JP2004224143A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】排水性を阻害することなく石噛みを抑制すると共に、一旦噛み込んでしまった石によるトレッド部の損傷を軽減し、かつ生産性に優れた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部1にタイヤ周方向に延びる主溝4を有する空気入りタイヤにおいて、主溝4の両側壁面の少なくとも溝底から主溝深さの1/2までの領域Wに、少なくとも2以上の半円弧状の断面を有すると共にタイヤ周方向に連続した凸部6を、溝深さ方向に配列するように形成する。また、必要に応じて、凸部6を、さらに主溝4の溝底にも形成する。ここで、凸部6がなす断面の曲率半径を0.5〜1.5mmとすることが好ましい。
【選択図】 図2
【解決手段】トレッド部1にタイヤ周方向に延びる主溝4を有する空気入りタイヤにおいて、主溝4の両側壁面の少なくとも溝底から主溝深さの1/2までの領域Wに、少なくとも2以上の半円弧状の断面を有すると共にタイヤ周方向に連続した凸部6を、溝深さ方向に配列するように形成する。また、必要に応じて、凸部6を、さらに主溝4の溝底にも形成する。ここで、凸部6がなす断面の曲率半径を0.5〜1.5mmとすることが好ましい。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、排水性を阻害することなく石噛みを抑制すると共に、一旦噛み込んでしまった石によるトレッド部の損傷を軽減させる機能を有し、かつ生産性に優れた空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
整地されていない砂利道等を走行することの多い主にトラックや建設車両に使用されるタイヤは、走行中にトレッド部に形成された溝部に小石が噛み込まれることが多く、このような状態で走行し続けると小石が溝部を押し広げて溝底部に亀裂を生じさせ、これがタイヤを破損させる原因の一つとなっていた。
【0003】
かかる問題を解消させるために、これまで数多くの提案がなされており、その主なものは、トレッド部の主溝の溝底面又は溝壁面に種々の形態による突起を形成し、これにより噛み込んだ石を排除して石噛みを防止するものであった(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−115318号公報(第1〜3頁、第1〜6図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの提案によるタイヤには溝壁面等に形成する突起の形態が複雑である場合が多い。したがって、これらの突起が排水性を阻害する原因となり、さらにはタイヤ加硫時に金型からの離型をスムーズに行えない等の問題があり、生産性を阻害するものであった。
【0006】
また、何れの提案においても、一旦噛み込んでしまった石からトレッド部の損傷を守るための工夫が見られず、未だ充分な石噛み防止機能を有するタイヤとしての評価が得られるには至っていなかった。
【0007】
本発明の目的は、かかる問題点を解消し、排水性を阻害することなく石噛みを抑制すると共に、一旦噛み込んでしまった石によるトレッド部の損傷を軽減し、かつ生産性に優れた空気入りタイヤを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、トレッド部にタイヤ周方向に延びる主溝を有する空気入りタイヤにおいて、前記主溝の両側壁面の少なくとも溝底から主溝深さの1/2までの領域に、少なくとも2以上の半円弧状の断面を有すると共にタイヤ周方向に連続した凸部を、溝深さ方向に配列するように形成したことを要旨とし、必要に応じて、これに加えて、前記凸部を、さらに前記主溝の溝底に形成したことを要旨とする。
【0009】
上記のように、主溝の両側壁面の少なくとも溝底から主溝深さの1/2までの領域に、少なくとも2個の半円弧状断面の凸部をタイヤ周方向に連続するように形成しているため、先ず踏面側に位置する凸部が主溝に入り込んだ石を外部にはじき出すことができる。また、該凸部が損傷を受けた場合であっても、これに隣接する溝底側の凸部が石を外部にはじきだす作用を果たすので、主溝に入り込んだ石が溝底側に残ることを抑制し、溝底を損傷することを防ぐ。
【0010】
さらに、少なくとも2個の凸部を壁面に並べて連続した凹凸面に形成するため、主溝に入り込んだ石から加わる外力をその凹凸面が分散し、壁面における応力の集中を緩和し、溝壁の損傷を抑制する。また、凸部を溝底面にも形成すれば、上記効果が溝底にも及び溝底壁の損傷を抑制する。
【0011】
また、凸部は半円弧状断面であると共に、溝底から主溝の深さの1/2までの領域にしか配置していないため、排水性を阻害させないばかりでなく、加硫後の離型に対しても抵抗を小さくすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成につき添付の図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0013】
