JP2004219542A - 現像方法、現像装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像後端白抜けがなくかつ良好な横細線再現を得る現像条件において、画像濃度不足になることを改善する。
【解決手段】2成分現像剤を用いた現像方法において、現像領域法線方向磁束密度が100〜200mTで半値幅が25°以下で減衰率が40%以上であり、隣り合う磁極との角度間隔が35°以内であり、且つ、現像主極位置における剤密度が65〜95mg/cm2で、現像ギャップが0.3〜0.5mmであり、現像動作終了時に現像スリーブが現像動作時と逆に回転をしてから回転が停止することを特徴とする現像方法で解決する。
【選択図】 図1
【解決手段】2成分現像剤を用いた現像方法において、現像領域法線方向磁束密度が100〜200mTで半値幅が25°以下で減衰率が40%以上であり、隣り合う磁極との角度間隔が35°以内であり、且つ、現像主極位置における剤密度が65〜95mg/cm2で、現像ギャップが0.3〜0.5mmであり、現像動作終了時に現像スリーブが現像動作時と逆に回転をしてから回転が停止することを特徴とする現像方法で解決する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、現像剤担持体表面の現像領域部分に現像剤を穂立ちさせて現像処理するための現像主磁極を備えた現像装置、及び当該現像装置に用いる現像剤を装着した画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの電子写真式や静電記録式などによる各種画像形成装置においては、感光体ドラムや感光体ベルトなどからなる潜像担持体上に画像情報に対応した静電潜像が形成され、現像装置によって現像動作が実行されて、可視像を得る。このように現像動作を実行するにあたり、転写性、ハーフトーンの再現性、温度・湿度に対する現像特性の安定性などの観点から、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を用いた磁気ブラシ現像方式が主流になってきている。このような方式の現像装置では、現像剤担持体上に2成分現像剤がブラシチェーン状に穂立ちされて保持されながら、潜像担持体に対向する現像領域に搬送されて、現像剤中のトナーを潜像担持体上の静電潜像部分に供給するのである。
【0003】
上記現像剤担持体は、通常円筒状に形成されたスリーブ(現像スリーブ)を備えて構成されると共に、当該スリーブ表面に現像剤を穂立ちさせるように磁界を形成する磁石体(磁石ローラ)をスリーブ内部に有している。
上記スリーブと磁石体の少なくとも一方が動くことでスリーブ表面に穂立ちされた現像剤が移動するようになっている。現像領域に搬送された現像剤は上記現像主磁極から発せられる磁力線に沿って穂立ちし、この現像剤のチェーン穂は撓むように潜像担持体表面に接触し、接触した現像剤のチェーン穂が潜像担持体との相対線速差に基づいて静電潜像と擦れ合いながら、トナー供給を行うのである。
【0004】
公知例として、特開2001―305360、特開2001―347506などに示されている画像改良技術がある。
この技術は、高濃度部と低濃度部との双方同時に改善するため、非磁性体のスリーブと当該スリーブ内に固定配置され複数の磁極を備えた磁石ローラとを備え、前記スリーブを回転させ、その外周面に磁性を有した現像剤を磁気吸着させて磁気ブラシを形成し、対向する潜像担持体に当該磁気ブラシを摺擦させ、その摺擦する現像領域で潜像担持体上の潜像を可視化する現像装置において、上記の摺擦する現像領域の法線方向磁束密度の減衰率、また、摺擦する現像領域に係る主磁極と隣り合う磁極の法線方向磁束密度の減衰率、あるいは摺擦する現像領域に係る主磁極と隣り合う磁極との角度を規定したものである。この技術で現像効率がアップし、細線の再現性、後端白ぬけ現象が改善されると提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−305360
【特許文献2】
特開2000−347506
【特許文献3】
特開2001−5296
【特許文献4】
特開2001−27849
【特許文献5】
特開2001−134100
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記公知例では、磁石ローラ上に発生した磁力線に沿って現像剤で形成された磁気ブラシは、現像主極に形成されるブラシ部分のみが感光体に接し、感光体上の静電潜像を顕像化する。この際、感光体が接しない状態とすると当該箇所での磁気ブラシの長さは約1mmで、従来の磁石ローラで形成される磁気ブラシよりも穂立ちが短く、密になった状態を作り出すことが可能となった。現像剤規制部材と現像スリーブの間の距離が従来と同じである場合には、現像剤規制部材を通過する現像剤量が同じであるので、現像領域にある磁気ブラシは短く、密になっている。現像スリーブ表面から1mm離れたところでの法線磁束密度が大きく減少しているので、磁気ブラシは現像スリーブより離れたところではブラシチェーンを形成することができず、磁気ブラシが短く現像スリーブ表面に密に形成する。その結果上記したような細線再現性、後端白ぬけなどが改善された。
しかし、この現像方式は、通常の現像方式よりも現像剤にストレスを与えるために現像剤の流動度が経時で低下する。流動性が悪くなることにより現像剤の汲み上げ量が少なくなったり、現像剤規制部材の後ろに現像剤が滞ったり、現像剤の固まりが現像剤規制部材の裏側に入り現像剤の汲み上げ不良になりやすい。この汲み上げ不良は、最終的に、画像濃度不足に繋がる。また、画質改善のために体積平均粒径が30〜60μmのキャリアを用いることは、キャリアの凝集性を高め、流動度を低下させることになり、汲み上げ不良の原因となる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の本発明は、非磁性体のスリーブと当該スリーブ内に固定配置され複数の磁極を備えた磁石ローラとを備え、前記スリーブを回転させ、その外周面に磁性を有した現像剤を磁気吸着させて磁気ブラシを形成し、対向する潜像担持体に当該磁気ブラシを摺擦し、スリーブと潜像担持体との間で形成される現象領域で潜像担持体上の潜像を可視化する現像方法において、その現像領域で潜像担持体上の潜像を可視化する現像方法において、
上記スリーブの摺擦領域法線方向磁束密度が100〜200mTで半値幅が25%以下で減衰率が40%以上であり、隣り合う磁極との角度間隔が35°以内であり、且つ、現像主極位置での剤密度が65〜95mg/cm2で、現像ギャップが0.3〜0.5mmであり、現像動作終了時に現像スリーブが現像動作時と逆に回転をしてから回転が停止することを特徴とする現像方法である。
【0008】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の現像方法において、前記現像方法は、現像スリーブの逆転量が6分の1回転以上1回転以下であることを特徴とする現像方法である。
請求項3に記載の本発明は、請求項1または2に記載の現像方法において、前記現像方法は、飽和磁化が40〜60emu/gのフェライトを芯材として用いたキャリアであることを特徴とする現像方法である。
請求項4に記載の本発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の現像方法おいて、前記現像方法は、キャリアの体積平均粒径が30〜60μmの範囲にあることを特徴とする現像方法である。
請求項5に記載の本発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の現像方法において、前記現像方法は、現像剤の流動度が30〜50sec/50gの範囲にあることを特徴とする現像方法である。
請求項6に記載の本発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の現像方法において、前記現像方法は、キャリアの流動度が20〜40sec/50gの範囲にあることを特徴とする現像方法である。
【0009】
請求項7に記載の本発明は、非磁性体のスリーブと当該スリーブ内に固定配置され複数の磁極を備えた磁石ローラとを備え、前記スリーブを回転させ、その外周面に磁性を有した現像剤を磁気吸着させて磁気ブラシを形成し、対向する潜像担持体に当該磁気ブラシを摺擦し、スリーブと潜像担持体との間で形成される現象領域で潜像担持体上の潜像を可視化する現像装置において、
上記スリーブの現像領域法線方向磁束密度が100〜200mTで半値幅が25°以下で減衰率が40%以上であり、隣り合う磁極との角度間隔が35°以内であり、且つ、現像主極位置での剤密度が65〜95mg/cm2で、現像ギャップが0.3〜0.5mmであり、現像動作終了時に現像スリーブが現像動作時と逆に回転をしてから回転が停止することを特徴とする現像装置である。
【0010】
請求項8に記載の本発明は、請求項7に記載の現像装置において、前期現像装置は、現像スリーブの逆転量が6分の1回転以上1回転以下であることを特徴とする現像装置である。
請求項9に記載の本発明は、請求項7または8に記載の現像装置において、前期現像装置は、飽和磁化が40〜60emu/gのフェライトを芯材として用いたキャリアであることを特徴とする現像方法を用いた現像装置である。
請求項10に記載の本発明は、請求項7ないし9のいずれかに記載の現像装置において、前記現像装置は、キャリアの体積平均粒径が30〜60μmの範囲にあることを特徴とする現像装置である。
請求項11に記載の本発明は、請求項7ないし10のいずれかに記載の現像装置において、前記現像装置は、現像剤の流動度が30〜50sec/50gの範囲にあることを特徴とする現像装置である。
請求項12に記載の本発明は、請求項7ないし11のいずれかに記載の現像装置において、前記現像装置は、キャリアの流動度が20〜40sec/50gの範囲にあることを特徴とする現像装置である。
請求項13に記載の本発明は、像担持体上に露光して潜像を書き込み、該潜像をトナーを含む現像剤により現像して、形成されたトナー像を記録紙に転写後定着させ、画像を得る画像形成装置において、請求項7ないし12のいずれかに記載の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の詳細を、図に示す例に基づいて説明する。先ず本発明に係る現像装置を含む感光体ユニット全体について説明する。図1において、潜像担持体である感光体ドラム1の周囲には、当該ドラム表面を帯電するための帯電装置2、一様帯電処理面に潜像を形成するためのレーザー光線でなる露光3、感光体ドラム1表面の潜像に帯電トナーを付着することで可視像を形成する現像装置4、形成されたドラム上の可視像を記録紙へ転写するための転写装置5、感光体ドラム1上の残留トナーを除去するためのクリーニング装置6が順に配設されている。このような構成において、帯電装置2の帯電チャージャーによって表面を一様に帯電された感光体ドラム1は、露光3によって静電潜像を形成され、現像装置4によって可視像を形成される。当該可視像は、転写ベルトなどでなる転写装置5によって、感光体ドラム1表面から、不図示の給紙トレイから搬送された記録紙へ転写される。この転写の際に感光体ドラム1に静電的に付着した記録紙は、感光体ドラム1から分離される。そして未定着の記録紙上の可視像は不図示の定着装置によって記録紙に定着される。一方、転写されずに感光体ドラム1上に残留したトナーは、クリーニング装置6によって除去され回収される。残留トナーが除去されて初期化された感光体ドラム1は、次回の画像形成プロセスに供される。
