JP2004217734A - リサイクル安定性に優れたポリカーボネート樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外線吸収能及び耐候性、金型汚染性、耐加水分解性に優れ、耐衝撃性、耐熱性、色調安定性、透明性に優れ、さらにリサイクル安定性に優れ、メガネレンズとして好適な芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(a)粘度平均分子量が20,000〜50,000の芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部、(b)紫外線吸収剤0.05〜0.4重量部、(c)亜リン酸エステル系安定剤0.01〜2重量部、(d)イオウ系酸化防止剤0.01〜2重量部を含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】(a)粘度平均分子量が20,000〜50,000の芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部、(b)紫外線吸収剤0.05〜0.4重量部、(c)亜リン酸エステル系安定剤0.01〜2重量部、(d)イオウ系酸化防止剤0.01〜2重量部を含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に関する。詳しくは、紫外線吸収能及び耐候性、金型汚染性、耐加水分解性に優れ、耐衝撃性、耐熱性、色調安定性、透明性に優れ、しかもリサイクル安定性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は、強度、剛性が大きく、また耐摩擦磨耗性が優れているので、例えば、自動車部品、各種精密機械部品等に広く用いられている。また透明性に優れていることから、メガネレンズなどの光学用途にも多く使用されている。しかしながら、ポリカーボネート樹脂は耐候性が十分ではなく、例えば、屋外での使用または蛍光灯照射下での室内使用においては、製品の変色あるいは強度の低下により使用が制限されていた。
このため、従来から種々の光安定剤が単独であるいは数種組み合わせて用いられており、特にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤はその効果が比較的大きいので一般に用いられている。また、省資源の観点から、廃プラスチックのリサイクル、少なくとも樹脂組成物ペレットや成形品製造の際に発生する屑や不良品を再利用することが望まれているが、リサイクルによる品質低下を防止することが難しかった。
【0003】
例えば、特許文献1にはポリカーボネート樹脂100重量部とベンゾトリアゾリルフェノール基を2個有する紫外線吸収剤0.5〜3重量部を配合してなる樹脂組成物より形成されたメガネレンズが提案されている。この様な紫外線吸収剤の使用により、従来の1個のベンゾトリアゾリルフェノール基を有する紫外線吸収剤を使用する場合に比べ、金型汚染性は改善されるものの、紫外線吸収剤の添加量が未だ多いため、金型汚染性は未だ充分に満足すべきものでなく、また、リサイクル安定性について言及されていない。
【0004】
また、特許文献2には、ベンゾトリアゾリルフェノール基を2個有する同様な紫外線吸収剤を、ポリカーボネート樹脂組成物100重量部に対して0.001〜5重量部添加された耐光性の改善されたポリカーボネート樹脂組成物が提案されているが、この公報では、前記紫外線吸収剤の添加により、高圧水銀灯による紫外線照射前後の黄色度の変化(ΔYI)が低下したことが示されているにすぎず、滞留成形性及び金型汚染性、耐加水分解性、リサイクル安定性についてはなんら言及されていない。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−291205号公報
【特許文献2】
特開昭62−146951号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、紫外線吸収能及び耐候性、金型汚染性、耐加水分解性に優れ、耐衝撃性、耐熱性、色調安定性、透明性に優れ、さらにリサイクル安定性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、先に特願2002−32925号において、芳香族ポリカーボネート樹脂と、2個のベンゾトリアゾールフェノール基を有する特定の紫外線吸収剤を含有する樹脂組成物に、更に特定の亜リン酸エステル系安定剤を配合することによって、紫外線吸収能、耐候性、金型汚染性、耐加水分解性に優れ、特にメガネレンズとして有用な樹脂組成物を提案した。
本発明者らは、更にかかる組成物のリサイクル安定性を改良することにより、上記の目的を達成した。すなわち、本発明の要旨は、(a)粘度平均分子量が20,000〜50,000の芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部、(b)下記構造式(1)で示される紫外線吸収剤0.05〜0.4重量部、(c)亜リン酸エステル系安定剤0.01〜2重量部、(d)イオウ系酸化防止剤0.01〜2重量部を含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品に存する。
【0008】
【化4】
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される芳香族ポリカーボネート樹脂(a)は、芳香族ヒドロキシ化合物またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物をホスゲンまたは炭酸ジエステルと反応させることによって得られる分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体である。なお、芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法については、特に限定されるものではなく、ホスゲン法(界面重合法)あるいは、溶融法(エステル交換法)等いずれで製造したものでも使用することができる。
【0010】
