JP2004221609A - スパッタリングターゲット、その製造方法および銅配線膜 - Google Patents

スパッタリングターゲット、その製造方法および銅配線膜 Download PDF

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Abstract

【課題】成膜時における配線膜の流動性が良好であり、緻密で密着性が良好な配線膜を形成できるスパッタリングターゲットおよび銅配線膜を提供する。
【解決手段】純度が99.999%以上の高純度銅基材から形成されるスパッタリングターゲットの製造方法であり、ターゲットの酸素含有量を10ppm以下とし、硫黄含有量を1ppm以下とし、鉄含有量を1ppm以下とすることを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は半導体デバイスの配線層として使用される銅配線膜をスパッタリング法によって形成する場合に適したスパッタリングターゲットおよび銅配線膜に係り、特に成膜時における配線膜の流動性が良好であり、緻密で密着性が良好な配線膜を形成できるスパッタリングターゲットおよび銅配線膜に関する。
近年の電子技術の進展によりLSI(大規模集積回路)の高集積化,高出力化,高速化が急速に進行している。例えば、DRAM(随時書き込み読み出しメモリー)の記憶容量は、従来の4メガビットおよび16メガビットが主流であったものが、64メガビットへと移行しつつあり、さらに256メガビットも出現し、近い将来には1ギガビットおよび4ギガビットも実現しようという現状である。
上記のようなLSIの高集積化により、配線幅の減少と配線長の増大とが必至となり、配線材料の電気抵抗による信号遅延が顕著になり高速化が阻害される弊害が起こるため、より電気抵抗が小さい配線材料が希求されている。
従来、上記配線材料としては、Al−Si系,Al−Si−Cu系などの高純度アルミニウム合金材料が一般的に広く使用されている。しかしながら、上記アルミニウム系合金材料で形成された配線は、エレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションによって断線事故を生じ易い難点があった。すなわち、電子や原子の移動(エレクトロマイグレーション)によりAl配線が切断されたり、配線の伸び縮みによって発生する応力(ストレスマイグレーション)によって疲労してAl配線が切断する不具合が発生し易く、LSIの製造歩留りが低下する問題点があった。
特に配線幅が0.25μm以下となる256メガビット世代のLSIの配線材料として上記Al合金を使用した場合には配線抵抗による信号遅延や上記マイグレーションに起因する断線が顕著になる。その対策として、より低抵抗で耐マイグレーション特性に優れた銅(Cu)材料を使用して銅配線膜を形成することが試行されている。
上記銅配線膜の形成方法としては、スパッタリング法およびCVD(化学的蒸着)法があるが、成膜の量産性および安定性の観点で有利なスパッタリング法が一般的に採用されている。このスパッタリング法は、高速のアルゴンイオンを高純度銅ターゲットに衝突させて微細な銅粒子をたたき出し、この放出された銅粒子を対向電極上に配置したウエハー基板表面に堆積させて所定厚さの薄膜を形成する方法である。この薄膜をドライエッチングなどの配線加工方法により処理することにより、所定の銅配線膜パターンが形成される。
なお、上記スパッタリング法において使用される高純度銅スパッタリングターゲットの製造方法としては、一般的にゾーンメルト法(ゾーン精製法)によって不純物量を低減して得られた銅の溶解インゴットを圧延加工した後に、機械加工を施して所定のターゲット形状に仕上げる方法が採用されている。
しかしながら、上記従来の銅スパッタリングターゲットを使用して形成した銅配線膜は、比較的に低集積度のLSIに好適であるが、配線幅が0.25μm以下となる次世代のLSIには不適であることが判明している。すなわち、半導体素子などのLSIの集積度が増加するに伴って、より微細な配線を高精度に形成することは困難になる。
そこで最近では、基板表面に予め微細な配線溝を形成しておき、その上面に銅薄膜をスパッタリング法によって堆積せしめ、しかる後に堆積した銅薄膜を550℃以下の低温度で加熱溶融(リフロー)せしめて上記配線溝に流し込み、過剰量の銅薄膜を研磨処理により除去することによって所定の微細な銅配線パターンを形成する加熱リフロー方式(ダマシン法)が一般に採用されている。特に多層配線化および高電流密度化が要求されるパワートランジスタや高周波トランジスタの配線膜の形成方法としてプロセス技術開発が進められている。