【0012】
上記現像装置4の構成を更に説明する。現像装置4内には、現像剤担持体である現像ローラ48が感光体ドラム1に近接するように配置されていて、双方の対向部分に現像領域が形成される。現像ローラ48では、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂などの非磁性体を円筒形に形成してなる現像スリーブ46が不図示の回転駆動機構によって反時計回り方向に回転されるようになっている。本実施例においては、感光体ドラム1のドラム径が100mmで、ドラム線速が330mm/秒に設定され、現像スリーブ46のスリーブ径が25mmで、スリーブ線速が660mm/秒に設定されている。したがって、ドラム線速に対するスリーブ線速の比は2.0である。また感光体ドラム1と現像スリーブ46との間隔である現像ギャップは0.5mmに設定されている。現像ギャップは、従来ではキャリア粒径が50μmであれば0.65mmから0.8mm程度、言い換えれば、現像剤粒径の10倍前後に設定されていたが、本発明では現像主極の磁力が大きいため、現像剤粒径の30倍程度に設定することが可能である。これより広くすることは望ましい画像濃度を出にくくする。スリーブ線速のドラム線速に対する比は最低1.5まで下げても、必要な画像濃度を得ることができる。
【0013】
現像剤の搬送方向(図で見て反時計回り方向)における現像領域の上流側部分には、現像剤チェーン穂の穂高さ、即ち、現像スリーブ46上の現像剤量を規制するドクタブレード47が設置されている。このドクタブレード47と現像スリーブ46との間隔であるドクタギャップは0.3mmに設定されている。更に現像ローラ48の感光体ドラム1とは反対側領域には、現像ケーシング40内の現像剤を攪拌しながら現像ローラ46へ汲み上げるためのスクリュー45が設置されている。
【0014】
現像スリーブ46内の磁石配置を図2で詳細に説明する。上記現像スリーブ46内には、当該現像スリーブ46の周表面に現像剤を穂立ちさせるように磁界を形成する磁石ローラ体が固定状態で備えられている。この磁石ローラ体から発せられる法線方向磁力線に沿うように、現像剤のキャリアが現像スリーブ46上にチェーン状に穂立ちされ、このチェーン状に穂立ちされたキャリアに帯電トナーが付着されて、磁気ブラシが構成される。当該磁気ブラシは現像スリーブ46の回転によって現像スリーブ46と同方向(図で見て反時計回り方向)に移送されることとなる。従来の現像主極1極の例を図3に示した。現像主極P1はN極であり、磁気ブラシを形成し、現像する。本発明の上記磁石ローラ体は、複数の磁極(磁石)を備えている。図2に示されるように、上記現像主極群P1は、P1a,P1b,P1cの順で上流側から並ぶ横断面の小さな磁石から構成されている。横断面の小さいこれら磁石は希土類金属合金により作製されている。
【0015】
磁気特性の一例を以下に示す。
図2及び図4は、現像スリーブ46表面上の法線方向の磁束密度を測定した円チャートグラフである。使用した計測装置はADS社製ガウスメーター(HGM−8300)並びにADS社製A1型アキシャルプローブであり、円チャートレコーダにて記録した。
法線方向磁束密度の減衰率とは、現像スリーブ46表面上の法線方向磁束密度のピーク値からと現像スリーブ46表面から1mm離れたところでの法線方向磁束密度のピーク値の差を現像スリーブ46表面上の法線方向磁束密度のピーク値で割った比率である。図2及び図4の点線で示したグラフは、現像スリーブ46表面から1mm離れた所での法線方向の磁束密度を測定したものである。
半値中央角とは、法線方向の磁力分布曲線の最高法線磁力或いはピーク磁束密度の半分の値を指す部分の角度幅のことであり、磁極角度を規定している。半値中央角度幅、半値幅と称することもある。
【0016】
本実施例では、現像主磁石P1bと、現像スリーブ46上に現像剤を汲み上げるための磁石P4と、汲み上げられた現像剤を現像領域まで搬送する磁石P6と、現像後の領域で現像剤を搬送する磁極P2,P3がN極をなし、現像主磁極磁力の形成を補助する主磁極磁力形成補助磁石P1a,P1cと、汲み上げられた現像剤を搬送する磁石P5がS極をなしている。主磁石P1bには現像ローラ48上で120mT以上の法線方向磁力を有する磁石が用いられた。当該主磁石P1bより回転下流側の主磁極磁力形成補助磁石P1cと共に、例えば100mT以上の磁力を有すれば、キャリア付着などの異常画像の発生が無い。これよりも小さい磁力の場合にはキャリア付着が発生した。キャリア付着に関係する磁力は接線磁力であり、この接線磁力を大きくするためには、P1b,P1cの磁力を大きくする必要があるが、どちらかを十分に大きくすることで、キャリア付着の発生を抑えることができる。磁石P1a,P1b,P1cの磁石幅は2mmであった。この時のP1bの半値中央角は16°であった。
【0017】
主磁極の半値中央角は25°を境に、それより大きくすると異常画像を発生する。比較のため、図4に従来の磁石ローラでの磁力詳細を概略的に示す。
主磁極磁力形成補助磁石P1a,P1cの半値中央角は35°以下に形成する。また主磁石P1bと主磁極磁力形成補助磁石P1a,P1cの位置関係は、図3に示されたように、主磁石P1bの両側にある主磁極磁力形成補助磁石P1a,P1cによる挟角を35°以下に形成する。上記の例では、主磁極での半値中央角を16°に設定するために当該挟角は25°とした。更に主磁極磁力形成補助磁石P1a,P1cと当該補助磁石の外側にある磁石P2,P6とによる変極点(法線方向の磁力が0mTになる点をいう(0mT:磁力がN極からS極、S極からN極に変わる点))の挟角を120°以下にする。
【0018】
各磁極の特性は、主磁極P1bの現像スリーブ46表面上の法線方向の磁束密度は120mTを示し、現像スリーブ46表面から1mm離れた部分での法線方向磁束密度は55.8mTであり、磁束密度の変化量は64.2mTの磁力差を観測した。この時の法線方向磁束密度の減衰率は53.5%である。主磁極P1bの上流側に位置する主磁極磁力形成補助磁石P1aの現像スリーブ46表面上の法線方向磁束密度は100mTを示し、現像スリーブ46表面上から1mm離れた部分での法線方向磁束密度は53.3mTであり、磁束密度の変化量は46.7mTの磁力差を測定した。この時の法線方向磁束密度の減衰率は46.7%である。主磁極P1bの下流側に位置する主磁極磁力形成補助磁石P1cの現像スリーブ46表面上の法線方向磁束密度は120mTを示し、現像スリーブ46表面上から1mm離れた部分での法線方向磁束密度は67.4mTであり、磁束密度の変化量は52.6mTの磁力差を測定した。この時の法線方向磁束密度の減衰率は43.8%である。
【0019】
本実施例では、磁石ローラ上に発生した磁力線に沿って現像剤で形成された磁気ブラシは、主磁極P1bに形成されるブラシ部分のみが感光体に接し、感光体上の静電潜像を顕像化する。この際、感光体が接しない状態とすると当該箇所での磁気ブラシの長さは約1mmで、従来の磁石ローラで形成される磁気ブラシよりも穂立ちが短く、密になった状態を作り出すことが可能となった。この現象は、現像スリーブ46表面から1mm離れたところでの法線磁束密度が大きく減少しているので、磁気ブラシは現像スリーブ46より離れたところではブラシチェーンを形成することができず、磁気ブラシが短く現像スリーブ46表面に密に形成することとなる。ちなみに図4に示した従来の磁石ローラでは主磁極の現像スリーブ46表面上の法線方向磁束密度は90mTを示し、現像スリーブ46表面上から1mm離れた部分での法線方向磁束密度は63.9mTであり、磁束密度の変化量は26.1mTの磁力差を測定した。この時の法線方向磁束密度の減衰率は29%である。
【0020】
以上の条件を満たすことにより、主磁極での磁気ブラシが感光体ドラム1に接触して現像する方法では、現像ニップが現像剤粒径以上で2mm以下となり、後端白抜けがなく、横細線や1ドットのように小さい画像であっても十分に形成することができる。
その際のメカニズムは、画像濃度の低い感光体上の可視像(付着量の少ない可視像)を、本例の磁気ブラシを使用して現像する場合、現像ニップ幅が小さいため、感光体上を摺擦する磁気ブラシの接触量(時間)が少なくなり、磁気ブラシ先端部に発生する感光体とキャリアの摩擦で発生するカウンターチャージの発生量が低下する。結果として、カウンターチャージをもったキャリアが可視像を引き付けることで画像後端部が白く抜ける現象を抑えることが可能となる。したがって、画像濃度の低い感光体上の可視像の再現性を向上することが可能となった。また画像濃度が高くなる理由としては、本例の磁石ローラを使用することにより、主磁極P1bの磁気ブラシの長さが小さくなり、現像ニップ幅を小さくすることが可能となり、したがって、現像スリーブ46が回転移動し、主磁極P1bを通過する際の短くなった磁気ブラシが立ち始め現像ニップ間を通過する時間が早くなり、対感光体線速比がこの部分だけ早くなる現象が起こっているため、感光体に摺擦する現像剤の量が増加するために画像濃度が高くなるのである。結果として、後端白抜けの無い画像を形成できる。このように現像性の向上した現像装置を提供することができる。
現像主極位置における剤密度は65〜95mg/cm2であり、現像ギャップは0.3〜0.5mmである。
【0021】
次に本発明に用いるキャリアの製法及びトナーの製法について説明する。
本発明に用いる芯材の平均粒径としては30〜60μmの従来から公知の磁性体が使用され、例えば鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属やマグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの合金あるいは化合物等が挙げられる。ところで、キャリアはその磁気特性で現像スリーブ46に内蔵されたマグネットローラーによって影響を受け、現像剤の現像特性及び搬送性に大きく影響を及ぼすものである。キャリアの残留磁化及び保磁力が高すぎることは、現像器内の現像剤の良好な搬送性を妨げ、画像欠陥としてカスレやベタ画像中での濃度不均一等が発生しやすくなり、現像能力を低下させる。それゆえ、現像性を維持するためには、その残留磁化が10emu/g以下、好ましくは5emu/g以下、より好ましくは実質上0であり、保磁力が40エルステッド以下(3000エルステッド、印加磁場に対し)、好ましくは30エルステッド以下、より好ましくは10エルステッド以下であることが重要である。これらの点を考慮した場合、コア材料としては、フェライトを使用するのが好ましい。フェライト芯材を用いたときのキャリアの飽和磁化は40〜60emu/gである。
