JP2005067246A - 重荷重用タイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】不整地におけるトラクション性を高く確保しつつ、石噛みの発生をより抑制できる。
【解決手段】タイヤ赤道Cの両側に配される内外の縦主溝6、7を含む主溝2によって囲まれる中央、中間、側のブロック列3R、4R、5Rを具える。内の縦主溝6は、タイヤ周方向に対して37.5±5°の角度αでのびる第1、第2の傾斜部6A、6Bを交互に繰り返すジグザグ状をなす。外の縦主溝7は、30.0±5°の角度β1でのびる第3の傾斜部7Aと、50.0±5°の角度β2でのびる第4の傾斜部7Bとを交互に繰り返すグザグ状をなす。中央のブロック3の表面積の総和ΣSaと、中間のブロック4の表面積の総和ΣSbとの比ΣSb/ΣSaは、0.95〜1.03、かつ前記総和ΣSaと、前記側のブロック5の表面積の総和ΣScとの比ΣSc/ΣSaは、0.60〜0.72、しかも前記内の縦主溝6の溝巾Waは、トレッド巾TWの0.066〜0.084倍、前記外の縦主溝7の溝巾Wbは、トレッド巾TWの0.061〜0.080倍かつ前記溝巾Wa以下とした。
【選択図】 図2
【解決手段】タイヤ赤道Cの両側に配される内外の縦主溝6、7を含む主溝2によって囲まれる中央、中間、側のブロック列3R、4R、5Rを具える。内の縦主溝6は、タイヤ周方向に対して37.5±5°の角度αでのびる第1、第2の傾斜部6A、6Bを交互に繰り返すジグザグ状をなす。外の縦主溝7は、30.0±5°の角度β1でのびる第3の傾斜部7Aと、50.0±5°の角度β2でのびる第4の傾斜部7Bとを交互に繰り返すグザグ状をなす。中央のブロック3の表面積の総和ΣSaと、中間のブロック4の表面積の総和ΣSbとの比ΣSb/ΣSaは、0.95〜1.03、かつ前記総和ΣSaと、前記側のブロック5の表面積の総和ΣScとの比ΣSc/ΣSaは、0.60〜0.72、しかも前記内の縦主溝6の溝巾Waは、トレッド巾TWの0.066〜0.084倍、前記外の縦主溝7の溝巾Wbは、トレッド巾TWの0.061〜0.080倍かつ前記溝巾Wa以下とした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不整地におけるトラクション性を確保しつつ、石噛みによる溝底下のゴムやコード補強層の破損を防止しうる重荷重用タイヤに関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】
舗装路以外に、小石の混在が多い砂利道及び不整地現場を移動する機会の多いトラック、建設用車両等の重荷重用タイヤでは、トラクション性を十分に確保するため、例えば深さ22.0mm以上の深い主溝を用いたブロックパターンを採用する場合が多い。しかしこのようなブロックパターンのタイヤでは、非舗装路を走行する際、前記主溝内に石噛が生じ、溝底下のゴムやベルト層などのコード補強層に損傷を発生させ易いという問題がある。
【0003】
そこで、本出願人は、このような石噛みを防止しトレッド部の耐久性やタイヤ更生率を高めるために、図6に示す如きブロックパターンのタイヤを提案している(例えば特許文献1、2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−180112号公報
【特許文献2】
特開平2001−180231号公報
【0005】
本発明は、このブロックパターンの改良に係わるもので、トラクション性を確保しつつ、石噛みの発生をさらに抑制しうる重荷重用タイヤを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、トレッド面に主溝を配することにより、該主溝によって周囲が囲まれる中央のブロックがタイヤ赤道上で配列する中央のブロック列、該主溝によって周囲が囲まれる中間のブロックが前記中央のブロック列のタイヤ軸方向外側で周方向に配列する中間のブロック列、及び該主溝とトレッド端縁とによって周囲が囲まれる外のブロックが前記中間のブロック列のタイヤ軸方向外側で周方向に配列する側のブロック列とを設けた重荷重用タイヤであって、
前記主溝は、
タイヤ周方向に対して37.5±5°の角度αでそれぞれタイヤ赤道から離れる向きに周方向一方側、他方側にのびる第1、第2の傾斜部からなり、かつこの第1、第2の傾斜部の各タイヤ軸方向内端部及び外端部が内外の結合部で順次結合されることにより、ジグザグ状をなしてタイヤ赤道の両側でタイヤ周方向にのびる内の縦主溝、
並びにタイヤ周方向に対して30.0±5°の角度β1でタイヤ赤道から離れる向きに周方向一方側にのびる第3の傾斜部と、タイヤ周方向に対して50.0±5°の角度β2でタイヤ赤道から離れる向きに周方向他方側にのびる第4の傾斜部とからなり、かつこの第3、第4の傾斜部の各タイヤ軸方向内端部及び外端部が内外の結合部で順次結合されることにより、ジグザグ状をなして前記内の縦主溝の外側でタイヤ周方向にのびる外の縦主溝を含み、
しかも前記両側の内の縦主溝の前記内の結合部が互いに向き合いかつ連結することにより該両側の内の縦主溝間で前記中央のブロック列を形成し、かつ前記内の縦主溝の前記外の結合部と前記外の縦主溝の前記内の結合部とが互いに向き合いかつ連結することにより該内外の縦主溝間で前記中間のブロック列を形成し、かつ前記外の縦主溝の前記外の結合部にタイヤ軸方向外側にのびる横主溝を形成することにより該外の縦主溝とトレッド端縁との間で前記側のブロック列を形成するとともに、
前記中央のブロックのブロック表面積の総和ΣSaと、中間のブロックのブロック表面積の総和ΣSbとの比ΣSb/ΣSaは、0.95〜1.03、かつ前記総和ΣSaと、前記側のブロックのブロック表面積の総和ΣScとの比ΣSc/ΣSaは、0.60〜0.72、
