JP2004223514A - 水底の環境改善方法 - Google Patents

水底の環境改善方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004223514A
JP2004223514A JP2004055587A JP2004055587A JP2004223514A JP 2004223514 A JP2004223514 A JP 2004223514A JP 2004055587 A JP2004055587 A JP 2004055587A JP 2004055587 A JP2004055587 A JP 2004055587A JP 2004223514 A JP2004223514 A JP 2004223514A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
slag
laying
water bottom
laying material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004055587A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4997687B2 (ja
Inventor
Tetsushi Numata
哲始 沼田
Yasuto Miyata
康人 宮田
Kazuya Yabuta
和哉 薮田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2004055587A priority Critical patent/JP4997687B2/ja
Publication of JP2004223514A publication Critical patent/JP2004223514A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4997687B2 publication Critical patent/JP4997687B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish

Landscapes

  • Artificial Fish Reefs (AREA)
  • Treatment Of Sludge (AREA)

Abstract

【課題】 水底に形成された凹部等における水の停滞に起因した硫化水素の発生と、これにより引き起こされる青潮の発生を長期間に亘って確実に抑制する。
【解決手段】 硫化水素の発生源となる、(1)水底に形成された凹部、(2)底層水中で硫化水素が検出された水域又は底層水中の溶存酸素濃度が所定値以下の水域の水底、(3)底層水の流速が所定値以下の水域の水底、(4)水中に水温又は/及び塩分濃度による密度躍層が形成された水域の水底、のいずれかに、全部又は一部が鉄鋼製造プロセスで発生するスラグからなる敷設材を敷設することを特徴し、スラグ中に含まれるCaOにより硫化水素の発生が抑制されるとともに、水中の硫化水素や燐がスラグに固定化される結果、硫化水素の発生とこれにより引き起こされる青潮の発生が長期間に亘って安定して抑制される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水底における水の停滞(例えば、水底の凹部における水の停滞)に起因する青潮の発生や棲息生物の減少を抑制するのに有効な環境改善方法に関するものである。
土砂採取等によって水底が部分的に掘られ、比較的深さのある凹部が形成されると、この凹部内の水が停滞する結果、特に夏期において著しい無酸素状態となり、有機物の腐敗やバクテリア(硫酸還元菌)の作用によって大量の硫化水素が発生するという問題がある。このように凹部内で硫化水素が大量発生すると、凹部内やその周囲の棲息生物が減少するだけでなく、硫化水素を含んだ水塊(青潮)が周辺水域に流出することによって周辺水域の生物の棲息環境にも多大な悪影響を与える。
従来、このような問題に対しては、水底の凹部に石灰を散布したり、凹部を天然砂(海砂、山砂)を用いて覆砂する、などの対策が採られることがあり、水底にヘドロが堆積している場合は同時にヘドロの浚渫が行われることもある。
また、天然砂で覆砂する場合には、同時に砂質水底に棲息する魚介類等の棲息場の造成も兼ねて行うことがあり、また築磯効果を期待して天然砂に代えて天然石を用いる場合もある。
しかし、本発明者らが検討したところによれば、水底の凹部に天然砂や天然石を敷設する従来法には以下に述べるような問題があることが判った。
(1) 天然砂や天然石は特に化学的な底質・水質浄化作用を有していないため、これらを水底の凹部に敷設した場合、例えば、夏期の海水停滞期や生物の活動が活発な時期になると、ヘドロが堆積していない状態でも間隙水中において硫酸還元菌の作用により数ppm程度の硫化水素が生成してしまう。
(2) 天然砂や天然石を水底の凹部に敷設した場合、凹部の内壁に敷設材による大きな圧力が作用し、敷設後ある程度の期間が過ぎると敷設材が凹部の内壁を押し広げて水平方向に広がってしまう。その結果、敷設当初は周囲の水底面と略同レベルであった敷設材の上面レベル(水底面)が大きく沈下し、これより水の停滞を生じるような凹部が再び形成されてしまう。
(3) 天然砂や天然石を水底の凹部に敷設する場合、天然砂や天然石を船で敷設場所に運搬し、これを船上から直接又はシュート等を介して凹部がある水底に投入することになるが、この際、水底を構成する泥質や堆積したヘドロが水中に巻き上げられて大量の浮泥が発生し、この浮泥により周辺水域の水質や水底が汚染されてしまう。
以上のような問題の他にも、敷設材として天然砂や天然石を用いる場合には、その採取によって新たな環境破壊を生ずる恐れがあり、また、埋立工事用等の土砂採取のために水底に掘られた穴や溝を埋めるために他所の水底から土砂を採取するというのでは問題の根本的解決にはならない。
一方、水底に石灰を散布する方法には、(1)多大なコストかかる、(2)pHの制御が困難で水質が高アルカリになる場合がある、(3)石灰が水底で板状に固まってしまうため、その下部の泥質中の水が入れ替らず、このため硫化水素がより多量に発生し、ある時期に板状に固まった石灰層が崩壊すると高濃度の硫化水素を含む水が周囲に流れ出てしまう、等の問題がある。また、石灰を散布するとしても石灰によって凹部を埋めてしまうことは困難であるため、結果的に凹部はそのまま残ることになり、したがって、凹部内の水が夏期の海水停滞期に無酸素化し、硫化水素が大量発生するという現象を根本的に解消することはできない。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、水底に形成された凹部等における水の停滞に起因した硫化水素の発生とこれにより引き起こされる青潮の発生を長期間に亘って確実に抑制し、水底を生物の棲息に適した環境に改善することができる水底の環境改善方法を提供することにある。
本発明者らは、水底の凹部等における水の停滞に起因した硫化水素の発生とこれにより引き起こされる青潮の発生を長期間に亘って安定して抑制するとともに、当該硫化水素発生源やその周辺の底質・水質を極力浄化することができる方策について、水底に敷設する敷設材の面から検討を行い、その結果、凹部等の水底に敷設する敷設材として鉄鋼製造プロセスで発生するスラグを用いることにより、天然砂や天然石では得ることができない、以下に示すような作用が得られることが判った。