芳香族ポリカーボネートの製造原料である芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[=ビスフェノールA]、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−(3,5−ジフェニル)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルメタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロロジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−2,5−ジエトキシジフェニルエーテルなどが挙げられ、これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は単独で、または2種以上を混合して使用することもできる。
【0011】
分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂を得るには、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどで示されるポリヒドロキシ化合物、あるいは3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチンビスフェノール、5,7−ジクロルイサチンビスフェノール、5−ブロムイサチンビスフェノールなどを前記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部として用いればよく、使用量は、0.01〜10モル%であり、好ましくは0.1〜2モル%である。
【0012】
本発明に使用される(a)芳香族ポリカーボネート樹脂としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるポリカーボネート樹脂、または2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導されるポリカーボネート樹脂が好ましい。(a)芳香族ポリカーボネート樹脂としては、単独のみならず、2種以上の樹脂を混合して用いてもよい。
【0013】
(a)芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均分子量(Mv)で、20,000〜50,000である。粘度平均分子量が20,000より小さいと、レンズ成形品の耐衝撃性が低下し、割れが発生する虞があるので好ましくなく、50,000より大きいと、流動性が悪くなり、成形性に問題がある。好ましい粘度平均分子量は20,000〜40,000であり、より好ましくは21,000〜30,000である。本発明において粘度平均分子量(Mv)は、塩化メチレンを溶媒として、ウベローデ粘度計によって25℃の温度で極限粘度[η]を測定し、[η]=1.23×10−4×(Mv)0.83により算出した値である。
【0014】
(a)芳香族ポリカーボネート樹脂を製造する際、分子量を調節するためには、芳香族ジヒドロキシ化合物の一部として一価芳香族ヒドロキシ化合物が用いられる。一価芳香族ヒドロキシ化合物としては、例えば、m−及p−メチルフェノール、m−及びp−プロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール及びp−長鎖アルキル置換フェノールなどが挙げられる。
【0015】
本発明に用いられる(b)紫外線吸収剤は、前記構造式(1)に示されるベンゾトリアゾリルフェノール基を分子中に2個有する構造のものである。
この紫外線吸収剤を用いることにより、成形性を阻害することなく、かつ透明性を損なうことなく、さらに、成形加工時において、紫外線吸収剤の昇華による金型汚染性を抑えることができる組成物を得ることができる。上記構造式を有する紫外線吸収剤は、例えば、旭電化工業(株)製「LA−31」(商品名)として市販され、容易に入手することができる。
【0016】
本発明組成物中の(b)紫外線吸収剤の含有量は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.05〜0.4重量部であり、好ましくは0.07〜0.35重量部、さらに好ましくは0.07〜0.3重量部である。(b)紫外線防止剤の含有量が0.05重量部よりも少ない場合には、所期の紫外線吸収能を発揮することができず、一方0.4重量部を超えると、金型汚染の虞があり好ましくない。
【0017】
本発明に用いられる(c)亜リン酸エステル系安定剤(以下、単に「リン系安定剤」ということがある)としては、種々のものが使用されるが、耐加水分解性が要求される組成物については、ペンタエリスリトール構造を有する亜リン酸エステル系安定剤の使用は、プレッシャークッカ−試験(120℃,100%RH,5hr)後に、成形品が白濁する場合があり好ましくない。
【0018】
本発明において用いられる(c)亜リン酸エステル系安定剤としては、好ましくは下記一般式(2)および/または一般式(3)で示される亜リン酸エステル系安定剤から選ばれる。
【0019】
【化5】
【0020】
(式中、R1は置換基を有してもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、または芳香族炭化水素基を表す)。
【0021】
【化6】
【0022】
(式中、R2〜R4は、それぞれ置換基を有してもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基または芳香族炭化水素基を表し、m及びnは、それぞれ0〜4の整数を表す。)。
【0023】
上記(2)及び(3)式において、R1〜R4で示される基としては、それぞれ独立して、例えば、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、ビニル、アリル、メタリル、プロパルギルなどの炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖を有するアルキル基、アルケニル基、アルキニル基などの脂肪族炭化水素基、シクロアルキル基などの脂環族炭化水素基、フェニル、ナフチル基などの芳香族炭化水素基が挙げられる。また、これらの基はヒドロキシル基などの置換基で置換されていてもよい。
【0024】
上記一般式(2)または(3)の構造を有する亜リン酸エステル系安定剤としては、具体的には、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(エチルフェニル)ホスファイト、トリス(ブチルフェニル)ホスファイト及びトリス(ヒドロキシフェニル)ホスファイトなどが挙げられる。これらの安定剤のうち、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイトが好ましい。
