JP2004223335A - 配管洗浄方法、配管洗浄装置および制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】室外機1を設置する前段階において用いられる専用の配管洗浄装置、または空気調和システムの構成要素の一つである室外機に配管洗浄機能を具備させたものにより、既設配管または新設配管の内部を洗浄する場合、その長さや内径、接続されている室内機の台数等がそれぞれ異なっているので、洗浄する既設配管または新設配管毎に適正な洗浄条件を設定するなど作業が煩雑であった。
【解決手段】室内機30a・30b・・・を備える空気調和システム101において、該配管20を構成する主配管34a・34bと室内機とを連通する枝配管35a・35a・・・を流れる冷媒の流速が各室内機間で略一定となるように、各室内機用の膨張弁32a・32b・・・の開度を調節して洗浄作業を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】室内機30a・30b・・・を備える空気調和システム101において、該配管20を構成する主配管34a・34bと室内機とを連通する枝配管35a・35a・・・を流れる冷媒の流速が各室内機間で略一定となるように、各室内機用の膨張弁32a・32b・・・の開度を調節して洗浄作業を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建造物の天井や壁等に埋設された既設配管において、該既設配管内壁に付着している従来冷媒(クロロフルオロカーボンやハイドロフルオロカーボンなど)用の冷凍機油等、および新設配管において、溶接作業時に該新設配管内部に発生する新設配管の酸化膜(スケール)やその他付着物等、といった配管内残留物(新設・既設配管内の異物の総称)を除去する技術に関する。
より詳細には、▲1▼配管洗浄機能を具備する室外機の配管と、室内機の配管と、既設配管または新設配管と、で冷媒循環回路を形成して配管内を洗浄し、該室外機内に設けられたアキュムレータを捕捉手段として配管内残留物を捕捉する場合、または、▲2▼専用の洗浄装置の配管と、既設配管または新設配管とで冷媒循環回路を形成して配管内を洗浄し、該洗浄装置に設けられた捕捉手段に配管内残留物を捕捉する場合、において既設配管または新設配管内の冷媒の流速を所定値以上に保持して洗浄する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気調和システムではCFC(クロロフルオロカ−ボン)やHCFC(ハイドロクロロフルオロカ−ボン)といった塩素系冷媒(以下、「従来冷媒」とする)が使用されていたが、分子中に含まれる塩素が成層圏でオゾン層を破壊するため、代替として非塩素系冷媒であるHFC(ハイドロフルオロカ−ボン)(以下、「新冷媒」とする)が使用されるようになっている。
【0003】
この新冷媒への代替に伴い、以下の如き問題が生じている。
すなわち、施工工数(施工費用)削減の観点から見ると、建物の既設配管(室内機と室外機とを連通する冷媒用配管であって、壁や天井などに埋設されており、室内機および室外機を従来冷媒対応型から新冷媒対応型に交換する際に、新しい配管と交換することが困難な部分)を利用したまま、室内機および室外機を新設することが好ましいが、圧縮機に使用される冷凍機油は従来冷媒と新冷媒とでは性状等が異なることから、従来冷媒用の冷凍機油は新冷媒対応型の空気調和システムにおいては使用することができない。
【0004】
従って、新冷媒対応型の室内機および室外機を設置する際には、既設配管内に付着した従来冷媒用の冷凍機油等を除去する洗浄作業を行う必要がある。この洗浄作業は、空気調和システムの構成要素である室内機および室外機を設置する前段階において、専用の配管洗浄装置を用いて行なわれる。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0005】
また、作業工程の簡素化のために、専用の配管洗浄装置を使用せず、新設の室外機自体に既設配管の洗浄機能を持たせることが検討されている。例えば、特許文献2に記載の如くである。
【0006】
一方、新設配管(建造物の天井や壁等に新規に埋設された配管であって、冷媒等の流体を循環させていないものを指す)に新設の室内機および室外機を接続する場合においても、専用の配管洗浄装置、または新設の室外機自体に設けられた配管洗浄機能により、新設配管内を予め洗浄してから使用する(通常の冷房・暖房運転を行う)ことが室外機の性能維持等の観点から見て望ましい。
これは、新設配管の溶接の過程で生じる配管材料の酸化膜(スケール)やその他付着物、ゴミ等が新設配管内部に残留している場合があることによる。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−246334号公報
【特許文献2】
特開2000−329432号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
室内機および室外機を設置する前段階において用いられる専用の配管洗浄装置、または空気調和システムの構成要素である室外機に配管洗浄機能を具備させたものにより、既設配管または新設配管の内部を洗浄する場合、以下の如き問題点が生ずる。
【0009】
すなわち、既設配管または新設配管内の配管内残留物を洗浄し、捕捉手段まで押し流すには、該配管内を流れる冷媒の流速を所定値(洗浄流速)以上に保持しつつ洗浄作業を行う必要がある。しかし、既設配管または新設配管は、その長さや内径(断面積)、該既設配管または新設配管に接続されている室内機の台数等がそれぞれ異なっている。
従って、洗浄する既設配管または新設配管毎に適正な洗浄条件(配管内の冷媒の流速が所定値以下とならない条件)を設定してから洗浄作業を行う必要があり、作業が煩雑となる。
また、洗浄条件に関して専門の知識を有する者が同行して作業を行う必要があるなど、技術的、コスト的にも問題があった。
本発明は以上の如き状況に鑑み、配管洗浄機能を具備する室外機、または専用の配管洗浄装置において、既設配管または新設配管内に残留する配管内残留物を容易かつ確実に除去できる配管洗浄方法、配管洗浄装置およびその制御装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0011】
即ち、請求項1においては、空気調和システムの配管洗浄方法であって、該配管を構成する主配管と室内機とを連通する枝配管内を流れる冷媒の流速が各室内機間で略一定となるように、各室内機用の膨張弁の開度を調節するものである。
【0012】
請求項2においては、空気調和システムの配管洗浄方法であって、該配管を構成する主配管と室内機とを連通する枝配管内を流れる冷媒の流速が所定の洗浄流速以上、かつ各室内機間で略一定となるように、各室内機用の膨張弁の開度を調節するものである。
【0013】
請求項3においては、空気調和システムの配管洗浄方法であって、該配管を構成する主配管と室内機とを連通する枝配管内を流れる冷媒の流速が所定の洗浄流速以上となるように室内機を複数のグループに分け、該グループ毎に枝配管の洗浄を行うものである。
【0014】
請求項4においては、空気調和システムの配管洗浄方法であって、該配管を構成する主配管と室内機とを連通する枝配管内を流れる冷媒の流速が所定の洗浄流速以上となるように室内機を複数のグループに分け、枝配管内を流れる冷媒の流速が該グループに属する室内機間で略同じとなるように各室内機用の膨張弁の開度を調節し、グループ毎に枝配管の洗浄を行うものである。
【0015】
請求項5においては、前記洗浄時における室内機用の膨張弁の開度は、室内機の冷房負荷または暖房負荷に基づいて決定されるものである。
【0016】
請求項6においては、前記配管の洗浄を行う前に、室外機内の冷媒配管のみで冷媒回路を構成し、該冷媒回路内で冷媒を循環させて、該冷媒配管内に滞留する液化した冷媒を気化させるものである。
【0017】
請求項7においては、請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の配管洗浄方法を実行するものである。
【0018】
請求項8においては、前記配管洗浄装置を空気調和システムの室外機に備えるものである。
【0019】
請求項9においては、請求項7または請求項8に記載の配管洗浄装置の制御装置であって、該制御装置を前記空気調和システムに備えたものである。
【0020】
請求項10においては、前記制御装置は空気調和システムのシステムコントローラを兼ねるものである。
【0021】
請求項11においては、前記制御装置は、空気調和システムの外部と通信可能であるものである。
【0022】
請求項12においては、請求項7または請求項8に記載の配管洗浄装置の制御装置であって、前記制御装置は、空気調和システムの外部から、有線または無線により空気調和システムのシステムコントローラと通信可能であるものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は空気調和システムの模式図、図2は本発明の配管洗浄装置を具備する空気調和システムの実施例における冷媒回路図、図3は本発明の洗浄装置を具備する空気調和システムの実施例におけるアキュムレータとオイルタンクの模式図、図4は本発明の洗浄装置を具備する空気調和システムの実施例における制御機器類のブロック図、図5は本発明の配管洗浄装置の実施例における配管洗浄方法のフロー図、図6は本発明の配管洗浄装置の別実施例における配管洗浄方法のフロー図、図7は洗浄流速と目標洗浄時間との関係を示すグラフである。
【0024】
以下では、図1および図2を用いて本発明の配管洗浄方法、配管洗浄装置および制御装置が適用される空気調和システム101の概略説明を行う。
図1および図2に示す如く、本発明の配管洗浄方法、配管洗浄装置および制御装置が適用される空気調和システム101は、主に、建造物等の外部に設置される室外機1、建造物の天井や壁等に埋設された既設配管(または新設配管)20、建造物等の室内に設置される室内機30a・30b・・・等で構成されている。
【0025】
本実施例の室外機1は、通常の暖房・冷房運転を行う機能に加えて、配管洗浄機能を備えている。
「配管洗浄機能」とは、室外機1内の冷媒配管、既設配管(または新設配管)20および室内機30a・30b・・・内の冷媒配管等により形成される冷媒回路内に、新冷媒を所定値以上の流速(洗浄流速)で循環させ、既設配管(または新設配管)20および室内機30a・30b・・・内に滞留している配管内残留物を冷媒回路の下流側へ押し流しつつ洗浄し、捕捉手段にて該配管内残留物を捕捉する機能をいう。
なお、以下の説明では、「配管内残留物」は、既設配管内壁に付着している従来冷媒(クロロフルオロカーボンやハイドロフルオロカーボンなど)用の冷凍機油等、または新設配管内部に溶接作業時に発生する新設配管の酸化膜(スケール)やその他付着物等、既設配管・新設配管内に滞留している異物の総称とする。
【0026】
このような配管洗浄機能を具備するために、室外機1はアキュムレータ6を配管内残留物の捕捉手段としても利用可能に構成されており、通常運転時にはアキュムレータ6を本来の気液分離容器として利用するために配管内残留物を回収する別の容器(図2中のオイルタンク27に相当する)や該容器とアキュムレータ6、冷媒回路とを連通する配管群、開閉弁群、および検知手段等が設けられている。
また、室外機1内には、エンジン3や圧縮機2の運転、開閉弁群の開閉、および室内機30a・30b・・・の室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・の開閉などを制御するシステムコントローラ25が備えられている。
【0027】
すなわち、本実施例の室外機1において「配管洗浄装置」に相当する部分は、冷媒搬送手段である圧縮機2、配管内残留物の捕捉手段であるアキュムレータ6、圧縮機2の圧送口から既設配管(または新設配管)20、既設配管(または新設配管)20からアキュムレータ6、アキュムレータ6から圧縮機2の吸入口までを連通する室外機1内の冷媒配管、該冷媒配管の中途部に設けられ、冷媒の流量(または流速)を調節する調節弁である第一膨張弁21、冷媒の流量(または流速)を検知する検知手段である流量計36、およびこれら配管洗浄装置を構成する構成要素を後述の配管洗浄方法を実行するために制御する制御装置であるシステムコントローラ25等である。
【0028】
なお、本発明の配管洗浄方法を実行するための配管洗浄装置の装置構成は、前述の室外機1内の構成には限定されず、冷媒搬送手段や配管内残留物の捕捉手段、冷媒配管群、冷媒の流量(または流速)の調節弁、冷媒の流量(または流速)の検知手段、制御装置等を備えてなり、本発明の配管洗浄方法を実行可能であれば良く、また室外機1に該配管洗浄装置が具備されていても、室外機1と該配管洗浄装置とが別体(すなわち専用の配管洗浄装置)であっても良い。
【0029】
既設配管(または新設配管)20は、建造物等の天井や壁に埋設される配管であり、通常は一対の主配管34a・34bと、主配管34aに一端が連通された枝配管35a・35a・・・と、主配管34bに一端が連通された枝配管35b・35b・・・とで構成される。
【0030】
室内機30a・30b・30c・30d・30e・30fにはそれぞれ室内熱交換器31a・31b・31c・31d・31e・31fが設けられ、該室内熱交換器31a・31b・31c・31d・31e・31fの両端はそれぞれ前記枝配管35a・35bの他端(主配管34a・34bと連通されていない方の端部)と連通される。また、室内熱交換器31a・31b・31c・31d・31e・31fの一端には室内熱交換器用膨張弁32a・32b・32c・32d・32e・32fが設けられる。
なお、図1においては六台の室内機30a・30b・30c・30d・30e・30fが既設配管(または新設配管)20に連通される構成としたが、室内機の台数はこれに限定されず、一台以上であればよい。
【0031】
以下では、図2を用いて本発明の配管洗浄方法を行う配管洗浄装置の実施例である空気調和システム101の冷媒回路の概略構成を説明する。
なお、以下の説明では図2に示すエンジン駆動式ヒートポンプである室外機を用いて説明するが、本発明は、エンジン駆動式ヒートポンプに限らず、電気エアコンやその他の形式の室外機を備える空気調和システム全般に適用可能である。
また、室内機30a・30b・・・の台数は限定されず、一台の室外機1に対して一台または複数台の室内機を備える空気調和システムに対して本発明は適用可能である。
【0032】
図2において、エンジン駆動式ヒートポンプの室外機1は、圧縮機2、エンジン廃熱回収器4、室外熱交換器5、アキュムレータ6、リキッドレシーバ7等の装置と、四方弁8、オイルセパレータ10やその他の弁・配管・フィルタ等により冷媒回路を形成している。
【0033】
また、室外機1には、ラジエータ11と、冷却水三方弁12、サーモスタット13、冷却水ポンプ14、排ガス熱交換器15、冷却水管16が備えられ、前記エンジン3とともに、エンジン冷却水回路を構成している。
なお、エンジン廃熱回収器4は、圧縮機2の吸入側、即ち、圧縮機2に吸入される冷媒の流れにおいて、圧縮機2の上流側に設けられており、エンジン冷却水の一部がエンジン廃熱回収器4内を通過することにより、冷媒との間で熱交換を行い、冷媒の気化を促進する。
【0034】
以下では、冷媒回路を構成する各部材について、冷房運転時の冷媒の流れに沿って説明する。
【0035】
圧縮機2は、クラッチ3a(図4に図示)によるエンジン3の駆動の断接により内部の回転体を駆動する構成としており、このクラッチ3aは電磁クラッチより構成され、その断接は、図2に示す如く室外機1を運転制御するシステムコントローラ25により制御されるようにしている。
【0036】
オイルセパレータ10は圧縮機2にて圧送された高温高圧の冷媒が最初に流入する容器であり、該オイルセパレータ10により、気体状の冷媒と、液体状の新冷媒用冷凍機油とを気液分離する。気体状の冷媒は四方弁8へ搬送され、液体状の新冷媒用冷凍機油は配管10aを介して圧縮機2の吸入口側へ搬送される。
オイルセパレータ10の底部には配管10aの一端が接続され、他端は主アキュムレータ出口配管84の中途部においてアキュムレータ出口配管開閉弁29よりも下流側(圧縮機2の吸入口に近い方)に接続される。従って、オイルセパレータ10にて冷媒と気液分離された冷凍機油は、主アキュムレータ出口配管84に流れ、再び圧縮機2へと供給されるようになっている。
【0037】
しかし、オイルセパレータ10での新冷媒用冷凍機油の回収率は100%とはならず、少量ではあるが冷媒とともに冷媒回路の下流側へ搬送されるものがある。
従って、後述する洗浄運転を継続していると、従来冷媒用の冷凍機油(洗浄運転により回収する)と、オイルセパレータ10により回収できずに冷媒回路へ搬送された一部の新冷媒用冷凍機油とが混合した状態で捕捉手段(アキュムレータ6)に捕捉される。すなわち、洗浄運転中にオイルセパレータ10よりも下流側の冷媒回路側へ搬送された分だけ、冷媒回路内の新冷媒用冷凍機油は減少する。
よって、オイルタンク27から新冷媒用の冷凍機油を冷媒回路に補充する必要があるのである。
また、後述する準備運転開始時には、圧縮機2内にある程度冷凍機油が封入されており、準備運転開始直後は圧縮機2の圧送口より冷凍機油が冷媒回路側へ流出するが、圧縮機2の吸入口側にすぐには冷凍機油が戻ってこないので、後述するオイルタンク27より冷凍機油を補充することが圧縮機2内部の潤滑の観点から見て有効である。
【0038】
続いて、四方弁8を通過した冷媒は冷房運転の場合、室外熱交換器5、第一膨張弁21を経てリキッドレシーバ7に流入する。リキッドレシーバ7は室外熱交換器5および第一膨張弁21を通過する過程で一部気体のまま送られ、また、冷媒量も変化するので、一時的に貯留して液が常に残留するようにして液化した冷媒を安定して膨張弁32へ送るためのものである。
【0039】
また、前記室外熱交換器5とリキッドレシーバ7とを接続する配管の中途部には、第一膨張弁21が設けられている。これは暖房時に冷媒を減圧させるためのものである。
一方、前記エンジン廃熱回収器4と、リキッドレシーバ7とを合流点45を介して通じさせる冷媒バイパス配管82の中途部には、第二膨張弁22が設けられている。
【0040】
リキッドレシーバ7を通過した気体状の冷媒は、第二開閉弁18を経て既設配管(又は新設配管)20内に流入し、室内機30a・30b・・・内の膨張弁32a・32b・・・で減圧され熱交換器31a・31b・・・で気化されて第一開閉弁17まで戻ってくる。室内機30a・30b・・・は、空調を必要とする建物内等に設置されるものであり、それぞれ室内熱交換器31a・31b・・・、室内機ファン33a・33b・・・、室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・等を備え、既設配管(又は新設配管)20に対して並列で接続される。
図2に示す如く、室内機30a・30b・・・は、既設配管(又は新設配管)20の一端と室外機1との間に第一開閉弁17および第二開閉弁18を介装しつつ接続し、既設配管(または新設配管)20の他端と室内機30a・30b・・・の配管とを接続することにより冷媒回路を形成し、該冷媒回路に新冷媒を循環させるとともに、後述するシステムコントローラ25により四方弁8その他の制御を行うことで、循環回路内の冷媒の流路を変更し、暖房運転や冷房運転、洗浄運転などを行う構成としている。
【0041】
第一開閉弁17まで戻って来た冷媒は、四方弁8を経てエンジン廃熱回収器4内を通過後、アキュムレータ6内に流入する。
【0042】
以下では図2および図3に示す本実施例の室外機1におけるアキュムレータ6の詳細構成について説明する。
本実施例のアキュムレータ6は、通常の冷房運転および暖房運転時において室内機30a・30b・・・を経て戻ってきた冷媒を気液分離して、液化した状態の冷媒が圧縮機2の吸入口に供給されることにより発生する圧縮機2の破損や性能低下を防止するという本来の機能と、洗浄運転時に配管内残留物を気体状の冷媒と気液分離して捕捉する捕捉手段としての機能を兼ねている。
図2および図3に示す如く、アキュムレータ6は、容器40に、該容器40内部と連通する複数の配管が挿入された構成になっている。
アキュムレータ6に連通接続されている配管は、主に第一吸入管87、第二吸入管88、主アキュムレータ出口配管84(アキュムレータ6側端部にU字管83が接続されている)、副アキュムレータ出口配管85、および回収配管19である。
【0043】
第一吸入管87はその一端が四方弁8に接続され、エンジン廃熱回収器4を経て他端が容器40内の上部空間と連通しており、冷媒回路内を循環している冷媒をアキュムレータ6に搬送するための配管である。
【0044】
