JP2004217367A - シート状物の巻き取り機構 - Google Patents
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- E06B2009/807—Brakes preventing fast screen movement
- E06B2009/808—Fluid brakes
Abstract
【課題】シート状物を引き出し可能な状態で巻き取り状に保持する巻き取り機構において、巻き取り時には一定の制動を巻き取り軸に付与するようにすると共に、引き出し時にはこうした制動を全く付与しないようにして、シート状物の引き出しを抵抗なく行えるようにする。
【解決手段】シート状物Sの一端が止着されるこのシート状物Sの巻き取り軸1と、巻き取り軸1を、巻き取り軸1にシート状物Sが巻き取られる正転方向fに向けて、常時付勢する付勢手段2と、巻き取り軸1の正転に対してのみ一定の制動を付与する制動手段3とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】シート状物Sの一端が止着されるこのシート状物Sの巻き取り軸1と、巻き取り軸1を、巻き取り軸1にシート状物Sが巻き取られる正転方向fに向けて、常時付勢する付勢手段2と、巻き取り軸1の正転に対してのみ一定の制動を付与する制動手段3とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、各種のシート状物を引き出し可能な状態で巻き取り状に保持する巻き取り機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1に示されるように、トノカバー装置において、巻き取り軸の収納ボックスの内壁部に、このトノカバーに弾性的に接するバネ部材を設けたものがある。
【0003】
【特許文献1】
実開昭59−185148号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、特許文献1のものにあっては、トノカバーの引き出し時にもバネ部材による制動が作用されてしまう。
【0005】
特許文献1の第3図に示される形態では、制動は引き出しの最初の段階で作用されるに留まるが、トノカバーの引き出し時に制動が作用される状態があることには変わりがない。
【0006】
また、特許文献1のものでは、巻き取り軸に対する制動力がトノカバーの引き出し量に応じて可変し易く、特に巻き取り速度を一定にし難いものであった。
【0007】
そこで、この発明は、シート状物を引き出し可能な状態で巻き取り状に保持する巻き取り機構において、巻き取り時には一定の制動を巻き取り軸に付与するようにすると共に、引き出し時にはこうした制動を全く付与しないようにして、シート状物の引き出しを抵抗なく行えるようにすることを主たる目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1記載の発明にあっては、シート状物の巻き取り機構を、
シート状物の一端が止着されるこのシート状物の巻き取り軸と、
この巻き取り軸を、この巻き取り軸にシート状物が巻き取られる正転方向に向けて、常時付勢する付勢手段と、
巻き取り軸の前記正転に対してのみ一定の制動を付与する制動手段とを備えているものとした。
【0009】
かかる構成によれば、シート状物の引き出し操作にあたっては巻き取り軸を抵抗少なく逆転させることができ、この引き出しをスムースに行わせることができる。一方、引き出されたシート状物の他端側の把持や一次的な固定を解くことにより巻き取り軸の正転が許容されると、この巻き取り軸の正転を自動的に開始させ、かかるシート状物を巻き取ることができると共に、この巻き取りの勢いを減殺させて巻き取りにあたっての各部材の強いぶつかりや、破損などを生じさせないようにすることができる。また、違和感のないシート状物の巻き取りを演出させることができる。
【0010】
また、請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載のシート状物の巻き取り機構における制動手段が、
巻き取り軸に組み付けられてこの巻き取り軸の回転に伴って回転される内側回転体と、
内側回転体を内方に納めた状態で回転可能とされる外側回転体と、