しかも前記内の縦主溝の溝巾Waは、トレッド巾TWの0.066〜0.084倍、前記外の縦主溝の溝巾Wbは、トレッド巾TWの0.061〜0.080倍かつ前記溝巾Wa以下としたことを特徴としている。
【0007】
又請求項2の発明では、前記主溝は、その溝底に、前記中央のブロックおよび中間のブロックを囲む石噛み防止用の突起体を具えるとともに、
前記突起体は、溝底からの突出高さh1を前記主溝の溝深さH0の0.188〜0.264倍、かつ突起体の表面巾w1を前記主溝の溝底巾W0の0.370〜0.617倍とした第1の突起体と、溝底からの突出高さh2を前記主溝の溝深さH0の0.113〜0.189倍かつ前記突出高さh1より小、かつ突起体の表面巾w2を前記主溝の溝底巾W0の0.185〜0.310倍とした第2の突起体とからなり、
しかも第1、第2の突起体が交互に配列することを特徴としている。
【0008】
又請求項3の発明では、前記主溝の溝壁は、溝長さ方向と直角な断面において、
溝壁がトレッド面に交わる交点を通るトレッド面の法線に対して9.0〜21.0°の角度θを有して前記交点からタイヤ巾が減じる向きに傾斜してのびる第1の溝壁部と、この第1の溝壁部から溝底まで前記法線と平行にのびる第2の溝壁部とからなり、かつ該第2の溝壁部の溝底からの深さhaを前記主溝の溝深さH0の0.188〜0.264倍としたことを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。
図1において、重荷重用タイヤ1は、トレッド部22からサイドウォール部23をへてビード部24のビードコア25に至るカーカス26と、トレッド部22の内方かつ前記カーカス26の半径方向外側に配される強靱なベルト層27とを具える。
【0010】
前記カーカス26は、カーカスコードをタイヤ周方向に対して例えば70〜90°の角度で配列した1枚以上のカーカスプライからなり、本例ではカーカスコードにスチールコードを用いた1枚のカーカスプライ26Aからなる場合を例示している。このカーカスプライ26Aは、ビードコア25、25間を跨るプライ本体部26aの両端に、前記ビードコア25の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折返すプライ折返し部26bを具える。なおビード部24には、前記ビードコア25から半径方向外方に向かって先細状にのびるビード補強用のビードエーペックスゴム28が配される。
【0011】
又前記ベルト層27は、2枚以上、通常3、4枚のベルトプライから形成される。本例では、スチールコードのベルトコードをタイヤ周方向に対して例えば60±10°程度の角度で配列した半径方向最内のベルトプライ27Aと、タイヤ周方向に対して30°以下の小角度で配列したベルトプライ27B、27C、27Dとの4層構造を有するものを例示している。そして、ベルトコードがプライ間で互いに交差する箇所を1箇所以上設けることにより、ベルト剛性を高めトレッド部22を補強している。
【0012】
次に、トレッド面Sには、図2に示すように、該トレッド面Sに主溝2を配することにより、該主溝2によって周囲が囲まれる中央のブロック3がタイヤ赤道C上で配列する中央のブロック列3Rと、該主溝2によって周囲が囲まれる中間のブロック4が前記中央のブロック列3Rのタイヤ軸方向外側で周方向に配列する中間のブロック列4Rと、該主溝2とトレッド端縁TEとによって周囲が囲まれる外のブロック5が前記中間のブロック列4Rのタイヤ軸方向外側で周方向に配列する側のブロック列5Rとからなるブロックパターンを形成している。
【0013】
ここで、本発明の重荷重用タイヤ1では、不整地でのトラクション性を重視するため、前記主溝2には、溝深さH0(図5)が22.0mm以上かつ27mm以下の深溝が使用されるとともに、トレッド面Sの全面に占める前記ブロック3、4、5の表面積の総和の割合である所謂ランド比を40〜60%の範囲まで減じている。
【0014】
また前記主溝2は、タイヤ赤道Cの両側でタイヤ周方向にのびるジグザグ状の内の縦主溝6と、前記内の縦主溝6の外側でタイヤ周方向にのびるジグザグ状の外の縦主溝7とを少なくとも含んで構成される。
【0015】
前記内の縦主溝6は、図3に拡大して示すように、タイヤ周方向に対して37.5±5°の角度αで、それぞれタイヤ赤道Cから離れる向きに周方向一方側、他方側にのびる第1、第2の傾斜部6A、6Bから形成される。そして、この第1、第2の傾斜部6A、6Bの各タイヤ軸方向内端部が内の結合部Jiで結合されるとともに、第1、第2の傾斜部6A、6Bの各タイヤ軸方向外端部が外の結合部Joで結合される。
【0016】
このとき、両側の内の縦主溝6、6の各結合部Jiが互いに向き合いかつ連結することにより、この両側の内の縦主溝6、6間で前記中央のブロック列3Rが形成される。ここで、「互いに向き合う」とは、両側の結合部Ji、Jiのタイヤ周方向の距離Liが、前記内の縦主溝6のジグザグピッチPiの0.25倍より小であることを意味し、好ましくは0.15倍以下、さらに好ましくは0.10倍以下とする。なおジグザグピッチPiが、例えばバリアブルピッチ等によって変動する場合には、変動するジグザグピッチピッチの平均値をもってPiと定義する。
【0017】
又本例では、向き合う結合部Ji、Jiが、タイヤ軸方向に沿ってのびる横主溝8を介して連結する場合を例示しているが、横主溝8を介することなく直接に連結しても良い。なお前記横主溝8は、そのタイヤ軸方向の長さLcを、前記内の縦主溝6の溝巾Waの1.3倍以下とした小寸とするのが好ましい。それは、横主溝8は、内の縦主溝6が噛込んだ石を結合部Jiで排出させる機能を付与するが、前記長さLcが前記範囲を越えると、横主溝8自体に石噛みを招く恐れが生じるからである。