図1は本発明の空気入りタイヤの要部を例示するタイヤ子午線方向の半断面図であり、1はトレッド部、2はカーカス層、3はトレッド部1とカーカス層との間に埋設されたベルト層である。トレッド部1には、タイヤ周方向にストレ−ト状又はジグザグ状に延びる複数の主溝4が設けられ、これら複数の主溝4によって複数のリブ5が分割形成されている。
【0014】
図2は図1の空気入りタイヤの主溝4の部分を拡大して示すもので、主溝4の両側壁には、溝底側の領域Wに複数の半円弧状断面の凸部6が、同じく半円弧状断面の凹部8を隣接する前記凸部6、6間に介在させてタイヤ周方向に連続するように形成されている。このように凸部6と凹部8とが平行に並んだ凹凸面7が主溝4の両側壁にタイヤ周方向に連続して形成されている。
【0015】
凹凸面7を形成する領域Wは、溝底から主溝深さの1/2までとし、好ましくは1/3までにするのがよい。また、凸部6の断面形状の曲率半径R及び凹部8の断面形状の曲率半径R’は0.5〜1.5mmであることが好ましい。
【0016】
上記領域Wを主溝深さHの1/2より大きく設定すると、排水性が阻害されると共に、タイヤ加硫時の離型性を悪くするようになる。また、曲率半径Rが0.5mm未満では主溝4に入り込んだ石を外部にはじき出す作用が充分に得られず、1.5mm超では排水性が阻害される。
【0017】
図3は本発明の空気入りタイヤの他の実施形態を示す図2に相当する図である。この実施形態では、図2の態様に加えて、さらに溝底を含めた領域Xに複数の凸部6と凹部8とを並列にタイヤ周方向に連続して形成するようにしている。
【0018】
図4は本発明の空気入りタイヤの更に他の実施形態を示す図2に相当する図である。この実施形態が図3と異なる点は、主溝4の両側壁面にそれぞれ3個の半円弧状の凸部6を有する連続した凹凸面7を形成した点である。
【0019】
上述したように、本発明の空気入りタイヤは、主溝4の両側壁面の溝底側にそれぞれ2以上づつ形成した凸部6が、主溝4に入り込んだ石を外部にはじきだす作用を果たす。すなわち、2以上の凸部6を深さ方向に並べて形成しているため、踏面側に位置する凸部6が損傷を受けた場合にあっても、これに隣接する溝底側の凸部6が石を外部にはじきだす作用を果たす。したがって、主溝4に入り込んだ石が溝底側に残ることを抑制し、石が溝底を損傷することを防ぐ。
【0020】
さらに、壁面が半円弧状断面の凸部6を溝深さ方向に並べて凹凸面7に形成しているため、主溝4に入り込んだ石から加わる外力が凹凸面7上で分散されて、応力の集中が緩和され溝壁の損傷を抑制する。さらに、溝底面に凸部6を形成すれば、前記と同様にして、溝底壁の損傷を抑制する。
【0021】
また、凸部6を配列させた領域Wは、溝底から主溝深さの1/2までの領域、好ましくは1/3までの領域にしてあり、しかも凸部6は半円弧状断面形状であるので、排水性を阻害することがなく、加えて加硫時の金型からの離型性を阻害することがないため生産性に優れる。
【0022】
【実施例1】
タイヤサイズ(11R22.5 14PR)、及び主溝の断面形状を除くトレッドパターン並びに主溝寸法の仕様を下記の通り共通にして、表1に示す諸元を異にする従来タイヤと本発明タイヤとを作製した。
【0023】
上記2種類の重荷重用タイヤについて、下記の試験方法により石噛み試験を行い、試験後の各タイヤの主溝中に残存した石噛み個数を調べた結果を表1に併せて記載した。なお、各タイヤに共通する仕様、及び本発明タイヤに特有の仕様のうち主なものは以下の通りであった。
[各タイヤに共通する仕様]
トレッドパターン:周方向に4本のストレート状の主溝を形成したリブパターン。
主溝寸法:溝深さ=10.6mm、溝幅(踏面側)=13.0mm
【0024】
[本発明タイヤに特有の仕様]
凹凸面の領域W:W=H/3
[石噛み試験方法] 各試験タイヤ8本をリム(22.5×7.50)に組み込み700kpaの空気圧を充填して試験車の後輪に装着し、直径5〜10mmの小石をアスファルト路面上に厚さ約10mm、長さ25mにわたって敷きつめた試験路を3往復走行させた後、走行後の試験タイヤ8本の主溝に噛んでいた石の数を合計する。これを3回繰り返して平均して石噛み個数とした。
【0025】
【表1】
【0026】
表1から判るように、本発明タイヤは従来タイヤに比較して、主溝に残存した石の数が1/3になっており、この結果から本発明タイヤの主溝の断面形状を採用することによって、本発明タイヤは走行中に主溝に入り込んだ石を外部にはじき出す効果が従来タイヤの3倍になることを確認した。
【0027】
【発明の効果】
上述したように、本発明の空気入りタイヤは、主溝の両側壁面の少なくとも溝底から主溝深さの1/2までの領域に、複数の半円弧状の断面を有すると共にタイヤ周方向に連続した凸部を溝深さ方向に配列するように形成したので、主溝に入り込んだ石を複数の半円弧状断面の凸部が効率的に外部にはじき出すことにより、噛み込んだ石が溝底側に残ることを抑制し、溝底面を損傷することを防止する効果がある。