【0022】
本発明に用いられる被覆樹脂としては、一般的な熱硬化型シリコーン樹脂を使用する。また、キャリア抵抗の調整等の目的で、被覆層中に微粉末を添加するが、被覆層中に分散される微粉末は、0.01〜5.0μm程度の粒径のものが好ましい。さらに、キャリア帯電特性を調整する目的及び被覆層と磁性体粒子との接着性を向上させる等の目的で、カップリング剤、特にシランカップリング剤を用いることができる。例えば、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン(以上、トーレ・シリコン社製)、アリルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、1.3−ジビニルテトラメチルジシラザン、メタクリルオキシエチルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド(以上チッソ社製)等が挙げられる。
【0023】
本発明におけるトナーとしては、従来の公知の方法を用いて作製したものを広く用いることができる。具体的には、結着樹脂、離型剤、着色剤及び極性制御剤よりなる混合物を、熱ロールミルで溶融混練した後、冷却固化し、これを粉砕分級して得られる。具体的には、結着樹脂、着色剤、極性制御剤、必要に応じて任意の添加物などから構成される。本発明に使用することのできるトナーとしては、重量平均粒径が6〜10μmの範囲であるが、トナーの重量平均粒径は、種々の方法によって測定できる。本発明では具体的には、例えばコールターカウンターを使用する方法を挙げることができる。
【0024】
上述の測定に使用することのできるコールターカウンターとしては具体的にはコールターカウンターII型(コールター社製)を挙げることができ、得られた結果は例えば個数分布、体積分布と言った特性について解析される。この際に使用する電解液としては1級塩化ナトリウムを使用して調節した1%塩化ナトリウム水溶液を挙げることができる。具体的測定例については後述するものとする。
この場合の結着樹脂としては、従来からトナー用結着樹脂として使用されてきたものの全てが適用される。具体的には、ポリスチレン、ポリクロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン/p−クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、スチレン/ビニルナフタリン共重合体、スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン/ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン/ビニルメチルケトン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/アクリロニトリル/インデン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルブチルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、これらは、単独であるいは2種以上混合して使用される。
【0025】
また、着色剤としては、トナー用として公知のものがすべて使用できる。黒色の着色剤としては、例えばカーボンブラック、アニリンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック等が使用できる。シアンの着色剤としては、例えばフタロシアニンブルー、メチルレンブルー、ビクトリアブルー、メチルバイオレット、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー等が使用できる。マゼンタの着色剤としては、例えばローダミン6Gレーキ、ジメチルキナクリドン、ウォッチングレッド、ローズベンガル、ローダミンB、アリザリンレーキ等が使用できる。イエローの着色剤としては、例えばクロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノリンイエロー、タートラジン等が使用できる。 これらのトナーは、帯電付与をより効果的にするために、少量の帯電付与剤、例えば染顔料、極性制御剤などを含有することができる。極性制御剤としては、例えばモノアゾ染料の金属錯塩、ニトロフミン酸及びその塩、サリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のCo、Cr又はFe等の金属錯体、有機染料、四級アンモニウム塩等がある。
【0026】
また、トナー用の添加剤として、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等が一般的なものとして挙げられるが、特に限定するものではない。本発明では、添加剤として、シリコーンオイル処理剤にて処理した微粒子を用いることを特徴とする。微粒子としては、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等が挙げられる。シリカ微粒子の処理剤の具体例としては、分子中に反応性基を有する変性シリコーンオイル、ハイドロジェンシリコーンオイルまたはフッ素含有シリコーンオイルの1種以上を用いることが好ましいが、分子中にこのような活性な基を有さない未変性シリコーンオイルを用いることも可能である。分子中に反応基を有する変性シリコーンオイルとしては、分子中にヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、エーテル基、およびメルカプト基からなる群から選ばれる基を1種以上含む変性シリコーンオイルの1種以上が好ましい。また、シリコーンオイルの粘度は室温で5〜15000cpであるものが好ましい。シリコーンオイル処理剤にて処理したシリカ微粒子を用いる場合、シリカ微粒子による感光体ドラムの摩耗が低減される。
酸化チタンの表面積としては、BET法による窒素吸着によった比表面積が30m2/g以上、特に50〜400m2/gの範囲のものが良好な結果が得られる。トナーを小粒径化により、摺擦による過剰帯電を生じやすくなるが、これに対して帯電を制御し、流動性を付与できる酸化チタン微粒子を含有させことにより、連続でプリントした場合での帯電量が上昇を抑止し、カウンターチャージよる非画像部へのキャリア付着を防止できる。
しかし、酸化チタン微粒子をシリカ微粒子よりも多量に添加すると、プリント経時での帯電量の低下が発生する。このため、酸化チタン微粒子/シリカ微粒子の添加比率を0.6以下でにすることで防止できる。微粉末の総添加量は、トナーに対しても0.5〜2重量%で使用することが好適である。
【0027】
本実施例に用いるトナー及びキャリアの処方及び製法を説明する。処方に記載されている特性値についての説明を以下に示す。
キャリアの磁気特性の測定装置は、BHU−60型磁化測定装置(理研測定製)を用いる。具体的に述べると測定試料は約1.0g秤量し内径7mmφ、高さ10mmのセルにつめ、前記の装置にセットする。測定は印加磁場を徐々に加え最大3,000エルステッドまで変化させる。次いで印加磁場を減少せしめ、最終的に記録紙上に試料のヒステリシスカーブを得る。これより、飽和磁化、残留磁化、保磁力を求める。
キャリアの粒度分布の測定装置は、マイクロトラック粒度分析計(日機装株式会社)のSRAタイプを使用し、0.7〜125μmのレンジ設定で行った。
キャリアの比抵抗の測定方法を、図5に基いて説明する。セルAにキャリアを充填し、これに接するように電極BおよびCを接続し、この電極間に電圧を印加する。その際流れる電流を測定し、比抵抗を求める。この方法はキャリアが粉体であるために充填率に変化を生じ、それが原因で比抵抗が変化することがあるので注意を要する。本発明における比抵抗の測定条件は充填キャリアと接触する電極の面積S=約4.0cm2、厚さ=約2mm、上部電極Cの荷重275g、印加電圧500Vとした。
キャリアの流動度は、50gのキャリアが細孔から落下するのに要する時間であって、その測定はJIS−Z 2504に基いて、試料を温度23℃±3℃、湿度60%±10%の環境に2時間放置後、行なう。
【0028】
トナー表面の動摩擦係数は、質量3gのトナーに6t/cm2の荷重をかけ直径40mmの円盤状のペレットにしたものを協和界面科学(株)社製全自動摩擦摩耗解析装置を用いて測定した。この時の接触子として3mmステンレス球の点接触子を用いた。
【0029】
キャリア用コート剤をコアにコーティングする方法は特に限定されず、例えばディップコーティング法、スプレーコーティング法、フローコーターを用いる流動スプレーコーティング法等が採用できる。キャリア用コート剤をコーティグした後は、被覆膜の硬化および乾燥を行なうが、加熱、あるいは加熱および加湿を行なえば、さらに速やかに硬化・乾燥が完了する。被覆膜の厚みは2μm以下程度、好ましくは0.1〜1μmである
【0030】
実施例1及び2で使用したトナーT−1の作製
ポリエステル樹脂 90部
エステルワックス(粒径400μm) 5部
カーボンブラック 5部
含金属モノアゾ染料 1部
これらの混合物をヘンシェルミキサー中で十分攪拌混合した後、ロールミルで80℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後得られた混練物をジェットミルで粉砕分級し、6.5μmの粒径で4μm以下の微粉量60%の分級トナーを得た。この分級品100部に対し、シリカ微粒子1.0部 チタニア微粒子0.7部をヘンシェルミキサーで1500rpm 添加混合し、トナーT1(重量平均粒径6.7μm )を得た。
【0031】
実施例1で使用した従来のキャリアC−1の作製
シリコーン樹脂(20%) 120部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 3部
カーボンブラック 4部
トルエン 80部
これらの処方をホモミキサーで20分間分散して被覆層形成液を調製した。
これをフェライト1000部(重量平均粒径 55μm、 飽和磁化50emu/g 、電流値22μA、 流動度25sec/50g)の表面に、流動床型塗布装置を用い、スプレーエアー圧0.4MPaで被覆層を形成した後、電気炉にて300℃、2時間焼成してキャリアを作製し、流動度29sec/50g、飽和磁化50emu/gのキャリアを得た。