上記加熱リフロー方式による銅配線膜を良好に形成するためには、特に550℃以下の低温度において加熱流動性が良好な銅薄膜を形成できるスパッタリングターゲットが要求される。しかしながら、現在の時点では上記の要求特性を満足するスパッタリングターゲットは未だ開発されていない。
すなわち、従来のスパッタリングターゲットを使用して形成した銅薄膜は加熱流動性が乏しいために、配線溝内に十分に充填されず、ボイドが形成され易い問題点があった。また、ボイドが発生し易いために基板と配線膜との密着性も低下し易くなり、リフロー処理後の研磨加工により配線膜が剥離し、いずれにしてもLSIの製造歩留りが大幅に低下してしまう問題点があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、成膜時における配線膜の流動性が良好であり、緻密で密着性が良好な配線膜を形成できるスパッタリングターゲットおよび銅配線膜を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明者らはスパッタリング膜の加熱流動性に影響を及ぼす要因について鋭意比較検討した。その結果、スパッタリングターゲットの不純物含有量が上記膜の加熱流動性に大きな影響を及ぼし、特に不純物元素としての酸素(O),硫黄(S)および鉄(Fe)の含有量を所定値以下に低減することにより、スパッタリング膜の加熱流動性を大幅に向上でき、緻密で密着性が良好なスパッタリング膜が初めて得られるという知見を得た。
一方、ターゲット中または配線膜中にTiなどの特定の元素を所定量だけ含有させることにより、銅スパッタリング膜の再結晶温度が低下して銅基材が軟化し、低温での加熱流動性が大幅に改善されたスパッタリング膜が得られるという知見も得た。本発明は上記知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本願第1の発明に係るスパッタリングターゲットは、酸素含有量が10ppm以下であり、硫黄含有量が1ppm以下であり、鉄含有量が1ppm以下であり、純度が99.999%以上の高純度銅基材から成ることを特徴とする。
また、上記スパッタリングターゲットにおいて、酸素含有量が5ppm以下であることが、より好ましく、さらには3ppm以下であることが、より望ましい。また、硫黄含有量および鉄含有量がそれぞれ0.5ppm以下であることが好ましい。
また本願第2の発明に係るスパッタリングターゲットは、Ti,Zr,V,Cr,Nb,Ta,Y,LaおよびScから選択される少なくとも1種の元素を0.5〜250ppm含有する銅基材から成ることを特徴とする。
また、上記スパッタリングターゲットにおいて、Ti,Zr,V,Cr,Nb,Ta,Y,LaおよびScから選択される少なくとも1種の元素を5〜100ppm含有することが、より好ましい。
さらに上記スパッタリングターゲットにおいて、銅基材中の銀(Ag)含有量は、1ppm以下であることが望ましい。
また、上記第1および第2の発明に係るスパッタリングターゲットにおいて、銀含有量が0.5ppm以下であることが好ましい。上記スパッタリングターゲットは、加熱リフロー方式により形成される配線パターンを構成する銅配線膜を形成する際に使用されるときに顕著な作用効果を発揮する。
また、本発明に係る銅配線膜は、酸素含有量が10ppm以下であり、硫黄含有量が1ppm以下であり、鉄含有量が1ppm以下であり、純度が99.999%以上の高純度銅基材から成るスパッタリングターゲットから放出された粒子を基板上に堆積せしめて形成した銅配線膜において、酸素含有量が10ppm以下であり、硫黄含有量が1ppm以下であり、鉄含有量が1ppm以下であり、純度が99.999%以上であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る他の銅配線膜は、Ti,Zr,V,Cr,Nb,Ta,Y,LaおよびScから選択される少なくとも1種の元素を0.5〜250ppm含有する銅基材から成るスパッタリングターゲットから放出された粒子を基板上に堆積せしめて形成した銅配線膜において、上記銅配線膜は、Ti,Zr,V,Cr,Nb,Ta,Y,LaおよびScから選択される少なくとも1種の元素を0.5〜250ppm含有することを特徴とする。
