JP2004225207A - 植毛製品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、所定の色調を示す植毛部分を基材上に有する植毛製品に関する。その植毛部分は、主構成要素が実質的に同一である二種類以上の繊維(ナイロン等)が均一に混在して構成されている。ここで、植毛部分を構成する二種類以上の繊維のうち、少なくとも一種類の繊維は実質的に白色の繊維である。また、少なくとも一種類の繊維は、その植毛部分の全体によって示される色調よりも強い色調の有色繊維である。この植毛部分は、かかる有色繊維と白色繊維とを均一に混在するように基材上に植毛して形成することができる。本発明は、車両内装用植毛パネル(ピラーガーニッシュ等)に対して好ましく適用される。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】本発明は、植毛製品およびその製造方法に関する。詳しくは、外観から顕著に把握されるような疵が生じにくい植毛製品(車両内装用植毛パネル等)およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】基材表面に短繊維(フロックまたはパイルともいう。)が植毛された植毛製品が知られている。かかる植毛加工を行う目的の一つは、意匠性に優れた製品を得ることである。例えば特許文献1には、植毛加工その他の分野に用いられる短繊維として、繊維上に顔料および/または光輝性材料(金属粉等)を付着させることにより装飾性を向上させた短繊維が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−132878号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、植毛製品が外力(例えば、衝突、摩擦等に起因する局部的な圧縮応力)を受けると、その部分に肉眼で認められるような疵(本明細書中において「疵」とは、特記しない場合には、人が肉眼で観察したときその存在が認められるものを指す。以下、単に「疵」ともいう。)が生じることがある。例えば、植毛製品に硬質部材(シートベルトの先端金具等)の角部が強く衝突すると、その衝突した箇所に疵が残ることがある。このような疵が顕著に表れていることは、植毛製品の外観を損なうので好ましくない。
【0005】
そこで本発明は、外力による疵の発生が抑制された車両用内装パネルその他の植毛製品を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、このような植毛製品の製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段と作用と効果】本発明者は、所定の色調を示す植毛部分を有する植毛製品において、その植毛部分を形成する繊維の構成を工夫することにより上記課題を解決し得ることを見出して本発明を完成した。
【0007】
本発明によると、所定の色調を示す植毛部分を基材上に有する植毛製品を製造する方法が提供される。その製造方法は、主構成要素が実質的に同一である二種類以上の繊維を用意する工程を含む。ここで、該二種類以上の繊維のうち、少なくとも一種類の繊維は実質的に白色の繊維(白色繊維)であり、少なくとも一種類の繊維は前記所定の色調よりも強い色調の有色繊維である。また、その製造方法は、前記二種類以上の繊維を均一に混在するように植毛して、前記所定の色調を示す植毛部分を基材上に形成する工程を含む。
【0008】
かかる方法によると、上記所定の色調を示す植毛部分が一種類の繊維によって形成されている植毛製品等に比べて、外力に対して疵を生じにくい(あるいは、発生しても認知し難い)植毛製品を製造することができる。例えば、より強い外力(衝突、摩擦等)が加えられた場合にも、視覚的に認められるような疵が発生しにくい(疵の発生が抑制された)植毛製品を得ることができる。ここで、疵の発生が抑制されたという意味には、疵が目視で認知され難い(目立ちにくい)ということも含まれる。前記植毛部分を形成するのに使用する全繊維量のうち、前記白色繊維の量が質量比で25%以上である場合には、上記疵発生抑制効果がよく発揮される。植毛部分の形成に用いる全繊維量のうち前記白色繊維の量が質量比で40%以上となるような製造方法によると、さらに良好な疵発生抑制効果が得られるので好ましい。
【0009】