【0032】
実施例2で使用したキャリアC−2の作製
シリコーン樹脂(20%) 120部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 3部
カーボンブラック 1部
トルエン 80部
これらの処方をホモミキサーで20分間分散して被覆層形成液を調製した。
これをフェライト1000部(重量平均粒径 55μm、 飽和磁化50emu/g、 電流値30μA、磁性体流動度35sec/50g)の表面に、流動床型塗布装置を用い、スプレーエアー圧0.4MPaで被覆層を形成した後、電気炉にて300℃、2時間焼成してキャリアを作製し、流動度40sec/50g、飽和磁化50emu/gのキャリアを得た。
【0033】
実施例2で使用したキャリアC−3の作製
シリコーン樹脂(20%) 120部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 3部
カーボンブラック 3部
トルエン 80部
これらの処方をホモミキサーで20分間分散して被覆層形成液を調製した。
これをフェライト1000部(重量平均粒径 55μm、 飽和磁化50emu/g、 電流値30μA、磁性体流動度15sec/50g)の表面に、流動床型塗布装置を用い、スプレーエアー圧0.1MPaで被覆層を形成した後、電気炉にて300℃、2時間焼成してキャリアを作製し、静抵抗13.8LogΩ、流動度20sec/50g、飽和磁化50emu/gのキャリアを得た。
【0034】
実施例2で使用したキャリアC−4の作製
シリコーン樹脂(20%) 120部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 3部
カーボンブラック 3部
トルエン 80部
これらの処方をホモミキサーで20分間分散して被覆層形成液を調製した。
これをフェライト1000部(重量平均粒径 55μm、 飽和磁化50emu/g、 電流値30μA、磁性体流動度45sec/50g)の表面に、流動床型塗布装置を用い、スプレーエアー圧0.1MPaで被覆層を形成した後、電気炉にて300℃、2時間焼成してキャリアを作製し、静抵抗13.8LogΩ、流動度50sec/50g、飽和磁化50emu/gのキャリアを得た。
【0035】
実施例2で使用したキャリアC−5の作製
シリコーン樹脂(20%) 120部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 3部
カーボンブラック 3部
トルエン 80部
これらの処方をホモミキサーで20分分散して被覆層形成液を調製した。
これをフェライト1000部(重量平均粒径 55μm、 飽和磁化50emu/g、 電流値30μA、磁性体流動度10sec/50g)の表面に、流動床型塗布装置を用い、スプレーエアー圧0.1MPaで被覆層を形成した後、電気炉にて300℃、2時間焼成してキャリアを作製し、静抵抗13.8LogΩ、流動度15sec/50g、飽和磁化50emu/gのキャリアを得た。
【0036】
(実施例1)
実施例用に作成したトナーT−1とキャリアC−1でトナー濃度5%現像剤を作成した。
現像主極の磁束密度は120mTで磁束密度の減衰率が53.5%で半値幅は16°である。本実施例に用いた現像スリーブ径は、φ25mmである。
現像スリーブの逆転有無と逆転量を変化させで実験を行った。
評価項目は、トナー飛散量と逆転持の現像剤溢れ、汲み上げ不良の発生を比較した。評価方法は、画像面積率1%、通紙モードは、両面画像を一枚ずつ12秒ごとに出力させ、10万枚出力をして現象が発生しなかったものは○で、発生したものは×で評価を行った。
【0037】
【表1】
【0038】
画像面積率の少ない物を一枚ずつ作像することにより、現像剤の劣化が促進される。この状態で通紙を行うことで汲み上げ不良の改善状態が評価できる。
通常の逆回転無しでは、汲み上げ不良がほぼ全域で起きている。
逆転量1/8回転では、逆回転を行わないよりは良いが、あまり差違が見いだせない。
逆転量を1/6以上にするとドクターブレード47に蓄積されている現像剤が完全に離脱することにより汲み上げ不足が起きていない。
逆回転量を1回転より多くすると現像スリーブ46から現像剤が除去され、次の現像時に現像剤が安定して汲み上がらない副作用あった。
また逆転量を2回転にしたときは、逆転時にドクターブレード47の現像領域側に現像剤が多量に溜まるため次の現像時に現像剤が多量に汲み上げられ結果として現像剤溢れになる。
トナー飛散は、現像スリーブ46から現像剤が除去される量が多くなると現像スリーブ46と現像装置の間に隙間が空きすぎるために現像装置内のトナーが現像スリーブ46から出てきて画像形成装置内をトナーで汚すのでトナー飛散は、現像スリーブ46から現像剤が除去される1.2回転から多く回転するとトナー飛散が発生する。
【0039】
(実施例2)
実施例用に作成したトナーT−1とキャリアから下記の表2の組み合わせでトナー濃度5%現像剤を作成した。現像主極の磁束密度は120mTで磁束密度の減衰率が53.5%で半値幅は16°である。現像スリーブ46溝の深さは、0.2mm、溝本数は50本を用いた。評価項目は、トナー飛散量と逆転持の現像剤溢れ、汲み上げ不良の発生を比較した。評価方法は、現像終了時に現像スリーブ46を逆転量1/8回転させ画像面積率1%、通紙モードは、両面画像を一枚ずつ12秒ごとに出力させ、10万枚出力をして現象が発生しなかったものは○で、発生したものは×で評価を行った。
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
表3の結果より、キャリアの流動性によって汲み上げ量に差があり、流動性が良い(流動性の数字が低いと流れ易い)と汲み上げ量が少ないが、流動性が極端に悪いと現像剤が流れにくくなり、それに伴い汲み上げ量も低下する。逆転時も同じことが言え、流動度の悪いものは、現像剤の移動が悪いためにドクターギャップ47のところに滞っている現像剤を除去できない。また流動度の良すぎる現像剤では単純に汲み上げ量不足になる。
【0043】
キャリアの流動性により現像スリーブ46上のキャリアとトナーにより構成されるブラシ状の穂立ちがの状態が変化し、流動性が良いと柔らかく流動的な穂の状態になるので、ドクターギャップ47内も現像剤が通過しやすい状態なので現像剤の押し込み効果が少なく汲み上げ量が少なくなる。現像剤があまり摺擦されることがなくトナー汚れが増えてしまう。現像領域において柔らかく流動的な穂は、画質向上になるが、余り流動性が良くなり過ぎると穂の高さが高くなったとき、キャリア落ちし易くなると共に、画像濃度が不足しトナー汚れの数が多くなった。
【0044】
逆に流動性が悪いと堅く締った穂の状態となり、ドクターギャップ47手前で現像剤が滞ることから、現像剤の押し込み効果で汲み上げ量は、増えるが、あまりに悪くなりすぎると、ドクターの前で現像剤が滞りドクターギャップ47を擬似的に狭くしているようになる。あまり流動性が悪くなり過ぎると、ドクターギャップ47の手前で現像剤が滞りドクターギャップ47を通過することができなくなるので汲み上げ不良になる。
【0045】
表3の結果より、キャリアの流動性によって汲み上げ量に差があり、流動性が良い(流動性の数字が低いと流れ易い)と汲み上げ量が少ないが、流動性が極端に悪いと現像剤が流れにくくなり、それに伴い汲み上げ量も低下する。
逆転時流動度の悪いものは、現像剤の移動が悪いためにドクターギャップ47のところに滞っている現像剤を除去しきれないので汲み上げ不良になる。
また流動度の良いすぎる現像剤では単純に汲み上げ量不足になる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の現像方法では、経時現像剤劣化による汲み上げ不良を低減する効果を有する。
さらに、本発明の画像形成装置では、汲み上げ不良を低減し、良好な画像を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いた画像形成装置例としてのデジタル画像形成装置感光体周りの概略図である。
【図2】本発明に用いた現像主極磁石配置及び磁束密度円グラフである。
【図3】従来の現像に用いられていた磁極配置と磁束密度円グラフである
【図4】本発明に用いた磁石配置図である。
【図5】キャリア静抵抗測定器の概略図である。
【図6】従来の磁極配置と磁束密度円グラフである。
【図7】現像スリーブ現像動作時の現像剤の様子を示す模式図である。
【図8】現像スリーブ逆転動作時の現像剤の様子を示す模式図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
2 帯電装置
4 現像装置
40 現像ケーシング
45 スクリュー
46 現像スリーブ
47 ドクタブレード
48 現像ローラ
5 転写装置
6 クリーニング装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、現像剤担持体表面の現像領域部分に現像剤を穂立ちさせて現像処理するための現像主磁極を備えた現像装置、及び当該現像装置に用いる現像剤を装着した画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの電子写真式や静電記録式などによる各種画像形成装置においては、感光体ドラムや感光体ベルトなどからなる潜像担持体上に画像情報に対応した静電潜像が形成され、現像装置によって現像動作が実行されて、可視像を得る。このように現像動作を実行するにあたり、転写性、ハーフトーンの再現性、温度・湿度に対する現像特性の安定性などの観点から、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を用いた磁気ブラシ現像方式が主流になってきている。このような方式の現像装置では、現像剤担持体上に2成分現像剤がブラシチェーン状に穂立ちされて保持されながら、潜像担持体に対向する現像領域に搬送されて、現像剤中のトナーを潜像担持体上の静電潜像部分に供給するのである。
【0003】
上記現像剤担持体は、通常円筒状に形成されたスリーブ(現像スリーブ)を備えて構成されると共に、当該スリーブ表面に現像剤を穂立ちさせるように磁界を形成する磁石体(磁石ローラ)をスリーブ内部に有している。
上記スリーブと磁石体の少なくとも一方が動くことでスリーブ表面に穂立ちされた現像剤が移動するようになっている。現像領域に搬送された現像剤は上記現像主磁極から発せられる磁力線に沿って穂立ちし、この現像剤のチェーン穂は撓むように潜像担持体表面に接触し、接触した現像剤のチェーン穂が潜像担持体との相対線速差に基づいて静電潜像と擦れ合いながら、トナー供給を行うのである。
【0004】
公知例として、特開2001―305360、特開2001―347506などに示されている画像改良技術がある。
