JP2004224914A - ポリオレフィン系フィルムおよびそれからなる製品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂(A)100重量部と、脂肪酸アミド化合物(B)0.001〜1重量部とを含有するポリオレフィン系フィルムであって、前記フィルムの表面にコロナ放電処理を施した後、炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エーテル類またはエステル類から選ばれ、沸点が20〜150℃である少なくとも1種の有機溶剤(C)によって、前記フィルムの表面を洗浄し、乾燥して得られるポリオレフィン系フィルム、および、前記のポリオレフィン系フィルムからなる製品であって、コロナ放電処理が施された後、有機溶剤(C)によって洗浄された前記フィルムの表面をヒートシールして得られる製品。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン系フィルムおよびその製品に関するものである。さらに詳しくは、脂肪酸アミドを含有し、コロナ放電処理が施されたフィルムにおけるヒートシール性の低下およびコロナ処理度(表面の濡れ張力)の低下が少ないポリオレフィン系フィルムおよびその製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリオレフィン系フィルムは、比較的低い温度で溶融し、固着する物性、すなわち、ヒートシール性が良好であるため、様々な包装袋として利用されている。そして、ポリオレフィン系フィルムの表面に印刷を行う場合や、接着剤を用いてポリオレフィン系フィルムを、ポリアミドやポリエステルなどの基材フィルムに貼合する場合は、一般に、ポリオレフィン系フィルムの表面にコロナ放電処理が施される。また、ポリオレフィン系フィルムには、一般に、フィルムに滑り性を付与し、ハンドリング性を向上させるために、滑剤である脂肪酸アミド化合物が添加されている。
【0003】
例えば、特開平8−73531号公報には、低温ヒートシール性を有し、そのシール性が印刷向上のために行なうコロナ処理により悪化することが殆んどない積層フィルム用プロピレン系ランダム共重合体が記載されており、滑剤を配合できることも記載されている。また、特開平10−138421号公報には、コロナ処理を施しても保護層より内側の熱融着層は殆んど影響を受けず、優れた溶断シール強度を発揮するポリプロピレン系複合フィルムが記載されている。
【0004】
しかし、上記のように滑剤が添加され、コロナ放電処理が施されたポリオレフィン系フィルムにおいて、コロナ放電処理が施された表面をヒートシールした場合、ヒートシール性およびコロナ処理度(表面の濡れ張力)が低下することがあり、脂肪酸アミドを含有し、コロナ放電処理が施されたポリオレフィン系フィルムにおけるヒートシール性およびコロナ処理度(表面の濡れ張力)の改善が要望されていた。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−73531号公報
【特許文献2】
特開平10−138421号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、脂肪酸アミドを含有し、コロナ放電処理が施されたフィルムにおけるヒートシール性の低下およびコロナ処理度(表面の濡れ張力)の低下が少ないポリオレフィン系フィルムおよびその製品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、かかる実情に鑑み、鋭意検討の結果、本発明が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
ポリオレフィン系樹脂(A)100重量部と、脂肪酸アミド化合物(B)0.001〜1重量部とを含有するポリオレフィン系フィルムであって、前記フィルムの表面にコロナ放電処理を施した後、炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エーテル類またはエステル類から選ばれ、沸点が20〜150℃である少なくとも1種の有機溶剤(C)によって、前記フィルムの表面を洗浄し、乾燥して得られるポリオレフィン系フィルムに係るものである。
また、本発明は、
上記のポリオレフィン系フィルムからなる製品であって、コロナ放電処理が施された後、有機溶剤(C)によって洗浄された前記フィルムの表面をヒートシールして得られる製品に係るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂(A)としては、イオン重合法またはラジカル重合法によって得られるオレフィンの単独重合体や共重合体が挙げられる。
単独重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチル−ペンテン−1等が挙げられる。
【0009】
共重合体としては、エチレン系共重合体やプロピレン系共重合体が挙げられ、エチレン系共重合体としては、エチレン・α−オレフィン共重合体が挙げられ、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン−デセン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体等が挙げられる。また、エチレンとアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸およびそのエステル化物や酸無水物との共重合体や、エチレンと酢酸ビニル等のビニルエステル類との共重合体等が挙げられる。
【0010】
プロピレン系共重合体としては、例えば、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−4−メチルペンテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体等が挙げられる。
