JP2004219709A - 樹脂プレートの固定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】一方の面に粘着剤が塗布された樹脂プレートを電子機器の内外装部品の表面に貼り付ける固定方法において、工具を用いないで前記樹脂プレートを前記内外装部品の被貼付面から分離可能とする。
【解決手段】樹脂プレート3の粘着面側に内外装部品2の被貼付面の肉厚より大きい少なくとも1つのボスを一体的に形成し、内外装部品2の被貼付面内で前記ボスの対向位置に貫通穴を設ける。前記ボスを前記貫通穴に差し込むことで樹脂プレート3を固定し、樹脂プレート分離時は内外装部品の裏面より突出している前記ボスの端面を指で押す。
【選択図】 図1
【解決手段】樹脂プレート3の粘着面側に内外装部品2の被貼付面の肉厚より大きい少なくとも1つのボスを一体的に形成し、内外装部品2の被貼付面内で前記ボスの対向位置に貫通穴を設ける。前記ボスを前記貫通穴に差し込むことで樹脂プレート3を固定し、樹脂プレート分離時は内外装部品の裏面より突出している前記ボスの端面を指で押す。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機,ファクシミリ,プリンタ等の事務機を始めとした電子機器において、内外装部品の表面に貼付ける樹脂プレートの固定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機,ファクシミリ,プリンタ等の事務機を始めとした電子機器においては、本機器の型番やメーカロゴ等を機器の外観面に直接シルクスクリーン印刷等で施したり、前記印刷を施した粘着剤が塗布されたシート材あるいは樹脂プレート,金属プレートを該外観面に貼り付けるなどしている。
【0003】
ところで、近年、資源保護や自然環境保護の観点から、たとえば買い替えにより不要となった複写機,ファクシミリ,プリンタ等の事務機を始めとした電子機器を回収後、部品等をリサイクル使用し、資源の浪費を抑えたり、ゴミの低減を図ったりすることが要請されている。
【0004】
そこで、前記のようなリサイクルを行い、リサイクル率を向上するためには、電子機器においてはその主要部を構成する熱可塑性樹脂で成る大物部品たる内外装部品の材料再生を行うのが好適である。
【0005】
しかしながら、前記のように電子機器の型番やメーカロゴ等を電子機器の内外装部品外観面に直接印刷した場合、前記内外装部品の材料再生時に塗料自体が異物となり、前記内外装部品の再生材料の機械的特性を低下させる可能性がある。
【0006】
また、粘着シートを用いる場合、粘着シートと内外装部品とを互いに相溶性のある熱可塑性樹脂によって構成し、粘着シートを内外装部品と分離しないで材料再生を行う例もあるが、前記と同様に相溶性があるとはいえ、粘着シートは異物に他ならない(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
従って、再生材料の異物を可能な限り減少させ、その機械的特性を極力低下させないで再生材料の品質を確保するためには、粘着シートを内外装部品と分離した後、内外装部品の材料再生を行った方が望ましい。
【0008】
また、前記樹脂プレートを用いる場合、前記粘着シートと同様に内外装部品と互いに相溶性のある熱可塑性樹脂によって構成する方法もあるが、樹脂プレートは一般的に前記粘着シートより重量が大きいことから、再生材料における異物の含有量が大きくなり、より再生材料の機械的特性を低下させることとなり、前記と同様に樹脂プレートを内外装部品と分離した後、内外装部品の材料再生を行った方が望ましい。
【0009】
そこで、粘着シートを内外装部品と分離するために、粘着シートの被貼付面部分に穴を設け、前記穴を通して突起物で粘着シートを貼り付け面(粘着剤塗布面)を押して、粘着シートを被貼付面から剥がして分解する粘着シートの剥離補助穴の構成を有する。これにより、粘着シートの剥離作業時間の短縮と剥離作業の容易化が図られるとしている。本構成は、粘着シートに限らず粘着剤が塗布された樹脂プレート,金属プレートにも適用可能ではある(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
【特許文献1】
特許第3057472号明細書
【特許文献2】
特開平07−219442号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のように粘着シート,プレートの被貼付面部分に剥離補助穴を設ける構成では、突起物を有する工具、例えばプラスドライバーの軸部を利用するなど、何らかの工具が必要となる。
【0012】
このため、分離作業前に粘着シート,プレートの分離工具と同一の工具を所持していれば該工具をそのまま使用できるが、分離工具が事前に使用した工具と異なる場合、事前工具を所定位置に戻した後、分離工具を所定位置から取る工具交換作業が発生する。この工具交換分の作業時間が長くなるという不具合がある。
【0013】
また、電子機器メーカにとって該機器の価値の一部を決定する型番やメーカロゴ等を機器に設ける上で、例えば型番やメーカロゴ等の印刷が施された表面が平面の粘着シートを用い、かつ剥離補助穴を設けた被貼付面部分に貼り付けた場合、一般的に多用される厚みが100μm程度の粘着シートではその剛性により、剥離補助穴の縁部に沿った貼り跡が残り、外観品位を低下させるという不具合がある。