(1) 高炉スラグや製鋼スラグ等のような鉄鋼製造プロセスで発生するスラグ(以下、単に「スラグ」という)は化学的な底質・水質浄化作用を有している。すなわち、スラグ中に含まれるCaOが水中に溶出することによって水中のpHが適度に高められ、この結果、硫化水素を発生させる硫酸還元菌の活動が抑制される。また、スラグに含まれるCaO、Feによって水中の硫化水素を固定化することにより、水中の硫化水素の低減化が図られる。さらに、スラグ中に含まれるCaOによって水中の燐が吸着・固定され、青潮発生等の要因の一つである水の富栄養化が抑制される。このためスラグを水底の凹部等のような硫化水素発生源に敷設した場合、その領域で底泥からの硫化水素の発生が抑制されるとともに、敷設材上部層の間隙水中での硫化水素の発生も抑制され、さらに、スラグ粒子への硫化水素や燐の固定化作用による水質浄化作用も得られる。また、敷設材の上部層は硫化水素が少なく溶存酸素の多い状態となるため着生する生物にとって棲息しやすい環境となり、生物の着生基盤としても高い機能を有することになる。また、以上のような作用のうち硫化水素や燐の固定化作用については、スラグの中でも特に製鋼スラグが高い能力を有している。
(2) スラグの粉粒物は、天然砂や天然石に較べて内部摩擦角がかなり大きく、このためスラグを水底の凹部に敷設した場合、敷設材から凹部の内壁に作用する圧力が比較的小さい。このため天然砂や天然石を用いた場合のように敷設材が凹部の内壁を押し広げて水平方向に広がってしまう現象が生じにくく、敷設材の上面レベル(水底面)の沈下も生じにくい。
(3) スラグの殆どは比較的多量のCaOを含んでおり、このため個々のスラグ粒子の表面にもCaOが存在している。水底の凹部等に敷設するために敷設材を船上から水底に投入した場合、水底を構成する泥質や堆積したヘドロが水中に巻き上げられて大量の浮泥が発生するが、浮泥は水底に降下する途中のスラグの表面に存在するCa基により凝集・捕捉され、スラグとともに水底に沈降する。特に、スラグは天然砂や天然石等に較べて真比重が大きいので、浮泥を凝集・捕捉したスラグは水底に速やかに沈降する。この結果、敷設材の水底への投入に伴う浮泥の発生と、この浮泥による周辺水域の水質や水底の汚染が適切に防止できる。
(4) 水底に生物が棲息することにより、生物によるN、Pの固定、有機物の分解、酸素の供給等による水質浄化作用が得られるが、水底にスラグを敷設しても石灰のように板状に固化することがないため、スラグの表面や隙間に多くの生物が棲息することができ、このため生物による水質浄化作用が効果的に得られる。
(5) 上記(1)〜(4)の作用が総合的に高いレベルで得られるという面では、敷設材としては高炉水砕スラグが最も適している。特に、高炉水砕スラグを敷設した水底は性状、外観ともに砂地に近く、しかもスラグ粒子の充填間隙が比較的大きいためにスラグ粒子間の水が入れ替わりやすく、この間隙で溶存酸素濃度が確保されやすい。このため砂地に棲息する生物の棲息環境として特に優れている。さらに、高炉水砕スラグはガラス質であることから、他のスラグに較べて含有成分の溶出や水中又は底泥中の成分との反応が非常にゆっくりと進行し、このため水中のpHを急激に上昇させたり、底質・水質の改善効果が短期間で消失することがないという利点がある。
以上のような点から、スラグ(とりわけ高炉水砕スラグ)が凹部等の水底への敷設材として極めて好適な資材となり得ることが判った。上記のようなスラグによる青潮発生の抑制作用やその他の作用は本発明において初めて明らかとなったものであり、特に上記(2)の作用はスラグを水底に形成された凹部の敷設材として用いた場合に特有の作用である。
本発明は以上のような知見事実に基づきなされたもので、その特徴は以下の通りである。
[1] 水底に形成された凹部内に、全部又は一部が鉄鋼製造プロセスで発生するスラグからなる敷設材を敷設することを特徴とする水底の環境改善法。
[2] 底層水中で硫化水素が検出された水域又は底層水中の溶存酸素濃度が所定値以下の水域の水底に、全部又は一部が鉄鋼製造プロセスで発生するスラグからなる敷設材を敷設することを特徴とする水底の環境改善法。
[3] 底層水の流速が所定値以下の水域の水底に、全部又は一部が鉄鋼製造プロセスで発生するスラグからなる敷設材を敷設することを特徴とする水底の環境改善法。
[4] 水中に水温又は/及び塩分濃度による密度躍層が形成された水域の水底に、全部又は一部が鉄鋼製造プロセスで発生するスラグからなる敷設材を敷設することを特徴とする水底の環境改善方法。
[5] 水底に形成された凹部内に、全部又は一部が鉄鋼製造プロセスで発生するスラグからなる敷設材を敷設し、該敷設材により形成される水底面の平均水深dと凹部周囲の水底面の平均水深dとの差[d−d]を2m以下(但し、[d−d]がマイナス値の場合を含む)とすることを特徴とする水底の環境改善方法。
[6] 上記[1]〜[5]のいずれかの環境改善方法において、敷設材が鉄鋼製造プロセスで発生するスラグとそれ以外の素材とからなり、該敷設材は、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグとそれ以外の素材が混合された状態であるか、又は鉄鋼製造プロセスで発生するスラグが上層側、それ以外の素材が下層側になるようにして水底に敷設されることを特徴とする水底の環境改善方法。
[7] 上記[1]〜[6]のいずれかの環境改善方法において、水底に敷設された敷設材の50mass%以上が鉄鋼製造プロセスで発生するスラグからなることを特徴とする水底の環境改善方法。
[8] 上記[1]〜[7]のいずれかの環境改善方法において、水底に敷設された敷設材の全部又は一部が高炉水砕スラグであることを特徴とする水底の環境改善方法。
[9] 上記[8]の環境改善方法において、水底に敷設された敷設材の最上部層が、高炉水砕スラグを60mass%以上含むことを特徴とする水底の環境改善方法。
[10] 上記[1]〜[9]のいずれかの環境改善方法において、水底に敷設された敷設材の最上部層が、粒径10mm以上の製鋼スラグを50mass%以上含むことを特徴とする水底の環境改善方法。
[11] 上記[1]〜[10]のいずれかの環境改善方法において、水底に敷設された敷設材の最下部層が、製鋼スラグを60mass%以上含むことを特徴とする水底の環境改善方法。
[12] 硫化水素の発生源となる水底に敷設される青潮防止材であって、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグからなることを特徴とする水中の環境改善用資材。
[13] 上記[12]の環境改善用資材において、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグの全部又は一部が高炉水砕スラグであることを特徴とする水中の環境改善用資材。
以上述べたように本発明法によれば、水底に形成された凹部等における水の停滞に起因した硫化水素の発生とこれにより引き起こされる青潮の発生を長期間に亘って安定して抑制し、水底を生物の棲息に適した環境に改善することができる。
本発明法により敷設材を敷設する対象となる水底とは、硫化水素の発生源である又は発生源となるおそれのある水底であり、具体的には、(1)水底に形成された凹部、(2)底層水中で硫化水素が検出された水域又は底層水中の溶存酸素濃度が所定値以下の水域の水底、(3)底層水の流速が所定値以下の水域の水底、(4)水中に水温又は/及び塩分濃度による密度躍層が形成された水域の水底、のいずれかが対象となる。
本発明法が適用される水域としては、港湾を含む海、河川、河口、湖沼等のいずれでもよい。
本発明法により敷設材を敷設する対象となる水底の凹部とは、通常は土砂採取や浚渫等によって水底に人為的に形成された穴状または溝状の凹部であるが、これに限定されるものではなく、例えば、自然に形成された水底の凹部や、土砂採取や元々の地形により傾斜面や浅い凹部が形成されている水底にケーソン等を設置することで人工的に形成された凹部等も対象となる。一般に凹部が形成される水底は泥質又は砂質である。このような水底に形成された凹部は、水が停滞しやすく、またヘドロも溜まりやすいため、硫化水素の発生源となりやすい。
なお、凹部の定義としては、水の停滞等を考慮した場合、一般には周囲の水底面よりも2m以上深くなっている水底部を凹部としてよい。また、場合によっては、周囲の水底面よりも1m以上深くなっている水底部、或いは0.5m以上深くなっている水底部を凹部としてよい。
ここで、本発明法が適用される凹部の種類や規模には特別な制約はないが、典型的な形態として以下のようものがある。