【0018】
又前記外の縦主溝7は、図4に拡大して示すように、タイヤ周方向に対して30.0±5°の角度β1でタイヤ赤道Cから離れる向きに周方向一方側にのびる第3の傾斜部7Aと、タイヤ周方向に対して50.0±5°の角度β2でタイヤ赤道Cから離れる向きに周方向他方側にのびる第4の傾斜部7Bとから形成される。そして、この第3、第4の傾斜部7A、7Bの各タイヤ軸方向内端部が内の結合部Kiで結合されるとともに、第3、第4の傾斜部7A、7Bの各タイヤ軸方向外端部が外の結合部Koで結合される。
【0019】
又前記内の縦主溝6の前記外の結合部Joと前記外の縦主溝7の前記内の結合部Kiとが互いに向き合いかつ連結することにより、内外の縦主溝6、7間で前記中間のブロック列4Rが形成される。なお向き合う結合部Jo、Ki間のタイヤ周方向の距離Loは、前記ジグザグピッチPiの0.25倍より小、好ましくは0.15倍以下、さらに好ましくは0.10倍以下である。又本例では、向き合う結合部Jo、Kiが、タイヤ軸方向に沿ってのびる横主溝9を介して連結する場合を例示しており、この横主溝9は前記横主溝8と同様、そのタイヤ軸方向の長さLdを、前記内の縦主溝6の溝巾Waの1.3倍以下とした小寸とするのが好ましい。
【0020】
又前記外の縦主溝7は、その前記外の結合部Koにタイヤ軸方向外側に向かって(本例ではタイヤ軸方向に沿って)のびる横主溝10が接続し、これによって該外の縦主溝7とトレッド端縁TEとの間に前記側のブロック列5Rが形成される。
【0021】
このように本発明では、接地圧が高く石噛みが発生しやすい内の縦主溝6において、その傾斜部6A、6Bを、それぞれタイヤ周方向に対する前記角度αが37.5±5°と小さい急傾斜としている。従って、この内の縦主溝6に進入した石が、走行時の遠心力や路面からの外力等によって排出され易くなるなど石の排出性を高めることができる。他方、外の縦主溝7においては、前記傾斜部7Bを、タイヤ周方向に対する角度β2が50.0±5°と大きい緩傾斜としている。従って、この傾斜部7Bからは、高いトラクション性を確保することができる。しかも、外の縦主溝7では、接地圧が相対的に低く、かつ側のブロック5のブロック剛性が他のブロック3、4に比して相対的に小となる。従って、この傾斜部7Bには、石噛みが起こりにくく、しかも石噛みが起こった場合にも、側のブロック5の動きによって排出され易くなる。即ち、優れたトラクション性を確保しつつ、石噛みの発生をより効果的に抑制しうるのである。
【0022】
このとき、前記中央のブロック3のブロック表面積の総和ΣSaと、中間のブロック4のブロック表面積の総和ΣSbとの比ΣSb/ΣSaが、0.95〜1.03の範囲、かつ前記総和ΣSaと、前記側のブロック5のブロック表面積の総和ΣScとの比ΣSc/ΣSaが、0.60〜0.72の範囲であることが必要である。この面積比の規制は、前記側のブロック5のブロック剛性が、他のブロック3、4のブロック剛性よりも相対的に低く、動きやすいことを保証する。
【0023】
又前記面積比の規制は、タイヤの偏摩耗を抑制し、優れたトラクション性を長期に亘って発揮させるためにもこのましい。なお前記比ΣSb/ΣSaが、0.95〜1.03の範囲外となると、ブロック列3R、4Rの何れか一方が他方に比して過度に摩耗する所謂パンチ摩耗が発生しやすくなる。又比ΣSc/ΣSaが0.72を越えると、トレッド端側で肩落ち摩耗を招くほか、前記傾斜部7Bにおける石の排出性を損ね、逆に0.60未満では、側のブロック5の剛性が過小となって、トラクション性及びブロック強度を低下させる傾向となる。
【0024】
又、優れたトラクション性を確保しつつ、石噛みの発生をより効果的に抑制するためには、内の縦主溝6の前記溝巾Waを、トレッド巾TWの0.066〜0.084倍に規制するとともに、外の縦主溝7の溝巾Wbを、トレッド巾TWの0.061〜0.080倍かつ前記溝巾Wa以下に規制することも必要である。前記溝巾Wa、Wbが、それぞれトレッド巾TWの0.066倍未満、及び0.061倍未満では、トラクション性が不十分となって不整地での優れた走行性が得られない。逆に、トレッド巾TWの0.084倍、及び0.080倍未満を越えると、溝巾Wa、Wbが広すぎて石噛みの抑制効果を損ねる結果を招く。なお石噛みの抑制効果をさらに高めるには、前記傾斜部6A、6B、7A、7Bを本例の如く直線で形成するのも好ましい。なお前記溝巾Wa、Wbは、溝中心線と直交する向きに測定したトレッド面Sでの溝巾を意味し、溝巾が変化するとき、その平均値とする。
【0025】
次に、石噛みの抑制効果をいっそう確実なものとするために、本例では、図5(A)、(B)に示すように、前記主溝2の溝壁Gを、第1、第2の溝壁部G1、G2からなる段付き状に形成している。
【0026】
詳しくは、第1の溝壁部G1は、溝壁Gがトレッド面Sに交わる交点pを通るトレッド面Sの法線に対して9.0〜21.0°の角度θを有して、前記交点pからタイヤ巾が減じる向きに傾斜してのびる。又第2の溝壁部G2は、前記第1の溝壁部G1から溝底まで前記法線に沿ってのびるとともに、この第2の溝壁部G2の溝底からの深さhaを主溝2の前記溝深さH0の0.188〜0.264倍の範囲としている。
【0027】
このように、主溝2は、第1の溝壁部G1を、角度θが大な緩斜面で形成しているため、主溝2内に石が噛み込んだ際、この石を溝外に排出する向きの押出力を溝壁部G1からの反力として作用させることができ、しかも石と溝壁部G1との接触面積も小さく抑えられる。その結果、石の排出性が高められる。又第2の溝壁部G2が法線に沿って垂直にのびるため、噛み込んだ石が第1の溝壁部G1を越えて第2の溝壁部G2内まで深く浸入するのを抑制でき、溝底での損傷を防ぐことが可能となる。なお前記角度θが9.0°未満では、石の排出性が不十分となり逆に21.0°を越えるとトラクション性の低下を招く。又前記深さhaが溝深さH0の0.188倍未満では、溝底の損傷を抑制することが難しく、0.264倍を越えると、第1の溝壁部G1による石の排出性が十分発揮されなくなる。