この技術は、高濃度部と低濃度部との双方同時に改善するため、非磁性体のスリーブと当該スリーブ内に固定配置され複数の磁極を備えた磁石ローラとを備え、前記スリーブを回転させ、その外周面に磁性を有した現像剤を磁気吸着させて磁気ブラシを形成し、対向する潜像担持体に当該磁気ブラシを摺擦させ、その摺擦する現像領域で潜像担持体上の潜像を可視化する現像装置において、上記の摺擦する現像領域の法線方向磁束密度の減衰率、また、摺擦する現像領域に係る主磁極と隣り合う磁極の法線方向磁束密度の減衰率、あるいは摺擦する現像領域に係る主磁極と隣り合う磁極との角度を規定したものである。この技術で現像効率がアップし、細線の再現性、後端白ぬけ現象が改善されると提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−305360
【特許文献2】
特開2000−347506
【特許文献3】
特開2001−5296
【特許文献4】
特開2001−27849
【特許文献5】
特開2001−134100
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記公知例では、磁石ローラ上に発生した磁力線に沿って現像剤で形成された磁気ブラシは、現像主極に形成されるブラシ部分のみが感光体に接し、感光体上の静電潜像を顕像化する。この際、感光体が接しない状態とすると当該箇所での磁気ブラシの長さは約1mmで、従来の磁石ローラで形成される磁気ブラシよりも穂立ちが短く、密になった状態を作り出すことが可能となった。現像剤規制部材と現像スリーブの間の距離が従来と同じである場合には、現像剤規制部材を通過する現像剤量が同じであるので、現像領域にある磁気ブラシは短く、密になっている。現像スリーブ表面から1mm離れたところでの法線磁束密度が大きく減少しているので、磁気ブラシは現像スリーブより離れたところではブラシチェーンを形成することができず、磁気ブラシが短く現像スリーブ表面に密に形成する。その結果上記したような細線再現性、後端白ぬけなどが改善された。
しかし、この現像方式は、通常の現像方式よりも現像剤にストレスを与えるために現像剤の流動度が経時で低下する。流動性が悪くなることにより現像剤の汲み上げ量が少なくなったり、現像剤規制部材の後ろに現像剤が滞ったり、現像剤の固まりが現像剤規制部材の裏側に入り現像剤の汲み上げ不良になりやすい。この汲み上げ不良は、最終的に、画像濃度不足に繋がる。また、画質改善のために体積平均粒径が30〜60μmのキャリアを用いることは、キャリアの凝集性を高め、流動度を低下させることになり、汲み上げ不良の原因となる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の本発明は、非磁性体のスリーブと当該スリーブ内に固定配置され複数の磁極を備えた磁石ローラとを備え、前記スリーブを回転させ、その外周面に磁性を有した現像剤を磁気吸着させて磁気ブラシを形成し、対向する潜像担持体に当該磁気ブラシを摺擦し、スリーブと潜像担持体との間で形成される現象領域で潜像担持体上の潜像を可視化する現像方法において、その現像領域で潜像担持体上の潜像を可視化する現像方法において、
上記スリーブの摺擦領域法線方向磁束密度が100〜200mTで半値幅が25%以下で減衰率が40%以上であり、隣り合う磁極との角度間隔が35°以内であり、且つ、現像主極位置での剤密度が65〜95mg/cm2で、現像ギャップが0.3〜0.5mmであり、現像動作終了時に現像スリーブが現像動作時と逆に回転をしてから回転が停止することを特徴とする現像方法である。
【0008】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の現像方法において、前記現像方法は、現像スリーブの逆転量が6分の1回転以上1回転以下であることを特徴とする現像方法である。
請求項3に記載の本発明は、請求項1または2に記載の現像方法において、前記現像方法は、飽和磁化が40〜60emu/gのフェライトを芯材として用いたキャリアであることを特徴とする現像方法である。
請求項4に記載の本発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の現像方法おいて、前記現像方法は、キャリアの体積平均粒径が30〜60μmの範囲にあることを特徴とする現像方法である。
請求項5に記載の本発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の現像方法において、前記現像方法は、現像剤の流動度が30〜50sec/50gの範囲にあることを特徴とする現像方法である。
請求項6に記載の本発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の現像方法において、前記現像方法は、キャリアの流動度が20〜40sec/50gの範囲にあることを特徴とする現像方法である。
【0009】
請求項7に記載の本発明は、非磁性体のスリーブと当該スリーブ内に固定配置され複数の磁極を備えた磁石ローラとを備え、前記スリーブを回転させ、その外周面に磁性を有した現像剤を磁気吸着させて磁気ブラシを形成し、対向する潜像担持体に当該磁気ブラシを摺擦し、スリーブと潜像担持体との間で形成される現象領域で潜像担持体上の潜像を可視化する現像装置において、
上記スリーブの現像領域法線方向磁束密度が100〜200mTで半値幅が25°以下で減衰率が40%以上であり、隣り合う磁極との角度間隔が35°以内であり、且つ、現像主極位置での剤密度が65〜95mg/cm2で、現像ギャップが0.3〜0.5mmであり、現像動作終了時に現像スリーブが現像動作時と逆に回転をしてから回転が停止することを特徴とする現像装置である。
【0010】
請求項8に記載の本発明は、請求項7に記載の現像装置において、前期現像装置は、現像スリーブの逆転量が6分の1回転以上1回転以下であることを特徴とする現像装置である。
請求項9に記載の本発明は、請求項7または8に記載の現像装置において、前期現像装置は、飽和磁化が40〜60emu/gのフェライトを芯材として用いたキャリアであることを特徴とする現像方法を用いた現像装置である。
請求項10に記載の本発明は、請求項7ないし9のいずれかに記載の現像装置において、前記現像装置は、キャリアの体積平均粒径が30〜60μmの範囲にあることを特徴とする現像装置である。
請求項11に記載の本発明は、請求項7ないし10のいずれかに記載の現像装置において、前記現像装置は、現像剤の流動度が30〜50sec/50gの範囲にあることを特徴とする現像装置である。
請求項12に記載の本発明は、請求項7ないし11のいずれかに記載の現像装置において、前記現像装置は、キャリアの流動度が20〜40sec/50gの範囲にあることを特徴とする現像装置である。
請求項13に記載の本発明は、像担持体上に露光して潜像を書き込み、該潜像をトナーを含む現像剤により現像して、形成されたトナー像を記録紙に転写後定着させ、画像を得る画像形成装置において、請求項7ないし12のいずれかに記載の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の詳細を、図に示す例に基づいて説明する。先ず本発明に係る現像装置を含む感光体ユニット全体について説明する。図1において、潜像担持体である感光体ドラム1の周囲には、当該ドラム表面を帯電するための帯電装置2、一様帯電処理面に潜像を形成するためのレーザー光線でなる露光3、感光体ドラム1表面の潜像に帯電トナーを付着することで可視像を形成する現像装置4、形成されたドラム上の可視像を記録紙へ転写するための転写装置5、感光体ドラム1上の残留トナーを除去するためのクリーニング装置6が順に配設されている。このような構成において、帯電装置2の帯電チャージャーによって表面を一様に帯電された感光体ドラム1は、露光3によって静電潜像を形成され、現像装置4によって可視像を形成される。当該可視像は、転写ベルトなどでなる転写装置5によって、感光体ドラム1表面から、不図示の給紙トレイから搬送された記録紙へ転写される。この転写の際に感光体ドラム1に静電的に付着した記録紙は、感光体ドラム1から分離される。そして未定着の記録紙上の可視像は不図示の定着装置によって記録紙に定着される。一方、転写されずに感光体ドラム1上に残留したトナーは、クリーニング装置6によって除去され回収される。残留トナーが除去されて初期化された感光体ドラム1は、次回の画像形成プロセスに供される。
【0012】
上記現像装置4の構成を更に説明する。現像装置4内には、現像剤担持体である現像ローラ48が感光体ドラム1に近接するように配置されていて、双方の対向部分に現像領域が形成される。現像ローラ48では、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂などの非磁性体を円筒形に形成してなる現像スリーブ46が不図示の回転駆動機構によって反時計回り方向に回転されるようになっている。本実施例においては、感光体ドラム1のドラム径が100mmで、ドラム線速が330mm/秒に設定され、現像スリーブ46のスリーブ径が25mmで、スリーブ線速が660mm/秒に設定されている。したがって、ドラム線速に対するスリーブ線速の比は2.0である。また感光体ドラム1と現像スリーブ46との間隔である現像ギャップは0.5mmに設定されている。現像ギャップは、従来ではキャリア粒径が50μmであれば0.65mmから0.8mm程度、言い換えれば、現像剤粒径の10倍前後に設定されていたが、本発明では現像主極の磁力が大きいため、現像剤粒径の30倍程度に設定することが可能である。これより広くすることは望ましい画像濃度を出にくくする。スリーブ線速のドラム線速に対する比は最低1.5まで下げても、必要な画像濃度を得ることができる。
【0013】
現像剤の搬送方向(図で見て反時計回り方向)における現像領域の上流側部分には、現像剤チェーン穂の穂高さ、即ち、現像スリーブ46上の現像剤量を規制するドクタブレード47が設置されている。このドクタブレード47と現像スリーブ46との間隔であるドクタギャップは0.3mmに設定されている。更に現像ローラ48の感光体ドラム1とは反対側領域には、現像ケーシング40内の現像剤を攪拌しながら現像ローラ46へ汲み上げるためのスクリュー45が設置されている。
【0014】
現像スリーブ46内の磁石配置を図2で詳細に説明する。上記現像スリーブ46内には、当該現像スリーブ46の周表面に現像剤を穂立ちさせるように磁界を形成する磁石ローラ体が固定状態で備えられている。この磁石ローラ体から発せられる法線方向磁力線に沿うように、現像剤のキャリアが現像スリーブ46上にチェーン状に穂立ちされ、このチェーン状に穂立ちされたキャリアに帯電トナーが付着されて、磁気ブラシが構成される。当該磁気ブラシは現像スリーブ46の回転によって現像スリーブ46と同方向(図で見て反時計回り方向)に移送されることとなる。従来の現像主極1極の例を図3に示した。現像主極P1はN極であり、磁気ブラシを形成し、現像する。本発明の上記磁石ローラ体は、複数の磁極(磁石)を備えている。図2に示されるように、上記現像主極群P1は、P1a,P1b,P1cの順で上流側から並ぶ横断面の小さな磁石から構成されている。横断面の小さいこれら磁石は希土類金属合金により作製されている。