(a) 自然に存在する水底の凹部:このような水底の凹部は比較的面積が大きい。一般にこの種のもので本発明法の対象となる凹部は、平面的でみて最も幅が狭い部分の幅が50m以上、深さが2m以上あるような規模の凹部である。
(b) 土砂採取や浚渫等によって水底に人為的に形成された凹部:このような水底の凹部は比較的面積が小さい。一般にこの種のもので本発明法の対象となる凹部は、平面的でみて最も幅が狭い部分の幅が10m以上、深さが5m以上あるような規模の凹部である。
(c) 水底にケーソン等の構造物を設置した場所において、この構造物と水底(例えば、自然に存在する水底の凹部や、土砂採取や元々の地形により傾斜面や浅い凹部が形成されている水底)とより結果的に形成された凹部:このような水底の凹部も比較的面積が小さい。一般にこの種のもので本発明法の対象となる凹部は、平面的でみて最も幅が狭い部分の幅が10m以上、深さが2m以上あるような規模の凹部である。
上記のような水底の凹部に対して、本発明法では全部又は一部が鉄鋼製造プロセスで発生するスラグ(以下、単に「スラグ」という)からなる敷設材を敷設する。凹部内へ敷設材の敷設形態に特に制限はないが、凹部内に敷設された敷設材上面により形成される水底面は、その周囲の水底面と略同等かそれ以上の高さを有することが好ましい。また、少なくとも、敷設された敷設材により形成される水底面Aの平均水深dと凹部周囲(凹部近傍の周囲)の水底面Bの平均水深dとの差[d−d]が2m以下、好ましくは1m以下、より好ましくは0.5m以下、特に好ましくは0.3m以下(但し、いずれも[d−d]がマイナス値の場合を含む)となるようにすることが特に望ましい。この差[d−d]が2m以下、好ましくは1m以下、より好ましくは0.5m以下、特に好ましくは0.3m以下であれば、凹部が十分に浅くなるため凹部内外での水の流出入が円滑に行われるようになり(すなわち、凹部内での水の停滞がなくなる)、夏期等に凹部内の水が無酸素状態になるような現象が適切に防止できる。
ここで、敷設材上面により形成される水底面Aの平均水深d1とは、敷設材により形成される水底面Aに起伏や凹凸があるために水深にバラツキがある場合に、その水底面を平らに均した際の水深であり、また、凹部周囲(凹部近傍の周囲)の水底面Bの平均水深d0とは、凹部周囲の水底面Bに起伏や凹凸があるために水深にバラツキがある場合に、その水底面を平らに均した際の水深である。
本発明法は、上述のように水底の形態(凹部)に基づいて敷設材の敷設場所を選定する以外に、底層水中の硫化水素又は溶存酸素濃度を測定し、底層水中で硫化水素が検出された水域又は底層水中の溶存酸素濃度が所定値以下の水域の水底に、全部又は一部がスラグからなる敷設材を敷設するようにしてもよい。
ここで、底層水とは水底の近くに存在する水のことであり、一般には水の深さ方向で水底から2m以内、好ましくは1m以内の水であればよい。本発明法では、このような底層水で硫化水素が検出され、或いは測定された溶存酸素濃度が所定値以下である水域の水底に敷設材を敷設する。硫化水素の場合は、それが底層水から検出されれば、その水域の水底に敷設材を敷設する。また、溶存酸素濃度の場合は、一般に底層水の溶存酸素濃度が飽和溶存酸素濃度の10%以下であると硫酸還元菌の作用によって硫化水素が発生するおそれがあるため、溶存酸素濃度が飽和溶存酸素濃度の10%以下の水域の水底に敷設材を敷設することが好ましい。また、一般に底層水の溶存酸素濃度が飽和溶存酸素濃度の60%以下であると底棲生物の棲息に問題を生じるため、溶存酸素濃度が飽和溶存酸素濃度の60%以下の水域の水底に敷設材を敷設するようにしてもよい。
また、本発明法では、底層水の流速を測定し、その流速が所定値以下である水域の水底に、全部又は一部がスラグからなる敷設材を敷設するようにしてもよい。底層水の流速が小さく、水の停滞が生じやすい水底が硫化水素の発生源となりやすいからである。なお、底層水とは先に述べた通り水底の近くに存在する水のことであり、一般には水の深さ方向で水底から2m以内、好ましくは1m以内の水であればよい。
一般に底層水の流速が20cm/秒以下の水域は底層水の溶存酸素濃度や硫化水素濃度が水底の影響を強く受けるため、そのような流速の水域の水底に敷設材を敷設することが好ましい。
さらに、本発明法では、水中に水温や塩分濃度による密度躍層が形成された水域の水底に、全部又は一部がスラグからなる敷設材を敷設するようにしてもよい。水中に密度躍層が形成されると、大気から水中に供給される酸素が底層水まで拡散しにくくなり、硫化水素が発生しやすくなる。
密度躍層が形成されたことは水中の塩分濃度及び/又は水温等を測定することにより判定することができ、密度躍層が形成されたと判定されたときは、その水域の水底に敷設材を敷設する。
以上のように本発明法において、(a)底層水中で硫化水素が検出された水域又は底層水中の溶存酸素濃度が所定値以下の水域の水底、(b)底層水の流速が所定値以下の水域の水底、(c)水中に水温又は/及び塩分濃度による密度躍層が形成された水域の水底、のいずれかを敷設材の敷設場所とする場合は、例えば、閉鎖性の高い港や湾(例えば、リアス式海岸等にある湾)等が対象とすることができる。
敷設材として使用されるスラグ(鉄鋼製造プロセスで発生するスラグ)としては、高炉徐冷スラグ、高炉水砕スラグ等の高炉系スラグ、予備処理、転炉、鋳造等の工程で発生する脱炭スラグ、脱燐スラグ、脱硫スラグ、脱珪スラグ、鋳造スラグ等の製鋼スラグ、鉱石還元スラグ、電気炉スラグ等を挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、また2種以上のスラグを混合して用いることもできる。また、これらのスラグは、水和処理、炭酸化処理、エージング、水和硬化、炭酸化硬化等を経たものを用いてもよい。
すなわち、これらのスラグを硫化水素の発生源となる水底に敷設される青潮防止材(水中の環境改善用資材)として用いることができる。
上述したようなスラグの作用からして、敷設材としてはスラグ100%が最も好ましいと言えるが、スラグとそれ以外の素材とを併用してもよい。敷設材として用いるスラグ以外の素材としては、資源のリサイクルという観点からは都市ゴミスラグ、廃コンクリート、モルタルや耐火物の廃材等が好ましいが、それ以外に例えば建設発生残土、フライアッシュ、天然砂、天然石等を用いてもよい。
また、都市ゴミスラグや廃コンクリートなどは、水和処理、炭酸化処理、エージング、水和硬化、炭酸化硬化等を経たものを用いてもよい。
以下、敷設材を水底の凹部に敷設する場合を例に、本発明法の好ましい実施形態について説明する。
敷設材としてスラグとそれ以外の素材とからなるものを用いる場合、上述したようなスラグによる作用を適切に得るためには、凹部に敷設された敷設材の50mass%以上、好ましくは80mass%以上がスラグで構成されることが望ましい。また、その場合にはスラグとそれ以外の素材が混合されるか、又はスラグが上層側、それ以外の素材が下層側になるようにして凹部内に敷設されることが好ましい。これは、敷設材を水中に投入した際に、水中を降下するスラグによって先に述べたような浮泥の凝集・捕捉作用を得るためには、敷設材の投入によって浮泥が水中に巻き上げられている最中にスラグが水中を降下する必要があり、このためには少なくともスラグがスラグ以外の素材と混合した状態で水中に投入されるか、若しくは先にスラグ以外の素材が水中に投入された後、スラグが投入される必要があるからである。
図1(a)〜(d)は、それぞれ本発明法の実施形態において水底の凹部1に敷設材2を敷設した状態を示しており、図1(a)に示すように、敷設材2はこれにより形成される水底面Aの平均水深dと凹部周囲の水底面Bの平均水深dとの差[d−d]が2m以下、好ましくは1m以下となるように(特に好ましくは、敷設材2により形成される水底面Aが凹部周囲の水底面Bと略同等かそれ以上の高さとなるように)敷設される。