第二吸入管88は、その一端が接続点50にて第一開閉弁17と四方弁8とを接続する配管51の中途部に連通され、他端は容器40内の上部空間に連通されている。また、第二吸入管88の中途部には開閉弁49が設けられている。
【0045】
主アキュムレータ出口配管84は、アキュムレータ6と圧縮機2とを連通する配管であり、通常運転(冷房・暖房運転)時は液体状の冷媒を吸入せず、気体状の冷媒のみを圧縮機2側へ搬送し、かつ、アキュムレータ6底部に滞留した新冷媒用の冷凍機油(オイルセパレータ10により回収しきれずにアキュムレータ6まで搬送されたもの)を少量ずつ圧縮機2側へ戻すために、アキュムレータ6側端部はU字管83と接続されている。
【0046】
U字管83は略U字型に曲げられた配管であり、その一端は容器40内の上部空間にて冷媒吸入口43を開口している。またU字管83の他端は、容器40上面を貫通して容器40外に延出され、主アキュムレータ出口配管84の一端と接続される。こうして前記容器40内の上部空間と主アキュムレータ出口配管84とが連通される。
また、U字管83の底部壁面には油吸入孔24が穿設されており、通常運転時(暖房運転または冷房運転時など)にはアキュムレータ6の底部に滞留した新冷媒用の冷凍機油を圧縮機2の吸入側に搬送可能に構成される。
【0047】
副アキュムレータ出口配管85もまた、圧縮機2の吸入側とアキュムレータ6とを連通するための配管であり、副アキュムレータ出口配管85の一端は、容器40上面を貫通して容器40内に挿入され、容器40内の上部空間にて冷媒吸入口44を開口している。副アキュムレータ出口配管85の他端は接続点95にて主アキュムレータ出口配管84と連通接続される。そして、接続点95とU字管83との間において、主アキュムレータ出口配管84の中途部にはアキュムレータ出口配管開閉弁29が設けられている。
【0048】
このようにアキュムレータ6と圧縮機2との間で冷媒を搬送するアキュムレータ出口配管が二本(主アキュムレータ出口配管84と副アキュムレータ出口配管85)配設される理由は、前述の如く、アキュムレータ6が通常運転時と、洗浄運転時で機能が異なることと密接な関係がある。
すなわち、通常運転時にはアキュムレータ出口配管開閉弁29が開けられて、該アキュムレータ6にて冷媒は気液分離される。そして、主に主アキュムレータ出口配管84より気体冷媒のみが圧縮機2側へ戻される。さらに、アキュムレータ6底部に滞留する少量の新冷媒用の冷凍機油が少しずつ圧縮機2側へ回収される。
U字管83の形状は、以上の如く、気体状の冷媒と、少量の新冷媒用の冷凍機油とを選択的に圧縮機2側へ回収するためのものである。
このとき、配管の主アキュムレータ出口配管84の直径が副アキュムレータ出口配管85の直径よりも大きいことから、気体冷媒の大部分は主アキュムレータ出口配管84を通過して圧縮機2に戻される。
【0049】
一方、洗浄運転時にはアキュムレータ出口配管開閉弁29が閉じられて、アキュムレータ6には、配管内残留物(新設・既設配管内の異物の総称)からなる液体成分が捕捉される。そして、気体冷媒のみが副アキュムレータ出口配管85から圧縮機2に搬送され、配管内残留物はアキュムレータ6内に確実に捕捉される。副アキュムレータ出口配管85のアキュムレータ6側の開口部である冷媒吸入口44はアキュムレータ6内空間上部で開口しており、冷媒吸入口44より副アキュムレータ出口配管85にアキュムレータ6で気液分離後の液体成分が流入することはない。
【0050】
次に、本実施例におけるオイルタンク27の詳細構成について説明する。
図2および図3に示す如く、オイルタンク27は、略円柱形状の容器に、該容器内部と連通する複数の配管が挿入された構成になっている。
オイルタンク27は、後述する準備運転時に新冷媒用の冷凍機油を冷媒回路に供給する供給タンクとしての機能と、準備運転後の洗浄運転時に、配管内残留物(従来冷媒用の冷凍機油や、配管材料の酸化膜その他、既設・新設配管内の異物)を回収する回収容器としての機能とを兼ねるものである。
【0051】
オイルタンク27に連通接続されている配管は、主に回収配管19、ガス抜き配管86、オイル供給配管98である。
【0052】
回収配管19は、その一端19aがアキュムレータ6の容器40底面にて該容器40内と連通し、他端19bがオイルタンク27内の上部空間と連通している。
また、回収配管19の中途部には回収弁28が設けられている。
【0053】
ガス抜き配管86はその一端が接続点96にて副アキュムレータ出口配管85の中途部に連通され、他端はオイルタンク27内の上部空間に連通されている。また、ガス抜き配管86の中途部にはガス抜き弁94が設けられている。
【0054】
オイル供給配管98は、その一端が接続点97にて副アキュムレータ出口配管85の中途部に連通され、他端はオイルタンク27底部よりオイルタンク27内に貫挿されている。オイル供給配管98のオイルタンク27側の端部98aは閉塞されており、オイル供給配管98のオイルタンク27内に貫挿されている部分の管壁には、開口部98bが穿設されている。該開口部98bの大きさはオイル供給配管98の内径よりも小さくなるように構成される。
また、オイル供給配管98の中途部にはオイル供給弁99が設けられている。
【0055】
そして、副アキュムレータ出口配管85とオイル供給配管98との接続点97は、副アキュムレータ出口配管85とガス抜き配管86との接続点96よりも副アキュムレータ出口配管85上において下流側(圧縮機2の吸入口に近い側)に設けられる。
また、副アキュムレータ出口配管85中途部において、前記接続点97と接続点96とに挟まれる部位には、絞り部(オリフィス部)68が設けられ、接続点97と接続点96との間に生じる差圧を大きくしている。
【0056】
また、オイルタンク27の底面には外部排出弁89が設けられている。
【0057】
以上の如くオイルタンク27を構成することは、以下の如き利点を有する。
すなわち、アキュムレータ6内空間の気体冷媒の圧力をP0、接続点96での気体冷媒の圧力をP1、接続点97での気体冷媒の圧力をP2とすると、圧縮機2が作動しているときには、P0>P1>P2が成立している。
従って、回収弁28、ガス抜き弁94、およびオイル供給弁99の開閉の組み合わせにより、アキュムレータ6内空間の気体冷媒の圧力(P0)、接続点96での気体冷媒の圧力(P1)、接続点97での気体冷媒の圧力(P2)の差(差圧)を利用して種々の圧送経路を構成することが可能である。
【0058】
具体的には、▲1▼回収弁28を「開」、ガス抜き弁94を「閉」、オイル供給弁99を「開」とする「オイル高速供給モード」や、▲2▼回収弁28を「閉」、ガス抜き弁94を「開」、オイル供給弁99を「開」とする「オイル低速供給モード」や、▲3▼回収弁28を「開」、ガス抜き弁94を「開」、オイル供給弁99を「閉」とする「配管内残留物回収モード」の三つの配管経路を形成することが可能である。
【0059】
続いて、本実施例の空気調和システム101における施工から通常運転までの作業手順について図2、図3、図5および図6を用いて説明する。
【0060】
図2および図3に示す本実施例の場合、配管洗浄機能を具備する室外機1を、既設配管(または新設配管)20に第一開閉弁17および第二開閉弁18を介して接続したとき、圧縮機2の潤滑を行う新冷媒用の冷凍機油の補充分は、オイルタンク27内に予め封入されている。
【0061】
本実施例においては、図5に示す如く、室外機1と既設配管(または新設配管)との接続が行われた後、次に行われるのが「準備運転」である。
「準備運転」は、既設配管(または新設配管)20に冷媒を循環させずに、室外機1の内部だけで冷媒を循環させて、アキュムレータ6やエンジン廃熱回収器4、オイルタンク27等を通常運転時と略同じ温度まで昇温し、該室外機1内の冷媒配管中で液化した状態で滞留している冷媒をアキュムレータ6に一時回収し、アキュムレータ6等の昇温によって該液体状の冷媒を気化して、圧縮機2への液体状冷媒および配管内残留物の流入を防止し、圧縮機2等の破損を防止するとともに、以後の「分配補正係数算出運転」や、「洗浄運転」を効率よく行うために実施される。
【0062】
以下では、本実施例における「準備運転」の詳細説明を行う。
本実施例の場合は、圧縮機2へのエンジン3の駆動力の伝達・遮断を行うクラッチ3a(図4)を「切」の状態にして、エンジン3を駆動させるとともに、エンジン3の冷却水を、エンジン廃熱回収器4の温度が「所定の温度」となるまでエンジン廃熱回収器4に循環させる。この「所定の温度」とは、エンジン廃熱回収器4内を貫通する冷媒回路を冷媒が通過したときに、冷媒が気化するのに十分な温度を指す。
【0063】
次に、四方弁8を冷房側に切り替え、第一膨張弁21および第二膨張弁22を開け、第一開閉弁17および第二開閉弁18を閉じる。そして、前記クラッチ3aを「入」の状態にして、圧縮機2を駆動し、冷媒回路内に冷媒を循環させる。
冷媒は、圧縮機2、オイルセパレータ10、四方弁8、室外熱交換器5、第一膨張弁21、リキッドレシーバ7、第二膨張弁22、冷媒バイパス配管82、合流点45、エンジン廃熱回収器4、第一吸入管87を経てアキュムレータ6内に流入する。そして、アキュムレータ6から副アキュムレータ出口配管85を経て圧縮機2に気体状の冷媒が戻される(このとき、主アキュムレータ出口配管84の中途部に設けられたアキュムレータ出口配管開閉弁29は閉じられている)。
一方、液体状の冷媒はアキュムレータ6の底部に一時回収され、装置類の昇温に伴い順次気化されて圧縮機2に戻される。
すなわち、既設配管(または新設配管)20の洗浄を行う前に、室外機1内の冷媒配管のみで冷媒回路を構成し、該冷媒回路内で冷媒を循環させて、該冷媒配管内に滞留する液化した冷媒を気化させるのである。
【0064】
以上の如く、既設配管(または新設配管)20の洗浄を行う前に、室外機1内の冷媒配管のみで冷媒回路を構成し、該冷媒回路内で冷媒を循環させて、該冷媒配管内に滞留する液化した冷媒を気化させることにより、液化した冷媒および配管内残留物の圧縮機2への流入を防止し、圧縮機2の破損を防止するとともに、洗浄を効率よく行うことが可能である。
【0065】
なお、準備運転における室外機1内の冷媒回路は、四方弁8から冷房側に冷媒を流す構成としたが、例えば四方弁8から暖房側に冷媒を流し、開閉弁49を開け、第二吸入管88からアキュムレータ6に冷媒を流入させても良い。
また、本実施例においては、室外機1の内部だけで冷媒を循環させる形で冷媒配管内の液体状の冷媒をアキュムレータ6に回収し、順次気化させるが、室内機まで冷媒を循環させる形で冷媒配管内の液体状の冷媒をアキュムレータ6に回収し、順次気化させても良く、限定されない。
【0066】
続いて、上記準備運転時に行われる「冷凍機油供給方法」について説明する。
図2および図3に示す本実施例においては、冷凍機油の冷媒回路への供給は準備運転、または後述の洗浄運転と並行して行われる。
「冷凍機油供給方法」は第一実施例においては二種類あり、以下ではそれぞれ「高速供給方法」、「低速供給方法」と呼ぶこととする。
【0067】
「高速供給方法」の場合、アキュムレータ6から圧縮機2の吸入口までの冷媒回路は、主アキュムレータ出口配管84の中途部に設けられたアキュムレータ出口配管開閉弁29が閉じられた状態で、回収弁28を「開」、ガス抜き弁94を「閉」、オイル供給弁99を「開」とする「オイル高速供給モード」の状態となっている。
従って、アキュムレータ6に流入した気体状の冷媒の大部分は、副アキュムレータ出口配管85、接続点95以降(冷媒回路下流側)の主アキュムレータ出口配管84を経て圧縮機2の吸入口に戻る。
一方、アキュムレータ6に流入した気体状の冷媒の一部は、アキュムレータ6と接続点97との間に生じる差圧(P0−P2)により、回収配管19を経てオイルタンク27の上部に流入する。そして、オイルタンク27内に封入されていた新冷媒用の冷凍機油は、オイル供給配管98を経て冷媒回路に供給される。
【0068】
「オイル高速供給モード」における新冷媒用冷凍機油を搬送する駆動力は、アキュムレータ6と接続点97との間に生じる差圧(P0−P2)であり、該差圧は圧縮機2の駆動により生じるため新たな駆動源を必要としない。
また、該差圧(P0−P2)の大きさは、オリフィス部68の形状、副アキュムレータ出口配管85の内径および長さ、オイル供給配管98の内径および長さ、等により調節可能である。
【0069】
「低速供給方法」の場合、アキュムレータ6から圧縮機2の吸入口までの冷媒回路は、前記「オイル高速供給モード」だけではなく、主アキュムレータ出口配管84の中途部に設けられたアキュムレータ出口配管開閉弁29が閉じられた状態で、回収弁28を「閉」、ガス抜き弁94を「開」、オイル供給弁99を「開」とする「オイル低速供給モード」の状態となっている。
このとき、アキュムレータ6に流入した気体状の冷媒は、副アキュムレータ出口配管85、接続点95以降(冷媒回路下流側)の主アキュムレータ出口配管84を経て圧縮機2の吸入口に戻る。
また、副アキュムレータ出口配管85内を通過する気体状の冷媒の一部は、接続点96と接続点97との間に生じる差圧(P1−P2)により、接続点96よりガス抜き配管86を経てオイルタンク27の上部に流入し、オイルタンク27内に封入されていた新冷媒用の冷凍機油は、オイル供給配管98を経て冷媒回路に供給される。
【0070】
「オイル低速供給モード」における新冷媒用冷凍機油を搬送する駆動力は、接続点96と接続点97との間に生じる差圧(P1−P2)であり、該差圧は圧縮機2の駆動により生じるため新たな駆動源を必要としない。
また、該差圧(P1−P2)の大きさは、オリフィス部68の形状、副アキュムレータ出口配管85の内径および長さ、ガス抜き配管86の内径および長さ、オイル供給配管98の内径および長さ、等により調節可能である。
【0071】
このように、本実施例の室外機においては、準備運転時において、オイルタンク27から冷媒回路への冷凍機油の供給速度を「高速供給方法」と「低速供給方法」を用いて二種類に切り換えることが可能であり、装置の容量や使用環境(室外温度)等の変化に応じて適当な冷凍機油の供給速度を選択することが可能である。
【0072】
「高速供給モード」は、アキュムレータ6内の圧力P0と接続点97の圧力P2との差圧(P0−P2)でオイルタンク27内の冷凍機油を冷媒回路に供給する。従って、接続点96の圧力P1と接続点97の圧力P2との差圧(P1−P2)でオイルタンク27内の冷凍機油を冷媒回路に供給する「低速供給モード」と比較して、冷凍機油を短時間で圧縮機2に供給することが可能であり、準備運転の時間短縮(ひいては施工時間の短縮)という観点から見て優れている。
ただし、気体状の冷媒は回収配管19を通じてオイルタンク27内上部空間に搬送されることから、後述の洗浄運転時においては「高速供給モード」を併用することができない。
【0073】
以下では、本実施例における「分配補正係数算出運転」の詳細説明を行う。
図5に示す如く、準備運転の次に行われるのが「分配補正係数算出運転」である。「分配補正係数算出運転」は、洗浄運転時における室内機用の膨張弁の開度を決めるための運転の実施の一形態である。
【0074】
各室内機の冷房負荷や暖房負荷は、その性質上、該室内機に接続される枝配管の長さや高低差、内部の配管内残留物の状況により変化する。
従って、該冷房負荷や暖房負荷に基づいて各室内機用の膨張弁の開度を決定することが、枝配管を流れる冷媒の流速を洗浄流速Vw以上に保持し、かつ各室内機間の冷媒の流速を略一定にして洗浄を行う上で重要である。
なお、ここでいう「冷房負荷」および「暖房負荷」とは、冷房時と略同じの冷媒回路または暖房時と略同じの冷媒回路で冷媒を循環させたときに、ある室内機において、ある開度で室内機側の膨張弁を開けたときの冷媒の流量、流速、冷媒の圧力、冷媒の温度、室内機が設置されている場所の空気温、その他のパラメータ等から求められるものであり、本実施例における「分配補正係数」に限定されるものではない。
【0075】
「分配補正係数算出運転」は、室内機30a・30b・・・にそれぞれ設けられた室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・の開度や、冷媒温度と室温から求められる各室内機の負荷、および各室内機30a・30b・・・と連通される枝配管35a・35b内の新冷媒の流量(または流速)との関係から、各室内機30a・30b・・・の分配補正係数をそれぞれ求め、室内機30a・30b・・・と連通する全ての枝配管35a・35b内の新冷媒の流速が、配管内残留物を洗浄しつつ押し流すことができる所定値(洗浄流速Vw)以上となるように、次の洗浄運転時の各室内機30a・30b・・・の室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・の開度を決定するための運転である。
【0076】
このとき、各室内機30a・30b・・・内(または枝配管35a・35a・・・)の新冷媒の流速が室内機間で略同じとなるように、各室内機30a・30b・・・の分配補正係数が定められる。
これは、配管内残留物の洗浄作業の進行度合いを各室内機30a・30b・・・間で略同じとし、略同じタイミングで洗浄を完了させることにより、洗浄運転終了時の各室内機30a・30b・・・の洗浄度合いを略均一とするとともに、室外機1の冷媒圧送能力の範囲で全体の洗浄時間を最短とすることが可能である。
【0077】
以下では「分配補正係数算出運転」の具体的な手順を示す。
【0078】
「分配補正係数算出運転」時には、四方弁8を冷房側に切り替え、第一膨張弁21および第二膨張弁22を開け、第一開閉弁17および第二開閉弁18を開ける。そして、前記クラッチ3aを「入」の状態にして、圧縮機2を駆動し、冷媒回路内に冷媒を循環させる。
圧縮機2にて圧送された冷媒は、オイルセパレータ10、四方弁8、室外熱交換器5、第一膨張弁21、リキッドレシーバ7、第二開閉弁18を経て、既設配管(または新設配管)20の主配管34aに流入する。続いて、冷媒は枝配管35a・35a・・・を経て各室内機30a・30b・・・内の室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・、室内熱交換器31a・31b・・・を通過後、枝配管35b・35b・・・、主配管34bを経て第一開閉弁17まで戻ってくる。
続いて、冷媒は配管51、四方弁8、エンジン廃熱回収器4、第一吸入管87を経てアキュムレータ6内に流入する。そして、アキュムレータ6から副アキュムレータ出口配管85を経て圧縮機2に気体状の冷媒が戻される。
このとき、主アキュムレータ出口配管84の中途部に設けられたアキュムレータ出口配管開閉弁29は閉じられている。
このようにアキュムレータ出口配管開閉弁29を閉じる理由は、「分配補正係数算出運転」時に、冷媒とともに配管内残留物のアキュムレータ6への流入が少しではあるが始まっていることによる。
【0079】
この「分配補正係数算出運転」時において、まず、本実施例の空気調和システム101における配管洗浄機能を制御する制御装置であるシステムコントローラ25が、既設配管(または新設配管)20と接続されている室内機の台数を認識する。
このとき、室内機の台数が一台であれば、後述する分配補正係数の算出を行う必要がない。すなわち、該室内機側の膨張弁の開度を調節して、室内機と接続される枝配管内の冷媒の流速が洗浄流速Vw以上となるようにして洗浄運転を開始する。
一方、室内機の台数が複数台の時は、各室内機30a・30b・・・の室内機容量Qj[kW]、室内機吸い込み空気温度TIj[℃]、室内熱交換器温度TLj[℃]、室内機風量等により、各室内機30a・30b・・・の室内機負荷Ljを算出する。
なお、以後は室内機の台数が一台の場合については省略し、室内機の台数が複数台の場合について説明する。添字jは各室内機のアドレス番号を示しており、本実施例では、室内機30aはj=1、室内機30bはj=2、室内機30cはj=3、室内機30dはj=4、室内機30eはj=5、室内機30fはj=6、と定義する。
【0080】
室内機容量Qj[kW]は、室内機30a・30b・・・の機種により決まっている既知の値である。
室内機吸い込み空気温度TIj[℃]は、室内機30a・30b・・・が設置されている建造物内の室温である。室内機吸い込み空気温度TIj[℃]は各室内機30a・30b・・・に設けられた室温検知手段である温度センサ37a・37b・・・により求められる。温度センサ37a・37b・・・で検知された室内機吸い込み空気温度TIjに係る情報は、本発明の配管洗浄方法の制御手段も兼ねるシステムコントローラ25に送信される。
