JP2008000745A - 水質浄化処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】閉鎖性水域での富栄養化防止対策として窒素およびリンの除去を可能とした水質浄化技術を提供する。
【解決手段】 閉鎖性水域へ流入することになるBOD値が10mg/リットル未満で且つDO値が2mg/リットル以上の清浄な水を被処理水として、被処理水に嫌気性化処理を施す工程と嫌気化性処理後の被処理水に好気性化処理を施す工程とを含んでいる。嫌気性化処理工程の初期段階で被処理水に対しヘドロ、高濃度汚濁水等の自然由来の有機質分を混入し、被処理水中の酸素の消費・減少をもって被処理水をDO値が2mg/リットル未満となるまで嫌気性化させ、自然発生する脱窒素菌をもって被処理水中の窒素を、リン蓄積菌をもってリンをそれぞれ除去する。
【選択図】図3

Description

本発明は水質浄化処理方法、特に港湾や湖沼等の閉鎖性水域での富栄養化現象によって促進される汚濁の対策技術として有効な水質浄化処理方法に関し、より詳しくは、生物化学的酸素要求量(以下、BOD値という。)が10mg/リットル未満(多くの場合に5mg/リットル以下)で且つ溶存酸素量(以下、DO値という。)が2mg/リットル以上(多くの場合に5mg/リットル以上)のいわゆる低BODで且つ高DOの清浄化された状態で閉鎖性水域へ流入する河川水等のうち閉鎖性水域での富栄養化の主原因となっている水中の窒素やリンを積極的に除去して水質浄化を図る方法に関するものである。
下水道整備や合併浄化槽の普及に伴い河川の清浄化が進みつつあるものの、その河川の水が流入することになる港湾や湖沼等の閉鎖性水域では依然として汚濁が進行しており、その原因は富栄養化の主要素である窒素やリンの流入にあると考えられている。下水道設備や合併浄化槽においても窒素・リン対応型のものが普及しつつあるものの未だ充分であるとは言えず、河川水中の窒素・リン除去対策は遅れている。その理由は、従前の河川の汚濁対策として主に有機性汚れ(BOD)の除去に主眼が置かれてきた結果であり、依然として河川に流入する生活雑排水中には窒素やリンが存在している。
最近に至り、湖沼に流入する河川水に農地で使用した肥料分から出る窒素およびリンが多く含まれており、これが流入先の湖沼や港湾での富栄養化の主原因となっていることが判明した。
特に、河川の清浄化に伴いその河川水はBOD値が5mg/リットル未満程度(場所により2〜10mg/リットルと幅がある。)と低く、DO値が5mg/リットル以上程度(場所により2〜10mg/リットルと幅がある。)と高く維持されている影響で、水中の窒素が硝酸態窒素(NO3−N)の安定したかたちで存在している。硝酸態窒素は嫌気性(DO値が2mg/リットル未満)の条件下で活性化する脱窒素菌にて分解され、窒素ガス(N2)として除去されることが知られている。
脱窒素菌は「通性嫌気性菌」であり、好気性条件下においても水中の酸素で呼吸をして生きていて、嫌気性条件下で活性化しNO2、NO3の酸素を奪い吸収するのでNとOが分離され、結果としてN2ガスとして揮発分離し、大気に放出されて除去される。この現象を脱窒素反応と呼び、その菌を脱窒素菌と称している。
例えば湖沼等の閉鎖性水域への流入河川では清浄化が進んでいるため、BOD値が低く他に水中の酸素を消費する要素がほとんどないので、DO値が高いまま維持され、水中の窒素は除去されずに硝酸形態(NO2−NまたはNO3−N)のまま湖沼等の閉鎖性水域へ流入することになる。そして、閉鎖性水域へ流入した窒素は底泥と一緒になり、魚介類や微生物の死骸などで嫌気性化が緩やかに進むことで再びアンモニア形態(NH3−NまたはNH4−N)に変化し、存在するリンと共に植物プランクトンの豊富な栄養源となり、富栄養化現象を起こし、閉鎖性水域である湖沼や港湾での赤潮やアオコの発生など汚染の原因となる。
汚水中の窒素およびリンの除去技術としては、例えば特許文献1〜5に記載のように、下水等の被処理水中に含まれる有機物とともに窒素やリンまでも同時に除去するための排水処理システムの窒素・リン除去方法が提案されている。
特許文献1,2に記載の技術は、一般的に嫌気・無酸素・好気法と呼ばれるもので、汚泥調質槽の汚泥の一部を後段の嫌気槽に導入するようになっており、実質的に同一の処理フローの中で汚泥(有機質源)を自己供給できることが前提となっているとともに、ここでの汚濁水は下水等の有機分が多く(BOD値で10mg/リットル以上)且つ窒素およびリンが含まれている水を対象としている。このようにBOD値が高いので、BOD成分を分解する好気性微生物を活発に働かせるため、一旦は強制的に曝気にて空気(酸素)を供給し、いわゆるDO5以上の好気性条件をつくり出し、BOD分解処理を行う必要がある。したがって、低BODで且つ高DOの水から窒素、リンを除去することはできない。
特許文献3に記載の技術は、回分式での窒素除去に関する技術であり、硝酸態窒素の検出量により、供給する有機炭素源を制御することを特徴としているとともに、BOD値が低い場合には、メタノール、エタノール、酢酸等の窒素を含まない有機炭素源や処理水の窒素濃度に影響のない有機性の濃厚廃液なども使用することができる、としていて、窒素を含まないか窒素濃度に影響の出ない人工的有機質分の投入を条件としているので、必然的に多かれ少なかれ窒素分を含んでしまう自然由来の有機質分は使用することができない。
特許文献4に記載の技術は、比較的低いBOD対リン比を有する前処理された廃水流からリンおよび他の汚染物質を除去する方法であって、その方法として、廃水流から懸濁固体を分離して発酵タンクなどに保持して可溶性物質を形成し、戻り活性スラッジとを混合した上で一連の処理領域に通して汚染物質の除去を行う、とされており、処理原水(廃水)の中からのスラッジを利用する、すなわち、従来より多く使われている内部循環による除去技術にすぎない。
また、特許文献5に記載の技術は、硝化脱窒素法の一方法であり、原水そのものがアンモニア性窒素を含む原水とされており、低BODで且つ高DOの水に含まれる硝酸態窒素を除去することはできない。その上、脱窒素を実現するためには、嫌気性条件が不可欠であり、その嫌気性条件をつくり出すために溶存酸素除去装置なるものが付帯しているが、その方法は真空式、膜脱気、脱酸素樹脂等々の機械的で且つ大がかりな人工的方法が主体であり、実現性に乏しいとともに経済的でない。
特許第3714846号公報 特許第3737288号公報 特開昭63−59396号公報 特開平2−86895号公報 特開2001−104992号公報
港湾や湖沼等の閉鎖性水域の汚濁の問題は依然として残っており、その汚濁は富栄養化が原因であることは良く知られていて、その防止策として窒素やリンの閉鎖性水域への流入を防ぐことが有効であることは先に述べた。