外側回転体を納めるケース体と、
内側回転体の外周側から回転中心側に向けて窪んだ凹部に納められる遊星ギア体とを備えており、
外側回転体の内壁部には、遊星ギア体に噛み合う周回状ラック部が設けてあり、
外側回転体とケース体との間には隙間が形成されていると共に、この隙間には粘性流体が封入されており、
しかも、巻き取り軸の正転に伴う内側回転体の正転時に、遊星ギア体の回転が規制されるようにしてあることを特徴としている。
【0011】
かかる構成によれば、巻き取り軸の逆転時には、この巻き取り軸の逆転により外側回転体内で逆転される内側回転体により押圧される遊星ギア体を外側回転体の周回状ラック部に沿って回転させながら走行させることができ、この逆転時には内側回転体の回転によって外側回転体が回転にしないようにすることができる。粘性流体は外側回転体とケース体との間の隙間に封入されていることから、内側回転体の逆転、つまり、巻き取り軸の逆転に制動を付与させることがない。つまり、シート状体の引き出し操作に対し抵抗を生じさせない状態を確実に作り出すことができる。
【0012】
一方、巻き取り軸の正転時には、この巻き取り軸の正転により外側回転体内で正転される内側回転体により押圧される遊星ギア体の回転を規制することができる。このように遊星ギア体の回転が規制されると、外側回転体の周回状ラック部に噛み合っている遊星ギア体を通じて、この正転時には内側回転体の回転によって外側回転体も回転するようにすることができる。このように外側回転体が回転されると前記粘性流体により、外側回転体の内側回転体の正転、つまり、巻き取り軸の正転に制動が付与される。つまり、引き出されたシート状体の付勢手段による自動的な巻き取り動作に対し抵抗を生じさせる状態を確実に作り出すことができる。
【0013】
また、請求項3記載の発明にあっては、請求項1又は請求項2記載のシート状物の巻き取り機構における巻き取り軸の両端部にそれぞれ制動手段が備えられていることを特徴としている。
【0014】
かかる構成によれば、巻き取り軸が正転された際の制動手段による制動を巻き取り軸の両端部においてそれぞれ生じさせることができることから、巻き取り軸の正転を安定ならしめると共に、この巻き取り軸の正転に対しより適切な制動を付与させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図9に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について説明する。
【0016】
なお、ここで図1は、巻き取り機構の概要を理解し易いように、この機構を構成する各部材を分離して示しており、また、図2は、かかる機構を構成する制動手段3の組み込み側を、また、図3は、かかる機構を構成する付勢手段2の組み込み側を、それぞれ断面にして示している。また、図4ないし図9は、制動手段3をそれぞれ示しており、ここで図8は、巻き取り軸1が正転されている場合の制動手段3の内部の様子を、また、図9は、巻き取り軸1が逆転されている場合の制動手段3の内部の様子を、それぞれ示している。
【0017】
この実施の形態にかかる巻き取り機構は、各種のシート状物Sを引き出し可能な状態で巻き取り状に保持するものである。
【0018】
かかるシート状物Sとしては、各種の織生地、編み生地、網状体、合成樹脂製のシートなどを予定するものである。
【0019】
また、かかる巻き取り機構は、トノカバーとなるシート状物S、サンシェードとなるシート状物S、ブラインドとなるシート状物Sなどを引き出し可能な状態で巻き取り状に保持するように用いることができる。
【0020】
かかる巻き取り機構は、
(1)巻き取り軸1と、
(2)付勢手段2と、
(3)制動手段3とを備えている。
【0021】
巻き取り軸1は、シート状物Sの一端が止着されるようになっている。そして、このように止着されたシート状物Sを、巻き取り軸1の正転によって巻き取り、また、巻き取られたシート状物Sの他端を把持してこのシート状物Sを引っ張るように操作した際には、このように引っ張られたシート状物Sの引き出しを巻き取り軸1の逆転によって許容させるようになっている。
【0022】