ここで、「実質的に白色の繊維」とは、その繊維を有色化するための積極的な着色処理が行われていない繊維を指す。したがって、例えば、その繊維の主構成要素(典型的には熱可塑性樹脂)の材質自体に由来する色調(淡い黄色等)が表れている繊維は、実質的に白色の繊維(白色繊維)の概念に含まれる。限りなく白色に近く、実質的には白色の繊維を用いることができる。
また、二種類以上の繊維が「均一に混在する」とは、これらの繊維同士が顕著に偏ることなく分散していることをいう。このことによって当該植毛部分が全体として所定の色調を呈示するように形成されている。典型的には、その植毛製品の通常の使用状態では、使用者が個々の繊維の種類(色調)の違いを強く意識することがない程度に均一に混在していることをいう。
【0010】
本発明の製造方法は、上記二種類以上の繊維の主構成要素が熱可塑性樹脂であるような植毛製品に対して適用することができ、かかる主構成要素がポリアミド樹脂である場合に特に好ましく適用される。従来、ポリアミド樹脂(ナイロン等)を主構成要素とする繊維(ポリアミド系繊維)を植毛してなる植毛製品は、例えばポリオレフィン系繊維を植毛したものに比べて、外力等による疵が顕在化しやすい(目立ちやすい)傾向にあった。本発明の方法を適用することにより、ポリアミド系繊維を植毛した植毛製品においても、上記植毛部分に目立った疵が発生することを効果的に抑制する(発生しても認知し難くするという意味を含む)ことができる。
【0011】
上記白色繊維のうち少なくとも一種類は、その繊維全体の質量に対して0.3質量%以上の白色顔料(典型的には酸化チタン)を含有することが好ましい。このことによって疵の発生を抑制する効果を高めることができる。繊維全体の2質量%以上の白色顔料を含有する白色繊維を用いることにより、さらに高い疵発生抑制効果を実現し得る。また、上記二種類以上の繊維のうち白色繊維以外の繊維としても、酸化チタン等の白色顔料を0.3質量%以上(より好ましくは2質量%以上)含有する繊維を好ましく用いることができる。
【0012】
また本発明によると、所定の色調を示す植毛部分を基材上に有する植毛製品が提供される。その植毛部分は、主構成要素が実質的に同一である二種類以上の繊維が均一に混在して構成されている。ここで該二種類以上の繊維のうち、少なくとも一種類の繊維は実質的に白色の繊維であり、少なくとも一種類の繊維は前記所定の色調よりも強い色調の有色繊維である。このような植毛製品は、上記所定の色調を示す植毛部分が一種類の繊維によって形成されている植毛製品等に比べて、外力に対して疵を生じにくい。かかる植毛製品は、上述した本発明のいずれかの植毛製品製造方法によって好適に製造することができる。前記植毛部分を構成する全繊維量のうち、前記白色繊維の量が質量比で25%以上(より好ましくは40%以上)であることが好ましい。本発明の適用が特に好ましい植毛製品の一例としては、車両内装用植毛パネル(ピラーガーニッシュ等)が挙げられる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している内容以外の技術的事項であって本発明の実施に必要な事項は、従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている技術内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
【0014】
本発明の適用対象となり得る植毛製品は、典型的には有機質材料を主構成要素とする繊維が植毛されたものである。天然繊維および化学繊維(合成繊維、半合成繊維、再生繊維、精製繊維等)のいずれの繊維であってもよい。例えば、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリアクリロニトリル系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリビニルアルコール系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系等を主構成要素とする繊維が植毛された植毛製品に好ましく適用される。本発明の効果がよく発揮されることから、繊維の主構成要素が熱可塑性樹脂であることが好ましく、結晶性樹脂であることがさらに好ましい。好ましい繊維として、ポリアミド系繊維および/またはポリエステル系繊維(特に好ましくはポリアミド系繊維)を例示することができる。ポリアミド系繊維の代表例としては、各種ナイロン繊維(6−ナイロン、6,6−ナイロン、4,6−ナイロン等)が挙げられる。
【0015】
