とを備えてなり、互いに対向すると共に離間して配置された車体側部材と車体側部材方向に揺動可能にされた可動部材とのいずれか一方の部材に取付部にて固定されると共に、ゴム弾性体部がいずれか他方の部材に対向して配設される車両用バウンドストッパにおいて、可動部材の揺動により他方の部材が当接するゴム弾性体部の山状に膨出した表面である当接面に、互いに径方向に離間した複数の環状溝を設け、環状溝によりゴム弾性体部の当接面側が複数の環状凸部に分離されたことにある。
【0007】
上記のように構成した請求項1の発明においては、バウンドストッパは、可動部材の揺動により他方の部材が当接するゴム弾性体部の当接面に、互いに径方向に離間した複数の環状溝を設けており、当接面側が環状溝によって分離された複数の環状凸部に分けられる。そのため、他方の部材のバウンドストッパに対する当接初期の接触面積が低減され、当接による衝突音の発生が抑えられる。さらに、ゴム弾性体部の他方の部材が当接する当接面側が、環状溝によって分離された複数の環状凸部に分けられているため、当接初期でのゴム弾性体部の接触部分のバネ特性が小さくされる。そのため、ゴム弾性体部が他方の部材の移動に対してスムーズに追従することができ、その結果、バウンドストッパと他方の部材との当接による両者間でのスティクスリップの発生が抑えられる。
【0008】
また、上記請求項2の発明の構成上の特徴は、前記請求項1に記載のバウンドストッパにおいて、ゴム弾性体部の当接面が、凸曲面形状であることにある。このように、ゴム弾性体部の本体金具から膨出した当接面が凸曲面形状であることにより、他方の部材が当接するゴム弾性体部の当接面全面において、バウンドストッパの他方の部材に対する接触面積がさらに低減され、当接時の衝突音の発生が抑えられると共に、両者間でのスティクスリップの発生が抑えられる。
【0009】
また、上記請求項3の発明の構成上の特徴は、前記請求項2に記載のバウンドストッパにおいて、環状溝の凹み方向が、当接面に対して略法線方向に向けられたことにある。これにより、ゴム弾性体部に当接した他方の部材のすべり方向が環状溝に対して略垂直になるため、環状溝に挟まれたゴム弾性体部の環状凸部がすべりに対してより確実に追従することができ、ステックスリップの発生がより確実に抑えられる。
【0010】
また、上記請求項4の発明の構成上の特徴は、前記請求項2又は3に記載のバウンドストッパにおいて、環状溝が、ゴム弾性体部の頂部を中心として当接面に同心円状に設けられたことにある。このように、環状溝が、ゴム弾性体部の頂部を中心として当接面部分に同心円状に設けられているため、他の部材がゴム弾性体部の周方向のどの部分に当接しても、上記請求項2,3の発明の作用が同等に得られる。したがって、バウンドストッパの一方の部材への取り付けの周方向の依存性がなく、バウンドストッパの取り付け作業が簡易にされる。
【0011】
また、上記請求項5の発明の構成上の特徴は、前記請求項4に記載のバウンドストッパにおいて、環状溝が、略同一幅でかつ互いに径方向に等間隔で設けられたことにある。このように、環状溝が、径方向に等間隔で設けられたことにより、請求項4の発明の作用に加えて、さらに他の部材がゴム弾性体部の径方向のどの部分に当接しても、上記請求項4の発明の作用が同等に得られる。したがって、バウンドストッパの一方の部材への取り付けの径方向の依存性もなくなり、バウンドストッパの取り付け作業がさらに簡易にされる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。図1,図2は、同実施形態に係る自動車のサスペンション装置のリンク部であるロアアームに対向した車体側フレームに固定されるバウンドストッパ10を、断面図及び平面図により示したものである。図3は、バウンドストッパ10の使用状態を断面図により概略的に示したものである。バウンドストッパ10は、カップ状で底面に取付具15が固定された本体金具11と、本体金具11内部に充填されると共に内部から外部に一体で山状に膨出したブロック状でその当接面22に複数の環状溝24を設けたゴム弾性体部21とを備えている。
【0013】