従来、窒素やリンはし尿や家庭雑排水に含まれていて、その水は同時に有機質分も多く(BOD値が高い)、汚濁度が高いのがほとんどであった。そのため、特許文献1,2および特許文献5に記載されているような従来の窒素・リン除去技術もまた有機質分が豊富な(BOD値が10mg/リットル以上と高いもの)汚濁水に含まれる窒素およびリンを対象としているため、多くの閉鎖性水域に流入することになる低BOD(BOD値が5mg/リットル以下)で且つ高DO(DO値が5mg/リットル以上)の清浄な水に含まれている窒素やリンの除去には全く利用することができない。
すなわち、農地(田畑)で使用する肥料の中には窒素およびリンが多量に含まれており、その窒素およびリンが農地から農業用水など清浄な水に流れ込み、さらに農業用水などが流入する河川の水質も低BOD(BOD値が10mg/リットル未満で、多くは5mg/リットル以下)の)で且つ高DO(2mg/リットル以上で、多くは5mg/リットル以上)の水であるため、窒素およびリンの除去がなされないまま最終流入先である港湾や湖沼等の閉鎖性水域に流入して蓄積され、富栄養化現象を引き起こすことは先に述べた。
そして、閉鎖性水域での富栄養化現象を防止するべく、窒素およびリンの除去手段として特許文献1〜5に例示した技術を採用したとしても、同技術はいわゆる高BODの汚濁水に含まれる窒素・リンの除去を目的とした技術であるため、先に述べたような低BODで且つ高DOの清浄な水に含まれる窒素およびリンの除去には充分な効果を期待することができない。
そこで、低BODで且つ高DOの清浄な水に含まれる窒素およびリンの除去のためには、凝集沈殿法、吸着法など薬品類を使用した除去方法や特許文献3に記載されたエタノールなどのアルコール類や脂肪酸等の人工的有機質分を添加して嫌気性化を行うなどの方法に頼らざるを得なくなるが、これらの薬品類を使用した方法では、使用する薬品類による弊害や凝集沈殿物の処理など、経済的にも周辺環境維持の点でも大きな二次的問題を抱える結果となり、低BODで且つ高DOの水から窒素やリンを効果的に且つ環境に優しく除去できる別の方法が強く要望されていた。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、薬品類等、人工的有機質分を使用することなしに従来は困難とされている低BODで高DOの水から窒素(硝酸態窒素)や溶解性のリンを除去することが可能な方法を提供するものである。
本発明では、薬品類等の人工的有機質分を極力使わずに自然に優しい方法で、先に述べた窒素(硝酸態窒素)を除去すべく、汚泥などの自然由来の有機質分の投入をもって対象水を嫌気性化し、嫌気性条件下で自然に活性化する脱窒素菌にて窒素を除去することを基本としている。しかし、対象水の嫌気性化に必要とする有機質分の量が上記汚泥などの自然由来の有機質分のみでは十分に得られない場合には、人工的につくり出した薬品類などの有機質分を環境に影響ない範囲で一部用いる場合もある。また、対象水を嫌気性化することができれば、窒素の除去だけでなく溶解性のリン(PO4−P)除去の可能性も高まり、窒素およびリンの同時除去も実現可能となり、閉鎖性水域の富栄養化防止に大きく貢献できることになる。
ここで、予め主な用語の定義をしておけば下記のとおりとなる。
(1)自然由来の有機質分
人工的につくり出した有機質分以外の有機質分を言う。代表的なものとして、魚介類や微生物などの生き物やその死骸などの有機質分を指す。また、雑排水に入ってくる台所排水やし尿などにも自然由来の有機質分が含まれている。その中で、水質浄化処理に最も関係が深いのは好気性菌類の集合体であり、一般的に活性汚泥と言われるものである。これらを例えば低BOD、高DOの水に投入すると、水に溶け込んだ酸素の存在下において低BOD(わずかな有機質分の存在下)でも活発に捕食分解活動を行い、水中の酸素を消費する。
一方、人工的につくり出した有機質分とは、加工食品類や薬品類を指し、代表的なものは脂肪酸並びにエチルアルコール(エタノール)、メチルアルコール(メタノール)などのアルコール類である。なお、後述する水質浄化施設など生物処理方式の浄化施設で発生した余剰汚泥は、人工的につくり出したものではなく、自然由来の有機質分と考えて良い。
(2)底泥
厳密には川、湖、沼、池、海などの底に堆積した砂や土で無機質な物質を指す。
(3)ヘドロ
基本的には川底、湖底、沼底、池底、海底などに堆積した微生物やその死骸、魚介類の死骸を指すが、底泥に有機質分が混ざったものも含めて「ヘドロ」と称している。底に完全に沈降せずに底付近に浮遊しているものもあるため、それを「浮遊ヘドロ」と呼ぶ場合もある。微生物、魚介類の死骸などの有機質分を多く含んでいるので、周辺水の溶存酸素を消費して、嫌気性化していることが多い。「底泥」と似ているが、中に窒素分、リン分を多く含むことが多い。
(4)余剰汚泥
生物処理方式の水質浄化処理施設で余剰になった微生物群(活性汚泥)や微生物の死骸などを含めて称している。基本的に有機質分の塊である。したがって、水に溶け込むとBOD源となる。なお、水質浄化処理施設には下水道処理、農業集落排水処理、産業廃水処理、河川湖沼浄化施設などがある。
(5)嫌気性と好気性
水の嫌気性および好気性は、DO値2mg/リットルが境界となっていて、一般的に2mg/リットルを超えたものを好気性、2mg/リットル未満を嫌気性と称している。通常、魚介類が生息し活発に活動できるDO値は3mg/リットル以上であり、DO値が2〜3mg/リットルでは辛うじて生きていける程度で、DO値が2mg/リットル未満では魚介類が死滅するおそれが生じる嫌気性域となる。DO値が0(ゼロ)の状況は「無酸素域」と称し、魚介類は生息できない。一般的に魚介類の生息を考慮し、河川水のDO値は5mg/リットル以上にすることが必要とされ、さらにBOD値は5mg/リットル以下が望ましいとされている。
(6)閉鎖性水域
閉鎖性水域とは、その言葉が示す通り水の出入りが少ない水域を指し、湖沼・内湾・内海などを言う。完全に水の出入りが無い場所、即ち入口河川ならびに出口河川が全く無い完全に閉鎖された水域は、山頂に形成されたカルデラ湖など、ごくわずかしか存在しない。
(7)富栄養化の影響