【0014】
外観品位をより向上させるためには、前記のように粘着シートを用いこれに型番やメーカロゴ等の印刷を施すより、該印刷が施され自在に成形可能な透明材あるいは非透明材からなる樹脂プレートを用いた方が好適である。
【0015】
前記樹脂プレートを電子機器に貼り付ける場合、一般的には該樹脂プレートの周囲に凸形状を設けるか、該樹脂プレートの被貼付面部分に凹形状を設け、前記凸形状あるいは凹形状部の段差部分に樹脂プレート端部を突き当てて位置決めするため、樹脂プレート周囲と前記凸部,凹部とのクリアランスが不均一となり、外観品位を低下させるという不具合がある。
【0016】
本出願に係る第1の発明の目的は、工具不要で被貼付面から分離可能な樹脂プレートの固定方法を提供することにある。
【0017】
また、本出願に係る第2の発明の目的は、貼り付けのための位置決めを確実に行う樹脂プレートの固定方法を提供することにある。
【0018】
また、本出願に係る第3の発明の目的は、被貼付面からより確実に分離可能な樹脂プレートの固定方法を提供することにある。
【0019】
さらに、本出願に係る第4の発明の目的は、被貼付面からの分離後に被貼付面を有する部品の材料再生処理時に、再生材料の物性低下を生じることなくそのまま再生処理可能な樹脂プレートの固定方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本出願に係る第1の発明は、一方の面に粘着剤が塗布された樹脂プレートと、前記樹脂プレートの粘着面を電子機器の内外装部品の表面に貼り付け、前記樹脂プレートの粘着面とは反対側の面を外観面とする樹脂プレートの固定方法において、前記樹脂プレートに前記内外装部品の前記樹脂プレート固定面の肉厚より高さの高い少なくとも1つのボスを粘着面側に一体的に形成し、前記内外装部品に前記ボスの対向位置に貫通穴を設けたことを特徴とする。
【0021】
また、本出願に係る第2の発明は、前記樹脂プレートに前記ボスを複数形成し、前記ボスのうち1つを前記内外装部品の表面に固定するための基準ボス、前記基準ボス以外の前記ボスのうち1つを副基準ボスとし、前記内外装部品に前記基準ボスの対向位置に前記基準ボスが勘合する勘合穴、前記副基準ボスの対向位置に前記副基準ボスが勘合する丸長勘合穴を設けたことを特徴とする。
【0022】
また、本出願に係る第3の発明は、前記樹脂プレートの一方の面に粘着剤を塗布する手段として両面粘着テープを用い、前記両面粘着テープの一方の粘着面を前記樹脂プレートの外観面と反対側の面に貼り付け、前記両面粘着テープの他方の粘着面を前記内外装部品の表面に貼り付け、前記樹脂プレートを前記内外装部品に固定したことを特徴とする。
【0023】
更に、本出願に係る第4の発明は、前記樹脂プレートに塗布された粘着剤あるいは前記両面粘着テープの粘着剤は、前記熱可塑性樹脂によってなる前記内外装部品と互いに相溶性を有することを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
【実施例】
(第1の実施例)
図1より図5は第1の実施形態の樹脂プレートの固定方法を示すものであり、図1は樹脂プレートの本固定方法を適用した電子機器の1つである複写機の概略斜視図、図2は樹脂プレートの固定方法を示す概略構成拡大図、図3は樹脂プレートの固定方法を示す概略断面図、図4は樹脂プレート被貼付け部品の拡大図、図5は樹脂プレートの固定方法を示す概略断面拡大図である。
【0026】
図1において、複写機1の外観面の一部を構成の樹脂外装カバー2に、複写機1の型番やメーカロゴ等の印刷「AAA」を施した樹脂プレート3が固定される。カセット4には4a,4b,4c,4dの各段に所定サイズの不図示の記録用シートが収納され、原稿台ガラス5上には複写すべき原稿が印字面を下向きにしてセットされる。操作部6上の不図示のコピーキーが押下されると、不図示の原稿読取手段が原稿面の画像情報を読み取り、所望のサイズの記録用シートを収容するカセット4a,4b,4c,4dの中から1つを選択し、カセット内の記録用シートが1枚づつ不図示の分離搬送手段により不図示の画像形成手段まで搬送される。前記画像形成手段により画像が形成された記録用シートは、不図示の搬送手段により不図示の定着手段まで搬送され、前記定着手段により記録用シートに画像が永久定着される。画像が定着された記録用シートは不図示の排出手段により複写機1の本体から排出される。
【0027】
図2は前記樹脂プレート3の前記樹脂外装カバー2に固定した状態での概略構成拡大図であり、図3は図2中のB−Bの線で切った断面形状を示す概略断面図である。
【0028】
図2,図3において、樹脂プレート3は透明材にて成形され、樹脂外装カバー2に固定時の位置決め基準となる基準ボス3aが外観面とは反対側に一体的に形成されている。また前記基準ボス3aの高さhは、樹脂外装カバー2に設けた樹脂プレート3の固定部の肉厚tより大きく成形してある。
【0029】
また、図4は樹脂外装カバー2の樹脂プレート3の固定部周囲の拡大図であり、樹脂プレート3の前記基準ボス3aの対応位置に、前記基準ボス3aが勘合し樹脂プレート3の位置決めを行う勘合穴2aが設けられている。また、前記樹脂外装カバー2には樹脂プレート3の周囲位置に凹部2bを設け、これにより前記基準ボス3aが前記勘合穴2aに勘合した後、樹脂プレート3の周囲端面が前記凹部2bの段差部分に突き当たることで、樹脂プレート3の回り止めとし位置決めを行う構成となっている。
