JP2004218834A - トランスファクレーン用の減速機 - Google Patents

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知樹 田中
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Abstract

【課題】技術的により合理的な側面を有し、且つ製品体系の充実が容易で、より低コスト化、納期の短縮化を図ることのできるトランスファクレーン用の減速機を得る。
【解決手段】コンテナ等を荷役するトランスファクレーンを駆動するために用いられるトランスファクレーン用の減速機Gにおいて、モータM側から入力される回転動力によって回転するハイポイドピニオン108と、該ハイポイドピニオン108と噛合するハイポイドギヤ110とを備える。後段には、一段の平行軸ギヤセット113が連結される。
【選択図】図1

Description

本発明はトランスファクレーン用の減速機に関する。
トランスファクレーンは、一般に、港湾のコンテナヤード等においてコンテナなどの搬送・積み荷を行うために使用され、定格荷重は30tonから60ton程度である。トランスファクレーンには、レールマウント式とラバータイヤ式の2つのタイプが知られている。レールマウント式のトランスファクレーンは、鋼製車輪を備え、定められたレール上を走行する。ラバータイヤ式のトランスファクレーンは、ゴムタイヤを備え、無軌道路面を自由に走行する(例えば、特許文献1参照)。
トランスファクレーンは、屋外で使用され、重量があり、且つ、クレーン全体(トランスファクレーン自体)が動く「自走式」であることから、一般にはディーゼルエンジンを搭載して発電機を回し、駆動源(モータ)の電力を得ている。
図6はトランスファクレーンの走行駆動装置の一部を示す正面図であり、図の右側に位置する車輪10Aが駆動輪、左側に位置する車輪10Bが従動輪である。図7に、模式的に示すように、トランスファクレーンの底部においては、このような駆動及び従動の組合せに係る一対の車輪10A、10Bを備えた駆動系が矩形の対角の頂点相当位置にもう一系統備えられており、他の対角の頂点相当位置には、単に従動するのみの一対の従車輪10B、10Bがそれぞれ配備されている。
図6に戻って、モータ12は、継手14を介して減速機16と連結されている。トランスファクレーン用の減速機16は、設置スペース上の問題から、一般には駆動輪10Aの斜め上部に取り付けられる。また、減速機16を取り付けたときのモータ軸(駆動軸)12Aの軸心の方向と車輪10Aの車軸10Cの軸心の方向との関係で、該減速機16には直交型が求められる。そのため、トランスファクレーン用の減速機16には、通常、図8に示されるように、初段にベベルピニオン30及びベベルギヤ32からなるベベルギヤセット34が搭載されている。直交を実現するために、ベベルギヤセット34が搭載されていたのは、主にコスト及び伝達効率上、ベベルギヤセット34が最も妥当であると考えられたためと推察される。
ベベルギヤセット34による1段の減速だけではトランスファクレーンの駆動に必要な減速比を得ることができないため、該ベベルギヤセット34の後段に2段の平行軸ギヤセット36、38が連結され、ベベルギヤセット34を含めて計3段の減速機構を介して出力軸40が駆動される構成とされている。
再び図6を参照して、この減速機16の出力軸40にはスプロケット42が組付けられている。また、車輪10Aの車軸10Cにもスプロケット44が組付けられており、両スプロケット42、44がチェーン46を介して互いに連結されている。
モータ12の回転は、ベベルギヤセット34、2段の平行軸ギヤセット36、38及びチェーン46の各減速機構によって減速されて車軸10Cに伝達され、この車軸10Cの回転により車輪10Aが回転する。
特開平11−79409号公報
