JP2004085038A - 空調機および空調機の運転方法 - Google Patents

空調機および空調機の運転方法 Download PDF

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Ikuo Mizuno
水野 郁男
Hirohiko Nobuhara
延原 寛彦
Makoto Misawa
三澤 誠
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Abstract

【課題】従来冷媒対応の空調機から新冷媒用の空調機への転換時には、建物等の壁面や天井に埋設された既設配管をそのまま使用する場合は、該既設配管内に付着した残留物(従来冷媒用の冷凍機油)を除去する必要がある。しかし、空調機自体に既設配管の洗浄機能を持たせる場合、残留物は、洗浄時に捕捉手段として使用されるアキュムレータの上流側に設けられた冷媒気化手段に滞留する場合がある。
【解決手段】圧縮機2と、冷媒気化手段4と、これらを連通する冷媒配管とを備える空調機において、前記冷媒気化手段4内の冷媒の流れる方向を正逆変更する冷媒方向切替機構を設けた。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建造物の天井や壁等に埋設された既設配管内に新冷媒(ハイドロフルオロカーボンなど)を循環させ、該冷媒循環回路途中に捕捉手段を設けることにより、既設配管内壁の残留物(従来冷媒(クロロフルオロカーボンやハイドロフルオロカーボンなど)用の冷凍機油など)を除去する技術に関する。
より詳細には、新たに設置する新冷媒を用いた空調機の配管と、既設配管とで冷媒循環回路を形成し、該空調機内に設けられたアキュムレータを前記残留物の捕捉手段としたときに、該アキュムレータよりも冷媒回路の上流側に配置され、冷媒を気化させるための冷媒気化手段内に滞留する残留物を除去する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空調機の冷媒回路においては、圧縮機を潤滑する冷凍機油を冷媒に溶け込ませて冷媒回路を循環させており、アキュムレータにて、前記冷媒と冷凍機油を気液分離するようにしている。
図3に示す構成は、前記アキュムレータの一般的な構成を示すものであり、容器60の上部より、一本の吸入管61が差し込まれており、該吸入管61より容器60内へ冷媒及び冷凍機油が流入するようになっている。冷媒は、原則として蒸発したガス冷媒のみが供給されるが、運転条件によっては液冷媒も含まれることがある。また、容器60には、側面視略「U」字状のU字管62が、「U」字の一端を冷媒吸入口63として容器60内に配される一方、他端には、圧縮機に通じる吐出管65が接続され、冷媒吸入口63より吸い込まれたガス冷媒は、吐出管65を通じて圧縮機へ供給されるようになっている。そして、U字管62において、「U」字の湾曲部には、油吸入孔64を形成し、該油吸入孔64より、冷凍機油を吸入して、ガス冷媒とともに、圧縮機へ供給して、圧縮機の潤滑を行うようにしている。
【0003】
そして、上記構成のアキュムレータ66を備える空調機では、従来、CFC(クロロフルオロカ−ボン)やHCFC(ハイドロクロロフルオロカ−ボン)といった塩素系冷媒(以下、「従来冷媒」とする)が使用されていたが、分子中に含まれる塩素が成層圏でオゾン層を破壊するため、代替として非塩素系冷媒であるHFC(ハイドロフルオロカ−ボン)(以下、「新冷媒」とする)が使用されるようになっている。
この新冷媒への代替に伴い、建物の既設配管(室内機と室外機とを連通する冷媒用配管であって、壁や天井などに埋設されており、空調機を従来冷媒対応型から新冷媒対応型に交換する際に、新しい配管と交換することが困難な部分)を利用したまま、空調機を新設(新冷媒に対応した室外機および室内機に交換)する際には、圧縮機に使用される冷凍機油が異なるため、既設配管内に付着した従来冷媒用の冷凍機油の残留物を除去する洗浄作業が行なわれている。この洗浄作業は、空調機を設置する前段階において、専用の配管洗浄装置を用いて行なわれる。
また、作業工程の簡素化のために、専用の配管洗浄装置を使用せず、新設の空調機自体に既設配管の洗浄機能を持たせることが検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、空調機自体に既設配管の洗浄機能を持たせる場合、既設配管内の残留物である従来冷媒用の冷凍機油は最終的にアキュムレータに流れ込む。そのため、アキュムレータを残留物の捕捉手段として利用することが、空調機のサイズをコンパクトに保ちつつ、既設配管の洗浄機能を付加する上で効果的である。
このとき、冷媒回路において、該アキュムレータの上流側には通常、冷媒気化手段が設けられている。そして、該冷媒気化手段によって冷媒に熱エネルギーを与えて冷媒の気化を促進し、アキュムレータでの冷媒と冷凍機油および残留物との分離効率を向上させ、圧縮機に効率よく気体状の冷媒を戻すのである。
例えば、エンジンヒートポンプの場合、前記冷媒気化手段として、熱交換器を使用する。そして、動力源であるエンジンの廃熱を有効利用するために、エンジンの冷却水が、該熱交換器内を通過するように冷却水回路を構成する。すなわち、エンジンの廃熱により昇温された冷却水を熱源流体として、熱交換器内で熱伝導により冷却水から冷媒に熱エネルギーを与え、冷媒の気化を促進するのである。