【0025】
本発明組成物中の、(c)亜リン酸エステル系安定剤の含有量は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.01〜2重量部である。含有量が0.01重量部より少ないと、安定剤としての効果が不十分であり、一方、2重量部を超えて添加してもそれ以上の安定剤としての効果は得られない。亜リン酸エステル系安定剤の好ましい含有量は,0.02〜1重量部である。
【0026】
本発明に用いられる(d)イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ラウリルステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ビス[2−メチル−4−(3−ラウリルチオプロピオニルオキシ)−5−tert−ブチルフェニル]スルフィド、オクタデシルジスルフィド、メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−6−メチルベンズイミダゾール、1,1’−チオビス(2−ナフトール)などをあげることができる。上記のうち、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)が好ましい。
【0027】
本発明組成物中の(d)イオウ系酸化防止剤の含有量は、(a)芳香族ポリカーボネート100重量部に対し0.01〜2重量部である。含有量が0.01重量部より少ないと、リサイクル安定性が不十分であり、2重量部を越えて添加してもそれ以上の効果は得られない。イオウ系酸化防止剤の添加量は好ましくは0.02〜1重量部であり、より好ましくは0.03〜0.5重量部である。
上記(c)リン系安定剤および(d)イオウ系酸化防止剤を用いることにより耐候性、耐衝撃性、透明性、色調安定性に優れ、かつリサイクル安定性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が得られる。
【0028】
本発明組成物は、上記(a)〜(d)成分を含有することが必須であるが、その他、必要に応じ種々の公知の樹脂添加物を配合することが出来る。特に、(e)フェノール系抗酸化を配合することにより、さらなる耐候性、色調安定性、リサイクル安定性が優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を得ることができる。
【0029】
(e)フェノール系抗酸化剤を配合する場合、特に制限はないがヒンダードフェノール系が好適に用いられる。代表的な例としてはペンタエリスリト−ルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド]、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等が挙げられる。
上記のうちで、特にペンタエリスリト−ルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。これらのフェノール系抗酸化剤は、チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社より、商品名「イルガノックス1010」及び「イルガノックス1076」の名称で市販されており、容易に入手することができる。
【0030】
上記フェノール系抗酸化剤(e)の配合量としては、芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対して0.01〜2重量部である。配合量が0.01重量部より少ない場合には、抗酸化剤としての効果が不十分であり、一方、2重量部を超えて添加してもそれ以上の抗酸化剤としての効果は得られない。フェノール系抗酸化剤の配合量は、0.02〜1重量部が好ましい。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記の(a)〜(e)の成分の他に、離型剤、顔料、染料などの種々の樹脂添加剤を配合することができる。
【0031】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法としては、特に制限はなく、例えば、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂、(b)紫外線吸収剤、(c)亜リン酸エステル系安定剤、(d)イオウ系酸化防止剤、必要であれば(e)フェノール系抗酸化剤を一括溶融混練する方法、あるいは(a)芳香族ポリカーボネート樹脂、(b)紫外線吸収剤、(c)亜リン酸エステル系熱安定剤、(d)イオウ系酸化防止剤を予め混練後、必要であれば(e)フェノール系抗酸化剤を配合し、溶融混練する方法などが挙げられる。
【0032】
離型剤としては、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸エステル、数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルから選ばれた少なくとも1種の化合物等の芳香族ポリカーボネート樹脂に使用されるものが用いられる。これらの中で、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸エステルから選ばれた少なくとも1種が好ましく用いられる。
【0033】
脂肪族カルボン酸としては、飽和又は不飽和の脂肪族モノカルボン酸、ジカルボン酸又はトリカルボン酸を挙げることができる。ここで脂肪族カルボン酸は、脂環式カルボン酸も包含する。このうち好ましい脂肪族カルボン酸は、炭素数6〜36のモノ又はジカルボン酸であり、炭素数6〜36の脂肪族飽和モノカルボン酸がさらに好ましい。このような脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、吉草酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラトリアコンタン酸、モンタン酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸等を挙げることができる。
【0034】