【0028】
又本例では、石噛みの抑制効果をさらに確実なものとするために、図2に示すように、主溝2の溝底に、前記ブロック3、4を囲む石噛み防止用の突起体11を設けている。この突起体11は、第1の突起体11Aと、この第1の突起体11Aよりも小高さの第2の突起体11Bとからなり、かつ第1、第2の突起体11A、11Bが交互に並んで連なって配列している。このように高さが異なる第1、第2の突起体11A、11Bを交互に配列させることにより、弾性力を高め、その反発力を利用して主溝2内に深く進入した石を排出できる。
【0029】
なお第1の突起体11Aでは、前記図5(A)に示すように、溝底からの突出高さh1を、主溝2の前記溝深さH0の0.188〜0.264倍とするとともに、突起体11Aの表面巾w1を、主溝2の溝底巾W0の0.370〜0.617倍としている。これに対して、第2の突起体11Bでは、前記図5(B)に示すように、溝底からの突出高さh2を、前記溝深さH0の0.113〜0.189倍かつ前記突出高さh1より小とするとともに、突起体11Bの表面巾w2を、主溝2の前記溝底巾W0の0.185〜0.310倍としている。
【0030】
ここで、前記第1の突起体11Aにおいて、その突出高さh1が0.188×H0未満、及び表面巾w1が0.370×W0未満では、突起体11Aの内部に貯える弾性エネルギーが不足し、逆に突出高さh1が0.264×H0より大、及び表面巾w1が0.617×W0より大では、突起体11Aの圧縮力に対して剛性が過大となり、何れの場合も、噛込んだ石への押出力が不十分となって排出機能を十分に発揮することができなくなる。
【0031】
他方、第2の突起体11Bにおいては、その突出高さh2が0.113×H0未満、及び表面巾w2が0.185×W0未満では、剛性が不足して第1の突起体11A、11A間を連結する機能が果たせず、逆に突出高さh2が0.189×H0より大、及び表面巾w2が0.310×W0より大では、突起体11Aとの剛性差が少なくなって突起体11全体の剛性が過大となるなど、何れの場合も、前述と同様、排出機能を十分に発揮することができなくなる。
【0032】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0033】
【実施例】
タイヤサイズが11R24.5でありかつ図2に示す基本パターンを有するタイヤを、表1の仕様で試作するとともに、各試供タイヤの不整地でのトラクション性、及び石噛み性をテストし、その結果を表1に記載した。
【0034】
(1)トラクション性:
リム(8.25×24.5)、内圧(830kPa)の条件にて、試供タイヤを、オンロード/オフロードでの走行比率が50% /50% の木材運搬車(2−DD−44:トレーラ)のドライブ2軸に装着し、圧雪路での登坂性能をテストし、A、B、Cの3段階で評価した。(B以上が合格である)
A: 1軸側のみチェーン装着にて登坂容易
B: 1軸側のみチェーン装着にて登坂可能
C: 2軸ともチェーン装着にて登坂可能
なお路面条件は、路面状態(圧雪)、路面傾斜角(約6゜)、気温(約−15゜C)、雪温(約−10゜C)である。
【0035】
(2)石噛み性:
前記木材運搬車を用いて山林地域を50000km走行させた後、石噛み数、及び石噛みによる損傷状況を調査した。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
本発明は叙上の如く構成しているため、不整地におけるトラクション性を高く確保しつつ、石噛みの発生をより抑制でき、この石噛みに起因する溝底下のゴムやコード補強層への破損防止効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の重荷重用タイヤの一実施例を示す断面図である。
【図2】そのトレッドパターンを示す平面図である。
【図3】内の縦主溝を中央のブロック列とともに拡大して示す平面図である。
【図4】外の縦主溝を中間のブロック列とともに拡大して示す平面図である。
【図5】(A)、(B)は、主溝を突起体とともに拡大して示す断面図である。
【図6】従来のトレッドパターンの一例を説明する平面図である。
【符号の説明】
2 主溝
3 中央のブロック
3R 中央のブロック列
4 中間のブロック
4R 中間のブロック列
5 外のブロック
5R 側のブロック列
6 内の縦主溝
6A、6B 第1、第2の傾斜部
7 外の縦主溝
7A、7B 第3、4の傾斜部
11 突起体
11A、11B 第1、第2の突起体
C タイヤ赤道
G1、G2 第1、第2の溝壁部
Ji、Jo 内外の結合部
Ki、Ko 内外の結合部
S トレッド面
【発明の属する技術分野】
本発明は、不整地におけるトラクション性を確保しつつ、石噛みによる溝底下のゴムやコード補強層の破損を防止しうる重荷重用タイヤに関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】
舗装路以外に、小石の混在が多い砂利道及び不整地現場を移動する機会の多いトラック、建設用車両等の重荷重用タイヤでは、トラクション性を十分に確保するため、例えば深さ22.0mm以上の深い主溝を用いたブロックパターンを採用する場合が多い。しかしこのようなブロックパターンのタイヤでは、非舗装路を走行する際、前記主溝内に石噛が生じ、溝底下のゴムやベルト層などのコード補強層に損傷を発生させ易いという問題がある。