富栄養化現象が起きている水域では底部にヘドロが堆積しており、ヘドロ中の微生物やその死骸等の有機質分が周辺の溶存酸素を消費し、水は嫌気性化していることが常で、例えば底部周辺が嫌気性域となっているのに対して表層部では好気性域となっていることが多く、全体的に水質が悪化している。底部の嫌気性域ではメタン発酵を起こしてガスを発生しているケースも多い。富栄養化現象が進むと植物性プランクトンが増殖し、いわゆる「赤潮」や「アオコ」が大量発生する。増殖した植物性プランクトンは最終的に底部に堆積し、微生物(バクテリア)により分解されるが、その時に周辺の酸素を消費し、嫌気性域もしくは無酸素域をつくる。その酸素の少ない青白い水が上層部に浮上するのが「青潮」現象である。この「青潮」現象が起きると魚介類は大量に死滅し、漁業関係者等に打撃を与えることになるのは周知の通りである。底部付近は嫌気性化が進み「無酸素域」となることもあるので、上層部に浮上せずとも中底部において魚介類、特にアサリやシジミなどが死滅する例も多く報告され、生態系の破壊にも繋がることになる。このような富栄養化は閉鎖性水域に生息する生物達にも大きな影響を与えている。これらのことから、富栄養化の原因となる窒素およびリンの大量流入を阻止する必要があり、流入河川水中の窒素およびリンの除去が重要課題となる。
請求項1に記載の発明は、BOD値が10mg/リットル未満で且つDO値が2mg/リットル以上の清浄な水を被処理水として、この被処理水に含まれる少なくとも富栄養化成分を除去する方法であって、被処理水に対し、被処理水内部からではなく系外からの有機質分を混入し、被処理水中に溶存する酸素の消費・減少をもって上記被処理水をDO値が2mg/リットル未満となるまで嫌気性化させて、被処理水中の富栄養化成分である窒素およびリンを除去することを特徴とする。なお、この処理された被処理水は閉鎖性水域に流入することになる場合が多いが、必ずしも閉鎖性水域に流入させなくても良い。
請求項2に記載の発明は、被処理水に混入する有機質分の全部または一部を自然由来の有機質分とすることを特徴としている。被処理水に混入させる有機質分の必要量全部を自然由来の有機質分で賄うのが最も好ましいが、常に十分な量が確保されているとは限らず、不足する場合には人工有機質分を併用することで、被処理水を継続して同一条件に維持することができる。人工有機質分の混入比率は任意に設定しても良い。
この場合、被処理水は例えば閉鎖性水域へ流入する流入河川水とし、また被処理水への混入をもってその水中に溶存する酸素を消費・減少させる自然由来の有機質分は、例えば請求項7に記載のように、有機質分が多く含まれる川底、湖底、沼底、池底、海底などに堆積したヘドロおよびそのヘドロ採取位置周辺の汚濁水のうち少なくともいずれか一つをベースに使用するものとする。
ヘドロおよびその周辺の汚濁水のうち少なくともいずれか一つを使用することで、閉鎖性水域内の汚濁発生源であるヘドロを処理するのと同時に水域内の汚濁水の処理を行い、さらに流入する水の中から富栄養化の素となる窒素やリンの除去も行う。言わば、閉鎖性水域の浄化のための三要素である「ヘドロ処理」、「水域内汚濁水処理」、「流入汚染源の断絶」を同時に行える優れたシステムの実現が可能となる。
自然由来の有機質分である川底、湖底、沼底、海底などのヘドロに含まれる窒素(NH3−NまたはNH4−N:アンモニア形態)は、水中の溶存酸素が豊富な被処理水中に存在している硝化菌により硝化反応が進み、硝酸形態の窒素(NO2−NまたはNO3−N)に変換されるため、被処理水中の硝酸形態の窒素(NO2−NまたはNO3−N)とともに嫌気性の条件下で活性となった脱窒素菌により酸素(O)を奪い分解され窒素(N2)ガスとして除去されるので、結果的に自然由来の有機質分であるヘドロ中に含まれる窒素も同時に処理されることとなる。
また、同様に自然由来の有機質分にはリンが含まれている可能性が高いが、後述するリンの過剰摂取および請求項4に示した方法により、被処理水中のリンと一緒に除去されることになる。
本発明では、使用する自然由来の有機質分に含まれている窒素・リンも被処理水中の窒素・リンと同時に除去されることをも意図しており、被処理水中の窒素・リンの除去だけが狙いではない。
上記被処理水への混入をもってその水中に溶存する酸素を消費・減少させる自然由来の有機質分としては、請求項7に記載の川底、湖底、沼底、池底、海底などに堆積したヘドロ等に代えて、請求項8に記載のように下水道処理、農業集落排水処理、産業廃水処理、河川湖沼浄化処理などの水質浄化処理施設にて発生する余剰汚泥を用いることができる。この場合には、対象水の嫌気性化とともに該当する他の浄化処理施設の余剰汚泥の処理費(産業廃棄物処理費)の軽減にも寄与することができ、広く環境保全に役立つようになる。
さらに、上記被処理水への混入をもってその水中に溶存する酸素を消費・減少させる自然由来の有機質分としては、請求項7に記載の川底、湖底、沼底、池底、海底などに堆積したヘドロ等に代えて、請求項9に記載のようにBOD値が10mg/リットル以上の河川、排水路などの水を使用することもできる。この場合には対象水の嫌気性化のみならず、汚濁河川水、排水路の浄化とともに窒素・リンの除去も一挙に行えるので、いわゆる一石二鳥型のシステムとなる。
もちろん、上記被処理水への混入をもってその水中に溶存する酸素を消費・減少させる自然由来の有機質分としては、請求項7に記載の川底、湖底、沼底、池底、海底などに堆積したヘドロ等に代えて、請求項11に記載のように、請求項7〜10に記載の有機質分のうち少なくともいずれか一つとともに、上記嫌気性化処理工程より発生する余剰汚泥を使用することもできる。
例えば港湾、湖沼等の閉鎖性水域での富栄養化防止を図るべく、閉鎖性水域に流入する低BODで且つ高DOの清浄な河川水に含まれる窒素やリンの除去を目的として嫌気性化を行うために、水質浄化処理施設などの中で自然由来の有機質分を加えることで、清浄な水の中にBOD源を確保し、好気性微生物が有機質分を分解する働きのなかで溶存している酸素を消費・減少させて、水を強制的にDO値で2mg/リットル未満の嫌気性状態とする。それにより、窒素やリンを除去可能な条件が整うことになり、窒素は嫌気性下にて活性化する脱窒素菌にてN2ガスとして除去され、リンは微生物(菌類=リン蓄積菌)の過剰摂取作用でリン除去が進む。被処理水に投入する自然由来の有機質分は基本的に処理施設外部から調達するものとし、外部からの自然由来の有機質分で必要量が確保できない場合には、人工的につくられた有機質分である脂肪酸やアルコール類などの薬品類を用いることも良いし、施設内で発生した余剰汚泥を一部使用することも良い。
リン蓄積菌はリン酸のポリマーである「ポリリン酸」を蓄積するのでその名の通り呼ばれており、菌のもつ能力を超え得て蓄積することもある(これが先に述べた過剰摂取作用である。)。そして、このリン蓄積菌は好気性と嫌気性の変動下で存在することが知られている。
ここに言う低BODとはBOD値が10mg/リットル未満の状態を指していて、一般的に清流と呼ばれるものはBOD値で5mg/リットル以下、理想的には2mg/リットル未満の状態を言うので、BOD値で10mg/リットル未満の水を清浄な水の条件とし、他方、DO値では2mg/リットル以上を好気性と呼ぶので、ここではBOD値が10mg/リットル未満で且つDO値が2mg/リットル以上の水を清浄な水と称するものとする。