直交を実現するための減速機構を「単体」で見た場合には、ベベルギヤセットは、確かに安価であり、また効率も高い。更に、ベベルギヤセットは、比較的運転騒音が大きいというデメリットがあるが、このデメリットはトランスファクレーンの使用環境においては、それほど大きなデメリットとはならない。
そのため、従来、トランスファクレーン用の減速機において直交を実現するための減速機構としては、当然のようにベベルギヤセットが用いられ、それ以外の減速機構が採用されることはなかった。
しかしながら、発明者がトランスファクレーンに使用される減速機に対して、減速機を納入するメーカーの立場、及びユーザの立場から、技術的により深く検討した結果、従来当然のように用いられてきたベベルギヤセットは、必ずしも最良の結果をもたらすものではないことが判明した。
本発明は、この知見に基づいてなされたものであって、技術的により合理的な側面を有し、且つ製品体系の充実が容易で、より低コスト化、納期の短縮化を図ることのできるトランスファクレーン用の減速機を提供することをその課題としている。
本発明は、コンテナ等を荷役するトランスファクレーンを駆動するために用いられるトランスファクレーン用の減速機において、駆動源側から入力される回転動力によって回転するハイポイドピニオン及び該ハイポイドピニオンと噛合するハイポイドギヤを有するハイポイドギヤセットを備え、該ハイポイドギヤセットの後段に1段の平行軸ギヤセットを連結し、該平行軸ギヤセットの減速軸を当該減速機の出力軸としたことにより、上記課題を解決したものである。
本発明では、減速機の直交を実現する減速機構として、敢えてハイポイドギヤセットを採用した。その理由は以下の通りである。
第1の理由は、製品体系(シリーズ)としての全体コストを引き下げることができ、結果として、減速機1台当たりの製造コストを低減し、納期を短縮することができるためである。
前述したように、直交を実現するための減速機構を「単体」で見た場合には、ベベルギヤセットは、確かに安価であり、また効率も高い。
しかしながら、ベベルギヤセットの場合、選択できる減速比の絶対値が小さいため、トランスファクレーンの用途において必要とされる減速比(10〜40、一般的には14〜32)を確保しようとすると、該ベベルギヤセットに対して2段の平行軸ギヤセットを連結した3段型の減速機が必要になってしまう。又、選択できる減速比の幅も小さいため、製品体系として網羅・確保しようとするトータルの減速比の幅によっては、更に2段型の減速機が必要になることもある。
3段型の減速機は、大きさ、重量の何れの面においてもかなり大きなものとなってしまい、コスト増に直結する。又、2段型及び3段型の双方において、別途製品群を揃えるには、ケーシングを含め、多くの部材について別途の設計をしなければならず、全体としてのコストは更に上昇してしまう。そのため、(たとえ単体としては安価なベベルギヤセットを採用したとしても)トランスファクレーン用の(定格トルクが6kNmよりも大きいような)減速機に適用する場合、その一台当たりのコストは必ずしも低減できない。
これに対し、ハイポイドギヤセットは、減速比の調整幅が広く、1段で大きな減速比を得ることができ、そのため、トランスファクレーンの駆動用として要求される大半の減速比を得るのに、該減速機の減速段数をハイポイドギヤセットと平行軸ギヤセットの計2段で済ませることができる。
これにより、設計の負荷がほぼ半減するだけでなく、シリーズ全体の部品点数を減少させることができ、特に減速機ケース、回転軸、各種ギヤなどの大型部品の共用化を促進できる。そのため、在庫負担を軽減でき、結果として減速機一台当たりのコストを低減できる。
第2の理由は、3段を2段で済ませることができることに起因して、減速機の軽量化、小型化が図れることである。
なお、同じ2段型同士の比較でも、ハイポイドギヤセットを用いた減速機は、ベベルギヤセットを用いた減速機に比べ、ハイポイドピニオンの軸心とハイポイドギヤの軸心とが交差しないため、やはりピニオン軸方向を小型化できる。
減速機の小型化は、設置スペース上の制約の強いトランスファクレーン用途の減速機として大きなメリットとなる。また、同一の外形の場合、より容量の大きな減速機を使用できることを意味し、該減速機の耐久性の向上に寄与させるような設計とすることもできる。