【0003】
そこで、本出願人は、このような石噛みを防止しトレッド部の耐久性やタイヤ更生率を高めるために、図6に示す如きブロックパターンのタイヤを提案している(例えば特許文献1、2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−180112号公報
【特許文献2】
特開平2001−180231号公報
【0005】
本発明は、このブロックパターンの改良に係わるもので、トラクション性を確保しつつ、石噛みの発生をさらに抑制しうる重荷重用タイヤを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、トレッド面に主溝を配することにより、該主溝によって周囲が囲まれる中央のブロックがタイヤ赤道上で配列する中央のブロック列、該主溝によって周囲が囲まれる中間のブロックが前記中央のブロック列のタイヤ軸方向外側で周方向に配列する中間のブロック列、及び該主溝とトレッド端縁とによって周囲が囲まれる外のブロックが前記中間のブロック列のタイヤ軸方向外側で周方向に配列する側のブロック列とを設けた重荷重用タイヤであって、
前記主溝は、
タイヤ周方向に対して37.5±5°の角度αでそれぞれタイヤ赤道から離れる向きに周方向一方側、他方側にのびる第1、第2の傾斜部からなり、かつこの第1、第2の傾斜部の各タイヤ軸方向内端部及び外端部が内外の結合部で順次結合されることにより、ジグザグ状をなしてタイヤ赤道の両側でタイヤ周方向にのびる内の縦主溝、
並びにタイヤ周方向に対して30.0±5°の角度β1でタイヤ赤道から離れる向きに周方向一方側にのびる第3の傾斜部と、タイヤ周方向に対して50.0±5°の角度β2でタイヤ赤道から離れる向きに周方向他方側にのびる第4の傾斜部とからなり、かつこの第3、第4の傾斜部の各タイヤ軸方向内端部及び外端部が内外の結合部で順次結合されることにより、ジグザグ状をなして前記内の縦主溝の外側でタイヤ周方向にのびる外の縦主溝を含み、
しかも前記両側の内の縦主溝の前記内の結合部が互いに向き合いかつ連結することにより該両側の内の縦主溝間で前記中央のブロック列を形成し、かつ前記内の縦主溝の前記外の結合部と前記外の縦主溝の前記内の結合部とが互いに向き合いかつ連結することにより該内外の縦主溝間で前記中間のブロック列を形成し、かつ前記外の縦主溝の前記外の結合部にタイヤ軸方向外側にのびる横主溝を形成することにより該外の縦主溝とトレッド端縁との間で前記側のブロック列を形成するとともに、
前記中央のブロックのブロック表面積の総和ΣSaと、中間のブロックのブロック表面積の総和ΣSbとの比ΣSb/ΣSaは、0.95〜1.03、かつ前記総和ΣSaと、前記側のブロックのブロック表面積の総和ΣScとの比ΣSc/ΣSaは、0.60〜0.72、
しかも前記内の縦主溝の溝巾Waは、トレッド巾TWの0.066〜0.084倍、前記外の縦主溝の溝巾Wbは、トレッド巾TWの0.061〜0.080倍かつ前記溝巾Wa以下としたことを特徴としている。
【0007】
又請求項2の発明では、前記主溝は、その溝底に、前記中央のブロックおよび中間のブロックを囲む石噛み防止用の突起体を具えるとともに、
前記突起体は、溝底からの突出高さh1を前記主溝の溝深さH0の0.188〜0.264倍、かつ突起体の表面巾w1を前記主溝の溝底巾W0の0.370〜0.617倍とした第1の突起体と、溝底からの突出高さh2を前記主溝の溝深さH0の0.113〜0.189倍かつ前記突出高さh1より小、かつ突起体の表面巾w2を前記主溝の溝底巾W0の0.185〜0.310倍とした第2の突起体とからなり、
しかも第1、第2の突起体が交互に配列することを特徴としている。
【0008】
又請求項3の発明では、前記主溝の溝壁は、溝長さ方向と直角な断面において、
溝壁がトレッド面に交わる交点を通るトレッド面の法線に対して9.0〜21.0°の角度θを有して前記交点からタイヤ巾が減じる向きに傾斜してのびる第1の溝壁部と、この第1の溝壁部から溝底まで前記法線と平行にのびる第2の溝壁部とからなり、かつ該第2の溝壁部の溝底からの深さhaを前記主溝の溝深さH0の0.188〜0.264倍としたことを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。
図1において、重荷重用タイヤ1は、トレッド部22からサイドウォール部23をへてビード部24のビードコア25に至るカーカス26と、トレッド部22の内方かつ前記カーカス26の半径方向外側に配される強靱なベルト層27とを具える。
【0010】
前記カーカス26は、カーカスコードをタイヤ周方向に対して例えば70〜90°の角度で配列した1枚以上のカーカスプライからなり、本例ではカーカスコードにスチールコードを用いた1枚のカーカスプライ26Aからなる場合を例示している。このカーカスプライ26Aは、ビードコア25、25間を跨るプライ本体部26aの両端に、前記ビードコア25の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折返すプライ折返し部26bを具える。なおビード部24には、前記ビードコア25から半径方向外方に向かって先細状にのびるビード補強用のビードエーペックスゴム28が配される。
【0011】
又前記ベルト層27は、2枚以上、通常3、4枚のベルトプライから形成される。本例では、スチールコードのベルトコードをタイヤ周方向に対して例えば60±10°程度の角度で配列した半径方向最内のベルトプライ27Aと、タイヤ周方向に対して30°以下の小角度で配列したベルトプライ27B、27C、27Dとの4層構造を有するものを例示している。そして、ベルトコードがプライ間で互いに交差する箇所を1箇所以上設けることにより、ベルト剛性を高めトレッド部22を補強している。