室内熱交換器温度TLj[℃]は、各室内機30a・30b・・・において、その室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・の開度がEj(0<Ej<1、バルブ全閉のときEj=0、バルブ全開のときEj=1と定義する)のときの室内熱交換器31a・31b・・・を通過する冷媒の温度である。室内熱交換器温度TLj[℃]は各室内機30a・30b・・・に設けられた冷媒温度検知手段である温度センサ38a・38b・・・により求められる。温度センサ38a・38b・・・で検知された室内熱交換器温度TLjに係る情報は、本発明の配管洗浄方法の制御手段も兼ねるシステムコントローラ25に送信される。
【0081】
室内機風量は、室内機吸い込み空気温度TIjと、室内熱交換器温度TLjとの温度差により冷媒と室内の空気との間で生じる熱伝導の効率に影響する因子である。本実施例ではこの因子をk[1/(kW・℃)]と定義し、前記室内機容量Qjが28[kW]以下のときk=1、室内機容量Qjが28[kW]より大きいときはk=0.5とする。
【0082】
以上の室内機容量Qj[kW]、室内機吸い込み空気温度TIj[℃]、室内熱交換器温度TLj[℃]、因子kより、室内機負荷Ljは次の(式1)で表される。
Lj=k×(TIj−TLj)×Qj (式1)
【0083】
続いて、前記室内機負荷Ljを求めたときの室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・の開度Ejにおける室内機理論流量FTj[立方メートル/sec]を求める。
室内機30a・30b・・・の機種が判明すれば、該室内機30a・30b・・・に設けられている室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・の種類も特定できる。
該室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・における理論上の流量FTj[立方メートル/sec]は、次の(式2)で表される。
FTj=Sj×(A×Ej+B) (式2)
ここで、Sj[平方メートル]は室内機30a・30b・・・と接続される枝配管35a(35b)の断面積であり、通常は既知の値である。
また、A[m/sec]、B[m/sec]は室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・の種類に固有の係数である。
【0084】
このとき、(式2)中の(A×Ej+B)は、分配補正係数算出運転時において、室内機30a・30b・・・と接続される枝配管35a(35b)中を流れる冷媒の流速υj[m/sec]を表している。
υj=(A×Ej+B) (式3)
【0085】
前記(式1)および(式2)を用いて、各室内機における分配補正係数KRjは次の(式4)で表される。
KRj=(FTj/Lj)/(ΣFTj/ΣLj) (式4)
ここで、ΣFTjは各室内機30a・30b・・・の室内機理論流量FTjの和、ΣLjは各室内機30a・30b・・・の室内機負荷Ljの和を表す。本実施例ではΣFTj=(FT1+FT2+FT3+FT4+FT5+FT6)であり、ΣLj=(L1+L2+L3+L4+L5+L6)である。
【0086】
以上の計算により求められた各室内機30a・30b・・・の洗浄運転時の開度Wjは以下の(式5)で表される。
Wj=KRj×Ej (式5)
洗浄運転時に各室内機30a・30b・・・の室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・の開度をWjとすることにより、洗浄運転時における各枝配管35a(35b)を流れる冷媒の流速は、互いに略同じ値である平均流速Vave[m/sec]となる。そして、該Vaveが配管内残留物を洗浄しつつ押し流すことができる所定値である洗浄流速Vw[m/sec]よりも大きいことを確認して、次の洗浄運転に移行する。
【0087】
また、通常は第一開閉弁17および第二開閉弁18に接続されている室外機1側の冷媒配管51・52と、既設配管(または新設配管)20の主配管34a・34bとは管径(すなわち断面積)は略同じとなるように構成されている。
従って、室外機1側の冷媒配管51・52内を流れる冷媒の流量または流速を流量計などのセンサ類からなる検知手段(本実施例では流量計36)により検知し、該冷媒配管51・52内を流れる冷媒の流速を前記洗浄流速Vw以下とならないように圧縮機2の駆動を行う条件下では、主配管34a(または主配管34b)の断面積S0が、枝配管35a・35a・・・(または枝配管35b・35b・・・)の断面積の和ΣSjよりも大きければ、洗浄運転時に各枝配管35a(35b)を流れる冷媒の平均流速Vaveは洗浄流速Vw以下となることがない。
すなわち、主配管の断面積S0と枝配管35a・35a・・・の断面積の和ΣSjを比較することにより、Vaveを算出せずとも、Vave>Vwの条件で運転することが可能である。
なお、流量計36により検知された冷媒配管51・52内を流れる冷媒の流量(すなわち主配管34aを流れる冷媒の流量)に係る情報は、本発明の配管洗浄方法の制御手段も兼ねるシステムコントローラ25に送信される。
【0088】
また、冷媒配管51・52と、既設配管(または新設配管)20の主配管34a・34bとは管径(すなわち断面積)が異なる場合でも、冷媒配管51・52と、既設配管(または新設配管)20の主配管34a・34bとの断面積の比に応じて流速を算出することにより、枝配管35a・35a・・・中を流れる冷媒の平均流速Vaveが洗浄流速Vw以下とならないように制御することが可能である。
【0089】
このように構成することにより、既設配管(または新設配管)20の長さや高低差、既設配管(または新設配管)20に接続される室内機30a・30b・・・の機種や台数等、既設配管(または新設配管)20内の冷媒の流速に影響を及ぼす条件が種々変化しても、各室内機内の室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・の開度を調節して各室内機と接続される枝配管35a内の冷媒の流速を略一定として洗浄することから、洗浄完了までに要する時間を抑え、かつ各室内機の洗浄度合いを一定にすることが可能である。
また、制御装置であるシステムコントローラ25により分配補正係数KRjを求め、該分配補正係数KRjに基づいて室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・の開度を調節することから、専門の知識を有する作業者等が同行しないで施工を行った場合でも、室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・の開度を容易かつ短時間で設定することが可能であり、施工時の作業性に優れる。
【0090】
続いて、室内機の「グループ分け」について詳細説明する。
例えば、集合住宅など室外機の台数に対する室内機の台数が多い場合、室内機の台数の増加に伴い枝配管35a・35a・・・の本数も多くなるので、主配管34aの断面積S0よりも枝配管35a・35a・・・の断面積の総和(ΣSj)の方が大きくなるケースが起こりうる。
このとき、主配管34a内を流れる冷媒の流速が洗浄流速Vwを上回っていても、全ての室内機30a・30b・・・の室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・を分配補正係数KRjに基づいた開度Wj(=KRj×Ej)で開いた場合の枝配管35a・35a・・・中を流れる冷媒の平均流速Vaveが、洗浄流速Vwよりも小さくなる場合が起こり得る。
このような洗浄条件では、洗浄時間が長くなったり、あるいは洗浄を十分に行うことができない可能性がある。
【0091】
上述の如き状況を回避するためには、室内機30a・30b・・・の室内熱交換器用膨張弁を一つずつ開き、他の室内熱交換器用膨張弁は閉じることにより、枝配管35a・35b内での冷媒の平均流速Vaveを洗浄流速Vw以上に保持する方法も考えられるが、この方法は各室内機30a・30b・・・と連通される一対の枝配管35a・35bを順番に洗浄することを意味しており、圧縮機2の冷媒圧送能力を効率よく利用することができない上、全体の洗浄時間が非常に長くなってしまう。
【0092】
そこで、図6に示す如く、「分配補正係数算出運転」を行う前に、「グループ分け」を行う配管洗浄方法が考えられる。
すなわち、既設配管(または新設配管)20のうち、主配管34a・34b内を搬送される冷媒の流速を洗浄流速Vw以上に保持した条件において、主配管34a(主配管34b)の断面積S0と、枝配管35a・35a・・・の断面積の総和ΣSjとを比較し、S0>ΣSj(全室内機と連通する枝配管の断面積の総和が主配管の断面積より小さい)のときは、全ての室内機30a・30b・・・の室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・について分配補正係数KRjを求め、全室内機を同時に洗浄する。これは、全室内機が一つのグループに属すると見なすことと略同じである。
また、S0<ΣSj(全室内機と連通する枝配管の断面積の総和が主配管の断面積より大きい)のときは、室内機30a・30b・・・をG1・G2・・・からなる複数のグループに分け、該グループ毎に、グループに属する室内機の分配補正係数KRj(Gn)を算出し、該グループ毎に洗浄を行う。なお、添字のnはグループ番号を示す。
【0093】
仮に、図1に示す本実施例において、主配管34aの断面積S0、および室内機30a・30b・・・の枝配管35aの断面積S1、S2・・・S6を比較した結果に基づき、室内機30a・30b・30cからなる第一グループ(G1)と、室内機30d・30e・30fからなる第二グループ(G2)の二つのグループに分けたとする。
このとき、S0<ΣSj、S0>S1+S2+S3、S0>S4+S5+S6が成立している。
【0094】
第一グループ(G1)の分配補正係数KRj(G1)を算出するときは、第二グループ(G2)に属する室内機30d・30e・30fの室内熱交換器用膨張弁32d・32e・32fを閉じた状態で前記分配補正係数算出運転を行う。
そして、求められた第一グループのみで洗浄運転をするための分配補正係数KRj(G1)に基づいて、第一グループに属する室内機30a・30b・30cの室内熱交換器用膨張弁32a・32b・32cの開度を調節し、第一グループに属する室内機30a・30b・30cのみで(第二グループに属する室内機30d・30e・30fの室内熱交換器用膨張弁32d・32e・32fを閉じた状態で)
洗浄運転を行う。
【0095】
次に、第一グループに属する室内機30a・30b・30cの室内熱交換器用膨張弁32a・32b・32cを閉じ、室内機30d・30e・30fの室内熱交換器用膨張弁32d・32e・32fを開けた状態で前記分配補正係数算出運転を行い、第二グループ(G2)の分配補正係数KRj(G2)を算出する。
そして、求められた第二グループのみで洗浄運転をするための分配補正係数KRj(G2)に基づいて、第二グループに属する室内機30d・30e・30fの室内熱交換器用膨張弁32d・32e・32fの開度を調節し、第二グループに属する室内機30d・30e・30fのみで(第一グループに属する室内機30a・30b・30cの室内熱交換器用膨張弁32a・32b・32cを閉じた状態で)
洗浄運転を行う。
【0096】
このように、グループ毎に洗浄運転を行い、全てのグループについて洗浄運転が終了した後、通常運転に移行する。
このときのグループ分けの方法は、例えば室内機のアドレス番号(添字j)の順に枝配管35aの断面積を加算していき、主配管34aの断面積を超える手前のアドレス番号まででグループを形成する、といった方法等を用いてグループの総数を極力少なくすることが望ましい。これは、グループ数が多いと、洗浄に係るトータルの時間が長くなることによる。
【0097】
なお、図6に示すグループ分けの実施例では、グループ分けを行ってから、グループ毎に「分配補正係数算出運転(分配補正係数の算出)」および「洗浄運転」を行う構成としたが、グループ分けを用いる配管洗浄運転方法はこれに限定されず、例えば図5に示すようにまず全室内機についての分配補正係数算出運転を行い、分配補正係数から求められる枝配管の平均流速Vave<Vwとなるときにはグループ分けを行う、といった運転方法も考えられる。
また、図6に示すグループ毎の洗浄が終了した時点で、今度は全室内機を対象として分配補正係数の算出、該分配補正係数に基づくバルブ開度での洗浄運転を行い、それから通常運転に移行するという方法も考えられる。
【0098】
以上の如く構成することにより、既設配管(または新設配管)20の主配管34a内を流れる冷媒の流速を配管内残留物を洗浄可能な冷媒の流速である洗浄流速Vw以上となるように制御し、かつ枝配管35a・35a・・・の断面積の和が主配管34aの断面積を超えないように室内機をグループ分けして該グループ毎に洗浄を行うことにより、各室内機の洗浄度合いを一定にするだけでなく、良好な洗浄効果を維持しつつ洗浄を行うことを可能としている。
【0099】
なお、上述の「分配補正係数算出運転」および「グループ分け」において用いられる洗浄流速Vwは、実験等により予め求められる値であり、「目標洗浄時間」の関数の形で表すことが可能である。ここで、目標洗浄時間とは、ある洗浄流速で室内機と接続された枝配管に冷媒を流したときに、該枝配管の配管内残留物が、少なくとも通常運転時に問題が生じない程度に洗浄されるまでに要する時間を指す。
一般的には図7に示す如く、目標洗浄時間を短くする程、その時間で適正に洗浄が完了するための洗浄流速Vwは大きくなる傾向を有している。従って、作業者が「目標洗浄時間」を入力することにより、洗浄流速Vwが設定され、該洗浄流速Vwに基づいて「分配補正係数算出運転」および「グループ分け」が行われるように構成してもよい。
【0100】
また、本実施例においては、第一開閉弁17および第二開閉弁18に接続されている室外機1側の冷媒配管51・52と、既設配管(または新設配管)20の主配管34a・34bとは管径(すなわち断面積)は略同じであって、主配管34aの断面積(S0)と、各室内機と接続された枝配管35a・35a・・・の断面積(Sj)とを比較することにより、グループ分けするかどうかを判断するものであるが、以下の如き方法でグループ分けすることも可能であり、グループ分けに用いられるパラメータは本実施例には限定されない。
【0101】
すなわち、各室内機に接続された枝配管内を流れる冷媒の流速が、所定の洗浄流速であるVw以上、かつ各室内機間で略一定となるように、各室内機用の膨張弁の開度を調節すればよいので、仮に枝配管の断面積の和(ΣSj)が主配管の断面積(S0)より大きくなる場合であっても、その分だけ圧縮機の回転数を増加すれば枝配管内を流れる冷媒の流速が洗浄流速Vw以上、かつ各室内機間で略一定となる条件で洗浄することが可能である。
例えば、主配管34a・34bと接続される室外機1側の配管51・52での冷媒流速をVM、断面積をSM、主配管34a・34bでの冷媒流速をV0とすると、以下の(式6)が成り立つ。
VM×SM=V0×S0=Vave×ΣSj (式6)
よって、Vave=(SM/ΣSj)×VMが成り立ち、(SM/ΣSj)×VM≧Vwのときに、枝配管の冷媒流速が洗浄流速以上となる。
【0102】
このとき、(SM/ΣSj)は洗浄作業時に入力可能な設定値であり、VMは実験により、エンジン3の回転数N[rpm]の関数として予め求められる値である。
従って、主配管34a・34bの断面積S0を用いずとも、枝配管35a・35aでの冷媒流速を洗浄流速Vw以上となるように制御することが可能である。
また、VMは一般的にはエンジン3の回転数Nの増大に応じて増大する関数として表されることから、流量計36からの信号に基づいて室外機1側の流速VMを求めなくとも、圧縮機2の回転数NからVMを求めてVaveとVwとを比較することができ、流量計36を省略することができる。
【0103】
さらに、VMが回転数Nに略比例している場合では、エンジン3の回転数Nの最大値Nmaxおよびそのときの流速VMmaxを用いて以下の(式7)が成立する。
α=N/Nmax=VM/VMmax (式7)
ここでNmaxおよびVMmaxは既知の値である。また、係数αは回転数比であり、0≦α≦1の値を取りうる。αを予め設定される固定値として洗浄時のエンジン回転数を固定してもよく、あるいは作業時に入力してエンジン回転数を決定しても良い。なお、αを大きい値に設定することは、エンジン3の回転数を大きくすることを意味しており、一つのグループに属する室内機の台数を多くできる。
この他にも、ある目標洗浄時間における洗浄流速Vwのときに、Vave=(SM/ΣSj)×VM=Vwを満たすαを求め、αが小さい値を取るときはグループに属する室内機の台数を増やしてグループ数を少なくしたり、あるいは目標洗浄時間の短いVwを選択し直したり、といった制御を行うことが可能である。
【0104】
なお、上述の説明ではエンジン3の回転数NによりVMを算出する方法を説明したが、これに限定されず、圧縮機の回転数を用いてVMを算出してもよい。また、電気エアコンやその他の室外機の場合、駆動モータの電圧や回転数を用いてVMを算出してもよい。
【0105】
続いて、「洗浄運転方法」および「配管内残留物の回収方法」について説明する。
「洗浄運転」は「分配補正値算出運転」後に行われ、新冷媒(および新冷媒内に少量混入した新冷媒用の冷凍機油との混合物)を既設配管(または新設配管)20内に循環させ、配管内残留物を洗い流し、捕捉手段であるアキュムレータ6に一時捕捉するものである。
【0106】
このとき、「配管内残留物回収」も並行して行われる。すなわち、準備運転開始前には新冷媒用の冷凍機油が封入され、準備運転時に冷媒回路に該冷凍機油を供給するオイルタンク27を、今度は配管内残留物を回収する回収容器として利用するものである。
【0107】
以下では、本実施例における洗浄運転を示す。
準備運転、分配補正係数算出運転から引き続き圧縮機2へのエンジン3の駆動力の伝達・遮断を行うクラッチ3aを「入」の状態として、エンジン3を駆動させておく。そして、四方弁8は冷房側のままとし、第一膨張弁21および第二膨張弁22は開いた状態としておく。そして、第一開閉弁17および第二開閉弁18を開く。
このとき、主配管34a内を流れる冷媒の流速が洗浄流速Vw以下とならないように第一膨張弁21の開度を調整する。
【0108】
冷媒は、圧縮機2、オイルセパレータ10、四方弁8、室外熱交換器5、第一膨張弁21、リキッドレシーバ7、第二開閉弁18を経て既設配管(または新設配管)20に流入し、該既設配管(または新設配管)20および室内機30a・30b・・・内部配管に付着・残留した配管内残留物を冷媒回路の下流側へと押し流す。
【0109】
冷媒および配管内残留物が混合したものは、第一開閉弁17、接続点50、四方弁8を経てエンジン廃熱回収器4内で冷媒の気化が促進され、第一吸入管87よりアキュムレータ6内に流入する。そして、該アキュムレータ6にて気体状の冷媒と、配管内残留物とが気液分離され、冷媒は副アキュムレータ出口配管85を経て圧縮機2に戻され、配管内残留物はアキュムレータ6の底部に確実に捕捉される。
【0110】
続いて「配管内残留物回収」をおこなうためのアキュムレータ6から圧縮機2までの冷媒経路の構成について説明する。
アキュムレータ6から圧縮機2の吸入口までの冷媒回路は、主アキュムレータ出口配管84の中途部に設けられたアキュムレータ出口配管開閉弁29が閉じられた状態で、回収弁28を「開」、ガス抜き弁94を「開」、オイル供給弁99を「閉」とする「配管内残留物回収モード」の状態となっている。
【0111】
従って、アキュムレータ6に流入した冷媒は、副アキュムレータ出口配管85、接続点95以降(冷媒回路下流側)の主アキュムレータ出口配管84を経て圧縮機2の吸入口に戻る。
【0112】
一方、アキュムレータ6底部に捕捉された配管内残留物は、アキュムレータ6に流入した気体状の冷媒の圧力(P0)と、接続点96での冷媒の圧力(P1)との差圧(P0−P1)により、回収配管19を経てオイルタンク27に回収される。そして、オイルタンク27内にあった冷媒は、ガス抜き配管86を経て副アキュムレータ出口配管85に戻される。
【0113】
また、上述の説明は洗浄運転中に配管内残留物のオイルタンク27への回収作業を常時並行して行うものであるが、このような運転方法には限定されず、例えば、洗浄運転の前半は「オイル低速供給モード」とし、洗浄運転の後半は「配管内残留物回収モード」とする運転方法も考えられる。
このような運転方法を用いることにより、洗浄運転時に、新冷媒用冷凍機油の一部がオイルセパレータ10で回収しきれずに冷媒回路下流に搬送され、アキュムレータ6に配管内残留物等とともに捕捉されることによる冷媒回路内の新冷媒用冷凍機油の減少分を、洗浄運転前半の「オイル低速供給モード」で補充することが可能である。
【0114】