図1(a)は、スラグ100%の敷設材2又はスラグとそれ以外の素材(例えば、廃コンクリート)とを混合した敷設材2を凹部1内に敷設した実施形態を示している。また、図1(b)は、敷設材2としてスラグとそれ以外の素材を用いたもので、スラグ以外の素材21(例えば、廃コンクリート)を下層側に、スラグ20を上層側にそれぞれ敷設した実施形態を示している。また、図1(c)は、敷設材2として高炉水砕スラグ20aとその他のスラグ20b(例えば、製鋼スラグ)を用いたもので、高炉水砕スラグ20aを上層側に、それ以外のスラグ20bを下層側にそれぞれ敷設した実施形態を示している。さらに、図1(d)は、浅い凹部が形成されている水底にケーソン3を設置することで人工的に形成された凹部1内に敷設材2(例えば、上記(a)〜(c)のような形態の敷設材)を敷設した実施形態を示している。
本発明で敷設材として使用するスラグには、その化学成分や粒子形状等の違いによって、敷設材としての機能や作用に違いがある。
まず、高炉系スラグのうち高炉水砕スラグは、先に述べたようなスラグ一般について言える化学的な底質・水質浄化作用を有しているが、特に敷設材として使用した場合に以下のような作用が得られる。
(1) 先に述べたように、スラグは天然砂や天然石に較べて内部摩擦角がかなり大きく、敷設された敷設材から凹部の内壁にかかる圧力が小さいため、天然砂や天然石の場合のように敷設材が凹部の内壁を押し広げて水平方向に広がってしまう現象が起こりにくく、敷設材の上面レベル(水底面)の沈下も生じにくい。そして、このようなスラグの中でも、高炉水砕スラグは特に内部摩擦角が大きいため凹部内壁に対する圧力が小さく、また他のスラグに較べて嵩密度が小さいため、自重による沈下も起こりにくい。したがって、敷設材の上面レベル(水底面)の沈下も最小限に抑えることができる。
(2) 高炉水砕スラグは高温の溶融状態にある高炉スラグ(溶融スラグ)を噴流水で急冷して得られるものであるため、その形態や組織において他のガラス質材料には無い以下のような特質がある。すなわち、一般のガラス質材料は組織が緻密であるのに対し、高炉水砕スラグの場合には、溶融状態にあるスラグを噴流水で急冷する過程でスラグ中に溶け込んでいる窒素や水分などによってスラグが発泡するため、得られるスラグ粒子は無数の内部気孔を有する多孔質組織のガラス質材料となり、しかも相当に細かい粒子(通常、D50が1.0〜2.0mm程度の粒度)となる。また、同様の理由から高炉水砕スラグの粒子は角張った形状(表面に多数の尖った部分を有する形状)を有している。このような形態上の特徴から、高炉水砕スラグの集合物は一般のガラス質材料からなる粒状物の集合物に較べて充填間隙が大きく、通水性に優れている。このためスラグ粒子間の間隙の水が入れ替りやすく、この間隙での溶存酸素濃度が十分に確保されるため、底質に棲息する生物に良好な環境を提供することができる。
(3) 高炉水砕スラグを水底に敷設した場合、スラグからのCa分の微量溶解によって間隙水中のpHが8.5程度に維持されることで、硫酸還元菌の活性が弱められ、硫酸還元菌による硫化水素の発生が効果的に抑制されるが、特に高炉水砕スラグは上述したようにガラス質であることから、他のスラグに較べて含有成分の溶出や水中又は底泥中の成分との反応が非常にゆっくりと進行する。このため水中のpHを急激に上昇させたり、底質・水質の改善効果が短期間で消失することがない。
さらに、高炉水砕スラグは白色で天然砂と同様の外観を有しており、砂質域の生物が棲息するのに適した環境を提供できる利点もある。
したがって、上記(1)〜(3)の観点からは、敷設材として用いるスラグとしては高炉水砕スラグが特に好ましいと言える。またその場合、敷設材を実質的に高炉水砕スラグだけで構成するのが最も好ましいと言えるが、少なくとも、凹部内の敷設材の最上部層を高炉水砕スラグ又は高炉水砕スラグを含む敷設材で構成するのが好ましい。最上部層を高炉水砕スラグを含む敷設材で構成する場合、最上部層中の高炉水砕スラグの含有率は60mass%以上、好ましくは80mass%以上とすることが望ましい。最上部層中の高炉水砕スラグの含有率が60mass%未満では、上述した高炉水砕スラグに特有の作用が十分に得られない。
また、このように凹部内の敷設材の最上部層に高炉水砕スラグ又は高炉水砕スラグを60mass%以上(好ましくは80mass%以上)含む敷設材で構成する場合、この最上部層の厚みは0.1m以上、好ましくは0.3m以上、より好ましくは0.5m以上とすることが望ましい。この最上部層の厚みが0.1m未満では、その下方の硫化水素を含んだ水が簡単に通過してしまい、上述したような作用が十分に得られなくなるおそれがある。また、厚みが0.1m未満では施工の際の厚み管理自体も難しくなる。また、特にこの最上層の厚みが1m以上あれば、当該最上層部は底泥と混合しなくなるため、スラグが固結するようなことがなく、このため生物の棲息環境として好適な砂質水底を提供できる。
また、脱珪スラグ、脱炭スラグ等の製鋼スラグは、酸化鉄の含有量が高いため高炉水砕スラグ等に較べて硫化水素や燐を固定化する作用が大きいという特徴がある。このため凹部内の敷設材の最下部層を製鋼スラグ又は製鋼スラグを含む敷設材で構成することにより、底泥中の硫化水素や燐を効果的に固定することができる。最下部層を製鋼スラグを含む敷設材で構成する場合、最下部層中の製鋼スラグの含有率は60mass%以上、好ましくは80mass%以上とすることが望ましい。最下部層中の製鋼スラグの含有率が60mass%未満では、上述した製鋼スラグに特有の作用が十分に得られない。
また、このように凹部内の敷設材の最下部層に製鋼スラグ又は製鋼スラグを60mass%以上(好ましくは80mass%以上)含む敷設材で構成する場合、この最下部層の厚みは0.1m以上、好ましくは0.3m以上とすることが望ましい。この最下部層の厚みが0.1m未満では、製鋼スラグによる泥質中の硫化水素や燐の固定が十分に行われる前に、硫化水素や燐を含んだ水がこの最下部層を通過してしまい、硫化水素や燐の固定化作用が十分に得られなくなるおそれがある。また、厚みが0.1m未満では、施工の際の厚み管理自体も難しくなる。
また、製鋼スラグの硫化水素や燐の固定化作用を有効に生かすため、凹部内の敷設材の最上部層を製鋼スラグ又は製鋼スラグを含む敷設材で構成することもできる。最上部層を製鋼スラグを含む敷設材で構成する場合、最上部層中の製鋼スラグの含有率は50mass%以上、好ましくは90mass%以上とすることが望ましい。最上部層中の製鋼スラグの含有率が50mass%未満では、上述した製鋼スラグに特有の作用が十分に得られない。
また、このように凹部内の敷設材の最上部層に製鋼スラグ又は製鋼スラグを50mass%以上(好ましくは90mass%以上)含む敷設材で構成する場合、この最上部層の厚みは0.1m以上、好ましくは0.3m以上とすることが望ましい。この最上部層の厚みが0.1m未満では、製鋼スラグによる硫化水素や燐の固定が十分に行われる前に、硫化水素や燐を含んだ水がこの最上部層を通過してしまい、硫化水素や燐の固定化作用が十分に得られなくなるおそれがある。また、厚みが0.1m未満では、施工の際の厚み管理自体も難しくなる。
敷設材の最上部層に用いる製鋼スラグとしては、スラグの固結を防止するとともに、浮泥がスラグ間隙に沈降してスラグ表面を覆い、スラグの底質・水質浄化作用が失われることがないようにするため、粒径10mm以上、好ましくは20mm以上の製鋼スラグを用いることが望ましい。この場合、スラグ全量が上記粒径でなくてもよく、粒径10mm以上のもの(より好ましくは、粒径20mm以上のもの)がスラグ全体の85mass%以上、好ましくは90mass%以上であることが望ましい。このような粒度の製鋼スラグを用いることにより、スラグ粒子の周りに大きな隙間ができ、この隙間に沈降した浮泥の分解性が高まる。
ここで、製鋼スラグの粒度調整方法としては、溶融スラグを冷却固化後、重機等又はクラッシングプラント等により破砕し、例えば10mm以上又は20mm以上の篩目の篩を用いて選別する方法、水洗又は風力分級等により分級する方法等を用いることができる。