【0012】
次に、トレッド面Sには、図2に示すように、該トレッド面Sに主溝2を配することにより、該主溝2によって周囲が囲まれる中央のブロック3がタイヤ赤道C上で配列する中央のブロック列3Rと、該主溝2によって周囲が囲まれる中間のブロック4が前記中央のブロック列3Rのタイヤ軸方向外側で周方向に配列する中間のブロック列4Rと、該主溝2とトレッド端縁TEとによって周囲が囲まれる外のブロック5が前記中間のブロック列4Rのタイヤ軸方向外側で周方向に配列する側のブロック列5Rとからなるブロックパターンを形成している。
【0013】
ここで、本発明の重荷重用タイヤ1では、不整地でのトラクション性を重視するため、前記主溝2には、溝深さH0(図5)が22.0mm以上かつ27mm以下の深溝が使用されるとともに、トレッド面Sの全面に占める前記ブロック3、4、5の表面積の総和の割合である所謂ランド比を40〜60%の範囲まで減じている。
【0014】
また前記主溝2は、タイヤ赤道Cの両側でタイヤ周方向にのびるジグザグ状の内の縦主溝6と、前記内の縦主溝6の外側でタイヤ周方向にのびるジグザグ状の外の縦主溝7とを少なくとも含んで構成される。
【0015】
前記内の縦主溝6は、図3に拡大して示すように、タイヤ周方向に対して37.5±5°の角度αで、それぞれタイヤ赤道Cから離れる向きに周方向一方側、他方側にのびる第1、第2の傾斜部6A、6Bから形成される。そして、この第1、第2の傾斜部6A、6Bの各タイヤ軸方向内端部が内の結合部Jiで結合されるとともに、第1、第2の傾斜部6A、6Bの各タイヤ軸方向外端部が外の結合部Joで結合される。
【0016】
このとき、両側の内の縦主溝6、6の各結合部Jiが互いに向き合いかつ連結することにより、この両側の内の縦主溝6、6間で前記中央のブロック列3Rが形成される。ここで、「互いに向き合う」とは、両側の結合部Ji、Jiのタイヤ周方向の距離Liが、前記内の縦主溝6のジグザグピッチPiの0.25倍より小であることを意味し、好ましくは0.15倍以下、さらに好ましくは0.10倍以下とする。なおジグザグピッチPiが、例えばバリアブルピッチ等によって変動する場合には、変動するジグザグピッチピッチの平均値をもってPiと定義する。
【0017】
又本例では、向き合う結合部Ji、Jiが、タイヤ軸方向に沿ってのびる横主溝8を介して連結する場合を例示しているが、横主溝8を介することなく直接に連結しても良い。なお前記横主溝8は、そのタイヤ軸方向の長さLcを、前記内の縦主溝6の溝巾Waの1.3倍以下とした小寸とするのが好ましい。それは、横主溝8は、内の縦主溝6が噛込んだ石を結合部Jiで排出させる機能を付与するが、前記長さLcが前記範囲を越えると、横主溝8自体に石噛みを招く恐れが生じるからである。
【0018】
又前記外の縦主溝7は、図4に拡大して示すように、タイヤ周方向に対して30.0±5°の角度β1でタイヤ赤道Cから離れる向きに周方向一方側にのびる第3の傾斜部7Aと、タイヤ周方向に対して50.0±5°の角度β2でタイヤ赤道Cから離れる向きに周方向他方側にのびる第4の傾斜部7Bとから形成される。そして、この第3、第4の傾斜部7A、7Bの各タイヤ軸方向内端部が内の結合部Kiで結合されるとともに、第3、第4の傾斜部7A、7Bの各タイヤ軸方向外端部が外の結合部Koで結合される。
【0019】
又前記内の縦主溝6の前記外の結合部Joと前記外の縦主溝7の前記内の結合部Kiとが互いに向き合いかつ連結することにより、内外の縦主溝6、7間で前記中間のブロック列4Rが形成される。なお向き合う結合部Jo、Ki間のタイヤ周方向の距離Loは、前記ジグザグピッチPiの0.25倍より小、好ましくは0.15倍以下、さらに好ましくは0.10倍以下である。又本例では、向き合う結合部Jo、Kiが、タイヤ軸方向に沿ってのびる横主溝9を介して連結する場合を例示しており、この横主溝9は前記横主溝8と同様、そのタイヤ軸方向の長さLdを、前記内の縦主溝6の溝巾Waの1.3倍以下とした小寸とするのが好ましい。
【0020】
又前記外の縦主溝7は、その前記外の結合部Koにタイヤ軸方向外側に向かって(本例ではタイヤ軸方向に沿って)のびる横主溝10が接続し、これによって該外の縦主溝7とトレッド端縁TEとの間に前記側のブロック列5Rが形成される。
【0021】
このように本発明では、接地圧が高く石噛みが発生しやすい内の縦主溝6において、その傾斜部6A、6Bを、それぞれタイヤ周方向に対する前記角度αが37.5±5°と小さい急傾斜としている。従って、この内の縦主溝6に進入した石が、走行時の遠心力や路面からの外力等によって排出され易くなるなど石の排出性を高めることができる。他方、外の縦主溝7においては、前記傾斜部7Bを、タイヤ周方向に対する角度β2が50.0±5°と大きい緩傾斜としている。従って、この傾斜部7Bからは、高いトラクション性を確保することができる。しかも、外の縦主溝7では、接地圧が相対的に低く、かつ側のブロック5のブロック剛性が他のブロック3、4に比して相対的に小となる。従って、この傾斜部7Bには、石噛みが起こりにくく、しかも石噛みが起こった場合にも、側のブロック5の動きによって排出され易くなる。即ち、優れたトラクション性を確保しつつ、石噛みの発生をより効果的に抑制しうるのである。
【0022】
このとき、前記中央のブロック3のブロック表面積の総和ΣSaと、中間のブロック4のブロック表面積の総和ΣSbとの比ΣSb/ΣSaが、0.95〜1.03の範囲、かつ前記総和ΣSaと、前記側のブロック5のブロック表面積の総和ΣScとの比ΣSc/ΣSaが、0.60〜0.72の範囲であることが必要である。この面積比の規制は、前記側のブロック5のブロック剛性が、他のブロック3、4のブロック剛性よりも相対的に低く、動きやすいことを保証する。