【0030】
図5は前記樹脂プレート3の樹脂外装カバー2への固定方法を示す概略断面拡大図であり、樹脂プレート3の外観面とは反対側の裏面に複写機1の型番やメーカロゴあるいはベース色等がシルクスクリーン印刷等により施され、印刷層3bが形成される。また、前記印刷層3bの下には、樹脂プレート3を樹脂外装カバー2へ固定するための粘着剤をシルクスクリーン印刷等により塗布した粘着剤層3cが形成される。
【0031】
以上説明の樹脂プレート3の固定方法により、樹脂プレート3は樹脂外装カバー2に対し確実に位置決めがなされて固定されると共に、図3に示すように基準ボス3aの端面を矢印C方向へ指等で押すことにより樹脂プレート3と樹脂外装カバー2の分離が可能となる。
【0032】
(第2の実施例)
図6より図8は第2の実施形態の樹脂プレートの固定方法を示すものであり、図6は樹脂プレートの固定方法を示す概略構成拡大図、図7は樹脂プレートの固定方法を示す概略断面図、図8は樹脂プレート被貼付け部品の拡大図である。
【0033】
以降、第2の実施例について、第1の実施例と同一構成部分については同一符号を付して説明する。
【0034】
図6は樹脂プレート3の樹脂外装カバー2に固定した状態での概略構成拡大図であり、図7は図6中のB−Bの線で切った断面形状を示す概略断面図である。
【0035】
図6,図7において、樹脂プレート3には樹脂外装カバー2に固定時の位置決め基準となる基準ボス3aに加え、同固定時の位置決め副基準となる副基準ボス3dが樹脂プレート3の外観面とは反対側に一体的に形成されている。また前記基準ボス3a及び前記副基準ボス3dの少なくとも一方のボス高さhは、樹脂外装カバー2に設けた樹脂プレート3の固定部の肉厚tより大きく成形してある。
【0036】
また、図8は樹脂外装カバー2の樹脂プレート3の固定部周囲の拡大図であり、前記基準ボス3aが勘合し樹脂プレート3の位置決めを行う勘合穴2aに加え、樹脂プレート3の前記副基準ボス3dの対応位置に、前記副基準ボス3dが勘合し樹脂プレート3の位置決めを行う丸長勘合穴2cが設けられている。
【0037】
なお、樹脂プレート3には第1の実施例と同様に、図5に示す印刷層3bと粘着剤層3cが形成されたものを用いることで、樹脂プレート3と樹脂外装カバー2が固定される。
【0038】
以上説明の樹脂プレート3の固定方法により、樹脂プレート3の基準ボス3aと副基準ボス3dがそれぞれ樹脂外装カバー2の勘合穴2a,丸長勘合穴2cに勘合するので、樹脂プレート固定時の回り止めが形成され、樹脂外装カバー2に対し確実に位置決めがなされて固定される。また、図7に示すように基準ボス3aあるいは副基準ボス3dの少なくとも一方の端面を矢印C方向へ指等で押すことにより、樹脂プレート3と樹脂外装カバー2の分離が可能となる。
【0039】
なお、第1,第2の実施例で樹脂プレート3を固定するために、樹脂プレート3側に粘着剤層3cを設けたが、樹脂外装カバー2の樹脂プレート3固定面に粘着剤を塗布してもよい。また、粘着剤を樹脂プレート3または樹脂外装カバー2の何れかに直接塗布する代わりに両面粘着テープを用いて樹脂プレート3を固定しても良い。この両面粘着テープによる固定方法について、図9を用い以下説明する。
【0040】
図9において、樹脂プレート3には第1,第2の実施例と同様に外観面とは反対側の裏面に、複写機1の型番やメーカロゴあるいはベース色等がシルクスクリーン印刷等により施された印刷層3bが形成されている。粘着剤層7a,基材層7b,粘着剤層7cからなる両面粘着テープ7は、前記粘着剤層7aが前記印刷層3bを介し樹脂プレート3の裏面を貼り付け、他方の前記粘着剤層7c側で前記粘着剤層7aにより貼り付けられた樹脂プレート3を樹脂外装カバー2の表面に固定する。
【0041】
本実施例に用いる両面粘着テープ7としては、基材層7bの強度が強く剥離時に被貼付部品の樹脂外装カバー2側に粘着剤の転写(ノリ残り)が少ない大日本インキ化学工業製の#8800CHあるいは、日東電工製のNo.5000NSといったリサイクル用両面テープを適用するのが好ましい。これにより、樹脂プレート3と樹脂外装カバー2の分離がより容易となる。
【0042】
また、樹脂外装カバー2がABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン),PS(ポリスチレン)、PPE(ポリフェニレンエーテル)等の熱可塑性樹脂よりなる場合、第1,第2の実施例中の樹脂プレート3または樹脂外装カバー2の何れかに塗布する粘着剤、及び前記両面粘着テープを用いる場合の樹脂外装カバー2側の粘着剤は、前記熱可塑性樹脂と互いに相溶性を有する樹脂、例えばアクリル系樹脂を適用するのが好ましい。
【0043】
さらに、第1,第2の実施例では透明材にて成形の樹脂プレート3の外観面とは反対側の裏面に複写機1の型番やメーカロゴあるいはベース色等をシルクスクリーン印刷等により施したが、非透明材にて樹脂プレート3を成形しこの外観面側に前記と同様の印刷を行っても良い。この場合、印刷後の樹脂プレート3の外観面に粘着剤付きの透明ラミネート材を貼り付けるか、透明塗料を塗布するなどして、表面の傷,汚れ等から保護する構成とするのが好ましい。
