JP2008132416A - 人工水底窪地を原因とする青潮発生の抑制方法 - Google Patents

人工水底窪地を原因とする青潮発生の抑制方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008132416A
JP2008132416A JP2006319703A JP2006319703A JP2008132416A JP 2008132416 A JP2008132416 A JP 2008132416A JP 2006319703 A JP2006319703 A JP 2006319703A JP 2006319703 A JP2006319703 A JP 2006319703A JP 2008132416 A JP2008132416 A JP 2008132416A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mud
floating
treatment
artificial
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006319703A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4842781B2 (ja
Inventor
Shoichiro Inoue
祥一郎 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Earth Techno Kk
MEIHO TECHNO KK
STEM KK
Original Assignee
Earth Techno Kk
MEIHO TECHNO KK
STEM KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Earth Techno Kk, MEIHO TECHNO KK, STEM KK filed Critical Earth Techno Kk
Priority to JP2006319703A priority Critical patent/JP4842781B2/ja
Publication of JP2008132416A publication Critical patent/JP2008132416A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4842781B2 publication Critical patent/JP4842781B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/20Sludge processing
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/30Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies
    • Y02W10/37Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies using solar energy

Landscapes

  • Treatment Of Sludge (AREA)

Abstract

【課題】
本発明は、内湾等の閉鎖性水域内において、航路、泊地等、人工的に造られた人工水底窪地における貧酸素、無酸素状態を改善し、前記人工水底窪地周辺で発生する青潮を抑制することを課題としている。
【解決手段】
閉鎖性水域Eにおける人工水底窪地Hの底部Haに滞留する浮泥1を、海水Wと共に揚泥ポンプP0 を用いて揚泥し、送泥管32を介して浮泥処理装置Fに送泥し、当該浮泥処理装置Fの分離装置等にて除砂処理、及び第一及び第二曝気槽T1 ,T2 にて曝気処理を行うことにより改善泥1cに改質し、当該改善泥1cを前記第二曝気槽T2 中の間隙水5と共に、前記人工水底窪地Hに返泥する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内湾等の閉鎖性水域内において、航路、泊地等、人工的に造られた水底窪地に蓄積した易分解性有機物を含む浮泥を曝気することによって、貧酸素状態を改善し、前記閉鎖性水域の沿岸域周辺で発生する青潮を抑制する方法に関するものである。
近年、東京湾、大阪湾、又は三河湾等、主に都市部近郊の内湾では、夏から秋にかけて表層付近の水色が青白色又は青緑色に見える青潮が発生している。これは、わが国の水産物自給率等、食糧問題にまで発展する可能性もあり、社会問題となっている。青潮は、貧酸素状態の底層域で生成された硫化水素が風等で上層に湧昇し、酸素との接触で粒子状硫黄に変化することで発生するものである。ここで、内湾における青潮の発生機構をステップ(a)から(j)の順に図6を用いて説明する。図7は、青潮の発生機構の概念図である。なお、図7において、O2 ,H2 Oはそれぞれ酸素、水であり、SO4 2-,S,H2 Sはそれぞれ硫酸イオン、粒子状硫黄、硫化水素である。また、硫化水素は海水中では硫化水素イオン(HS- )、硫化物イオン(S2-)、水素イオン(H+ )に乖離しているが、簡便のためにH2 Sと表記している。まず、(a)都市部から窒素、リン等の栄養塩類、有機物等を含有する生活廃水や工業廃水が河川等の外部から流入し、海水が富栄養化する。(b)栄養塩類を栄養源とする植物性プランクトンが異常発生して増殖し、それに伴い動物性プランクトンも増殖する。(c)前記両プランクトンの死骸等の内部生産された有機物、及び外部流入した有機物は、冬場は水温が低く、微生物が不活性なので、底部に沈積していく。通常、冬場には海水流の循環が起こり、上層と下層の海水交換率が高いので溶存酸素量は上層と下層で大差はない。春から夏になると、上層と下層とで水温に差が生じるため温度躍層が出現すると同時に、河口付近等の汽水領域では上層と下層とで塩分濃度に差が生じるため塩分躍層も出現する。両躍層を併せて密度躍層と呼ぶ。その一方、(d)微生物が活発化し、海水中の酸素を利用して底部に沈積した有機物を分解していく。(e)前記底部周辺の溶存酸素が大量に消費される。(f)前記躍層により海水交換が起こらないので、前記底部は溶存酸素量の乏しい貧酸素状態或いは無酸素状態に至る。(g)貧酸素・無酸素状態に至った前記底部では、好気活性の微生物に代わって、嫌気活性の硫酸還元菌が海水中の硫酸イオンを利用して有機物を酸化分解し始める。(h)有機物の酸化分解により硫酸イオンは還元されて硫化水素となり、底部における硫化水素濃度は上昇していく。 (i)陸から海に向けて風が吹くと、上層の海水が沖に運ばれると同時に、それに引き上げられるようにして底部における貧酸素・無酸素水塊が上層に湧昇する。湧昇した貧酸素・ 無酸素水塊は、高濃度の硫化水素を含んでいるので、湧昇する過程で海水中の魚介類を死滅させると同時に、浅瀬で生息するアサリの漁場等に被害を及ぼす。また、沿岸域周辺には硫化水素の悪臭をもたらす。(j)前記湧昇水塊が上層の溶存酸素や表層で大気中の空気に触れると,硫化水素が粒子状硫黄や多硫化物イオンに酸化される。これらが太陽光を散乱するので、海水固有の色と重なり合って青白色又は青緑色として目に届く。これが青潮である。この現象は、富栄養化した汽水湖沼においても発生する恐れがある。青潮発生はわが国の漁業、水産業に大きな被害を与え、食糧問題にも繋がる可能性があるため、早期解決が望まれる大きな問題となっている。なお、青潮は、粒子状硫黄や多硫化物イオンが更に酸化されて硫酸イオンとなると解消される。