しかし、冷媒気化手段内において冷媒が流れる方向は、冷媒を気化する効率を考慮して、通常は冷媒気化手段内を下方から上方(正方向)に流れるように構成するので、該冷媒気化手段にも冷凍機油や残留物などが滞留する可能性がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。
即ち、請求項1に記載の如く、圧縮機と、冷媒気化手段と、これらを連通する冷媒配管とを備える空調機であって、
前記冷媒気化手段内の冷媒の流れる方向を正逆変更する冷媒方向切替機構を設けたのである。
【0006】
また、請求項2に記載の如く、圧縮機と、冷媒気化手段と、これらを連通する冷媒配管とを備える空調機であって、
洗浄運転時に冷媒気化手段内を冷媒が液体状態で通過可能に構成したのである。
【0007】
また、請求項3に記載の如く、圧縮機と、冷媒気化手段と、これらを連通する冷媒配管とを備える空調機であって、
該冷媒気化手段の下部に残留物排出手段を設けたのである。
【0008】
また、請求項4に記載の如く、圧縮機と、冷媒気化手段と、これらを連通する冷媒配管とを備える空調機であって、
圧縮機の吐出側冷媒配管と冷媒気化手段とを連通するバイパス配管を設け、該バイパス配管の中途部に開閉弁を設けたのである。
【0009】
また、請求項5に記載の如く、空調機を設置し、既設配管を洗浄する際に冷媒気化手段に滞留する残留物を除去するための請求項1に記載の空調機の運転方法であって、
冷媒方向切替機構を複数の開閉弁、または、単数または複数の切替弁により構成し、洗浄運転時における冷媒気化手段への冷媒流入方向を、通常運転時の逆方向とするのである。
【0010】
また、請求項6に記載の如く、空調機を設置し、既設配管を洗浄する際に冷媒気化手段に滞留する残留物を除去するための請求項2に記載の空調機の運転方法であって、
該冷媒気化手段が熱交換器であって、該熱交換器へ熱源流体の流入を停止することにより、冷媒気化手段内を冷媒が液体状態で通過するのである。
【0011】
また、請求項7に記載の如く、空調機を設置し、既設配管を洗浄する際に冷媒気化手段に滞留する残留物を除去するための請求項4に記載の空調機の運転方法であって、
前記バイパス回路により、圧縮機の吐出側冷媒配管から冷媒気化手段へ冷媒を流入させるのである。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の一形態である空調機の冷媒回路図、図2は本発明の実施の一形態である空調機のアキュムレータの模式図、図3は従来のアキュムレータの模式図、図4は本発明の実施の一形態である空調機の制御機器類のブロック図、図5は冷媒気化手段に設けられた冷媒方向切替機構の第一実施例を示す模式図、図6は冷媒気化手段に設けられた冷媒方向切替機構の第二実施例を示す模式図、図7は冷媒気化手段に設けられた冷媒方向切替機構の第三実施例を示す模式図、図8は冷媒方向切替機構を設けない場合の冷媒気化手段を示す模式図である。
【0013】
まず、本発明の実施の一形態である空調機の全体構成について、図1を用いて説明する。尚、以下の説明では図1に示すエンジンヒートポンプを用いて説明するが、本発明はエンジンヒートポンプに限らず、電気エアコンやその他の形式の空調機であって、冷媒回路においてアキュムレータの上流側に冷媒気化手段を具備するものに対して適用可能である。
【0014】
図1において、エンジンヒートポンプの室外機1は、空調を必要とする建物等の外に設置されるものであり、圧縮機2、冷媒気化手段4、室外熱交換器5、アキュムレータ6、リキッドレシーバ7等の装置と、四方弁8、オイルセパレータ10やその他の弁・配管・フィルタ等により冷媒回路を形成している。
前記圧縮機2は、クラッチ(図示せず)によるエンジン3の駆動の断接により内部の回転体を駆動する構成としており、このクラッチは電磁クラッチより構成され、その断接は、室外機1を運転制御するコントローラ25により制御されるようにしている。
【0015】
以下では、図1に示す空調機において、冷媒気化手段4に熱エネルギーを供給するための冷却水回路の説明を行う。
室外機1には、ラジエータ11と、冷却水三方弁12、サーモスタット13、冷却水ポンプ14、排ガス熱交換器15、冷却水管16、バイパス配管53などが備えられ、後述する冷媒液化手段4や前記エンジン3とともに、エンジン冷却水回路を構成している。
【0016】
冷却水ポンプ14により排ガス熱交換器15に圧送された冷却水は、該排ガス熱交換器15にてエンジン3からの廃熱を吸収して温度が上昇し、冷却水管16によりサーモスタット13に送られる。サーモスタット13は冷却水の水温が所定温度以上の場合、冷却水管16と冷却水三方弁12の流入口とが連通するように作動する。一方、冷却水の水温が所定温度以下の場合、冷却水が冷却水管16からバイパス配管53を経て冷却水ポンプ14に戻るように作動する。
冷却水三方弁12に二箇所設けられた吐出口の内、一方は配管54により冷媒気化手段4の冷却水流入口74と連通し、他方は配管55によりラジエータ11と連通している。該冷却水三方弁12の切り替えにより、所定温度以上の冷却水は、冷媒気化手段4および配管56を経て冷却水ポンプ14に戻るか、またはラジエータ11および配管57を経て冷却水ポンプ14に戻るかのいずれかの経路を通過する。
なお、冷却水が冷媒気化手段4内を通過する方向は、立設されたプレート型熱交換器である冷媒気化手段4の上方から下方への向きである。
【0017】
続いて、図1に示す空調機における冷媒回路の説明を行う。
図1および図2に示す如く、前記アキュムレータ6の底部には、回収弁28を設けた排出管19が接続され、該排出管19の排出口側には、アキュムレータ6内の液体を回収し、冷媒回路外へ排出するための回収器27が設けられている。アキュムレータ6内にはU字管83を設け、アキュムレータ6の底部近傍まで延設されたU字管83の下部壁面には、圧縮機2の潤滑油となる冷凍機油の油吸入孔24が設けられている。