また、自然由来の有機質分を加えることは、微生物(好気性菌)による有機質分の分解作用で水中の酸素が消費されて嫌気性化されるが、含まれる有機質分全てが分解されるわけではなく、わずかでも有機質分を水中に存在させるので、好気性水中に存在している通性嫌気性菌が嫌気性の中で脱窒素菌として活動するのに必要な有機質分が確保され、亜硝酸態窒素(NO2−N)および硝酸態窒素(NO3−N)から酸素(O)を奪って吸収し、分離された窒素分(N)がN2ガスとして空中に放出されて、水中の窒素分が除去される。
有機質分は、嫌気性化のためだけではなく、脱窒素菌が脱窒素の活動をするのにも必要である。有機質分は水素と炭素の結合体であるので、いわゆる水素供与体としての役割を果たすのにも役立つ(別の見方をすれば、炭素源や炭素供与体でもある。)。有機質分の機能は一般的にC/N比(炭素・窒素比)として表されてその必要性が述べられていて、硝化液循環型脱窒素法などでは、その嫌気性化とともに脱窒素菌の働きを助けるために必要なC/N比はおよそ2.5〜4.0と言われている。ここで言うCはBOD値として考えてもかまわず、NはT−Nとして扱っても差し支えない。
一方、リンは栄養素として、リンを菌類がポリリン酸として過剰気味に摂取することが知られており、リン蓄積菌類の活動でリン除去が進む。故に、脱窒素菌発生条件に不可欠である有機質分の確保の意味合いも含め、自然由来の有機質分による嫌気性化は有効な手段であると言える。
請求項3に記載の発明は、被処理水が最終的に閉鎖性水域へ流入する河川の水であって、その被処理水中の富栄養化成分を除去して嫌気性となった被処理水を、BOD値が10mg/リットル未満で且つDO値が2mg/リットル以上の好気性処理水とした上で放流することを特徴とする。
放流先は特に問わないが、例えば請求項4に記載のように、上記河川の取水ポイントよりも下流側に放流するものとする。
この場合には、請求項10に記載のように、被処理水への混入をもってその水中に溶存する酸素を消費・減少させる自然由来の有機質分として、上記河川と同一水系またはその近傍の水域より発生する自然由来の有機質分とすることが望ましい。
請求項5に記載の発明は、上記嫌気性化処理工程において、DOが1mg/リットル以下となる嫌気性化処理とともに鉄イオンを発生させて、被処理水中のリンの除去を行うことを特徴とする。
被処理水を嫌気性化することで窒素分を除去できることは先に述べた通りであり、その際に並行してリンの除去も進行するが、その量はわずかであり、富栄養化対策としては必ずしも充分とは言えない。
そこで、例えば特許文献1に代表されるような公知のリン除去の手法を併用することにより、窒素除去のみならずリンの同時除去も可能となり、閉鎖性水域の富栄養化源として流入する清浄河川水中のリンの除去のための有効な手段となる。すなわち、DOを1mg/リットル以下とする嫌気性化処理のための処理槽内に例えば鉄製フィン付きのチューブを設け、嫌気性化でそのチューブに付着・生育した微生物の生物学的作用により鉄イオンを溶出させ、鉄イオンとリンとが結び付いたものを沈殿分離することで、高DOの水中に溶解している溶解性リン(PO4−P)の除去が可能となる。
請求項1に記載の発明においては、請求項6に記載のように、上記嫌気性化処理工程では有機質分を混入した被処理水を撹拌することが、嫌気性化の促進とともに窒素やリンの除去を促進する上で望ましい。撹拌手段としては、例えば処理槽構造の工夫による強制流れをもって撹拌したり、あるいは処理槽内に水中ミキサー等の撹拌機などを設置するものとする。
特に請求項5に示した方法を用いて鉄イオンを発生させ、リンの除去を行う場合には、その除去性能を向上させるために攪拌機の設置は不可欠である。
請求項1〜4に記載の発明によれば、清浄な水を被処理水としてこれに有機質分を混入して嫌気性化するだけで、その水に富栄養化成分として含まれる少なくとも窒素を除去することができ、さらに嫌気・好気プロセスによる菌類のリン過剰摂取によりリンを除去することもでき、特に閉鎖性水域の富栄養化防止対策としてきわめて有効なものとなる。また、凝集沈殿法や吸着法等には必須な薬品類を基本的には使用する必要がないので、凝集沈殿物の処理や周辺環境維持の観点等に関する二次的不具合を伴うこともない。
特に請求項3に記載の発明によれば、嫌気性となった水を好気性とした上で放流することとしているので、河川内や閉鎖性水域に生息する魚介類の保護の上できわめて有効である。また、請求項4に記載の発明によれば、処理水の放流先を取水ポイントより下流側にしているので、閉鎖性水域に流入する河川での富栄養化成分除去の効果が一番顕著に現れることになる。
請求項5に記載の発明によれば、被処理水に富栄養化成分として含まれている窒素とともにリンまでも同時に除去できる効果がある。
また、請求項6に記載の発明によれば、有機質分を混入した被処理水を撹拌することで富栄養化成分である窒素やリンの除去を一段と促進できる効果がある。
請求項7に記載の発明によれば、被処理水に混入する有機質分として、川底、湖底、沼底、池底、海底などに堆積したヘドロおよびその周辺の汚濁水のうち少なくともいずれか一つを使用することにより、被処理水に富栄養化成分として含まれる少なくとも窒素やリンの除去と並行してヘドロ処理を行うことができる。
請求項8に記載の発明によれば、被処理水に混入する有機質分として、下水道処理、農業集落廃水処理、産業廃水処理などの水質浄化処理施設にて発生する余剰汚泥を使用することにより、水質浄化処理施設の余剰汚泥の処理費の軽減と環境保全に貢献できる利点がある。
請求項9に記載の発明によれば、被処理水に混入する有機質分として、BOD値が10mg/リットル以上の河川、排水路などの水を使用することにより、汚濁河川水や排水路水の浄化も並行して行える利点がある。
請求項10に記載の発明によれば、同一水系もしくはその近傍の水域より発生する自然由来の有機質分を利用することは、同じ閉鎖性水域へ流入している河川で発生した有機質分であるので、そのまま流入しては閉鎖性水域の富栄養化を促進する要因となるので一石二鳥型の富栄養化防止策となるので非常に有効である。
また請求項11に記載の発明によれば、自然由来の有機質分とともに実質的に請求項1〜6の処理での富栄養化成分除去に伴い自然発生する有機質分であるところの余剰汚泥を更に有効に使用する方法であり、嫌気性処理工程で発生した余剰汚泥の処分費用節減をも実現できる。
