JP2004224629A - 透明シリカガラスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一次粒子の平均粒径が10nm程度の超微粒子のフュームドシリカを油圧プレスして加圧成形体を形成する。該加圧成形体を電気炉中にて、大気圧下の条件で加熱、焼成する。加熱する温度は1000℃〜1400℃とし、加熱する時間は、1000℃で20〜24時間、1200℃で10〜15分、1400℃で5〜10分とする。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明シリカガラスの製造方法に関するものである。より詳しくは、例えば、光ファイバーの母材、光導波路の基盤、光学レンズ等の光伝達媒体等に用いられる透明シリカガラスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の透明シリカガラスの製造方法は、概ね3種類に分類することができる。以下にそれぞれの製造方法の一例について説明する。
【0003】
a)加熱溶融法
透明シリカガラスの製造方法として最も一般的である。まず、天然の石英(a−石英)を高温(実用的には約2000℃)で加熱・溶融する。これにより、石英内の酸素イオン同士の反発力が高められ、SiO4四面体の連結を切断する。そして、溶融された石英を冷却し、SiO4四面体をランダムに再結合させることによって透明シリカガラスを得る。
【0004】
上記溶融は、例えば、天然の石英としての水晶粉を酸水素バーナーで加熱溶融しながら、回転するインゴットの上に積層させる「酸水素溶融法(ベルヌイ法)」、水晶粉を入れた石英ルツボを黒鉛ルツボで保護し、真空炉の中で高周波により加熱溶融する「真空溶融法(Q&S法)」、特殊材料でライニングされた溶融炉を、ガスバーナーで加熱しながら水晶粉を連続投入して溶融する「直接溶融法」等が一般的である。
【0005】
b)乾式合成法
超高純度の透明シリカガラスの製造に適した方法である。まず、四塩化ケイ素(SiCl4)を高温の酸水素炎中(あるいは酸素雰囲気で間接加熱)、1000〜1200℃で加水分解(あるいは酸化分解)し、一旦、スート(すす)状の緩い結合をしたSiO4連結体(凝集体)を形成させる。そして、1800℃以上の温度で加熱溶融した後、冷却してSiO4四面体をランダムに再結合させることにより透明シリカガラスを得る。
【0006】
c)湿式合成法(ゾル・ゲル法)
高純度の透明シリカガラスを比較的低コストにて製造することができる方法である。まず、アルコキシド(テトラアルコキシシラン)を水中で加水分解して、コロイド(ゾル)状の緩い結合をしたSiO4連結体(凝集体)を形成させる。そして、このゾル状のSiO4連結体を沈澱させて寒天(ゲル)状にした後に、脱水乾燥を行い、1100〜1300℃でゆっくり加熱してSiO4四面体の連結を促進させることにより透明シリカガラスを得る。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−139838号公報(公開日:平成11年5月25日)
【0008】
【特許文献2】
特開2001−89168号公報(公開日:平成13年4月3日)
【0009】
【非特許文献1】
作花済夫、「ガラスの事典」、初版、朝倉書店、1985年9月20日、p
204〜207
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のa)およびb)の製造方法では、石英または四塩化ケイ素を加熱溶融するために、それぞれ2000℃または1800℃以上といった高温条件を必要とする。しかしながら、通常の一般的な電気炉においてこのような高温を出すことはできず、このような高温を出すためには、例えば酸水素火炎中での高温燃焼等の非常に特殊な溶融条件を必要とする。したがって、高温条件を作り出すことができる特殊な製造装置等を必要とし、またコストも増大するという問題点がある。
【0011】
また、上記のような非常に高い温度条件にて石英または四塩化ケイ素を加熱溶融する製造方法では次のような問題点も有する。例えば石英または四塩化ケイ素以外の第2成分を添加することによって、製造する透明シリカガラスに他の機能を付加しようとする場合がある。このときに、添加する第2成分が高温によって変質または揮発してしまう物質であるときには、上記高温条件では第2成分が変質または揮発してしまうため、添加することが困難であるという問題点である。