【0023】
又前記面積比の規制は、タイヤの偏摩耗を抑制し、優れたトラクション性を長期に亘って発揮させるためにもこのましい。なお前記比ΣSb/ΣSaが、0.95〜1.03の範囲外となると、ブロック列3R、4Rの何れか一方が他方に比して過度に摩耗する所謂パンチ摩耗が発生しやすくなる。又比ΣSc/ΣSaが0.72を越えると、トレッド端側で肩落ち摩耗を招くほか、前記傾斜部7Bにおける石の排出性を損ね、逆に0.60未満では、側のブロック5の剛性が過小となって、トラクション性及びブロック強度を低下させる傾向となる。
【0024】
又、優れたトラクション性を確保しつつ、石噛みの発生をより効果的に抑制するためには、内の縦主溝6の前記溝巾Waを、トレッド巾TWの0.066〜0.084倍に規制するとともに、外の縦主溝7の溝巾Wbを、トレッド巾TWの0.061〜0.080倍かつ前記溝巾Wa以下に規制することも必要である。前記溝巾Wa、Wbが、それぞれトレッド巾TWの0.066倍未満、及び0.061倍未満では、トラクション性が不十分となって不整地での優れた走行性が得られない。逆に、トレッド巾TWの0.084倍、及び0.080倍未満を越えると、溝巾Wa、Wbが広すぎて石噛みの抑制効果を損ねる結果を招く。なお石噛みの抑制効果をさらに高めるには、前記傾斜部6A、6B、7A、7Bを本例の如く直線で形成するのも好ましい。なお前記溝巾Wa、Wbは、溝中心線と直交する向きに測定したトレッド面Sでの溝巾を意味し、溝巾が変化するとき、その平均値とする。
【0025】
次に、石噛みの抑制効果をいっそう確実なものとするために、本例では、図5(A)、(B)に示すように、前記主溝2の溝壁Gを、第1、第2の溝壁部G1、G2からなる段付き状に形成している。
【0026】
詳しくは、第1の溝壁部G1は、溝壁Gがトレッド面Sに交わる交点pを通るトレッド面Sの法線に対して9.0〜21.0°の角度θを有して、前記交点pからタイヤ巾が減じる向きに傾斜してのびる。又第2の溝壁部G2は、前記第1の溝壁部G1から溝底まで前記法線に沿ってのびるとともに、この第2の溝壁部G2の溝底からの深さhaを主溝2の前記溝深さH0の0.188〜0.264倍の範囲としている。
【0027】
このように、主溝2は、第1の溝壁部G1を、角度θが大な緩斜面で形成しているため、主溝2内に石が噛み込んだ際、この石を溝外に排出する向きの押出力を溝壁部G1からの反力として作用させることができ、しかも石と溝壁部G1との接触面積も小さく抑えられる。その結果、石の排出性が高められる。又第2の溝壁部G2が法線に沿って垂直にのびるため、噛み込んだ石が第1の溝壁部G1を越えて第2の溝壁部G2内まで深く浸入するのを抑制でき、溝底での損傷を防ぐことが可能となる。なお前記角度θが9.0°未満では、石の排出性が不十分となり逆に21.0°を越えるとトラクション性の低下を招く。又前記深さhaが溝深さH0の0.188倍未満では、溝底の損傷を抑制することが難しく、0.264倍を越えると、第1の溝壁部G1による石の排出性が十分発揮されなくなる。
【0028】
又本例では、石噛みの抑制効果をさらに確実なものとするために、図2に示すように、主溝2の溝底に、前記ブロック3、4を囲む石噛み防止用の突起体11を設けている。この突起体11は、第1の突起体11Aと、この第1の突起体11Aよりも小高さの第2の突起体11Bとからなり、かつ第1、第2の突起体11A、11Bが交互に並んで連なって配列している。このように高さが異なる第1、第2の突起体11A、11Bを交互に配列させることにより、弾性力を高め、その反発力を利用して主溝2内に深く進入した石を排出できる。
【0029】
なお第1の突起体11Aでは、前記図5(A)に示すように、溝底からの突出高さh1を、主溝2の前記溝深さH0の0.188〜0.264倍とするとともに、突起体11Aの表面巾w1を、主溝2の溝底巾W0の0.370〜0.617倍としている。これに対して、第2の突起体11Bでは、前記図5(B)に示すように、溝底からの突出高さh2を、前記溝深さH0の0.113〜0.189倍かつ前記突出高さh1より小とするとともに、突起体11Bの表面巾w2を、主溝2の前記溝底巾W0の0.185〜0.310倍としている。
【0030】
ここで、前記第1の突起体11Aにおいて、その突出高さh1が0.188×H0未満、及び表面巾w1が0.370×W0未満では、突起体11Aの内部に貯える弾性エネルギーが不足し、逆に突出高さh1が0.264×H0より大、及び表面巾w1が0.617×W0より大では、突起体11Aの圧縮力に対して剛性が過大となり、何れの場合も、噛込んだ石への押出力が不十分となって排出機能を十分に発揮することができなくなる。
【0031】
他方、第2の突起体11Bにおいては、その突出高さh2が0.113×H0未満、及び表面巾w2が0.185×W0未満では、剛性が不足して第1の突起体11A、11A間を連結する機能が果たせず、逆に突出高さh2が0.189×H0より大、及び表面巾w2が0.310×W0より大では、突起体11Aとの剛性差が少なくなって突起体11全体の剛性が過大となるなど、何れの場合も、前述と同様、排出機能を十分に発揮することができなくなる。
【0032】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0033】
【実施例】
タイヤサイズが11R24.5でありかつ図2に示す基本パターンを有するタイヤを、表1の仕様で試作するとともに、各試供タイヤの不整地でのトラクション性、及び石噛み性をテストし、その結果を表1に記載した。
【0034】