閉鎖性水域である湖沼、沼、池、海などの汚染度を表す指標の単位は科学的酸素要求量(COD)であり、そこへ流入する河川の汚濁度を表す指標の単位は生物化学的酸素要求量(BOD)であり、共に水中の有機物の酸化に必要な量を表している。河川では流下時間が短く、短時間内に溶存酸素を消費する生物によって酸化されやすい有機物を問題にすれば良いのに対し、湖沼や海域などのいわゆる閉鎖性水域では滞留時間が長く、有機物の全量を問題とする必要があるとともに、光合成より有機物を生産し、溶存酸素の消費・生成を同時に行う藻類が大量に増殖してBODの測定値が不明瞭になることから、CODで表示されている。本発明では、生物により酸化されすい有機質分で被処理水の嫌気性条件をつくるものであり、対象が流入河川水に含まれる窒素・リンの除去に関する技術であるので、全てBOD表現としている。
閉鎖性水域である湖沼、沼、池などでは環境省にて類型AA、A、Bに区分されており、環境基準がCOD値で定められている。AA類型はCOD1mg/リットル以下、A類型はCOD3mg/リットル以下、B類型はCOD5mg/リットル以下となっており、富栄養化現象を起こすのはほとんどがB類型であり、CODが基準値5mg/リットルを超えていて、6〜7mg/リットルになると汚染された水域とみなされ、富栄養化現象を引き起こしていることが多く、富栄養化対策を施す必要が出てくる。
図1,2は本発明のより具体的な第1の実施の形態として本発明が適用される浄化処理システムの概略を示し、特に閉鎖性水域である湖沼の富栄養化防止対策として水質浄化を図る場合であって、湖沼流入河川の例を示している。なお、港湾の富栄養化対策の場合は対象が海水や海底のヘドロとなるだけで、基本的には湖沼の場合と同様であり、以下の説明では港湾関係の記載を省略している。
閉鎖性水域である湖沼1に流入する河川2の水は低BODで且つ高DOの清浄水であるが、例えば流域の農地3で使用された肥料中の窒素分およびリン分が河川2に流入し、最終的にはそれらの窒素分やリン分が湖沼1に流れ込んで富栄養化現象を引き起こし、湖沼1での汚濁・汚染を促進することになる。
ここで、低BODで且つ高DOの清浄な河川水とは、少なくともBOD値が10mg/リットル未満で且つDO値が2mg/リットル以上のものとし、後述するように水中の窒素やリンの効率的除去を行う上ではBOD値が5mg/リットル未満で且つDO値が5mg/リットル以上の河川水を対象とする。なお、この河川水には先に述べたように窒素とリンが溶け込んでいることは言うまでもない。
特に窒素は肥料から流れ出る時にはアンモニア形態(NH3−NまたはNH4−N)であるが、地中を通過する際に土に含まれる空気中の酸素と反応・硝化されるか、またはその後に中小河川に流れ込んだ時に水の中に含まれた溶存酸素と反応・硝化され、亜硝酸態窒素(NO2−N)または安定した硝酸態窒素(NO3−N)となり、そのまま湖沼1に流入する。
湖沼1の汚濁対策として湖沼1の河川流入口付近に後述するような浄化処理施設4を設置し、湖沼1の湖水(ここでは、高濃度の汚濁水とする)とともに底に堆積しているヘドロを取水ポイント5にてポンプ7等にて採取した上で、これをBOD源として浄化処理施設4の流入側に取り込み、同時に流入河川2の清浄な河川水も取水ポイント6にて図外のポンプ等にて採取した上でこれも浄化処理施設4の流入側に取り込む。そして、浄化処理施設4に取り込んだ清浄な河川水を、同じく浄化処理施設4に取り込んだ湖沼1の湖水またはヘドロに含まれる有機質分をもって河川水中の酸素を消費・減少させることにより積極的に嫌気性化させ、その嫌気性化に伴って活性化する脱窒素菌により水中の窒素の除去を行う。同時に、後述する浄化処理施設4内に設置されている鉄材にて鉄イオンを発生させ、その鉄イオンとの反応をもって水中のリンの除去を行う。こうして、水中に溶け込んでいる窒素やリンを除去した上で浄化処理後の水は再び湖沼1に放流することになる。
なお、本技術の有効性は閉鎖性水域の流入河川に限るものではなく、湖沼ならびに港湾等の河川流入口付近または河川上流域における閉鎖性水域の富栄養化にこだわらない窒素・リンの除去技術としても有効な手段である。
図3は上記浄化処理施設4でのフローシートを、また図4は図3のフローをより具体化した浄化処理施設4の概略構造をそれぞれ示す。
最初に図3に基づいて一連の流れの概略を説明する。
浄化処理施設4では、先に述べたようにその流入側に流入河川水が被処理水(原水)として取り込まれ、同時に湖沼1の湖水(高濃度の汚濁水)とともに湖沼1の底に堆積しているヘドロが有機質分を多く含んだBOD源としてそれぞれ取り込まれることから、初期工程である混合工程S1において両者が混合撹拌される。
なお、湖沼1からの湖水やヘドロの汲み上げは図2に示すようにポンプ7等にて浚渫の如く湖底の近くにて行うものとし、同時に符号A〜Dに示すようにポンプ7による吸い上げ位置を次々と移動しながら行うことがヘドロの効率的除去の上で好ましく、浚渫効果も期待できる。また、同一場所での採取は有機質分の絶対量確保が難しくなるので、吸い上げ位置の移動は不可欠で、採取場所を変える移動吸い上げは必須条件となる。
さらに、ここではBOD源として湖水とともにヘドロを取り込むようにしているが、後述するようにBOD源をもって被処理水を嫌気性化することができれば良いから、湖水およびヘドロのうち少なくともいずれか一つを混合工程S1に取り込めば良く、被処理水の嫌気性化を促進するとともに湖底の浚渫効果を狙う上では、有機質分をより多く含んでいるヘドロを多めに取り込むことが望ましい。
BOD源としての湖水やヘドロと混合された被処理水は後段の嫌気処理工程S2へと流れ、少なくともその嫌気処理工程S2での滞留中において嫌気性化され、同時に水中に溶け込んでいる窒素およびリンの除去、すなわち脱窒素および脱リン処理が行われる。なお、窒素およびリンの除去のメカニズムは後述する。
嫌気性化が進んだ被処理水は嫌気処理工程S2から後段の固液分離工程S3へと流れ、ここでの滞留中において汚泥成分の沈殿・分離が行われる。なお、固液分離までも嫌気処理工程S2内で行う場合には、浄化処理施設4として例えば特開2004−209465号公報に記載のいわゆる二重底タイプのものを使用し、その二重底部分に汚泥成分を沈殿させるようにしても良い。
先に述べたように、各請求項に言う「嫌気性化処理工程」の解釈にあたっては、図3の混合工程S1と嫌気処理工程S2のほか固液分離工程S3をも含むものとする。また、固液分離工程S3にて沈殿・分離した汚泥は適宜外部に取り出されるとともに、その全量または一部が前段の嫌気工程S2に戻される。さらに、上記のように嫌気処理工程S2と固液分離工程S3と兼ねて浄化処理施設4を二重底タイプとした場合には、沈殿・分離した汚泥を当該嫌気処理工程S2の上流側に戻すこととしても良い。