【0028】
また、少なくとも2以上の凸部を壁面の深さ方向に並べて連続した凹凸面に形成したので、主溝に入り込んだ石から加わる外力を凹凸面が分散し、壁面における応力の集中を緩和し、溝壁面の損傷を抑制する効果がある。
【0029】
さらに、凸部は半円弧状断面をなし、これを溝底から主溝深さの1/2までの領域に配置したので、排水性を阻害させないばかりでなく、加硫時の金型からの離型性を阻害することがなく生産性に優れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤの要部を例示するタイヤ子午線方向の半断面図である。
【図2】図1の空気入りタイヤの主溝の部分を拡大して示す拡大断面図である。
【図3】本発明の空気入りタイヤの他の実施形態を示す図2に相当する図である。
【図4】本発明の空気入りタイヤの更に他の実施形態を示す図2に相当する図である。
【図5】石噛み試験で採用した従来の空気入りタイヤの主溝の断面形状を示す図2に相当する図である。
【符号の説明】
1 トレッド部
2 カーカス層
3 ベルト層
4 主溝
5 リブ
6 凸部
7 凹凸面
8 凹部
【発明の属する技術分野】
本発明は空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、排水性を阻害することなく石噛みを抑制すると共に、一旦噛み込んでしまった石によるトレッド部の損傷を軽減させる機能を有し、かつ生産性に優れた空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
整地されていない砂利道等を走行することの多い主にトラックや建設車両に使用されるタイヤは、走行中にトレッド部に形成された溝部に小石が噛み込まれることが多く、このような状態で走行し続けると小石が溝部を押し広げて溝底部に亀裂を生じさせ、これがタイヤを破損させる原因の一つとなっていた。
【0003】
かかる問題を解消させるために、これまで数多くの提案がなされており、その主なものは、トレッド部の主溝の溝底面又は溝壁面に種々の形態による突起を形成し、これにより噛み込んだ石を排除して石噛みを防止するものであった(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−115318号公報(第1〜3頁、第1〜6図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの提案によるタイヤには溝壁面等に形成する突起の形態が複雑である場合が多い。したがって、これらの突起が排水性を阻害する原因となり、さらにはタイヤ加硫時に金型からの離型をスムーズに行えない等の問題があり、生産性を阻害するものであった。
【0006】
また、何れの提案においても、一旦噛み込んでしまった石からトレッド部の損傷を守るための工夫が見られず、未だ充分な石噛み防止機能を有するタイヤとしての評価が得られるには至っていなかった。
【0007】
本発明の目的は、かかる問題点を解消し、排水性を阻害することなく石噛みを抑制すると共に、一旦噛み込んでしまった石によるトレッド部の損傷を軽減し、かつ生産性に優れた空気入りタイヤを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、トレッド部にタイヤ周方向に延びる主溝を有する空気入りタイヤにおいて、前記主溝の両側壁面の少なくとも溝底から主溝深さの1/2までの領域に、少なくとも2以上の半円弧状の断面を有すると共にタイヤ周方向に連続した凸部を、溝深さ方向に配列するように形成したことを要旨とし、必要に応じて、これに加えて、前記凸部を、さらに前記主溝の溝底に形成したことを要旨とする。
【0009】
上記のように、主溝の両側壁面の少なくとも溝底から主溝深さの1/2までの領域に、少なくとも2個の半円弧状断面の凸部をタイヤ周方向に連続するように形成しているため、先ず踏面側に位置する凸部が主溝に入り込んだ石を外部にはじき出すことができる。また、該凸部が損傷を受けた場合であっても、これに隣接する溝底側の凸部が石を外部にはじきだす作用を果たすので、主溝に入り込んだ石が溝底側に残ることを抑制し、溝底を損傷することを防ぐ。
【0010】
さらに、少なくとも2個の凸部を壁面に並べて連続した凹凸面に形成するため、主溝に入り込んだ石から加わる外力をその凹凸面が分散し、壁面における応力の集中を緩和し、溝壁の損傷を抑制する。また、凸部を溝底面にも形成すれば、上記効果が溝底にも及び溝底壁の損傷を抑制する。
【0011】
また、凸部は半円弧状断面であると共に、溝底から主溝の深さの1/2までの領域にしか配置していないため、排水性を阻害させないばかりでなく、加硫後の離型に対しても抵抗を小さくすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成につき添付の図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0013】