ここで、上記スパッタリングターゲットおよびそのターゲットを使用して形成した銅配線膜において、酸素含有量はスパッタリング膜の加熱流動性に大きく影響するため、本発明では10ppm以下とした。すなわち、酸素含有量を低減することにより銅配線膜の加熱流動性が向上し、緻密で基板に対する密着性に優れた銅配線膜が得られるという効果が得られる。さらに上記酸素含有量は5ppm以下が、より好ましく、さらには3ppm以下が、さらに好ましい。
また、硫黄(S),鉄(Fe),銀(Ag)などの元素や窒素(N)などのガス成分が銅基材中に存在すると、銅基材が硬化する性質がある。そのため、スパッタリング膜の加熱による流動性を高めるためには上記各成分の含有量を低減することが重要なポイントとなる。特に硫黄(S)および鉄(Fe)成分の含有量がそれぞれ1ppmを超えるスパッタリン膜を加熱流動化させた場合には、上記硫黄成分などがスパッタリング膜表面に拡散し膜の流動性を悪化させる現象を生じる。その現象を防止するためには、硫黄および鉄,銀,窒素の含有量をそれぞれ1ppm以下にすることが必要である。なお、上記各成分の含有量は、それぞれ0.5ppm以下の範囲がさらに好ましい。
一方、Ti,Zr,V,Cr,Nb,Ta,Y,La,Scの元素をスパッタリング銅薄膜中に微量含有させることにより、銅薄膜の再結晶温度が低下して軟化し、膜の低温での加熱流動性が向上する効果があり、本発明ではターゲット中または銅配線膜中に0.5〜250ppmの範囲で含有される。上記元素の合計含有量が0.5ppm未満の場合には、前記加熱流動性の改善効果が不十分となる。一方、合計含有量が250ppmを超えると、逆に銅配線膜の再結晶温度が高くなり、低温度での加熱リフロー時における膜の流動性が低下してしまう。そのため、上記各元素の合計含有量は0.5〜250ppmの範囲とされるが、さらには5〜100ppmの範囲がより好ましい。
上記、本発明に係るスパッタリングターゲットは、例えば以下のような手順で製造される。まず、銅基材となる純銅を用意する。純銅としては比較的高純度品とされる純度4N(99.99%)レベルの無酸素銅(OFC)や純度5N(99.999%)〜6Nレベルの高純度銅があるが、特に電気分解操作によって酸素,鉄,硫黄等の不純物の大部分を除去した純度5N以上の高純度電気銅が好ましい。
さらに、上記電気分解操作によっても除去できない不純物元素は、下記のゾーンメルト法(ゾーン精製法)によって除去する。ゾーンメルト法は金属材料の精製法の一種であり、平衡状態にある液体と固体との組成の差を利用して液相と固相との界面に不純物を偏析させて除去する精製法である。具体的には金属材料に狭い溶融ゾーンを局部的に形成し、この溶融ゾーンを金属材料の全域に亘ってゆっくり移動せしめ、溶融部と非溶融部との境界部に不純物を析出せしめて除去する。
さらに、上記ゾーンメルト法によって精製した溶解インゴットを、10−5〜10−6Torr程度の高真空雰囲気で真空溶解することにより、さらに不純物レベルを低減した高純度銅インゴットが得られる。
なお、前記した銅スパッタリング膜の加熱流動性を向上させるためのTi,Zr,Vなどの元素を添加したターゲットを製造する場合には、上記の真空溶解操作を実施する際に添加することが好ましい。ここで上記Ti,Zr,Vなどの元素の添加量は、加熱真空溶解時における蒸発損失量を見込んで所定の含有量(0.5〜250ppm)より10%程度過剰に添加することが好ましい。
上記のように真空溶解して調製した高純度銅インゴットを100〜300℃で熱処理することにより、再結晶化および均質化を図るとともに軟化せしめ、しかる後に機械加工により所定の円盤形状に加工して本発明のスパッタリングターゲットは製造される。
また、上記のように製造したスパッタリングターゲットをマグネトロンスパッタリング装置の一方の電極にセットし、高速のアルゴンイオンをターゲットに衝突させて微細な銅粒子をたたき出し、この放出された銅粒子を対向電極上に配置したウエハー基板表面に堆積させることにより、ターゲットの組成に対応した本発明の銅配線膜が形成される。
上記構成に係るスパッタリングターゲットおよび銅配線膜によれば、銅基材の硬化を引き起こす酸素,硫黄,鉄の含有量が低減されているため、または銅基材の加熱流動性を向上させる元素が所定量添加されているため、成膜時における銅配線膜の流動性が良好であり、緻密で密着性に優れた銅配線膜を形成することができる。特に銅配線膜を加熱リフロー方式により形成する場合、膜の密着性が良好であるため、リフロー後の研磨工程においても銅配線膜の剥離が少なく、微細配線膜を有するLSIの製造歩留りを大幅に高めることができる。