また、図1および図2に示す如く、本実施例においては、回収配管19のアキュムレータ6側の端部19aと、電磁式のソレノイドバルブである回収弁28との間に、手動式のボールバルブである手動回収弁53が設けられている。同様に、ガス抜き配管86の接続点96と、電磁式のソレノイドバルブであるガス抜き弁94との間に手動式のボールバルブである手動ガス抜き弁54が設けられている。同様に、オイル供給配管98の接続点97と、電磁式のソレノイドバルブであるオイル供給弁99との間に手動オイル供給弁55、がそれぞれ設けられている。
さらに、アキュムレータ出口配管開閉弁29も手動式のボールバルブで構成されている。
【0115】
このように、アキュムレータ6から圧縮機2までの冷媒配管の各所に手動式のボールバルブを設ける理由は、室外機1の容量等によっては、電磁式のソレノイドバルブのみでは通常運転時の密閉性が十分に確保することができない場合があることによる。
【0116】
本実施例においては、準備運転開始時点では、手動にてアキュムレータ出口配管開閉弁29を「閉」、手動回収弁53を「開」、手動ガス抜き弁54を「開」、手動オイル供給弁55を「開」としておき、準備運転および洗浄運転中は、電磁式のソレノイドバルブである回収弁28、ガス抜き弁94、オイル供給弁99の開閉を後述するシステムコントローラ25により制御して、「オイル高速供給モード」や、「オイル低速供給モード」や、「配管内残留物回収モード」の三つの配管経路の切り替えを行う。
【0117】
そして、洗浄運転が終了した時点で、アキュムレータ出口配管開閉弁29を「開」、手動回収弁53を「閉」、手動ガス抜き弁54を「閉」、手動オイル供給弁55を「閉」とすることにより、オイルタンク27とアキュムレータ6との間(回収配管19)、およびオイルタンク27と副アキュムレータ出口配管85との間の配管(ガス抜き配管86、オイル供給配管98)を電磁式ソレノイドバルブと比較して密閉性の高い手動式のボールバルブで閉塞し、オイルタンク27内に回収された配管内残留物が通常運転時に冷媒回路内に誤って流入することを防止することが可能である。
なお、室外機の容量等により、電磁式のソレノイドバルブのみでも通常運転時に必要な密閉性が確保可能な場合は、手動式のボールバルブを省略しても良い。
【0118】
以上の準備運転、冷凍機油供給、洗浄運転、オイルタンク27への残留物の回収等は、図1、図2および図4に示すシステムコントローラ25により各開閉弁の開閉等が制御される。
【0119】
図4は、本発明の実施例である室外機1の運転を制御する制御装置と、作動装置類の構成を示すものである。
本実施例のシステムコントローラ25は、施工完了後の通常(冷房・暖房)運転時に室外機1を制御する機能と、施工時における配管洗浄機能(装置)を制御する機能とを兼ねている。
なお、本実施例には限定されず、本発明の配管洗浄方法を行うための配管洗浄装置の制御装置は、室外機のシステムコントローラと一体でも別体でもよく、また配管洗浄方法を行うための配管洗浄装置の制御装置は空気調和システムに備えられていても、別体でもよい。
【0120】
システムコントローラ25は電磁弁などからなる第一膨張弁21、第二膨張弁22、回収弁28、ガス抜き弁94、オイル供給弁99、室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・、冷却水三方弁12と接続され、これらの弁の開閉制御を行い、更には、冷却水ポンプ14のON・OFF、エンジン3の回転数の制御、前記四方弁8の流路切換や、前記エンジン3と圧縮機2との間の駆動力の伝達・遮断を行うクラッチ3aの制御などを行う構成としている。
また、室外機1および室内機30a・30b・・・の各所に設けられた温度センサ37a・37b・・・、温度センサ38a・38b・・・、および流量計36等の検知手段からの信号(情報)を受信可能に構成される。
【0121】
また、空気調和システム101の外部にあるパソコン等と、配管洗浄方法を実行するための配管洗浄装置の制御装置を兼ねる室外機1のシステムコントローラ25とを通信可能とすることにより、施工時の洗浄作業に関するデータを該パソコン102内に保存し、該データを定期補修や装置の設計・改良、洗浄作業が適正に行われたことの証明等に利用することが可能である。
【0122】
さらに、図1に示す如く、空気調和システム101の外部にあり、制御手段や入力手段、情報の保存手段等を備える可搬式のパソコン102と、室外機1のシステムコントローラ25とが有線または無線で通信可能に構成されている。
このように構成することにより、室外機1の施工時に以下のような作業形態をとることが可能である。
例えば、前記パソコン102を本発明の配管洗浄方法を実行するための配管洗浄装置の制御装置として用いることにより、システムコントローラ25をより安価な部品で構成することが可能である。また、施工時の洗浄作業に関するデータを該パソコン102内に保存しておくことにより、該データを定期補修や装置の設計・改良、洗浄作業が適正に行われたことの証明等に利用することが可能である。すなわち、分配補正係数算出運転、洗浄運転など、通常運転前に行う配管洗浄作業に係る制御を行うプログラムの所在は、室外機のシステムコントローラ、該システムコントローラとは別体で室外機に備えられた制御装置、外部のパソコン等の情報端末(ノートパソコン等)、インターネット等の通信回線で接続された中央制御手段(ホストコンピュータ等)など、装置構成等に応じて適宜選択することが可能である。
【0123】
以上の如く、準備運転、分配補正係数算出運転、洗浄運転を行った後に、通常運転(暖房・冷房運転)を行う。
【0124】
本発明の配管洗浄方法を実行する配管洗浄装置を用いて既設配管(または新設配管)20を洗浄することは、以下の如き利点を有する。
【0125】
第一に、既設配管(または新設配管)の長さや高低差、既設配管(または新設配管)に接続される室内機の機種や台数等、配管内の冷媒の流速に影響を及ぼす条件が種々変化しても、各室内機内の膨張弁の開度を調節して各室内機と接続される枝配管内の冷媒の流速を略一定として配管内を洗浄することから、洗浄完了までに要する時間を抑え、かつ各室内機の洗浄度合いを一定にすることが可能である。
【0126】
第二に、既設配管(または新設配管)の主配管内を流れる冷媒の流速を、配管内残留物を洗浄可能な冷媒の流速である洗浄流速Vw以上となるように、室内機をグループ分けして該グループ毎に洗浄を行うことにより、各室内機の洗浄度合いを一定にするだけでなく、良好な洗浄効果を維持しつつ洗浄を行うことを可能としている。
【0127】
第三に、前記洗浄時における室内機用の膨張弁の開度は、室内機の冷房負荷または暖房負荷に基づいて決定される(本実施例においては実施の一形態として、冷房運転と略同じ冷媒回路で冷媒を循環させたときの分配補正係数に基づいて室内機側の膨張弁の開度を調節する)ことから、専門の知識を有する作業者等が同行しないで施工を行った場合でも各室内機側の膨張弁の開度を容易かつ短時間で設定することが可能であり、施工時の作業性に優れる。
【0128】
第四に、既設配管(または新設配管)の洗浄を行う前に、室外機内の冷媒配管のみで冷媒回路を構成し、該冷媒回路内で冷媒を循環させて、該冷媒配管内に滞留する液化した冷媒を気化させることにより、圧縮機の破損を防止するとともに、洗浄を効率よく行うことが可能である。
【0129】
第五に、本発明の配管洗浄方法を実行する配管洗浄装置を室外機内に備えることにより、専用の配管洗浄装置による洗浄を行った後、該専用の配管洗浄装置を既設配管(または新設配管)から切り離し、室外機を接続するという作業を行う必要がなく、施工時間の短縮が可能であるとともに作業性に優れる。
【0130】
第六に、本発明の配管洗浄方法を実行するための配管洗浄装置や室内機側の膨張弁の開度等を制御する制御装置を空気調和システムに備えることにより、初期パラメータ(配管の断面積や室内機の機種など)を入力するだけで、後は作業者が複雑な手動操作を行わずに配管洗浄を行うことが可能であり作業性に優れる。
【0131】
第七に、室外機のシステムコントローラが配管洗浄装置や室内機側の膨張弁の開度等を制御する制御装置を兼ねることにより、部品の更なる共通化、省スペース化が可能となる。
【0132】
第八に、配管洗浄装置の制御を行う制御装置を空気調和システムの外部と通信可能に構成することにより、例えばメーカー側の制御手段(パソコンなど)に配管洗浄運転に関するデータを送信・保管し、該データを定期補修や装置の設計・改良、洗浄作業が適正に行われたことの証明等に利用することが可能である。
【0133】
第九に、配管洗浄装置の制御を行う制御装置と室外機のシステムコントローラとを別体とし、該制御装置をノートパソコンなどの可搬式の情報端末で構成して、施工時に該制御装置とシステムコントローラとを有線または無線で通信可能として洗浄運転時には該制御装置に初期パラメータ(配管の断面積や室内機および室外機の機種など)を入力し、操作を行うように構成することで、システムコントローラをより安価なもので構成可能である。
また、可搬式の情報端末である制御装置内には洗浄運転に係るデータ等が保存されるので、該データを定期補修や装置の設計・改良、洗浄作業が適正に行われたことの証明等に利用することが可能である。
【0134】
続いて、図1および図2に示す実施例において行う暖房運転について説明する。
図1に示す如く、圧縮機2により圧縮された冷媒は、高温高圧過熱蒸気の状態として、オイルセパレータ10および暖房方向に切り換えられた四方弁8を経由して、第一開閉弁17より既設配管(または新設配管)20内を通って室内熱交換器31a・31b・・・へ送出される。室内熱交換器31a・31b・・・においては、高温高圧過熱蒸気状態の冷媒から室内空気に熱が放出され冷媒は凝縮されて気体から液体に変化する。この熱放出により室内の暖房が行われる。
【0135】
冷媒は、第二開閉弁18を通過して室外機1内へ戻り、リキッドレシーバ7を経由した後、第一膨張弁21・21にて急激に膨張して、外気温よりも低温となり、室外熱交換器5を通過する間に、外気より熱を得て冷媒は液体から気体に変化する。
そして、冷媒は、四方弁8を経由し、エンジン廃熱回収器4にてエンジン3の冷却水から熱を得てさらに高温となり、ガス冷媒となってアキュムレータ6に流入し、圧縮機2に吸入される。
上述の如く冷媒回路内に冷媒を循環させることにより、暖房運転を行う。
【0136】
続いて、図1および図2に示す実施例において行う冷房運転について説明する。
図1に示す如く、圧縮機2により圧縮された冷媒は、高温高圧過飽和蒸気の冷媒となり、オイルセパレータ10、冷房方向に切り換えられた四方弁8を経由して室外熱交換器5に圧送される。このとき、室外熱交換器5を構成するフィンの表面には、室外ファン5fにより外気が強制的に吹き付けられており、冷媒は室外熱交換器5のフィンを通過する間に、外気に熱を放出して温度が低下し、冷媒は気体から液体に変化する。
【0137】
室外熱交換器5にて外気に熱を放出した冷媒は、液化した冷媒がリキッドレシーバ7にて気液分離された後、第二開閉弁18に接続された既設配管(または新設配管)20内を通って、室内機30a・30b・・・へ送られる。
それぞれの室内機30a・30b・・・においては、室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・にて減圧されることにより冷媒が蒸発し易い状態となる。そして、室内熱交換器31a・31b・・・内を通過する間に、室内機ファン33a・33b・・・により室内熱交換器31・31のフィンの表面に吹き付けられる室内空気から蒸発熱を吸収して冷媒は液体から気体に変化する。このようにして室内空気は冷媒に熱を奪われ、冷風として室内に送風されることにより室内の冷房を行う。
その後、室内熱交換器31a・31b・・・にて室内空気から熱を吸収した冷媒が、既設配管(または新設配管)20、第一開閉弁17を経て四方弁8を経由し、エンジン廃熱回収器4にてエンジン3の冷却水から熱を得てさらに高温となり、ガス冷媒となってアキュムレータ6に流入し、圧縮機2に吸入される。
上述の如く冷媒回路内に冷媒を循環させることにより、冷房運転を行う。
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0138】
即ち、請求項1に示す如く、空気調和システムの配管洗浄方法であって、該配管を構成する主配管と室内機とを連通する枝配管内を流れる冷媒の流速が各室内機間で略一定となるように、各室内機用の膨張弁の開度を調節するので、既設配管(または新設配管)の長さや高低差、既設配管(または新設配管)に接続される室内機の機種や台数等、配管内の冷媒の流速に影響を及ぼす条件が種々変化しても、各室内機内の膨張弁の開度を調節して各室内機と接続される枝配管内の冷媒の流速を略一定として配管内を洗浄することから、洗浄完了までに要する時間を抑え、かつ各室内機の洗浄度合いを一定にすることが可能である。
【0139】
請求項2に示す如く、空気調和システムの配管洗浄方法であって、該配管を構成する主配管と室内機とを連通する枝配管内を流れる冷媒の流速が所定の洗浄流速以上、かつ各室内機間で略一定となるように、各室内機用の膨張弁の開度を調節するので、既設配管(または新設配管)の長さや高低差、既設配管(または新設配管)に接続される室内機の機種や台数等、配管内の冷媒の流速に影響を及ぼす条件が種々変化しても、各室内機内の膨張弁の開度を調節して各室内機と接続される枝配管内の冷媒の流速を略一定として配管内を洗浄することから、洗浄完了までに要する時間を抑え、かつ各室内機の洗浄度合いを一定にすることが可能である。
また、洗浄運転時の枝配管内の流速が所望の洗浄度合いとなる洗浄流速以上となるように洗浄を行うことから、良好な洗浄状態を確保することが可能である。
【0140】
請求項3に示す如く、空気調和システムの配管洗浄方法であって、該配管を構成する主配管と室内機とを連通する枝配管内を流れる冷媒の流速が所定の洗浄流速以上となるように室内機を複数のグループに分け、該グループ毎に枝配管の洗浄を行うので、既設配管(または新設配管)の主配管内を流れる冷媒の流速を配管内残留物を洗浄可能な冷媒の流速である洗浄流速以上となるように制御し、かつ各室内機の洗浄度合いを略一定とし、良好な洗浄効果を維持しつつ洗浄を行うことを可能としている。
【0141】
請求項4に示す如く、空気調和システムの配管洗浄方法であって、該配管を構成する主配管と室内機とを連通する枝配管内を流れる冷媒の流速が所定の洗浄流速以上となるように室内機を複数のグループに分け、枝配管内を流れる冷媒の流速が該グループに属する室内機間で略同じとなるように各室内機用の膨張弁の開度を調節し、グループ毎に枝配管の洗浄を行うので、既設配管(または新設配管)の長さや高低差、既設配管(または新設配管)に接続される室内機の機種や台数等、配管内の冷媒の流速に影響を及ぼす条件が種々変化しても、各室内機内の膨張弁の開度を調節して各室内機と接続される枝配管内の冷媒の流速を略一定として配管内を洗浄することから、洗浄完了までに要する時間を抑え、かつ各室内機の洗浄度合いを一定にすることが可能である。
また、既設配管(または新設配管)の主配管内を流れる冷媒の流速を配管内残留物を洗浄可能な冷媒の流速である洗浄流速以上となるように制御し、かつ各室内機の洗浄度合いを略一定とし、良好な洗浄効果を維持しつつ洗浄を行うことを可能としている。
【0142】
請求項5に示す如く、前記洗浄時における室内機用の膨張弁の開度は、室内機の冷房負荷または暖房負荷に基づいて決定されるので、専門の知識を有する作業者等が同行しないで施工を行った場合でも各室内機側の膨張弁の開度を容易かつ短時間で設定することが可能であり、施工時の作業性に優れる。
【0143】
請求項6に示す如く、前記配管の洗浄を行う前に、室外機内の冷媒配管のみで冷媒回路を構成し、該冷媒回路内で冷媒を循環させて、該冷媒配管内に滞留する液化した冷媒を気化させるので、圧縮機の破損を防止するとともに、洗浄を効率よく行うことが可能である。
【0144】
請求項7に示す如く、請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の配管洗浄方法を実行するので、既設配管(または新設配管)の長さや高低差、既設配管(または新設配管)に接続される室内機の機種や台数等、配管内の冷媒の流速に影響を及ぼす条件が種々変化しても、各室内機内の膨張弁の開度を調節して各室内機と接続される枝配管内の冷媒の流速を略一定として配管内を洗浄することから、洗浄完了までに要する時間を抑え、かつ各室内機の洗浄度合いを一定にすることが可能である。
また、既設配管(または新設配管)の主配管内を流れる冷媒の流速を配管内残留物を洗浄可能な冷媒の流速である洗浄流速以上となるように制御し、かつ各室内機の洗浄度合いを略一定とし、良好な洗浄効果を維持しつつ洗浄を行うことを可能としている。
さらに、専門の知識を有する作業者等が同行しないで施工を行った場合でも各室内機側の膨張弁の開度を容易かつ短時間で設定することが可能であり、施工時の作業性に優れる。
【0145】
請求項8に示す如く、前記配管洗浄装置を空気調和システムの室外機に備えるので、専用の配管洗浄装置による洗浄を行った後、該専用の配管洗浄装置を既設配管(または新設配管)から切り離し、室外機を接続するという作業を行う必要がなく、施工時間の短縮が可能であるとともに作業性に優れる。
【0146】
請求項9に示す如く、請求項7または請求項8に記載の配管洗浄装置の制御装置であって、該制御装置を前記空気調和システムに備えたので、初期パラメータ(配管の断面積や室内機の機種など)を入力するだけで、後は作業者が複雑な手動操作を行わずに配管洗浄を行うことが可能であり作業性に優れる。
【0147】
請求項10に示す如く、前記制御装置は空気調和システムのシステムコントローラを兼ねるので、部品の更なる共通化、省スペース化が可能となる。
【0148】
請求項11に示す如く、前記制御装置は、空気調和システムの外部と通信可能であるので、外部の制御手段等に配管洗浄運転に関するデータを送信・保管し、該データを定期補修や装置の設計・改良、洗浄作業が適正に行われたことの証明等に利用することが可能である。
【0149】
請求項12に示す如く、請求項7または請求項8に記載の配管洗浄装置の制御装置であって、前記制御装置は、空気調和システムの外部から、有線または無線により空気調和システムのシステムコントローラと通信可能であるので、システムコントローラをより安価なもので構成可能とするとともに、可搬式の情報端末である制御装置内には洗浄運転に係るデータ等が保存されるので、該データを定期補修や装置の設計・改良、洗浄作業が適正に行われたことの証明等に利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】空気調和システムの模式図。
【図2】本発明の配管洗浄装置を具備する空気調和システムの実施例における冷媒回路図。
【図3】本発明の洗浄装置を具備する空気調和システムの実施例におけるアキュムレータとオイルタンクの模式図。
【図4】本発明の洗浄装置を具備する空気調和システムの実施例における制御機器類のブロック図。
【図5】本発明の配管洗浄装置の実施例における配管洗浄方法のフロー図。
【図6】本発明の配管洗浄装置の別実施例における配管洗浄方法のフロー図。
【図7】洗浄流速と目標洗浄時間との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 室外機
20 既設配管(または新設配管)
25 システムコントローラ
30a・30b 室内機
32a・32b 室内熱交換器用膨張弁
34a・34b 主配管
35a・35b 枝配管
101 空気調和システム
【発明の属する技術分野】
本発明は、建造物の天井や壁等に埋設された既設配管において、該既設配管内壁に付着している従来冷媒(クロロフルオロカーボンやハイドロフルオロカーボンなど)用の冷凍機油等、および新設配管において、溶接作業時に該新設配管内部に発生する新設配管の酸化膜(スケール)やその他付着物等、といった配管内残留物(新設・既設配管内の異物の総称)を除去する技術に関する。
より詳細には、▲1▼配管洗浄機能を具備する室外機の配管と、室内機の配管と、既設配管または新設配管と、で冷媒循環回路を形成して配管内を洗浄し、該室外機内に設けられたアキュムレータを捕捉手段として配管内残留物を捕捉する場合、または、▲2▼専用の洗浄装置の配管と、既設配管または新設配管とで冷媒循環回路を形成して配管内を洗浄し、該洗浄装置に設けられた捕捉手段に配管内残留物を捕捉する場合、において既設配管または新設配管内の冷媒の流速を所定値以上に保持して洗浄する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気調和システムではCFC(クロロフルオロカ−ボン)やHCFC(ハイドロクロロフルオロカ−ボン)といった塩素系冷媒(以下、「従来冷媒」とする)が使用されていたが、分子中に含まれる塩素が成層圏でオゾン層を破壊するため、代替として非塩素系冷媒であるHFC(ハイドロフルオロカ−ボン)(以下、「新冷媒」とする)が使用されるようになっている。