【0044】
なお、第1の実施例及び第2の実施例での樹脂プレートの固定方法は、図1に示す複写機1のみならず、プリンタ,ファクシミリ,複写機を含めた複合機等の電子機器全てに適用でき、複写機のみに適用されるものではない。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る第1の発明によれば、樹脂プレートに内外装部品の前記樹脂プレート固定面の肉厚より大きいボスを粘着面側に一体的に形成し、このボスを前記内外装部品に設けた貫通穴に差し込んで樹脂プレートを内外装部品に固定することにより、前記ボスの端面を指で押すだけで樹脂プレートと内外装部品の分離が可能となるため、分離のための工具が不要となる。これにより、分離工具交換のための作業が省略され分離作業時間の短縮化が図られ、電子機器全体での解体作業性を向上する。
【0046】
また、電子機器全体での解体作業において、樹脂プレートの分離作業の段階になって事前に何らかの片手で扱える工具を所持していた場合、該工具を分離作業に必要でない方の手に持ち替えた後、該工具を所持していない方の手を利用し分離作業を行うか、該工具を所持したまま分離作業が行える。これにより、工具所持の有無によらず分離作業時間の短縮化が図られ、電子機器全体での解体作業性を向上する。
【0047】
同時に、電子機器の組立作業中に樹脂プレートを内外装部品に貼り付け後、樹脂プレートの位置が内外装部品の被貼付け面に対し多少ずれたとか、表面に傷,汚れ等がある樹脂プレートを貼ってしまった場合、工具不要で樹脂プレートを内外装部品から分離できるので、即座に貼り直しあるいは新品への交換が可能となり、組立作業性の向上も図れる。
【0048】
また、本発明に係る第2の発明によれば、樹脂プレートに基準ボス、副基準ボスを設け、内外装部品に勘合穴、丸長勘合穴を設け、前記基準ボスを前記勘合穴、前記副基準ボスを前記丸長勘合穴に差し込むことにより、樹脂プレート固定時の回り止めが形成され、内外装部品に対し確実に位置決めがなされて固定される。これにより、従来のような樹脂プレート回り止めのための凸あるいは凹形状を内外装部品に設ける必要がなくなり、段差のない平面で成形することが可能で、樹脂プレート周囲と前記凸部,凹部とのクリアランスが不均一となる不具合が解消され外観品位が向上する。同時に、内外装部品の成形型も単純化されるため、成形型コストの低減が図られる。
【0049】
また、本発明に係る第3の発明によれば、樹脂プレートの内外装部品への固定に基材強度が強く剥離時に被貼付部品への粘着剤の転写(ノリ残り)が少ない両面粘着テープを用いたことで、樹脂プレートと内外装部品の分離後、前記両面粘着テープの基材が層間破壊を起こして内外装部品に残存することなく、また前記両面粘着テープの粘着剤も転写されることがないか、転写されたとしても少量となる。これにより、樹脂プレートは内外装部品からより確実に分離可能となる。
【0050】
また、内外装部品を再生処理する過程で、両面粘着テープの基材及び転写した粘着剤の除去作業が省略でき、仮に粘着剤が転写されたとしても、その量は少量のため除去作業時間の短縮化が図られ、電子機器全体での解体作業性を向上する。
【0051】
同時に、使用済み両面粘着テープは樹脂プレートから容易に分離できるので、樹脂プレートは外観あるいは構成上の問題がない限り、未使用の両面粘着テープに貼り替えることで再利用が可能となり、再利用率の向上が図られる。
【0052】
さらに、本発明に係る第4の発明によれば、樹脂プレートに塗布された粘着剤あるいは両面粘着テープの粘着剤は、熱可塑性樹脂によってなる電子機器の内外装部品と互いに相溶性を有するため、前記樹脂プレートを分離後、前記内外装部品に粘着剤が転写されて残存していたとしても、前記内外装部品の再生処理後の再生材料の機械的特性を損ねることなく高い品質を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の樹脂プレートの固定方法を適用した複写機の概略斜視図
【図2】第1実施例の樹脂プレートの固定方法を示す概略構成拡大図
【図3】第1実施例の樹脂プレートの固定方法を示す図2のB−B断面図
【図4】第1実施例の樹脂プレート被貼付け部品の拡大図
【図5】第1実施例の樹脂プレートの固定方法を示す概略断面拡大図
【図6】第2実施例の樹脂プレートの固定方法を示す概略構成拡大図
【図7】第2実施例の樹脂プレートの固定方法を示す図6のB−B断面図
【図8】第2実施例の樹脂プレート被貼付け部品の拡大図
【図9】樹脂プレートの両面粘着テープによる固定方法を示す概略断面拡大図
【符号の説明】
1 複写機(電子機器)
2 外装カバー(内外装部品)
2a 勘合穴(貫通穴)
2b 凹部
2c 丸長勘合穴
3 樹脂プレート
3a 基準ボス(ボス)
3b 印刷層
3c 粘着剤層(粘着剤)
3d 副基準ボス(ボス)
4 カセット
5 原稿台ガラス
6 操作部
7 両面粘着テープ
7a 粘着剤層(粘着剤)
7b 基材層
7c 粘着剤層(粘着剤)