付勢手段2は、かかる巻き取り軸1を、この巻き取り軸1にシート状物Sが巻き取られる正転方向fに向けて、常時付勢するようになっている。すなわち、かかる付勢手段2によって、前記のように引き出されたシート状物Sの他端側の把持や一次的な固定を解くと、巻き取り軸1の正転が許容されると共に、この巻き取り軸1の正転が自動的になされ、かかるシート状物Sが巻き取り軸1に巻き取られるようになっている。引き出されたシート状物Sの他端側の一次的な固定は、典型的には、このシート状物Sの他端に設けたフックなどを、シート状物Sの引き出し先側にある壁面などに設けた被引っ掛け部などに掛合させることによりなすことができる。例えば、シート状物Sがトノカバーとして用いられる場合にあっては、車両のバックドア側に前記被引っ掛け部を設けておき、このシート状物Sのフックをこの引っ掛け部に掛合させることにより、車両の後部収納部の上方をこのシート状物Sによって覆ったシート状物Sの引き出し状態を維持させることができる。かかるフックの掛合を解くとシート状物Sは前記のように巻き取られ、車両の後部収納部の覆い状態はワンタッチで解かれる。
【0023】
制動手段3は、巻き取り軸1の前記正転に対してのみ一定の制動を付与するように構成されている。すなわち、制動手段3は、巻き取り軸1の前記逆転に対しては積極的な制動を付与しないように構成されている。
【0024】
これにより、この実施の形態にかかる巻き取り機構によれば、シート状物Sの引き出し操作にあたっては巻き取り軸1を抵抗少なく逆転させることができ、この引き出しをスムースに行わせることができる。一方、引き出されたシート状物Sの他端側の把持や一次的な固定を解くことにより巻き取り軸1の正転が許容されると、この巻き取り軸1の正転を自動的に開始させ、かかるシート状物Sを巻き取ることができると共に、この巻き取りの勢いを減殺させて巻き取りにあたっての各部材の強いぶつかりや、破損などを生じさせないようにすることができる。また、違和感のないシート状物Sの巻き取りを演出させることができる。
【0025】
かかる制動手段3を、巻き取り軸1の両端部にそれぞれ備えさせておくようにしてあることもある。
【0026】
このようにした場合、巻き取り軸1が正転された際の制動手段3による制動を巻き取り軸1の両端部においてそれぞれ生じさせることができることから、巻き取り軸1の正転を安定ならしめると共に、この巻き取り軸1の正転に対しより適切な制動を付与させることができる。
【0027】
図示の例では、巻き取り軸1は、両端を開放させた中空の筒状体として構成されている。シート状物Sは、その幅方向に沿った一方の縁部、つまり、一端部をこの巻き取り軸1の軸線方向に沿わせるようにして、この巻き取り軸1の外周部に止着されるようになっている。
【0028】
図示の例では、かかる巻き取り軸1は、前記シート状物Sの引き出しスリット41を長さ方向に沿って備えた細長いメインケース4内に回転可能に納められている。
【0029】
また、図示の例にあっては、かかるメインケース4の一端部において、巻き取り軸1の一端が回転可能に軸支されると共に、かかるメインケース4の他端部において、制動手段3を構成する後述する内側回転体30のジョイント部30dを介して、巻き取り軸1の他端が回転可能に軸支されるようになっている。
【0030】
また、図示の例にあっては、付勢手段2は、巻き取り軸1の一端側からこの巻き取り軸1の内部に入れ込まれたコイルバネ20によって構成されている。図示の例にあっては、このコイルバネ20の一端20aは巻き取り軸1の一端からこの巻き取り軸1内に入り込んでこの巻き取り軸1の一端を軸支しているメインケース4の一端部に設けられた軸体42に止着され、かつ、このコイルバネ20の他端20bは巻き取り軸1の内部に止着されている。そして、巻き取り軸1が逆転されることにより、かかるコイルバネ20が弾性的に縮径され、このコイルバネ20に巻き取り軸1に対する正転方向fの付勢力が畜勢されるようになっている。
【0031】
一方、図示の例にあっては、制動手段3は、
(1)内側回転体30と、
(2)外側回転体31と、
(3)ケース体32と、
(4)遊星ギア体33と、
(5)粘性流体(図示は省略する。)とを備えて構成されている。
【0032】
内側回転体30は、巻き取り軸1に組み付けられてこの巻き取り軸1の回転に伴って回転されるように構成されている。
【0033】