以上のように敷設材の最上層部を所定の粒度の製鋼スラグ又は製鋼スラグを含む敷設材で構成することにより、良質な岩礁状の水底を形成させることができる。
なお、製鋼スラグには多量のCaOが含まれているため、長期に亘って水と接すると、CaO+HO→Ca(OH)の反応によりスラグが崩壊して小さな粒が生成し、この生成した小さな粒が未崩壊のスラグの間隙に入り込み、スラグどうしの固結やスラグと底泥との固結を進行させ、生物の棲息環境として好ましくない状態になるおそれがある。しかし、上記のような粒度の製鋼スラグを用いることにより、スラグどうしの固結やスラグと底泥との固結が起こり難くなり、長期的に生物の棲息環境として好適な状態が持続する。なお、製鋼スラグの崩壊を防ぐために、大気、蒸気、オートクレーブ、炭酸ガス等でエージング処理した製鋼スラグを用いることも有効である。
また、敷設材として高炉徐冷スラグを用いる場合は、スラグ中の硫黄分が溶出して青潮の発生が助長されるおそれもあるため、高炉徐冷スラグとしては、エージング処理を十分に行ったものか、或いは高炉水砕スラグ微粉末、セメント、フライアッシュ等の水和物でSの固定又は被覆処理を行ったものを用いることが望ましい。
以上述べた好ましい実施形態は、水底の形態(凹部)に基づいて敷設材の敷設場所を選定する以外の場合、すなわち、(a)底層水中で硫化水素が検出された水域又は底層水中の溶存酸素濃度が所定値以下の水域の水底、(b)底層水の流速が所定値以下の水域の水底、(c)水中に水温又は/及び塩分濃度による密度躍層が形成された水域の水底、のいずれかを敷設材の敷設場所とする場合にもそのまま当てはまる。すなわち、これらの場合にも、以下のような実施形態を採ることができる。
(イ) 敷設材としてスラグとそれ以外の素材とからなるものを用いる場合、水底に敷設された敷設材の50mass%以上、好ましくは80mass%以上がスラグで構成されることが望ましい。また、その場合にはスラグとそれ以外の素材が混合されるか、又はスラグが上層側、それ以外の素材が下層側になるようにして水底に敷設されることが好ましい。
(ロ) 敷設材の全部又は一部として高炉水砕スラグを用いることが好ましい。その場合、敷設材を実質的に高炉水砕スラグだけで構成するのが最も好ましいと言えるが、少なくとも、敷設材の最上部層を高炉水砕スラグ又は高炉水砕スラグを含む敷設材で構成するのが好ましい。また、最上部層を高炉水砕スラグを含む敷設材で構成する場合、最上部層中の高炉水砕スラグの含有率は60mass%以上、好ましくは80mass%以上とすることが望ましい。また、この場合、その最上部層の厚みは0.1m以上、好ましくは0.3m以上、より好ましくは0.5m以上とすることが望ましい。
(ハ) 敷設材の最下部層を製鋼スラグ又は製鋼スラグを含む敷設材で構成することにより、底泥中の硫化水素や燐を効果的に固定することができる。最下部層を製鋼スラグを含む敷設材で構成する場合、最下部層中の製鋼スラグの含有率は60mass%以上、好ましくは80mass%以上とすることが望ましい。また、その場合、最下部層の厚みは0.1m以上、好ましくは0.3m以上とすることが望ましい
(ニ) 製鋼スラグの硫化水素や燐の固定化作用を有効に生かすため、敷設材の最上部層を製鋼スラグ又は製鋼スラグを含む敷設材で構成することもできる。最上部層を製鋼スラグを含む敷設材で構成する場合、最上部層中の製鋼スラグの含有率は50mass%以上、好ましくは90mass%以上とすることが望ましい。また、この場合、最上部層の厚みは0.1m以上、好ましくは0.3m以上とすることが望ましい。また、敷設材の最上部層に用いる製鋼スラグとしては、粒径10mm以上、好ましくは20mm以上の製鋼スラグを用いることが望ましい。この場合、スラグ全量が上記粒径でなくてもよく、粒径10mm以上のもの(より好ましくは、粒径20mm以上のもの)がスラグ全体の85mass%以上、好ましくは90mass%以上であることが望ましい。
(ホ) 敷設材として高炉徐冷スラグを用いる場合は、高炉徐冷スラグとしては、エージング処理を十分に行ったものか、或いは高炉水砕スラグ微粉末、セメント、フライアッシュ等の水和物でSの固定又は被覆処理を行ったものを用いることが望ましい。
以上述べたような各スラグの特性からして、凹部をはじめとする水底への敷設材の敷設形態としては、例えば、以下のようなものが考えられる。
(a) 敷設材の全部:高炉水砕スラグ
(b) 敷設材の最上部層:高炉水砕スラグ,それ以外の下部層:高炉水砕スラグ以外のスラグ及び/又はスラグ以外の素材
(c) 敷設材の最上部層:高炉水砕スラグ、それ以外の下部層:製鋼スラグ
(d) 敷設材の最上部層:高炉水砕スラグ、敷設材の中部層:スラグ以外の素材又はスラグとスラグ以外の素材との混合物、敷設材の最下部層:製鋼スラグ
(e) 敷設材の全部:製鋼スラグ
(f) 敷設材の最上部層:製鋼スラグ、それ以外の下部層:製鋼スラグ以外のスラグ及び/又はスラグ以外の素材
(g) 敷設材の最上部層:製鋼スラグ、敷設材の中部層:スラグ以外の素材又はスラグとスラグ以外の素材との混合物、敷設材の最下部層:製鋼スラグ
以上述べた本発明法によれば次のような作用効果が得られる。
(1) 凹部等の水底に敷設されたスラグ中に含まれるCaOが水中に溶出することによって水中のpHが適度に高められ、この結果、硫化水素を発生させる硫酸還元菌の活動が抑制される。また、スラグに含まれるCaO、Feによって水中の硫化水素を固定化することにより、水中の硫化水素の低減化が図られる。さらに、スラグ中に含まれるCaOによって水中の燐が吸着・固定され、青潮発生等の要因の一つである水の富栄養化が抑制される。このためスラグを凹部等の水底に敷設することにより、水底の底泥からの硫化水素の発生が抑制されるとともに、敷設材上部層の間隙水中での硫化水素の発生も抑制され、さらに、スラグ粒子への硫化水素や燐の固定化作用による水質浄化作用が得られる。また、敷設材の上部層は硫化水素が少なく溶存酸素の多い状態となるため着生する生物にとって棲息し易い環境となり、生物の着生基盤としても高い機能を有することになる。
(2) 凹部等の水底に敷設するために敷設材を船上から水底に投入した場合、水底を構成する泥質や堆積したヘドロが水中に巻き上げられて大量の浮泥が発生するが、浮泥は水底に降下する途中のスラグの表面に存在する未反応Caにより凝集・捕捉され、スラグとともに水底に沈降する。特に、スラグは天然砂や天然石等に較べて比重が大きいので、浮泥を凝集・捕捉したスラグは水底に速やかに沈降する。この結果、敷設材の水底への投入に伴う浮泥の発生と、この浮泥による周辺水域の水質や水底の汚染が適切に防止される。
(3) 敷設材を水底の凹部内に敷設する場合、凹部内の敷設材の上面レベル(水底面)の沈下が生じにくいという利点が得られる。これを図2及び図3に基づいて説明する。図2は敷設材として天然砂や天然石を用いた従来法、図3は敷設材としてスラグを用いた本発明法を示している。
まず、従来法のように天然砂や天然石を水底の凹部1に敷設した場合(図2(a))、凹部1の内壁に敷設材2による大きな圧力Fが作用し、敷設後ある程度の期間が過ぎると、図2(b)に示すように敷設材2が凹部1の内壁を押し広げて水平方向に広がってしまう。その結果、敷設当初は周囲の水底面Bと略同レベルであった敷設材の水底面Aが沈下し、これより再び凹部1′が形成されてしまう。
これに対して本発明法のようにスラグを水底の凹部1に敷設した場合(図3(a))、スラグは天然砂や天然石に較べて内部摩擦角がかなり大きいため、敷設材2から凹部1の内壁に作用する圧力Fが小さい。このため図3(b)に示すように敷設材2が凹部1の内壁を押し広げて水平方向に広がってしまう現象が生じにくく、敷設材2の水底面Aの沈下も生じにくい。
また、スラグとして高炉水砕スラグを用いた場合には、先に述べた理由によりさらに水底面Aの沈下が生じにくくなる。
(4) 水底に生物が棲息することにより、生物によるN、Pの固定、有機物の分解、酸素の供給等による水質浄化作用が得られるが、水底にスラグを敷設しても石灰のように板状に固化することがないため、スラグの表面や隙間に多くの生物が棲息することができ、このため生物による水質浄化作用が効果的に得られる。