【0003】
この新冷媒への代替に伴い、以下の如き問題が生じている。
すなわち、施工工数(施工費用)削減の観点から見ると、建物の既設配管(室内機と室外機とを連通する冷媒用配管であって、壁や天井などに埋設されており、室内機および室外機を従来冷媒対応型から新冷媒対応型に交換する際に、新しい配管と交換することが困難な部分)を利用したまま、室内機および室外機を新設することが好ましいが、圧縮機に使用される冷凍機油は従来冷媒と新冷媒とでは性状等が異なることから、従来冷媒用の冷凍機油は新冷媒対応型の空気調和システムにおいては使用することができない。
【0004】
従って、新冷媒対応型の室内機および室外機を設置する際には、既設配管内に付着した従来冷媒用の冷凍機油等を除去する洗浄作業を行う必要がある。この洗浄作業は、空気調和システムの構成要素である室内機および室外機を設置する前段階において、専用の配管洗浄装置を用いて行なわれる。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0005】
また、作業工程の簡素化のために、専用の配管洗浄装置を使用せず、新設の室外機自体に既設配管の洗浄機能を持たせることが検討されている。例えば、特許文献2に記載の如くである。
【0006】
一方、新設配管(建造物の天井や壁等に新規に埋設された配管であって、冷媒等の流体を循環させていないものを指す)に新設の室内機および室外機を接続する場合においても、専用の配管洗浄装置、または新設の室外機自体に設けられた配管洗浄機能により、新設配管内を予め洗浄してから使用する(通常の冷房・暖房運転を行う)ことが室外機の性能維持等の観点から見て望ましい。
これは、新設配管の溶接の過程で生じる配管材料の酸化膜(スケール)やその他付着物、ゴミ等が新設配管内部に残留している場合があることによる。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−246334号公報
【特許文献2】
特開2000−329432号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
室内機および室外機を設置する前段階において用いられる専用の配管洗浄装置、または空気調和システムの構成要素である室外機に配管洗浄機能を具備させたものにより、既設配管または新設配管の内部を洗浄する場合、以下の如き問題点が生ずる。
【0009】
すなわち、既設配管または新設配管内の配管内残留物を洗浄し、捕捉手段まで押し流すには、該配管内を流れる冷媒の流速を所定値(洗浄流速)以上に保持しつつ洗浄作業を行う必要がある。しかし、既設配管または新設配管は、その長さや内径(断面積)、該既設配管または新設配管に接続されている室内機の台数等がそれぞれ異なっている。
従って、洗浄する既設配管または新設配管毎に適正な洗浄条件(配管内の冷媒の流速が所定値以下とならない条件)を設定してから洗浄作業を行う必要があり、作業が煩雑となる。
また、洗浄条件に関して専門の知識を有する者が同行して作業を行う必要があるなど、技術的、コスト的にも問題があった。
本発明は以上の如き状況に鑑み、配管洗浄機能を具備する室外機、または専用の配管洗浄装置において、既設配管または新設配管内に残留する配管内残留物を容易かつ確実に除去できる配管洗浄方法、配管洗浄装置およびその制御装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0011】
即ち、請求項1においては、空気調和システムの配管洗浄方法であって、該配管を構成する主配管と室内機とを連通する枝配管内を流れる冷媒の流速が各室内機間で略一定となるように、各室内機用の膨張弁の開度を調節するものである。
【0012】
請求項2においては、空気調和システムの配管洗浄方法であって、該配管を構成する主配管と室内機とを連通する枝配管内を流れる冷媒の流速が所定の洗浄流速以上、かつ各室内機間で略一定となるように、各室内機用の膨張弁の開度を調節するものである。
【0013】
請求項3においては、空気調和システムの配管洗浄方法であって、該配管を構成する主配管と室内機とを連通する枝配管内を流れる冷媒の流速が所定の洗浄流速以上となるように室内機を複数のグループに分け、該グループ毎に枝配管の洗浄を行うものである。
【0014】
請求項4においては、空気調和システムの配管洗浄方法であって、該配管を構成する主配管と室内機とを連通する枝配管内を流れる冷媒の流速が所定の洗浄流速以上となるように室内機を複数のグループに分け、枝配管内を流れる冷媒の流速が該グループに属する室内機間で略同じとなるように各室内機用の膨張弁の開度を調節し、グループ毎に枝配管の洗浄を行うものである。
【0015】
請求項5においては、前記洗浄時における室内機用の膨張弁の開度は、室内機の冷房負荷または暖房負荷に基づいて決定されるものである。
【0016】
請求項6においては、前記配管の洗浄を行う前に、室外機内の冷媒配管のみで冷媒回路を構成し、該冷媒回路内で冷媒を循環させて、該冷媒配管内に滞留する液化した冷媒を気化させるものである。
【0017】
請求項7においては、請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の配管洗浄方法を実行するものである。
【0018】
請求項8においては、前記配管洗浄装置を空気調和システムの室外機に備えるものである。
【0019】
請求項9においては、請求項7または請求項8に記載の配管洗浄装置の制御装置であって、該制御装置を前記空気調和システムに備えたものである。
【0020】
請求項10においては、前記制御装置は空気調和システムのシステムコントローラを兼ねるものである。
【0021】
請求項11においては、前記制御装置は、空気調和システムの外部と通信可能であるものである。
【0022】
請求項12においては、請求項7または請求項8に記載の配管洗浄装置の制御装置であって、前記制御装置は、空気調和システムの外部から、有線または無線により空気調和システムのシステムコントローラと通信可能であるものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は空気調和システムの模式図、図2は本発明の配管洗浄装置を具備する空気調和システムの実施例における冷媒回路図、図3は本発明の洗浄装置を具備する空気調和システムの実施例におけるアキュムレータとオイルタンクの模式図、図4は本発明の洗浄装置を具備する空気調和システムの実施例における制御機器類のブロック図、図5は本発明の配管洗浄装置の実施例における配管洗浄方法のフロー図、図6は本発明の配管洗浄装置の別実施例における配管洗浄方法のフロー図、図7は洗浄流速と目標洗浄時間との関係を示すグラフである。
【0024】
以下では、図1および図2を用いて本発明の配管洗浄方法、配管洗浄装置および制御装置が適用される空気調和システム101の概略説明を行う。
図1および図2に示す如く、本発明の配管洗浄方法、配管洗浄装置および制御装置が適用される空気調和システム101は、主に、建造物等の外部に設置される室外機1、建造物の天井や壁等に埋設された既設配管(または新設配管)20、建造物等の室内に設置される室内機30a・30b・・・等で構成されている。
【0025】
本実施例の室外機1は、通常の暖房・冷房運転を行う機能に加えて、配管洗浄機能を備えている。
「配管洗浄機能」とは、室外機1内の冷媒配管、既設配管(または新設配管)20および室内機30a・30b・・・内の冷媒配管等により形成される冷媒回路内に、新冷媒を所定値以上の流速(洗浄流速)で循環させ、既設配管(または新設配管)20および室内機30a・30b・・・内に滞留している配管内残留物を冷媒回路の下流側へ押し流しつつ洗浄し、捕捉手段にて該配管内残留物を捕捉する機能をいう。
なお、以下の説明では、「配管内残留物」は、既設配管内壁に付着している従来冷媒(クロロフルオロカーボンやハイドロフルオロカーボンなど)用の冷凍機油等、または新設配管内部に溶接作業時に発生する新設配管の酸化膜(スケール)やその他付着物等、既設配管・新設配管内に滞留している異物の総称とする。
【0026】
このような配管洗浄機能を具備するために、室外機1はアキュムレータ6を配管内残留物の捕捉手段としても利用可能に構成されており、通常運転時にはアキュムレータ6を本来の気液分離容器として利用するために配管内残留物を回収する別の容器(図2中のオイルタンク27に相当する)や該容器とアキュムレータ6、冷媒回路とを連通する配管群、開閉弁群、および検知手段等が設けられている。
また、室外機1内には、エンジン3や圧縮機2の運転、開閉弁群の開閉、および室内機30a・30b・・・の室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・の開閉などを制御するシステムコントローラ25が備えられている。
【0027】
すなわち、本実施例の室外機1において「配管洗浄装置」に相当する部分は、冷媒搬送手段である圧縮機2、配管内残留物の捕捉手段であるアキュムレータ6、圧縮機2の圧送口から既設配管(または新設配管)20、既設配管(または新設配管)20からアキュムレータ6、アキュムレータ6から圧縮機2の吸入口までを連通する室外機1内の冷媒配管、該冷媒配管の中途部に設けられ、冷媒の流量(または流速)を調節する調節弁である第一膨張弁21、冷媒の流量(または流速)を検知する検知手段である流量計36、およびこれら配管洗浄装置を構成する構成要素を後述の配管洗浄方法を実行するために制御する制御装置であるシステムコントローラ25等である。
【0028】
なお、本発明の配管洗浄方法を実行するための配管洗浄装置の装置構成は、前述の室外機1内の構成には限定されず、冷媒搬送手段や配管内残留物の捕捉手段、冷媒配管群、冷媒の流量(または流速)の調節弁、冷媒の流量(または流速)の検知手段、制御装置等を備えてなり、本発明の配管洗浄方法を実行可能であれば良く、また室外機1に該配管洗浄装置が具備されていても、室外機1と該配管洗浄装置とが別体(すなわち専用の配管洗浄装置)であっても良い。
【0029】
既設配管(または新設配管)20は、建造物等の天井や壁に埋設される配管であり、通常は一対の主配管34a・34bと、主配管34aに一端が連通された枝配管35a・35a・・・と、主配管34bに一端が連通された枝配管35b・35b・・・とで構成される。
【0030】
室内機30a・30b・30c・30d・30e・30fにはそれぞれ室内熱交換器31a・31b・31c・31d・31e・31fが設けられ、該室内熱交換器31a・31b・31c・31d・31e・31fの両端はそれぞれ前記枝配管35a・35bの他端(主配管34a・34bと連通されていない方の端部)と連通される。また、室内熱交換器31a・31b・31c・31d・31e・31fの一端には室内熱交換器用膨張弁32a・32b・32c・32d・32e・32fが設けられる。
なお、図1においては六台の室内機30a・30b・30c・30d・30e・30fが既設配管(または新設配管)20に連通される構成としたが、室内機の台数はこれに限定されず、一台以上であればよい。
【0031】
以下では、図2を用いて本発明の配管洗浄方法を行う配管洗浄装置の実施例である空気調和システム101の冷媒回路の概略構成を説明する。
なお、以下の説明では図2に示すエンジン駆動式ヒートポンプである室外機を用いて説明するが、本発明は、エンジン駆動式ヒートポンプに限らず、電気エアコンやその他の形式の室外機を備える空気調和システム全般に適用可能である。
また、室内機30a・30b・・・の台数は限定されず、一台の室外機1に対して一台または複数台の室内機を備える空気調和システムに対して本発明は適用可能である。
【0032】
図2において、エンジン駆動式ヒートポンプの室外機1は、圧縮機2、エンジン廃熱回収器4、室外熱交換器5、アキュムレータ6、リキッドレシーバ7等の装置と、四方弁8、オイルセパレータ10やその他の弁・配管・フィルタ等により冷媒回路を形成している。
【0033】
また、室外機1には、ラジエータ11と、冷却水三方弁12、サーモスタット13、冷却水ポンプ14、排ガス熱交換器15、冷却水管16が備えられ、前記エンジン3とともに、エンジン冷却水回路を構成している。
なお、エンジン廃熱回収器4は、圧縮機2の吸入側、即ち、圧縮機2に吸入される冷媒の流れにおいて、圧縮機2の上流側に設けられており、エンジン冷却水の一部がエンジン廃熱回収器4内を通過することにより、冷媒との間で熱交換を行い、冷媒の気化を促進する。
【0034】
以下では、冷媒回路を構成する各部材について、冷房運転時の冷媒の流れに沿って説明する。
【0035】
圧縮機2は、クラッチ3a(図4に図示)によるエンジン3の駆動の断接により内部の回転体を駆動する構成としており、このクラッチ3aは電磁クラッチより構成され、その断接は、図2に示す如く室外機1を運転制御するシステムコントローラ25により制御されるようにしている。
【0036】
オイルセパレータ10は圧縮機2にて圧送された高温高圧の冷媒が最初に流入する容器であり、該オイルセパレータ10により、気体状の冷媒と、液体状の新冷媒用冷凍機油とを気液分離する。気体状の冷媒は四方弁8へ搬送され、液体状の新冷媒用冷凍機油は配管10aを介して圧縮機2の吸入口側へ搬送される。
オイルセパレータ10の底部には配管10aの一端が接続され、他端は主アキュムレータ出口配管84の中途部においてアキュムレータ出口配管開閉弁29よりも下流側(圧縮機2の吸入口に近い方)に接続される。従って、オイルセパレータ10にて冷媒と気液分離された冷凍機油は、主アキュムレータ出口配管84に流れ、再び圧縮機2へと供給されるようになっている。
【0037】
しかし、オイルセパレータ10での新冷媒用冷凍機油の回収率は100%とはならず、少量ではあるが冷媒とともに冷媒回路の下流側へ搬送されるものがある。
従って、後述する洗浄運転を継続していると、従来冷媒用の冷凍機油(洗浄運転により回収する)と、オイルセパレータ10により回収できずに冷媒回路へ搬送された一部の新冷媒用冷凍機油とが混合した状態で捕捉手段(アキュムレータ6)に捕捉される。すなわち、洗浄運転中にオイルセパレータ10よりも下流側の冷媒回路側へ搬送された分だけ、冷媒回路内の新冷媒用冷凍機油は減少する。
よって、オイルタンク27から新冷媒用の冷凍機油を冷媒回路に補充する必要があるのである。
また、後述する準備運転開始時には、圧縮機2内にある程度冷凍機油が封入されており、準備運転開始直後は圧縮機2の圧送口より冷凍機油が冷媒回路側へ流出するが、圧縮機2の吸入口側にすぐには冷凍機油が戻ってこないので、後述するオイルタンク27より冷凍機油を補充することが圧縮機2内部の潤滑の観点から見て有効である。
【0038】
続いて、四方弁8を通過した冷媒は冷房運転の場合、室外熱交換器5、第一膨張弁21を経てリキッドレシーバ7に流入する。リキッドレシーバ7は室外熱交換器5および第一膨張弁21を通過する過程で一部気体のまま送られ、また、冷媒量も変化するので、一時的に貯留して液が常に残留するようにして液化した冷媒を安定して膨張弁32へ送るためのものである。
【0039】
また、前記室外熱交換器5とリキッドレシーバ7とを接続する配管の中途部には、第一膨張弁21が設けられている。これは暖房時に冷媒を減圧させるためのものである。
一方、前記エンジン廃熱回収器4と、リキッドレシーバ7とを合流点45を介して通じさせる冷媒バイパス配管82の中途部には、第二膨張弁22が設けられている。
【0040】
リキッドレシーバ7を通過した気体状の冷媒は、第二開閉弁18を経て既設配管(又は新設配管)20内に流入し、室内機30a・30b・・・内の膨張弁32a・32b・・・で減圧され熱交換器31a・31b・・・で気化されて第一開閉弁17まで戻ってくる。室内機30a・30b・・・は、空調を必要とする建物内等に設置されるものであり、それぞれ室内熱交換器31a・31b・・・、室内機ファン33a・33b・・・、室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・等を備え、既設配管(又は新設配管)20に対して並列で接続される。
図2に示す如く、室内機30a・30b・・・は、既設配管(又は新設配管)20の一端と室外機1との間に第一開閉弁17および第二開閉弁18を介装しつつ接続し、既設配管(または新設配管)20の他端と室内機30a・30b・・・の配管とを接続することにより冷媒回路を形成し、該冷媒回路に新冷媒を循環させるとともに、後述するシステムコントローラ25により四方弁8その他の制御を行うことで、循環回路内の冷媒の流路を変更し、暖房運転や冷房運転、洗浄運転などを行う構成としている。
【0041】
第一開閉弁17まで戻って来た冷媒は、四方弁8を経てエンジン廃熱回収器4内を通過後、アキュムレータ6内に流入する。
【0042】
以下では図2および図3に示す本実施例の室外機1におけるアキュムレータ6の詳細構成について説明する。
本実施例のアキュムレータ6は、通常の冷房運転および暖房運転時において室内機30a・30b・・・を経て戻ってきた冷媒を気液分離して、液化した状態の冷媒が圧縮機2の吸入口に供給されることにより発生する圧縮機2の破損や性能低下を防止するという本来の機能と、洗浄運転時に配管内残留物を気体状の冷媒と気液分離して捕捉する捕捉手段としての機能を兼ねている。
図2および図3に示す如く、アキュムレータ6は、容器40に、該容器40内部と連通する複数の配管が挿入された構成になっている。
アキュムレータ6に連通接続されている配管は、主に第一吸入管87、第二吸入管88、主アキュムレータ出口配管84(アキュムレータ6側端部にU字管83が接続されている)、副アキュムレータ出口配管85、および回収配管19である。
【0043】
第一吸入管87はその一端が四方弁8に接続され、エンジン廃熱回収器4を経て他端が容器40内の上部空間と連通しており、冷媒回路内を循環している冷媒をアキュムレータ6に搬送するための配管である。
【0044】
第二吸入管88は、その一端が接続点50にて第一開閉弁17と四方弁8とを接続する配管51の中途部に連通され、他端は容器40内の上部空間に連通されている。また、第二吸入管88の中途部には開閉弁49が設けられている。
【0045】
主アキュムレータ出口配管84は、アキュムレータ6と圧縮機2とを連通する配管であり、通常運転(冷房・暖房運転)時は液体状の冷媒を吸入せず、気体状の冷媒のみを圧縮機2側へ搬送し、かつ、アキュムレータ6底部に滞留した新冷媒用の冷凍機油(オイルセパレータ10により回収しきれずにアキュムレータ6まで搬送されたもの)を少量ずつ圧縮機2側へ戻すために、アキュムレータ6側端部はU字管83と接続されている。
【0046】
U字管83は略U字型に曲げられた配管であり、その一端は容器40内の上部空間にて冷媒吸入口43を開口している。またU字管83の他端は、容器40上面を貫通して容器40外に延出され、主アキュムレータ出口配管84の一端と接続される。こうして前記容器40内の上部空間と主アキュムレータ出口配管84とが連通される。
また、U字管83の底部壁面には油吸入孔24が穿設されており、通常運転時(暖房運転または冷房運転時など)にはアキュムレータ6の底部に滞留した新冷媒用の冷凍機油を圧縮機2の吸入側に搬送可能に構成される。
【0047】
副アキュムレータ出口配管85もまた、圧縮機2の吸入側とアキュムレータ6とを連通するための配管であり、副アキュムレータ出口配管85の一端は、容器40上面を貫通して容器40内に挿入され、容器40内の上部空間にて冷媒吸入口44を開口している。副アキュムレータ出口配管85の他端は接続点95にて主アキュムレータ出口配管84と連通接続される。そして、接続点95とU字管83との間において、主アキュムレータ出口配管84の中途部にはアキュムレータ出口配管開閉弁29が設けられている。
【0048】
このようにアキュムレータ6と圧縮機2との間で冷媒を搬送するアキュムレータ出口配管が二本(主アキュムレータ出口配管84と副アキュムレータ出口配管85)配設される理由は、前述の如く、アキュムレータ6が通常運転時と、洗浄運転時で機能が異なることと密接な関係がある。
すなわち、通常運転時にはアキュムレータ出口配管開閉弁29が開けられて、該アキュムレータ6にて冷媒は気液分離される。そして、主に主アキュムレータ出口配管84より気体冷媒のみが圧縮機2側へ戻される。さらに、アキュムレータ6底部に滞留する少量の新冷媒用の冷凍機油が少しずつ圧縮機2側へ回収される。
U字管83の形状は、以上の如く、気体状の冷媒と、少量の新冷媒用の冷凍機油とを選択的に圧縮機2側へ回収するためのものである。
このとき、配管の主アキュムレータ出口配管84の直径が副アキュムレータ出口配管85の直径よりも大きいことから、気体冷媒の大部分は主アキュムレータ出口配管84を通過して圧縮機2に戻される。