本体金具11は、底の浅い円筒形カップ状の容器であり、円形の底板部12と、底板部12から同軸状にかつわずかに外側に広がるように延びた略円筒状の側板部13とを有している。底板部12の中心位置には、取付孔14が形成されている。取付孔14には、取付部である金属製丸棒状の取付具15が固定されて底板部12の外方に突出している。取付具15は、一端に径方向外方に延びた偏平な頭部15aを有し、軸部分の外周面にねじ溝が形成されたねじ部15bになっている。取付具15は、頭部15aが取付孔14に係合した状態で溶接により底板部12の内側面に固定され、ねじ部15bが底板部12に対して垂直にその外面側から外方に突出している。側板部13の開口端13aには、径方向外方にわずかに延びた全体として正八角形になっているフランジ部16が一体で設けられている。
【0014】
ゴム弾性体部21は、膨出部分の外表面が略半球面形状になっており、その頂部23からフランジ部16近傍位置の間が、ロアアーム3が当接する当接面22になっている。ゴム弾性体部21は、頂部23を中心として、当接面22に同心円状にかつそれぞれが等間隔で複数の円形の環状溝24を設けている。また、各環状溝24は、同一幅であり、その凹み方向が当接面22に対して略法線方向に向けられている。ゴム弾性体部21の当接面22側が、環状溝24によって分離されて相対的に突出した円環形の複数の環状凸部25となっている。環状溝24は、例えば幅及び深さが1〜3mm程度であり、好ましくは略2mmに設定される。また、環状凸部25の幅については、環状溝24の幅の略2倍程度が望ましい。ゴム弾性体部21は、本体金具11の内面に例えばゴム加硫成形により接着形成されている。なお、環状凸部25には、加硫成形の過程で形成される微小な凹凸であるシボを設けることが望ましく、これにより当接するロアアーム3との間のすべりの発生が抑えられる。
【0015】
バウンドストッパ10は、図3に示すように、車体側フレーム1の取付孔2に底板部12から突出した取付具15を螺着させることにより固定され、車体側フレーム1と車輪側間に図示矢印方向に揺動可能に取り付けられたロアアーム3にその当接面22が対向して配置される。
【0016】
上記のように構成された実施形態においては、バウンドストッパ10は、ロアアーム3が揺動により当接するゴム弾性体部21の略半球状の当接面22に、同心円状でかつ互いに径方向に等間隔で離間した複数の環状溝24を設けており、当接面22側が環状溝24によって分離された複数の環状凸部25に分けられている。そのため、ロアアーム3のバウンドストッパ10に対する接触面積が低減され、当接による衝突音の発生が抑えられる。さらに、ゴム弾性体部21の当接面22側が、環状溝24によって分離された複数の環状凸部25に分けられているため、ロアアーム3当接初期において、ゴム弾性体部21のバネ特性が小さくされる。そのため、ゴム弾性体部21がロアアーム3のすべり方向への移動に対してスムーズに追従することができ、両者間でのスティクスリップの発生が抑えられる。その結果、本実施形態においては、バウンドストッパ10とロアアーム3との当接に伴う異音の発生が確実に抑制される。
【0017】
また、環状溝24が、当接面22に対して略法線方向に向けて形成されていることにより、ゴム弾性体部21に当接したロアアーム3のすべり方向が環状溝24に対して略垂直になるため、環状溝24に挟まれた環状凸部25がすべりに対してより確実に追従することができ、ステックスリップの発生が抑えられる。さらに、環状溝24が、ゴム弾性体部21の頂部23を中心として同心円状にかつ径方向に等間隔で設けられているため、ロアアーム3がゴム弾性体部21の周方向及び径方向のどの部分に当接しても、上記ステックスリップを抑える効果が同等に得られる。したがって、バウンドストッパ10の車体側フレーム1への取り付けの周方向及び径方向の依存性がないため、バウンドストッパ10の取り付け作業が簡易にされる。
【0018】
なお、上記各実施形態においては、バウンドストッパ10は車体側フレーム1に固定されているが、これに代えて、ロアアーム3側に固定されてもよい。また、本体金具については、円形の代りに、多角形としてもよい。さらに、ゴム弾性体部21の当接面22については、半球状に限らず、凸曲面状であればよく、さらには曲面から多少外れた凸面とすることも可能である。また、上記各実施形態においては、環状溝24は同一幅、同一深さ、同一間隔で形成されているが、これに限らず、多少の寸法の変更は可能である。さらに、上記各実施形態においては、環状溝は、ゴム弾性体部に同心円状に形成されているが、場合によっては、同心円状から外れた配置とすることも可能である。その他、上記実施形態に示したバウンドストッパについては、一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変更して実施することができる。
【0019】
【発明の効果】