図示の例にあっては、一面を開放させたケースベース32aと、このケースベース32aの開放部32bの外縁部を前方から塞ぐ前面に大きな貫通穴32eを備えた蓋体32dとによって、前記ケース体32が構成されていると共に、このケースベース32aに外側回転体31を納めた後、この外側回転体31の内方に内側回転体30を納め、この後さらに、ケースベース32aの開放部32bを塞ぐようにこのケースベース32aに蓋体32dを組み付けることにより、制動手段3をアッセンブリーするようにしてある。このようにアッセンブリーされた制動手段3は、図示の例にあっては、メインケース4の他端部を塞ぐホルダー43内にはめ込まれ、このホルダー43をメインケース4の他端部に止め付けることにより、メインケース4に対して組み付けられるようになっている。
【0034】
内側回転体30は、その回転軸xに直交する向きにある二つの面の一方(以下、内側回転体30の前面30aという。)を蓋体32dの内面に向き合わせ、かつ、この二つの面の他方(以下、内側回転体30の背面30bという。)を外側回転体31の後述する底面31aに向き合わせ、かつ、この二つの面の間にある側面30cを外側回転体31の内壁部31bに向き合わせるようにして、組み込まれている。
【0035】
内側回転体30の前面30aには、この内側回転体30の回転軸xに沿う向きに突き出すジョイント部30dが一体に設けられている。図示の例では、このジョイント部30dは筒一端を内側回転体30の前面30aに一体に連接させた筒状をなすように構成されており、前記蓋体32dの中央に形成された貫通穴32eから外方に突き出すようになっている。そして、図示の例では、巻き取り軸1の他端からこの巻き取り軸1内にこのジョイント部30dを入れ込ませることにより、この内側回転体30を介して前記メインケース4の他端部に対し巻き取り軸1の他端が軸支されるようになっている。図示の例にあっては、このジョイントの外周部に、このジョイント部30dの筒軸線に沿って延びる位置決めリブ30eが形成してあると共に、巻き取り軸1の他端には、この巻き取り軸1の他端開放部32bにおいて外方に開放されてこの巻き取り軸1の回転軸線に沿って延びる割溝10が形成してあり、この位置決めリブ30eをこの割溝10に入れ込ませるようにして巻き取り軸1内にジョイント部30dを入れ込ませることにより、巻き取り軸1と内側回転体30とを一体化させるようにしている。
【0036】
また、内側回転体30の背面30bであって、この内側回転体30の回転中心位置には、この内側回転体30の前面30a側に向けて窪み込んだ軸穴30fが形成されている。
【0037】
一方、外側回転体31は、内側回転体30を内方に納めた状態でケース体32内において回転可能となっている。図示の例では、かかる外側回転体31は、ケースベース32aの内側面に向き合う周回側板部31cと底板部31dとを有し、底板部31dと反対の開放側からその内方に内側回転体30を納め入れるように構成されている。それと共に、外側回転体31の底板部31dによって構成される底面31aであって、この外側回転体31の回転中心位置には、軸突部31eが形成されている。そして、図示の例にあっては、この軸突部31eを内側回転体30の軸穴30fに入れ込ませた状態で、外側回転体31内に内側回転体30が納められるようになっており、内側回転体30は外側回転体31の軸突部31eを中心として回転されるようになっている。
【0038】
また、図示の例では、ケースベース32aの底部のほぼ中央に軸凹部32cが形成してあると共に、外側回転体31の底板部31dの外面側であってこの外側回転体31の回転中心位置にこの軸凹部32cに入り込む軸突部31fが形成してある。
【0039】
また、内側回転体30は、内側回転体30の外周側から回転中心側に向けて窪んだ凹部30gを有している。そして、前記遊星ギア体33は、この内側回転体30の凹部30gに納められるようになっている。
【0040】
また、外側回転体31の内壁部(周回側板部31cの内側面部)には、遊星ギア体33に噛み合う周回状ラック部31gが設けてある。
【0041】
そして、前記巻き取り軸1の正転に伴う内側回転体30の正転時に、遊星ギア体33の回転が規制されるようにしてある。
【0042】
また、外側回転体31とケース体32との間には隙間34が形成されていると共に、この隙間34には図示しない粘性流体が封入されている。