第3の理由は、ハイポイドギヤセットの有する逆転防止機能がトランスファクレーンの用途において有効に機能するということである。
ハイポイドギヤセットにおける「逆転防止機能」は、ベベルギヤセットにおけるそれよりも高い。ここで言う「逆転防止機能」とは、負荷側(車輪側)から減速機の出力軸を介して加えられた反力あるいは慣性力によって、減速機の入力軸側(モータ側)が回転させられるのを阻止する機能のことである。
従来のベベルギヤセットには、逆転防止機能が殆どないため、トランスファクレーンが減速する際に、車輪側の慣性力によって減速機の出力軸が回転されると、その回転動力は該減速機の入力軸を介してモータ側にまでほぼそのまま伝達されていた。そのため、トランスファクレーンの制動負荷は、専らモータに付設された制動機構のみの負担となり、該制動機構には相応の強度対策および放熱対策が必要とされていた。
これに対し、ハイポイドギヤセットにはより高い「逆転防止機能」があるため、たとえ車輪側の慣性力によって減速機の出力軸が回転されたとしても、その回転動力の一部をハイポイドギヤセットの部分で受け止め、これがモータ側にまで到達する割合を減少させることができる。
この結果、モータ側に付設する制動機構の強度対策、あるいは放熱対策をより緩和することができ、また、従来と同程度の性能を有する制動機構を付設した場合には、より確実且つ安定した制動効果を得ることができ、耐久性を向上させることができる。
第4の理由は、この第3の理由に関係して、本発明に係る減速機が搭載されたトランスファクレーンでは、減速時に適度の(弱い)エンジンブレーキに類似する減速促進力が掛かるので、徐行時等においてアクセルワークのみによる加減速がし易くなるということである。即ち、走行の大半を占める低速走行時において、頻繁にアクセル操作とブレーキ操作を繰り返さなくても済むようになり、オペレータの運転操作性が向上する。
この他(第5の理由として)、ハイポイドギヤセットの特性上、使用環境においてベベルギヤセットを使用した場合に比べ、運転騒音の低減も期待できる。
このように、本発明においては、トランスファクレーン用の減速機において、その直交を実現するための減速機構として、敢えてハイポイドギヤセットを採用し、且つ減速機全体を2段型とするようにしたため、従来のベベルセットを採用した減速機(或いは減速機シリーズ)では得られない多くの利点を得ることができる。
なお、本発明の具体的なバリエーションとして、例えば、前記ハイポイドピニオンを、前記ハイポイドギヤと噛合するヘッド部と該ヘッド部以外の筒部とを有する構成とすると共に、更に、一方の端面に前記駆動源の駆動軸が挿入可能とされた第1凹部を、他方の端面に前記ハイポイドピニオンの筒部が挿入可能とされた第2凹部を、それぞれ同軸に有する継軸を備え、前記継軸を、軸受を介してケーシングに収容し、該継軸を収容したケーシングを介して当該減速機を駆動源側のケーシングに連結可能とした構成が考えられる。
この場合、該継軸を収容したケーシングは、減速機本体のケーシングと一体としても良いし、別体としても良い。
トランスファクレーンの駆動装置の分野においては、一般に駆動源(モータ)と減速機の納品は別々となることが多い。即ち、「既に取付けられている(あるいは取り付けることが決まっている)モータに合致するように、減速機を取り付ける」という要請が少なくない。
そのため、従来は、図6を用いて既に説明したように、継手を介して減速機をモータに取り付ける方法が一般的に採用されていた。しかしながら、この取付方法は、モータ及び減速機全体の軸方向長さが長くなり、取付スペース増大の原因となっていた。
上述したような構造の継軸を備え、該継軸を介してモータと減速機を連結するようにすると、モータ及び減速機全体の軸方向長さを短縮できるだけでなく、継軸の第2凹部の深さ(軸方向長さ)や内径の変更によって、多種多様なハイポイドピニオンを容易に組み込み・支持することができ、且つ、そのヘッド部の軸方向位置を任意に規定できる。