脂肪族カルボン酸エステルを構成する脂肪族カルボン酸成分としては、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。一方、脂肪族カルボン酸エステルを構成するアルコール成分としては、飽和又は不飽和の1価アルコール、飽和又は不飽和の多価アルコール等を挙げることができる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基等の置換基を有していてもよい。これらのアルコールのうち、炭素数30以下の1価又は多価の飽和アルコールが好ましく、さらに炭素数30以下の脂肪族飽和1価アルコール又は多価アルコールが好ましい。ここで脂肪族アルコールは、脂環式アルコールも包含する。
【0035】
これらのアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等を挙げることができる。これらの脂肪族カルボン酸エステルは、不純物として脂肪族カルボン酸及び/又はアルコールを含有していてもよく、複数の化合物の混合物であってもよい。
【0036】
脂肪族カルボン酸エステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸オクチルドデシル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレートを挙げることができる。
【0037】
離型剤の配合量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して5重量部以下であり、好ましくは1重量部以下である。5重量部を超えると耐加水分解性の低下、射出成形時の金型汚染等の問題がある。該離型剤は1種でも使用可能であるが、複数併用して使用することもできる。
必要に応じて添加される顔料や染料は、従来から目的に応じて芳香族ポリカーボネート樹脂に適宜使用されるそれ自体公知のものが使用される。
【0038】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、紫外線吸収能にすぐれており、またリサイクル安定性に優れ、その他透明性、金型汚染性、耐衝撃性などの諸物性に優れているので、特にメガネレンズの用途に適している。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を用いてメガネレンズを製造する方法は、金型を用いた射出成形による製造法等が挙げられる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例においては次に記載の原材料を用いた。
【0040】
(1)ポリカーボネート樹脂−1:粘度平均分子量が25,000のポリ−4,4−イソプロピリデンジフェニルカーボネート
(2)ポリカーボネート樹脂−2:粘度平均分子量が18,000のポリ−4,4−イソプロピリデンジフェニルカーボネート
【0041】
(3)紫外線吸収剤−1:下記構造式(1)で表される紫外線吸収剤。
【0042】
【化7】
【0043】
(4)紫外線吸収剤−2:2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)フェノール。
【0044】
(5)リン系安定剤−1:2,4―ジ(tert−ブチルフェニル)ホスファイト。
(6)リン系安定剤−2:2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト。
【0045】
(7)イオウ系酸化防止剤−1:ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)。
(8)イオウ系酸化防止剤−2:ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート。
(9)フェノール系抗酸化剤:ペンタエリスリトール テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート],商品名:IRGANOX1010,チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ(株)製。
【0046】
試験片の物性評価は次に記載のように行った。
(A)曇価(Haze)及び黄変度(YI):日本製鋼所製J−50EP成形機を用いて厚さ12mmのプレートを290℃で通常成形した。得られた成形品(プレート)について、曇価は濁度計NDH−2000(日本電色工業(株)製)で測定し、黄変度は分光式色彩計SE−2000(日本電色工業(株)製)で測定した。
【0047】
(B)リサイクル成形後のΔE,ΔYI:日本製鋼所製J−50EP成形機を用いて、290℃で通常成形した12mmのプレート(リサイクル前プレート)と、290℃通常成形品を粉砕した粉砕品を再度290℃で成形した12mmプレート(リサイクル後プレート)の色相を分光式色彩計SE−2000を用いて測定し、ΔE,ΔYIを求めた。
【0048】
(C)UVカット波長:日本製鋼所製J−50EP成形機を用いて厚さ3mmのプレートを290℃で通常成形した。得られた成形品(プレート)を用いて分光光度計UV−3100PC((株)島津製作所製)を用いて、JIS−K7361に準拠して測定した。
【0049】
(D)金型汚染性:日精樹脂製PS−40成形機を用い、しずく型金型を用いて、成形温度290℃で500ショット連続成形し、終了後金型の付着物の有無について次の基準で評価した。
○:金型の付着物が少ない。△:金型の付着物が多い。×:金型の付着物が非常に多い。
【0050】
(E)メガネレンズの耐衝撃性試験:レンズ、レンズ枠およびブリッジ部のフロント部ならびにパット部が一体に成形されたゴーグル型金型で厚さ2mmのレンズ部を有する保護メガネを成形後、直径6cm,重さ1.05kgの鉄球を1.8mの高さから落下させる方法による落球衝撃試験を行ない、次の基準で評価した。
○:落球衝撃試験後割れず。×:落球衝撃試験後割れ発生。
【0051】
実施例1〜3および比較例1〜6
表1,2に示す配合処方で、原料を秤量し、タンブラーによって20分混合した後、40mmφ単軸押出機を用いて、シリンダー温度290℃でペレット化した。得られたペレットを用い、射出成形機にて、シリンダー温度290℃にて3mm厚プレートおよび12mm厚プレートを成形し、上記(A)(B)(C)の評価を行った。金型汚染性については、上記(D)記載の方法で行い、また、上記したゴーグル型金型で厚さ2mmのレンズ部を有する保護メガネを成形後、上記(E)記載の試験法により衝撃試験を行った。