本発明に係るスパッタリングターゲットおよび銅配線膜によれば、銅基材の硬化を引き起こす酸素,硫黄,鉄の含有量が低減されているため、または銅基材の加熱流動性を向上させる元素が所定量添加されているため、成膜時における銅配線膜の流動性が良好であり、緻密で密着性に優れた銅配線膜を形成することができる。特に銅配線膜を加熱リフロー方式により形成する場合、膜の密着性が良好であるため、リフロー後の研磨工程においても銅配線膜の剥離が少なく、微細配線膜を有するLSIの製造歩留りを大幅に高めることができる。
次に本発明の実施形態について以下の実施例に基づいて説明する。
実施例1
純度99.9%の電気銅をゾーンメルト法により処理して純度が99.9995%の溶解インゴットを調製した。さらに、この溶解インゴットを10−6Torrの高真空中で真空溶解して不純物を除去し、高純度銅インゴットを得た。この高純度銅インゴットを加工率90%で圧延加工して平板状に形成した後に、温度200℃で加熱処理を実施し、さらに機械研削研磨加工を実施することにより、直径250mm×厚さ6mmの実施例1に係る高純度銅スパッタリングターゲットを製造した。
得られたターゲットについて化学分析法またはグロー放電質量分析法(GDMS)によって酸素,硫黄および鉄の含有量を測定した結果、それぞれ3ppm,0.1ppm,0.05ppmであった。
次に、上記のように調製した実施例1に係る高純度スパッタリングターゲットを用いてマグネトロンスパッタリングを実施し、幅0.8μm×深さ0.5μmの配線溝を形成した6インチウエハー表面に膜厚3000オングストロームの銅薄膜を形成した。その後、450℃で加熱リフローして配線溝中に銅基材を流動させて充填した。そして配線溝の3ヶ所の断面について配線溝内に充填された銅基材の断面積割合を充填度として測定したところ全て100%であり、緻密な銅配線膜が形成されていることが確認された。
比較例1
一方、純度99.9%の電気銅をゾーンメルト法により処理して純度が99.98%の溶解インゴットを調製した。さらに、この溶解インゴットを加工率90%で圧延加工して平板状に形成した後に、温度200℃で加熱処理を実施し、さらに機械研削研磨加工を実施することにより、直径250mm×厚さ6mmの比較例1に係る銅スパッタリングターゲットを製造した。
得られたターゲットについて化学分析法によって酸素,硫黄および鉄の含有量を測定した結果、それぞれ35ppm,15ppm,23ppmであった。
次に、上記のように調製した比較例1に係る銅スパッタリングターゲットを用いてマグネトロンスパッタリングを実施し、幅0.8μm×深さ0.5μmの配線溝を形成した6インチウエハー表面に膜厚3000オングストロームの銅薄膜を形成した。その後、450℃で加熱リフローして配線溝中に銅基材を流動させて充填した。そして配線溝の3ヶ所の断面について配線溝内に充填された銅基材の断面積割合を充填度として測定したところ、平均値で83%であり、空隙の多い銅配線膜が形成されていることが判明した。また、加熱リフロー後に過剰な銅基材を除去するために研磨処理を実施したところ、銅配線膜の剥離が多発した。
すなわち、酸素,硫黄および鉄の含有量を低減したターゲットを用いてスパッタリング膜を形成した実施例1の場合には、加熱リフロー時の膜の流動性が向上するため、緻密でウエハーに対する密着性が良好なLSIが得られることが判明した。
実施例2〜16
純度99.9%の電気銅をゾーンメルト法により処理して純度が99.9995%の溶解インゴットを調製した。さらに、この溶解インゴットに、表1に示すようなTi,Zr,V,Cr,Nb,Ta,Y,La,Scの元素を所定量添加し、10−6Torrの高真空中で真空溶解してそれぞれ銅インゴットを得た。これらの銅インゴットを加工率90%で圧延加工して平板状に形成した後に、温度200℃で加熱処理を実施し、さらに機械研削研磨加工を実施することにより、直径250mm×厚さ6mmの実施例2〜16に係る銅スパッタリングターゲットを製造した。
得られたターゲットについて化学分析法またはグロー放電質量分析法によって酸素,硫黄および鉄の含有量を測定し、表1に示す結果を得た。
次に、上記のように調製した各銅スパッタリングターゲットを用いてマグネトロンスパッタリングを実施し、幅0.8μm×深さ0.5μmの配線溝を形成した6インチウエハー表面に膜厚3000オングストロームの銅薄膜を形成した。その後、450℃で加熱リフローして配線溝中に銅基材を流動させて充填した。そして配線溝の3ヶ所の断面について配線溝内に充填された銅基材の断面積割合を充填度として測定したところ、表1に示すように全て100%であり、緻密な銅配線膜が形成されていることが確認された。