【0015】
磁気特性の一例を以下に示す。
図2及び図4は、現像スリーブ46表面上の法線方向の磁束密度を測定した円チャートグラフである。使用した計測装置はADS社製ガウスメーター(HGM−8300)並びにADS社製A1型アキシャルプローブであり、円チャートレコーダにて記録した。
法線方向磁束密度の減衰率とは、現像スリーブ46表面上の法線方向磁束密度のピーク値からと現像スリーブ46表面から1mm離れたところでの法線方向磁束密度のピーク値の差を現像スリーブ46表面上の法線方向磁束密度のピーク値で割った比率である。図2及び図4の点線で示したグラフは、現像スリーブ46表面から1mm離れた所での法線方向の磁束密度を測定したものである。
半値中央角とは、法線方向の磁力分布曲線の最高法線磁力或いはピーク磁束密度の半分の値を指す部分の角度幅のことであり、磁極角度を規定している。半値中央角度幅、半値幅と称することもある。
【0016】
本実施例では、現像主磁石P1bと、現像スリーブ46上に現像剤を汲み上げるための磁石P4と、汲み上げられた現像剤を現像領域まで搬送する磁石P6と、現像後の領域で現像剤を搬送する磁極P2,P3がN極をなし、現像主磁極磁力の形成を補助する主磁極磁力形成補助磁石P1a,P1cと、汲み上げられた現像剤を搬送する磁石P5がS極をなしている。主磁石P1bには現像ローラ48上で120mT以上の法線方向磁力を有する磁石が用いられた。当該主磁石P1bより回転下流側の主磁極磁力形成補助磁石P1cと共に、例えば100mT以上の磁力を有すれば、キャリア付着などの異常画像の発生が無い。これよりも小さい磁力の場合にはキャリア付着が発生した。キャリア付着に関係する磁力は接線磁力であり、この接線磁力を大きくするためには、P1b,P1cの磁力を大きくする必要があるが、どちらかを十分に大きくすることで、キャリア付着の発生を抑えることができる。磁石P1a,P1b,P1cの磁石幅は2mmであった。この時のP1bの半値中央角は16°であった。
【0017】
主磁極の半値中央角は25°を境に、それより大きくすると異常画像を発生する。比較のため、図4に従来の磁石ローラでの磁力詳細を概略的に示す。
主磁極磁力形成補助磁石P1a,P1cの半値中央角は35°以下に形成する。また主磁石P1bと主磁極磁力形成補助磁石P1a,P1cの位置関係は、図3に示されたように、主磁石P1bの両側にある主磁極磁力形成補助磁石P1a,P1cによる挟角を35°以下に形成する。上記の例では、主磁極での半値中央角を16°に設定するために当該挟角は25°とした。更に主磁極磁力形成補助磁石P1a,P1cと当該補助磁石の外側にある磁石P2,P6とによる変極点(法線方向の磁力が0mTになる点をいう(0mT:磁力がN極からS極、S極からN極に変わる点))の挟角を120°以下にする。
【0018】
各磁極の特性は、主磁極P1bの現像スリーブ46表面上の法線方向の磁束密度は120mTを示し、現像スリーブ46表面から1mm離れた部分での法線方向磁束密度は55.8mTであり、磁束密度の変化量は64.2mTの磁力差を観測した。この時の法線方向磁束密度の減衰率は53.5%である。主磁極P1bの上流側に位置する主磁極磁力形成補助磁石P1aの現像スリーブ46表面上の法線方向磁束密度は100mTを示し、現像スリーブ46表面上から1mm離れた部分での法線方向磁束密度は53.3mTであり、磁束密度の変化量は46.7mTの磁力差を測定した。この時の法線方向磁束密度の減衰率は46.7%である。主磁極P1bの下流側に位置する主磁極磁力形成補助磁石P1cの現像スリーブ46表面上の法線方向磁束密度は120mTを示し、現像スリーブ46表面上から1mm離れた部分での法線方向磁束密度は67.4mTであり、磁束密度の変化量は52.6mTの磁力差を測定した。この時の法線方向磁束密度の減衰率は43.8%である。
【0019】
本実施例では、磁石ローラ上に発生した磁力線に沿って現像剤で形成された磁気ブラシは、主磁極P1bに形成されるブラシ部分のみが感光体に接し、感光体上の静電潜像を顕像化する。この際、感光体が接しない状態とすると当該箇所での磁気ブラシの長さは約1mmで、従来の磁石ローラで形成される磁気ブラシよりも穂立ちが短く、密になった状態を作り出すことが可能となった。この現象は、現像スリーブ46表面から1mm離れたところでの法線磁束密度が大きく減少しているので、磁気ブラシは現像スリーブ46より離れたところではブラシチェーンを形成することができず、磁気ブラシが短く現像スリーブ46表面に密に形成することとなる。ちなみに図4に示した従来の磁石ローラでは主磁極の現像スリーブ46表面上の法線方向磁束密度は90mTを示し、現像スリーブ46表面上から1mm離れた部分での法線方向磁束密度は63.9mTであり、磁束密度の変化量は26.1mTの磁力差を測定した。この時の法線方向磁束密度の減衰率は29%である。
【0020】
以上の条件を満たすことにより、主磁極での磁気ブラシが感光体ドラム1に接触して現像する方法では、現像ニップが現像剤粒径以上で2mm以下となり、後端白抜けがなく、横細線や1ドットのように小さい画像であっても十分に形成することができる。
その際のメカニズムは、画像濃度の低い感光体上の可視像(付着量の少ない可視像)を、本例の磁気ブラシを使用して現像する場合、現像ニップ幅が小さいため、感光体上を摺擦する磁気ブラシの接触量(時間)が少なくなり、磁気ブラシ先端部に発生する感光体とキャリアの摩擦で発生するカウンターチャージの発生量が低下する。結果として、カウンターチャージをもったキャリアが可視像を引き付けることで画像後端部が白く抜ける現象を抑えることが可能となる。したがって、画像濃度の低い感光体上の可視像の再現性を向上することが可能となった。また画像濃度が高くなる理由としては、本例の磁石ローラを使用することにより、主磁極P1bの磁気ブラシの長さが小さくなり、現像ニップ幅を小さくすることが可能となり、したがって、現像スリーブ46が回転移動し、主磁極P1bを通過する際の短くなった磁気ブラシが立ち始め現像ニップ間を通過する時間が早くなり、対感光体線速比がこの部分だけ早くなる現象が起こっているため、感光体に摺擦する現像剤の量が増加するために画像濃度が高くなるのである。結果として、後端白抜けの無い画像を形成できる。このように現像性の向上した現像装置を提供することができる。
現像主極位置における剤密度は65〜95mg/cm2であり、現像ギャップは0.3〜0.5mmである。
【0021】
次に本発明に用いるキャリアの製法及びトナーの製法について説明する。
本発明に用いる芯材の平均粒径としては30〜60μmの従来から公知の磁性体が使用され、例えば鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属やマグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの合金あるいは化合物等が挙げられる。ところで、キャリアはその磁気特性で現像スリーブ46に内蔵されたマグネットローラーによって影響を受け、現像剤の現像特性及び搬送性に大きく影響を及ぼすものである。キャリアの残留磁化及び保磁力が高すぎることは、現像器内の現像剤の良好な搬送性を妨げ、画像欠陥としてカスレやベタ画像中での濃度不均一等が発生しやすくなり、現像能力を低下させる。それゆえ、現像性を維持するためには、その残留磁化が10emu/g以下、好ましくは5emu/g以下、より好ましくは実質上0であり、保磁力が40エルステッド以下(3000エルステッド、印加磁場に対し)、好ましくは30エルステッド以下、より好ましくは10エルステッド以下であることが重要である。これらの点を考慮した場合、コア材料としては、フェライトを使用するのが好ましい。フェライト芯材を用いたときのキャリアの飽和磁化は40〜60emu/gである。
【0022】
本発明に用いられる被覆樹脂としては、一般的な熱硬化型シリコーン樹脂を使用する。また、キャリア抵抗の調整等の目的で、被覆層中に微粉末を添加するが、被覆層中に分散される微粉末は、0.01〜5.0μm程度の粒径のものが好ましい。さらに、キャリア帯電特性を調整する目的及び被覆層と磁性体粒子との接着性を向上させる等の目的で、カップリング剤、特にシランカップリング剤を用いることができる。例えば、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン(以上、トーレ・シリコン社製)、アリルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、1.3−ジビニルテトラメチルジシラザン、メタクリルオキシエチルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド(以上チッソ社製)等が挙げられる。
【0023】
本発明におけるトナーとしては、従来の公知の方法を用いて作製したものを広く用いることができる。具体的には、結着樹脂、離型剤、着色剤及び極性制御剤よりなる混合物を、熱ロールミルで溶融混練した後、冷却固化し、これを粉砕分級して得られる。具体的には、結着樹脂、着色剤、極性制御剤、必要に応じて任意の添加物などから構成される。本発明に使用することのできるトナーとしては、重量平均粒径が6〜10μmの範囲であるが、トナーの重量平均粒径は、種々の方法によって測定できる。本発明では具体的には、例えばコールターカウンターを使用する方法を挙げることができる。
【0024】
上述の測定に使用することのできるコールターカウンターとしては具体的にはコールターカウンターII型(コールター社製)を挙げることができ、得られた結果は例えば個数分布、体積分布と言った特性について解析される。この際に使用する電解液としては1級塩化ナトリウムを使用して調節した1%塩化ナトリウム水溶液を挙げることができる。具体的測定例については後述するものとする。
この場合の結着樹脂としては、従来からトナー用結着樹脂として使用されてきたものの全てが適用される。具体的には、ポリスチレン、ポリクロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン/p−クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、スチレン/ビニルナフタリン共重合体、スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン/ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン/ビニルメチルケトン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/アクリロニトリル/インデン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルブチルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、これらは、単独であるいは2種以上混合して使用される。