評価結果を表−1および表−2に示した。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、紫外線吸収能及び耐候性、金型汚染性、耐加水分解性に優れ、耐衝撃性、耐熱性、色調安定性、透明性に優れ、さらにリサイクル安定性に優れており、特にメガネレンズ用途等に極めて有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に関する。詳しくは、紫外線吸収能及び耐候性、金型汚染性、耐加水分解性に優れ、耐衝撃性、耐熱性、色調安定性、透明性に優れ、しかもリサイクル安定性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は、強度、剛性が大きく、また耐摩擦磨耗性が優れているので、例えば、自動車部品、各種精密機械部品等に広く用いられている。また透明性に優れていることから、メガネレンズなどの光学用途にも多く使用されている。しかしながら、ポリカーボネート樹脂は耐候性が十分ではなく、例えば、屋外での使用または蛍光灯照射下での室内使用においては、製品の変色あるいは強度の低下により使用が制限されていた。
このため、従来から種々の光安定剤が単独であるいは数種組み合わせて用いられており、特にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤はその効果が比較的大きいので一般に用いられている。また、省資源の観点から、廃プラスチックのリサイクル、少なくとも樹脂組成物ペレットや成形品製造の際に発生する屑や不良品を再利用することが望まれているが、リサイクルによる品質低下を防止することが難しかった。
【0003】
例えば、特許文献1にはポリカーボネート樹脂100重量部とベンゾトリアゾリルフェノール基を2個有する紫外線吸収剤0.5〜3重量部を配合してなる樹脂組成物より形成されたメガネレンズが提案されている。この様な紫外線吸収剤の使用により、従来の1個のベンゾトリアゾリルフェノール基を有する紫外線吸収剤を使用する場合に比べ、金型汚染性は改善されるものの、紫外線吸収剤の添加量が未だ多いため、金型汚染性は未だ充分に満足すべきものでなく、また、リサイクル安定性について言及されていない。
【0004】
また、特許文献2には、ベンゾトリアゾリルフェノール基を2個有する同様な紫外線吸収剤を、ポリカーボネート樹脂組成物100重量部に対して0.001〜5重量部添加された耐光性の改善されたポリカーボネート樹脂組成物が提案されているが、この公報では、前記紫外線吸収剤の添加により、高圧水銀灯による紫外線照射前後の黄色度の変化(ΔYI)が低下したことが示されているにすぎず、滞留成形性及び金型汚染性、耐加水分解性、リサイクル安定性についてはなんら言及されていない。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−291205号公報
【特許文献2】
特開昭62−146951号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、紫外線吸収能及び耐候性、金型汚染性、耐加水分解性に優れ、耐衝撃性、耐熱性、色調安定性、透明性に優れ、さらにリサイクル安定性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、先に特願2002−32925号において、芳香族ポリカーボネート樹脂と、2個のベンゾトリアゾールフェノール基を有する特定の紫外線吸収剤を含有する樹脂組成物に、更に特定の亜リン酸エステル系安定剤を配合することによって、紫外線吸収能、耐候性、金型汚染性、耐加水分解性に優れ、特にメガネレンズとして有用な樹脂組成物を提案した。
本発明者らは、更にかかる組成物のリサイクル安定性を改良することにより、上記の目的を達成した。すなわち、本発明の要旨は、(a)粘度平均分子量が20,000〜50,000の芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部、(b)下記構造式(1)で示される紫外線吸収剤0.05〜0.4重量部、(c)亜リン酸エステル系安定剤0.01〜2重量部、(d)イオウ系酸化防止剤0.01〜2重量部を含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品に存する。
【0008】
【化4】
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される芳香族ポリカーボネート樹脂(a)は、芳香族ヒドロキシ化合物またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物をホスゲンまたは炭酸ジエステルと反応させることによって得られる分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体である。なお、芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法については、特に限定されるものではなく、ホスゲン法(界面重合法)あるいは、溶融法(エステル交換法)等いずれで製造したものでも使用することができる。
【0010】
芳香族ポリカーボネートの製造原料である芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[=ビスフェノールA]、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−(3,5−ジフェニル)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルメタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロロジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−2,5−ジエトキシジフェニルエーテルなどが挙げられ、これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は単独で、または2種以上を混合して使用することもできる。
【0011】
分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂を得るには、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどで示されるポリヒドロキシ化合物、あるいは3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチンビスフェノール、5,7−ジクロルイサチンビスフェノール、5−ブロムイサチンビスフェノールなどを前記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部として用いればよく、使用量は、0.01〜10モル%であり、好ましくは0.1〜2モル%である。