(5) また、スラグの中でも高炉水砕スラグを敷設材として用いた場合には、上記(1)〜(4)の作用効果が総合的に高いレベルで得られるとともに、他のスラグに較べて含有成分の溶出や水中又は底泥中の成分との反応が非常にゆっくりと進行するため、水中のpHを急激に上昇させたり、底質・水質の改善効果が短期間で消失することがない。このため、特に上記(1)の作用効果が長期間持続するという大きな利点がある。また、高炉水砕スラグを敷設した水底は性状、外観(白色で天然砂と同様の外観)ともに砂地に近く、しかもスラグ粒子の充填間隙が比較的大きいためにスラグ粒子間の水が入れ替わりやすく、この間隙で溶存酸素濃度が確保されやすい。このため砂地に棲息する生物の棲息環境として特に優れている。
また、製鋼スラグを敷設材として用いた場合には、特に優れた硫化水素や燐の固定化作用が得られる。
本発明法により水底に敷設材を敷設するには、例えば、トレミー管を船から水底まで延ばし、このトレミー管を通じて敷設材を敷設する方法、ガット船周りに汚濁防止膜を設置した上で、ガット船から水底に直接敷設材を投入する方法等を採ることができる。
[実施例1]
湾内の平坦な水底(砂質上に泥質が堆積した水底)に形成された直径が約30mの凹部(深掘り部分)に、高炉水砕スラグを凹部周囲の水底面との平均高低差が1m以下([d−d]≦1m)となるように敷設した。敷設厚みは約15mであった。
この敷設材の敷設による水中の懸濁の度合いを調べるため、凹部の中心部の直上水深5m地点において、上記敷設材の敷設直前の懸濁物質量と敷設材の敷設直後(30分後)の懸濁物質量をそれぞれ測定し、その差を求めた。
また、敷設材の敷設後、3年にわたって半年毎に敷設部水底面の直上、敷設部から50m離れた地点での水底面の直上及び敷設部から100m離れた地点での水底面の直上の各位置で水の硫化水素濃度を測定した。また、敷設してから3年後の敷設材上面レベル(水底面)の沈下量(平均値)を測定した。それらの結果を表1に示す。
[実施例2]
湾内の平坦な水底(砂質上に泥質が堆積した水底)に形成された直径が約20mの凹部(深掘り部分)に、高炉水砕スラグ30mass%、高炉徐冷スラグ30mass%、製鋼スラグ30mass%、都市ゴミスラグ10mass%の混合物を凹部周囲の水底面との平均高低差が1m以下([d−d]≦1m)となるように敷設した。敷設厚みは約10mであった。
この敷設材の敷設による水中の懸濁の度合いを調べるため、凹部の中心部の直上水深5m地点において、上記敷設材の敷設直前の懸濁物質量と敷設材の敷設直後(30分後)の懸濁物質量をそれぞれ測定し、その差を求めた。
また、敷設材の敷設後、3年にわたって半年毎に敷設部水底面の直上、敷設部から50m離れた地点での水底面の直上及び敷設部から100m離れた地点での水底面の直上の各位置で水の硫化水素濃度を測定した。また、敷設してから3年後の敷設材上面レベル(水底面)の沈下量(平均値)を測定した。それらの結果を表1に示す。
[実施例3]
湾内の平坦な水底(砂質上に泥質が堆積した水底)に形成された直径が約30mの凹部(深掘り部分)に、高炉徐冷スラグ25mass%、製鋼スラグ25mass%、都市ゴミスラグ25mass%、廃コンクリート25mass%の混合物を凹部周囲の水底面との平均高低差が1m以下([d−d]≦1m)となるように敷設した。敷設厚みは約15mであった。
この敷設材の敷設による水中の懸濁の度合いを調べるため、凹部の中心部の直上水深5m地点において、上記敷設材の敷設直前の懸濁物質量と敷設材の敷設直後(30分後)の懸濁物質量をそれぞれ測定し、その差を求めた。
また、敷設材の敷設後、3年にわたって半年毎に敷設部水底面の直上、敷設部から50m離れた地点での水底面の直上及び敷設部から100m離れた地点での水底面の直上の各位置で水の硫化水素濃度を測定した。また、敷設してから3年後の敷設材上面レベル(水底面)の沈下量(平均値)を測定した。それらの結果を表1に示す。
[比較例1]
湾内の平坦な水底(砂質上に泥質が堆積した水底)に形成された直径が約40mの凹部(深掘り部分)に、海砂を凹部周囲の水底面との平均高低差が1m以下([d−d]≦1m)となるように敷設した。敷設厚みは約8mであった。
この敷設材の敷設による水中の懸濁の度合いを調べるため、凹部の中心部の直上水深5m地点において、上記敷設材の敷設直前の懸濁物質量と敷設材の敷設直後(30分後)の懸濁物質量をそれぞれ測定し、その差を求めた。
また、敷設材の敷設後、3年にわたって半年毎に敷設部水底面の直上、敷設部から50m離れた地点での水底面の直上及び敷設部から100m離れた地点での水底面の直上の各位置で水の硫化水素濃度を測定した。また、敷設してから3年後の敷設材上面レベル(水底面)の沈下量(平均値)を測定した。それらの結果を表1に示す。
[比較例2]
湾内の平坦な水底(砂質上に泥質が堆積した水底)に形成された直径が約30m、深さ10mの凹部(深掘り部分)について、実施例1における敷設材の敷設時とほぼ同時期から3年にわたって半年毎に深掘部水底面の直上、深掘部から50m離れた地点での水底面の直上及び深掘部から100m離れた地点での水底面の直上の各位置で水の硫化水素濃度を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2004223514
[実施例4]
底層水の溶存酸素濃度が約2ppm(飽和溶解度:約7ppm)となっている水域(約400m四方の水域)の海底に高炉水砕スラグを厚さ約20cmに敷設した。1ヶ月経過後に、スラグ敷設水域の底層水の溶存酸素濃度を測定したところ約4ppmに上昇していた。
[実施例5]
底層水の硫化水素濃度が0.5〜1.2ppmとなっている水域(約1ha)の海底に高炉水砕スラグを厚さ約35cmに敷設した。1ヶ月経過後、6ヶ月経過後、1年経過後にそれぞれスラグ敷設水域の底層水の硫化水素濃度を測定(測定方法:検知管式、検出限界:0.01ppm)したが、硫化水素は検出されなかった。
[実施例6]
底層水の流速が3cm/秒の水域(約1.5ha)の海底に高炉水砕スラグを厚さ約3mに敷設した。このスラグ敷設前とスラグを敷設してから3ヶ月経過後の底層水の水質を比較したところ、スラグ敷設前は硫化水素濃度が1.8ppm、溶存酸素濃度が0.2ppmであったのに対し、スラグを敷設してから3ヶ月経過後では硫化水素濃度が検出限界以下に、溶存酸素濃度が5ppmにそれぞれ改善された。
[実施例7]
海水塩分濃度による密度躍層(表層水の塩分濃度:1.5%、底層水の塩分濃度:2.6%)が形成された水域(約10ha)の海底に高炉水砕スラグを厚さ約0.2mに敷設した。このスラグ敷設前とスラグを敷設してから3ヶ月経過後の底層水の水質を比較したところ、スラグ敷設前は硫化水素濃度が3ppm、溶存酸素濃度が0.1ppmであったのに対し、スラグを敷設してから3ヶ月経過後では硫化水素濃度が検出限界以下に、溶存酸素濃度が3ppmにそれぞれ改善され、また、高炉水砕スラグの敷設により水底が浅くなったため、底層水の塩分濃度も2.3%まで低下した。
[実施例8]
海水温による密度躍層(表層水の水温:24℃、底層水の水温:14℃)が形成された水域(約0.5ha)の海底に高炉水砕スラグを厚さ約3mに敷設した。このスラグ敷設前とスラグを敷設してから6ヶ月経過後の底層水の水質を比較したところ、スラグ敷設前は硫化水素濃度が0.8ppm、溶存酸素濃度が0.3ppmであったのに対し、スラグを敷設してから6ヶ月経過後では硫化水素濃度が検出限界以下に、溶存酸素濃度が4ppmにそれぞれ改善され、また、高炉水砕スラグの敷設により水底が浅くなったため、底層水の水温も16℃まで上昇した。
本発明法の実施形態を示す説明図 従来法における敷設材の作用を示す説明図 本発明法における敷設材の作用を示す説明図
符号の説明
1、1′ 凹部
2 敷設材
20 スラグ
20a 高炉水砕スラグ
20b 高炉水砕スラグ以外のスラグ
21 スラグ以外の素材
3 ケーソン
A、B 水底面