【0018】
また、前記室外熱交換器5とリキッドレシーバ7とを接続する配管の中途部には、第一膨張弁21が設けられている。
一方、前記冷媒気化手段4と、リキッドレシーバ7とを合流点45を介して通じさせる冷媒バイパス管82の中途部には、第二膨張弁22が設けられている。
【0019】
アキュムレータ6のU字管83の一端は上方を開口してアキュムレータ6の容器40内の上部空間内に開放し、U字管83の他端は、圧縮機2の吸入側に主吐出管84を介して通じており、該主吐出管84の中途部には、吐出管開閉弁29が設けられている。
前記主吐出管84において、吐出管開閉弁29の設置箇所よりも圧縮機2側(下流側)には、副吐出管85の一端が接続点95にて接続されており、該副吐出管85の他端はアキュムレータ6の容器40内に挿入され、冷媒吸入口44にてアキュムレータ6の容器40の上部内空間に通じている。
また、オイルセパレータ10の底部には配管10a・10bの一端が接続される。そして、配管10aの他端は主吐出管84の中途部に接続され、配管10bの他端は副吐出管85の中途部に接続される。
従って、オイルセパレータ10にて冷媒と気液分離された冷凍機油は、主吐出管84または副吐出管85に流れ、再び圧縮機2へと供給されるようになっている。
【0020】
さらに、ガス冷媒戻り管86の一端が副吐出管85の中途部の接続点96に接続され、他端は前記回収器27の上部内空間に連通するとともに、ガス冷媒戻り管86の中途部には戻り管開閉弁94が設けられる。
【0021】
以上の室外機1の構成に対し、室内機30・30・・・は、空調を必要とする建物内等に設置されるものであり、それぞれ室内熱交換器31、室内機ファン30f、室内熱交換器用膨張弁32等を備え、既設配管20に対して並列で接続される。
尚、図1においては、二機の室内機30・30を設置した構成としているが、台数については、特に限定されるものではない。
【0022】
図4は、本実施例の空調機の一実施例である室外機1の運転を制御する制御装置と、作動装置類の構成を示すものである。
制御装置であるコントローラ25は、電磁弁などからなる第一膨張弁21、第二膨張弁22、回収弁28、吐出管開閉弁29、戻り管開閉弁94、室内熱交換器用膨張弁32、冷却水三方弁12、後述する冷媒方向切替機構の第一実施例における冷媒方向切替弁76(図6に示す冷媒方向切替機構の第二実施例の場合は三方弁121・122、図7に示す冷媒方向切替機構の第三実施例の場合は開閉弁131・132・133・134)および高温バイパス弁59と接続され、これらの弁の開閉制御を行う。
さらに、コントローラ25は冷却水ポンプ14のON・OFF、エンジン3の回転数の制御、前記四方弁8の流路の切り替えやエンジン3と圧縮機2との間の駆動力の伝達・遮断を行うクラッチの制御などを行う構成としている。
【0023】
そして、図1に示す如く、既設配管20の一端と室外機1との間に第一開閉弁17および第二開閉弁18を介装しつつ接続し、既設配管20の他端と室内機30・30・・・の配管とを接続することにより冷媒回路を形成し、該冷媒回路に新冷媒を循環させるとともに、コントローラ25により四方弁8その他の制御を行うことで、冷媒回路内の冷媒の流路を変更し、暖房運転や冷房運転、洗浄運転などを行う構成としている。
【0024】
以上の如く構成した本発明の実施の一形態である空調機において行う暖房運転について説明する。
図1に示す如く、圧縮機2により圧縮された冷媒は、高温高圧過熱蒸気の状態として、オイルセパレータ10および暖房方向に切り換えられた四方弁8を経由して、第一開閉弁17より既設配管20内を通って室内熱交換器31・31へ送出される。室内熱交換器31・31においては、高温高圧過熱蒸気状態の冷媒から室内空気に熱が放出され、冷媒は凝縮されて気体から液体に変化する。この熱放出により室内の暖房が行われる。
【0025】
冷媒は、第二開閉弁18を通過して室外機1内へ戻り、リキッドレシーバ7を経由した後、第一膨張弁21・21にて急激に膨張して、外気温よりも低温となり、室外熱交換器5を通過する間に、外気より熱を得て冷媒は液体から気体に変化する。
そして、冷媒は、四方弁8を経由し、冷媒気化手段4にてエンジン3の冷却水から熱を得てさらに高温となり、ガス冷媒となってアキュムレータ6に流入し、圧縮機2に吸入される。
上述の如く冷媒回路内に冷媒を循環させることにより、暖房運転を行う。
【0026】
続いて、本発明の実施の一形態である空調機において行う冷房運転について説明する。
図1に示す如く、圧縮機2により圧縮された冷媒は、高温高圧過飽和蒸気の冷媒となり、オイルセパレータ10、冷房方向に切り換えられた四方弁8を経由して室外熱交換器5に圧送される。このとき、室外熱交換器5を構成するフィンの表面には、室外ファン5fにより外気が強制的に吹きつけられており、冷媒は室外熱交換器5のフィンを通過する間に、外気に熱を放出して温度が低下し、冷媒は気体から液体に変化する。
【0027】
室外熱交換器5にて外気に熱を放出した冷媒は、一部液化した冷媒がリキッドレシーバ7にて気液分離された後、第二開閉弁18に接続された既設配管20内を通って、室内機30・30・・・へ送られる。
それぞれの室内機30・30においては、室内熱交換器用膨張弁32にて減圧されることにより冷媒の温度が更に低下して室温よりも低くなる。そして、室内熱交換器31内を通過する間に、室内機ファン30fにより室内熱交換器31・31のフィンの表面に吹き付けられる室内空気から熱を吸収して、冷媒は液体から気体に変化する。このようにして室内空気は冷媒に熱を奪われ、冷風として室内に送風されることにより室内の冷房を行う。