また、この構成と、スペーサを用いてハイポイドギヤを中間軸の軸方向の任意の位置に装着する構成とを組み合わせることにより、任意のハイポイドピニオンと任意のハイポイドギヤの組合せを、支障なく同一のケーシングに組み込むことができるようになり、減速比を容易に調整することができる。
また、継軸の第1凹部の深さ(軸方向長さ)や内径の変更によって、さまざまなモータに対して、減速機を合致させるようにして取り付けることができるようになり、設置スペースの減少を図りながら、減速機自体のモータに対する適応性を増大できる。
継軸を配備することによるメリットについては、後に詳述する。
なお、トランスファクレーン用の減速機として機能し得る定格トルクは一般には6kNm以上であり、減速比は、14〜32程度である。この程度の範囲ならば、本発明に係るハイポイドギヤセットを用いた2段型の減速機で十分対応できる。本発明は、ハイポイドギヤセットを用いることにより、他の減速機構のタイプ(構造)の如何に関わらず、これらの範囲のトランスファクレーン用の減速機に適用可能である。
本発明によれば、技術的により合理的な側面を有し、且つ製品体系の充実が容易で、より低コスト化、納期の短縮化を図ることのできるトランスファクレーン用の減速機を得ることができるようになるという優れた効果が得られる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。
この実施形態における、モータ〜減速機〜チェーン〜車軸に至る基本的な動力伝達構成は、既に説明した従来の構成とほぼ同様であるため、重複説明は省略するものとし、ここでは、トランスファクレーン用の減速機周辺の構成を中心に詳細に説明する。
図1及び図2は、モータ(駆動源)M及び減速機G付近の構成を示している。図3は図1の要部拡大図である。
モータMは、そのモータ軸102の反負荷側にインバータ装置104、ブレーキ装置(制動機構)106を備え、オペレータの操作によって、いつでも走行中の最適な加速・制動制御が可能な構成とされている。
ブレーキ装置106は、エンジン停止時を含む非運転時において制動力がフルに働いて停止時の機械的なロックが可能とされており、走行時にオペレータの加速・制動操作等に応じて該制動の程度が適宜に調整されるようになっている。
このブレーキ装置106は、後述するように、減速機内のハイポイドギヤセットの逆転防止機能が、従来のベベルギヤセットのそれよりも高いことから、その容量が従来より低減されている。なお、容量を従来のままとした場合には、より確実な制動効果を得ることができる。
モータMは、継軸機構Jを介して、減速機G側と連結されている。
減速機Gは、その初段減速機構として、ハイポイドピニオン108及びハイポイドギヤ110を備えたハイポイドギヤセット112を備え、更に、その後段に、もう1段の平行軸ギヤセット113を備える。トランスファクレーン用途の減速機であるため、該減速機Gの定格トルクは6kNmよりも大きく(一般的には9kNmより大きく)、具体的には10kNm付近に設定される。定格トルクが大きいというのが、トランスファクレーン用途の減速機Gの特徴である。なお、本発明においてはトランスファクレーン用の減速機の上限は特に限定されないが、一般には16kNm程度まで(多くは12kNm程度まで)の範囲のものが使用される。
以下より具体的に説明する。
継軸機構Jは、継軸114を備える。該継軸114には第1の凹部116と第2の凹部118がその軸方向両端面側から軸方向中央側に向けてそれぞれ同軸に形成されている。モータ軸102は第1の凹部116に挿入され、キー120を介して継軸114と回転方向に一体化されている。
一方、ハイポイドギヤセット112のハイポイドピニオン108は、オフセット量Eを有してハイポイドギヤ110と噛合するヘッド部108Aと、該ヘッド部108Aと同軸に且つ段差を有して円筒状に形成された円筒部(筒部)108Bとを備える。この筒部108Bにはその外周にローレット加工が施されており、前記継軸114の第2の凹部118に挿入・圧着されることにより、該継軸114と回転方向に一体化されている。