固液分離後の被処理水、特に固液分離工程S3での上澄み水は後段の好気処理工程S4へと流れ、ここにおいて曝気処理が施されることで被処理水は好気性化される。好気性化された被処理水は後段の固液分離工程S5に流れ込み、ここでの滞留中において再度汚泥成分の沈殿・分離が行われ、固液分離工程S5を経た被処理水、特にその上澄み水は湖沼1に向けて放流される。
なお、固液分離工程S5にて沈殿・分離した汚泥は、先の固液分離工程S3のものと同様に適宜外部に取り出されるとともに、その全量または一部が初期工程である混合工程S1に戻される。
図4において、浄化処理施設4ではその流入側から順に混合槽8、嫌気槽9、沈殿槽10、好気槽11および最終沈殿槽12の順に各処理槽を並設してある。
混合槽8と嫌気槽9とが図3の混合工程S1と嫌気処理工程S2にそれぞれ対応していて、図4に示すように混合槽8と嫌気槽9とは実質的に相互に一体化した構造であり、前段側(上流側)を混合槽8、後段側(下流側)を嫌気槽9としてある。また嫌気槽9、沈殿槽10および好気槽11の中には、微生物である嫌気性菌または好気性菌の付着のための担持体として接触濾材として三次元立体形状の繊維編成体13をそれぞれ収容してある。
ここに言う繊維編成体13とは、例えば図5に示すように、単繊維または撚り繊維を幾重にもループ状等に編み込んで糸状体またはひも状体の繊維集合体として三次元立体形状としたもので、間隙率が飛躍的に大きな点に特徴があり、各処理槽の内部で被処理水に浸しても所定の三次元立体形状を自己保持して、処理槽の内部において微生物の担持体(担体)として機能するものである。そして、図5に示すように複数の繊維編成体13を集約した上で、それらの上下両端に袋状または筒状の支持部14を連結してあるとともに、それらの支持部14に軸体15を挿入することでいわゆる簾状のものとしてあり、このような簾状のものを各処理槽に複数個ずつ吊り下げるようにして安定的に浸漬させてある。
なお、上記繊維編成体13に類似のものが例えば特公平6−65291号公報、特開平9−38676号公報、特開平9−94592号公報のほか特許第3667089号等に記載されている。このような繊維編成体13を接触濾材として採用した場合、濾材自体の比表面積を大きく確保できるため、必然的に微生物の保持量も多くなり、浄化効率の向上および浄化に必要な領域面積の小型化が可能となるほか、メンテナンス性も良好なものとなる。もちろん、必要に応じて繊維編成体13に代えて、あるいは繊維編成体13とともに、他の濾材、例えば礫状等の濾材を用いることも可能である。
混合槽8および嫌気槽9の内部には、上部越流を許容する複数の仕切り板16と下部浸透を許容する複数の仕切り板17とを交互に配置してあり、上流側から下流側に向かって上下方向に繰り返し蛇行した流れを積極的に生成することで、被処理水(原水)として導入した流入河川水とBOD源として導入した湖水およびヘドロとを混合するようになっている。このように混合槽8および嫌気槽9において被処理水と有機質分とを積極的に混合・撹拌することで、嫌気性化の促進とともに窒素やリンの除去が促進される。もちろん、複数の仕切り板16,17に代えて、例えば混合槽8および嫌気槽9の内部に例えば水中ミキサー等の撹拌機を設置して強制的に混合・撹拌したり、あるいは水中ポンプによる循環作用にて強制的に混合・撹拌するようにしても良い。
また、嫌気槽9には、その槽内にて鉄イオンを溶出させるために鉄製フィン付きの複数のチューブ18を浸漬させてある。なお、この鉄製フィン付きのチューブ18としては例えば特許第3714846号公報に記載のものが用いられる。
したがって、BOD源として有機質分を多く含んだヘドロ等と混合・撹拌された被処理水が混合槽8および嫌気槽9内を流れつつ滞留している過程で、混入した有機質分をもって被処理水中の溶存酸素が消費されて極端に減少する結果、当初はDO値が2mg/リットル以上といわゆる高DOであった被処理水はDO値で2mg/リットル未満になるまで嫌気性化される。
ここで、低BODで且つ高BOの被処理水の中にヘドロ等の有機質分を加えることは、微生物たる好気性菌が有機質分を分解することで水中の溶存酸素が消費され、その結果として嫌気性化されることを意味するが、混入した有機質分の全てが分解されてしまうわけではなく、僅かながら有機質分を水中になおも存在させることになる。このようにたとえ僅かでも有機質分が存在すると、前述の通り嫌気性雰囲気の中において通性嫌気性菌である脱窒素菌が活発に活動し、その働きで水中に溶け込んでいる亜硝酸態(NO2−N)および硝酸態(NO3−N)から、酸素(O)を奪い窒素(N)分をN2ガスとして分離した上で大気中に放出することになる。これによって、被処理水中に富栄養化成分として含まれている窒素分の除去が可能となる。同時に、嫌気性雰囲気の中で脱窒素が行われた後、好気性雰囲気に流下させることでリン蓄積菌の過剰摂取作用によって、同じく水中に富栄養化成分として溶け込んでいるリン(PO4−P)も除去される。
ただし、リン蓄積菌によるリンの除去はごく僅かであり、先に述べた閉鎖性水域の富栄養化防止対策としては必ずしも充分ではない。そのために本実施の形態では、先に述べたように嫌気槽9の中に予め鉄製フィン付きのチューブ18を浸漬してあり、被処理水が嫌気槽9に滞留している過程で鉄製フィン付きのチューブ18から水中に鉄イオンを溶出させる。この鉄イオンの溶出により、被処理水に溶け込んでいる溶解性のリン(PO4−P)は鉄イオンと結合することで顕在化した汚泥の如き化合物となり、その嫌気槽9またはその後段の沈殿槽10に滞留している過程において上記鉄イオンと結合された溶解性のリンの化合物を沈殿・分離させることで、富栄養化成分として水中に含まれているリンもまた除去される。この際、前述の如く攪拌機を設けることで、より効率的になることは言うまでもない。
なお、沈殿槽10に沈殿した汚泥(沈殿物)Q1はポンプ19等にて適宜外部に取り出して処分することになるが、汚泥の減容化・被処理水の嫌気化を図るためにその汚泥の全量または一部は前段の嫌気槽9に戻される。
ただし、混入する有機質分の条件として、SS分の少ない高濃度な有機汚濁水のような懸濁状態でない場合においては、沈殿槽10を省略することもできるが、鉄製フィン付きのチューブを設置してリン除去を積極的に行う場合には、沈殿槽10の設置は不可欠となる。ここで沈殿した汚泥中にリンがあることから再び汚染の元になるとの心配があるが、汚染原因である溶解性リンは顕在化し、鉄との強固な化合物となっているので、再び水に溶け込むことはない。最終的には処分汚泥として系外に出されるので心配はない。