【0012】
本発明に使用される(a)芳香族ポリカーボネート樹脂としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるポリカーボネート樹脂、または2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導されるポリカーボネート樹脂が好ましい。(a)芳香族ポリカーボネート樹脂としては、単独のみならず、2種以上の樹脂を混合して用いてもよい。
【0013】
(a)芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均分子量(Mv)で、20,000〜50,000である。粘度平均分子量が20,000より小さいと、レンズ成形品の耐衝撃性が低下し、割れが発生する虞があるので好ましくなく、50,000より大きいと、流動性が悪くなり、成形性に問題がある。好ましい粘度平均分子量は20,000〜40,000であり、より好ましくは21,000〜30,000である。本発明において粘度平均分子量(Mv)は、塩化メチレンを溶媒として、ウベローデ粘度計によって25℃の温度で極限粘度[η]を測定し、[η]=1.23×10−4×(Mv)0.83により算出した値である。
【0014】
(a)芳香族ポリカーボネート樹脂を製造する際、分子量を調節するためには、芳香族ジヒドロキシ化合物の一部として一価芳香族ヒドロキシ化合物が用いられる。一価芳香族ヒドロキシ化合物としては、例えば、m−及p−メチルフェノール、m−及びp−プロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール及びp−長鎖アルキル置換フェノールなどが挙げられる。
【0015】
本発明に用いられる(b)紫外線吸収剤は、前記構造式(1)に示されるベンゾトリアゾリルフェノール基を分子中に2個有する構造のものである。
この紫外線吸収剤を用いることにより、成形性を阻害することなく、かつ透明性を損なうことなく、さらに、成形加工時において、紫外線吸収剤の昇華による金型汚染性を抑えることができる組成物を得ることができる。上記構造式を有する紫外線吸収剤は、例えば、旭電化工業(株)製「LA−31」(商品名)として市販され、容易に入手することができる。
【0016】
本発明組成物中の(b)紫外線吸収剤の含有量は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.05〜0.4重量部であり、好ましくは0.07〜0.35重量部、さらに好ましくは0.07〜0.3重量部である。(b)紫外線防止剤の含有量が0.05重量部よりも少ない場合には、所期の紫外線吸収能を発揮することができず、一方0.4重量部を超えると、金型汚染の虞があり好ましくない。
【0017】
本発明に用いられる(c)亜リン酸エステル系安定剤(以下、単に「リン系安定剤」ということがある)としては、種々のものが使用されるが、耐加水分解性が要求される組成物については、ペンタエリスリトール構造を有する亜リン酸エステル系安定剤の使用は、プレッシャークッカ−試験(120℃,100%RH,5hr)後に、成形品が白濁する場合があり好ましくない。
【0018】
本発明において用いられる(c)亜リン酸エステル系安定剤としては、好ましくは下記一般式(2)および/または一般式(3)で示される亜リン酸エステル系安定剤から選ばれる。
【0019】
【化5】
【0020】
(式中、R1は置換基を有してもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、または芳香族炭化水素基を表す)。
【0021】
【化6】
【0022】
(式中、R2〜R4は、それぞれ置換基を有してもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基または芳香族炭化水素基を表し、m及びnは、それぞれ0〜4の整数を表す。)。
【0023】
上記(2)及び(3)式において、R1〜R4で示される基としては、それぞれ独立して、例えば、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、ビニル、アリル、メタリル、プロパルギルなどの炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖を有するアルキル基、アルケニル基、アルキニル基などの脂肪族炭化水素基、シクロアルキル基などの脂環族炭化水素基、フェニル、ナフチル基などの芳香族炭化水素基が挙げられる。また、これらの基はヒドロキシル基などの置換基で置換されていてもよい。
【0024】
上記一般式(2)または(3)の構造を有する亜リン酸エステル系安定剤としては、具体的には、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(エチルフェニル)ホスファイト、トリス(ブチルフェニル)ホスファイト及びトリス(ヒドロキシフェニル)ホスファイトなどが挙げられる。これらの安定剤のうち、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイトが好ましい。
【0025】
本発明組成物中の、(c)亜リン酸エステル系安定剤の含有量は、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.01〜2重量部である。含有量が0.01重量部より少ないと、安定剤としての効果が不十分であり、一方、2重量部を超えて添加してもそれ以上の安定剤としての効果は得られない。亜リン酸エステル系安定剤の好ましい含有量は,0.02〜1重量部である。
【0026】
本発明に用いられる(d)イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ラウリルステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ビス[2−メチル−4−(3−ラウリルチオプロピオニルオキシ)−5−tert−ブチルフェニル]スルフィド、オクタデシルジスルフィド、メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−6−メチルベンズイミダゾール、1,1’−チオビス(2−ナフトール)などをあげることができる。上記のうち、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)が好ましい。