【0011】
また、α−オレフィンと共に共役ジエンや非共役ジエンの様な多不飽和化合物との共重合体も含まれる。
好ましくはエチレン・α−オレフィン共重合体であり、より好ましくはエチレン−ヘキセン−1共重合体である。これらのポリオレフィン系樹脂は、単独で用いても良く、少なくとも二種を併用しても良い。
【0012】
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂(A)の密度は、通常880〜970Kg/m3であり、フィルムの粘着性、ハンドリング性や衝撃強度の観点から、好ましくは、890〜940Kg/m3である。
【0013】
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂(A)の190℃で測定されるメルトフローレートは、通常0.1〜50g/10分であり、フィルムの成形性や強度の観点から、好ましくは、0.2〜20g/10分である。
【0014】
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂(A)の製造方法は、公知のラジカル重合触媒やイオン重合触媒を用いて、公知の重合方法によって製造する方法が挙げられる。公知の触媒としては、例えば、過酸化物触媒、チグラー−ナッタ系触媒、メタロセン系触媒等が挙げられ、公知の重合方法としては、例えば、溶液重合法、スラリー重合法、高圧イオン重合法、高圧ラジカル重合法、気相重合法等が挙げられる。好ましくは、メタロセン系触媒を用いて、気相重合法によって製造する方法である。
【0015】
本発明で用いられる脂肪酸アミド化合物(B)としては、例えば、飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスアミド等が挙げられる。これらのアミド化合物は単独で用いても良く、少なくとも二種を併用しても良い。
【0016】
飽和脂肪酸アミドとしては、例えば、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド等が挙げられ、不飽和脂肪酸アミドとしては、例えば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等が挙げられ、飽和脂肪酸ビスアミドとしては、例えば、エチレンビスパルミチン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド等が挙げられ、不飽和脂肪酸ビスアミドとしては、例えば、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド等が挙げられる。
好ましくは、不飽和脂肪酸アミドであり、より好ましくは、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミドである。
【0017】
本発明で用いられる脂肪酸アミド化合物(B)の配合量は、ポリオレフィン系樹脂(A)100重量部に対して、0.001〜1重量部である。好ましくは0.01〜0.3重量部であり、より好ましくは0.05〜0.2重量部である。配合量が0.001重量部未満の場合、フィルムの滑り性が悪化したり、ハンドリング性が悪くなることがあり、1重量部を超えた場合、コロナ処理後のヒートシール性が悪化することがある。
【0018】
本発明で用いられる脂肪酸アミド化合物(B)を混合する方法としては、あらかじめポリオレフィン系樹脂(A)に脂肪酸アミド化合物(B)を1〜10重量%の高濃度でメルトブレンドしたマスターバッチを作製し、最終的に所望の濃度になるようにマスターバッチをドライブレンドする方法や、メルトブレンドする方法等が挙げられる。
【0019】
ドライブレンドには、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー等の各種のブレンダーが用いられ、メルトブレンドには、単軸押出機、二軸押出機、バンバリ−ミキサー、熱ロール等の各種のミキサーが用いられる。
【0020】
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂(A)と脂肪酸アミド化合物(B)とを含有するのポリオレフィン系フィルムの成形方法としては、例えば、インフレーションフィルム成形法、Tダイキャストフィルム成形法、カレンダー成形法、プレス成形法等が挙げられ、好ましくは、インフレーションフィルム成形法またはTダイキャストフィルム成形法である。
【0021】
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂(A)と脂肪酸アミド化合物(B)とを含有するポリオレフィン系フィルムは、単層フィルムでもよく、多層フィルムでもよい。多層フィルムの成形方法としては、例えば、共押出法、押出コーティング法(押出ラミネート法ともいう。)等が挙げられる。
【0022】
また、本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂(A)と脂肪酸アミド化合物(B)とを含有するポリオレフィン系フィルムが基材にラミネートされた複合フィルムでもよく、基材としては、例えば、セロハン、紙、板紙、織物、アルミニウム箔、ナイロン6やナイロン66等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、延伸ポリプロピレン等が挙げられる。そして、基材にポリオレフィン系フィルムをラミネートする方法としては、例えば、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、サンドラミネート法、ホットメルトラミネート法等が挙げられる。
【0023】
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂(A)と脂肪酸アミド化合物(B)とを含有するポリオレフィン系フィルムの厚みは、通常20〜200μmであり、好ましくは30〜100μmであり、より好ましくは40〜80μmである。