内湾や湖沼における青潮発生を抑制する方法としては、上記の各ステップ(a)ないし(j)において、次のステップに進行するのを阻止できればよく、これまでに以下に挙げる方法が開示されている。ステップ(c)を阻止する方法としては、例えば、内湾の浚渫跡地では埋め戻しを実施して、有機物が滞留し易い浚渫跡地をなくす方法がある。ステップ(f)を阻止する方法として、例えば、底層の貧酸素・無酸素水塊を汲み上げて、大気中の空気と接触させる方法、前記水塊を揚水して高圧条件下で酸素を溶解させた後に底層に戻す方法や、前記底層に向けて空気を送り込む方法がある。また、特許文献1に示すように、本願出願人は、ステップ(f)及び(h)を阻止するための有効な方法として、湖沼や汽水域の高濃度硫化水素水をポンプで汲み上げて脱硫黄槽に導き、光合成硫黄細菌により硫化水素を酸化させて硫黄粒子を析出させて回収した後に、前記水域に戻すと同時に、前記水域底部に堆積するヘドロを揚泥し、活性汚泥法により富酸素状態に改質させてから返泥する方法を開示している。
上記のように青潮を抑制する手段が講じられてはいるものの、実際には、海底や湖底の貧酸素状態は自然現象であって青潮発生もその一環であり、青潮を抑制するには広大な領域を浄化処理の対象としなければならないという従来からの先入観があるために、青潮抑制の具体的かつ実質的な直接抑制策は積極的には講じられていないのが現状である。しかし、本願出願人は、これまでに実施してきた調査、実験等から、内湾のような閉鎖性水域において、青潮の発生源は浚渫跡地に限られたものではなく、航路や泊地等の人工的に造られた人工水底窪地においても貧酸素・無酸素状態が出現しており、その周辺域で青潮が頻繁に発生していることに着目した。そして、従来からの前記先入観に対して、本願出願人は、前記人工水底窪地周辺で発生する青潮は自然現象ではなく、むしろ公害と言えるものであり、前記人工水底窪地という限られた領域に的を絞って浄化処理等の手段を講じることでも十分に青潮抑制効果は期待できると考え、人工水底窪地における貧酸素・無酸素状態の改善方法及び、前記人工水底窪地が原因となってその周辺で発生する青潮の抑制方法を着想した。
特許第3425494号公報
本発明は、内湾等の閉鎖性水域内において、航路、泊地等、人工的に造られた人工水底窪地における貧酸素、無酸素状態を改善し、前記人工水底窪地周辺で発生する青潮を抑制することを課題としている。
上記の課題を解決するための請求項1の発明は、閉鎖性水域における人工水底窪地の底部に滞留する浮泥を、海水と共にポンプを用いて揚泥し、送泥管を介して浮泥処理装置に送泥し、当該浮泥処理装置の分離装置にて除砂処理、及び曝気槽にて曝気処理を行って、除砂処理後の浮泥中に含まれる易分解性有機物の分解と前記浮泥中に無機物質として主に含まれる鉄分の酸化された改善泥に改質し、当該改善泥を前記曝気槽中の間隙水と共に、元の人工水底窪地に返泥することを特徴としている。
請求項1の発明によれば、人工水底窪地の底部に浮遊状態で滞留する浮泥を曝気処理の対象としているので、揚泥する際は、前記底部に圧密されて堆積しているヘドロを曝気処理する場合と比べて、特殊な採泥機等は不要なので簡便であり、容易にポンプで吸引して浮泥処理装置まで送泥できるので効率的かつ経済的である。また、浮泥はヘドロに比べて砂の割合が少なく、揚泥時に若干混入する砂を除去するだけで済むので、浮泥処理装置内での除砂工程を簡略化できる。更に、浮泥を曝気処理して得られる改善泥は前記ヘドロに比べると含水率が圧倒的に高く、前記改善泥は水との接触面積が大きい。このため、元の人工水底窪地に返泥すると、改善泥中の三酸化二鉄(Fe2 3 )が底部付近に存在する新たに加わる易分解性有機物や硫化水素と反応するための反応場が増大し、反応しやすい。
請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、前記浮泥を密度躍層形成前に揚泥し、曝気処理を行った後、前記密度躍層形成後に前記人工水底窪地に返泥することを特徴としている。
密度躍層が形成される前の前記浮泥は、秋から冬に沈降して蓄積された多量の易分解性有機物を含有している。好気活性の微生物は酸素を消費して易分解性有機物を酸化分解するので、易分解性有機物の存在は、人工水底窪地底部が貧酸素化する原因となる。請求項2の発明によれば、密度躍層が形成され、当該密度躍層の上下層で海水交換が滞る直前に近い時期に、人工水底窪地底部から浮泥を揚泥し、当該浮泥に含まれている秋から冬に蓄積した分の易分解性有機物を除去することによって、前記底部での酸素消費が低減されて遊離酸素が残存するので、前記底部の貧酸素化の進行が抑制される。
また、密度躍層が形成され、その上下層で海水交換が起こらなくなってからも、易分解性有機物は絶えず内部生産、或いは外部流入している。このため微生物が易分解性有機物を分解するのに前記下層の溶存酸素を消費し尽くしてしまう可能性がある。しかし、揚泥した浮泥を曝気処理して得られた改善泥には三酸化二鉄が含まれており、当該三酸化二鉄が易分解性有機物を生物的又は化学的に酸化して分解・無機化する。当該酸化に伴って、三酸化二鉄は二価の鉄イオン(Fe2+)に還元されて溶出する。当該鉄イオンが還元し尽くされると、海水中の硫酸還元菌が、海水中に多量に含まれる硫酸イオンを利用して前記易分解性有機物を分解・無機化する。その結果、前記硫酸イオンが還元されて硫化水素が発生してしまう。しかし、前記二価の鉄イオンは、前記硫化水素が乖離した硫化物イオンと反応して、当該硫化物イオンを安定な硫化第一鉄(FeS)として沈殿させる。従って、請求項2の発明によれば、密度躍層が形成された後に、前記改善泥を返泥することによって、人工水底窪地底部で酸素が消費されてしまった場合でも、前記改善泥中に存在する三酸化二鉄によって、易分解性有機物は酸化されて分解・無機化し、硫化水素の生成量は低減される。更に、前記硫化第一鉄の生成により、硫化水素が生成されても硫化水素として海水中に長期間留まることはないので、海水中の硫化水素濃度は増加しない。従って、青潮発生の抑制に繋がる。また、前記改善泥を密度躍層が形成された後に返泥するので、改善泥の表層への巻き上がりは防止され、三酸化二鉄による上記の反応は密度躍層の下層域で効率良く行われる。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記浮泥は、前記曝気処理の後に、改善泥として間隙水と共に返泥までの所定期間を貯泥槽に収容されることを特徴としている。
人工水底窪地の底部に滞留する浮泥を密度躍層形成前に揚泥して曝気処理を行い、前記密度躍層形成後に改善泥として返泥するので、曝気槽の容量により揚泥から返泥までに1ヶ月から2ヶ月程度の期間がある。請求項3の発明によれば、浮泥処理装置内に貯泥槽が設けられることによって、曝気処理工程後の改善泥は順次貯泥槽に収容されていくので、浮泥処理工程の稼働率が低下することはない。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明において、前記浮泥処理装置の処理工程は、送泥された浮泥を分離装置により除砂する工程と、曝気槽に圧送した後に前記浮泥を曝気処理する工程と、当該曝気処理により前記浮泥中に含まれる易分解性有機物の分解と無機物質として主に含まれる鉄分の酸化によって改質した改善泥を、間隙水と共に元の人工水底窪地に返泥する工程からなることを特徴としている。
請求項4の発明によれば、浮泥処理装置において、まず、送泥された浮泥中の砂をサイクロン装置等の分離装置により除砂することで、前記浮泥処理装置内の装置類の損耗を防止できる。次に、除砂された浮泥水は曝気槽に圧送され、活性汚泥法様処理により曝気される。当該曝気処理により、浮泥水に含まれる易分解性有機物が微生物の作用により酸化されて分解・無機化し、また、回分運転による間欠曝気処理により前記易分解性有機物中の窒素は硝化、脱窒される。また、浮泥水に硫化水素が溶解している場合には当該硫化水素は硫酸イオンに酸化される。更に、浮泥に含まれる硫化第一鉄、及び浮泥水中に含まれる二価の鉄イオンは三酸化二鉄に酸化される。従って、曝気処理により得られる改善泥水には、溶存酸素の消費の原因となる易分解性有機物は殆ど含まれておらず、また、富栄養化の原因物質である窒素も脱窒処理され、更に、魚介類に有毒な硫化水素は酸化されて、元々海水中に多く存在する硫酸イオンに戻る。反応に乏しい硫化第一鉄や還元状態の二価の鉄イオンは、酸化剤として反応できる三酸化二鉄に酸化されて改善泥中に含まれる。以上より、曝気処理によって浮泥は改善泥に改質される。