本発明に係る植毛製品の植毛部分は、主構成要素が実質的に同一である二種類以上の繊維によって構成されている。この植毛部分を構成する「二種類以上の繊維」のうち、一種類以上の繊維は実質的に白色の繊維(白色繊維)であり、他の一種類以上の繊維は植毛部分の色調よりも強い(あるいは濃い)色調の有色繊維である。これらの他、植毛部分を構成する繊維には、植毛部分の色調と同程度の色調の有色繊維、植毛部分の色調よりも弱い(あるいは薄い)色調の有色繊維等が含まれていてもよい。植毛部分を構成する繊維の全体によって上記所定の色調が表されていてばよく、各々の繊維の色調は植毛部分の色調と異なって(例えば、色相、明度および彩度のうち一または二以上の特性が異なって)いてもよい。植毛部分を構成する全繊維量のうち白色繊維の量が占める割合は、例えば5質量%以上とすることができ、25質量%以上であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上である。白色繊維の割合が増すと、疵の発生を抑制する効果はより高くなる傾向にある。植毛部分を構成する各繊維の割合(繊維の種類毎の含有割合)は、通常は、植毛部分を形成するのに使用する各繊維の割合を概ね反映する。
【0016】
ここで、所定の色調を示す植毛部分が一種類の有色繊維によって形成されている従来の植毛製品に対し、本発明を適用して、その所定の色調と概ね同じ色調を示す植毛部分を有する植毛製品を製造する一態様につき説明する。説明を簡略にするため、本態様では、一種類の白色繊維と、上記所定の色調よりも強い色調に染色された一種類の有色繊維とを使用するものとする。
この場合、上記従来の植毛製品に用いられているものと同じ強さ(濃さ)の色調の有色繊維を白色繊維と混在させて植毛すると、白色繊維の使用割合によっては、得られる植毛製品の色調が従来よりも弱く(薄く、あるいは白っぽく)なることがある。このような現象を緩和する一つの手段として、白色繊維の使用割合に応じて有色繊維の色調の強さ(着色の濃さ)を調整するという手段を採用することができる。特に限定するものではないが、有色繊維の色を大まかに調整する簡易な方法として次の方法が提案される。すなわち、白色繊維の使用割合に拘らず、植毛部分の形成に用いる全繊維量(白色繊維および有色繊維の合計量)に対する着色剤(ここでは染料)の種類および使用量を一定にする方法である。したがって、白色繊維の使用割合が増すにつれて、単位質量の有色繊維を作製するために用いられる着色剤の量が多くなる(したがって、より濃く着色された有色繊維が得られる)こととなる。このようにして得られた有色繊維と白色繊維とを任意の割合(例えば、白色繊維:有色繊維の質量比が30:70〜80:20、より好ましくは40:60〜70:30)で植毛するとよい。
【0017】
植毛部分を構成する繊維としては、透明な繊維(いわゆるブライト糸)よりも、艶消しの(または不透明な)繊維を用いることが好ましい。例えば、合成繊維については、酸化チタンに代表される白色顔料を含有するものを好ましく用いることができる。いわゆるセミダル糸(一般に、酸化チタンを0.3〜0.5質量%程度の割合で含有する繊維をいう。)およびフルダル糸(一般に、酸化チタンを3〜5質量%程度の割合で含有する繊維をいう。)は、本発明において好ましく用いられる繊維材料の一例である。植毛部分を構成する繊維のうち、少なくとも一種類の白色繊維として、0.3質量%以上(より好ましくは2質量%以上)の酸化チタンを含有するものを用いることが好ましい。このことによって、疵の発生を抑制する効果を一層高めることができる。植毛部分を構成する繊維の全種類を0.3質量%以上(より好ましくは2質量%以上)の酸化チタンを含有するものとすることがさらに好ましい。特に、結晶性樹脂を主構成材料とする繊維(ナイロンに代表されるポリアミド系繊維等)では、その結晶性の変化が植毛部分の外観に影響しやすいことから、艶消しの(または不透明な)繊維を用いることによる効果がよく発揮される。
【0018】
植毛部分を構成する繊維の太さは、植毛が可能な程度であればよく、特に限定されるものではない。例えば、0.11〜11dex程度の太さの繊維を用いることができ、好ましい太さは0.9〜3.3dex程度である。また、繊維の長さも特に限定されず、例えば0.1〜10mm程度のものを用いることができ、0.3〜5mm程度のものを用いることが好ましい。
【0019】
本発明の製造方法は、上記二種類以上の繊維を実質的に均一に混在するように植毛することにより、所定の色調を示す植毛部分を基材上に形成する工程を含む。かかる植毛部分は、例えば、使用する全繊維をあらかじめ実質的に均一に混合(ブレンド)しておき、この混合した繊維を適当な基材に植毛(例えば静電植毛)することによって形成することができる。あるいは、使用する各繊維を実質的に均一に混合しつつ基材に植毛してもよい。