その後、室内熱交換器31・31にて室内空気から熱を吸収した冷媒が、既設配管20、第一開閉弁17を経て四方弁8を経由し、冷媒気化手段4にてエンジン3の冷却水から熱を得てさらに高温となり、ガス冷媒となってアキュムレータ6に流入し、圧縮機2に吸入される。
上述の如く冷媒回路内に冷媒を循環させることにより、冷房運転を行う。
【0028】
続いて、本発明の実施の一形態である空調機の室外機1内に設けられたアキュムレータ6、回収器27、およびこれらと室外機1を構成する他の部材とを接続する冷媒経路について説明を行う。
【0029】
以下では、アキュムレータ6の構成について説明する。
図2および図1に示す如く、アキュムレータ6は、容器40に、該容器40内部と連通する複数の配管が挿入された構成になっている。
【0030】
U字管83は略U字型に曲げられた配管であり、その一端は容器40内の上部空間にて冷媒吸入口43を開口している。またU字管83の他端は、容器40上面を貫通して容器40外に延出され、圧縮機2の吸入側とアキュムレータ6とを連通させるための主吐出管84の一端と接続される。こうして前記容器40内の上部空間と主吐出管84とが連通される。
また、U字管83の底部壁面には油吸入孔24が穿設されており、通常運転時(暖房運転または冷房運転時など)にはアキュムレータ6の底部に滞留した新冷媒用の冷凍機油を圧縮機2の吸入側に搬送可能に構成される。
【0031】
副吐出管85もまた、圧縮機2の吸入側とアキュムレータ6とを連通させるための配管であり、副吐出管85の一端は、容器40上面を貫通して容器40内に挿入され、容器40内の上部空間にて冷媒吸入口44を開口している。副吐出管85の他端は接続点95にて主吐出管84と連通接続される。
【0032】
第一吸入管87はその一端が冷媒気化手段4を経て四方弁8と連通し、他端が容器40内の上部空間と連通しており、冷媒回路内を循環している冷媒をアキュムレータ6に搬送するための配管である。
【0033】
第二吸入管88は、その一端が接続点51にて第一開閉弁17と四方弁8とを接続する配管50の中途部に連通され、他端は容器40内の上部空間に連通されている。また、第二吸入管88の中途部には開閉弁49が設けられている。
【0034】
排出管19は、その一端がアキュムレータ6の容器40底面にて該容器40内と連通し、他端が回収器27の上面にて、該回収器27内の上部空間と連通している。また、排出管19の中途部には回収弁28が設けられている。
【0035】
尚、本実施例では副吐出管85の本数は一本としているが、二本以上の複数本設けてもよい。
【0036】
主吐出管84には、副吐出管85との接続点95よりも上流側、即ち、アキュムレータ6側に吐出管開閉弁29が設けられる。
【0037】
以下では、回収器27の構成について説明する。
図2および図1に示す如く、アキュムレータ27は、略円柱形状の容器に、該容器内部と連通する複数の配管が挿入された構成になっている。
【0038】
前述した如く、排出管19は、回収器27の上面にて、該回収器27内の上部空間と連通しており、排出管19の中途部には回収弁28が設けられている。
【0039】
回収器27から圧縮機2への気体状冷媒搬送配管であるガス冷媒戻り管86は、その一端が接続点96にて副吐出管85の中途部に連通され、他端は回収器27内の上部空間に連通されている。また、ガス冷媒戻り管86の中途部には戻り管開閉弁94が設けられている。
【0040】
また、回収器27の底面には外部排出弁89が設けられている。
【0041】
続いて、以上の如き構成のアキュムレータ6、回収器27、およびこれらと室外機1を構成する他の部材とを接続する冷媒回路を用いた洗浄運転方法と、残留物の回収・排出方法について図1および図2を用いて説明する。
【0042】
洗浄運転を開始するときは、主吐出管84の中途部に設けられた吐出管開閉弁29を閉じ、排出管19の開閉弁である回収弁28を閉じ、冷媒搬送配管であるガス冷媒戻り管86の開閉弁である戻り管開閉弁94を閉じた状態で冷媒回路に冷媒を循環させる。
【0043】
このように吐出管開閉弁29、回収弁28および戻り管開閉弁94の開閉操作を行うことにより、新冷媒およびオイルセパレータ10にて分離されなかった新冷媒用の冷凍機油は、室外機1より既設配管20に流入して該既設配管20内に付着した残留物を洗浄する。
そして、室内機30、四方弁8、配管36、冷媒気化手段4を経て、第一吸入管87からアキュムレータ6に流れ込む。
【0044】
このとき、アキュムレータ6の底部には、残留物(既設配管内に付着残留していた従来冷媒用の冷凍機油など)、新冷媒用の冷凍機油および液化した一部冷媒が捕捉される。
一方、洗浄運転時には主吐出管84の中途部に設けられた吐出管開閉弁29が閉じられているので、アキュムレータ6内に流れ込んだ気体状の冷媒は、副吐出管85を経て圧縮機2に戻される。
【0045】
このとき、気体状の冷媒を戻す副吐出管85のアキュムレータ6側の開口部である冷媒吸入口44は、アキュムレータ6の上部空間において開口している。
そのため、通常運転時(暖房運転や冷房運転など)のように、冷凍機油と混合した残留物等がアキュムレータ6の底部近傍に設けられたU字管83の油吸入口24から圧縮機2に吸入されることがなく、該アキュムレータ6内に確実に捕捉されるとともに、該アキュムレータ6の内部空間の大半を、残留物や新冷媒用の冷凍機油および液化した一部冷媒の貯溜部として使用可能である。