前記改善泥水を元の人工水底窪地に返泥することによって、以下のような効果が期待できる。まず、改善泥中には易分解性有機物が殆ど含まれないので、返泥しても微生物により溶存酸素は消費されない。また、返泥後に内部生産又は外部流入する易分解性有機物に対しては、改善泥中の三酸化二鉄が前記易分解性有機物を酸化分解して、自らは二価の鉄イオンに還元される。更に、海水中に溶解している硫化水素に対しては、改善泥中の三酸化二鉄により酸化されて硫酸イオンに戻るか、前記三酸化二鉄が消費された後は、前記二価の鉄イオンにより硫化第一鉄として沈殿化させるので、海水中の硫化水素濃度は格段に低減する。青潮発生の抑制に効果的である。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の発明において、前記人工水底窪地の底部に、所定勾配を有する傾斜をつけ、浮泥が移動して滞留する最深部を揚泥区域として、前記浮泥を揚泥することを特徴としている。
請求項5の発明によれば、航路、泊地等の人工水底窪地を建設する際に、前記人工水底窪地の底部を傾斜させて整形し、所定の位置に最深部を設けることによって、浮泥は傾斜に沿って移動して、前記底部の最深部に集積していく。このため、前記最深部に送泥管の吸引口を設置しておけば、集積した浮泥を効率的に採泥できる。通常、浮泥処理装置は閉鎖性水域沿岸の陸地に建設されるので、前記浮泥処理装置になるべく近い場所に前記最深部を設けると、浮泥の送泥距離を短縮できる。
本発明によれば、航路、泊地等の人工水底窪地の底部に浮遊状態で滞留している浮泥を揚泥し、曝気処理し、返泥することによって以下の効果が期待できる。まず、前記底部に蓄積されている易分解性有機物が除去されるので、微生物による酸素消費量が大幅に抑制されて、前記底部の貧酸素化の進行が阻止される。また、曝気処理で得られた改善泥を返泥することによって、返泥先に三酸化二鉄が供給される。当該三酸化二鉄は、易分解性有機物を酸化して分解・無機化し、自らは還元されて二価の鉄イオンとなって溶出する。当該鉄イオンは、海水中の硫化水素を硫化第一鉄として沈殿させる。従って、易分解性有機物の分解・無機化で生成する硫化水素を低減させると同時に、海水中に既存の硫化水素についても低減させるので、人工水底窪地の底部における硫化水素濃度は低減し、青潮の発生は抑制される。
以下、最良の実施形態を挙げて本願発明について更に詳細に説明する。なお、本願出願人は、本願発明を着想するにあたり、閉鎖性水域に堆積している底泥中の有機物には、易分解性有機物と難分解性有機物の二種類が存在し、夏から秋に採泥すると底泥中の有機物はほぼ難分解性有機物のみであるのに対し、冬に採泥すると易分解性有機物と難分解性有機物が両方存在するという知見を実験的に見出した。そこで、まずは前記知見の契機となった実験結果について、図4及び図5を用いて説明した後、本願発明について詳細に説明することとする。図4は、閉鎖性の各水域で採泥された底泥の曝気処理前後における易分解性有機物の減少率を示した表であり、図5は、底泥中の易分解性有機物と難分解性有機物の存在比の季節毎の変化を示した概念図である。図4に示されるように、本願出願人は、愛知県碧南市の油が淵、愛知県名古屋市の庄内川河口、愛知県春日井市の八田川、静岡県静岡市清水の遊水池の各水域で、所定時期に底泥を採泥し、間欠曝気処理を所定期間実施した。油が淵、庄内川河口は汽水域であり、八田川は製紙工場廃水処理水が流入する特異な淡水域、静岡遊水池は淡水の雨水調整池である。次に、間欠曝気処理の前後で、前記各底泥の浮遊物質量及び汚泥有機性浮遊物質量を測定し、各底泥の浮遊物質量の減少率を算出した。図4において、MLSSは汚泥浮遊物質、MLVSSは汚泥有機性浮遊物質である。MLVSS/MLSSは、MLSSに対するMLVSSの比であり、底泥の浮遊物質に含まれる浮遊有機物量を表す。また、図4中の「減少率」とは、間欠曝気処理前に対する処理後の浮遊物質量の減少率であり、処理前の浮遊物質量から処理後の浮遊物質量を引いた差を処理前の浮遊物質量で割った商の百分率で表される。庄内川河口及び八田川の底泥において、11月の底泥では間欠曝気処理前に比べて処理後の浮遊物質量は、微増したものの大差はなかった。一方、1月の底泥では間欠曝気処理前に比べて処理後の浮遊物質量は大幅に減少し、曝気処理により減少した有機物量と残存した有機物量の比は約2対3となった。これに対して、油が淵から9月末から10月初旬に採泥した底泥や、静岡遊水池から7月中旬に採泥した底泥では、間欠曝気処理前後の浮遊物質量に大差はなかった。以上の結果より、1月に採泥した八田川及び庄内川河口の底泥において、曝気処理により減少した有機物は易分解性有機物であり、残存した有機物は難分解性有機物であることが分かった。即ち、前記両水域の1月の浮遊物質量が11月に比べて大幅に減少したのは、間欠曝気処理により浮遊物質中の有機物のうち、易分解性有機物が分解されたためである。また、全水域で夏から晩秋にかけて採泥した底泥の浮遊物質量が処理前後で大差なかったのは、易分解性有機物は存在せず、難分解性有機物のみが存在していたためと判断された。従って、底泥中の有機物には難分解性有機物と易分解性有機物が混在しており、難分解性有機物量は年間を通じて殆ど一定量含まれている一方、易分解性有機物量は夏から秋にかけては殆ど底泥には含まれないが、晩秋から春には相当量含まれると考えられた。
前記知見を、上記の青潮発生機構における海水の富栄養化[ステップ(a)]から底部の貧酸素、無酸素状態[ステップ(f)]に至る過程に当てはめると、人工水底窪地における底泥中の易分解性有機物の存在量は、図5に示すように季節毎に変動すると考えられる。即ち、晩秋から春先(11月下旬から4月)は水温が低く、人工水底窪地への易分解性有機物の供給(増加)速度は、微生物による分解速度を上回るため、易分解性有機物は人工水底窪地底部に沈降し、蓄積されていく。春から初夏(4月から6月)は水温が上昇し、微生物が活発化するので、易分解性有機物の分解速度が供給速度を大きく上回り、冬場に蓄積された易分解性有機物を急速に分解する結果、底泥中の易分解性有機物量は急速に減少して皆無となる。夏から秋は引き続き易分解性有機物の増加速度よりも微生物による分解速度が上回っているので、易分解性有機物は内部生産又は外部流入するが、前記底泥中には易分解性有機物は殆ど存在しないこととなる。なお、農業の分野では、堆肥製造に関し、有機物を易分解性有機物と難分解性有機物に分けて扱うことはあるが、閉鎖性水域の底泥中の有機物を易分解性有機物と難分解性有機物に分けて扱うことは今までになかった。このため、水底の貧酸素状態の改善、及び青潮の抑制についての従来の対策においても、底泥中の有機物を易分解性有機物と難分解性有機物とに区別されてはこなかった。