【0012】
さらに、上記c)の製造方法では、a)およびb)の製造方法と比べて低い温度条件にて透明シリカガラスを製造することが可能となっている。しかしながら、c)の製造方法によって得られた透明シリカガラスは、一般に多くの水酸基(1000ppm以上)を含んでおり、含水量の少ない高純度の透明シリカガラスを製造することが困難であるという問題点がある。
【0013】
本発明は、上記問題点を解決するために提案されたものであり、高温での溶融を行わなくとも、含水量が少なく高純度な透明シリカガラスを製造することができる方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる透明シリカガラスの製造方法は、上記課題を解決するために、シリカを加圧成形して加圧成形体を形成する加圧工程と、該加圧成形体を焼成する焼成工程とを含むことを特徴としている。
【0015】
上記方法によれば、シリカを加圧成形および焼成することによって透明シリカガラスを得ることができる。従来は、例えばシリカのSiO4四面体の連結を切断、若しくはスート状またはコロイド状とした後に再結合させて透明シリカガラスを製造していたため、シリカを溶融していた。これに対して、上記方法では、溶融を経ずにシリカの固相反応により製造することができる。すなわち、例えば化学的に活性なシリカの表面同士の反応を利用した加圧成形によって加圧成形体を形成した後に、加圧成形体を焼成して透明シリカガラスを製造する。
【0016】
したがって、溶融するために必要であった高温条件を必要とせず、加圧成形体の粒子同士の反応が完了する温度条件で透明シリカガラスを製造することが可能となるため、従来よりも低温度での製造が可能となる。
【0017】
その結果、溶融を行うために高温を出す特殊な溶融装置を必要とせず、容易に透明シリカガラスを製造することができるとともに、製造にかかるコストを削減することができる。さらに、SiO2以外の第2成分を添加して透明シリカガラスに機能を付加することが容易になる。
【0018】
また、上記方法により得られた透明シリカガラスは、加圧成形をした後に焼成することにより、シリカの粒子界面がほとんど消失し、間隙や気泡のほとんど無い緻密な透明シリカガラスとなるため、その密度は従来の製造方法によって得られた透明シリカガラスの密度と同等となる。また、加圧成形による粒子界面反応が終結する前に、粒子中および表面の水分が比較的容易に系外に放出されるため、その含水量は100〜200ppmと比較的少ないものとなる。
【0019】
したがって、含水量が少なく、高純度な透明シリカガラスを低温度で製造する方法を提供することができる。
【0020】
本発明にかかる透明シリカガラスの製造方法は、上記構成に加え、上記焼成工程の焼成温度が1000℃〜1400℃の範囲内であることを特徴としている。
【0021】
上記方法によれば、シリカを加圧成形して得られた加圧成形体を1000℃〜1400℃の範囲の温度にて焼成することによって透明シリカガラスを得ることができる。
【0022】
これにより、従来は1800℃以上で加熱することが必要であった温度条件を下げることが可能となるため、1800℃以上の高温を出すための特殊な溶融条件を必要とせず、通常の電気炉にて焼成を行うことができる。このため、従来と比べて低温での透明シリカガラスの製造が容易となり、製造にかかるコストを削減することができる。その結果、透明シリカガラスを低温度、かつ容易に製造することができる。
【0023】
本発明にかかる透明シリカガラスの製造方法は、上記構成に加え、上記焼成工程を、5分間〜24時間行うことを特徴としている。また、上記焼成工程を、1000℃で20〜24時間行い、1200℃で10〜15分間行い、1400℃で5〜10分間行うことを特徴としている。
【0024】