【0025】
また、着色剤としては、トナー用として公知のものがすべて使用できる。黒色の着色剤としては、例えばカーボンブラック、アニリンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック等が使用できる。シアンの着色剤としては、例えばフタロシアニンブルー、メチルレンブルー、ビクトリアブルー、メチルバイオレット、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー等が使用できる。マゼンタの着色剤としては、例えばローダミン6Gレーキ、ジメチルキナクリドン、ウォッチングレッド、ローズベンガル、ローダミンB、アリザリンレーキ等が使用できる。イエローの着色剤としては、例えばクロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノリンイエロー、タートラジン等が使用できる。 これらのトナーは、帯電付与をより効果的にするために、少量の帯電付与剤、例えば染顔料、極性制御剤などを含有することができる。極性制御剤としては、例えばモノアゾ染料の金属錯塩、ニトロフミン酸及びその塩、サリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のCo、Cr又はFe等の金属錯体、有機染料、四級アンモニウム塩等がある。
【0026】
また、トナー用の添加剤として、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等が一般的なものとして挙げられるが、特に限定するものではない。本発明では、添加剤として、シリコーンオイル処理剤にて処理した微粒子を用いることを特徴とする。微粒子としては、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等が挙げられる。シリカ微粒子の処理剤の具体例としては、分子中に反応性基を有する変性シリコーンオイル、ハイドロジェンシリコーンオイルまたはフッ素含有シリコーンオイルの1種以上を用いることが好ましいが、分子中にこのような活性な基を有さない未変性シリコーンオイルを用いることも可能である。分子中に反応基を有する変性シリコーンオイルとしては、分子中にヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、エーテル基、およびメルカプト基からなる群から選ばれる基を1種以上含む変性シリコーンオイルの1種以上が好ましい。また、シリコーンオイルの粘度は室温で5〜15000cpであるものが好ましい。シリコーンオイル処理剤にて処理したシリカ微粒子を用いる場合、シリカ微粒子による感光体ドラムの摩耗が低減される。
酸化チタンの表面積としては、BET法による窒素吸着によった比表面積が30m2/g以上、特に50〜400m2/gの範囲のものが良好な結果が得られる。トナーを小粒径化により、摺擦による過剰帯電を生じやすくなるが、これに対して帯電を制御し、流動性を付与できる酸化チタン微粒子を含有させことにより、連続でプリントした場合での帯電量が上昇を抑止し、カウンターチャージよる非画像部へのキャリア付着を防止できる。
しかし、酸化チタン微粒子をシリカ微粒子よりも多量に添加すると、プリント経時での帯電量の低下が発生する。このため、酸化チタン微粒子/シリカ微粒子の添加比率を0.6以下でにすることで防止できる。微粉末の総添加量は、トナーに対しても0.5〜2重量%で使用することが好適である。
【0027】
本実施例に用いるトナー及びキャリアの処方及び製法を説明する。処方に記載されている特性値についての説明を以下に示す。
キャリアの磁気特性の測定装置は、BHU−60型磁化測定装置(理研測定製)を用いる。具体的に述べると測定試料は約1.0g秤量し内径7mmφ、高さ10mmのセルにつめ、前記の装置にセットする。測定は印加磁場を徐々に加え最大3,000エルステッドまで変化させる。次いで印加磁場を減少せしめ、最終的に記録紙上に試料のヒステリシスカーブを得る。これより、飽和磁化、残留磁化、保磁力を求める。
キャリアの粒度分布の測定装置は、マイクロトラック粒度分析計(日機装株式会社)のSRAタイプを使用し、0.7〜125μmのレンジ設定で行った。
キャリアの比抵抗の測定方法を、図5に基いて説明する。セルAにキャリアを充填し、これに接するように電極BおよびCを接続し、この電極間に電圧を印加する。その際流れる電流を測定し、比抵抗を求める。この方法はキャリアが粉体であるために充填率に変化を生じ、それが原因で比抵抗が変化することがあるので注意を要する。本発明における比抵抗の測定条件は充填キャリアと接触する電極の面積S=約4.0cm2、厚さ=約2mm、上部電極Cの荷重275g、印加電圧500Vとした。
キャリアの流動度は、50gのキャリアが細孔から落下するのに要する時間であって、その測定はJIS−Z 2504に基いて、試料を温度23℃±3℃、湿度60%±10%の環境に2時間放置後、行なう。
【0028】
トナー表面の動摩擦係数は、質量3gのトナーに6t/cm2の荷重をかけ直径40mmの円盤状のペレットにしたものを協和界面科学(株)社製全自動摩擦摩耗解析装置を用いて測定した。この時の接触子として3mmステンレス球の点接触子を用いた。
【0029】
キャリア用コート剤をコアにコーティングする方法は特に限定されず、例えばディップコーティング法、スプレーコーティング法、フローコーターを用いる流動スプレーコーティング法等が採用できる。キャリア用コート剤をコーティグした後は、被覆膜の硬化および乾燥を行なうが、加熱、あるいは加熱および加湿を行なえば、さらに速やかに硬化・乾燥が完了する。被覆膜の厚みは2μm以下程度、好ましくは0.1〜1μmである
【0030】
実施例1及び2で使用したトナーT−1の作製
ポリエステル樹脂 90部
エステルワックス(粒径400μm) 5部
カーボンブラック 5部
含金属モノアゾ染料 1部
これらの混合物をヘンシェルミキサー中で十分攪拌混合した後、ロールミルで80℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後得られた混練物をジェットミルで粉砕分級し、6.5μmの粒径で4μm以下の微粉量60%の分級トナーを得た。この分級品100部に対し、シリカ微粒子1.0部 チタニア微粒子0.7部をヘンシェルミキサーで1500rpm 添加混合し、トナーT1(重量平均粒径6.7μm )を得た。
【0031】
実施例1で使用した従来のキャリアC−1の作製
シリコーン樹脂(20%) 120部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 3部
カーボンブラック 4部
トルエン 80部
これらの処方をホモミキサーで20分間分散して被覆層形成液を調製した。
これをフェライト1000部(重量平均粒径 55μm、 飽和磁化50emu/g 、電流値22μA、 流動度25sec/50g)の表面に、流動床型塗布装置を用い、スプレーエアー圧0.4MPaで被覆層を形成した後、電気炉にて300℃、2時間焼成してキャリアを作製し、流動度29sec/50g、飽和磁化50emu/gのキャリアを得た。
【0032】
実施例2で使用したキャリアC−2の作製
シリコーン樹脂(20%) 120部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 3部
カーボンブラック 1部
トルエン 80部
これらの処方をホモミキサーで20分間分散して被覆層形成液を調製した。
これをフェライト1000部(重量平均粒径 55μm、 飽和磁化50emu/g、 電流値30μA、磁性体流動度35sec/50g)の表面に、流動床型塗布装置を用い、スプレーエアー圧0.4MPaで被覆層を形成した後、電気炉にて300℃、2時間焼成してキャリアを作製し、流動度40sec/50g、飽和磁化50emu/gのキャリアを得た。
【0033】
実施例2で使用したキャリアC−3の作製
シリコーン樹脂(20%) 120部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 3部
カーボンブラック 3部
トルエン 80部
これらの処方をホモミキサーで20分間分散して被覆層形成液を調製した。
これをフェライト1000部(重量平均粒径 55μm、 飽和磁化50emu/g、 電流値30μA、磁性体流動度15sec/50g)の表面に、流動床型塗布装置を用い、スプレーエアー圧0.1MPaで被覆層を形成した後、電気炉にて300℃、2時間焼成してキャリアを作製し、静抵抗13.8LogΩ、流動度20sec/50g、飽和磁化50emu/gのキャリアを得た。
【0034】
実施例2で使用したキャリアC−4の作製
シリコーン樹脂(20%) 120部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 3部
カーボンブラック 3部
トルエン 80部
これらの処方をホモミキサーで20分間分散して被覆層形成液を調製した。
これをフェライト1000部(重量平均粒径 55μm、 飽和磁化50emu/g、 電流値30μA、磁性体流動度45sec/50g)の表面に、流動床型塗布装置を用い、スプレーエアー圧0.1MPaで被覆層を形成した後、電気炉にて300℃、2時間焼成してキャリアを作製し、静抵抗13.8LogΩ、流動度50sec/50g、飽和磁化50emu/gのキャリアを得た。
【0035】
実施例2で使用したキャリアC−5の作製
シリコーン樹脂(20%) 120部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 3部
カーボンブラック 3部
トルエン 80部
これらの処方をホモミキサーで20分分散して被覆層形成液を調製した。
これをフェライト1000部(重量平均粒径 55μm、 飽和磁化50emu/g、 電流値30μA、磁性体流動度10sec/50g)の表面に、流動床型塗布装置を用い、スプレーエアー圧0.1MPaで被覆層を形成した後、電気炉にて300℃、2時間焼成してキャリアを作製し、静抵抗13.8LogΩ、流動度15sec/50g、飽和磁化50emu/gのキャリアを得た。
【0036】
(実施例1)
実施例用に作成したトナーT−1とキャリアC−1でトナー濃度5%現像剤を作成した。