次に、本願発明について、図1ないし図3を用いて詳細に説明する。本願発明は、閉鎖性水域Eである内湾の底部に形成された航路や泊地等の人工水底窪地Hに的を絞り、前記人工水底窪地Hの底部Ha付近の貧酸素・無酸素状態を改善し、その波及効果として前記内湾で発生する青潮を抑制しようとするものである。図1は、本願発明における人工水底窪地Hの貧酸素改善及び青潮抑制方法の概念図である。図2は、沿岸に浮泥処理装置Fを設置した航路及び泊地の平面図である。図3は、図2のX−X線断面図である。まず、図1ないし図3を用いて、本願発明を実施するための浮泥処理装置Fの構成を処理工程と併せて説明し、次に、各処理工程の特徴、及び効果について説明する。図1に示すように、閉鎖性水域Eにおける人工水底窪地Hの底部Haには、砂、シルト・粘土、有機物等が圧密状態で堆積したヘドロ3、又は浚渫によりヘドロ3が除去された基底と、前記ヘドロ3又は基底上に、浮遊状態で滞留する浮泥1が存在している。浮泥1は、主にシルト・粘土や有機物から構成されている。浮泥1は、当該浮泥1の周囲の海水Wと共に浮泥水1’として、異物混入を防止する装置が具備された揚泥ポンプP0 によって吸引され、ホース31内を通り、陸地Dに設置された浮泥処理装置Fにおける液体サイクロン装置Sに圧送される。揚泥区域が浮泥処理装置Fから遠距離にある場合には、図2に示すように、前記浮泥水1’は、揚泥ポンプP0 で吸引されてホース31で圧送船(又は圧送体)21に送られ、当該圧送船(又は圧送体)21からは送泥管32を通って前記液体サイクロン装置Sまで圧送される。なお、符号21aはホース巻取り器、符号21bは圧送ポンプ、符号22は一般船である。
液体サイクロン装置Sまで圧送された前記浮泥水1’には、揚泥の際に混入した粒径の大きな砂2が含まれていて、浮泥処理装置F内の装置等の損耗の原因となる。このため、液体サイクロン装置Sで除砂される。即ち、前記浮泥水1’は、液体サイクロン装置Sに流入すると、遠心力の作用により前記浮泥水1’から砂2のみが分離、除去される。砂2が除去された除砂浮泥1aは、液体サイクロン装置Sの流出口(図示せず)から排出されて、除砂槽Bに一時的に貯留された後に、除砂槽ポンプP1 により所定時間毎に第一曝気槽T1 に所定量が送り込まれる。なお、分離された砂2は、液体サイクロン装置Sの下端の排出口から排出されて、液体サイクロン装置Sの直下の砂収容容器41に一時的に貯留されて、脱水処理される。砂収容容器41内に砂2が十分に収容された際は、砂資源として別の用途に利用される。
浮泥処理装置Fは、前記液体サイクロン装置S,前記除砂槽B、第一曝気槽T1 、第二曝気槽T2 、及び貯泥槽T3 から構成される。第一曝気槽T1 には第二曝気槽T2 が併設されていて、除砂浮泥1aは二段階で間欠曝気処理される。第一及び第二の各曝気槽T1 ,T2 は同一構成であって、収容された除砂浮泥1a内に空気を供給するために底部に配置されたエアレータ11と、前記除砂浮泥1aを攪拌するために底部に配置された攪拌ポンプP2 と、間欠曝気処理されて前記各曝気槽T1 ,T2 の上半部に分離された上澄水4を元の閉鎖性水域Eに放流するための放流ポンプP3 と、間欠曝気により改質された中間改善泥1bを第一曝気槽T1 から第二曝気槽T2 に移送し、又は第二曝気槽T2 で改質された改善泥1cを貯泥槽T3 に移送するための移送ポンプP4 とを備えている。第一及び第二曝気槽T1 ,T2 では、曝気電力として経済的な夜間電力が利用可能となっている。貯泥槽T3 は、第二曝気槽T2 に併設されていて、第二曝気槽T2 から移送された改善泥1cを元の人工水底窪地Hに返泥するまでの間に改善泥1cを攪拌しておくための攪拌装置12と、前記人工水底窪地Hに返泥するための移送ポンプP4 を備えている。貯泥槽T3 の移送ポンプP4 は前記人工水底窪地Hに返泥するため返泥管33と連結している。
第一及び第二曝気槽T1 ,T2 にそれぞれ収容された除砂浮泥1a及び中間改善泥1bは、回分式活性汚泥法に準じて数回に亘って間欠曝気処理される。回分方式で曝気処理されることにより、第一曝気槽T1 では、曝気停止中に中間改善泥1bが沈殿するので、このときに上層に分離した上澄水4は放流ポンプP3 により元の閉鎖性水域Eに所定量放流される。上記の間欠曝気が繰り返されて、第一曝気槽T1 内に沈殿した中間改善泥1bは一定段階まで好気化されて、改質する。この段階で、前記中間改善泥1bは移送ポンプP4 により第二曝気槽T2 に移送される。前記上澄水4の放流、及び中間改善泥1bの第二曝気槽T2 への移送によって、第一曝気槽T1 内の被処理浮泥の量が一定値まで減少したときには、除砂槽ポンプP1 で除砂槽Bから新規の除砂浮泥1aを第一曝気槽T1 に送り込んだ後に、上記の間欠曝気を繰り返すことによって、常に最大処理量で曝気処理を行うことができる。第二曝気槽T2 に移送された中間改善泥1bは、再度第一曝気槽T1 と同様の間欠曝気が行われ、曝気停止時に上層に生成した上澄水4は、放流ポンプP3 により元の閉鎖性水域Eに所定量放流される。また、より一層好気化されて改質した改善泥1cは、移送ポンプP4 により貯泥槽T3 に移送される。なお、第二曝気槽T2 における上澄水4は、貯泥槽T3 にも所定量放流される。
二段階の曝気処理工程が終了して貯泥槽T3 に移送された改善泥1cは、元の人工水底窪地Hに返泥されるまでの間、貯泥槽T3 に収容され、貯泥される。貯泥槽T3 内では改善泥1cが底部に圧密化しないように攪拌装置12等で随時、又は常時攪拌される。改善泥1cは、返泥管33を介して、上澄水4が加えられた間隙水5と共に改善泥水1c’として前記人工水底窪地Hに戻される。このため、貯泥槽T3 内に上澄水4が所定量放流される。改善泥1cの返泥時において、前記改善泥水1c’が返泥管33を滞りなく流通可能にするためには、貯泥槽T3 内の改善泥1c量に対して相当量の間隙水5が貯泥槽T3 内に存在する必要がある。このため、改善泥1cの収容量を考慮して決められた所定量の上澄水4が、随時又は返泥直前に貯泥槽T3 内に放流される。放流された前記上澄水4は、改善泥1cと十分に攪拌された後に、改善泥水1c’として、移送ポンプP4 により返泥管33を通って人工水底窪地Hに戻される。なお、返泥管33は、送泥管32と同一でも良い。また、貯泥槽T3 内の改善泥1cの攪拌において、貯泥槽T3 内に上澄水4が十分に存在して攪拌ポンプP2 で攪拌可能であるならば、攪拌装置12の代わりに第一及び第二曝気槽T1 ,T2 と同様の攪拌ポンプP2 を利用しても良い。更に、第一又は第二曝気槽T1 ,T2 の段階において、所定レベルまで改善泥1cが改善されているのが確認できれば、移送ポンプP4 を用いて第一又は第二曝気槽T1 ,T2 から直接返泥しても良い。
以上より、本願発明における人工水底窪地Hの底部Haの貧酸素化の改善方法は、人工水底窪地Hの底部Haから浮泥1を揚泥し、浮泥処理装置Fに送泥する工程と、浮泥処理装置Fで除砂処理と曝気処理を行い、改善泥1cを生成する工程と、改善泥水1c’を揚泥区域である前記底部Haに戻す工程から構成される。以下、図1ないし図3及び図5を用いて、浮泥1の揚泥、曝気処理、返泥について更に詳細に説明する。
まず、図2及び図3を用いて、浮泥1の揚泥区域について説明する。浮泥1の揚泥区域は、閉鎖性水域Eである内湾の底部には、航路や泊地等、浚渫して人工的に造られた人工水底窪地Hが存在する。人工水底窪地H内は、海水Wが溜まり易く、通常でも上層との海水交換が起こりにくい深場となっている。内湾では、河口付近は汽水域で密度躍層(塩分躍層)Lが発達し、また、夏から秋には密度躍層(温度躍層)Lも発達するので、密度躍層Lの上層Lbと下層Laでは海水Wの交換が滞り、人工水底窪地Hの底部Haでは海水Wがより一層停滞し易い。揚泥区域の特定は、深浅の現状を測定した海図等を利用して、浮泥1が滞留し易い区域を判断して特定する。前記揚泥区域が浮泥処理装置Fが設置されている場所の近隣である場合には、前記揚泥区域における浮泥1は、揚泥ポンプP0 により海水Wと共に吸引されて、ホース31により浮泥水1’として直接浮泥処理装置Fに移送される。一方、前記揚泥区域が前記浮泥処理装置Fから遠方である場合には、圧送船21を利用すればよく、前記浮泥水1’を揚泥ポンプP0 で吸引してホース31により圧送船21に移送し、当該圧送船21から圧送ポンプ21bを利用して、海上及び陸上に敷設された送泥管32を介して陸地Dの浮泥処理装置Fまで圧送する。なお、圧送船21は、海面上に浮遊可能でホース巻取り器21a及び圧送ポンプ21bを搭載した圧送体でもよく、当該圧送体を利用する場合には、揚泥区域まで当該圧送体を船で牽引して行けば圧送船21と同様の効果が期待できる。