(1)トラクション性:
リム(8.25×24.5)、内圧(830kPa)の条件にて、試供タイヤを、オンロード/オフロードでの走行比率が50% /50% の木材運搬車(2−DD−44:トレーラ)のドライブ2軸に装着し、圧雪路での登坂性能をテストし、A、B、Cの3段階で評価した。(B以上が合格である)
A: 1軸側のみチェーン装着にて登坂容易
B: 1軸側のみチェーン装着にて登坂可能
C: 2軸ともチェーン装着にて登坂可能
なお路面条件は、路面状態(圧雪)、路面傾斜角(約6゜)、気温(約−15゜C)、雪温(約−10゜C)である。
【0035】
(2)石噛み性:
前記木材運搬車を用いて山林地域を50000km走行させた後、石噛み数、及び石噛みによる損傷状況を調査した。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
本発明は叙上の如く構成しているため、不整地におけるトラクション性を高く確保しつつ、石噛みの発生をより抑制でき、この石噛みに起因する溝底下のゴムやコード補強層への破損防止効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の重荷重用タイヤの一実施例を示す断面図である。
【図2】そのトレッドパターンを示す平面図である。
【図3】内の縦主溝を中央のブロック列とともに拡大して示す平面図である。
【図4】外の縦主溝を中間のブロック列とともに拡大して示す平面図である。
【図5】(A)、(B)は、主溝を突起体とともに拡大して示す断面図である。
【図6】従来のトレッドパターンの一例を説明する平面図である。
【符号の説明】
2 主溝
3 中央のブロック
3R 中央のブロック列
4 中間のブロック
4R 中間のブロック列
5 外のブロック
5R 側のブロック列
6 内の縦主溝
6A、6B 第1、第2の傾斜部
7 外の縦主溝
7A、7B 第3、4の傾斜部
11 突起体
11A、11B 第1、第2の突起体
C タイヤ赤道
G1、G2 第1、第2の溝壁部
Ji、Jo 内外の結合部
Ki、Ko 内外の結合部
S トレッド面
Claims (3)
- トレッド面に主溝を配することにより、該主溝によって周囲が囲まれる中央のブロックがタイヤ赤道上で配列する中央のブロック列、該主溝によって周囲が囲まれる中間のブロックが前記中央のブロック列のタイヤ軸方向外側で周方向に配列する中間のブロック列、及び該主溝とトレッド端縁とによって周囲が囲まれる外のブロックが前記中間のブロック列のタイヤ軸方向外側で周方向に配列する側のブロック列とを設けた重荷重用タイヤであって、
前記主溝は、
タイヤ周方向に対して37.5±5°の角度αでそれぞれタイヤ赤道から離れる向きに周方向一方側、他方側にのびる第1、第2の傾斜部からなり、かつこの第1、第2の傾斜部の各タイヤ軸方向内端部及び外端部が内外の結合部で順次結合されることにより、ジグザグ状をなしてタイヤ赤道の両側でタイヤ周方向にのびる内の縦主溝、
並びにタイヤ周方向に対して30.0±5°の角度β1でタイヤ赤道から離れる向きに周方向一方側にのびる第3の傾斜部と、タイヤ周方向に対して50.0±5°の角度β2でタイヤ赤道から離れる向きに周方向他方側にのびる第4の傾斜部とからなり、かつこの第3、第4の傾斜部の各タイヤ軸方向内端部及び外端部が内外の結合部で順次結合されることにより、ジグザグ状をなして前記内の縦主溝の外側でタイヤ周方向にのびる外の縦主溝を含み、
しかも前記両側の内の縦主溝の前記内の結合部が互いに向き合いかつ連結することにより該両側の内の縦主溝間で前記中央のブロック列を形成し、かつ前記内の縦主溝の前記外の結合部と前記外の縦主溝の前記内の結合部とが互いに向き合いかつ連結することにより該内外の縦主溝間で前記中間のブロック列を形成し、かつ前記外の縦主溝の前記外の結合部にタイヤ軸方向外側にのびる横主溝を形成することにより該外の縦主溝とトレッド端縁との間で前記側のブロック列を形成するとともに、
前記中央のブロックのブロック表面積の総和ΣSaと、中間のブロックのブロック表面積の総和ΣSbとの比ΣSb/ΣSaは、0.95〜1.03、かつ前記総和ΣSaと、前記側のブロックのブロック表面積の総和ΣScとの比ΣSc/ΣSaは、0.60〜0.72、
しかも前記内の縦主溝の溝巾Waは、トレッド巾TWの0.066〜0.084倍、前記外の縦主溝の溝巾Wbは、トレッド巾TWの0.061〜0.080倍かつ前記溝巾Wa以下としたことを特徴とする重荷重用タイヤ。 - 前記主溝は、その溝底に、前記中央のブロックおよび中間のブロックを囲む石噛み防止用の突起体を具えるとともに、
前記突起体は、溝底からの突出高さh1を前記主溝の溝深さH0の0.188〜0.264倍、かつ突起体の表面巾w1を前記主溝の溝底巾W0の0.370〜0.617倍とした第1の突起体と、溝底からの突出高さh2を前記主溝の溝深さH0の0.113〜0.189倍かつ前記突出高さh1より小、かつ突起体の表面巾w2を前記主溝の溝底巾W0の0.185〜0.310倍とした第2の突起体とからなり、
しかも第1、第2の突起体が交互に配列することを特徴とする請求項1記載の重荷重用タイヤ。 - 前記主溝の溝壁は、溝長さ方向と直角な断面において、
溝壁がトレッド面に交わる交点を通るトレッド面の法線に対して9.0〜21.0°の角度θを有して前記交点からタイヤ巾が減じる向きに傾斜してのびる第1の溝壁部と、この第1の溝壁部から溝底まで前記法線と平行にのびる第2の溝壁部とからなり、かつ該第2の溝壁部の溝底からの深さhaを前記主溝の溝深さH0の0.188〜0.264倍としたことを特徴とする請求項1又は2記載の重荷重用タイヤ。
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