こうして、嫌気性化による脱窒素および脱リン処理が施された被処理水は沈殿槽10を経た上でその上澄み水が後段の好気槽11に流入することは先に述べた。図4に示した好気槽11には、接触濾材である繊維編成体13とともに例えばブロア20と散気チューブ21とからなる曝気装置22を設けてあり、その好気槽11での滞留中において、前工程までに嫌気性化された被処理水のBOD値の低下とDO値の上昇を図り、もって被処理水を好気性化させることになる。したがって、好気性処理後の被処理水をそのまま湖1や河川に戻しても何ら問題は生じない。この場合、曝気装置を利用することなく、例えば自然流下の滝などの落差を利用して流下させることでDO値の上昇を図り、もって好気性化を行っても良い。
なお、水中に生息する微生物の嫌気性菌、好気性菌の区別はその環境あるいは雰囲気に依存し、同じ菌が環境あるいは雰囲気の変化で嫌気性菌にも好気性菌にもなり、嫌気性雰囲気では嫌気性菌に、好気性雰囲気では好気性菌になることは広く知られていることころであり、嫌気性雰囲気で生息していた微生物が好気性雰囲気では活性の高い好気性菌に変化することもある。
したがって、上記のように好気槽11を経た被処理水、すなわち前段の嫌気槽9での嫌気性化に伴い水中の富栄養化成分である窒素およびリンが除去された上で好気槽11にて好気性化された被処理水は最終沈殿槽12に流れ込む。そして、この最終沈殿槽12において再度被処理水中の汚泥成分の沈殿,分離が行われた後に、図1に示すように湖沼1に向けて放流されることになる。
なお、最終沈殿槽12に沈殿した汚泥(沈殿物)Q2は、前段の沈殿槽10の場合と同様にポンプ23等にて適宜外部に取り出して処分することになるが、汚泥の減容化・被処理水の嫌気化を図るためにその汚泥の全量または一部は前段の混合槽9に戻される。
このように本実施の形態によれば、閉鎖性水域である湖沼1の富栄養化防止の対策として、浄化処理施設4にて湖水および流入河川水の脱窒素処理および脱リン処理を行うことで、閉鎖性水域の浄化三原則、すなわち(1)汚染源流入の断絶、(2)湖水の浄化、(3)ヘドロの除去、を同時に行うことが可能となる。
ここで、図6に示すように流入河川2とは別に閉鎖性水域である同じ湖沼1へ流入する河川24があり、その河川24には生活排水が流れ込んで有機汚濁が進行しているような場合には、流入河川2の河川水の嫌気性化のために浄化処理施設4に取り込む有機質分として、図1の湖水やヘドロに代えて河川24の有機汚濁水を取水ポイント24aにて取り込んで使用しても良い。
同様に、流入河川2の河川水の嫌気性化のために浄化処理施設4に取り込む有機質分として、図1の湖水やヘドロに代えて、図7に示すように他の浄化処理施設にて発生した余剰汚泥Qを搬入して使用しても良い。この場合には、図8のフローシートに示すように浄化処理施設4に汚泥貯留部25を設け、この汚泥貯留部25に各固液分離工程S3,S5で発生した汚泥Q1,Q2とともに他の浄化処理施設の余剰汚泥Qを搬入・収容した上で、混合工程S1に対しBOD源である有機質分として汚泥貯留槽25の汚泥を投入するようにしても良い。
さらにまた、図9に示すように、特定の河川30に流れ込む支川31での水質浄化を目的として、その支川31に近くに浄化処理施設4を設置しても良い。
すなわち、図9では、河川30の汚濁対策としてその河川30と合流することになる支川31の近くに浄化処理施設4を設置し、支川31の清浄な河川水を取水ポイント32にて図外のポンプ等にて採取した上でこれを浄化処理施設4の流入側に取り込むとともに、同時に先に述べたように別の浄化処理施設で発生した余剰汚泥Qやヘドロ等をBOD源として同じく浄化処理施設4の流入側に取り込み、余剰汚泥またはヘドロに含まれる有機質分をもって河川水中の酸素を消費・減少させることにより積極的に嫌気性化させ、その嫌気性化に伴って活性化する脱窒素菌により水中の窒素の除去を行う。同時に、先に述べたように浄化処理施設4内に設置されている鉄材にて鉄イオンを発生させ、その鉄イオンとの反応をもって水中のリンの除去を行う。こうして、水中に溶け込んでいる窒素やリンを除去した上で浄化処理後の水は再び支川31のうち取水ポイントよりも下流側に放流するものとする。
なお、浄化処理後の水の放流先は必ずしも支川31のうち取水ポイントよりも下流側である必要はなく、例えば希釈のために支川31のうち取水ポイントよりも上流側に放流しても良いし、さらに河川30のうち支川31との合流位置よりも上流側または下流側に放流しても良い。
図10には高DO値の清浄水(原水)に対しBOD源たる有機質分として汚泥を投入した場合の嫌気性化の実験結果を示す。
原水のDO値は9.2mg/リットル、汚泥のBOD値は1,100mg/リットルであり、原水に対する汚泥の投入割合はそれぞれ重量比率で5%、7%、10%とした。同図から明らかなように、原水に対する汚泥の投入割合と滞留時間によりDO値の変化が左右されるものの、時間経過に伴う原水のDO値の低下は明らかであり、同時に汚泥の投入割合が大きいほどDO値の低下が顕著となることがわかる。これは汚泥の投入に伴いその汚泥中に含まれる有機質分で水中の溶存酸素が消費され、いわゆる高DOの水もDO値で2mg/リットル未満まで嫌気性化できることが理解できる。特に、DO値で2mg/リットル未満まで嫌気性化するためには、汚泥の投入割合が重量比率で7%以上必要で、且つ滞留時間が少なくとも30〜60分程度必要であることがわかる。
一方、投入する汚泥の質も少なからず影響があるものと予想されるが、上記実験で使用した汚泥は河川浄化処理施設の余剰汚泥で微生物の死骸が主な成分となっているものであり、汚泥貯留槽がなく曝気槽の底部に溜まっている汚泥をそのまま使用した。そのため、濃度が薄く採取直後は好気性を維持しており、必ずしも積極的な嫌気性化に向いている汚泥とは言い難い汚泥であるが、採取した汚泥水自体も時間の時間の経過とともに徐々に酸素を消費してDO値が低下することが確認されている。したがって、嫌気性化に適した活性の高い高BODもしくは有機質物質の多い汚泥であれば、実験よりも少ない量で且つ短時間で嫌気性化できることは容易に推定できる。
例えば、湖底のヘドロ等の場合は嫌気性化していて生息する菌は嫌気性菌がほとんどで、活性のある好気性菌がほとんど存在していないが、BOD源として有効な微生物や小動物などの死骸が含まれていることで、低BODで且つ高DOの水の嫌気性化に適していると言える。すなわち、水中に生息する微生物の嫌気性菌、好気性菌の区別はその環境あるいは雰囲気に依存し、同じ菌が環境あるいは雰囲気の変化で嫌気性菌にも好気性菌にもなり、嫌気性雰囲気では嫌気性菌に、好気性雰囲気では好気性菌になることは先に述べた通りであり、嫌気性雰囲気で生息していた微生物が好気性雰囲気では活性の高い好気性菌に変化して有機質分の分解活動を行うことが多く、その活動の結果、酸素を消費して水を嫌気性とする。
なお、上記実験時の汚泥投入による原水のBOD値の変化をDO値の変化とともに示せば図11のようになる。ただし、図11でのデータの収集は汚泥投入後1時間を経過した水を冷蔵庫(5℃)で保管し、分析を行った。