【0024】
本発明のポリオレフィン系フィルムの製造方法は、ポリオレフィン系樹脂(A)と脂肪酸アミド化合物(B)とを含有するポリオレフィン系フィルムの表面にコロナ放電処理を施した後、炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エーテル類またはエステル類から選ばれ、沸点が20〜150℃である有機溶剤(C)によって、前記フィルムの表面を洗浄し、乾燥させる方法である。
【0025】
本発明で用いられる有機溶剤(C)は、炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エーテル類またはエステル類から選ばれる少なくとも1種の有機溶剤である。前記有機溶剤の沸点は20〜150℃であり、好ましくは30〜130℃、より好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜80℃である。沸点が20℃未満の場合、有機溶剤が容易に揮発しハンドリング性が悪いことがあり、150℃を超えた場合、有機溶剤が揮発し難く乾燥に長い時間を要することがある。
【0026】
有機溶剤(C)として用いられる炭化水素類としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素や、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が挙げられる。アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール等が挙げられる。ケトン類としては、例えば、アセトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトン等が挙げられる。エーテル類としては、例えば、ジエチルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、フラン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。エステル類としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ビニル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル等が挙げられる。
有機溶剤(C)としては、上記の有機溶剤を単独で用いても良く、少なくとも2種類を併用しても良い。好ましくは、ヘキサン、トルエン、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチルである。
【0027】
本発明のポリオレフィン系フィルムの製造において、フィルムの表面に施されるコロナ放電処理は、公知の方法で施され、一般にポリオレフィン系フィルムの表面濡れ張力が31〜55dyne/cmになるように放電出力が調整される。
【0028】
コロナ放電処理が施されたポリオレフィン系フィルムの表面を有機溶剤(C)で洗浄する方法としては、例えば、有機溶剤(C)を入れたトレー等の容器中にフィルムの片面あるいは両面を浸漬して取り出す方法や、少なくとも1本の布製ロールまたは布を巻きつけたロールに有機溶剤(C)を含浸させ、前記のロールをコロナ放電処理が施されたポリオレフィン系フィルムの表面に接触させ、有機溶剤(C)を拭き取る方法等が挙げられる。有機溶剤(C)での洗浄は、ポリオレフィン系フィルムの成形時に、コロナ放電処理を施した後、インラインで連続的に行っても良い。また、コロナ放電処理を施したポリオレフィン系フィルムからなる製品や、表面印刷されたポリオレフィン系フィルムからなる製品を、オフラインで洗浄しても良い。
【0029】
コロナ放電処理が施されたポリオレフィン系フィルムの表面を有機溶剤(C)で洗浄する部分としては、フィルム全面でも良く、また、ヒートシールを行う部分のみでも良い。
【0030】
有機溶剤(C)で洗浄したポリオレフィン系フィルムの表面を乾燥する方法としては、例えば、加熱した乾燥オーブン中にポリオレフィン系フィルムを連続的に通す方法や、乾燥空気をポリオレフィン系フィルムの表面に当てる方法等挙げられる。
【0031】
本発明のポリオレフィン系フィルムには、必要に応じて、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、顔料、帯電防止剤、加工性改良剤等の添加剤を添加してもよい。これらの添加剤は単独で用いてもよく、併用してもよい。酸化防止剤としては2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のフェノール系酸化防止剤や、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン等のホスファイト系酸化防止剤が挙げられる。
【0032】
アンチブロッキング剤としては無機系アンチブロッキング剤、有機系アンチブロッキング剤が挙げられ、無機系アンチブロッキング剤としては、例えば、シリカ、珪藻土、タルク、アルミノ珪酸塩、カオリン、ハイドロタルサイト、炭化カルシウム等が挙げられ、有機系アンチブロッキング剤としては、例えば、エポスタ−MA(株式会社日本触媒製)等が挙げられる。
【0033】
顔料としては、例えば、白色顔料、カーボンブラック等が挙げられる。帯電防止剤としては、例えば、炭素数8〜22の脂肪酸のグリセリンエステルやソルビタン酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸のアルキルジアルカノールアミド、ポリエチレングリコールエステル、アルキルジエタノールアミン等が挙げられる。加工性改良剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩やフッ素系加工助剤等が挙げられる。
【0034】