【0046】
既設配管20の洗浄が十分に行われた後、洗浄運転を停止して、アキュムレータ6内に捕捉された残留物、新冷媒用の冷凍機油および液化した一部冷媒を回収器27に搬送する。このとき、排出管19の回収弁28を開け、ガス冷媒戻り管86の戻り管開閉弁94を開ける。
すると、回収器27内空間の圧力は、圧縮機2からガス冷媒戻り管86を経てガス冷媒が吸引されることにより低下する。そして、アキュムレータ6内部と該回収器27内部との圧力差により、残留物、新冷媒用の冷凍機油および液化した一部冷媒は排出管19を通って回収器27に搬送される。
【0047】
このように構成することにより、新たに専用の搬送用動力源等を設けることなく、アキュムレータ6内に捕捉された残留物などを回収器27に搬送することが可能である。
【0048】
続いて、アキュムレータ6内に捕捉された残留物、新冷媒用の冷凍機油、および一部液化した冷媒の混合物が回収器27に搬送された時点で、排出管19の回収弁28を閉じ、ガス冷媒戻り管86の戻り管開閉弁94を閉じるとともに、主吐出管84の中途部に設けられた吐出管開閉弁29を開け、通常運転(暖房運転または冷房運転)を開始する。
【0049】
なお、以上の洗浄運転および回収器27への残留物の回収は、図1および図4に示すコントローラ25により各開閉弁の開閉等を制御して行う。
【0050】
回収器27に回収された残留物、新冷媒用の冷凍機油、および一部液化した冷媒の混合物を室外機1の外に回収するときは、該回収器27の底部に設けられた外部排出弁89を開けることにより行う。このとき、回収器27および該回収器27と、室外機1を構成する他の装置(アキュムレータ6や圧縮機2)とを連通する配管経路は全て遮断されている(回収弁28および戻り管開閉弁94は閉じている)ので、室外機1の運転状況に関わらず、残留物などを室外機1の外に回収することができ、作業性に優れる。
【0051】
続いて、冷媒気化手段4、および該冷媒気化手段4に設けられた冷媒方向切替機構について、図1および図5を用いて説明する。
図1に示す冷媒気化手段4は、冷媒回路においてアキュムレータ6の上流側に設けられている。
図5に示す如く、冷媒気化手段4は、プレート式の熱交換器であり、筐体内部に複数のプレート(図示せず)が設けられ、各プレート間の隙間が交互に冷媒および冷却水の通過経路となっている。そして、冷媒と冷却水とは互いに混合することなく、プレートを介して熱伝導により熱エネルギーの伝達を行う。
【0052】
冷媒気化手段4内の複数のプレート間に形成された冷媒通過経路72・72・・・(図5では説明の便宜上、冷媒通過経路72をひとつだけ表示している)は、冷媒気化手段4の側面上部に設けられた上部冷媒口71、および側面下部に設けられた下部冷媒口70により冷媒回路に接続されている。
また、図5においては、冷媒方向切替機構の第一実施例として、冷媒通過経路72・72・・・内を通過する冷媒の通過方向を切り替えるための冷媒方向切替弁76が設けられる。該冷媒方向切替弁76は四方弁であり、冷媒流入口76a、第一冷媒吐出口76b、第二冷媒吐出口76c、冷媒戻り口76dを有している。
【0053】
冷媒流入口76aは、一端が四方弁8と連通する配管36の他端と接続されており、冷媒は該冷媒流入口76aより冷媒方向切替弁76内に流入する。
第一冷媒吐出口76bは、冷媒気化手段4の下部冷媒口70と、配管37により連通されている。
第二冷媒吐出口76cは、冷媒気化手段4の上部冷媒口71と、配管38により連通されている。
冷媒戻り口76dは、一端がアキュムレータ6と連通する第一吸入管87の他端と接続されている。
【0054】
一方、冷媒気化手段4内の複数のプレート間に形成された冷却水通過経路75・75・・・(図5では説明の便宜上、冷却水通過経路75をひとつだけ表示している)は、冷媒気化手段4の側面上部に設けられた冷却水流入口74、および側面下部に設けられた冷却水吐出口73により冷却水回路に接続されている。
冷却水流入口74は、一端が冷却水三方弁12に接続された配管54の他端と接続される。
冷却水吐出口73は、一端が冷却水ポンプ14に接続された配管56の他端と接続される。
【0055】
以下では、通常運転(暖房運転や冷房運転など)時における冷媒気化手段4内の冷媒が流れる方向の制御について説明する。
【0056】
通常運転時においては、冷媒方向切替弁76内の連通経路を、通常運転時のの組み合わせ(冷媒流入口76aと第一冷媒吐出口76bとが連通し、第二冷媒吐出口76cと冷媒戻り口76dとが連通する)としている。
室内機30から四方弁8、配管36を経て冷媒方向切替弁76の冷媒流入口76aに流入した冷媒は、第一冷媒吐出口76b、配管37を経て下部冷媒口70より冷媒気化手段4に流入し、冷媒通過経路72・72・・・を下方から上方(正方向)に向けて通過する。その後、冷媒は上部冷媒口71、配管38、第二冷媒吐出口76c、冷媒戻り口76d、第一吸入管87を経てアキュムレータ6に流れ込む。
【0057】
一方、熱源流体であるエンジン3の冷却水は、配管54を経て冷却水流入口74より冷媒気化手段4に流入し、冷却水通過経路75・75・・・を上方から下方に向けて通過する。その後、冷媒は冷却水吐出口73、配管56を経て冷却水ポンプ14に戻される。
【0058】
このように構成することにより、通常運転時において室内機30から四方弁8を経て戻ってきた冷媒は、冷媒気化手段4内の冷媒通過経路72・72・・・を通過する際に熱伝導により冷却水から熱エネルギーを得て気化し、アキュムレータ6に流れ込む。
【0059】