Claims (13)

  1. 水底に形成された凹部内に、全部又は一部が鉄鋼製造プロセスで発生するスラグからなる敷設材を敷設することを特徴とする水底の環境改善法。
  2. 底層水中で硫化水素が検出された水域又は底層水中の溶存酸素濃度が所定値以下の水域の水底に、全部又は一部が鉄鋼製造プロセスで発生するスラグからなる敷設材を敷設することを特徴とする水底の環境改善法。
  3. 底層水の流速が所定値以下の水域の水底に、全部又は一部が鉄鋼製造プロセスで発生するスラグからなる敷設材を敷設することを特徴とする水底の環境改善法。
  4. 水中に水温又は/及び塩分濃度による密度躍層が形成された水域の水底に、全部又は一部が鉄鋼製造プロセスで発生するスラグからなる敷設材を敷設することを特徴とする水底の環境改善方法。
  5. 水底に形成された凹部内に、全部又は一部が鉄鋼製造プロセスで発生するスラグからなる敷設材を敷設し、該敷設材により形成される水底面の平均水深dと凹部周囲の水底面の平均水深dとの差[d−d]を2m以下(但し、[d−d]がマイナス値の場合を含む)とすることを特徴とする水底の環境改善方法。
  6. 敷設材が鉄鋼製造プロセスで発生するスラグとそれ以外の素材とからなり、該敷設材は、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグとそれ以外の素材が混合された状態であるか、又は鉄鋼製造プロセスで発生するスラグが上層側、それ以外の素材が下層側になるようにして水底に敷設されることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の水底の環境改善方法。
  7. 水底に敷設された敷設材の50mass%以上が鉄鋼製造プロセスで発生するスラグからなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6に記載の水底の環境改善方法。
  8. 水底に敷設された敷設材の全部又は一部が高炉水砕スラグであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の水底の環境改善方法。
  9. 水底に敷設された敷設材の最上部層が、高炉水砕スラグを60mass%以上含むことを特徴とする請求項8に記載の水底の環境改善方法。
  10. 水底に敷設された敷設材の最上部層が、粒径10mm以上の製鋼スラグを50mass%以上含むことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9に記載の水底の環境改善方法。
  11. 水底に敷設された敷設材の最下部層が、製鋼スラグを60mass%以上含むことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10に記載の水底の環境改善方法。
  12. 硫化水素の発生源となる水底に敷設される青潮防止材であって、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグからなることを特徴とする水中の環境改善用資材。
  13. 鉄鋼製造プロセスで発生するスラグの全部又は一部が高炉水砕スラグであることを特徴とする請求項12に記載の水中の環境改善用資材。
JP2004055587A 2001-03-21 2004-02-27 水底の環境改善方法 Expired - Lifetime JP4997687B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004055587A JP4997687B2 (ja) 2001-03-21 2004-02-27 水底の環境改善方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001080546 2001-03-21
JP2001080546 2001-03-21
JP2004055587A JP4997687B2 (ja) 2001-03-21 2004-02-27 水底の環境改善方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002080611A Division JP3650934B2 (ja) 2001-03-21 2002-03-22 水底の環境改善方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004223514A true JP2004223514A (ja) 2004-08-12
JP4997687B2 JP4997687B2 (ja) 2012-08-08