本発明のポリオレフィン系フィルムからなる製品は、コロナ放電処理が施された後、有機溶剤(C)によって洗浄された本発明のポリオレフィン系フィルムの表面をヒートシールして得られる製品である。
【0035】
【実施例】
次に、実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
【0036】
フィルムの評価は、次の方法に従って行なった。
(1)濡れ張力(単位:dyne/cm)
JIS K6768−1977に従って測定した。和光純薬製ぬれ指数標準液(31〜54dyne/cm)をポリオレフィンフィルムのコロナ放電処理面に塗布し、2秒後の液膜の状態を観察し、濡れている場合は濡れ指数の低い標準液、濡れていない場合は濡れ指数の高い標準液を用い、最終的に濡れ始める標準液の濡れ指数を濡れ張力として表した。
【0037】
(2)ヒートシール強度
テスター産業(株)製のヒートシーラーを用いて、幅15mm、長さ60mmのサンプルフィルム2枚を、コロナ放電処理を施した表面同士を重ね合わせ、先端部分を幅10mmのヒートシールバーにより所定の温度でヒートシールを行った。ヒートシールしたフィルムサンプルを引張試験機を用いて200m/minの引張速度で剥離させた。
【0038】
(3)滑り性(動摩擦係数、単位:μk)
ASTM D−1894に従って、動摩擦係数(μk)を測定した。
【0039】
実施例1〜8
(A)成分としてエボリューSP2520(日本エボリュー(株)製造、メタロセン触媒により製造されたエチレン・ヘキセン−1共重合体、MFR=2g/10分、密度=925Kg/m3)93重量部と、平均粒径が5μmである合成アルミノシリケートを10重量%の濃度で含有するマスターバッチ2重量部と、表1に示した(B)成分を4重量%の濃度で含有するマスターバッチ5重量部とを、合計100重量部となるようタンブルミキサーで混合した。
得られた前記の混合物を、コロナ放電処理設備を備えた50mmφ押出機、ダイ125mmφ、リップ開度2.0mmのインフレーション成形機によって、加工温度170℃、押出量25kg/hr、ブロー比1.8の条件で、厚み50μmのコロナ放電処理が施されたフィルムを成形した。コロナ放電処理の出力は、インフレーションフィルム成形直後の表面の濡れ張力が54dyne/cmとなるように調整した。
得られたフィルムを23℃、50%相対湿度の環境下で24時間状態調整を行い、フィルム表面の濡れ張力、ヒートシール性、滑り性を測定した。その結果を表1に示した。
【0040】
次に、コロナ放電処理が施された上記フィルムの面を、表1に示した有機溶剤(C)を含浸させた布で5回擦って洗浄し、10分間放置して表面の有機溶剤(C)を自然乾燥させて、フィルムを得た。得られたフィルムの濡れ張力とヒートシール強度を測定した。その結果を表2に示した。
【0041】
比較例1〜3
実施例1〜8において、有機溶剤(C)による洗浄を施さなかった以外は、実施例1〜8と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの濡れ張力とヒートシール強度を測定し、その結果を表3に示した。
【0042】
参考例1〜3
実施例1〜8において、コロナ放電処理および有機溶剤(C)による洗浄を施さなかった以外は、実施例1〜8と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの濡れ張力とヒートシール強度を測定し、その結果を表4に示した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
本発明の要件を満足するオレフィン系フィルムである実施例は、コロナ放電処理が施された表面のヒートシール強度が改良され、かつ、ヒートシールがより低温で可能であることが分かる。
これに対して、本発明の要件である有機溶剤(C)による洗浄が施されなかったオレフィン系フィルムである比較例1〜3は、コロナ放電処理が施された表面のヒートシール強度、および、ヒートシール性が不充分であることが分かる。
【0048】
【発明の効果】
以上、詳述したとおり、本発明によれば、脂肪酸アミドを含有し、コロナ放電処理が施されたフィルムにおけるヒートシール性の低下およびコロナ処理度(表面の濡れ張力)の低下が少ないポリオレフィン系フィルムおよびその製品を得ることができる。
Claims (5)
- ポリオレフィン系樹脂(A)100重量部と、脂肪酸アミド化合物(B)0.001〜1重量部とを含有するポリオレフィン系フィルムであって、前記フィルムの表面にコロナ放電処理を施した後、炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エーテル類またはエステル類から選ばれ、沸点が20〜150℃である少なくとも1種の有機溶剤(C)によって、前記フィルムの表面を洗浄し、乾燥して得られることを特徴とするポリオレフィン系フィルム。
- 脂肪酸アミド化合物(B)が不飽和脂肪酸アミドであることを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン系フィルム。
- 有機溶剤(C)が炭化水素類、ケトン類またはエーテル類から選ばれた有機溶剤であることを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン系フィルム。
- 有機溶剤(C)の沸点が50〜120℃であることを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン系フィルム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリオレフィン系フィルムからなる製品であって、コロナ放電処理が施された後、有機溶剤(C)によって洗浄された前記フィルムの表面をヒートシールして得られることを特徴とする製品。
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