閉鎖性水域Eである内湾の底部を浚渫して、泊地や航路等の人工水底窪地Hを新たに造る場合、或いは既存の人工水底窪地Hの底部Haを改良する場合には、前記底部Haに滞留した浮泥1が移動して集積する場所を形成すると、揚泥の効率化が図れる。即ち、例えば、人工水底窪地Hが航路である場合には、航路の長手方向において、沖合よりも陸地側の水深が深くなるように、所定勾配θを有する傾斜を底部Haに設けることで、前記航路の底部Haに滞留する浮泥1は、傾斜に沿って陸地側に移動していき、最深部Ha0 に集積される。このため、前記最深部Ha0 を揚泥区域とすれば、上記のように圧送船21を利用することなく、一箇所で効率的に前記浮泥1を揚泥できる。また、人工水底窪地Hが泊地である場合には、前記泊地内に一箇所又は複数箇所の揚泥区域を定め、前記泊地内に滞留した浮泥1が当該各揚泥区域に集積されるように、底部Haに傾斜を設けても良い。更に、別途吹送する機器を所定位置に設置すれば、浮泥1はより容易に揚泥区域に集積する。
浮泥1の揚泥時期について説明する。上記したように、浮泥1は有機物を含有しており、難分解性有機物と易分解性有機物の二種類が存在する。図5に示されるように、本願出願人による実験的知見により、夏場(初夏から晩秋)においては、易分解性有機物は微生物により分解し尽くされるため、浮泥1に含有される有機物は殆どが難分解性有機物である。一方、冬場(初冬から春)においては、微生物による易分解性有機物の分解速度が小さくなるため、易分解性有機物は増加し、人工水底窪地Hの底部Haに浮泥1の構成成分として蓄積されていく。春になり気温が上昇すると、微生物が活性化して好気呼吸が盛んになり、易分解性有機物の分解速度が急激に増大するので、冬場に蓄積した易分解性有機物が一気に分解される。この結果、人工水底窪地Hの底部Haにおける海水W中の溶存酸素は大量に消費されて、前記底部Haは貧酸素状態となる。また、時期を同じくして、内湾には密度躍層Lが発達し、前記底部Haの貧酸素状態を無酸素状態にまで悪化させる。そこで、冬場に十分蓄積した易分解性有機物を含有する浮泥1を、密度躍層Lの発達前に揚泥し、易分解性有機物を前記底部Haから除去する。密度躍層Lの発達前に浮泥1を揚泥することによって、微生物による分解速度が上昇しても、分解の対象となる易分解性有機物が存在しないので、前記底部Haにおける海水W中の溶存酸素の消費は大幅に低減される。このため、密度躍層Lが発達して密度躍層Lの上層Lbと下層Laとの海水交換が起こらなくなっても、下層La、即ち前記底部Haにおける海水Wには溶存酸素が残り、貧酸素・無酸素状態に至るのを免れる。浮泥1を揚泥する具体的な時期は、まず、揚泥区域直近の水域における塩分濃度や水温等を年間を通じて毎日観測されているデータから密度躍層Lの発達時期を予測する。次に、揚泥量、揚泥速度、浮泥処理装置Fの処理速度等を考慮して、前記密度躍層Lの発達予定日前には完全に浮泥1を揚泥し終えているようにスケジュールを組み、浮泥1の揚泥開始日を決めれば良い。
次に、本願発明で処理対象となっている浮泥1について説明する。浮泥1は、上記したように、主に粒径の微小なシルト・粘土や有機物から構成されていて、粒径の大きな砂2の有無以外には、ヘドロ3と比べて構成成分に大きな相違はない。しかし、浮泥1を処理対象とする理由は以下に示す通りである。まず、ヘドロ3よりも容易に浮泥処理装置Fまで送泥可能な点である。即ち、ヘドロ3は前記底部Haに圧密状態で堆積しているため、ヘドロ3を揚泥する場合には、揚泥機等で掬い掘るか又は掻き集めるようにして採泥し、そこから揚泥ポンプP0 で揚泥しなければならない。しかし、浮泥1を揚泥する場合には、元々浮遊状態で滞留しているために、特殊な採泥機等を必要とせず、揚泥ポンプP0 で吸引すれば、容易に吸い込まれて送泥管32を通って揚泥される。また、浮泥1は含水率が高く、海水Wとの接触面積が大きい点である。このため、曝気処理後に改善泥1cとして返泥された際には、改善泥1c中に含まれる三酸化二鉄が前記底部Haに存在している易分解性有機物、及び溶解している硫化水素と反応する反応場が大きい。この結果、貧酸素化及び青潮の原因となる易分解性有機物及び硫化水素が三酸化二鉄と効率良く反応し、海水W中の易分解性有機物量及び硫化水素量の低減に効果的である。
次に、曝気処理工程について図1を用いて説明する。本願発明における曝気処理は、公知の回分式活性汚泥法による間欠曝気処理である。浮泥水1’として浮泥処理装置Fまで送泥された浮泥1は、液体サイクロン装置S及び除砂槽Bで除砂されて除砂浮泥1aとして第一曝気槽T1 に移送される。前記除砂浮泥1aには、シルト・粘土中に硫化第一鉄、易分解性有機物、難分解性有機物が含まれていて、浮泥水1’中には二価の鉄イオンも存在している。浮泥水1’中の水分は、人工水底窪地Hの底部Haにおける海水Wであるため、前記浮泥水1’には硫化水素が溶解し、当該硫化水素は、硫化水素イオン、硫化物イオン、水素イオンに乖離している。除砂浮泥1aは、第一曝気槽T1 内で数時間毎に間欠的に曝気されて、生物的及び化学的な反応を経て改質されて、ある段階まで好気化が進んだ中間改善泥1bになる。また、当該中間改善泥1bは、併設された第二曝気槽T2 に移送されて、同様に好気化されて、更に改質が進んだ改善泥1cになる。第一曝気槽T1 及び第二曝気槽T2 では、以下のような反応が起こることによって、除砂浮泥1aが改善泥1cに改質される。まず、第一及び第二曝気槽T1 ,T2 内に生息する好気性細菌の好気呼吸により、除砂浮泥1a中の易分解性有機物が強制的に酸化され、分解・無機化される。前記易分解性有機物に由来する窒素は亜硝酸細菌、硝酸細菌、硝酸還元細菌等により硝化、脱窒される。また、二価の硫化第一鉄、及び間隙水5中の二価の鉄イオンは、硫黄酸化細菌や鉄酸化細菌により三酸化二鉄及び硫酸イオンに酸化される。更に、前記浮泥水1’中に溶解していた硫化水素(即ち、硫化水素イオン及び硫化物イオン)は、硫黄酸化細菌等により硫酸イオンまで酸化される。なお、上記の反応は、微生物による反応が主体であるが、化学的にも起こっているものと考えられる。
次に、浮泥処理装置Fにおける浮泥水1’の浄化処理量について説明する。最近の調査により、約200万m3 の深場で青潮が発生することが知られている。そこで、深さ5m、長さ1,000m、幅400mの200万m3 の容積を有する人工水底窪地Hを想定し、当該人工水底窪地H内の浮泥水1’の浄化処理量を計算した。前記人工水底窪地Hの底部Haには0.05mの高さまで浮泥1が滞留している場合、処理すべき浮泥水1’の体積量は20万m3 である。浮泥処理装置Fの1日辺りの浮泥水1’処理量を5,000m3 とすれば、前記浮泥水1’全量を処理するのに40日間を要することになる。ここで、1日5,000m3 の浮泥水1’量とは17,000人程度の下水量に相当し、十分に実施可能な程度の処理量である。浮泥水1’における易分解性有機物の負荷量の最大値を概算すると以下のようになる。浮泥水1’のSS(浮遊物質)量が10%であり、そのうちの40%が易分解性有機物である(上記した平成17年1月に庄内川河口及び八田川で採取した底泥に関する知見に基づく)とし、更に前記易分解性有機物量がBOD(生物化学的酸素要求量)と同値であると仮定すれば、浮泥水1’の易分解性有機物量は4%となるので、BODは40,000mg/Lである。また、浮泥水1’の硫化水素の負荷量は実測値より5ないし10mg/Lであり、窒素負荷量は、BODの三分の一弱と考えれば15,000mg/Lである。なお、浮泥1における鉄分の含有総量は3%ないし5%であるので、曝気処理によりほぼ同量の三酸化二鉄が改質泥1c中に含まれる。