上記請求項1の発明によれば、バウンドストッパは、可動部材の揺動により他方の部材が当接するゴム弾性体部の当接面に、互いに径方向に離間した複数の環状溝を設けており、当接面側が複数の環状凸部に分離されている。そのため、他方の部材のバウンドストッパに対する当接初期の接触面積が低減され、当接による衝突音の発生が抑えられると共に、ゴム弾性体部が他方の部材の移動に対してスムーズに追従することができ両者間でのスティクスリップの発生が抑えられる。その結果、請求項1の発明によれば、バウンドストッパと他方の部材との当接に伴う異音の発生を抑制することができる。
【0020】
また、ゴム弾性体部の本体金具から膨出した当接面を凸曲面形状としたことにより、他方の部材が当接するゴム弾性体部の当接面全面において、バウンドストッパの当接時の衝突音の発生及びスティックスリップの発生が抑えられる(請求項2の発明の効果)。また、環状溝を当接面に対して略法線方向に向けて形成したことにより、環状溝に挟まれた環状凸部がすべりに対してより確実に追従することができるため、ステックスリップの発生が抑えられる(請求項3の発明の効果)。また、環状溝をゴム弾性体部の頂点を中心として同心円状に設けたことにより、バウンドストッパの一方の部材への取り付けの周方向の依存性がなく、その取り付け作業が簡易にされる(請求項4の発明の効果)。また、環状溝を、同一径でかつ径方向に等間隔で設けたことにより、バウンドストッパの一方の部材への取り付けの径方向の依存性もなくなり、その取り付け作業がさらに簡易にされる(請求項5の発明の効果)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるバウンドストッパを示す図2のI−I線方向の断面図である。
【図2】バウンドストッパを示す平面図である。
【図3】バウンドストッパの車体側フレームへの取り付け状態を示す断面図である。
【図4】従来例であるバウンドストッパの車体側フレームへの取り付け状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…車体側フレーム、3…ロアアーム、10…バウンドストッパ、11…本体金具、12…底板部、13…側板部、15…取付具、21…ゴム弾性体部、22…当接面、24…環状溝、25…環状凸部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに対向すると共に離間して配置された車体側フレームとそれに向けて揺動可能にされたロアアーム等の可動部材とのいずれか一方に固定され、可動部材の過大な揺動を抑える車両用バウンドストッパに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両用バウンドストッパは、例えば図4に示すように、カップ状で底面に取付ボルト7を設けた本体金具6と、本体金具6内に充填されると共に外部に円錐台形状に盛り上がったゴム弾性体部8とを備えている。このバウンドストッパ5は、車両のサスペンションにおいて、車輪を支持するロアアームやコントロールアームやリーフスプリング等の可動部材3が、車輪のバウンドにより限度以上に過大に上下に揺動したり、対向する車体側フレーム1に当接するのを防止するために、これら可動部材3と車体側フレーム1のいずれか一方側に取り付けられている。
【0003】
しかし、このバウンドストッパ5は、可動部材3が当接する際の当接初期の接触面積が大きいため、可動部材3当接時の衝突音が大きくなる。さらに、可動部材3が車両の前後左右方向等にも動くものであり、バウンドストッパ5と可動部材3との接触面積が大きく両者間の接触抵抗が大きくなるため、当接初期においてゴム弾性体部8が可動部材3の動きに追従できなくなる。そのため、ゴム弾性体部8と可動部材3との間に急激なすべりであるいわゆるスティックスリップが発生し、これが直接にさらにサスペンションアームや取付ブラケットを介して車体に伝播して増幅されることにより、車両として異音が発生するという問題がある。上記バウンドストッパと同様の構造のバウンドストッパとしては、例えば特許文献1に示されている。
【0004】
【特許文献1】