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機,ファクシミリ,プリンタ等の事務機を始めとした電子機器において、内外装部品の表面に貼付ける樹脂プレートの固定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機,ファクシミリ,プリンタ等の事務機を始めとした電子機器においては、本機器の型番やメーカロゴ等を機器の外観面に直接シルクスクリーン印刷等で施したり、前記印刷を施した粘着剤が塗布されたシート材あるいは樹脂プレート,金属プレートを該外観面に貼り付けるなどしている。
【0003】
ところで、近年、資源保護や自然環境保護の観点から、たとえば買い替えにより不要となった複写機,ファクシミリ,プリンタ等の事務機を始めとした電子機器を回収後、部品等をリサイクル使用し、資源の浪費を抑えたり、ゴミの低減を図ったりすることが要請されている。
【0004】
そこで、前記のようなリサイクルを行い、リサイクル率を向上するためには、電子機器においてはその主要部を構成する熱可塑性樹脂で成る大物部品たる内外装部品の材料再生を行うのが好適である。
【0005】
しかしながら、前記のように電子機器の型番やメーカロゴ等を電子機器の内外装部品外観面に直接印刷した場合、前記内外装部品の材料再生時に塗料自体が異物となり、前記内外装部品の再生材料の機械的特性を低下させる可能性がある。
【0006】
また、粘着シートを用いる場合、粘着シートと内外装部品とを互いに相溶性のある熱可塑性樹脂によって構成し、粘着シートを内外装部品と分離しないで材料再生を行う例もあるが、前記と同様に相溶性があるとはいえ、粘着シートは異物に他ならない(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
従って、再生材料の異物を可能な限り減少させ、その機械的特性を極力低下させないで再生材料の品質を確保するためには、粘着シートを内外装部品と分離した後、内外装部品の材料再生を行った方が望ましい。
【0008】
また、前記樹脂プレートを用いる場合、前記粘着シートと同様に内外装部品と互いに相溶性のある熱可塑性樹脂によって構成する方法もあるが、樹脂プレートは一般的に前記粘着シートより重量が大きいことから、再生材料における異物の含有量が大きくなり、より再生材料の機械的特性を低下させることとなり、前記と同様に樹脂プレートを内外装部品と分離した後、内外装部品の材料再生を行った方が望ましい。
【0009】
そこで、粘着シートを内外装部品と分離するために、粘着シートの被貼付面部分に穴を設け、前記穴を通して突起物で粘着シートを貼り付け面(粘着剤塗布面)を押して、粘着シートを被貼付面から剥がして分解する粘着シートの剥離補助穴の構成を有する。これにより、粘着シートの剥離作業時間の短縮と剥離作業の容易化が図られるとしている。本構成は、粘着シートに限らず粘着剤が塗布された樹脂プレート,金属プレートにも適用可能ではある(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
【特許文献1】
特許第3057472号明細書
【特許文献2】
特開平07−219442号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のように粘着シート,プレートの被貼付面部分に剥離補助穴を設ける構成では、突起物を有する工具、例えばプラスドライバーの軸部を利用するなど、何らかの工具が必要となる。
【0012】
このため、分離作業前に粘着シート,プレートの分離工具と同一の工具を所持していれば該工具をそのまま使用できるが、分離工具が事前に使用した工具と異なる場合、事前工具を所定位置に戻した後、分離工具を所定位置から取る工具交換作業が発生する。この工具交換分の作業時間が長くなるという不具合がある。
【0013】
また、電子機器メーカにとって該機器の価値の一部を決定する型番やメーカロゴ等を機器に設ける上で、例えば型番やメーカロゴ等の印刷が施された表面が平面の粘着シートを用い、かつ剥離補助穴を設けた被貼付面部分に貼り付けた場合、一般的に多用される厚みが100μm程度の粘着シートではその剛性により、剥離補助穴の縁部に沿った貼り跡が残り、外観品位を低下させるという不具合がある。
【0014】
外観品位をより向上させるためには、前記のように粘着シートを用いこれに型番やメーカロゴ等の印刷を施すより、該印刷が施され自在に成形可能な透明材あるいは非透明材からなる樹脂プレートを用いた方が好適である。
【0015】
前記樹脂プレートを電子機器に貼り付ける場合、一般的には該樹脂プレートの周囲に凸形状を設けるか、該樹脂プレートの被貼付面部分に凹形状を設け、前記凸形状あるいは凹形状部の段差部分に樹脂プレート端部を突き当てて位置決めするため、樹脂プレート周囲と前記凸部,凹部とのクリアランスが不均一となり、外観品位を低下させるという不具合がある。
【0016】
本出願に係る第1の発明の目的は、工具不要で被貼付面から分離可能な樹脂プレートの固定方法を提供することにある。
【0017】
また、本出願に係る第2の発明の目的は、貼り付けのための位置決めを確実に行う樹脂プレートの固定方法を提供することにある。
【0018】
また、本出願に係る第3の発明の目的は、被貼付面からより確実に分離可能な樹脂プレートの固定方法を提供することにある。
【0019】