上記方法によれば、加熱する温度によって適切な加熱時間を設定しているため、焼成する時間が短すぎることにより、シリカの粒子間の反応が完了せず不透明な透明シリカガラスとなることを防止することが可能となる。また、焼成する時間が長すぎることにより、結晶化し不透明化してしまうことを防止することが可能となる。その結果、より高純度な透明シリカガラスを製造することができる。
【0025】
本発明にかかる透明シリカガラスの製造方法は、上記構成に加え、上記シリカは、一次粒子の平均粒径が5〜50nmの範囲にあるフュームドシリカであることを特徴としている。
【0026】
上記方法によれば、一次粒子の平均粒径が5〜50nmの範囲にあるフュームドシリカを用いることにより、加圧工程において、表面の化学的活性が十分大きなフュームドシリカ同士の融着効果を高めることができる。これにより、焼成工程における焼成温度を下げることが可能になるとともに、焼成時間を短縮することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる透明シリカガラスの製造方法は、例えば、従来行っていたシリカの溶融を経ずにシリカの固相反応のみによって高純度の透明シリカガラスを得ることを可能としたものである。さらに、溶融を行わないため、これまではシリカを溶融するために1800℃以上の高温を必要としていたものを、1000℃〜1400℃の低温にて、製造することを可能としている。
【0028】
本発明にかかる透明シリカガラスを製造する具体的な方法の一例について以下に説明する。
【0029】
本発明の透明シリカガラスにおける「透明」とは、厚さ1mmの板状のガラス試料において、波長600nmの光の透過率が80%以上であることをいう。また、透明シリカガラスを製造するために使用するシリカとして、本実施の形態においては、例えばフュームドシリカを使用する。フュームドシリカとは、H2とO2との混合ガスを燃焼させた1100〜1400℃の炎でSiCl4ガスを酸化、加水分解させることにより作製される、一次粒子の平均粒径が5〜50nm程度の非晶質の二酸化ケイ素(SiO2)を主成分とする球状の超微粒子のことである。フュームドシリカは、平均粒径が5〜50nmの範囲にある一次粒子がそれぞれ凝集し、粒径が数百nmである二次粒子を形成しており、超微粒子であるとともに、急冷によって作製されるため、表面の構造が化学的に活性な状態となっている。
【0030】
上述のように、透明シリカガラスの製造に使用するフュームドシリカは、その一次粒子の平均粒径が5〜50nmの範囲にあることが好ましく、10nm程度の超微粒子であることがより好ましい。例えば、一次粒子の平均粒径が5nmより小さいフュームドシリカを用いた場合、フュームドシリカの表面に吸着した水分を取り除くために高温で長時間加熱する必要があり、その際に不本意な結晶化を誘起する可能性があるためである。また、一次粒子の平均粒径が50nmを超えるフュームドシリカは、その表面の化学的反応活性が弱く、固相反応による粒子界面の消失が望めないため、後述する圧力負荷時でのフュームドシリカの融着効果が小さくなってしまい、透明シリカガラスの製造には適していないからである。
【0031】
上記フュームドシリカを透明シリカガラスの製造に用いる前に、あらかじめ0.1Pa以下の減圧下で電気炉中にて加熱しておく。フュームドシリカの表面反応活性を上げ、より効率よく表面反応を進ませるためである。これにより、フュームドシリカ表面の吸着水、有機分を少なくし、フュームドシリカの超微粒子の融合が促進され表面の反応活性が向上する。上記加熱条件は、例えば圧力を10−3Pa、加熱温度を1000℃、加熱時間を2時間とすることが好ましい。
【0032】
また、あらかじめフュームドシリカを機械的に攪拌処理しておくことがより好ましい。これにより、フュームドシリカ同士が衝突し、その過程で各フュームドシリカの表面がさらに活性化される。機械的な攪拌処理としては、例えば遊星型ボールミルを用いて毎分300〜600回転の回転速度で10〜30分攪拌する方法が挙げられる。
【0033】