通常運転時に、冷媒気化手段4内を通過する冷却水の方向を上方から下方とし、冷媒の方向を下方から上方(正方向)としたのは、気化した冷媒を冷媒気化手段4の上方にある上部冷媒口71からアキュムレータ6に戻すことにより、冷媒の気化効率を向上させるとともに、液体状態の冷媒がアキュムレータ6に戻りにくくするためである。
しかし、このような冷媒回路の構成だと、通常運転時における冷媒の気化効率は優れているが、洗浄運転時においては、冷媒と一緒に冷媒回路内を循環している冷凍機油や残留物が冷媒気化手段4内(より具体的には冷媒通過経路72内)で気液分離され、冷媒気化手段4内下部に滞留する可能性がある。
そこで、本発明では、洗浄運転時に冷媒方向切替弁76を切り替えて冷媒気化手段4内の冷媒が流れる方向を逆向きにする(つまり、冷媒通過経路72内を上方から下方に向ける)ことにより、冷媒気化手段4内の冷凍機油や残留物の滞留を防止するのである。
【0060】
以下では、洗浄運転時における冷媒気化手段4内の冷媒が流れる方向の制御について説明する。
【0061】
洗浄運転時においては、冷媒方向切替弁76を切替えて、冷媒方向切替弁76内の連通経路を、洗浄運転時の組み合わせ(冷媒流入口76aと第二冷媒吐出口76cとが連通し、第一冷媒吐出口76bと冷媒戻り口76dとが連通する)としている。
室内機30から四方弁8、配管36を経て冷媒方向切替弁76の冷媒流入口76aに流入した冷媒は、第二冷媒吐出口76c、配管38を経て上部冷媒口71より冷媒気化手段4に流入し、冷媒通過経路72・72・・・を上方から下方(逆方向)に向けて通過する。その後、冷媒は上部冷媒口70、配管37、第二冷媒吐出口76b、冷媒戻り口76d、第一吸入管87を経てアキュムレータ6に流れ込む。
【0062】
一方、熱源流体であるエンジン3の冷却水は、通常運転時と略同様に、配管54を経て冷却水流入口74より冷媒気化手段4に流入し、冷却水通過経路75・75・・・を上方から下方に向けて通過する。その後、冷媒は冷却水吐出口73、配管56を経て冷却水ポンプ14に戻される。
【0063】
このように構成することにより、冷媒とともに搬送されてきた冷凍機油および残留物は、冷媒気化手段4内に滞留することなく、アキュムレータ6に流れ込み、該アキュムレータ6にて捕捉される。
以上の通常運転時および洗浄運転時における冷媒方向切替弁76の操作は、コントローラ25にて制御される。
【0064】
なお、図1および図5に示す冷媒気化手段4の冷媒方向切替機構の第一実施例では、冷媒の流れる方向を切り替える手段として、四方弁である冷媒方向切替弁76を用いたが、後述する他の方法(三方弁や二方弁の組み合わせ)でも同様の効果を奏することが可能である。すなわち、冷媒方向切替機構を、複数の開閉弁(二方弁など)、または、単数または複数の切替弁(三方弁や四方弁など)により構成し、洗浄運転時における冷媒気化手段への冷媒流入方向を通常運転に対して逆方向とすることで、冷媒気化手段内の残留物滞留を防止することが可能である。
【0065】
図6に示す冷媒気化手段4の冷媒方向切替機構の第二実施例においては、三方弁121・122および配管123・124が設けられている。
【0066】
三方弁121は配管36の中途部に設けられる。該三方弁121の三つの弁口のうち、弁口121aは四方弁8側、弁口121bは下部冷媒口70側に接続され、弁口121cは後述する三方弁122と上部冷媒口71との間で配管123により第一吸入管87と連通している。
そして、三方弁121内の連通経路は、弁口121aと弁口121bとが連通し、弁口121cが遮断される状態(通常運転用ポジション)と、弁口121aと弁口121cとが連通し、弁口121bが遮断される状態(洗浄運転用ポジション)のいずれかを選択可能に構成される。
【0067】
一方、三方弁122は第一吸入管87の中途部に設けられる。該三方弁122の三つの弁口のうち、弁口122aはアキュムレータ6側、弁口122bは上部冷媒口71側に接続され、弁口122cは前述の三方弁121と下部冷媒口70との間で配管124により第一吸入管87と連通している。
そして、三方弁122内の連通経路は、弁口122aと弁口122bとが連通し、弁口122cが遮断される状態(通常運転用ポジション)と、弁口122aと弁口122cとが連通し、弁口122bが遮断される状態(洗浄運転用ポジション)のいずれかを選択可能に構成される。
【0068】
このように構成することにより、図5の第一実施例と同様に、冷媒とともに搬送されてきた冷凍機油および残留物は、冷媒気化手段4内に滞留することなく、アキュムレータ6に流れ込み、該アキュムレータ6にて捕捉される。
以上の通常運転時および洗浄運転時における三方弁121・122の操作は、コントローラ25にて制御される。
【0069】
続いて、図7に示す冷媒気化手段4の冷媒方向切替機構の第三実施例においては、二方弁である開閉弁131・132・133・134およびバイパス配管135・136が設けられている。
【0070】
開閉弁131は配管36の中途部に設けられ、開閉弁132は第一吸入管87の中途部に設けられる。
【0071】
バイパス配管135の一端は、開閉弁131と四方弁8(図1)との間において配管36の中途部と接続される。バイパス配管135の他端は開閉弁132と上部冷媒口71との間において、第一吸入管87の中途部に接続される。またバイパス配管135の中途部には開閉弁133が設けられる。
【0072】
バイパス配管136の一端は、開閉弁132とアキュムレータ6(図1)との間において第一吸入管87の中途部と接続される。バイパス配管136の他端は開閉弁131と下部冷媒口70との間において、配管36の中途部に接続される。またバイパス配管136の中途部には開閉弁134が設けられる。