Family

ID=32910689

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004055587A Expired - Lifetime JP4997687B2 (ja) 2001-03-21 2004-02-27 水底の環境改善方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4997687B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008132416A (ja) * 2006-11-28 2008-06-12 Stem:Kk 人工水底窪地を原因とする青潮発生の抑制方法
JP2009030366A (ja) * 2007-07-27 2009-02-12 Toyo Constr Co Ltd 水底窪地埋戻し工法
WO2010073680A1 (ja) * 2008-12-25 2010-07-01 新日本製鐵株式会社 水域の底質からの溶存態硫化物の溶出抑制方法
JP2017087085A (ja) * 2015-11-02 2017-05-25 宍道湖漁業協同組合 湖底部又は湾底部で発生する硫化水素の無害化方法、及びそのシステム

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54149209A (en) * 1978-05-15 1979-11-22 Nippon Kokan Kk Soil improving method of waterrbottom ground
JPS565032A (en) * 1979-06-27 1981-01-20 Kei Ai Do Yuugen Utilization of steel making slag to artificial shore
JPH04215900A (ja) * 1990-12-14 1992-08-06 Okutama Kogyo Kk 底質の覆砂法
JPH05345187A (ja) * 1992-06-11 1993-12-27 Nippon Solid Co Ltd 環境浄化材
JP2000078938A (ja) * 1998-09-04 2000-03-21 Nkk Corp 底質・海水の浄化材および浄化法
JP2001047095A (ja) * 1999-08-18 2001-02-20 Tokyo Jimu Service Kk ヘドロ水底の脱リン・脱窒素・脱アンモニア装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54149209A (en) * 1978-05-15 1979-11-22 Nippon Kokan Kk Soil improving method of waterrbottom ground
JPS565032A (en) * 1979-06-27 1981-01-20 Kei Ai Do Yuugen Utilization of steel making slag to artificial shore
JPH04215900A (ja) * 1990-12-14 1992-08-06 Okutama Kogyo Kk 底質の覆砂法
JPH05345187A (ja) * 1992-06-11 1993-12-27 Nippon Solid Co Ltd 環境浄化材
JP2000078938A (ja) * 1998-09-04 2000-03-21 Nkk Corp 底質・海水の浄化材および浄化法
JP2001047095A (ja) * 1999-08-18 2001-02-20 Tokyo Jimu Service Kk ヘドロ水底の脱リン・脱窒素・脱アンモニア装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008132416A (ja) * 2006-11-28 2008-06-12 Stem:Kk 人工水底窪地を原因とする青潮発生の抑制方法
JP2009030366A (ja) * 2007-07-27 2009-02-12 Toyo Constr Co Ltd 水底窪地埋戻し工法
WO2010073680A1 (ja) * 2008-12-25 2010-07-01 新日本製鐵株式会社 水域の底質からの溶存態硫化物の溶出抑制方法
JP4938136B2 (ja) * 2008-12-25 2012-05-23 新日本製鐵株式会社 水域の底質からの溶存態硫化物の溶出抑制方法
JP2017087085A (ja) * 2015-11-02 2017-05-25 宍道湖漁業協同組合 湖底部又は湾底部で発生する硫化水素の無害化方法、及びそのシステム

Also Published As

Publication number Publication date
JP4997687B2 (ja) 2012-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4719316B2 (ja) 浚渫窪地の埋め戻し方法
JP4736449B2 (ja) 浅場等の造成方法
JP5070667B2 (ja) 水中の環境改善方法
JP2000157094A (ja) 水中沈設用石材及びその製造方法
JP4736443B2 (ja) 浅場等の造成方法
JP2007063923A (ja) 水底の覆砂構造及び覆砂方法
JP4736444B2 (ja) 浅場等の造成方法
JP2000139268A (ja) 藻場増殖促進型漁礁
JP4867183B2 (ja) 底質土の覆砂構造および覆砂方法
JP3729160B2 (ja) 水中又は水浜の環境改善方法及び環境改善用資材
JP4872275B2 (ja) 水底の覆砂方法
JP2004223514A (ja) 水底の環境改善方法
JP2003286711A (ja) 水底の環境改善方法
JP2004236546A (ja) 水中又は水浜の環境改善方法
JP5742477B2 (ja) 浚渫窪地の埋め戻し方法
JP3617405B2 (ja) 水底構造および底質・水質浄化法
JP3650934B2 (ja) 水底の環境改善方法
JP2012193223A (ja) 水底堆積土の処理方法
JP4736448B2 (ja) 浅場等の造成方法
JP4084681B2 (ja) 覆砂構造および覆砂工法
JP2004000104A (ja) 水中又は水浜の環境改善方法
JP2003253642A (ja) 水中構造体の設置方法及び水中構造体用ブロック
JP4069056B2 (ja) 干潟、浅場用水域環境修復材料
JP2003026456A (ja) 港湾工事用製鋼スラグ
JP2003158946A (ja) 水中又は水浜の環境改善方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090406

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100406

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110607

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110906

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111018

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20111021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120417

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120430

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4997687

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150525

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term