JPS636513Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコイルスプリングのインシユレータに
関し、更に詳しくは自動車のサスペンシヨンにお
いてサスペンシヨンアームとコイルスプリングと
の間に介在されるインシユレータに関する。

自動車のサスペンシヨンでは、サスペンシヨン
アームと車体との間にコイルスプリングを配置
し、サスペンシヨンアームに加わる振動を減衰す
るようにしている。この場合、コイルスプリング
を直にサスペンシヨンアームに載せると、サスペ
ンシヨンアームが振動するとき、サスペンシヨン
アームとコイルスプリングとが叩き合つて異音を
発生するばかりでなく、サスペンシヨンアーム及
び（又は）コイルスプリングの摩耗を早める原因
となる。そこで、サスペンシヨンアームとコイル
スプリングとの間に、例えば、上に向けて凸とな
つたサスペンシヨンアームの座を取り巻いて配置
される筒部と該筒部から径方向の外方へ伸ばさ
れ、前記サスペンシヨンアームに載せられるフラ
ンジ部とを備えたインシユレータを介在するよう
にしている。

ところで、自動車の走行中にサスペンシヨンア
ームが上下に揺動するとき、サスペンシヨンアー
ムは円弧運動をするので、サスペンシヨンアーム
とコイルスプリングとの間に相対運動が生じ、イ
ンシユレータに力が及ぼされる。その結果、サス
ペンシヨンアームの揺動の都度、インシユレータ
がサスペンシヨンアーム上を滑り、この滑りによ
つてインシユレータの筒部の内周面がサスペンシ
ヨンアームの座に当り、異音を発生している。

従つて、本考案の目的はインシユレータの滑り
による異音の発生を防止できるコイルスプリング
のインシユレータを提供することにある。

本考案は上に向けて凸又は下に向けて凹となつ
た座を有するサスペンシヨンアームとコイルスプ
リングとの間に介在されるインシユレータであつ
て、前記座を取り巻いて配置され、その内周に前
記座に向けて突出する複数のリブを有するか、又
は前記座に囲まれて配置され、その外周に前記座
に向けて突出する複数のリブを有する筒部と、該
筒部から径方向へ伸ばされるフランジ部とを備え
る。

以下に図面を参照して本考案の実施例について
説明する。

本考案に係るインシユレータ１０は第１図に示
すように、サスペンシヨンアーム１２とコイルス
プリング１４との間に介在される。

サスペンシヨンアーム１２は自動車のサスペン
シヨンに設けられ、車輪１６を懸架する。このサ
スペンシヨンアーム１２はセミトレーリングアー
ム、フルトレーリングアーム、ダブルウイシユボ
ーンタイプのロアアーム、ストラツトタイプのア
ームなどであり得る。サスペンシヨンアーム１２
はその一方の端部で車体（一部のみを示す）１８
に揺動可能に連結され、その他方の端部に、図示
の例では上に向けて凸となつた座１３を有する。
座１３は円形の輪郭を有し、サスペンシヨンアー
ムから絞り出された形態である。

コイルスプリング１４はサスペンシヨンアーム
１２と車体１８の座１９との間に配置され、この
コイルスプリング１４単独で又は別途に設けられ
るシヨツクアブソーバ（図示せず）との共働によ
つて、サスペンシヨンアーム１２に加わる振動を
減衰する。

インシユレータ１０はゴムとかプラスチツクの
ように振動の絶縁性が良好な材料によつて形成さ
れる。このインシユレータ１０は第２図に詳しく
示すように、筒部２０とフランジ部２１とを一体
に有する。筒部２０はサスペンシヨンアーム１２
の座１３を取り巻いて配置され、その内周に、座
１３に向けて突出する複数のリブ２２を有する。
各リブ２２は、インシユレータ１０がサスペンシ
ヨンアーム１２の座１３に装着されたとき、第４
図に示すように、座１３の外周面に接触すること
が好ましい。このようにすれば、インシユレータ
１０そのものが使用時にサスペンシヨンアーム１
２を滑るのを可及的に防止でき、しかもインシユ
レータ１０を座１３に装着する際の装着性はほと
んど損なわれない。リブ２２の厚み、すなわち筒
部２０の内周面２３から径方向の内方へ突出する
長さは筒部２０の厚みの高々半分程度で良い。

複数のリブ２２は図示の例では筒部２０の円周
方向に等間隔Ｌをおいて、しかも各リブが筒部の
軸線方向へ伸びるように配置されている。複数の
リブ２２はこの外、各リブが筒部の軸線方向へ間
隔をおいて、しかも円周方向へ伸びるように又は
斜め方向へ伸びるように配置され得る。

インシユレータ１０のフランジ部２１は筒部２
０から径方向の外方へ伸ばされており、サスペン
シヨンアーム１２の平担な部分１１に載せられ
る。このフランジ部２１にコイルスプリング１４
の下端を載せ、インシユレータ１０は使用に供さ
れる。

自動車が走行しているとき、サスペンシヨンア
ーム１２がバウンドして上方へ、またリバウンド
して下方へそれぞれ揺動すると、サスペンシヨン
アーム１２とコイルスプリング１４との間に相対
運動が生じ、インシユレータ１０はコイルスプリ
ングに引きづられてサスペンシヨンアーム上を滑
る。その結果、インシユレータ１０は、例えば、
サスペンシヨンアーム１２の座１３をはさんで外
方に位置するインシユレータの部分が座から離れ
ると、内方に位置するインシユレータの部分が座
に向くような動きをし、インシユレータの筒部が
座に当ることとなる。しかし、インシユレータの
筒部２０にはリブ２３が設けられているので、座
に接触する面積は従来の、筒部の内周面が接触す
る面積よりも少なくなり、異音の発生は少ない。

なお、前記例に代えてサスペンシヨンアームに
下に向けて凹となる座を設ける場合、インシユレ
ータは座に囲まれて配置される。この場合のイン
シユレータは、その外周に前記座に向けて突出す
る複数のリブを有する筒部と、該筒部から径方向
の内方へ伸ばされ、座の平坦面に載せられるフラ
ンジ部とを備えることとなる。

本考案によれば、インシユレータの筒部の内周
又は外周に、サスペンシヨンアームの座に向けて
突出する複数のリブを有するので、サスペンシヨ
ンアームの揺動によつて、サスペンシヨンアーム
とコイルスプリングとの間に相対移動が生じ、イ
ンシユレータがコイルスプリングに引きづられて
動いたとき、リブが座に当ることとなる。その結
果、異音の発生を少なくできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るインシユレータを使用状
態にした断面図、第２図はインシユレータの斜視
図、第３図は第２図の３−３線に沿つて切断した
断面図、第４図は第１図の４−４線に沿つて切断
した断面図で、一部を示す。 １０……インシユレータ、１２……サスペンシ
ヨンアーム、１３……座、１４……コイルスプリ
ング、２０……筒部、２１……フランジ部、２２
……リブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上に向けて凸又は下に向けて凹となつた座を有
   するサスペンシヨンアームとコイルスプリングと
   の間に介在されるインシユレータであつて、前記
   座を取り巻いて配置され、その内周に前記座に向
   けて突出する複数のリブを有するか、又は前記座
   に囲まれて配置され、その外周に前記座に向けて
   突出する複数のリブを有する筒部と、該筒部から
   径方向へ伸ばされるフランジ部とを備える、コイ
   ルスプリングのインシユレータ。