【0073】
通常運転時は開閉弁131・132を開け、開閉弁133・134を閉じることにより、冷媒は四方弁8から配管36を経て、冷媒気化手段4内を下方から上方(正方向)に通過し、第一吸入管87を経てアキュムレータ6に戻される。
【0074】
洗浄運転時は開閉弁131・132を閉じ、開閉弁133・134を開くことにより、冷媒は四方弁8から配管36、バイパス配管135を経て、冷媒気化手段4内を上方から下方(逆方向)に通過し、バイパス配管136、第一吸入管87を経てアキュムレータ6に戻される。
【0075】
このように構成することにより、図5の第一実施例と同様に、冷媒とともに搬送されてきた冷凍機油および残留物は、冷媒気化手段4内に滞留することなく、アキュムレータ6に流れ込み、該アキュムレータ6にて捕捉される。
以上の通常運転時および洗浄運転時における開閉弁131・132・133・134の操作は、コントローラ25にて制御される。
【0076】
次に、洗浄運転時に冷媒気化手段4内を冷媒が気化せずに通過することによる残留物除去方法について説明する。
【0077】
すなわち、図8に示す如く、冷媒気化手段4の冷媒方向切替機構が設けられていない場合でも、冷媒気化手段4内で冷媒が気化せずに液体状態のままアキュムレータ6まで流れ込めば、液体状の冷媒とともに冷凍機油や残留物は押し流されて、冷媒気化手段4内に冷凍機油や残留物が滞留することはない。
そこで、洗浄運転時に冷却水回路の冷却水三方弁12を切り替え、冷却水がラジエータ11に流れ込み、冷媒気化手段4には流れ込まないようにする。このとき、温度の高い冷却水は冷媒気化手段4中を通過しないので、冷媒気化手段4中を通過する冷媒は冷却水より熱エネルギーを得ることができない。従って、冷媒は液体状態のまま冷媒気化手段4中を通過し、冷凍機油および残留物と一緒にアキュムレータ6に流れ込むのである。
【0078】
この方法は、アキュムレータ6内に冷媒が液体状態のまま到達するため、残留物除去効果が大きい反面、洗浄運転時間が長い場合に継続して行うと、残留物等を回収器27に回収する際の冷媒のロスが大きくなったり、アキュムレータ6が液体冷媒で満たされ、副吐出管85を通って圧縮機2内に液体冷媒や残留物が吸入されるといった問題がある。
【0079】
この問題を解決する方法としては、例えば、洗浄運転中は通常運転と同様に冷媒気化手段4内に冷却水を通過させておき、洗浄運転が終了した時点で冷媒気化手段4内への冷却水の供給を止め(冷却水回路の冷却水三方弁12を、冷却水がラジエータ11にのみ流れ込むように切り替え)、冷媒気化手段4内の冷却水通過経路75内に留まっている冷却水の水温が十分に低下した後、短時間だけ冷媒が液体状態で冷媒気化手段4内を通過するようにコントローラ25にて制御する。換言すれば、洗浄運転の最後に、少量の液体冷媒を冷媒気化手段4内に流し、該冷媒気化手段4内に滞留した冷凍機油および残留物をアキュムレータ6に戻すのである。
【0080】
次に、冷媒気化手段4の下部に残留物排出手段を設けることによる残留物除去方法について説明する。
【0081】
図8に示す如く、冷媒気化手段4の冷媒方向切替機構が設けられていない場合でも、冷媒通過経路72の下部と連通する排出配管90と、該排出配管90の中途部に設けられた排出弁91とからなる残留物排出手段を設けることにより、洗浄運転後冷媒気化手段4内に滞留した冷凍機油および残留物を除去することが可能である。
なお、排出弁91は手動でも、コントローラ25により制御する構成としても良い。
【0082】
続いて、圧縮機2から吐出された高温高圧の冷媒を、バイパス回路により冷媒気化手段4に流入させて行う残留物除去方法について説明する。
冷凍機油や残留物といった油は、温度による粘度の変化が大きく、高温であるほど粘度が小さくなって、冷媒とともにアキュムレータ6へ戻すのが容易となる。そこで、図1に示す如く、圧縮機2の吐出側と四方弁8との間の冷媒配管である配管35と、四方弁8と冷媒気化手段4との間の冷媒配管である配管36とを高温バイパス配管58で連通させ、該高温バイパス配管58の中途部に高温バイパス弁59を設ける。
そして、洗浄運転終了後、該高温バイパス弁59を開いて圧縮機2から吐出された高温高圧の冷媒を冷媒気化手段4に直接流入させる。
このように構成することにより、冷媒が冷媒気化手段4内を下方から上方に流れる構成であっても、冷媒気化手段4内に滞留した冷凍機油および残留物は高温高圧の冷媒によって温度が上昇して粘度が小さくなり、容易にアキュムレータ6に戻される。
【0083】
以上に記載した、
(1)冷媒気化手段内の冷媒の流れる方向を正逆変更する方法、
(2)冷媒気化手段内を液体冷媒が通過する方法、
(3)冷媒気化手段の下部に残留物排出手段を設ける方法、
(4)高温バイパス配管および高温バイパス弁を設ける方法、
については、これらを組み合わせて実施することでさらに冷媒気化手段内に滞留した冷凍機油および残留物の除去効果が向上する。
【0084】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏する。
即ち、請求項1に記載の如く、圧縮機と、冷媒気化手段と、これらを連通する冷媒配管とを備える空調機であって、
前記冷媒気化手段内の冷媒の流れる方向を正逆変更する冷媒方向切替機構を設けたので、冷媒とともに搬送されてきた冷凍機油および残留物は、冷媒気化手段内に滞留することなく、アキュムレータに流れ込んで捕捉され、冷媒気化手段から除去可能である。
【0085】