実開平5−86048号公報(第2頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した問題を解決しようとするもので、ロアアーム等の可動部材に当接する際に、可動部材との接触面積を少なくすると共に可動部材との間の急激なすべりであるいわゆるスティックスリップの発生を抑えて、それに伴う異音の発生を抑制することができる車両用バウンドストッパを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、上記請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、カップ状で底面に取付部を設けた本体金具と、本体金具の内部に充填されると共に内部から外部に一体で山状に膨出したブロック状のゴム弾性体部とを備えてなり、互いに対向すると共に離間して配置された車体側部材と車体側部材方向に揺動可能にされた可動部材とのいずれか一方の部材に取付部にて固定されると共に、ゴム弾性体部がいずれか他方の部材に対向して配設される車両用バウンドストッパにおいて、可動部材の揺動により他方の部材が当接するゴム弾性体部の山状に膨出した表面である当接面に、互いに径方向に離間した複数の環状溝を設け、環状溝によりゴム弾性体部の当接面側が複数の環状凸部に分離されたことにある。
【0007】
上記のように構成した請求項1の発明においては、バウンドストッパは、可動部材の揺動により他方の部材が当接するゴム弾性体部の当接面に、互いに径方向に離間した複数の環状溝を設けており、当接面側が環状溝によって分離された複数の環状凸部に分けられる。そのため、他方の部材のバウンドストッパに対する当接初期の接触面積が低減され、当接による衝突音の発生が抑えられる。さらに、ゴム弾性体部の他方の部材が当接する当接面側が、環状溝によって分離された複数の環状凸部に分けられているため、当接初期でのゴム弾性体部の接触部分のバネ特性が小さくされる。そのため、ゴム弾性体部が他方の部材の移動に対してスムーズに追従することができ、その結果、バウンドストッパと他方の部材との当接による両者間でのスティクスリップの発生が抑えられる。
【0008】
また、上記請求項2の発明の構成上の特徴は、前記請求項1に記載のバウンドストッパにおいて、ゴム弾性体部の当接面が、凸曲面形状であることにある。このように、ゴム弾性体部の本体金具から膨出した当接面が凸曲面形状であることにより、他方の部材が当接するゴム弾性体部の当接面全面において、バウンドストッパの他方の部材に対する接触面積がさらに低減され、当接時の衝突音の発生が抑えられると共に、両者間でのスティクスリップの発生が抑えられる。
【0009】
また、上記請求項3の発明の構成上の特徴は、前記請求項2に記載のバウンドストッパにおいて、環状溝の凹み方向が、当接面に対して略法線方向に向けられたことにある。これにより、ゴム弾性体部に当接した他方の部材のすべり方向が環状溝に対して略垂直になるため、環状溝に挟まれたゴム弾性体部の環状凸部がすべりに対してより確実に追従することができ、ステックスリップの発生がより確実に抑えられる。
【0010】
また、上記請求項4の発明の構成上の特徴は、前記請求項2又は3に記載のバウンドストッパにおいて、環状溝が、ゴム弾性体部の頂部を中心として当接面に同心円状に設けられたことにある。このように、環状溝が、ゴム弾性体部の頂部を中心として当接面部分に同心円状に設けられているため、他の部材がゴム弾性体部の周方向のどの部分に当接しても、上記請求項2,3の発明の作用が同等に得られる。したがって、バウンドストッパの一方の部材への取り付けの周方向の依存性がなく、バウンドストッパの取り付け作業が簡易にされる。
【0011】
また、上記請求項5の発明の構成上の特徴は、前記請求項4に記載のバウンドストッパにおいて、環状溝が、略同一幅でかつ互いに径方向に等間隔で設けられたことにある。このように、環状溝が、径方向に等間隔で設けられたことにより、請求項4の発明の作用に加えて、さらに他の部材がゴム弾性体部の径方向のどの部分に当接しても、上記請求項4の発明の作用が同等に得られる。したがって、バウンドストッパの一方の部材への取り付けの径方向の依存性もなくなり、バウンドストッパの取り付け作業がさらに簡易にされる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。図1,図2は、同実施形態に係る自動車のサスペンション装置のリンク部であるロアアームに対向した車体側フレームに固定されるバウンドストッパ10を、断面図及び平面図により示したものである。図3は、バウンドストッパ10の使用状態を断面図により概略的に示したものである。バウンドストッパ10は、カップ状で底面に取付具15が固定された本体金具11と、本体金具11内部に充填されると共に内部から外部に一体で山状に膨出したブロック状でその当接面22に複数の環状溝24を設けたゴム弾性体部21とを備えている。