さらに、本出願に係る第4の発明の目的は、被貼付面からの分離後に被貼付面を有する部品の材料再生処理時に、再生材料の物性低下を生じることなくそのまま再生処理可能な樹脂プレートの固定方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本出願に係る第1の発明は、一方の面に粘着剤が塗布された樹脂プレートと、前記樹脂プレートの粘着面を電子機器の内外装部品の表面に貼り付け、前記樹脂プレートの粘着面とは反対側の面を外観面とする樹脂プレートの固定方法において、前記樹脂プレートに前記内外装部品の前記樹脂プレート固定面の肉厚より高さの高い少なくとも1つのボスを粘着面側に一体的に形成し、前記内外装部品に前記ボスの対向位置に貫通穴を設けたことを特徴とする。
【0021】
また、本出願に係る第2の発明は、前記樹脂プレートに前記ボスを複数形成し、前記ボスのうち1つを前記内外装部品の表面に固定するための基準ボス、前記基準ボス以外の前記ボスのうち1つを副基準ボスとし、前記内外装部品に前記基準ボスの対向位置に前記基準ボスが勘合する勘合穴、前記副基準ボスの対向位置に前記副基準ボスが勘合する丸長勘合穴を設けたことを特徴とする。
【0022】
また、本出願に係る第3の発明は、前記樹脂プレートの一方の面に粘着剤を塗布する手段として両面粘着テープを用い、前記両面粘着テープの一方の粘着面を前記樹脂プレートの外観面と反対側の面に貼り付け、前記両面粘着テープの他方の粘着面を前記内外装部品の表面に貼り付け、前記樹脂プレートを前記内外装部品に固定したことを特徴とする。
【0023】
更に、本出願に係る第4の発明は、前記樹脂プレートに塗布された粘着剤あるいは前記両面粘着テープの粘着剤は、前記熱可塑性樹脂によってなる前記内外装部品と互いに相溶性を有することを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
【実施例】
(第1の実施例)
図1より図5は第1の実施形態の樹脂プレートの固定方法を示すものであり、図1は樹脂プレートの本固定方法を適用した電子機器の1つである複写機の概略斜視図、図2は樹脂プレートの固定方法を示す概略構成拡大図、図3は樹脂プレートの固定方法を示す概略断面図、図4は樹脂プレート被貼付け部品の拡大図、図5は樹脂プレートの固定方法を示す概略断面拡大図である。
【0026】
図1において、複写機1の外観面の一部を構成の樹脂外装カバー2に、複写機1の型番やメーカロゴ等の印刷「AAA」を施した樹脂プレート3が固定される。カセット4には4a,4b,4c,4dの各段に所定サイズの不図示の記録用シートが収納され、原稿台ガラス5上には複写すべき原稿が印字面を下向きにしてセットされる。操作部6上の不図示のコピーキーが押下されると、不図示の原稿読取手段が原稿面の画像情報を読み取り、所望のサイズの記録用シートを収容するカセット4a,4b,4c,4dの中から1つを選択し、カセット内の記録用シートが1枚づつ不図示の分離搬送手段により不図示の画像形成手段まで搬送される。前記画像形成手段により画像が形成された記録用シートは、不図示の搬送手段により不図示の定着手段まで搬送され、前記定着手段により記録用シートに画像が永久定着される。画像が定着された記録用シートは不図示の排出手段により複写機1の本体から排出される。
【0027】
図2は前記樹脂プレート3の前記樹脂外装カバー2に固定した状態での概略構成拡大図であり、図3は図2中のB−Bの線で切った断面形状を示す概略断面図である。
【0028】
図2,図3において、樹脂プレート3は透明材にて成形され、樹脂外装カバー2に固定時の位置決め基準となる基準ボス3aが外観面とは反対側に一体的に形成されている。また前記基準ボス3aの高さhは、樹脂外装カバー2に設けた樹脂プレート3の固定部の肉厚tより大きく成形してある。
【0029】
また、図4は樹脂外装カバー2の樹脂プレート3の固定部周囲の拡大図であり、樹脂プレート3の前記基準ボス3aの対応位置に、前記基準ボス3aが勘合し樹脂プレート3の位置決めを行う勘合穴2aが設けられている。また、前記樹脂外装カバー2には樹脂プレート3の周囲位置に凹部2bを設け、これにより前記基準ボス3aが前記勘合穴2aに勘合した後、樹脂プレート3の周囲端面が前記凹部2bの段差部分に突き当たることで、樹脂プレート3の回り止めとし位置決めを行う構成となっている。
【0030】
図5は前記樹脂プレート3の樹脂外装カバー2への固定方法を示す概略断面拡大図であり、樹脂プレート3の外観面とは反対側の裏面に複写機1の型番やメーカロゴあるいはベース色等がシルクスクリーン印刷等により施され、印刷層3bが形成される。また、前記印刷層3bの下には、樹脂プレート3を樹脂外装カバー2へ固定するための粘着剤をシルクスクリーン印刷等により塗布した粘着剤層3cが形成される。
【0031】
以上説明の樹脂プレート3の固定方法により、樹脂プレート3は樹脂外装カバー2に対し確実に位置決めがなされて固定されると共に、図3に示すように基準ボス3aの端面を矢印C方向へ指等で押すことにより樹脂プレート3と樹脂外装カバー2の分離が可能となる。
【0032】
(第2の実施例)
図6より図8は第2の実施形態の樹脂プレートの固定方法を示すものであり、図6は樹脂プレートの固定方法を示す概略構成拡大図、図7は樹脂プレートの固定方法を示す概略断面図、図8は樹脂プレート被貼付け部品の拡大図である。
【0033】
以降、第2の実施例について、第1の実施例と同一構成部分については同一符号を付して説明する。
【0034】