図11に示すように、原水に比べて汚泥を投入量が多いものほど嫌気性化されてBOD値が上昇していることがわかる。このように嫌気性化された水中にBOD源(有機質分)が存在することで、特に脱窒素菌の発生,増殖が促進され、さらに有機質分を水素供与体として用いることで硝酸態(NO3−N)、亜硝酸態(NO2−N)の窒素除去が行われ、従来困難とされていた低BODで且つ高DOの原水から窒素を効率良く除去することが可能となる。
このように本実施の形態においては、清浄化されている河川水に汚泥や汚濁水をあえて投入することを基本としていることから、清浄化されている河川水に汚泥や汚濁水を投入することに違和感を感ずる向きもあるが、閉鎖性水域の富栄養化は同水域汚染の最大の問題であるので、その原因である窒素やリンの除去を目的として汚泥等を投入しても、窒素・リンの除去処理後最終的に元の河川水がBOD値で10mg/リットル以下(望ましくは5mg/リットル以下)に維持されれば大きな問題となることはなく、少なくとも閉鎖性水域での富栄養化防止対策としては有効な手段であると言え、閉鎖性水域以外での窒素・リン除去にもまた有効である。
その一方、脱窒素および脱リン処理後の水をいわゆる低DOの嫌気性のままで湖沼1に戻すことは二次的不具合を招く可能性もあるので、脱窒素および脱リン処理後に最終曝気を行っていわゆる高DO(2mg/リットル以上、望ましくは5mg/リットル以上)とした上で閉鎖性水域である湖沼1または支川31に戻す。
また、有機物投入により上昇したBOD値も浄化処理施設4での脱窒素および脱リン処理時の嫌気性滞留時間において若干減少し、且つ最終曝気を行う際に好気槽11内に微生物を担持する濾材として繊維編成体13を予め入れておくことでさらにBOD源の有機質分は分解され、BOD値は低下する。繊維編成体13を入れた好気槽11での最終曝気はBOD値を下げ、DO値を上げるので非常に有効であり、閉鎖性水域における浄化処理施設4では濾材、特に繊維編成体13の設置は有効な手段である。
このように本実施の形態によれば、低BODで且つ高DOである上に窒素およびリンを含まず、自然環境にやさしく、閉鎖性水域での富栄養化防止対策としてきわめて有効な清浄水をつくり出すことができることになる。
本発明の第1の実施の形態として本発明が適用される閉鎖性水域での浄化処理システムの概略平面説明図。 図1の要部の断面説明図。 図1における浄化処理施設での処理手順を示す工程説明図。 図1における浄化処理施設の具体的構造の一例を示す説明図。 図4の浄化処理施設にて接触濾材として用いられる繊維編成体の説明図。 図1の変形例を示す概略平面説明図。 図1のさらに別の変形例を示す概略平面説明図。 図7における浄化処理施設での処理手順を示す工程説明図。 図1のさらに別の変形例を示す概略平面説明図。 汚泥投入による嫌気化実験において時間とDO値との関係を示すグラフ。 同じく汚泥投入による嫌気化実験においてBOD値とDO値の変化を示すグラフ。
符号の説明
1…湖沼
2…流入河川
3…農地
4…浄化処理施設
8…混合槽
9…嫌気槽
10…沈殿槽
11…嫌気槽
12…最終沈殿槽
13…繊維編成体(接触濾材)
18…鉄性フィン付きチューブ
22…曝気装置
30…河川
31…支川
S1…混合工程
S2…嫌気処理工程
S3…固液分離工程
S4…好気処理工程
S5…固液分離工程

Claims (11)

  1. 生物化学的酸素要求量(BOD値)が10mg/リットル未満で且つ水中の溶存酸素量(DO値)が2mg/リットル以上の清浄な水を被処理水として、この被処理水に含まれる少なくとも富栄養化成分を除去する方法であって、
    上記被処理水に嫌気性化処理を施す工程を含んでいて、
    上記嫌気性化処理工程の段階で被処理水に対し有機成分を混入し、
    被処理水中に溶存する酸素の消費・減少をもって上記被処理水をDO値が2mg/リットル未満となるまで嫌気性化させて、
    被処理水中の窒素およびリンを除去することを特徴とする水質浄化処理方法。
  2. 上記嫌気性化に用いる有機質分の全部または一部を自然由来の有機質分とすることを特徴とする請求項1に記載の水質浄化処理方法。
  3. 被処理水が最終的に閉鎖性水域に流入する河川の水であって、
    その被処理水中の富栄養化成分を除去して嫌気性となった被処理水を、BOD値が10mg/リットル未満で且つDO値が2mg/リットル以上の好気性処理水とした上で放流することを特徴とする請求項1または2に記載の水質浄化処理方法。
  4. 放流先として上記河川の取水ポイントよりも下流側に放流することを特徴とする請求項3に記載の水質浄化処理方法。
  5. 上記嫌気性化処理工程ではDO値が1mg/リットル以下となる嫌気性化処理とともに鉄イオンを発生させて、被処理水中の富栄養化成分であるリンの除去を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水質浄化処理方法。
  6. 上記嫌気性化処理工程では有機質分を混入した被処理水を撹拌することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の水質浄化処理方法。
  7. 被処理水への混入をもってその水中に溶存する酸素を消費・減少させる自然由来の有機質分として、ヘドロおよびそのヘドロ採取位置周辺の汚濁水のうち少なくともいずれかを使用することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の水質浄化処理方法。
  8. 被処理水への混入をもってその水中に溶存する酸素を消費・減少させる自然由来の有機質分として、水質浄化処理施設にて発生する余剰汚泥を使用することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の水質浄化処理方法。
  9. 被処理水への混入をもってその水中に溶存する酸素を消費・減少させる自然由来の有機質分として、BOD値が10mg/リットル以上の河川または排水路の水を使用することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の水質浄化処理方法。
  10. 被処理水への混入をもってその水中に溶存する酸素を消費・減少させる自然由来の有機質分として、上記河川と同一水系またはその近傍の水域より発生する自然由来の有機質分とすることを特徴とする請求項3または4に記載の水質浄化処理方法。
  11. 請求項7〜10に記載の有機質分のうち少なくともいずれか一つとともに、上記嫌気性化処理工程より発生する余剰汚泥を使用することを特徴とする水質浄化処理方法。
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