【0043】
具体的には、図示の例にあっては、外側回転体31の底板部31dの外面とケースベース32aの底部との間に隙間34が形成されており、この隙間34にシリコンオイルなどの粘性流体を封入させている。図示の例では、かかる外側回転体31の周回側板部31cの先端外側にシールリング35がはめ付けられており、この粘性流体がケースベース32aの開放部32bから漏れ出さないようにしてある。
【0044】
また、図示の例にあっては、内側回転体30には三カ所の凹部30g‥30gが形成してある。各凹部30g‥30g間のピッチは、内側回転体30の回転軸を巡る向きにおいてほぼ等しくなるようにしてある。また、各凹部30g‥30gはいずれもほぼ同寸同形となるように構成してある。
【0045】
かかる凹部30gは、内側回転体30の側面と、内側回転体30の前面30aおよび背面において外方に開放されている。
【0046】
また、かかる凹部30gは、内側回転体30の逆転時に凹部30gに納められた遊星ギア体33を押圧する凹部30g壁面を、この遊星ギア体33の外周円、つまり、ギア歯の先端を通る仮想の円の円弧に沿った円弧面30hとしている。
【0047】
また、かかる凹部30gは、内側回転体30の正転時に凹部30gに納められた遊星ギア体33を押圧する凹部30g壁面を、この遊星ギア体33の外周円に対する接線であって、遊星ギア体33の回転中心と内側回転体30の回転中心とを通る仮想の直線にほぼ沿ったストレート面30iとしている。そして、このストレート面30iと内側回転体30の外周面との間に、このストレート面30iが遊星ギア体33に押し付けられる前記正転時に、遊星ギア体33の外周円よりもやや内方に入り込むコーナー部30jが形成されている。
【0048】
すなわち、凹部30gの円弧面30hとストレート面30i間のピッチは、遊星ギア体33の前記外周円の径よりもわずかに広くなっており、また、遊星ギア体33は内側回転体30及び外側回転体31のいずれにも軸支されていない。
【0049】
一方、三カ所の凹部30gに納められる遊星ギア体33は、いずれもほぼ同寸同形をなすように構成されている。また、いずれの遊星ギア体33も、内側回転体30の凹部30g内に、この遊星ギア体33の回転軸x’を内側回転体30の回転軸xにほぼ沿わせる向きで、納められている。
【0050】
そして、内側回転体30の凹部30gの底と外側回転体31の内壁部との間のピッチが遊星ギア体33の径とほぼ等しくなうように構成してある。
【0051】
これにより、この実施の形態にあっては、巻き取り軸1の逆転時には、この巻き取り軸1の逆転により外側回転体31内で逆転される内側回転体30により押圧される遊星ギア体33を外側回転体31の周回状ラック部31gに沿って回転させながら走行させることができ、この逆転時には内側回転体30の回転によって外側回転体31が回転にしないようにすることができる。(図9)粘性流体は外側回転体31とケース体32との間の隙間34に封入されていることから、内側回転体30の逆転、つまり、巻き取り軸1の逆転に制動を付与させることがない。つまり、シート状体の引き出し操作に対し抵抗を生じさせない状態を確実に作り出すことができる。
【0052】
具体的には、このように内側回転体30が逆転されると、遊星ギア体33に対し内側回転体30は前記凹部30gの円弧面30hを押し付けさせることになるが、この円弧面30hは遊星ギア体33の外周円に沿った面であることから、この押し付けによって遊星ギア体33の回転が妨げられることはなく、遊星ギア体33は前記周回状ラック部31gに沿って回転しながら走行し、周回状ラック部31g側、つまり、外側回転体31を回転させることがない。
【0053】
一方、巻き取り軸1の正転時には、この巻き取り軸1の正転により外側回転体31内で正転される内側回転体30により押圧される遊星ギア体33の回転を規制することができる。このように遊星ギア体33の回転が規制されると、外側回転体31の周回状ラック部31gに噛み合っている遊星ギア体33を通じて、この正転時には内側回転体30の回転によって外側回転体31も回転するようにすることができる。(図8)このように外側回転体31が回転されると前記粘性流体により、外側回転体31の内側回転体30の正転、つまり、巻き取り軸1の正転に制動が付与される。つまり、引き出されたシート状体の付勢手段2による自動的な巻き取り動作に対し抵抗を生じさせる状態を確実に作り出すことができる。