二段階の前記曝気処理により得られた改善泥1cは、貯泥槽T3 に移送されて、間隙水5と共に所定期間収容された後に、改善泥水1c’として元の揚泥区域である人工水底窪地Hの底部Haに返泥される。改善泥1cを返泥する際は、人工水底窪地Hの底部Ha全域に改善泥1cが行き渡るような場所に戻される。上記のように前記底部Haに所定勾配θを有して傾斜がつけられている場合には、揚泥区域である前記人工水底窪地Hの最深部Ha0 に返泥するのではなく、傾斜した前記底部Haの上方に改善泥1cを返泥すれば、当該改善泥1cは傾斜に沿って移動しながら広範囲に行き渡るので好都合である。
次に、改善泥1cを返泥する時期について説明する。改善泥1cの返泥時期は、密度躍層Lが十分に発達し、密度躍層Lの上下各層La,Lbの間で海水Wの交換が起こらなくなった直後が良い。後に詳述する通り、改善泥1cの返泥により三酸化二鉄が供給されるので、当該三酸化二鉄との反応によって、返泥先である人工水底窪地H内に存在する易分解性有機物及び硫化水素は低減する。密度躍層Lの発達後に改善泥1cを返泥すれば、前記三酸化二鉄は、密度躍層Lの下層La、即ち、人工水底窪地H内に留まり、前記密度躍層Lの上層Lbに巻き上がることはないので、人工水底窪地H内で上記二つの青潮原因物質と効率良く反応する。なお、上記したように、人工水底窪地Hの底部Haに滞留した浮泥1を改善泥1cに改質するには40日ないし2ヶ月の処理期間を要する。当該処理期間及び密度躍層Lの発達時期を考慮して、浮泥1の揚泥時が密度躍層Lの発達前となり、前記処理期間を経た約2ヵ月後の返泥時が密度躍層Lの発達後にあたるように、揚泥及び返泥時期のスケジュールを立てると良い。
従来の貧酸素改善方法や青潮抑制方法では、それらを実施する時期は主として貧酸素発生時であった。しかし、本願発明の人工水底窪地Hの底部Haにおける貧酸素改善方法は、浮泥1の揚泥から改善泥1cの返泥までの一定期間の実施のみでよく、しかもその期間は密度躍層Lの発達前の春から初夏にかけての一時期に限定される。このため、一年間のうちに折に触れて何度も繰り返し実施しなければならない方法に比べると、効率が良く経済的である。また、浮泥処理装置Fは、従来のヘドロ3の浄化、改質化に用いられる装置の構成とほぼ同じであるので、前記ヘドロ3の浄化・改質化装置として使用することも可能である。従って、浮泥1の改質化を目的として季節的に利用する以外は、浮泥処理装置Fをヘドロ3の浄化・改質化に随時利用すれば、浮泥処理装置Fを休ませることがないので、運転効率が良い。
改善泥水1c’を返泥することによって得られる効果について説明する。まず、改善泥水1c’には、易分解性有機物を含有していないので、改善泥水1c’を戻しても、人工水底窪地Hにおける溶存酸素が消費されることはない。これにより、上記の青潮の発生機構(図6参照)におけるステップ(d)及び(e)が阻止されることになる。次に、易分解性有機物は、春から秋にかけて活発に内部生産され、又、年間を通じて絶えず外部流入する。このため、人工水底窪地H内の浮泥1を除去して易分解性有機物を取り除いたとしても、前記人工水底窪地H内の溶存酸素は、微生物による好気呼吸のために消費し尽くされて、貧酸素・無酸素状態に至る可能性がある。しかし、この状態に至っても、硫酸還元菌による硫化水素の発生は抑制されるので、前記青潮の発生機構におけるステップ(g)は阻止される。即ち、改善泥水1c’の改善泥1cは不溶性の三酸化二鉄を含有する。このため、人工水底窪地Hの底部Haに、内部生産又は外部流入する易分解性有機物が沈降しても、前記三酸化二鉄が酸化剤となって、化学的な酸化還元反応により易分解性有機物を分解・無機化する。或いは、微生物の一連の代謝過程において、三酸化二鉄が電子受容体となって、生物的な酸化還元反応により易分解性有機物が分解・無機化する。特に、前記生物的な酸化還元反応は、以下の理由により妥当であると考えられる。即ち、有機物の分解・無機化過程で用いられる最終電子受容体は、エネルギー効率の高い順に、好気呼吸の酸素、脱窒や硝酸還元の硝酸塩、マンガン還元の二酸化マンガン(MnO2 )、鉄還元(鉄呼吸)の三酸化二鉄、発酵の有機物、硫酸還元の硫酸塩、メタン生成の炭酸塩である。異なる最終電子受容体を同時に利用して有機物が酸化されることは熱力学的に有り得ず、有機物の分解・無機化過程は、最もエネルギー効率の高い酸素呼吸から、最もエネルギー効率の低いメタン生成まで、順次段階的に進行すると考えられる。従って、人工水底窪地H内が無酸素化して、好気呼吸による易分解性有機物の分解・無機化が不可能になっても、硫酸還元菌による易分解性有機物の分解・無機化が起こる前に熱力学的に鉄呼吸が優先されて、三酸化二鉄を電子受容体として易分解性有機物の分解・無機化が起こる。この結果、改善泥水1c’を人工水底窪地Hに戻すと、改善泥1c中の三酸化二鉄が供給されることになるので、硫酸還元が阻害されて、硫化水素の発生が抑制される。なお、改善泥1c中には二酸化マンガンも含まれ、三酸化二鉄よりも優先的に電子受容体となるが、三酸化二鉄に比べて微少量なので、前記易分解性有機物の酸化分解の電子受容体は主に三酸化二鉄であるとしている。
上記のように、三酸化二鉄が易分解性有機物を分解・無機化することにより、三酸化二鉄は還元されて二価の鉄イオンとなって人工水底窪地H内の海水Wに溶解する。前記人工水底窪地H内に硫化水素が存在していれば、前記硫化水素は二塩基酸として乖離しているので、前記鉄イオンは乖離した硫化物イオンと反応して硫化第一鉄として析出し、人工水底窪地Hの底部Haに沈殿する。この結果、前記人工水底窪地H内に溶解している硫化水素の濃度が低減し、青潮の発生機構におけるステップ(h)の阻止となる。また、改善泥の返泥により三酸化二鉄を人工水底窪地Hに供給しても、前記三酸化二鉄の鉄分は元来浮泥1中に含有されていたものであるため、新たに鉄分を追加したことにはならない。即ち、浮泥1の揚泥前と改善泥1cの返泥後との間で、前記人工水底窪地H又は閉鎖性水域Eの底泥に含有される鉄分の総含有量は変わらない。従って、前記人工水底窪地H及び閉鎖性水域Eの生態系を崩すことはないので、環境破壊にはならない。また、改善泥水1c’中には、間欠曝気処理により脱窒されたので、窒素は含まれていない。このため、前記改善泥水1c’を前記人工水底窪地Hに戻すことは、海水Wの富栄養化防止にも繋がり、前記青潮の発生機構におけるステップ(a)の阻止にも効果的であると考えられる。なお、本願発明は、閉鎖性水域Eを内湾とし、当該内湾の底部に形成された航路や泊地等の人工水底窪地Hに的を絞り、前記人工水底窪地Hの底部付近の貧酸素・無酸素状態を改善し、その波及効果として前記内湾で発生する青潮を抑制しようとするものであるが、本願発明は、人工的に造られた水底窪地のみならず、自然に存在する天然水底窪地の貧酸素・無酸素化の改善にも効果的であり、また、閉鎖性水域Eとしては、内湾のみならず汽水湖や遊水池等の湖沼にも本願発明を適用可能である。
本願発明における人工水底窪地Hの貧酸素改善及び青潮抑制方法の概念図である。 閉鎖性水域E沿岸の陸地Dに浮泥処理装置Fを設置した航路及び泊地の平面図である。 図2のX−X線断面図である。 閉鎖性の各水域で採泥された底泥の曝気処理前後における易分解性有機物の減少率を示した表である。 底泥中の易分解性有機物と難分解性有機物の存在比の季節毎の変化を示した概念図である。 内湾における青潮の発生機構をステップごとに示した図である。 青潮の発生機構の概念図である。
符号の説明
E :閉鎖性水域
F :浮泥処理装置
H :人工水底窪地
Ha :底部
Ha0 :最深部
L :密度躍層
0 :揚泥ポンプ
1 ,T2 :第一,第二曝気槽
3 :貯泥槽
W :海水
1 :浮泥
1’ :浮泥水
1c :改善泥
1c’:改善泥水
5 :間隙水
31 :ホース
32 :送泥管
33 :返泥管