基材の材質および形状は、植毛が可能であれば特に制限されない。例えば、樹脂材料、木質材料、紙、金属材料、セラミックスおよびこれらの複合材料を用いた成形体、布状体(例えば織布、不織負)等を基材として用いることができる。上記樹脂材料としては、例えば、ポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、AAS樹脂、ポリ塩化ビニル、メタクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート等を用いることができる。このような基材に繊維(フロック)を固定するための接着剤としては、エポキシ系、メラミン系、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、酢酸ビニル系、合成ゴム系等の一般的な接着剤を用いることができる。植毛方法としては、従来公知の各種方法(静電植毛、散布植毛、吹付植毛等)を採用することができる。
【0020】
好ましい植毛方法として静電植毛が例示される。かかる静電植毛によって植毛製品を製造する場合、植毛部分の形成に用いる上記二種類以上の繊維としては、それらの表面電気抵抗を静電植毛に適した範囲(例えば、水分率5±1%における表面抵抗値が106〜1010Ω・cm)に調整するための表面処理(電着処理)が施されたものを用いることが好ましい。この電着処理としては、従来公知のいわゆるコロイダルシリカ処理を採用することができる。
【0021】
あるいは、電着処理として、いわゆるタンニン処理を採用してもよい。従来の一般的なタンニン処理は、タンニンを含む処理液に繊維を接触させる前工程と、その繊維を硫酸アンモニウムおよび界面活性剤を含む処理液に接触させる後工程とを有する。ここで、上記前工程を実施した後、上記後工程(その繊維を硫酸アンモニウム等で処理する工程)に代えて、その繊維をジルコニウム塩に接触させる後工程をおこなってもよい。例えば、タンニン(タンニン酸等)を処理液に繊維を浸漬する前工程を行った後、その繊維をジルコニウム塩を含む溶液(処理液)に所定時間浸漬する方法が例示される。ジルコニウム塩としては、ジルコニウムの硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩、酢酸塩等を用いることができる。具体例としては、硫酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウムナトリウム、硝酸ジルコニウム、二硝酸酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム等から選択される一種または二種以上を用いることができる。これらのうち、水に溶解して中性を呈するジルコニウム塩(炭酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム等)または酸性を呈するジルコニウム塩(硫酸ジルコニウム等)が好ましく用いられる。水に溶解して中性を呈するジルコニウム塩が特に好ましい。例えば、濃度13質量%の水溶液がpH5〜7.5程度となるジルコニウム塩を用いることが好ましい。
【0022】
本発明は、各種の植毛製品に適用されて、その植毛製品に疵が発生することを抑制する効果を発揮することができる。例えば、車両の内装材として用いられる各種植毛製品(パネル、トレー、シート等)に対して好ましく適用される。特に好ましい適用対象は、車両内装材としてのピラーガーニッシュである。かかる部材は、シートベルトの金具が衝突する等の外力を受けやすいことから、本発明を適用して疵の発生を防止または抑制する実益が大きいためである。
【0023】
【実施例】以下、実験例により本発明をさらに具体的に説明する。
<実験例1:一種類の有色繊維のみを植毛した植毛製品(A)の作製>
ローディア(Rhodia)社製のナイロン66 セミダル糸(太さ約0.9dTex)を長さ約0.5mmに切断した短繊維を用意した。表1に示す種類および量の染料を含む染色液30kgに上記短繊維1kgを投入し(液量約1:30)、温度95℃で60分間処理した。その後、投入された短繊維を染料液から分離して2回水洗することにより、グレーに染色された短繊維を作製した。
【0024】
【表1】
【0025】
このようにして染色した短繊維に対し、下記(1)〜(4)にしたがって表面処理(電着処理)を施した。
【0026】