図1は本発明の空気入りタイヤの要部を例示するタイヤ子午線方向の半断面図であり、1はトレッド部、2はカーカス層、3はトレッド部1とカーカス層との間に埋設されたベルト層である。トレッド部1には、タイヤ周方向にストレ−ト状又はジグザグ状に延びる複数の主溝4が設けられ、これら複数の主溝4によって複数のリブ5が分割形成されている。
【0014】
図2は図1の空気入りタイヤの主溝4の部分を拡大して示すもので、主溝4の両側壁には、溝底側の領域Wに複数の半円弧状断面の凸部6が、同じく半円弧状断面の凹部8を隣接する前記凸部6、6間に介在させてタイヤ周方向に連続するように形成されている。このように凸部6と凹部8とが平行に並んだ凹凸面7が主溝4の両側壁にタイヤ周方向に連続して形成されている。
【0015】
凹凸面7を形成する領域Wは、溝底から主溝深さの1/2までとし、好ましくは1/3までにするのがよい。また、凸部6の断面形状の曲率半径R及び凹部8の断面形状の曲率半径R’は0.5〜1.5mmであることが好ましい。
【0016】
上記領域Wを主溝深さHの1/2より大きく設定すると、排水性が阻害されると共に、タイヤ加硫時の離型性を悪くするようになる。また、曲率半径Rが0.5mm未満では主溝4に入り込んだ石を外部にはじき出す作用が充分に得られず、1.5mm超では排水性が阻害される。
【0017】
図3は本発明の空気入りタイヤの他の実施形態を示す図2に相当する図である。この実施形態では、図2の態様に加えて、さらに溝底を含めた領域Xに複数の凸部6と凹部8とを並列にタイヤ周方向に連続して形成するようにしている。
【0018】
図4は本発明の空気入りタイヤの更に他の実施形態を示す図2に相当する図である。この実施形態が図3と異なる点は、主溝4の両側壁面にそれぞれ3個の半円弧状の凸部6を有する連続した凹凸面7を形成した点である。
【0019】
上述したように、本発明の空気入りタイヤは、主溝4の両側壁面の溝底側にそれぞれ2以上づつ形成した凸部6が、主溝4に入り込んだ石を外部にはじきだす作用を果たす。すなわち、2以上の凸部6を深さ方向に並べて形成しているため、踏面側に位置する凸部6が損傷を受けた場合にあっても、これに隣接する溝底側の凸部6が石を外部にはじきだす作用を果たす。したがって、主溝4に入り込んだ石が溝底側に残ることを抑制し、石が溝底を損傷することを防ぐ。
【0020】
さらに、壁面が半円弧状断面の凸部6を溝深さ方向に並べて凹凸面7に形成しているため、主溝4に入り込んだ石から加わる外力が凹凸面7上で分散されて、応力の集中が緩和され溝壁の損傷を抑制する。さらに、溝底面に凸部6を形成すれば、前記と同様にして、溝底壁の損傷を抑制する。
【0021】
また、凸部6を配列させた領域Wは、溝底から主溝深さの1/2までの領域、好ましくは1/3までの領域にしてあり、しかも凸部6は半円弧状断面形状であるので、排水性を阻害することがなく、加えて加硫時の金型からの離型性を阻害することがないため生産性に優れる。
【0022】
【実施例1】
タイヤサイズ(11R22.5 14PR)、及び主溝の断面形状を除くトレッドパターン並びに主溝寸法の仕様を下記の通り共通にして、表1に示す諸元を異にする従来タイヤと本発明タイヤとを作製した。
【0023】
上記2種類の重荷重用タイヤについて、下記の試験方法により石噛み試験を行い、試験後の各タイヤの主溝中に残存した石噛み個数を調べた結果を表1に併せて記載した。なお、各タイヤに共通する仕様、及び本発明タイヤに特有の仕様のうち主なものは以下の通りであった。
[各タイヤに共通する仕様]
トレッドパターン:周方向に4本のストレート状の主溝を形成したリブパターン。
主溝寸法:溝深さ=10.6mm、溝幅(踏面側)=13.0mm
【0024】
[本発明タイヤに特有の仕様]
凹凸面の領域W:W=H/3
[石噛み試験方法] 各試験タイヤ8本をリム(22.5×7.50)に組み込み700kpaの空気圧を充填して試験車の後輪に装着し、直径5〜10mmの小石をアスファルト路面上に厚さ約10mm、長さ25mにわたって敷きつめた試験路を3往復走行させた後、走行後の試験タイヤ8本の主溝に噛んでいた石の数を合計する。これを3回繰り返して平均して石噛み個数とした。
【0025】
【表1】
【0026】
表1から判るように、本発明タイヤは従来タイヤに比較して、主溝に残存した石の数が1/3になっており、この結果から本発明タイヤの主溝の断面形状を採用することによって、本発明タイヤは走行中に主溝に入り込んだ石を外部にはじき出す効果が従来タイヤの3倍になることを確認した。
【0027】
【発明の効果】
上述したように、本発明の空気入りタイヤは、主溝の両側壁面の少なくとも溝底から主溝深さの1/2までの領域に、複数の半円弧状の断面を有すると共にタイヤ周方向に連続した凸部を溝深さ方向に配列するように形成したので、主溝に入り込んだ石を複数の半円弧状断面の凸部が効率的に外部にはじき出すことにより、噛み込んだ石が溝底側に残ることを抑制し、溝底面を損傷することを防止する効果がある。