また、加熱リフロー後に余剰の銅基材を除去するために、銅配線膜表面をメカノケミカル研磨(CMP)処理した際に配線膜が剥離した割合を計測して表1に示す結果を得た。すなわち、配線の剥離割合が少なくLSIの製造歩留りを大幅に改善することが可能となった。
比較例2〜4
一方、比較例2として、ゾーンメルト法により純度が99.9995%の溶解インゴットを調製し、このインゴットを加工率70%で圧延加工して平板状に形成した後に200℃で熱処理を施し、さらに機械加工を施すことにより、直径250mm×厚6mmのスパッタリングターゲットを調製した。
一方、膜の流動性を改善するTiおよびZrを過剰量添加した以外は実施例2と同様に処理して、それぞれ比較例3〜4に係るスパッタリングターゲットを調製した。
次に得られた各比較例2〜4のターゲットを用いてマグネトロンスパッタリングを実施し、幅0.8μm×深さ0.5μmの配線溝を形成した6インチウエハー面上に膜厚3000オングストロームの銅薄膜を形成した。その後、450℃で加熱リフローして配線溝中に銅基材を流動せしめて充填した。そして各配線溝における銅基材の充填度およびメカノケミカル研磨(CMP)後における配線の剥離割合を測定して、下記表1に示す結果を得た。
Figure 2004221609
上記表1に示す結果から明らかなように、Ti,Zrなどの元素を適正量含有させた各実施例の銅スパッタリングターゲットによれば、各比較例のものと比較して加熱流動性が向上した銅配線膜が形成でき、緻密で密着性が良好な銅配線膜が得られることが判明した。
また加熱流動性が良好な銅薄膜が形成できるため、LSIの製造プロセスの低温化が可能となり、薄膜の高温酸化が効果的に防止でき、耐久性が良好なLSIを製造することができた。さらに膜の密着性が良好であり、研磨処理による膜の剥れも少ないため、LSIの製造歩留りを大幅に高めることができた。

Claims (11)

  1. 純度が99.999%以上の高純度銅基材から形成されるスパッタリングターゲットの製造方法であり、ターゲットの酸素含有量を10ppm以下とし、硫黄含有量を1ppm以下とし、鉄含有量を1ppm以下とすることを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
  2. 前記酸素含有量を5ppm以下とすることを特徴とする請求項1記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
  3. 前記酸素含有量を3ppm以下とすることを特徴とする請求項1記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
  4. 前記酸素含有量を0.9ppm以下とすることを特徴とする請求項1記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
  5. 前記硫黄含有量および鉄含有量をそれぞれ0.5ppm以下とすることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
  6. Ti,Zr,V,Cr,Nb,Ta,Y,LaおよびScから選択される少なくとも1種の元素を0.5〜250ppm含有する銅基材から成ることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  7. 前記Ti,Zr,V,Cr,Nb,Ta,Y,LaおよびScから選択される少なくとも1種の元素を5〜100ppm含有することを特徴とする請求項6記載のスパッタリングターゲット。
  8. 前記銅基材中の銀(Ag)含有量が1ppm以下であることを特徴とする請求項6または請求項7記載のスパッタリングターゲット。
  9. 銀含有量が0.5ppm以下であることを特徴とする請求項8記載のスパッタリングターゲット。
  10. スパッタリングターゲットは、加熱リフロー方式により形成される配線パターンを構成する銅配線膜を形成する際に使用されることを特徴とする請求項6ないし請求項9のいずれか1項に記載のスパッタリングターゲット。
  11. Ti,Zr,V,Cr,Nb,Ta,Y,LaおよびScから選択される少なくとも1種の元素を0.5〜250ppm含有する銅基材から成るスパッタリングターゲットから放出された粒子を基板上に堆積せしめて形成した銅配線膜において、上記銅配線膜は、Ti,Zr,V,Cr,Nb,Ta,Y,LaおよびScから選択される少なくとも1種の元素を0.5〜250ppm含有することを特徴とする銅配線膜。
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