(1).まず、繊維質量に対して1.5%に相当する質量の明バンと、1リットル(1000cm3)あたり0.3cm3のギ酸(純分77質量%)と、を含む溶液を調製した。この溶液30kgに上記短繊維1kgを投入し(液量1:30)、60〜70℃で10分間処理した。
(2).次いで、その溶液に、繊維質量に対して1.5%に相当する質量のタンニン酸を添加し、60〜70℃で20分間処理した。
(3).続いて、その溶液に、繊維質量に対して1%に相当する質量の明バンを添加し、60〜70℃で10分間処理した後、水洗せずに脱液した。
【0027】
(4).このようにしてタンニンで処理した短繊維を、以下のようにしてジルコニウム塩で処理した。すなわち、繊維質量に対して1%に相当する質量の商標「ソフティーフロック」(オムニケム社製の界面活性剤)と、0.75%に相当する質量の炭酸ジルコニウムアンモニウムと、2.5%に相当する質量の商標「スタビライザーLH−1」(大京化学株式会社製の耐光性向上剤)と、2.5%に相当する質量の商標「スタビライザーLH−12」(同社製の耐光性向上剤・酸化窒素ガス退色防止剤)とを含む処理液を調製した。上記(1)〜(3)の前工程を施した短繊維を、その30倍量(質量比)の上記処理液に投入し(液量約1:30)、50〜60℃で20分間処理した。
その後、脱液および乾燥を行ってグレーの短繊維からなる植毛用フロック(a)を得た。このとき、フロック(a)の水分率が5±1%となるように乾燥条件を調節した。なお、水分率の測定には、株式会社ケット科学研究所製の赤外線水分測定機を用いた。
【0028】
旭サナック株式会社製のコロナ放電式静電粉体塗装機を使用して、プライマーおよび接着剤を塗布したポリプロピレン板上に、上記植毛用フロック(a)を静電植毛(ファイバーコーティング)した。これにより植毛製品(A)を作製した。この植毛製品(A)に植毛されているフロックの構成は、表2に示すように、グレーの短繊維が100質量%である。すなわち、この植毛製品(A)には白色繊維は植毛されていない。
【0029】
<実験例2:白色繊維を混在させた植毛製品(B)の作製>
表1と同じ種類および量の染料を含む染料液15kg(したがって、実験例1で用いた染料液と比較すると、各染料を約二倍の濃度で含有する)に、実験例1で用いたものと同じ短繊維0.5kgを投入した(液量1:30)。すなわち、実験例1において1kgの短繊維の染色に用いたのと同じ種類および量の染料を用いて、0.5kgの短繊維を染色した。その他の点については実験例1と同様にして、グレー(実験例1よりも濃い(強い)色調)に染色された短繊維を作製した。
【0030】
このようにして染色した短繊維を、未染色の上記セミダル糸短繊維(白色繊維)0.5kgと混合した。この混合短繊維に実験例1と同様の電着処理を施した。このようにして、グレーの短繊維と、白色の短繊維とを質量比50:50の割合で含む植毛用混合フロック(b)を得た。この混合フロック(b)を、実験例1と同様にポリプロピレン板上に植毛することにより、グレーの短繊維と、白色の短繊維とが実質的に均一に混在して植毛された植毛製品(B)を作製した。
【0031】
<実験例3:白色繊維を混在させた植毛製品(C)の作製>
実験例1および2で用いた短繊維(セミダル糸を切断してなる)に代えて、同社製のナイロン66 フルダル糸(太さ約0.9dTex)を長さ約0.5mmに切断した短繊維を使用した。その他の点については実験例2と同様にして、グレーの短繊維と、白色(フルダル糸)の短繊維とが実質的に均一に混在して植毛された植毛製品(C)を作製した。
【0032】
<実験例4:白色繊維を混在させた植毛製品(D)の作製>
実験例1において1kgの短繊維に対して用いたのと同じ種類および量の染料を、実験例1で用いたものと同じ短繊維(セミダル糸)0.7kgに対して使用した。その他の点については実験例1と同様にして、グレー(実験例1よりも濃く、実験例2よりは薄い色調)に染色された短繊維を作製した。また、これとは別に、実験例1で用いたものと同じ短繊維0.05kgを含金染料(金属錯塩酸性染料)で黒色に染色した短繊維を用意した。これらの短繊維をみ染色の(白色の)セミダル糸短繊維0.25kgと混合し、実験例1と同様の電着処理を施した。これにより、グレーの短繊維と、黒色の短繊維と、白色の短繊維とを質量比70:5:25の割合で含む植毛用混合フロック(d)を得た。この混合フロック(d)を、実験例1と同様にポリプロピレン板上に植毛することにより、二種類の有色繊維と一種類の白色繊維とが実質的に均一に混在して植毛された植毛製品(D)を作製した。
【0033】