そして、1000℃で2時間焼成され、機械的に攪拌されたフュームドシリカを用いて、透明シリカガラスを製造する。まず、加圧工程を行う。上記フュームドシリカ0.1〜0.5gを、内径25mmのプレス成形用金型に充填する。その後、フュームドシリカが充填されたプレス成形用金型に、油圧式のプレス機を用いて50〜300MPaの圧力を負荷し、プレス成形用金型に充填されたフュームドシリカを油圧プレスする。圧力を負荷する時間は、10分〜15分とする。充填されたフュームドシリカの集合体に圧力が負荷されることにより、固相反応が行われる。すなわち、表面が化学的に活性な状態となっているフュームドシリカの表面同士の反応が行われる。これにより、厚さが1mm〜5mmの不透明な加圧成形体が作製される。
【0034】
なお、上記圧力負荷時において、プレス成形用金型に充填されたフュームドシリカの集合体を加熱することにより、フュームドシリカ同士の融合がさらに促進され、より効率よく透明シリカガラスを製造することが可能となる。ただし、加熱温度が高すぎる場合、フュームドシリカ表面が変質してしまい、化学的活性が失われてしまうことがあるため、好ましい加熱温度範囲は、例えば500℃未満であり、さらに好ましくは250℃未満である。
【0035】
次に、焼成工程を行う。上記作製された加圧成形体を電気炉に入れる。電気炉中にて、大気圧下の条件で加圧成形体を焼成する。加熱する温度および時間は、例えば、1000℃で20〜24時間、1200℃で10〜15分、1400℃で5〜10分とする。これにより、粒子界面が消失し、透明シリカガラスが製造される。
【0036】
なお、上述のように加圧成形体を電気炉中にて焼成する際の温度範囲は、1000℃〜1400℃であることがより好ましい。焼成する温度を1000℃未満とした場合、フュームドシリカが固相反応を起こすための十分な原子の熱振動が誘起されず、1400℃を超える温度とした場合、フュームドシリカの固相反応が起こるだけでなく、粒子内部の原子の再配列が誘起され、熱力学的に安定なクリストバライト相(結晶性シリカの同質多形鉱物の一つ。本実施の形態においては例えば二酸化ケイ素の結晶相の一つ)への転移が起こってしまうからである。
【0037】
また、上記電気炉中にて焼成する際の各温度において、上記した時間よりも長い時間にて焼成した場合、ガラス質が一部結晶化してしまい、その結果得られるシリカガラスが不透明化してしまう可能性がある。また、上記した時間よりも短い時間にて焼成した場合、二酸化ケイ素の粒子間の反応が完了しないため、透明シリカガラスを得ることができない。したがって、上記した時間の範囲内にて焼成することがより好ましい。
【0038】
また、電気炉中にて焼成する際の温度条件のうち、1000℃〜1200℃または1200℃〜1400℃の間の温度における焼成時間は、焼成を行う各温度毎に、24時間〜5分間の範囲内で、ガラス質が結晶化することなく、かつ、二酸化ケイ素の粒子間の反応が完了する時間を適宜設定すればよい。ただし、1400℃で長時間加熱した場合には、結晶化が起こりやすくなってしまうため、可能な限り1000℃に近くなるような低温で加熱することが望ましい。
【0039】
また、本実施の形態の製造方法によって得られた透明シリカガラスの密度は、従来の製造方法によって得られたシリカガラスのものと同等であり、かつ、高純度である。これは、反応の前駆体であるフュームドシリカの個々の粒子一つ一つの密度が従来のシリカガラスと同程度であることから、得られた透明シリカガラスは、固相反応によりフュームドシリカの粒子界面がほとんど消失し、間隙や気泡のほとんど無い緻密な透明シリカガラスとなっていることを示している。また、本実施の形態の製造方法においては、粒子の界面反応が終結する前に、粒径の小さな粒子によって形成されている数多くの粒子界面を経由して、粒子中および粒子表面の水分が加熱により比較的容易に系外へ放出される。このため、得られた透明シリカガラスの含水量は、100〜200ppmと比較的少ない。したがって、本実施の形態の製造方法を用いれば、含水量が少なく高純度な透明シリカガラスを低温度で製造することができる。
【0040】
なお、本実施の形態における透明シリカガラスを製造する方法において、一次粒子の粒径が5〜50nmの範囲にあるフュームドシリカを用いているが、本発明はこれに限定されることはなく、上記粒径の範囲にあるシリカ微粒子であればよい。
【0041】