Claims (5)

  1. 閉鎖性水域における人工水底窪地の底部に滞留する浮泥を、海水と共にポンプを用いて揚泥し、送泥管を介して浮泥処理装置に送泥し、当該浮泥処理装置の分離装置にて除砂処理、及び曝気槽にて曝気処理を行って、除砂処理後の浮泥中に含まれる易分解性有機物の分解と前記浮泥中に無機物質として主に含まれる鉄分の酸化された改善泥に改質し、当該改善泥を前記曝気槽中の間隙水と共に、元の人工水底窪地に返泥することを特徴とする人工水底窪地を原因とする青潮発生の抑制方法。
  2. 前記浮泥を密度躍層形成前に揚泥し、曝気処理を行った後、前記密度躍層形成後に前記人工水底窪地に返泥することを特徴とする請求項1に記載の人工水底窪地を原因とする青潮発生の抑制方法。
  3. 前記浮泥は、前記曝気処理の後に、改善泥として間隙水と共に返泥までの所定期間を貯泥槽に収容されることを特徴とする請求項1又は2に記載の人工水底窪地を原因とする青潮発生の抑制方法。
  4. 前記浮泥処理装置の処理工程は、送泥された浮泥を分離装置により除砂する工程と、曝気槽に圧送した後に前記浮泥を曝気処理する工程と、当該曝気処理により前記浮泥中に含まれる易分解性有機物の分解と無機物質として主に含まれる鉄分の酸化によって改質した改善泥を、間隙水と共に元の人工水底窪地に返泥する工程からなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の人工水底窪地を原因とする青潮発生の抑制方法。
  5. 前記人工水底窪地の底部に、所定勾配を有する傾斜をつけ、浮泥が移動して滞留する最深部を揚泥区域として、前記浮泥を揚泥することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の人工水底窪地を原因とする青潮発生の抑制方法。
JP2006319703A 2006-11-28 2006-11-28 人工水底窪地を原因とする青潮発生の抑制方法 Active JP4842781B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006319703A JP4842781B2 (ja) 2006-11-28 2006-11-28 人工水底窪地を原因とする青潮発生の抑制方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006319703A JP4842781B2 (ja) 2006-11-28 2006-11-28 人工水底窪地を原因とする青潮発生の抑制方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008132416A true JP2008132416A (ja) 2008-06-12
JP4842781B2 JP4842781B2 (ja) 2011-12-21