【0054】
具体的には、このように内側回転体30が正転されると、遊星ギア体33に対し内側回転体30は前記凹部30gのストレート面30iを押し付けさせることになると共に、このストレート面30iと内側回転体30の外周面との接し合うコーナー部30j、つまり、凹部30gの入り口にあるコーナー部30jの一方が遊星ギア体33の隣り合うギア歯間に入り込むことから、この押し付けによって遊星ギア体33の回転は規制され、この遊星ギア体33に周回状ラック部31gを噛み合わせている外側回転体31は内側回転体30と同じ向きに回転される。
【0055】
【発明の効果】
この発明にかかるシート状物の巻き取り機構によれば、巻き取り時には一定の制動を巻き取り軸に付与することができると共に、引き出し時にはこうした制動を全く付与しないようにして、シート状物の引き出しを抵抗なく行えるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】巻き取り機構の概要を示す斜視構成図
【図2】同要部断面構成図
【図3】同要部断面構成図
【図4】制動手段3の平面図
【図5】同側面図
【図6】同底面図
【図7】図4におけるA−A線断面図
【図8】図7におけるB−B線断面図(正転時)
【図9】図7におけるB−B線断面図(逆転時)
【符号の説明】
S シート状物
f 正転方向
1 巻き取り軸
2 付勢手段
3 制動手段
【発明の属する技術分野】
この発明は、各種のシート状物を引き出し可能な状態で巻き取り状に保持する巻き取り機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1に示されるように、トノカバー装置において、巻き取り軸の収納ボックスの内壁部に、このトノカバーに弾性的に接するバネ部材を設けたものがある。
【0003】
【特許文献1】
実開昭59−185148号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、特許文献1のものにあっては、トノカバーの引き出し時にもバネ部材による制動が作用されてしまう。
【0005】
特許文献1の第3図に示される形態では、制動は引き出しの最初の段階で作用されるに留まるが、トノカバーの引き出し時に制動が作用される状態があることには変わりがない。
【0006】
また、特許文献1のものでは、巻き取り軸に対する制動力がトノカバーの引き出し量に応じて可変し易く、特に巻き取り速度を一定にし難いものであった。
【0007】
そこで、この発明は、シート状物を引き出し可能な状態で巻き取り状に保持する巻き取り機構において、巻き取り時には一定の制動を巻き取り軸に付与するようにすると共に、引き出し時にはこうした制動を全く付与しないようにして、シート状物の引き出しを抵抗なく行えるようにすることを主たる目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1記載の発明にあっては、シート状物の巻き取り機構を、
シート状物の一端が止着されるこのシート状物の巻き取り軸と、
この巻き取り軸を、この巻き取り軸にシート状物が巻き取られる正転方向に向けて、常時付勢する付勢手段と、
巻き取り軸の前記正転に対してのみ一定の制動を付与する制動手段とを備えているものとした。
【0009】
かかる構成によれば、シート状物の引き出し操作にあたっては巻き取り軸を抵抗少なく逆転させることができ、この引き出しをスムースに行わせることができる。一方、引き出されたシート状物の他端側の把持や一次的な固定を解くことにより巻き取り軸の正転が許容されると、この巻き取り軸の正転を自動的に開始させ、かかるシート状物を巻き取ることができると共に、この巻き取りの勢いを減殺させて巻き取りにあたっての各部材の強いぶつかりや、破損などを生じさせないようにすることができる。また、違和感のないシート状物の巻き取りを演出させることができる。
【0010】
また、請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載のシート状物の巻き取り機構における制動手段が、