【0049】
一方、洗浄運転時にはアキュムレータ出口配管開閉弁29が閉じられて、アキュムレータ6には、配管内残留物(新設・既設配管内の異物の総称)からなる液体成分が捕捉される。そして、気体冷媒のみが副アキュムレータ出口配管85から圧縮機2に搬送され、配管内残留物はアキュムレータ6内に確実に捕捉される。副アキュムレータ出口配管85のアキュムレータ6側の開口部である冷媒吸入口44はアキュムレータ6内空間上部で開口しており、冷媒吸入口44より副アキュムレータ出口配管85にアキュムレータ6で気液分離後の液体成分が流入することはない。
【0050】
次に、本実施例におけるオイルタンク27の詳細構成について説明する。
図2および図3に示す如く、オイルタンク27は、略円柱形状の容器に、該容器内部と連通する複数の配管が挿入された構成になっている。
オイルタンク27は、後述する準備運転時に新冷媒用の冷凍機油を冷媒回路に供給する供給タンクとしての機能と、準備運転後の洗浄運転時に、配管内残留物(従来冷媒用の冷凍機油や、配管材料の酸化膜その他、既設・新設配管内の異物)を回収する回収容器としての機能とを兼ねるものである。
【0051】
オイルタンク27に連通接続されている配管は、主に回収配管19、ガス抜き配管86、オイル供給配管98である。
【0052】
回収配管19は、その一端19aがアキュムレータ6の容器40底面にて該容器40内と連通し、他端19bがオイルタンク27内の上部空間と連通している。
また、回収配管19の中途部には回収弁28が設けられている。
【0053】
ガス抜き配管86はその一端が接続点96にて副アキュムレータ出口配管85の中途部に連通され、他端はオイルタンク27内の上部空間に連通されている。また、ガス抜き配管86の中途部にはガス抜き弁94が設けられている。
【0054】
オイル供給配管98は、その一端が接続点97にて副アキュムレータ出口配管85の中途部に連通され、他端はオイルタンク27底部よりオイルタンク27内に貫挿されている。オイル供給配管98のオイルタンク27側の端部98aは閉塞されており、オイル供給配管98のオイルタンク27内に貫挿されている部分の管壁には、開口部98bが穿設されている。該開口部98bの大きさはオイル供給配管98の内径よりも小さくなるように構成される。
また、オイル供給配管98の中途部にはオイル供給弁99が設けられている。
【0055】
そして、副アキュムレータ出口配管85とオイル供給配管98との接続点97は、副アキュムレータ出口配管85とガス抜き配管86との接続点96よりも副アキュムレータ出口配管85上において下流側(圧縮機2の吸入口に近い側)に設けられる。
また、副アキュムレータ出口配管85中途部において、前記接続点97と接続点96とに挟まれる部位には、絞り部(オリフィス部)68が設けられ、接続点97と接続点96との間に生じる差圧を大きくしている。
【0056】
また、オイルタンク27の底面には外部排出弁89が設けられている。
【0057】
以上の如くオイルタンク27を構成することは、以下の如き利点を有する。
すなわち、アキュムレータ6内空間の気体冷媒の圧力をP0、接続点96での気体冷媒の圧力をP1、接続点97での気体冷媒の圧力をP2とすると、圧縮機2が作動しているときには、P0>P1>P2が成立している。
従って、回収弁28、ガス抜き弁94、およびオイル供給弁99の開閉の組み合わせにより、アキュムレータ6内空間の気体冷媒の圧力(P0)、接続点96での気体冷媒の圧力(P1)、接続点97での気体冷媒の圧力(P2)の差(差圧)を利用して種々の圧送経路を構成することが可能である。
【0058】
具体的には、▲1▼回収弁28を「開」、ガス抜き弁94を「閉」、オイル供給弁99を「開」とする「オイル高速供給モード」や、▲2▼回収弁28を「閉」、ガス抜き弁94を「開」、オイル供給弁99を「開」とする「オイル低速供給モード」や、▲3▼回収弁28を「開」、ガス抜き弁94を「開」、オイル供給弁99を「閉」とする「配管内残留物回収モード」の三つの配管経路を形成することが可能である。
【0059】
続いて、本実施例の空気調和システム101における施工から通常運転までの作業手順について図2、図3、図5および図6を用いて説明する。
【0060】
図2および図3に示す本実施例の場合、配管洗浄機能を具備する室外機1を、既設配管(または新設配管)20に第一開閉弁17および第二開閉弁18を介して接続したとき、圧縮機2の潤滑を行う新冷媒用の冷凍機油の補充分は、オイルタンク27内に予め封入されている。
【0061】
本実施例においては、図5に示す如く、室外機1と既設配管(または新設配管)との接続が行われた後、次に行われるのが「準備運転」である。
「準備運転」は、既設配管(または新設配管)20に冷媒を循環させずに、室外機1の内部だけで冷媒を循環させて、アキュムレータ6やエンジン廃熱回収器4、オイルタンク27等を通常運転時と略同じ温度まで昇温し、該室外機1内の冷媒配管中で液化した状態で滞留している冷媒をアキュムレータ6に一時回収し、アキュムレータ6等の昇温によって該液体状の冷媒を気化して、圧縮機2への液体状冷媒および配管内残留物の流入を防止し、圧縮機2等の破損を防止するとともに、以後の「分配補正係数算出運転」や、「洗浄運転」を効率よく行うために実施される。
【0062】
以下では、本実施例における「準備運転」の詳細説明を行う。
本実施例の場合は、圧縮機2へのエンジン3の駆動力の伝達・遮断を行うクラッチ3a(図4)を「切」の状態にして、エンジン3を駆動させるとともに、エンジン3の冷却水を、エンジン廃熱回収器4の温度が「所定の温度」となるまでエンジン廃熱回収器4に循環させる。この「所定の温度」とは、エンジン廃熱回収器4内を貫通する冷媒回路を冷媒が通過したときに、冷媒が気化するのに十分な温度を指す。
【0063】
次に、四方弁8を冷房側に切り替え、第一膨張弁21および第二膨張弁22を開け、第一開閉弁17および第二開閉弁18を閉じる。そして、前記クラッチ3aを「入」の状態にして、圧縮機2を駆動し、冷媒回路内に冷媒を循環させる。
冷媒は、圧縮機2、オイルセパレータ10、四方弁8、室外熱交換器5、第一膨張弁21、リキッドレシーバ7、第二膨張弁22、冷媒バイパス配管82、合流点45、エンジン廃熱回収器4、第一吸入管87を経てアキュムレータ6内に流入する。そして、アキュムレータ6から副アキュムレータ出口配管85を経て圧縮機2に気体状の冷媒が戻される(このとき、主アキュムレータ出口配管84の中途部に設けられたアキュムレータ出口配管開閉弁29は閉じられている)。
一方、液体状の冷媒はアキュムレータ6の底部に一時回収され、装置類の昇温に伴い順次気化されて圧縮機2に戻される。
すなわち、既設配管(または新設配管)20の洗浄を行う前に、室外機1内の冷媒配管のみで冷媒回路を構成し、該冷媒回路内で冷媒を循環させて、該冷媒配管内に滞留する液化した冷媒を気化させるのである。
【0064】
以上の如く、既設配管(または新設配管)20の洗浄を行う前に、室外機1内の冷媒配管のみで冷媒回路を構成し、該冷媒回路内で冷媒を循環させて、該冷媒配管内に滞留する液化した冷媒を気化させることにより、液化した冷媒および配管内残留物の圧縮機2への流入を防止し、圧縮機2の破損を防止するとともに、洗浄を効率よく行うことが可能である。
【0065】
なお、準備運転における室外機1内の冷媒回路は、四方弁8から冷房側に冷媒を流す構成としたが、例えば四方弁8から暖房側に冷媒を流し、開閉弁49を開け、第二吸入管88からアキュムレータ6に冷媒を流入させても良い。
また、本実施例においては、室外機1の内部だけで冷媒を循環させる形で冷媒配管内の液体状の冷媒をアキュムレータ6に回収し、順次気化させるが、室内機まで冷媒を循環させる形で冷媒配管内の液体状の冷媒をアキュムレータ6に回収し、順次気化させても良く、限定されない。
【0066】
続いて、上記準備運転時に行われる「冷凍機油供給方法」について説明する。
図2および図3に示す本実施例においては、冷凍機油の冷媒回路への供給は準備運転、または後述の洗浄運転と並行して行われる。
「冷凍機油供給方法」は第一実施例においては二種類あり、以下ではそれぞれ「高速供給方法」、「低速供給方法」と呼ぶこととする。
【0067】
「高速供給方法」の場合、アキュムレータ6から圧縮機2の吸入口までの冷媒回路は、主アキュムレータ出口配管84の中途部に設けられたアキュムレータ出口配管開閉弁29が閉じられた状態で、回収弁28を「開」、ガス抜き弁94を「閉」、オイル供給弁99を「開」とする「オイル高速供給モード」の状態となっている。
従って、アキュムレータ6に流入した気体状の冷媒の大部分は、副アキュムレータ出口配管85、接続点95以降(冷媒回路下流側)の主アキュムレータ出口配管84を経て圧縮機2の吸入口に戻る。
一方、アキュムレータ6に流入した気体状の冷媒の一部は、アキュムレータ6と接続点97との間に生じる差圧(P0−P2)により、回収配管19を経てオイルタンク27の上部に流入する。そして、オイルタンク27内に封入されていた新冷媒用の冷凍機油は、オイル供給配管98を経て冷媒回路に供給される。
【0068】
「オイル高速供給モード」における新冷媒用冷凍機油を搬送する駆動力は、アキュムレータ6と接続点97との間に生じる差圧(P0−P2)であり、該差圧は圧縮機2の駆動により生じるため新たな駆動源を必要としない。
また、該差圧(P0−P2)の大きさは、オリフィス部68の形状、副アキュムレータ出口配管85の内径および長さ、オイル供給配管98の内径および長さ、等により調節可能である。
【0069】
「低速供給方法」の場合、アキュムレータ6から圧縮機2の吸入口までの冷媒回路は、前記「オイル高速供給モード」だけではなく、主アキュムレータ出口配管84の中途部に設けられたアキュムレータ出口配管開閉弁29が閉じられた状態で、回収弁28を「閉」、ガス抜き弁94を「開」、オイル供給弁99を「開」とする「オイル低速供給モード」の状態となっている。
このとき、アキュムレータ6に流入した気体状の冷媒は、副アキュムレータ出口配管85、接続点95以降(冷媒回路下流側)の主アキュムレータ出口配管84を経て圧縮機2の吸入口に戻る。
また、副アキュムレータ出口配管85内を通過する気体状の冷媒の一部は、接続点96と接続点97との間に生じる差圧(P1−P2)により、接続点96よりガス抜き配管86を経てオイルタンク27の上部に流入し、オイルタンク27内に封入されていた新冷媒用の冷凍機油は、オイル供給配管98を経て冷媒回路に供給される。
【0070】
「オイル低速供給モード」における新冷媒用冷凍機油を搬送する駆動力は、接続点96と接続点97との間に生じる差圧(P1−P2)であり、該差圧は圧縮機2の駆動により生じるため新たな駆動源を必要としない。
また、該差圧(P1−P2)の大きさは、オリフィス部68の形状、副アキュムレータ出口配管85の内径および長さ、ガス抜き配管86の内径および長さ、オイル供給配管98の内径および長さ、等により調節可能である。
【0071】
このように、本実施例の室外機においては、準備運転時において、オイルタンク27から冷媒回路への冷凍機油の供給速度を「高速供給方法」と「低速供給方法」を用いて二種類に切り換えることが可能であり、装置の容量や使用環境(室外温度)等の変化に応じて適当な冷凍機油の供給速度を選択することが可能である。
【0072】
「高速供給モード」は、アキュムレータ6内の圧力P0と接続点97の圧力P2との差圧(P0−P2)でオイルタンク27内の冷凍機油を冷媒回路に供給する。従って、接続点96の圧力P1と接続点97の圧力P2との差圧(P1−P2)でオイルタンク27内の冷凍機油を冷媒回路に供給する「低速供給モード」と比較して、冷凍機油を短時間で圧縮機2に供給することが可能であり、準備運転の時間短縮(ひいては施工時間の短縮)という観点から見て優れている。
ただし、気体状の冷媒は回収配管19を通じてオイルタンク27内上部空間に搬送されることから、後述の洗浄運転時においては「高速供給モード」を併用することができない。
【0073】
以下では、本実施例における「分配補正係数算出運転」の詳細説明を行う。
図5に示す如く、準備運転の次に行われるのが「分配補正係数算出運転」である。「分配補正係数算出運転」は、洗浄運転時における室内機用の膨張弁の開度を決めるための運転の実施の一形態である。
【0074】
各室内機の冷房負荷や暖房負荷は、その性質上、該室内機に接続される枝配管の長さや高低差、内部の配管内残留物の状況により変化する。
従って、該冷房負荷や暖房負荷に基づいて各室内機用の膨張弁の開度を決定することが、枝配管を流れる冷媒の流速を洗浄流速Vw以上に保持し、かつ各室内機間の冷媒の流速を略一定にして洗浄を行う上で重要である。
なお、ここでいう「冷房負荷」および「暖房負荷」とは、冷房時と略同じの冷媒回路または暖房時と略同じの冷媒回路で冷媒を循環させたときに、ある室内機において、ある開度で室内機側の膨張弁を開けたときの冷媒の流量、流速、冷媒の圧力、冷媒の温度、室内機が設置されている場所の空気温、その他のパラメータ等から求められるものであり、本実施例における「分配補正係数」に限定されるものではない。
【0075】
「分配補正係数算出運転」は、室内機30a・30b・・・にそれぞれ設けられた室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・の開度や、冷媒温度と室温から求められる各室内機の負荷、および各室内機30a・30b・・・と連通される枝配管35a・35b内の新冷媒の流量(または流速)との関係から、各室内機30a・30b・・・の分配補正係数をそれぞれ求め、室内機30a・30b・・・と連通する全ての枝配管35a・35b内の新冷媒の流速が、配管内残留物を洗浄しつつ押し流すことができる所定値(洗浄流速Vw)以上となるように、次の洗浄運転時の各室内機30a・30b・・・の室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・の開度を決定するための運転である。
【0076】
このとき、各室内機30a・30b・・・内(または枝配管35a・35a・・・)の新冷媒の流速が室内機間で略同じとなるように、各室内機30a・30b・・・の分配補正係数が定められる。
これは、配管内残留物の洗浄作業の進行度合いを各室内機30a・30b・・・間で略同じとし、略同じタイミングで洗浄を完了させることにより、洗浄運転終了時の各室内機30a・30b・・・の洗浄度合いを略均一とするとともに、室外機1の冷媒圧送能力の範囲で全体の洗浄時間を最短とすることが可能である。
【0077】
以下では「分配補正係数算出運転」の具体的な手順を示す。
【0078】
「分配補正係数算出運転」時には、四方弁8を冷房側に切り替え、第一膨張弁21および第二膨張弁22を開け、第一開閉弁17および第二開閉弁18を開ける。そして、前記クラッチ3aを「入」の状態にして、圧縮機2を駆動し、冷媒回路内に冷媒を循環させる。
圧縮機2にて圧送された冷媒は、オイルセパレータ10、四方弁8、室外熱交換器5、第一膨張弁21、リキッドレシーバ7、第二開閉弁18を経て、既設配管(または新設配管)20の主配管34aに流入する。続いて、冷媒は枝配管35a・35a・・・を経て各室内機30a・30b・・・内の室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・、室内熱交換器31a・31b・・・を通過後、枝配管35b・35b・・・、主配管34bを経て第一開閉弁17まで戻ってくる。
続いて、冷媒は配管51、四方弁8、エンジン廃熱回収器4、第一吸入管87を経てアキュムレータ6内に流入する。そして、アキュムレータ6から副アキュムレータ出口配管85を経て圧縮機2に気体状の冷媒が戻される。
このとき、主アキュムレータ出口配管84の中途部に設けられたアキュムレータ出口配管開閉弁29は閉じられている。
このようにアキュムレータ出口配管開閉弁29を閉じる理由は、「分配補正係数算出運転」時に、冷媒とともに配管内残留物のアキュムレータ6への流入が少しではあるが始まっていることによる。
【0079】
この「分配補正係数算出運転」時において、まず、本実施例の空気調和システム101における配管洗浄機能を制御する制御装置であるシステムコントローラ25が、既設配管(または新設配管)20と接続されている室内機の台数を認識する。
このとき、室内機の台数が一台であれば、後述する分配補正係数の算出を行う必要がない。すなわち、該室内機側の膨張弁の開度を調節して、室内機と接続される枝配管内の冷媒の流速が洗浄流速Vw以上となるようにして洗浄運転を開始する。
一方、室内機の台数が複数台の時は、各室内機30a・30b・・・の室内機容量Qj[kW]、室内機吸い込み空気温度TIj[℃]、室内熱交換器温度TLj[℃]、室内機風量等により、各室内機30a・30b・・・の室内機負荷Ljを算出する。
なお、以後は室内機の台数が一台の場合については省略し、室内機の台数が複数台の場合について説明する。添字jは各室内機のアドレス番号を示しており、本実施例では、室内機30aはj=1、室内機30bはj=2、室内機30cはj=3、室内機30dはj=4、室内機30eはj=5、室内機30fはj=6、と定義する。
【0080】
室内機容量Qj[kW]は、室内機30a・30b・・・の機種により決まっている既知の値である。
室内機吸い込み空気温度TIj[℃]は、室内機30a・30b・・・が設置されている建造物内の室温である。室内機吸い込み空気温度TIj[℃]は各室内機30a・30b・・・に設けられた室温検知手段である温度センサ37a・37b・・・により求められる。温度センサ37a・37b・・・で検知された室内機吸い込み空気温度TIjに係る情報は、本発明の配管洗浄方法の制御手段も兼ねるシステムコントローラ25に送信される。
室内熱交換器温度TLj[℃]は、各室内機30a・30b・・・において、その室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・の開度がEj(0<Ej<1、バルブ全閉のときEj=0、バルブ全開のときEj=1と定義する)のときの室内熱交換器31a・31b・・・を通過する冷媒の温度である。室内熱交換器温度TLj[℃]は各室内機30a・30b・・・に設けられた冷媒温度検知手段である温度センサ38a・38b・・・により求められる。温度センサ38a・38b・・・で検知された室内熱交換器温度TLjに係る情報は、本発明の配管洗浄方法の制御手段も兼ねるシステムコントローラ25に送信される。
【0081】
室内機風量は、室内機吸い込み空気温度TIjと、室内熱交換器温度TLjとの温度差により冷媒と室内の空気との間で生じる熱伝導の効率に影響する因子である。本実施例ではこの因子をk[1/(kW・℃)]と定義し、前記室内機容量Qjが28[kW]以下のときk=1、室内機容量Qjが28[kW]より大きいときはk=0.5とする。
【0082】
以上の室内機容量Qj[kW]、室内機吸い込み空気温度TIj[℃]、室内熱交換器温度TLj[℃]、因子kより、室内機負荷Ljは次の(式1)で表される。
Lj=k×(TIj−TLj)×Qj (式1)
【0083】
続いて、前記室内機負荷Ljを求めたときの室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・の開度Ejにおける室内機理論流量FTj[立方メートル/sec]を求める。
室内機30a・30b・・・の機種が判明すれば、該室内機30a・30b・・・に設けられている室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・の種類も特定できる。
該室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・における理論上の流量FTj[立方メートル/sec]は、次の(式2)で表される。
FTj=Sj×(A×Ej+B) (式2)
ここで、Sj[平方メートル]は室内機30a・30b・・・と接続される枝配管35a(35b)の断面積であり、通常は既知の値である。
また、A[m/sec]、B[m/sec]は室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・の種類に固有の係数である。
【0084】
このとき、(式2)中の(A×Ej+B)は、分配補正係数算出運転時において、室内機30a・30b・・・と接続される枝配管35a(35b)中を流れる冷媒の流速υj[m/sec]を表している。
υj=(A×Ej+B) (式3)
【0085】
前記(式1)および(式2)を用いて、各室内機における分配補正係数KRjは次の(式4)で表される。
KRj=(FTj/Lj)/(ΣFTj/ΣLj) (式4)