【0013】
本体金具11は、底の浅い円筒形カップ状の容器であり、円形の底板部12と、底板部12から同軸状にかつわずかに外側に広がるように延びた略円筒状の側板部13とを有している。底板部12の中心位置には、取付孔14が形成されている。取付孔14には、取付部である金属製丸棒状の取付具15が固定されて底板部12の外方に突出している。取付具15は、一端に径方向外方に延びた偏平な頭部15aを有し、軸部分の外周面にねじ溝が形成されたねじ部15bになっている。取付具15は、頭部15aが取付孔14に係合した状態で溶接により底板部12の内側面に固定され、ねじ部15bが底板部12に対して垂直にその外面側から外方に突出している。側板部13の開口端13aには、径方向外方にわずかに延びた全体として正八角形になっているフランジ部16が一体で設けられている。
【0014】
ゴム弾性体部21は、膨出部分の外表面が略半球面形状になっており、その頂部23からフランジ部16近傍位置の間が、ロアアーム3が当接する当接面22になっている。ゴム弾性体部21は、頂部23を中心として、当接面22に同心円状にかつそれぞれが等間隔で複数の円形の環状溝24を設けている。また、各環状溝24は、同一幅であり、その凹み方向が当接面22に対して略法線方向に向けられている。ゴム弾性体部21の当接面22側が、環状溝24によって分離されて相対的に突出した円環形の複数の環状凸部25となっている。環状溝24は、例えば幅及び深さが1〜3mm程度であり、好ましくは略2mmに設定される。また、環状凸部25の幅については、環状溝24の幅の略2倍程度が望ましい。ゴム弾性体部21は、本体金具11の内面に例えばゴム加硫成形により接着形成されている。なお、環状凸部25には、加硫成形の過程で形成される微小な凹凸であるシボを設けることが望ましく、これにより当接するロアアーム3との間のすべりの発生が抑えられる。
【0015】
バウンドストッパ10は、図3に示すように、車体側フレーム1の取付孔2に底板部12から突出した取付具15を螺着させることにより固定され、車体側フレーム1と車輪側間に図示矢印方向に揺動可能に取り付けられたロアアーム3にその当接面22が対向して配置される。
【0016】
上記のように構成された実施形態においては、バウンドストッパ10は、ロアアーム3が揺動により当接するゴム弾性体部21の略半球状の当接面22に、同心円状でかつ互いに径方向に等間隔で離間した複数の環状溝24を設けており、当接面22側が環状溝24によって分離された複数の環状凸部25に分けられている。そのため、ロアアーム3のバウンドストッパ10に対する接触面積が低減され、当接による衝突音の発生が抑えられる。さらに、ゴム弾性体部21の当接面22側が、環状溝24によって分離された複数の環状凸部25に分けられているため、ロアアーム3当接初期において、ゴム弾性体部21のバネ特性が小さくされる。そのため、ゴム弾性体部21がロアアーム3のすべり方向への移動に対してスムーズに追従することができ、両者間でのスティクスリップの発生が抑えられる。その結果、本実施形態においては、バウンドストッパ10とロアアーム3との当接に伴う異音の発生が確実に抑制される。
【0017】
また、環状溝24が、当接面22に対して略法線方向に向けて形成されていることにより、ゴム弾性体部21に当接したロアアーム3のすべり方向が環状溝24に対して略垂直になるため、環状溝24に挟まれた環状凸部25がすべりに対してより確実に追従することができ、ステックスリップの発生が抑えられる。さらに、環状溝24が、ゴム弾性体部21の頂部23を中心として同心円状にかつ径方向に等間隔で設けられているため、ロアアーム3がゴム弾性体部21の周方向及び径方向のどの部分に当接しても、上記ステックスリップを抑える効果が同等に得られる。したがって、バウンドストッパ10の車体側フレーム1への取り付けの周方向及び径方向の依存性がないため、バウンドストッパ10の取り付け作業が簡易にされる。
【0018】
なお、上記各実施形態においては、バウンドストッパ10は車体側フレーム1に固定されているが、これに代えて、ロアアーム3側に固定されてもよい。また、本体金具については、円形の代りに、多角形としてもよい。さらに、ゴム弾性体部21の当接面22については、半球状に限らず、凸曲面状であればよく、さらには曲面から多少外れた凸面とすることも可能である。また、上記各実施形態においては、環状溝24は同一幅、同一深さ、同一間隔で形成されているが、これに限らず、多少の寸法の変更は可能である。さらに、上記各実施形態においては、環状溝は、ゴム弾性体部に同心円状に形成されているが、場合によっては、同心円状から外れた配置とすることも可能である。その他、上記実施形態に示したバウンドストッパについては、一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変更して実施することができる。