【0027】
本発明組成物中の(d)イオウ系酸化防止剤の含有量は、(a)芳香族ポリカーボネート100重量部に対し0.01〜2重量部である。含有量が0.01重量部より少ないと、リサイクル安定性が不十分であり、2重量部を越えて添加してもそれ以上の効果は得られない。イオウ系酸化防止剤の添加量は好ましくは0.02〜1重量部であり、より好ましくは0.03〜0.5重量部である。
上記(c)リン系安定剤および(d)イオウ系酸化防止剤を用いることにより耐候性、耐衝撃性、透明性、色調安定性に優れ、かつリサイクル安定性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が得られる。
【0028】
本発明組成物は、上記(a)〜(d)成分を含有することが必須であるが、その他、必要に応じ種々の公知の樹脂添加物を配合することが出来る。特に、(e)フェノール系抗酸化を配合することにより、さらなる耐候性、色調安定性、リサイクル安定性が優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を得ることができる。
【0029】
(e)フェノール系抗酸化剤を配合する場合、特に制限はないがヒンダードフェノール系が好適に用いられる。代表的な例としてはペンタエリスリト−ルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド]、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等が挙げられる。
上記のうちで、特にペンタエリスリト−ルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。これらのフェノール系抗酸化剤は、チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社より、商品名「イルガノックス1010」及び「イルガノックス1076」の名称で市販されており、容易に入手することができる。
【0030】
上記フェノール系抗酸化剤(e)の配合量としては、芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対して0.01〜2重量部である。配合量が0.01重量部より少ない場合には、抗酸化剤としての効果が不十分であり、一方、2重量部を超えて添加してもそれ以上の抗酸化剤としての効果は得られない。フェノール系抗酸化剤の配合量は、0.02〜1重量部が好ましい。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記の(a)〜(e)の成分の他に、離型剤、顔料、染料などの種々の樹脂添加剤を配合することができる。
【0031】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法としては、特に制限はなく、例えば、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂、(b)紫外線吸収剤、(c)亜リン酸エステル系安定剤、(d)イオウ系酸化防止剤、必要であれば(e)フェノール系抗酸化剤を一括溶融混練する方法、あるいは(a)芳香族ポリカーボネート樹脂、(b)紫外線吸収剤、(c)亜リン酸エステル系熱安定剤、(d)イオウ系酸化防止剤を予め混練後、必要であれば(e)フェノール系抗酸化剤を配合し、溶融混練する方法などが挙げられる。
【0032】
離型剤としては、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸エステル、数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルから選ばれた少なくとも1種の化合物等の芳香族ポリカーボネート樹脂に使用されるものが用いられる。これらの中で、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸エステルから選ばれた少なくとも1種が好ましく用いられる。
【0033】
脂肪族カルボン酸としては、飽和又は不飽和の脂肪族モノカルボン酸、ジカルボン酸又はトリカルボン酸を挙げることができる。ここで脂肪族カルボン酸は、脂環式カルボン酸も包含する。このうち好ましい脂肪族カルボン酸は、炭素数6〜36のモノ又はジカルボン酸であり、炭素数6〜36の脂肪族飽和モノカルボン酸がさらに好ましい。このような脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、吉草酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラトリアコンタン酸、モンタン酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸等を挙げることができる。
【0034】
脂肪族カルボン酸エステルを構成する脂肪族カルボン酸成分としては、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。一方、脂肪族カルボン酸エステルを構成するアルコール成分としては、飽和又は不飽和の1価アルコール、飽和又は不飽和の多価アルコール等を挙げることができる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基等の置換基を有していてもよい。これらのアルコールのうち、炭素数30以下の1価又は多価の飽和アルコールが好ましく、さらに炭素数30以下の脂肪族飽和1価アルコール又は多価アルコールが好ましい。ここで脂肪族アルコールは、脂環式アルコールも包含する。
【0035】
これらのアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等を挙げることができる。これらの脂肪族カルボン酸エステルは、不純物として脂肪族カルボン酸及び/又はアルコールを含有していてもよく、複数の化合物の混合物であってもよい。
【0036】
脂肪族カルボン酸エステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸オクチルドデシル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレートを挙げることができる。
【0037】