継軸114の第2の凹部118の底部118Aは、ハイポイドピニオン108の端部108Cが当接することにより該ハイポイドピニオン108の継軸114に対する軸方向位置が決定される基準壁部を構成している。
なお、図示はされていないが、第1の凹部の側から継軸114のこの基準壁部(118A)を貫通してハイポイドピニオン108の軸心部にボルト等を螺合するようにすると、ハイポイドピニオン108と継軸114との結合をより強固に維持することができる。
継軸114の外周にはリング状の凸部114Aが形成されており、継軸114を減速機Gのケーシング140に対して回転自在に支持するための一対の軸受150、152の間の距離を規定している。
ケーシング140には、この一対の軸受150、152のうちのハイポイドピニオン108のヘッド部108Aが存在する側の軸受150を係止するための係止突起140Aがその内周側の端部に形成されている。軸受150は、この係止突起140Aと継軸114のリング状の凸部114Aとに挟まれて軸方向に位置決めされている。なお、符号156はシム、158はオイル溜まりとして機能するリング状の溝である。
ハイポイドギヤ110は、中間軸160にキー162を介して組み込まれている。中間軸160は軸受164、166を介してケーシング140に回転自在に支持されている。ハイポイドギヤ110の中間軸160の軸方向の位置決めは、該中間軸160に形成した段差部160Aとケーシング140に組み込まれたスナップリング170、172、軸受164、166及びスペーサ176とにより行われる。中間軸160にはピニオン180が直切りされており、ギヤ182との噛合により(ハイポイドギヤセット112の後段に)もう1段の平行軸ギヤセット113を形成している。ギヤ182は出力軸184にキー186を介して連結されている。出力軸184は軸受188、190を介してケーシング140に回転自在に組み込まれている。
図6を用いて既に説明してあるため、重複説明及び再度の図示は省略するが、出力軸184にはスプロケット(42)が装着され、チェーン(46)を介して車軸(10A)が回転する構成とされている。
ところで、ハイポイドギヤセット112を用いた動力伝達は、その構造上、滑りを伴いながらの伝達となるため、これをトランスファクレーンのような高容量・高トルクの減速機に単純に適用した場合、荷重条件によっては耐久性が低下する場合がある。そこでこの実施形態では、当該減速機Gの潤滑油として、極圧添加剤入りのギヤオイルを使用するようにしている。極圧添加剤は、境界潤滑条件においての潤滑油の耐荷重能(極圧能)を向上させるために加えられる添加剤である。具体的には鉛石けん或いは硫黄−リン系の極圧添加剤が好適である。
更に、この実施形態では、当該減速機の潤滑油として、上記ギヤオイルの中で、特に油温40℃における粘度が、68cStよりも大きく、且つ320cStよりも小さな値を示すギヤオイルを使用するようにするようにしている。
この理由は次の通りである。即ち、従来、一般的な用途を目的としたハイポイドギヤセット112の潤滑油としては、耐久性を考慮してハイポイドギヤセット用の比較的粘度の高い潤滑油が使用されていた。しかしながら、ハイポイドギヤセット112におけるハイポイドピニオン108とハイポイドギヤ110の噛合は、もともと図8で示したようなベベルギヤセット34におけるベベルピニオン30とベベルギヤ32の噛合に比べてより多くの滑りを伴うため、これをトランスファクレーンのような高容量・高トルクの伝達機構に採用した場合、温度上昇によってオイルの粘度が低下し、歯面での油膜切れを引き起こす原因となり、必ずしも好ましくない。一方、トランスファクレーンの減速機Gは、かなりの内容積を有するため、(粘度の低い)ギヤオイルを豊富に保有することができる。そのため、該ギヤオイルを用いて跳ねかけによる冷却効果を得る方がむしろ信頼性が高く、この観点から粘度は320cSt未満に抑えた方が好ましい。