ここで、ΣFTjは各室内機30a・30b・・・の室内機理論流量FTjの和、ΣLjは各室内機30a・30b・・・の室内機負荷Ljの和を表す。本実施例ではΣFTj=(FT1+FT2+FT3+FT4+FT5+FT6)であり、ΣLj=(L1+L2+L3+L4+L5+L6)である。
【0086】
以上の計算により求められた各室内機30a・30b・・・の洗浄運転時の開度Wjは以下の(式5)で表される。
Wj=KRj×Ej (式5)
洗浄運転時に各室内機30a・30b・・・の室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・の開度をWjとすることにより、洗浄運転時における各枝配管35a(35b)を流れる冷媒の流速は、互いに略同じ値である平均流速Vave[m/sec]となる。そして、該Vaveが配管内残留物を洗浄しつつ押し流すことができる所定値である洗浄流速Vw[m/sec]よりも大きいことを確認して、次の洗浄運転に移行する。
【0087】
また、通常は第一開閉弁17および第二開閉弁18に接続されている室外機1側の冷媒配管51・52と、既設配管(または新設配管)20の主配管34a・34bとは管径(すなわち断面積)は略同じとなるように構成されている。
従って、室外機1側の冷媒配管51・52内を流れる冷媒の流量または流速を流量計などのセンサ類からなる検知手段(本実施例では流量計36)により検知し、該冷媒配管51・52内を流れる冷媒の流速を前記洗浄流速Vw以下とならないように圧縮機2の駆動を行う条件下では、主配管34a(または主配管34b)の断面積S0が、枝配管35a・35a・・・(または枝配管35b・35b・・・)の断面積の和ΣSjよりも大きければ、洗浄運転時に各枝配管35a(35b)を流れる冷媒の平均流速Vaveは洗浄流速Vw以下となることがない。
すなわち、主配管の断面積S0と枝配管35a・35a・・・の断面積の和ΣSjを比較することにより、Vaveを算出せずとも、Vave>Vwの条件で運転することが可能である。
なお、流量計36により検知された冷媒配管51・52内を流れる冷媒の流量(すなわち主配管34aを流れる冷媒の流量)に係る情報は、本発明の配管洗浄方法の制御手段も兼ねるシステムコントローラ25に送信される。
【0088】
また、冷媒配管51・52と、既設配管(または新設配管)20の主配管34a・34bとは管径(すなわち断面積)が異なる場合でも、冷媒配管51・52と、既設配管(または新設配管)20の主配管34a・34bとの断面積の比に応じて流速を算出することにより、枝配管35a・35a・・・中を流れる冷媒の平均流速Vaveが洗浄流速Vw以下とならないように制御することが可能である。
【0089】
このように構成することにより、既設配管(または新設配管)20の長さや高低差、既設配管(または新設配管)20に接続される室内機30a・30b・・・の機種や台数等、既設配管(または新設配管)20内の冷媒の流速に影響を及ぼす条件が種々変化しても、各室内機内の室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・の開度を調節して各室内機と接続される枝配管35a内の冷媒の流速を略一定として洗浄することから、洗浄完了までに要する時間を抑え、かつ各室内機の洗浄度合いを一定にすることが可能である。
また、制御装置であるシステムコントローラ25により分配補正係数KRjを求め、該分配補正係数KRjに基づいて室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・の開度を調節することから、専門の知識を有する作業者等が同行しないで施工を行った場合でも、室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・の開度を容易かつ短時間で設定することが可能であり、施工時の作業性に優れる。
【0090】
続いて、室内機の「グループ分け」について詳細説明する。
例えば、集合住宅など室外機の台数に対する室内機の台数が多い場合、室内機の台数の増加に伴い枝配管35a・35a・・・の本数も多くなるので、主配管34aの断面積S0よりも枝配管35a・35a・・・の断面積の総和(ΣSj)の方が大きくなるケースが起こりうる。
このとき、主配管34a内を流れる冷媒の流速が洗浄流速Vwを上回っていても、全ての室内機30a・30b・・・の室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・を分配補正係数KRjに基づいた開度Wj(=KRj×Ej)で開いた場合の枝配管35a・35a・・・中を流れる冷媒の平均流速Vaveが、洗浄流速Vwよりも小さくなる場合が起こり得る。
このような洗浄条件では、洗浄時間が長くなったり、あるいは洗浄を十分に行うことができない可能性がある。
【0091】
上述の如き状況を回避するためには、室内機30a・30b・・・の室内熱交換器用膨張弁を一つずつ開き、他の室内熱交換器用膨張弁は閉じることにより、枝配管35a・35b内での冷媒の平均流速Vaveを洗浄流速Vw以上に保持する方法も考えられるが、この方法は各室内機30a・30b・・・と連通される一対の枝配管35a・35bを順番に洗浄することを意味しており、圧縮機2の冷媒圧送能力を効率よく利用することができない上、全体の洗浄時間が非常に長くなってしまう。
【0092】
そこで、図6に示す如く、「分配補正係数算出運転」を行う前に、「グループ分け」を行う配管洗浄方法が考えられる。
すなわち、既設配管(または新設配管)20のうち、主配管34a・34b内を搬送される冷媒の流速を洗浄流速Vw以上に保持した条件において、主配管34a(主配管34b)の断面積S0と、枝配管35a・35a・・・の断面積の総和ΣSjとを比較し、S0>ΣSj(全室内機と連通する枝配管の断面積の総和が主配管の断面積より小さい)のときは、全ての室内機30a・30b・・・の室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・について分配補正係数KRjを求め、全室内機を同時に洗浄する。これは、全室内機が一つのグループに属すると見なすことと略同じである。
また、S0<ΣSj(全室内機と連通する枝配管の断面積の総和が主配管の断面積より大きい)のときは、室内機30a・30b・・・をG1・G2・・・からなる複数のグループに分け、該グループ毎に、グループに属する室内機の分配補正係数KRj(Gn)を算出し、該グループ毎に洗浄を行う。なお、添字のnはグループ番号を示す。
【0093】
仮に、図1に示す本実施例において、主配管34aの断面積S0、および室内機30a・30b・・・の枝配管35aの断面積S1、S2・・・S6を比較した結果に基づき、室内機30a・30b・30cからなる第一グループ(G1)と、室内機30d・30e・30fからなる第二グループ(G2)の二つのグループに分けたとする。
このとき、S0<ΣSj、S0>S1+S2+S3、S0>S4+S5+S6が成立している。
【0094】
第一グループ(G1)の分配補正係数KRj(G1)を算出するときは、第二グループ(G2)に属する室内機30d・30e・30fの室内熱交換器用膨張弁32d・32e・32fを閉じた状態で前記分配補正係数算出運転を行う。
そして、求められた第一グループのみで洗浄運転をするための分配補正係数KRj(G1)に基づいて、第一グループに属する室内機30a・30b・30cの室内熱交換器用膨張弁32a・32b・32cの開度を調節し、第一グループに属する室内機30a・30b・30cのみで(第二グループに属する室内機30d・30e・30fの室内熱交換器用膨張弁32d・32e・32fを閉じた状態で)
洗浄運転を行う。
【0095】
次に、第一グループに属する室内機30a・30b・30cの室内熱交換器用膨張弁32a・32b・32cを閉じ、室内機30d・30e・30fの室内熱交換器用膨張弁32d・32e・32fを開けた状態で前記分配補正係数算出運転を行い、第二グループ(G2)の分配補正係数KRj(G2)を算出する。
そして、求められた第二グループのみで洗浄運転をするための分配補正係数KRj(G2)に基づいて、第二グループに属する室内機30d・30e・30fの室内熱交換器用膨張弁32d・32e・32fの開度を調節し、第二グループに属する室内機30d・30e・30fのみで(第一グループに属する室内機30a・30b・30cの室内熱交換器用膨張弁32a・32b・32cを閉じた状態で)
洗浄運転を行う。
【0096】
このように、グループ毎に洗浄運転を行い、全てのグループについて洗浄運転が終了した後、通常運転に移行する。
このときのグループ分けの方法は、例えば室内機のアドレス番号(添字j)の順に枝配管35aの断面積を加算していき、主配管34aの断面積を超える手前のアドレス番号まででグループを形成する、といった方法等を用いてグループの総数を極力少なくすることが望ましい。これは、グループ数が多いと、洗浄に係るトータルの時間が長くなることによる。
【0097】
なお、図6に示すグループ分けの実施例では、グループ分けを行ってから、グループ毎に「分配補正係数算出運転(分配補正係数の算出)」および「洗浄運転」を行う構成としたが、グループ分けを用いる配管洗浄運転方法はこれに限定されず、例えば図5に示すようにまず全室内機についての分配補正係数算出運転を行い、分配補正係数から求められる枝配管の平均流速Vave<Vwとなるときにはグループ分けを行う、といった運転方法も考えられる。
また、図6に示すグループ毎の洗浄が終了した時点で、今度は全室内機を対象として分配補正係数の算出、該分配補正係数に基づくバルブ開度での洗浄運転を行い、それから通常運転に移行するという方法も考えられる。
【0098】
以上の如く構成することにより、既設配管(または新設配管)20の主配管34a内を流れる冷媒の流速を配管内残留物を洗浄可能な冷媒の流速である洗浄流速Vw以上となるように制御し、かつ枝配管35a・35a・・・の断面積の和が主配管34aの断面積を超えないように室内機をグループ分けして該グループ毎に洗浄を行うことにより、各室内機の洗浄度合いを一定にするだけでなく、良好な洗浄効果を維持しつつ洗浄を行うことを可能としている。
【0099】
なお、上述の「分配補正係数算出運転」および「グループ分け」において用いられる洗浄流速Vwは、実験等により予め求められる値であり、「目標洗浄時間」の関数の形で表すことが可能である。ここで、目標洗浄時間とは、ある洗浄流速で室内機と接続された枝配管に冷媒を流したときに、該枝配管の配管内残留物が、少なくとも通常運転時に問題が生じない程度に洗浄されるまでに要する時間を指す。
一般的には図7に示す如く、目標洗浄時間を短くする程、その時間で適正に洗浄が完了するための洗浄流速Vwは大きくなる傾向を有している。従って、作業者が「目標洗浄時間」を入力することにより、洗浄流速Vwが設定され、該洗浄流速Vwに基づいて「分配補正係数算出運転」および「グループ分け」が行われるように構成してもよい。
【0100】
また、本実施例においては、第一開閉弁17および第二開閉弁18に接続されている室外機1側の冷媒配管51・52と、既設配管(または新設配管)20の主配管34a・34bとは管径(すなわち断面積)は略同じであって、主配管34aの断面積(S0)と、各室内機と接続された枝配管35a・35a・・・の断面積(Sj)とを比較することにより、グループ分けするかどうかを判断するものであるが、以下の如き方法でグループ分けすることも可能であり、グループ分けに用いられるパラメータは本実施例には限定されない。
【0101】
すなわち、各室内機に接続された枝配管内を流れる冷媒の流速が、所定の洗浄流速であるVw以上、かつ各室内機間で略一定となるように、各室内機用の膨張弁の開度を調節すればよいので、仮に枝配管の断面積の和(ΣSj)が主配管の断面積(S0)より大きくなる場合であっても、その分だけ圧縮機の回転数を増加すれば枝配管内を流れる冷媒の流速が洗浄流速Vw以上、かつ各室内機間で略一定となる条件で洗浄することが可能である。
例えば、主配管34a・34bと接続される室外機1側の配管51・52での冷媒流速をVM、断面積をSM、主配管34a・34bでの冷媒流速をV0とすると、以下の(式6)が成り立つ。
VM×SM=V0×S0=Vave×ΣSj (式6)
よって、Vave=(SM/ΣSj)×VMが成り立ち、(SM/ΣSj)×VM≧Vwのときに、枝配管の冷媒流速が洗浄流速以上となる。
【0102】
このとき、(SM/ΣSj)は洗浄作業時に入力可能な設定値であり、VMは実験により、エンジン3の回転数N[rpm]の関数として予め求められる値である。
従って、主配管34a・34bの断面積S0を用いずとも、枝配管35a・35aでの冷媒流速を洗浄流速Vw以上となるように制御することが可能である。
また、VMは一般的にはエンジン3の回転数Nの増大に応じて増大する関数として表されることから、流量計36からの信号に基づいて室外機1側の流速VMを求めなくとも、圧縮機2の回転数NからVMを求めてVaveとVwとを比較することができ、流量計36を省略することができる。
【0103】
さらに、VMが回転数Nに略比例している場合では、エンジン3の回転数Nの最大値Nmaxおよびそのときの流速VMmaxを用いて以下の(式7)が成立する。
α=N/Nmax=VM/VMmax (式7)
ここでNmaxおよびVMmaxは既知の値である。また、係数αは回転数比であり、0≦α≦1の値を取りうる。αを予め設定される固定値として洗浄時のエンジン回転数を固定してもよく、あるいは作業時に入力してエンジン回転数を決定しても良い。なお、αを大きい値に設定することは、エンジン3の回転数を大きくすることを意味しており、一つのグループに属する室内機の台数を多くできる。
この他にも、ある目標洗浄時間における洗浄流速Vwのときに、Vave=(SM/ΣSj)×VM=Vwを満たすαを求め、αが小さい値を取るときはグループに属する室内機の台数を増やしてグループ数を少なくしたり、あるいは目標洗浄時間の短いVwを選択し直したり、といった制御を行うことが可能である。
【0104】
なお、上述の説明ではエンジン3の回転数NによりVMを算出する方法を説明したが、これに限定されず、圧縮機の回転数を用いてVMを算出してもよい。また、電気エアコンやその他の室外機の場合、駆動モータの電圧や回転数を用いてVMを算出してもよい。
【0105】
続いて、「洗浄運転方法」および「配管内残留物の回収方法」について説明する。
「洗浄運転」は「分配補正値算出運転」後に行われ、新冷媒(および新冷媒内に少量混入した新冷媒用の冷凍機油との混合物)を既設配管(または新設配管)20内に循環させ、配管内残留物を洗い流し、捕捉手段であるアキュムレータ6に一時捕捉するものである。
【0106】
このとき、「配管内残留物回収」も並行して行われる。すなわち、準備運転開始前には新冷媒用の冷凍機油が封入され、準備運転時に冷媒回路に該冷凍機油を供給するオイルタンク27を、今度は配管内残留物を回収する回収容器として利用するものである。
【0107】
以下では、本実施例における洗浄運転を示す。
準備運転、分配補正係数算出運転から引き続き圧縮機2へのエンジン3の駆動力の伝達・遮断を行うクラッチ3aを「入」の状態として、エンジン3を駆動させておく。そして、四方弁8は冷房側のままとし、第一膨張弁21および第二膨張弁22は開いた状態としておく。そして、第一開閉弁17および第二開閉弁18を開く。
このとき、主配管34a内を流れる冷媒の流速が洗浄流速Vw以下とならないように第一膨張弁21の開度を調整する。
【0108】
冷媒は、圧縮機2、オイルセパレータ10、四方弁8、室外熱交換器5、第一膨張弁21、リキッドレシーバ7、第二開閉弁18を経て既設配管(または新設配管)20に流入し、該既設配管(または新設配管)20および室内機30a・30b・・・内部配管に付着・残留した配管内残留物を冷媒回路の下流側へと押し流す。
【0109】
冷媒および配管内残留物が混合したものは、第一開閉弁17、接続点50、四方弁8を経てエンジン廃熱回収器4内で冷媒の気化が促進され、第一吸入管87よりアキュムレータ6内に流入する。そして、該アキュムレータ6にて気体状の冷媒と、配管内残留物とが気液分離され、冷媒は副アキュムレータ出口配管85を経て圧縮機2に戻され、配管内残留物はアキュムレータ6の底部に確実に捕捉される。
【0110】
続いて「配管内残留物回収」をおこなうためのアキュムレータ6から圧縮機2までの冷媒経路の構成について説明する。
アキュムレータ6から圧縮機2の吸入口までの冷媒回路は、主アキュムレータ出口配管84の中途部に設けられたアキュムレータ出口配管開閉弁29が閉じられた状態で、回収弁28を「開」、ガス抜き弁94を「開」、オイル供給弁99を「閉」とする「配管内残留物回収モード」の状態となっている。
【0111】
従って、アキュムレータ6に流入した冷媒は、副アキュムレータ出口配管85、接続点95以降(冷媒回路下流側)の主アキュムレータ出口配管84を経て圧縮機2の吸入口に戻る。
【0112】
一方、アキュムレータ6底部に捕捉された配管内残留物は、アキュムレータ6に流入した気体状の冷媒の圧力(P0)と、接続点96での冷媒の圧力(P1)との差圧(P0−P1)により、回収配管19を経てオイルタンク27に回収される。そして、オイルタンク27内にあった冷媒は、ガス抜き配管86を経て副アキュムレータ出口配管85に戻される。
【0113】
また、上述の説明は洗浄運転中に配管内残留物のオイルタンク27への回収作業を常時並行して行うものであるが、このような運転方法には限定されず、例えば、洗浄運転の前半は「オイル低速供給モード」とし、洗浄運転の後半は「配管内残留物回収モード」とする運転方法も考えられる。
このような運転方法を用いることにより、洗浄運転時に、新冷媒用冷凍機油の一部がオイルセパレータ10で回収しきれずに冷媒回路下流に搬送され、アキュムレータ6に配管内残留物等とともに捕捉されることによる冷媒回路内の新冷媒用冷凍機油の減少分を、洗浄運転前半の「オイル低速供給モード」で補充することが可能である。
【0114】
また、図1および図2に示す如く、本実施例においては、回収配管19のアキュムレータ6側の端部19aと、電磁式のソレノイドバルブである回収弁28との間に、手動式のボールバルブである手動回収弁53が設けられている。同様に、ガス抜き配管86の接続点96と、電磁式のソレノイドバルブであるガス抜き弁94との間に手動式のボールバルブである手動ガス抜き弁54が設けられている。同様に、オイル供給配管98の接続点97と、電磁式のソレノイドバルブであるオイル供給弁99との間に手動オイル供給弁55、がそれぞれ設けられている。
さらに、アキュムレータ出口配管開閉弁29も手動式のボールバルブで構成されている。
【0115】
このように、アキュムレータ6から圧縮機2までの冷媒配管の各所に手動式のボールバルブを設ける理由は、室外機1の容量等によっては、電磁式のソレノイドバルブのみでは通常運転時の密閉性が十分に確保することができない場合があることによる。
【0116】
本実施例においては、準備運転開始時点では、手動にてアキュムレータ出口配管開閉弁29を「閉」、手動回収弁53を「開」、手動ガス抜き弁54を「開」、手動オイル供給弁55を「開」としておき、準備運転および洗浄運転中は、電磁式のソレノイドバルブである回収弁28、ガス抜き弁94、オイル供給弁99の開閉を後述するシステムコントローラ25により制御して、「オイル高速供給モード」や、「オイル低速供給モード」や、「配管内残留物回収モード」の三つの配管経路の切り替えを行う。
【0117】
そして、洗浄運転が終了した時点で、アキュムレータ出口配管開閉弁29を「開」、手動回収弁53を「閉」、手動ガス抜き弁54を「閉」、手動オイル供給弁55を「閉」とすることにより、オイルタンク27とアキュムレータ6との間(回収配管19)、およびオイルタンク27と副アキュムレータ出口配管85との間の配管(ガス抜き配管86、オイル供給配管98)を電磁式ソレノイドバルブと比較して密閉性の高い手動式のボールバルブで閉塞し、オイルタンク27内に回収された配管内残留物が通常運転時に冷媒回路内に誤って流入することを防止することが可能である。
なお、室外機の容量等により、電磁式のソレノイドバルブのみでも通常運転時に必要な密閉性が確保可能な場合は、手動式のボールバルブを省略しても良い。
【0118】
以上の準備運転、冷凍機油供給、洗浄運転、オイルタンク27への残留物の回収等は、図1、図2および図4に示すシステムコントローラ25により各開閉弁の開閉等が制御される。
【0119】
図4は、本発明の実施例である室外機1の運転を制御する制御装置と、作動装置類の構成を示すものである。
本実施例のシステムコントローラ25は、施工完了後の通常(冷房・暖房)運転時に室外機1を制御する機能と、施工時における配管洗浄機能(装置)を制御する機能とを兼ねている。