また、本実施の形態における透明シリカガラスの製造条件は、一例を示したにすぎず、本発明は、当然にこの数値に限定されるものではない。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかる透明シリカガラスの製造方法は、シリカを加圧成形して加圧成形体を形成する加圧工程と、該加圧成形体を焼成する焼成工程とを含む構成である。
【0043】
上記構成によれば、シリカを加圧成形および焼成することによって透明シリカガラスを得ることができる。すなわち、溶融を経ずにシリカの固相反応により製造することができる。例えば化学的に活性なシリカの表面同士の反応を利用した加圧成形によって加圧成形体を形成した後に、加圧成形体を焼成して透明シリカガラスを製造する。
【0044】
その結果、溶融を行うために高温を出す特殊な溶融装置を必要とせず、容易に透明シリカガラスを製造することができるとともに、製造にかかるコストを削減することができる。さらに、SiO2以外の第2成分を添加して透明シリカガラスに機能を付加することが容易になる。
【0045】
また、上記構成により得られた透明シリカガラスは、その密度は従来の製造方法によって得られた透明シリカガラスの密度と同等であり、その含水量は100〜200ppmと比較的少ないものとなる。
【0046】
したがって、含水量が少なく、高純度な透明シリカガラスを低温度で製造する方法を提供することができるという効果を奏する。
【0047】
上記の透明シリカガラスの製造方法において、上記焼成工程の焼成温度が1000℃〜1400℃の範囲内である構成としてもよい。
【0048】
上記構成によれば、シリカを加圧成形して得られた加圧成形体を1000℃〜1400℃の範囲の温度にて焼成することによって透明シリカガラスを得ることができる。これにより、従来と比べて低温での透明シリカガラスの製造が容易となり、製造にかかるコストを削減することができる。その結果、透明シリカガラスを低温度、かつ容易に製造することができるという効果を奏する。
【0049】
上記の透明シリカガラスの製造方法において、上記焼成工程を、5分間〜24時間行う構成としてもよい。また、上記焼成工程を、1000℃で20〜24時間行い、1200℃で10〜15分間行い、1400℃で5〜10分間行う構成としてもよい。
【0050】
上記構成によれば、加熱する温度によって適切な加熱時間を設定しているため、焼成する時間が短すぎることにより、シリカの粒子間の反応が完了せず不透明な透明シリカガラスとなることを防止することが可能となる。また、焼成する時間が長すぎることにより、結晶化し不透明化してしまうことを防止することが可能となる。その結果、より高純度な透明シリカガラスを製造することができるという効果を奏する。
【0051】
上記の透明シリカガラスの製造方法において、上記シリカは、一次粒子の平均粒径が5〜50nmの範囲にあるフュームドシリカである構成としてもよい。
【0052】
上記構成によれば、一次粒子の平均粒径が5〜50nmの範囲にあるフュームドシリカを用いることにより、加圧工程において、表面の化学的活性が十分大きなフュームドシリカ同士の融着効果を高めることができる。これにより、焼成工程における焼成温度を下げることが可能になるとともに、焼成時間を短縮することができるという効果を奏する。
Claims (5)
- シリカを加圧成形して加圧成形体を形成する加圧工程と、該加圧成形体を焼成する焼成工程とを含むことを特徴とする透明シリカガラスの製造方法。
- 上記焼成工程の焼成温度が1000℃〜1400℃の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の透明シリカガラスの製造方法。
- 上記焼成工程を、5分間〜24時間行うことを特徴とする請求項2に記載の透明シリカガラスの製造方法。
- 上記焼成工程を、1000℃で20〜24時間行い、1200℃で10〜15分間行い、1400℃で5〜10分間行うことを特徴とする請求項2に記載の透明シリカガラスの製造方法。
- 上記シリカは、一次粒子の平均粒径が5〜50nmの範囲にあるフュームドシリカであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の透明シリカガラスの製造方法。
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