<実験例5:白色繊維を混在させた植毛製品(E)の作製>
実験例1において1kgの繊維に対して用いたのと同じ種類および量の染料を、0.45kgの上記短繊維に対して使用した。その他の点については実験例1と同様にしてグレー(実験例2よりもやや濃い色調)に染色された短繊維を作製した。これを、実験例4で用いたものと同じ黒色短繊維0.05kgおよび白色のセミダル糸短繊維0.5kgと混合し、実験例1と同様の電着処理を施した。これにより、グレーの短繊維と、黒色の短繊維と、白色の短繊維とを質量比45:5:50の割合で含む植毛用混合フロック(e)を得た。この混合フロック(e)を、実験例1と同様にポリプロピレン板上に植毛することにより、二種類の有色繊維と一種類の白色繊維とが実質的に均一に混在して植毛された植毛製品(E)を作製した。
【0034】
<実験例6:白色繊維を混在させた植毛製品(F)の作製>
表2に示す種類および量の染料を含む染色液14.1kgに、実験例1で用いたものと同じ短繊維0.47kgを投入し(液量約1:30)、温度95℃で60分間処理した。その後、投入された短繊維を染料液から分離して2回水洗することにより、アイボリーに染色された短繊維を作製した。また、これとは別に、実験例1で用いたものと同じ短繊維0.03kgを含金染料(金属錯塩酸性染料)で茶色に染色した短繊維を用意した。上記アイボリーに染色した短繊維0.47kgと、実験例4で用いたものと同じ黒色短繊維0.03kgと、上記茶色に染色した短繊維0.03kgと、白色のセミダル糸短繊維0.47kgとを混合し、実験例1と同様の電着処理を施した。これにより、アイボリー:黒色:茶色;白色の各短繊維を質量比47:3:3:47の割合で含む植毛用混合フロック(f)を得た。この混合フロック(f)を、実験例1と同様にポリプロピレン板上に植毛することにより、三種類の有色繊維と一種類の白色繊維とが実質的に均一に混在して植毛された植毛製品(F)を作製した。
【0035】
【表2】
【0036】
<実験例7〜9:白色繊維を混在させた植毛製品(G〜I)の作製>
実験例6において0.47kgの繊維に対して用いたのと同じ種類および量の染料を、0.4kgまたは0.3kgの上記短繊維に対して使用し、それぞれアイボリーに染色された短繊維を作製した。これらの短繊維と、実験例6で用いたものと同じ黒色短繊維、茶色短繊維および白色短繊維とを、質量比40:4:3:53(実験例7)、質量比40:3:2:55(実験例8)および質量比30:3:3:64の各割合で混合し、実験例1と同様の電着処理を施した。これにより植毛用混合フロック(g)〜(i)を得た。これらの混合フロックを、実験例1と同様にポリプロピレン板上に植毛することにより、三種類の有色繊維と一種類の白色繊維とが実質的に均一に混在して植毛された植毛製品(G)〜(I)を作製した。
【0037】
<実験例10:疵発生抑制性能の評価>
得られた植毛製品(A)〜(I)について、以下に説明する引掻試験により疵発生抑制性能を評価した。すなわち、厚さ4.8mm、先端の曲率半径25mmのカッターを、すくい角が30°となる角度で植毛製品(試験片)の表面に当接させ、このカッターに所定の試験荷重を加えつつ、試験片に対してカッターを相対移動させた。その後、試験片の表面状態を肉眼で観察し、疵の有無およびその程度を以下の5段階で評価した。その結果を、各植毛製品の製造に用いた繊維構成等とともに表3〜5に示す。
【0038】
[観察された疵の程度]
1級:一見して明瞭に認められる、
2級:やや明瞭に認められる、
3級:認められるがあまり目立たない、
4級:わずかに認められるがほとんど目立たない、
5級:実質的に認められない。
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】
表3に示すように、一種類の有色繊維のみを植毛した実験例1と比較して、有色繊維と白色繊維を併用し、これらの繊維を均一に混在させて植毛した実験例2では、疵の発生を抑制する性能が大幅に向上している。有色繊維および白色繊維の材質をセミダル糸からフルダル糸に変更した実験例3では、実験例2よりもさらに良好な結果が得られた。
また、表4および表5から判るように、かかる効果は、二種類以上の有色繊維を白色繊維と混在させて植毛した場合にも発揮されることが確認された。有色繊維(合計量)に対する白色繊維の使用割合を高くすると、疵の発生を抑制する性能がさらに向上する傾向がみられた。
【0043】