但し、粘度があまり低くなりすぎると、(滑りを伴って噛合する)歯面間に油膜が十分に確保できなくなるため、やはり好ましくない。最適な粘度は、68cSt〜320cStの範囲、より好ましくは100cSt〜220cStの範囲である(何れも油温40℃における値)。
尤も、本発明では、潤滑油の種類については、特に限定されない。
更に、前記ハイポイドピニオン或いはハイポイドギヤの素材としては、クロムモリブデン鋼が好適である。クロムモリブデン鋼はハイポイドギヤセットの耐久性の一層の向上に寄与し得る特殊鋼である。
なお、この実施形態では、継軸機構J部分のケーシングを減速機本体のケーシング140と一体化しているが、交換性、あるいは代替性を重視する場合には、これらを別体とするようにしてもよい。
次にこの実施形態の作用を説明する。
モータMのモータ軸102が回転すると、これと一体的に継軸114が回転し、ハイポイドピニオン108も一体的に回転する。ここで、ケーシング140の係止突起140A、軸受150、継軸114の凸部114Aを介して継軸114の凹部118の基準壁部118Aがケーシング140に対して軸方向に位置決めされており、ハイポイドピニオン108は自身の端部108Cと基準端部118Aとの当接により継軸114に対して軸方向に位置決めされているため、ハイポイドピニオン108はケーシング140に対して自身の軸方向の位置決めが極めて正確に行われる。
また、ハイポイドピニオン108が継軸114の第2凹部118に嵌合される構成とされていることから、該第2凹部118の深さ(軸方向長さ)或いはハイポイドピニオン108の筒部108Bの長さの調整により、そのヘッド部108Aの軸方向位置を調整することができる。
一方、前記シム156の存在により、軸受150および軸受152の焼き付き防止のための軸受隙間を調整することができる。
これにより任意の大きさ(歯数)のハイポイドピニオン(108)と任意の大きさ(歯数)のハイポイドギヤ(110)の組合せのハイポイドギヤセット(112)をケーシング140内に支障なく装着でき、意図する減速比に調整できる。
この結果、トランスファクレーン用の減速機として必要な減速比10〜40(一般的には14〜32)を2段の減速機構のみで実現することができ、しかも、これらのさまざまなハイポイドセット(112)を(同一の2段の)ケーシング140内に収容することが可能となる。
また、従来の3段型より減速機自体をより小型化できるのはもちろん、ベベルセットを用いた従来の2段型と比べてもより小型化できる。
更に、継軸114を用いることにより、ヘッド部108Aが異なるハイポイドピニオン108を同一のモータMのモータ軸102と連結可能とできるため、モータ(駆動源)が同一でも種々の減速特性のトランスファクレーンの駆動系を構築できる。
また、継軸114の第1凹部116の変更により、モータ軸102が異なっても減速機G側でこれに合致させて連結できるので、トランスファクレーンにどんなモータが既に取り付けられていたとしても、柔軟に対応できる。なお、モータが異なる場合には、そのケーシングの大きさも異なることが多いが、この場合には、アダプタ等を取り付けることにより、モータのケーシングに対する減速機のケーシングの取り合いを調整すればよい。
結局、継軸114が存在することで、その第1凹部116、第2凹部118のいずれか一方、又は双方の変更により、任意の減速比のハイポイドギヤセットを減速機Gのケーシング140内に支障なく組込むことができ、且つ、これを任意の駆動源に連結することができるものである。これにより、減速機のモータに対する選択・取付の多様性を確保でき、結果として一層の低コスト化、納期短縮を図ることができる。
また、モータMと減速機Gが連結された状態における軸方向長を大きく短縮でき、取り付けスペースも縮小できる。
ここで、ハイポイドギヤセット112には、ピニオン側からギヤ側への動力伝達は円滑に行われるが、ギヤ側からピニオン側への動力伝達が、ベベルギヤセットに比べて行われにくいという特性がある。即ち、既に述べている「逆転防止機能」がハイポイドギヤセット112はベベルギヤセットよりも高い。そのため、トランスファクレーンが減速状態にあって、車輪10A側からモータM側へ動力が伝達されてくるいわゆる逆駆動状態が形成されているときに、その動力伝達の一部を阻止する機能をハイポイドギヤセット112が担うことができる。