現像主極の磁束密度は120mTで磁束密度の減衰率が53.5%で半値幅は16°である。本実施例に用いた現像スリーブ径は、φ25mmである。
現像スリーブの逆転有無と逆転量を変化させで実験を行った。
評価項目は、トナー飛散量と逆転持の現像剤溢れ、汲み上げ不良の発生を比較した。評価方法は、画像面積率1%、通紙モードは、両面画像を一枚ずつ12秒ごとに出力させ、10万枚出力をして現象が発生しなかったものは○で、発生したものは×で評価を行った。
【0037】
【表1】
【0038】
画像面積率の少ない物を一枚ずつ作像することにより、現像剤の劣化が促進される。この状態で通紙を行うことで汲み上げ不良の改善状態が評価できる。
通常の逆回転無しでは、汲み上げ不良がほぼ全域で起きている。
逆転量1/8回転では、逆回転を行わないよりは良いが、あまり差違が見いだせない。
逆転量を1/6以上にするとドクターブレード47に蓄積されている現像剤が完全に離脱することにより汲み上げ不足が起きていない。
逆回転量を1回転より多くすると現像スリーブ46から現像剤が除去され、次の現像時に現像剤が安定して汲み上がらない副作用あった。
また逆転量を2回転にしたときは、逆転時にドクターブレード47の現像領域側に現像剤が多量に溜まるため次の現像時に現像剤が多量に汲み上げられ結果として現像剤溢れになる。
トナー飛散は、現像スリーブ46から現像剤が除去される量が多くなると現像スリーブ46と現像装置の間に隙間が空きすぎるために現像装置内のトナーが現像スリーブ46から出てきて画像形成装置内をトナーで汚すのでトナー飛散は、現像スリーブ46から現像剤が除去される1.2回転から多く回転するとトナー飛散が発生する。
【0039】
(実施例2)
実施例用に作成したトナーT−1とキャリアから下記の表2の組み合わせでトナー濃度5%現像剤を作成した。現像主極の磁束密度は120mTで磁束密度の減衰率が53.5%で半値幅は16°である。現像スリーブ46溝の深さは、0.2mm、溝本数は50本を用いた。評価項目は、トナー飛散量と逆転持の現像剤溢れ、汲み上げ不良の発生を比較した。評価方法は、現像終了時に現像スリーブ46を逆転量1/8回転させ画像面積率1%、通紙モードは、両面画像を一枚ずつ12秒ごとに出力させ、10万枚出力をして現象が発生しなかったものは○で、発生したものは×で評価を行った。
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
表3の結果より、キャリアの流動性によって汲み上げ量に差があり、流動性が良い(流動性の数字が低いと流れ易い)と汲み上げ量が少ないが、流動性が極端に悪いと現像剤が流れにくくなり、それに伴い汲み上げ量も低下する。逆転時も同じことが言え、流動度の悪いものは、現像剤の移動が悪いためにドクターギャップ47のところに滞っている現像剤を除去できない。また流動度の良すぎる現像剤では単純に汲み上げ量不足になる。
【0043】
キャリアの流動性により現像スリーブ46上のキャリアとトナーにより構成されるブラシ状の穂立ちがの状態が変化し、流動性が良いと柔らかく流動的な穂の状態になるので、ドクターギャップ47内も現像剤が通過しやすい状態なので現像剤の押し込み効果が少なく汲み上げ量が少なくなる。現像剤があまり摺擦されることがなくトナー汚れが増えてしまう。現像領域において柔らかく流動的な穂は、画質向上になるが、余り流動性が良くなり過ぎると穂の高さが高くなったとき、キャリア落ちし易くなると共に、画像濃度が不足しトナー汚れの数が多くなった。
【0044】
逆に流動性が悪いと堅く締った穂の状態となり、ドクターギャップ47手前で現像剤が滞ることから、現像剤の押し込み効果で汲み上げ量は、増えるが、あまりに悪くなりすぎると、ドクターの前で現像剤が滞りドクターギャップ47を擬似的に狭くしているようになる。あまり流動性が悪くなり過ぎると、ドクターギャップ47の手前で現像剤が滞りドクターギャップ47を通過することができなくなるので汲み上げ不良になる。
【0045】
表3の結果より、キャリアの流動性によって汲み上げ量に差があり、流動性が良い(流動性の数字が低いと流れ易い)と汲み上げ量が少ないが、流動性が極端に悪いと現像剤が流れにくくなり、それに伴い汲み上げ量も低下する。
逆転時流動度の悪いものは、現像剤の移動が悪いためにドクターギャップ47のところに滞っている現像剤を除去しきれないので汲み上げ不良になる。
また流動度の良いすぎる現像剤では単純に汲み上げ量不足になる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の現像方法では、経時現像剤劣化による汲み上げ不良を低減する効果を有する。
さらに、本発明の画像形成装置では、汲み上げ不良を低減し、良好な画像を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いた画像形成装置例としてのデジタル画像形成装置感光体周りの概略図である。
【図2】本発明に用いた現像主極磁石配置及び磁束密度円グラフである。
【図3】従来の現像に用いられていた磁極配置と磁束密度円グラフである
【図4】本発明に用いた磁石配置図である。
【図5】キャリア静抵抗測定器の概略図である。
【図6】従来の磁極配置と磁束密度円グラフである。
【図7】現像スリーブ現像動作時の現像剤の様子を示す模式図である。
【図8】現像スリーブ逆転動作時の現像剤の様子を示す模式図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
2 帯電装置
4 現像装置
40 現像ケーシング
45 スクリュー
46 現像スリーブ
47 ドクタブレード
48 現像ローラ
5 転写装置
6 クリーニング装置
Claims (13)
- 非磁性体のスリーブと当該スリーブ内に固定配置され複数の磁極を備えた磁石ローラとを備え、前記スリーブを回転させ、その外周面に磁性を有した現像剤を磁気吸着させて磁気ブラシを形成し、対向する潜像担持体に当該磁気ブラシを摺擦し、スリーブと潜像担持体との間で形成される現象領域で潜像担持体上の潜像を可視化する現像方法において、
上記スリーブの現像領域法線方向磁束密度が100〜200mTで半値幅が25°以下で減衰率が40%以上であり、隣り合う磁極との角度間隔が35°以内であり、且つ、現像主極位置における剤密度が65〜95mg/cm2で、現像ギャップが0.3〜0.5mmであり、現像動作終了時に現像スリーブが現像動作時と逆に回転をしてから回転が停止することを特徴とする現像方法。 - 請求項1に記載の現像方法において、前記現像方法は、現像スリーブの逆転量が6分の1回転以上1回転以下であることを特徴とする現像方法。
- 請求項1または2に記載の現像方法において、前記現像方法は、飽和磁化が40〜60emu/gのフェライトを芯材として用いたキャリアであることを特徴とする現像方法。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の現像方法において、前記現像方法は、キャリアの体積平均粒径が30〜60μmの範囲にあることを特徴とする現像方法。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の現像方法において、前記現像方法は、現像剤の流動度が30〜50sec/50gの範囲にあることを特徴とする現像方法。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載の現像方法において、前記現像方法は、キャリアの流動度が20〜40sec/50gの範囲にあることを特徴とする現像方法。
- 非磁性体のスリーブと当該スリーブ内に固定配置され複数の磁極を備えた磁石ローラとを備え、前記スリーブを回転させ、その外周面に磁性を有した現像剤を磁気吸着させて磁気ブラシを形成し、対向する潜像担持体に当該磁気ブラシを摺擦し、スリーブと潜像担持体との間で形成される現象領域で潜像担持体上の潜像を可視化する現像装置において、
上記スリーブの現像領域法線方向磁束密度が100〜200mTで半値幅が25°以下で減衰率が40%以上であり、隣り合う磁極との角度間隔が35°以内であり、且つ、現像主極位置での剤密度が65〜95mg/cm2で、現像ギャップが0.3〜0.5mmであり、現像動作終了時に現像スリーブが現像動作時と逆に回転をしてから回転が停止することを特徴とする現像装置。 - 請求項7に記載の現像装置において、前期現像装置は、現像スリーブの逆転量が6分の1回転以上1回転以下であることを特徴とする現像装置。
- 請求項7または8に記載の現像装置において、前期現像装置は、飽和磁化が40〜60emu/gのフェライトを芯材として用いたキャリアであることを特徴とする現像装置。
- 請求項7ないし9のいずれかに記載の現像装置において、前記現像装置は、キャリアの体積平均粒径が30〜60μmの範囲にあることを特徴とする現像装置。
- 請求項7ないし10のいずれかに記載の現像装置において、前記現像装置は、現像剤の流動度が30〜50sec/50gの範囲にあることを特徴とする現像装置。
- 請求項7ないし11のいずれかに記載の現像装置において、前記現像装置は、キャリアの流動度が20〜40sec/50gの範囲にあることを特徴とする現像装置。
- 像担持体上に露光して潜像を書き込み、該潜像をトナーを含む現像剤により現像して、形成されたトナー像を記録紙に転写後定着させ、画像を得る画像形成装置において、請求項7ないし12のいずれかに記載の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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---|---|---|---|
JP2003004316A JP2004219542A (ja) | 2003-01-10 | 2003-01-10 | 現像方法、現像装置及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006064798A (ja) * | 2004-08-25 | 2006-03-09 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置及びプロセスカートリッジ |
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-
2003
- 2003-01-10 JP JP2003004316A patent/JP2004219542A/ja active Pending
Cited By (3)
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JP4535807B2 (ja) * | 2004-08-25 | 2010-09-01 | 株式会社リコー | 画像形成装置 |
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