また、請求項2に記載の如く、圧縮機と、冷媒気化手段と、これらを連通する冷媒配管とを備える空調機であって、
洗浄運転時に冷媒気化手段内を冷媒が液体状態で通過可能に構成したので、冷媒気化手段内で冷媒が気化せずに液体状態のままアキュムレータまで流れ込み、冷凍機油および残留物は該冷媒と共にアキュムレータまで流れ込んで捕捉され、冷媒気化手段から除去可能である。
【0086】
また、請求項3に記載の如く、圧縮機と、冷媒気化手段と、これらを連通する冷媒配管とを備える空調機であって、
該冷媒気化手段の下部に残留物排出手段を設けたので、洗浄運転後、冷媒気化手段内に滞留した冷凍機油および残留物を除去することが可能である。
【0087】
また、請求項4に記載の如く、圧縮機と、冷媒気化手段と、これらを連通する冷媒配管とを備える空調機であって、
圧縮機の吐出側冷媒配管と冷媒気化手段とを連通するバイパス配管を設け、該バイパス配管の中途部に開閉弁を設けたので、冷媒気化手段内に滞留した冷凍機油および残留物は高温高圧の冷媒によって粘度が小さくなり、アキュムレータまで流れ込んで捕捉され、冷媒気化手段から除去可能である。
【0088】
また、請求項5に記載の如く、空調機を設置し、既設配管を洗浄する際に冷媒気化手段に滞留する残留物を除去するための請求項1に記載の空調機の運転方法であって、
冷媒方向切替機構を複数の開閉弁、または、単数または複数の切替弁により構成し、洗浄運転時における冷媒気化手段への冷媒流入方向を、通常運転時の逆方向とするので、冷媒とともに搬送されてきた冷凍機油および残留物は、冷媒気化手段内に滞留することなく、アキュムレータに流れ込んで捕捉され、冷媒気化手段から除去可能である。
【0089】
また、請求項6に記載の如く、空調機を設置し、既設配管を洗浄する際に冷媒気化手段に滞留する残留物を除去するための請求項2に記載の空調機の運転方法であって、
該冷媒気化手段が熱交換器であって、該熱交換器へ熱源流体の流入を停止することにより、冷媒気化手段内を冷媒が液体状態で通過するので、冷媒気化手段内で冷媒が気化せずに液体状態のままアキュムレータまで流れ込み、冷凍機油および残留物は該冷媒と共にアキュムレータまで流れ込んで捕捉され、冷媒気化手段から除去可能である。
【0090】
また、請求項7に記載の如く、空調機を設置し、既設配管を洗浄する際に冷媒気化手段に滞留する残留物を除去するための請求項4に記載の空調機の運転方法であって、
前記バイパス回路により、圧縮機の吐出側冷媒配管から冷媒気化手段へ冷媒を流入させるので、冷媒気化手段内に滞留した冷凍機油および残留物は高温高圧の冷媒によって粘度が小さくなり、アキュムレータまで流れ込んで捕捉され、冷媒気化手段から除去可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である空調機の冷媒回路図。
【図2】本発明の実施の一形態である空調機のアキュムレータと回収器の模式図。
【図3】従来のアキュムレータの模式図。
【図4】本発明の実施の一形態である空調機の制御機器類のブロック図。
【図5】冷媒気化手段に設けられた冷媒方向切替機構の第一実施例を示す模式図。
【図6】冷媒気化手段に設けられた冷媒方向切替機構の第二実施例を示す模式図。
【図7】冷媒気化手段に設けられた冷媒方向切替機構の第三実施例を示す模式図。
【図8】冷媒方向切替機構を設けない場合の冷媒気化手段を示す模式図。
【符号の説明】
2  圧縮機
4  冷媒気化手段
6  アキュムレータ
58 高温バイパス配管
59 高温バイパス弁
76 冷媒方向切替弁
90 排出配管
91 排出弁

Claims (7)

  1. 圧縮機と、冷媒気化手段と、これらを連通する冷媒配管とを備える空調機であって、
    前記冷媒気化手段内の冷媒の流れる方向を正逆変更する冷媒方向切替機構を設けたことを特徴とする空調機。
  2. 圧縮機と、冷媒気化手段と、これらを連通する冷媒配管とを備える空調機であって、
    洗浄運転時に冷媒気化手段内を冷媒が液体状態で通過可能に構成したことを特徴とする空調機。
  3. 圧縮機と、冷媒気化手段と、これらを連通する冷媒配管とを備える空調機であって、
    該冷媒気化手段の下部に残留物排出手段を設けたことを特徴とする空調機。
  4. 圧縮機と、冷媒気化手段と、これらを連通する冷媒配管とを備える空調機であって、
    圧縮機の吐出側冷媒配管と冷媒気化手段とを連通するバイパス配管を設け、該バイパス配管の中途部に開閉弁を設けたことを特徴とする空調機。
  5. 空調機を設置し、既設配管を洗浄する際に冷媒気化手段に滞留する残留物を除去するための請求項1に記載の空調機の運転方法であって、
    冷媒方向切替機構を複数の開閉弁、または、単数または複数の切替弁により構成し、洗浄運転時における冷媒気化手段への冷媒流入方向を、通常運転時の逆方向とすることを特徴とする空調機の運転方法。
  6. 空調機を設置し、既設配管を洗浄する際に冷媒気化手段に滞留する残留物を除去するための請求項2に記載の空調機の運転方法であって、
    該冷媒気化手段が熱交換器であって、該熱交換器へ熱源流体の流入を停止することにより、冷媒気化手段内を冷媒が液体状態で通過することを特徴とする空調機の運転方法。
  7. 空調機を設置し、既設配管を洗浄する際に冷媒気化手段に滞留する残留物を除去するための請求項4に記載の空調機の運転方法であって、
    前記バイパス回路により、圧縮機の吐出側冷媒配管から冷媒気化手段へ冷媒を流入させることを特徴とする空調機の運転方法。
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