そのため、ブレーキ装置106の容量を若干低減しても、従来と同等の制動機能を得ることができ、ブレーキ装置106の強度対策及び放熱対策をその分軽減できると共に、そのコスト及び重量を低減できる。また、従来と同等のブレーキ装置を装着した場合には、より確実な制動機能を得ることができる。
更に、減速時において一般車両におけるいわゆるエンジンブレーキと類似する若干の減速促進作用が得られるため、特に(トランスファクレーンにおいて頻繁に行われる)低速での走行において、アクセルワークのみでその加減速を容易に行うことができるようになり、オペレータの運転操作性を向上させることができる。
また、ハイポイドギヤセット112を用いているため、運転時の騒音を従来に比べてより低減できる。
図4に、本発明の他の実施形態の例を示す。
この実施形態では、ハイポイドギヤ210の組み込まれた中間軸260と出力軸284の双方の軸心O1、O2が、ハイポイドピニオン208の軸心O3と直角の単一の平面(図4の紙面と垂直な平面)P上に配置されている。即ち、減速機G2内のハイポイドピニオン208(及びモータM2)の軸心O3は、中間軸260と出力軸284の双方の軸心O1、O2と垂直である。更に、この実施形態の場合、平面視で(図4の上から見て)ハイポイドピニオン208の軸心O3が、中間軸260の軸心O1と出力軸284の軸心O2の間に位置している。その結果、減速機G2のハイポイドピニオン208の軸方向の長さ(モータM2の軸方向の長さ)Lを先の実施形態より短くすることができ、モータM2を取付けた状態での全体の大きさをよりコンパクト化できる。また、形状的にも重心が低く据付の安定性をより向上させることができる。
また、この実施形態では、図4及び図5(A)に略示されるように、この平面Pは水平面とされる。即ち、この減速機G2は、当該平面Pが地面と平行な水平面となるように図示せぬトランスファクレーンに装着可能とされている。また、ケーシング240がこの水平な平面Pを境に上下のケーシング本体240A、240Bに分割可能とされている。そのため、中間軸260、出力軸284その他の減速機G2内の各構成要素の組みつけが容易であり、また、減速機G2の潤滑油OLの油面OL1をこのケーシング本体240A、240Bの合わせ面(平面P)よりも下に設定することができる。そのため、図5(B)で示される先の実施形態のケーシング140との比較からも明らかなように、潤滑油漏れの心配もなく、また、より少ない油量で潤滑を行うことができる。特に、ハイポイドギヤ210の潤滑に際して出力ギヤ282からの潤滑油OLの「跳ねかけ」が期待できるため、潤滑不良による焼き付きの恐れも低減でき、耐久性をより向上させることができるようにもなる。
そのため、コンパクトで、安定性が高く、組み付け性も高く、且つ耐久性の高い減速機が得られる。なお、必ずしも軸心O1、O2が同一平面上にある必要はなく、軸260、284が同一平面上にあれば良い。
その他の構成は、先の実施形態と同様であるため、重複説明を省略する。
本発明の実施形態に係るトランスファクレーン用の減速機がモータと連結されている構成を示す断面図 図1の矢視II方向視図 図1の継軸付近の要部拡大断面 発明の他の実施形態に係るトランスファクレーン用の減速機がモータと連結されている構成を示す略示正断面図 滑油の封入態様を説明するための略示断面図 従来のトランスファクレーン用の駆動装置の車輪付近の構成を示す要部正面図 トランスファクレーンの車輪の配置構成を模式的に示す平面図 従来のトランスファクレーン用の減速機
符号の説明
M…モータ
J…継軸機構
G…減速機
10A…車輪(駆動輪)
42、44…スプロケット
46…チェーン
102…モータ軸
106…ブレーキ装置
108…ハイポイドピニオン
108A…ヘッド部
108…筒部
110…ハイポイドギヤ