なお、本発明者は、外力(硬質部材の衝突等)によって植毛製品に生じた疵を詳細に観察したところ、視覚的に疵として把握される部分では、植毛された繊維の性状が変化していることを見出した。このように繊維性状が変化した部分では、反射率、透過率等の特性が周囲とは異なっており、このことが疵を顕在化させる一因となっていると考えられる。また、疵の発生が顕著に認められる部分では、植毛された繊維が繊維形状を失って塊状となる現象がみられた。繊維が塊状となると、その部分の色が周囲よりも濃くなることから疵が顕在化しやすいものと考えられる。
【0044】
ここで、有色繊維に白色繊維を混在させて植毛すると、塊が形成されるような外力を受けた場合、これら有色繊維と白色繊維とが混ざりあった塊が形成される。このような塊は、有色繊維のみによって塊が形成される場合よりも色が淡くなる。したがって、塊状となっていない部分と塊状となった部分との色の違いが少なくなり、疵が顕在化しにくくなるものと考えられる。また、酸化チタン等の含有量を増すことにより繊維の光透過性を低下させると、外力による繊維性状の変化(外形変化、透明度の変化等)が反射率の違いとなって表れることが抑制されて、疵発生抑制効果が向上すると考えられる。上記実験例の結果は、このような推察を支持するものといえる。
【0045】
本明細書により開示される内容には以下のものが含まれる。
(1)所定の色調を示す植毛部分を基材上に有する植毛製品において、その植毛部分に疵が発生することを抑制する方法であって、
上記所定の色調は、主構成要素が実質的に同一である二種類以上の繊維を実質的に均一に混在させて植毛することにより形成されており、
ここで、該二種類以上の繊維のうち、少なくとも一種類の繊維は実質的に白色の繊維であり、少なくとも一種類の繊維は前記所定の色調よりも強い色調の有色繊維であることを特徴とする、植毛製品の疵発生抑制方法。
(2)前記植毛部分を形成するのに使用する全繊維量のうち、前記白色繊維の量が質量比で25%以上(好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上)である、上記(1)記載の方法。
(3)前記主構成要素はポリアミド樹脂(ナイロン等)を主体とする繊維である、上記(1)または(2)記載の方法。
(4)前記白色繊維の少なくとも一種類は、該繊維全体の0.3質量%以上(好ましくは2質量%以上)となる量の酸化チタンを含有する、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載された方法を適用してなる、疵の発生が抑制された植毛製品。
(6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載された方法を適用してなる、疵の発生が抑制された車両内装用植毛パネル(ピラーガーニッシュ等)。
【0046】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
Claims (7)
- 所定の色調を示す植毛部分を基材上に有する植毛製品を製造する方法であって、以下の工程:
主構成要素が実質的に同一である二種類以上の繊維を用意する工程、ここで該二種類以上の繊維のうち、少なくとも一種類の繊維は実質的に白色の繊維であり、少なくとも一種類の繊維は前記所定の色調よりも強い色調の有色繊維である;および、
前記二種類以上の繊維を均一に混在するように植毛して、前記所定の色調を示す植毛部分を基材上に形成する工程;
を含む植毛製品製造方法。 - 前記植毛部分を形成するのに使用する全繊維量のうち、前記白色繊維の量が質量比で40%以上である請求項1に記載の製造方法。
- 前記主構成要素がポリアミド樹脂である請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記白色繊維の少なくとも一種類は、該繊維全体の0.3質量%以上となる量の酸化チタンを含有する請求項1,2または3に記載の製造方法。
- 所定の色調を示す植毛部分を基材上に有する植毛製品であって、
前記植毛部分は、主構成要素が実質的に同一である二種類以上の繊維が均一に混在して構成されており、
ここで該二種類以上の繊維のうち、少なくとも一種類の繊維は実質的に白色の繊維であり、少なくとも一種類の繊維は前記所定の色調よりも強い色調の有色繊維である植毛製品。 - 前記植毛部分を構成する全繊維量のうち、前記白色繊維の量が質量比で40%以上である請求項5に記載の植毛製品。
- 請求項1から4のいずれか一項に記載の製造方法を実施して製造された車両内装用植毛パネル。
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