巻き取り軸に組み付けられてこの巻き取り軸の回転に伴って回転される内側回転体と、
内側回転体を内方に納めた状態で回転可能とされる外側回転体と、
外側回転体を納めるケース体と、
内側回転体の外周側から回転中心側に向けて窪んだ凹部に納められる遊星ギア体とを備えており、
外側回転体の内壁部には、遊星ギア体に噛み合う周回状ラック部が設けてあり、
外側回転体とケース体との間には隙間が形成されていると共に、この隙間には粘性流体が封入されており、
しかも、巻き取り軸の正転に伴う内側回転体の正転時に、遊星ギア体の回転が規制されるようにしてあることを特徴としている。
【0011】
かかる構成によれば、巻き取り軸の逆転時には、この巻き取り軸の逆転により外側回転体内で逆転される内側回転体により押圧される遊星ギア体を外側回転体の周回状ラック部に沿って回転させながら走行させることができ、この逆転時には内側回転体の回転によって外側回転体が回転にしないようにすることができる。粘性流体は外側回転体とケース体との間の隙間に封入されていることから、内側回転体の逆転、つまり、巻き取り軸の逆転に制動を付与させることがない。つまり、シート状体の引き出し操作に対し抵抗を生じさせない状態を確実に作り出すことができる。
【0012】
一方、巻き取り軸の正転時には、この巻き取り軸の正転により外側回転体内で正転される内側回転体により押圧される遊星ギア体の回転を規制することができる。このように遊星ギア体の回転が規制されると、外側回転体の周回状ラック部に噛み合っている遊星ギア体を通じて、この正転時には内側回転体の回転によって外側回転体も回転するようにすることができる。このように外側回転体が回転されると前記粘性流体により、外側回転体の内側回転体の正転、つまり、巻き取り軸の正転に制動が付与される。つまり、引き出されたシート状体の付勢手段による自動的な巻き取り動作に対し抵抗を生じさせる状態を確実に作り出すことができる。
【0013】
また、請求項3記載の発明にあっては、請求項1又は請求項2記載のシート状物の巻き取り機構における巻き取り軸の両端部にそれぞれ制動手段が備えられていることを特徴としている。
【0014】
かかる構成によれば、巻き取り軸が正転された際の制動手段による制動を巻き取り軸の両端部においてそれぞれ生じさせることができることから、巻き取り軸の正転を安定ならしめると共に、この巻き取り軸の正転に対しより適切な制動を付与させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図9に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について説明する。
【0016】
なお、ここで図1は、巻き取り機構の概要を理解し易いように、この機構を構成する各部材を分離して示しており、また、図2は、かかる機構を構成する制動手段3の組み込み側を、また、図3は、かかる機構を構成する付勢手段2の組み込み側を、それぞれ断面にして示している。また、図4ないし図9は、制動手段3をそれぞれ示しており、ここで図8は、巻き取り軸1が正転されている場合の制動手段3の内部の様子を、また、図9は、巻き取り軸1が逆転されている場合の制動手段3の内部の様子を、それぞれ示している。
【0017】
この実施の形態にかかる巻き取り機構は、各種のシート状物Sを引き出し可能な状態で巻き取り状に保持するものである。
【0018】
かかるシート状物Sとしては、各種の織生地、編み生地、網状体、合成樹脂製のシートなどを予定するものである。
【0019】
また、かかる巻き取り機構は、トノカバーとなるシート状物S、サンシェードとなるシート状物S、ブラインドとなるシート状物Sなどを引き出し可能な状態で巻き取り状に保持するように用いることができる。
【0020】
かかる巻き取り機構は、
(1)巻き取り軸1と、
(2)付勢手段2と、
(3)制動手段3とを備えている。
【0021】
巻き取り軸1は、シート状物Sの一端が止着されるようになっている。そして、このように止着されたシート状物Sを、巻き取り軸1の正転によって巻き取り、また、巻き取られたシート状物Sの他端を把持してこのシート状物Sを引っ張るように操作した際には、このように引っ張られたシート状物Sの引き出しを巻き取り軸1の逆転によって許容させるようになっている。