離型剤の配合量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して5重量部以下であり、好ましくは1重量部以下である。5重量部を超えると耐加水分解性の低下、射出成形時の金型汚染等の問題がある。該離型剤は1種でも使用可能であるが、複数併用して使用することもできる。
必要に応じて添加される顔料や染料は、従来から目的に応じて芳香族ポリカーボネート樹脂に適宜使用されるそれ自体公知のものが使用される。
【0038】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、紫外線吸収能にすぐれており、またリサイクル安定性に優れ、その他透明性、金型汚染性、耐衝撃性などの諸物性に優れているので、特にメガネレンズの用途に適している。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を用いてメガネレンズを製造する方法は、金型を用いた射出成形による製造法等が挙げられる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例においては次に記載の原材料を用いた。
【0040】
(1)ポリカーボネート樹脂−1:粘度平均分子量が25,000のポリ−4,4−イソプロピリデンジフェニルカーボネート
(2)ポリカーボネート樹脂−2:粘度平均分子量が18,000のポリ−4,4−イソプロピリデンジフェニルカーボネート
【0041】
(3)紫外線吸収剤−1:下記構造式(1)で表される紫外線吸収剤。
【0042】
【化7】
【0043】
(4)紫外線吸収剤−2:2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)フェノール。
【0044】
(5)リン系安定剤−1:2,4―ジ(tert−ブチルフェニル)ホスファイト。
(6)リン系安定剤−2:2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト。
【0045】
(7)イオウ系酸化防止剤−1:ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)。
(8)イオウ系酸化防止剤−2:ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート。
(9)フェノール系抗酸化剤:ペンタエリスリトール テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート],商品名:IRGANOX1010,チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ(株)製。
【0046】
試験片の物性評価は次に記載のように行った。
(A)曇価(Haze)及び黄変度(YI):日本製鋼所製J−50EP成形機を用いて厚さ12mmのプレートを290℃で通常成形した。得られた成形品(プレート)について、曇価は濁度計NDH−2000(日本電色工業(株)製)で測定し、黄変度は分光式色彩計SE−2000(日本電色工業(株)製)で測定した。
【0047】
(B)リサイクル成形後のΔE,ΔYI:日本製鋼所製J−50EP成形機を用いて、290℃で通常成形した12mmのプレート(リサイクル前プレート)と、290℃通常成形品を粉砕した粉砕品を再度290℃で成形した12mmプレート(リサイクル後プレート)の色相を分光式色彩計SE−2000を用いて測定し、ΔE,ΔYIを求めた。
【0048】
(C)UVカット波長:日本製鋼所製J−50EP成形機を用いて厚さ3mmのプレートを290℃で通常成形した。得られた成形品(プレート)を用いて分光光度計UV−3100PC((株)島津製作所製)を用いて、JIS−K7361に準拠して測定した。
【0049】
(D)金型汚染性:日精樹脂製PS−40成形機を用い、しずく型金型を用いて、成形温度290℃で500ショット連続成形し、終了後金型の付着物の有無について次の基準で評価した。
○:金型の付着物が少ない。△:金型の付着物が多い。×:金型の付着物が非常に多い。
【0050】
(E)メガネレンズの耐衝撃性試験:レンズ、レンズ枠およびブリッジ部のフロント部ならびにパット部が一体に成形されたゴーグル型金型で厚さ2mmのレンズ部を有する保護メガネを成形後、直径6cm,重さ1.05kgの鉄球を1.8mの高さから落下させる方法による落球衝撃試験を行ない、次の基準で評価した。
○:落球衝撃試験後割れず。×:落球衝撃試験後割れ発生。
【0051】
実施例1〜3および比較例1〜6
表1,2に示す配合処方で、原料を秤量し、タンブラーによって20分混合した後、40mmφ単軸押出機を用いて、シリンダー温度290℃でペレット化した。得られたペレットを用い、射出成形機にて、シリンダー温度290℃にて3mm厚プレートおよび12mm厚プレートを成形し、上記(A)(B)(C)の評価を行った。金型汚染性については、上記(D)記載の方法で行い、また、上記したゴーグル型金型で厚さ2mmのレンズ部を有する保護メガネを成形後、上記(E)記載の試験法により衝撃試験を行った。
評価結果を表−1および表−2に示した。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、紫外線吸収能及び耐候性、金型汚染性、耐加水分解性に優れ、耐衝撃性、耐熱性、色調安定性、透明性に優れ、さらにリサイクル安定性に優れており、特にメガネレンズ用途等に極めて有用である。
Claims (5)
- 請求項1又は2に記載の樹脂組成物から得られた成形品を粉砕後、再度成形温度290℃で100%リサイクルする際、リサイクル前後の成形品厚み12mmで測定したΔYIが2.8以下であり、且つΔEが2.0以下となることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1〜3の何れかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品。
- メガネレンズであることを特徴とする請求項4記載の成形品。
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-
2003
- 2003-01-10 JP JP2003004932A patent/JP2004217734A/ja active Pending
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