112…ハイポイドギヤセット
114…継軸
116…第1の凹部
118…第2の凹部
140…ケーシング
156…シム
184…出力軸

Claims (11)

  1. コンテナ等を荷役するトランスファクレーンを駆動するために用いられるトランスファクレーン用の減速機において、
    駆動源側から入力される回転動力によって回転するハイポイドピニオン及び該ハイポイドピニオンと噛合するハイポイドギヤを有するハイポイドギヤセットを備え、
    該ハイポイドギヤセットの後段に1段の平行軸ギヤセットを連結し、
    該平行軸ギヤセットの減速軸を当該減速機の出力軸とした
    ことを特徴とするトランスファクレーン用の減速機。
  2. 請求項1において、
    前記ハイポイドピニオンを、前記ハイポイドギヤと噛合するヘッド部と該ヘッド部以外の筒部とを有する構成とすると共に、
    更に、一方の端面に前記駆動源の駆動軸が挿入可能とされた第1凹部を、他方の端面に前記ハイポイドピニオンの筒部が挿入可能とされた第2凹部を、それぞれ同軸に有する継軸を備え、
    前記継軸を、軸受を介してケーシングに収容し、
    該継軸を収容したケーシングを介して当該減速機を駆動源側のケーシングに連結可能とした
    ことを特徴とするトランスファクレーン用の減速機。
  3. 請求項2において、
    前記第2凹部の深さ又はハイポイドピニオンの筒部の長さの少なくとも一方の調整により、前記ハイポイドピニオンのヘッド部の軸方向位置を調整可能とした
    ことを特徴とするトランスファクレーン用の減速機。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記ハイポイドギヤが中間軸に装着されており、且つ該中間軸に対する前記ハイポイドギヤの軸方向位置を調整可能なスペーサを備え、
    該スペーサの存在により、該ハイポイドギヤの中間軸における装着位置を調整可能とした
    ことを特徴とするトランスファクレーン用の減速機。
  5. 請求項2〜4のいずれかにおいて、
    前記継軸を用いることにより、前記ヘッド部が異なるハイポイドピニオンを同一の駆動源の前記駆動軸と連結可能とした
    ことを特徴とするトランスファクレーン用の減速機。
  6. 請求項2〜5のいずれかにおいて、
    前記継軸の前記第1凹部の変更により、異なる駆動源の前記駆動軸に連結可能とした
    ことを特徴とするトランスファクレーン用の減速機。
  7. 請求項2〜6のいずれかにおいて、
    前記継軸の前記第1凹部、第2凹部の少なくとも一方の変更により、複数種のハイポイドピニオンを、異なる駆動源の前記駆動軸に連結可能とした
    ことを特徴とするトランスファクレーン用の減速機。
  8. 請求項1〜7のいずれかにおいて
    前記ハイポイドギヤの組み込まれた軸及び前記出力軸の双方が、前記ハイポイドピニオンの軸心と直角の単一の平面上に配置されている
    ことを特徴とするトランスファクレーン用の減速機。
  9. 請求項8において
    前記減速機のケーシング本体が、前記単一の平面を境に分割可能とされている
    ことを特徴とするトランスファクレーン用の減速機。
  10. 請求項9において
    前記減速機が、前記単一の平面が地面と平行な水平面となるように、トランスファクレーンに装着可能とされた
    ことを特徴とするトランスファクレーン用の減速機。
  11. コンテナ等を荷役するトランスファクレーンを駆動するために用いられるトランスファクレーン用の減速機において、
    駆動源側から入力される回転動力によって回転するハイポイドピニオン及び該ハイポイドピニオンと噛合するハイポイドギヤを有するハイポイドギヤセットを備え、且つ
    減速比が10より大きく、且つ40より小さな範囲に設定された
    ことを特徴とするトランスファクレーン用の減速機。
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