図6は樹脂プレート3の樹脂外装カバー2に固定した状態での概略構成拡大図であり、図7は図6中のB−Bの線で切った断面形状を示す概略断面図である。
【0035】
図6,図7において、樹脂プレート3には樹脂外装カバー2に固定時の位置決め基準となる基準ボス3aに加え、同固定時の位置決め副基準となる副基準ボス3dが樹脂プレート3の外観面とは反対側に一体的に形成されている。また前記基準ボス3a及び前記副基準ボス3dの少なくとも一方のボス高さhは、樹脂外装カバー2に設けた樹脂プレート3の固定部の肉厚tより大きく成形してある。
【0036】
また、図8は樹脂外装カバー2の樹脂プレート3の固定部周囲の拡大図であり、前記基準ボス3aが勘合し樹脂プレート3の位置決めを行う勘合穴2aに加え、樹脂プレート3の前記副基準ボス3dの対応位置に、前記副基準ボス3dが勘合し樹脂プレート3の位置決めを行う丸長勘合穴2cが設けられている。
【0037】
なお、樹脂プレート3には第1の実施例と同様に、図5に示す印刷層3bと粘着剤層3cが形成されたものを用いることで、樹脂プレート3と樹脂外装カバー2が固定される。
【0038】
以上説明の樹脂プレート3の固定方法により、樹脂プレート3の基準ボス3aと副基準ボス3dがそれぞれ樹脂外装カバー2の勘合穴2a,丸長勘合穴2cに勘合するので、樹脂プレート固定時の回り止めが形成され、樹脂外装カバー2に対し確実に位置決めがなされて固定される。また、図7に示すように基準ボス3aあるいは副基準ボス3dの少なくとも一方の端面を矢印C方向へ指等で押すことにより、樹脂プレート3と樹脂外装カバー2の分離が可能となる。
【0039】
なお、第1,第2の実施例で樹脂プレート3を固定するために、樹脂プレート3側に粘着剤層3cを設けたが、樹脂外装カバー2の樹脂プレート3固定面に粘着剤を塗布してもよい。また、粘着剤を樹脂プレート3または樹脂外装カバー2の何れかに直接塗布する代わりに両面粘着テープを用いて樹脂プレート3を固定しても良い。この両面粘着テープによる固定方法について、図9を用い以下説明する。
【0040】
図9において、樹脂プレート3には第1,第2の実施例と同様に外観面とは反対側の裏面に、複写機1の型番やメーカロゴあるいはベース色等がシルクスクリーン印刷等により施された印刷層3bが形成されている。粘着剤層7a,基材層7b,粘着剤層7cからなる両面粘着テープ7は、前記粘着剤層7aが前記印刷層3bを介し樹脂プレート3の裏面を貼り付け、他方の前記粘着剤層7c側で前記粘着剤層7aにより貼り付けられた樹脂プレート3を樹脂外装カバー2の表面に固定する。
【0041】
本実施例に用いる両面粘着テープ7としては、基材層7bの強度が強く剥離時に被貼付部品の樹脂外装カバー2側に粘着剤の転写(ノリ残り)が少ない大日本インキ化学工業製の#8800CHあるいは、日東電工製のNo.5000NSといったリサイクル用両面テープを適用するのが好ましい。これにより、樹脂プレート3と樹脂外装カバー2の分離がより容易となる。
【0042】
また、樹脂外装カバー2がABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン),PS(ポリスチレン)、PPE(ポリフェニレンエーテル)等の熱可塑性樹脂よりなる場合、第1,第2の実施例中の樹脂プレート3または樹脂外装カバー2の何れかに塗布する粘着剤、及び前記両面粘着テープを用いる場合の樹脂外装カバー2側の粘着剤は、前記熱可塑性樹脂と互いに相溶性を有する樹脂、例えばアクリル系樹脂を適用するのが好ましい。
【0043】
さらに、第1,第2の実施例では透明材にて成形の樹脂プレート3の外観面とは反対側の裏面に複写機1の型番やメーカロゴあるいはベース色等をシルクスクリーン印刷等により施したが、非透明材にて樹脂プレート3を成形しこの外観面側に前記と同様の印刷を行っても良い。この場合、印刷後の樹脂プレート3の外観面に粘着剤付きの透明ラミネート材を貼り付けるか、透明塗料を塗布するなどして、表面の傷,汚れ等から保護する構成とするのが好ましい。
【0044】
なお、第1の実施例及び第2の実施例での樹脂プレートの固定方法は、図1に示す複写機1のみならず、プリンタ,ファクシミリ,複写機を含めた複合機等の電子機器全てに適用でき、複写機のみに適用されるものではない。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る第1の発明によれば、樹脂プレートに内外装部品の前記樹脂プレート固定面の肉厚より大きいボスを粘着面側に一体的に形成し、このボスを前記内外装部品に設けた貫通穴に差し込んで樹脂プレートを内外装部品に固定することにより、前記ボスの端面を指で押すだけで樹脂プレートと内外装部品の分離が可能となるため、分離のための工具が不要となる。これにより、分離工具交換のための作業が省略され分離作業時間の短縮化が図られ、電子機器全体での解体作業性を向上する。
【0046】
また、電子機器全体での解体作業において、樹脂プレートの分離作業の段階になって事前に何らかの片手で扱える工具を所持していた場合、該工具を分離作業に必要でない方の手に持ち替えた後、該工具を所持していない方の手を利用し分離作業を行うか、該工具を所持したまま分離作業が行える。これにより、工具所持の有無によらず分離作業時間の短縮化が図られ、電子機器全体での解体作業性を向上する。
【0047】