【0019】
【発明の効果】
上記請求項1の発明によれば、バウンドストッパは、可動部材の揺動により他方の部材が当接するゴム弾性体部の当接面に、互いに径方向に離間した複数の環状溝を設けており、当接面側が複数の環状凸部に分離されている。そのため、他方の部材のバウンドストッパに対する当接初期の接触面積が低減され、当接による衝突音の発生が抑えられると共に、ゴム弾性体部が他方の部材の移動に対してスムーズに追従することができ両者間でのスティクスリップの発生が抑えられる。その結果、請求項1の発明によれば、バウンドストッパと他方の部材との当接に伴う異音の発生を抑制することができる。
【0020】
また、ゴム弾性体部の本体金具から膨出した当接面を凸曲面形状としたことにより、他方の部材が当接するゴム弾性体部の当接面全面において、バウンドストッパの当接時の衝突音の発生及びスティックスリップの発生が抑えられる(請求項2の発明の効果)。また、環状溝を当接面に対して略法線方向に向けて形成したことにより、環状溝に挟まれた環状凸部がすべりに対してより確実に追従することができるため、ステックスリップの発生が抑えられる(請求項3の発明の効果)。また、環状溝をゴム弾性体部の頂点を中心として同心円状に設けたことにより、バウンドストッパの一方の部材への取り付けの周方向の依存性がなく、その取り付け作業が簡易にされる(請求項4の発明の効果)。また、環状溝を、同一径でかつ径方向に等間隔で設けたことにより、バウンドストッパの一方の部材への取り付けの径方向の依存性もなくなり、その取り付け作業がさらに簡易にされる(請求項5の発明の効果)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるバウンドストッパを示す図2のI−I線方向の断面図である。
【図2】バウンドストッパを示す平面図である。
【図3】バウンドストッパの車体側フレームへの取り付け状態を示す断面図である。
【図4】従来例であるバウンドストッパの車体側フレームへの取り付け状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…車体側フレーム、3…ロアアーム、10…バウンドストッパ、11…本体金具、12…底板部、13…側板部、15…取付具、21…ゴム弾性体部、22…当接面、24…環状溝、25…環状凸部。
Claims (5)
- カップ状で底面に取付部を設けた本体金具と、該本体金具の内部に充填されると共に該内部から外部に一体で山状に膨出したブロック状のゴム弾性体部とを備えてなり、互いに対向すると共に離間して配置された車体側部材と該車体側部材方向に揺動可能にされた可動部材とのいずれか一方の部材に前記取付部にて固定されると共に、前記ゴム弾性体部がいずれか他方の部材に対向して配設される車両用バウンドストッパにおいて、
前記可動部材の揺動により前記他方の部材が当接する前記ゴム弾性体部の山状に膨出した表面である当接面に、互いに径方向に離間した複数の環状溝を設け、該環状溝により前記ゴム弾性体部の当接面側が複数の環状凸部に分離されたことを特徴とする車両用バウンドストッパ。 - 前記ゴム弾性体部の当接面が、凸曲面形状であることを特徴とする前記請求項1に記載の車両用バウンドストッパ。
- 前記環状溝の凹み方向が、前記当接面に対して略法線方向に向けられたことを特徴とする前記請求項2に記載の車両用バウンドストッパ。
- 前記環状溝が、前記ゴム弾性体部の頂部を中心として前記当接面に同心円状に設けられたことを特徴とする前記請求項2又は3に記載の車両用バウンドストッパ。
- 前記環状溝が、略同一幅でかつ互いに径方向に等間隔で設けられたことを特徴とする前記請求項4に記載の車両用バウンドストッパ。
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-
2003
- 2003-01-22 JP JP2003013910A patent/JP2004225799A/ja active Pending
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