なお、本実施例には限定されず、本発明の配管洗浄方法を行うための配管洗浄装置の制御装置は、室外機のシステムコントローラと一体でも別体でもよく、また配管洗浄方法を行うための配管洗浄装置の制御装置は空気調和システムに備えられていても、別体でもよい。
【0120】
システムコントローラ25は電磁弁などからなる第一膨張弁21、第二膨張弁22、回収弁28、ガス抜き弁94、オイル供給弁99、室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・、冷却水三方弁12と接続され、これらの弁の開閉制御を行い、更には、冷却水ポンプ14のON・OFF、エンジン3の回転数の制御、前記四方弁8の流路切換や、前記エンジン3と圧縮機2との間の駆動力の伝達・遮断を行うクラッチ3aの制御などを行う構成としている。
また、室外機1および室内機30a・30b・・・の各所に設けられた温度センサ37a・37b・・・、温度センサ38a・38b・・・、および流量計36等の検知手段からの信号(情報)を受信可能に構成される。
【0121】
また、空気調和システム101の外部にあるパソコン等と、配管洗浄方法を実行するための配管洗浄装置の制御装置を兼ねる室外機1のシステムコントローラ25とを通信可能とすることにより、施工時の洗浄作業に関するデータを該パソコン102内に保存し、該データを定期補修や装置の設計・改良、洗浄作業が適正に行われたことの証明等に利用することが可能である。
【0122】
さらに、図1に示す如く、空気調和システム101の外部にあり、制御手段や入力手段、情報の保存手段等を備える可搬式のパソコン102と、室外機1のシステムコントローラ25とが有線または無線で通信可能に構成されている。
このように構成することにより、室外機1の施工時に以下のような作業形態をとることが可能である。
例えば、前記パソコン102を本発明の配管洗浄方法を実行するための配管洗浄装置の制御装置として用いることにより、システムコントローラ25をより安価な部品で構成することが可能である。また、施工時の洗浄作業に関するデータを該パソコン102内に保存しておくことにより、該データを定期補修や装置の設計・改良、洗浄作業が適正に行われたことの証明等に利用することが可能である。すなわち、分配補正係数算出運転、洗浄運転など、通常運転前に行う配管洗浄作業に係る制御を行うプログラムの所在は、室外機のシステムコントローラ、該システムコントローラとは別体で室外機に備えられた制御装置、外部のパソコン等の情報端末(ノートパソコン等)、インターネット等の通信回線で接続された中央制御手段(ホストコンピュータ等)など、装置構成等に応じて適宜選択することが可能である。
【0123】
以上の如く、準備運転、分配補正係数算出運転、洗浄運転を行った後に、通常運転(暖房・冷房運転)を行う。
【0124】
本発明の配管洗浄方法を実行する配管洗浄装置を用いて既設配管(または新設配管)20を洗浄することは、以下の如き利点を有する。
【0125】
第一に、既設配管(または新設配管)の長さや高低差、既設配管(または新設配管)に接続される室内機の機種や台数等、配管内の冷媒の流速に影響を及ぼす条件が種々変化しても、各室内機内の膨張弁の開度を調節して各室内機と接続される枝配管内の冷媒の流速を略一定として配管内を洗浄することから、洗浄完了までに要する時間を抑え、かつ各室内機の洗浄度合いを一定にすることが可能である。
【0126】
第二に、既設配管(または新設配管)の主配管内を流れる冷媒の流速を、配管内残留物を洗浄可能な冷媒の流速である洗浄流速Vw以上となるように、室内機をグループ分けして該グループ毎に洗浄を行うことにより、各室内機の洗浄度合いを一定にするだけでなく、良好な洗浄効果を維持しつつ洗浄を行うことを可能としている。
【0127】
第三に、前記洗浄時における室内機用の膨張弁の開度は、室内機の冷房負荷または暖房負荷に基づいて決定される(本実施例においては実施の一形態として、冷房運転と略同じ冷媒回路で冷媒を循環させたときの分配補正係数に基づいて室内機側の膨張弁の開度を調節する)ことから、専門の知識を有する作業者等が同行しないで施工を行った場合でも各室内機側の膨張弁の開度を容易かつ短時間で設定することが可能であり、施工時の作業性に優れる。
【0128】
第四に、既設配管(または新設配管)の洗浄を行う前に、室外機内の冷媒配管のみで冷媒回路を構成し、該冷媒回路内で冷媒を循環させて、該冷媒配管内に滞留する液化した冷媒を気化させることにより、圧縮機の破損を防止するとともに、洗浄を効率よく行うことが可能である。
【0129】
第五に、本発明の配管洗浄方法を実行する配管洗浄装置を室外機内に備えることにより、専用の配管洗浄装置による洗浄を行った後、該専用の配管洗浄装置を既設配管(または新設配管)から切り離し、室外機を接続するという作業を行う必要がなく、施工時間の短縮が可能であるとともに作業性に優れる。
【0130】
第六に、本発明の配管洗浄方法を実行するための配管洗浄装置や室内機側の膨張弁の開度等を制御する制御装置を空気調和システムに備えることにより、初期パラメータ(配管の断面積や室内機の機種など)を入力するだけで、後は作業者が複雑な手動操作を行わずに配管洗浄を行うことが可能であり作業性に優れる。
【0131】
第七に、室外機のシステムコントローラが配管洗浄装置や室内機側の膨張弁の開度等を制御する制御装置を兼ねることにより、部品の更なる共通化、省スペース化が可能となる。
【0132】
第八に、配管洗浄装置の制御を行う制御装置を空気調和システムの外部と通信可能に構成することにより、例えばメーカー側の制御手段(パソコンなど)に配管洗浄運転に関するデータを送信・保管し、該データを定期補修や装置の設計・改良、洗浄作業が適正に行われたことの証明等に利用することが可能である。
【0133】
第九に、配管洗浄装置の制御を行う制御装置と室外機のシステムコントローラとを別体とし、該制御装置をノートパソコンなどの可搬式の情報端末で構成して、施工時に該制御装置とシステムコントローラとを有線または無線で通信可能として洗浄運転時には該制御装置に初期パラメータ(配管の断面積や室内機および室外機の機種など)を入力し、操作を行うように構成することで、システムコントローラをより安価なもので構成可能である。
また、可搬式の情報端末である制御装置内には洗浄運転に係るデータ等が保存されるので、該データを定期補修や装置の設計・改良、洗浄作業が適正に行われたことの証明等に利用することが可能である。
【0134】
続いて、図1および図2に示す実施例において行う暖房運転について説明する。
図1に示す如く、圧縮機2により圧縮された冷媒は、高温高圧過熱蒸気の状態として、オイルセパレータ10および暖房方向に切り換えられた四方弁8を経由して、第一開閉弁17より既設配管(または新設配管)20内を通って室内熱交換器31a・31b・・・へ送出される。室内熱交換器31a・31b・・・においては、高温高圧過熱蒸気状態の冷媒から室内空気に熱が放出され冷媒は凝縮されて気体から液体に変化する。この熱放出により室内の暖房が行われる。
【0135】
冷媒は、第二開閉弁18を通過して室外機1内へ戻り、リキッドレシーバ7を経由した後、第一膨張弁21・21にて急激に膨張して、外気温よりも低温となり、室外熱交換器5を通過する間に、外気より熱を得て冷媒は液体から気体に変化する。
そして、冷媒は、四方弁8を経由し、エンジン廃熱回収器4にてエンジン3の冷却水から熱を得てさらに高温となり、ガス冷媒となってアキュムレータ6に流入し、圧縮機2に吸入される。
上述の如く冷媒回路内に冷媒を循環させることにより、暖房運転を行う。
【0136】
続いて、図1および図2に示す実施例において行う冷房運転について説明する。
図1に示す如く、圧縮機2により圧縮された冷媒は、高温高圧過飽和蒸気の冷媒となり、オイルセパレータ10、冷房方向に切り換えられた四方弁8を経由して室外熱交換器5に圧送される。このとき、室外熱交換器5を構成するフィンの表面には、室外ファン5fにより外気が強制的に吹き付けられており、冷媒は室外熱交換器5のフィンを通過する間に、外気に熱を放出して温度が低下し、冷媒は気体から液体に変化する。
【0137】
室外熱交換器5にて外気に熱を放出した冷媒は、液化した冷媒がリキッドレシーバ7にて気液分離された後、第二開閉弁18に接続された既設配管(または新設配管)20内を通って、室内機30a・30b・・・へ送られる。
それぞれの室内機30a・30b・・・においては、室内熱交換器用膨張弁32a・32b・・・にて減圧されることにより冷媒が蒸発し易い状態となる。そして、室内熱交換器31a・31b・・・内を通過する間に、室内機ファン33a・33b・・・により室内熱交換器31・31のフィンの表面に吹き付けられる室内空気から蒸発熱を吸収して冷媒は液体から気体に変化する。このようにして室内空気は冷媒に熱を奪われ、冷風として室内に送風されることにより室内の冷房を行う。
その後、室内熱交換器31a・31b・・・にて室内空気から熱を吸収した冷媒が、既設配管(または新設配管)20、第一開閉弁17を経て四方弁8を経由し、エンジン廃熱回収器4にてエンジン3の冷却水から熱を得てさらに高温となり、ガス冷媒となってアキュムレータ6に流入し、圧縮機2に吸入される。
上述の如く冷媒回路内に冷媒を循環させることにより、冷房運転を行う。
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0138】
即ち、請求項1に示す如く、空気調和システムの配管洗浄方法であって、該配管を構成する主配管と室内機とを連通する枝配管内を流れる冷媒の流速が各室内機間で略一定となるように、各室内機用の膨張弁の開度を調節するので、既設配管(または新設配管)の長さや高低差、既設配管(または新設配管)に接続される室内機の機種や台数等、配管内の冷媒の流速に影響を及ぼす条件が種々変化しても、各室内機内の膨張弁の開度を調節して各室内機と接続される枝配管内の冷媒の流速を略一定として配管内を洗浄することから、洗浄完了までに要する時間を抑え、かつ各室内機の洗浄度合いを一定にすることが可能である。
【0139】
請求項2に示す如く、空気調和システムの配管洗浄方法であって、該配管を構成する主配管と室内機とを連通する枝配管内を流れる冷媒の流速が所定の洗浄流速以上、かつ各室内機間で略一定となるように、各室内機用の膨張弁の開度を調節するので、既設配管(または新設配管)の長さや高低差、既設配管(または新設配管)に接続される室内機の機種や台数等、配管内の冷媒の流速に影響を及ぼす条件が種々変化しても、各室内機内の膨張弁の開度を調節して各室内機と接続される枝配管内の冷媒の流速を略一定として配管内を洗浄することから、洗浄完了までに要する時間を抑え、かつ各室内機の洗浄度合いを一定にすることが可能である。
また、洗浄運転時の枝配管内の流速が所望の洗浄度合いとなる洗浄流速以上となるように洗浄を行うことから、良好な洗浄状態を確保することが可能である。
【0140】
請求項3に示す如く、空気調和システムの配管洗浄方法であって、該配管を構成する主配管と室内機とを連通する枝配管内を流れる冷媒の流速が所定の洗浄流速以上となるように室内機を複数のグループに分け、該グループ毎に枝配管の洗浄を行うので、既設配管(または新設配管)の主配管内を流れる冷媒の流速を配管内残留物を洗浄可能な冷媒の流速である洗浄流速以上となるように制御し、かつ各室内機の洗浄度合いを略一定とし、良好な洗浄効果を維持しつつ洗浄を行うことを可能としている。
【0141】
請求項4に示す如く、空気調和システムの配管洗浄方法であって、該配管を構成する主配管と室内機とを連通する枝配管内を流れる冷媒の流速が所定の洗浄流速以上となるように室内機を複数のグループに分け、枝配管内を流れる冷媒の流速が該グループに属する室内機間で略同じとなるように各室内機用の膨張弁の開度を調節し、グループ毎に枝配管の洗浄を行うので、既設配管(または新設配管)の長さや高低差、既設配管(または新設配管)に接続される室内機の機種や台数等、配管内の冷媒の流速に影響を及ぼす条件が種々変化しても、各室内機内の膨張弁の開度を調節して各室内機と接続される枝配管内の冷媒の流速を略一定として配管内を洗浄することから、洗浄完了までに要する時間を抑え、かつ各室内機の洗浄度合いを一定にすることが可能である。
また、既設配管(または新設配管)の主配管内を流れる冷媒の流速を配管内残留物を洗浄可能な冷媒の流速である洗浄流速以上となるように制御し、かつ各室内機の洗浄度合いを略一定とし、良好な洗浄効果を維持しつつ洗浄を行うことを可能としている。
【0142】
請求項5に示す如く、前記洗浄時における室内機用の膨張弁の開度は、室内機の冷房負荷または暖房負荷に基づいて決定されるので、専門の知識を有する作業者等が同行しないで施工を行った場合でも各室内機側の膨張弁の開度を容易かつ短時間で設定することが可能であり、施工時の作業性に優れる。
【0143】
請求項6に示す如く、前記配管の洗浄を行う前に、室外機内の冷媒配管のみで冷媒回路を構成し、該冷媒回路内で冷媒を循環させて、該冷媒配管内に滞留する液化した冷媒を気化させるので、圧縮機の破損を防止するとともに、洗浄を効率よく行うことが可能である。
【0144】
請求項7に示す如く、請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の配管洗浄方法を実行するので、既設配管(または新設配管)の長さや高低差、既設配管(または新設配管)に接続される室内機の機種や台数等、配管内の冷媒の流速に影響を及ぼす条件が種々変化しても、各室内機内の膨張弁の開度を調節して各室内機と接続される枝配管内の冷媒の流速を略一定として配管内を洗浄することから、洗浄完了までに要する時間を抑え、かつ各室内機の洗浄度合いを一定にすることが可能である。
また、既設配管(または新設配管)の主配管内を流れる冷媒の流速を配管内残留物を洗浄可能な冷媒の流速である洗浄流速以上となるように制御し、かつ各室内機の洗浄度合いを略一定とし、良好な洗浄効果を維持しつつ洗浄を行うことを可能としている。
さらに、専門の知識を有する作業者等が同行しないで施工を行った場合でも各室内機側の膨張弁の開度を容易かつ短時間で設定することが可能であり、施工時の作業性に優れる。
【0145】
請求項8に示す如く、前記配管洗浄装置を空気調和システムの室外機に備えるので、専用の配管洗浄装置による洗浄を行った後、該専用の配管洗浄装置を既設配管(または新設配管)から切り離し、室外機を接続するという作業を行う必要がなく、施工時間の短縮が可能であるとともに作業性に優れる。
【0146】
請求項9に示す如く、請求項7または請求項8に記載の配管洗浄装置の制御装置であって、該制御装置を前記空気調和システムに備えたので、初期パラメータ(配管の断面積や室内機の機種など)を入力するだけで、後は作業者が複雑な手動操作を行わずに配管洗浄を行うことが可能であり作業性に優れる。
【0147】
請求項10に示す如く、前記制御装置は空気調和システムのシステムコントローラを兼ねるので、部品の更なる共通化、省スペース化が可能となる。
【0148】
請求項11に示す如く、前記制御装置は、空気調和システムの外部と通信可能であるので、外部の制御手段等に配管洗浄運転に関するデータを送信・保管し、該データを定期補修や装置の設計・改良、洗浄作業が適正に行われたことの証明等に利用することが可能である。
【0149】
請求項12に示す如く、請求項7または請求項8に記載の配管洗浄装置の制御装置であって、前記制御装置は、空気調和システムの外部から、有線または無線により空気調和システムのシステムコントローラと通信可能であるので、システムコントローラをより安価なもので構成可能とするとともに、可搬式の情報端末である制御装置内には洗浄運転に係るデータ等が保存されるので、該データを定期補修や装置の設計・改良、洗浄作業が適正に行われたことの証明等に利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】空気調和システムの模式図。
【図2】本発明の配管洗浄装置を具備する空気調和システムの実施例における冷媒回路図。
【図3】本発明の洗浄装置を具備する空気調和システムの実施例におけるアキュムレータとオイルタンクの模式図。
【図4】本発明の洗浄装置を具備する空気調和システムの実施例における制御機器類のブロック図。
【図5】本発明の配管洗浄装置の実施例における配管洗浄方法のフロー図。
【図6】本発明の配管洗浄装置の別実施例における配管洗浄方法のフロー図。
【図7】洗浄流速と目標洗浄時間との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 室外機
20 既設配管(または新設配管)
25 システムコントローラ
30a・30b 室内機
32a・32b 室内熱交換器用膨張弁
34a・34b 主配管
35a・35b 枝配管
101 空気調和システム
Claims (12)
- 空気調和システムの配管洗浄方法であって、該配管を構成する主配管と室内機とを連通する枝配管内を流れる冷媒の流速が各室内機間で略一定となるように、各室内機用の膨張弁の開度を調節することを特徴とする配管洗浄方法。
- 空気調和システムの配管洗浄方法であって、該配管を構成する主配管と室内機とを連通する枝配管内を流れる冷媒の流速が所定の洗浄流速以上、かつ各室内機間で略一定となるように、各室内機用の膨張弁の開度を調節することを特徴とする配管洗浄方法。
- 空気調和システムの配管洗浄方法であって、該配管を構成する主配管と室内機とを連通する枝配管内を流れる冷媒の流速が所定の洗浄流速以上となるように室内機を複数のグループに分け、該グループ毎に枝配管の洗浄を行うことを特徴とする配管洗浄方法。
- 空気調和システムの配管洗浄方法であって、該配管を構成する主配管と室内機とを連通する枝配管内を流れる冷媒の流速が所定の洗浄流速以上となるように室内機を複数のグループに分け、枝配管内を流れる冷媒の流速が該グループに属する室内機間で略同じとなるように各室内機用の膨張弁の開度を調節し、グループ毎に枝配管の洗浄を行うことを特徴とする配管洗浄方法。
- 前記洗浄時における室内機用の膨張弁の開度は、室内機の冷房負荷または暖房負荷に基づいて決定されることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項4に記載の配管洗浄方法。
- 前記配管の洗浄を行う前に、室外機内の冷媒配管のみで冷媒回路を構成し、該冷媒回路内で冷媒を循環させて、該冷媒配管内に滞留する液化した冷媒を気化させることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の配管洗浄方法。
- 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の配管洗浄方法を実行する配管洗浄装置。
- 前記配管洗浄装置を空気調和システムの室外機に備えることを特徴とする請求項7に記載の配管洗浄装置。
- 請求項7または請求項8に記載の配管洗浄装置の制御装置であって、該制御装置を前記空気調和システムに備えたことを特徴とする制御装置。
- 前記制御装置は空気調和システムのシステムコントローラを兼ねることを特徴とする請求項9に記載の制御装置。
- 前記制御装置は、空気調和システムの外部と通信可能であることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の制御装置。
- 請求項7または請求項8に記載の配管洗浄装置の制御装置であって、前記制御装置は、空気調和システムの外部から、有線または無線により空気調和システムのシステムコントローラと通信可能であることを特徴とする制御装置。
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KR101139886B1 (ko) | 2010-07-28 | 2012-05-02 | 한국전력공사 | 증기계통 보일러의 세정 시스템 및 세정 방법 |
KR101458021B1 (ko) * | 2014-01-17 | 2014-11-04 | 주식회사 세기 | 스케일 부착 방지기능을 가지는 고효율 히트펌프 시스템 |
JP2015123441A (ja) * | 2013-12-27 | 2015-07-06 | オリオン機械株式会社 | パイプラインミルカーの洗浄方法 |
CN110530176A (zh) * | 2019-08-17 | 2019-12-03 | 河北欧姆隆机械有限公司 | 管板换热器 |
CN110530176B (zh) * | 2019-08-17 | 2024-05-24 | 河北欧姆隆机械有限公司 | 管板换热器 |
-
2003
- 2003-01-20 JP JP2003011653A patent/JP2004223335A/ja active Pending
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