同時に、電子機器の組立作業中に樹脂プレートを内外装部品に貼り付け後、樹脂プレートの位置が内外装部品の被貼付け面に対し多少ずれたとか、表面に傷,汚れ等がある樹脂プレートを貼ってしまった場合、工具不要で樹脂プレートを内外装部品から分離できるので、即座に貼り直しあるいは新品への交換が可能となり、組立作業性の向上も図れる。
【0048】
また、本発明に係る第2の発明によれば、樹脂プレートに基準ボス、副基準ボスを設け、内外装部品に勘合穴、丸長勘合穴を設け、前記基準ボスを前記勘合穴、前記副基準ボスを前記丸長勘合穴に差し込むことにより、樹脂プレート固定時の回り止めが形成され、内外装部品に対し確実に位置決めがなされて固定される。これにより、従来のような樹脂プレート回り止めのための凸あるいは凹形状を内外装部品に設ける必要がなくなり、段差のない平面で成形することが可能で、樹脂プレート周囲と前記凸部,凹部とのクリアランスが不均一となる不具合が解消され外観品位が向上する。同時に、内外装部品の成形型も単純化されるため、成形型コストの低減が図られる。
【0049】
また、本発明に係る第3の発明によれば、樹脂プレートの内外装部品への固定に基材強度が強く剥離時に被貼付部品への粘着剤の転写(ノリ残り)が少ない両面粘着テープを用いたことで、樹脂プレートと内外装部品の分離後、前記両面粘着テープの基材が層間破壊を起こして内外装部品に残存することなく、また前記両面粘着テープの粘着剤も転写されることがないか、転写されたとしても少量となる。これにより、樹脂プレートは内外装部品からより確実に分離可能となる。
【0050】
また、内外装部品を再生処理する過程で、両面粘着テープの基材及び転写した粘着剤の除去作業が省略でき、仮に粘着剤が転写されたとしても、その量は少量のため除去作業時間の短縮化が図られ、電子機器全体での解体作業性を向上する。
【0051】
同時に、使用済み両面粘着テープは樹脂プレートから容易に分離できるので、樹脂プレートは外観あるいは構成上の問題がない限り、未使用の両面粘着テープに貼り替えることで再利用が可能となり、再利用率の向上が図られる。
【0052】
さらに、本発明に係る第4の発明によれば、樹脂プレートに塗布された粘着剤あるいは両面粘着テープの粘着剤は、熱可塑性樹脂によってなる電子機器の内外装部品と互いに相溶性を有するため、前記樹脂プレートを分離後、前記内外装部品に粘着剤が転写されて残存していたとしても、前記内外装部品の再生処理後の再生材料の機械的特性を損ねることなく高い品質を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の樹脂プレートの固定方法を適用した複写機の概略斜視図
【図2】第1実施例の樹脂プレートの固定方法を示す概略構成拡大図
【図3】第1実施例の樹脂プレートの固定方法を示す図2のB−B断面図
【図4】第1実施例の樹脂プレート被貼付け部品の拡大図
【図5】第1実施例の樹脂プレートの固定方法を示す概略断面拡大図
【図6】第2実施例の樹脂プレートの固定方法を示す概略構成拡大図
【図7】第2実施例の樹脂プレートの固定方法を示す図6のB−B断面図
【図8】第2実施例の樹脂プレート被貼付け部品の拡大図
【図9】樹脂プレートの両面粘着テープによる固定方法を示す概略断面拡大図
【符号の説明】
1 複写機(電子機器)
2 外装カバー(内外装部品)
2a 勘合穴(貫通穴)
2b 凹部
2c 丸長勘合穴
3 樹脂プレート
3a 基準ボス(ボス)
3b 印刷層
3c 粘着剤層(粘着剤)
3d 副基準ボス(ボス)
4 カセット
5 原稿台ガラス
6 操作部
7 両面粘着テープ
7a 粘着剤層(粘着剤)
7b 基材層
7c 粘着剤層(粘着剤)
Claims (4)
- 一方の面に粘着剤が塗布された樹脂プレートと、
前記樹脂プレートの粘着面を電子機器の内外装部品の表面に貼り付け、前記樹脂プレートの粘着面とは反対側の面を外観面とする樹脂プレートの固定方法において、
前記樹脂プレートに前記内外装部品の前記樹脂プレート固定面の肉厚より高さの高い少なくとも1つのボスを粘着面側に一体的に形成し、
前記内外装部品に前記ボスの対向位置に貫通穴を設けたことを特徴とする樹脂プレートの固定方法。 - 前記樹脂プレートに前記ボスを複数形成し、
前記ボスのうち1つを前記内外装部品の表面に固定するための基準ボス、前記基準ボス以外の前記ボスのうち1つを副基準ボスとし、
前記内外装部品に前記基準ボスの対向位置に前記基準ボスが勘合する勘合穴、前記副基準ボスの対向位置に前記副基準ボスが勘合する丸長勘合穴を設けたことを特徴とする請求項1記載の樹脂プレートの固定方法。 - 前記樹脂プレートの一方の面に粘着剤を塗布する手段として両面粘着テープを用い、
前記両面粘着テープの一方の粘着面を前記樹脂プレートの外観面と反対側の面に貼り付け、
前記両面粘着テープの他方の粘着面を前記内外装部品の表面に貼り付け、
前記樹脂プレートを前記内外装部品に固定したことを特徴とする請求項1または2記載の樹脂プレートの固定方法。 - 前記樹脂プレートに塗布された粘着剤あるいは前記両面粘着テープの粘着剤は、
前記熱可塑性樹脂によってなる前記内外装部品と互いに相溶性を有することを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の樹脂プレートの固定方法。
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