Family

ID=39557635

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006319703A Active JP4842781B2 (ja) 2006-11-28 2006-11-28 人工水底窪地を原因とする青潮発生の抑制方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4842781B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017087085A (ja) * 2015-11-02 2017-05-25 宍道湖漁業協同組合 湖底部又は湾底部で発生する硫化水素の無害化方法、及びそのシステム

Citations (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS517738A (ja) * 1974-07-10 1976-01-22 Sumitomo Shipbuild Machinery Hedoroshorihoho
JPS61136499A (ja) * 1984-12-06 1986-06-24 Ebara Infilco Co Ltd 富栄養化防止方法
JPS62125900A (ja) * 1985-11-28 1987-06-08 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 魚貝類養殖場沈積ヘドロの浄化方法
JPH02229600A (ja) * 1989-03-03 1990-09-12 Penta Ocean Constr Co Ltd 青潮解消方法
JPH08299982A (ja) * 1995-05-10 1996-11-19 Mitsuo Okamoto 底水層のエヤーレイション装置
JPH10230297A (ja) * 1997-02-17 1998-09-02 Ebara Corp 底泥の処理方法及び装置
JPH1177098A (ja) * 1997-09-08 1999-03-23 Kawasaki Heavy Ind Ltd 有機分を含む底泥の処理方法
JP2000254696A (ja) * 1999-03-10 2000-09-19 Ohbayashi Corp 底泥の改質方法及びシステム
JP3425494B2 (ja) * 1995-07-28 2003-07-14 株式会社エステム 硫化水素溶存レベルの水圏の環境改善方法
JP2003265063A (ja) * 2002-03-19 2003-09-24 Mori Kikai Seisakusho:Kk 水底耕耘システム
JP2004024952A (ja) * 2002-06-21 2004-01-29 Ohbayashi Corp 水中送気システム
JP2004223514A (ja) * 2001-03-21 2004-08-12 Jfe Steel Kk 水底の環境改善方法
JP2005058957A (ja) * 2003-08-19 2005-03-10 Jfe Engineering Kk 浮体式水域浄化処理装置
JP2007098253A (ja) * 2005-10-04 2007-04-19 Stem:Kk 閉鎖性汽水域の底質改善方法、及び底質改善程度の判定方法
JP2008000745A (ja) * 2006-05-25 2008-01-10 Kato Construction Co Ltd 水質浄化処理方法

Patent Citations (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS517738A (ja) * 1974-07-10 1976-01-22 Sumitomo Shipbuild Machinery Hedoroshorihoho
JPS61136499A (ja) * 1984-12-06 1986-06-24 Ebara Infilco Co Ltd 富栄養化防止方法
JPS62125900A (ja) * 1985-11-28 1987-06-08 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 魚貝類養殖場沈積ヘドロの浄化方法
JPH02229600A (ja) * 1989-03-03 1990-09-12 Penta Ocean Constr Co Ltd 青潮解消方法
JPH08299982A (ja) * 1995-05-10 1996-11-19 Mitsuo Okamoto 底水層のエヤーレイション装置
JP3425494B2 (ja) * 1995-07-28 2003-07-14 株式会社エステム 硫化水素溶存レベルの水圏の環境改善方法
JPH10230297A (ja) * 1997-02-17 1998-09-02 Ebara Corp 底泥の処理方法及び装置
JPH1177098A (ja) * 1997-09-08 1999-03-23 Kawasaki Heavy Ind Ltd 有機分を含む底泥の処理方法
JP2000254696A (ja) * 1999-03-10 2000-09-19 Ohbayashi Corp 底泥の改質方法及びシステム
JP2004223514A (ja) * 2001-03-21 2004-08-12 Jfe Steel Kk 水底の環境改善方法
JP2003265063A (ja) * 2002-03-19 2003-09-24 Mori Kikai Seisakusho:Kk 水底耕耘システム
JP2004024952A (ja) * 2002-06-21 2004-01-29 Ohbayashi Corp 水中送気システム
JP2005058957A (ja) * 2003-08-19 2005-03-10 Jfe Engineering Kk 浮体式水域浄化処理装置
JP2007098253A (ja) * 2005-10-04 2007-04-19 Stem:Kk 閉鎖性汽水域の底質改善方法、及び底質改善程度の判定方法
JP2008000745A (ja) * 2006-05-25 2008-01-10 Kato Construction Co Ltd 水質浄化処理方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017087085A (ja) * 2015-11-02 2017-05-25 宍道湖漁業協同組合 湖底部又は湾底部で発生する硫化水素の無害化方法、及びそのシステム

Also Published As

Publication number Publication date
JP4842781B2 (ja) 2011-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Watson et al. Performance expectations and loading rates for constructed wetlands
Johnson et al. Acid mine drainage remediation options: a review
Zipper et al. Passive treatment of acid mine drainage
Hupfer et al. Lake restoration
KR101009186B1 (ko) 부분질산화와 anammox 공정을 이용한 고효율 수직류식 인공습지
SØNDERGAARD et al. 10• Chemical treatment of water and sediments with special reference to lakes
Bassin et al. The impact of wastewater treatment plants on global climate change
Geller et al. Remediation and management of acidified pit lakes and outflowing waters
CN108585174B (zh) 一种仿生增氧微电解人工湿地
AU2017238597B2 (en) Remediation and/or restoration of an anoxic body of water
KR100465454B1 (ko) 인공소택지를 이용한 산성광산폐수의 처리방법
KR101070477B1 (ko) 준자연정화식 광산배수 처리장치 및 이를 이용한 광산배수 처리방법
JP4842781B2 (ja) 人工水底窪地を原因とする青潮発生の抑制方法
JP2009142783A (ja) 閉鎖性水域または干潟における底泥改質方法、および底泥改質用資材
KR101898801B1 (ko) 고농도 망간을 포함하는 광산배수의 자연정화 처리시스템
Vandenbroeck et al. Restoration and development project of South Lake of Tunis and its shores
Park et al. In situ chemical and biological treatment leading to successful water discharge from Anchor Hill pit lake, Gilt Edge mine superfund site, South Dakota, USA
JP2007098253A (ja) 閉鎖性汽水域の底質改善方法、及び底質改善程度の判定方法
JP3449854B2 (ja) 底泥の原位置処理方法
JP2002273471A (ja) 水質浄化装置及び水質浄化方法
Ashley Effects of hypolimnetic aeration on functional components of the lake ecosystem
CN112158955B (zh) 一种基于硫循环的高盐高氮废水集成式生物处理装置和方法
JP3425494B2 (ja) 硫化水素溶存レベルの水圏の環境改善方法
JP2002088732A (ja) 底質の改質方法
JP5569313B2 (ja) 水域底質からのマンガン(ii)溶出防止方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090306

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110920

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111006

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4842781

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141014

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250