【0028】
また、少なくとも2以上の凸部を壁面の深さ方向に並べて連続した凹凸面に形成したので、主溝に入り込んだ石から加わる外力を凹凸面が分散し、壁面における応力の集中を緩和し、溝壁面の損傷を抑制する効果がある。
【0029】
さらに、凸部は半円弧状断面をなし、これを溝底から主溝深さの1/2までの領域に配置したので、排水性を阻害させないばかりでなく、加硫時の金型からの離型性を阻害することがなく生産性に優れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤの要部を例示するタイヤ子午線方向の半断面図である。
【図2】図1の空気入りタイヤの主溝の部分を拡大して示す拡大断面図である。
【図3】本発明の空気入りタイヤの他の実施形態を示す図2に相当する図である。
【図4】本発明の空気入りタイヤの更に他の実施形態を示す図2に相当する図である。
【図5】石噛み試験で採用した従来の空気入りタイヤの主溝の断面形状を示す図2に相当する図である。
【符号の説明】
1 トレッド部
2 カーカス層
3 ベルト層
4 主溝
5 リブ
6 凸部
7 凹凸面
8 凹部
Claims (4)
- トレッド部にタイヤ周方向に延びる主溝を有する空気入りタイヤにおいて、
前記主溝の両側壁面の少なくとも溝底から主溝深さの1/2までの領域に、少なくとも2以上の半円弧状の断面を有すると共にタイヤ周方向に連続した凸部を、溝深さ方向に配列するように形成した空気入りタイヤ。 - 前記凸部を、さらに前記主溝の溝底に形成した請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記凸部がなす断面の曲率半径が0.5〜1.5mmである請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 重荷重用タイヤ又は建設車両用タイヤである請求項1、2又は3に記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003013078A JP2004224143A (ja) | 2003-01-22 | 2003-01-22 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003013078A JP2004224143A (ja) | 2003-01-22 | 2003-01-22 | 空気入りタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004224143A true JP2004224143A (ja) | 2004-08-12 |
Family
ID=32901503
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003013078A Pending JP2004224143A (ja) | 2003-01-22 | 2003-01-22 | 空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004224143A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007283961A (ja) * | 2006-04-19 | 2007-11-01 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 空気入りタイヤ |
JP2011213202A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Bridgestone Corp | 空気入りタイヤ |
US8100159B2 (en) | 2006-10-24 | 2012-01-24 | Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. | Pneumatic tire with circumferential main grooves having protrusions |
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JP2012227997A (ja) * | 2011-04-15 | 2012-11-15 | Canon Precision Inc | 振動型駆動装置 |
JP2017507078A (ja) * | 2014-03-10 | 2017-03-16 | コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン | 溝内に高コントラストテクスチャを有するタイヤ |
-
2003
- 2003-01-22 JP JP2003013078A patent/JP2004224143A/ja active Pending
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