【0022】
付勢手段2は、かかる巻き取り軸1を、この巻き取り軸1にシート状物Sが巻き取られる正転方向fに向けて、常時付勢するようになっている。すなわち、かかる付勢手段2によって、前記のように引き出されたシート状物Sの他端側の把持や一次的な固定を解くと、巻き取り軸1の正転が許容されると共に、この巻き取り軸1の正転が自動的になされ、かかるシート状物Sが巻き取り軸1に巻き取られるようになっている。引き出されたシート状物Sの他端側の一次的な固定は、典型的には、このシート状物Sの他端に設けたフックなどを、シート状物Sの引き出し先側にある壁面などに設けた被引っ掛け部などに掛合させることによりなすことができる。例えば、シート状物Sがトノカバーとして用いられる場合にあっては、車両のバックドア側に前記被引っ掛け部を設けておき、このシート状物Sのフックをこの引っ掛け部に掛合させることにより、車両の後部収納部の上方をこのシート状物Sによって覆ったシート状物Sの引き出し状態を維持させることができる。かかるフックの掛合を解くとシート状物Sは前記のように巻き取られ、車両の後部収納部の覆い状態はワンタッチで解かれる。
【0023】
制動手段3は、巻き取り軸1の前記正転に対してのみ一定の制動を付与するように構成されている。すなわち、制動手段3は、巻き取り軸1の前記逆転に対しては積極的な制動を付与しないように構成されている。
【0024】
これにより、この実施の形態にかかる巻き取り機構によれば、シート状物Sの引き出し操作にあたっては巻き取り軸1を抵抗少なく逆転させることができ、この引き出しをスムースに行わせることができる。一方、引き出されたシート状物Sの他端側の把持や一次的な固定を解くことにより巻き取り軸1の正転が許容されると、この巻き取り軸1の正転を自動的に開始させ、かかるシート状物Sを巻き取ることができると共に、この巻き取りの勢いを減殺させて巻き取りにあたっての各部材の強いぶつかりや、破損などを生じさせないようにすることができる。また、違和感のないシート状物Sの巻き取りを演出させることができる。
【0025】
かかる制動手段3を、巻き取り軸1の両端部にそれぞれ備えさせておくようにしてあることもある。
【0026】
このようにした場合、巻き取り軸1が正転された際の制動手段3による制動を巻き取り軸1の両端部においてそれぞれ生じさせることができることから、巻き取り軸1の正転を安定ならしめると共に、この巻き取り軸1の正転に対しより適切な制動を付与させることができる。
【0027】
図示の例では、巻き取り軸1は、両端を開放させた中空の筒状体として構成されている。シート状物Sは、その幅方向に沿った一方の縁部、つまり、一端部をこの巻き取り軸1の軸線方向に沿わせるようにして、この巻き取り軸1の外周部に止着されるようになっている。
【0028】
図示の例では、かかる巻き取り軸1は、前記シート状物Sの引き出しスリット41を長さ方向に沿って備えた細長いメインケース4内に回転可能に納められている。
【0029】
また、図示の例にあっては、かかるメインケース4の一端部において、巻き取り軸1の一端が回転可能に軸支されると共に、かかるメインケース4の他端部において、制動手段3を構成する後述する内側回転体30のジョイント部30dを介して、巻き取り軸1の他端が回転可能に軸支されるようになっている。
【0030】
また、図示の例にあっては、付勢手段2は、巻き取り軸1の一端側からこの巻き取り軸1の内部に入れ込まれたコイルバネ20によって構成されている。図示の例にあっては、このコイルバネ20の一端20aは巻き取り軸1の一端からこの巻き取り軸1内に入り込んでこの巻き取り軸1の一端を軸支しているメインケース4の一端部に設けられた軸体42に止着され、かつ、このコイルバネ20の他端20bは巻き取り軸1の内部に止着されている。そして、巻き取り軸1が逆転されることにより、かかるコイルバネ20が弾性的に縮径され、このコイルバネ20に巻き取り軸1に対する正転方向fの付勢力が畜勢されるようになっている。
【0031】
一方、図示の例にあっては、制動手段3は、
(1)内側回転体30と、
(2)外側回転体31と、
(3)ケース体32と、
(4)遊星ギア体33と、
(5)粘性流体(図示は省略する。)とを備えて構成されている。
【0032】
内側回転体30は、巻き取り軸1に組み付けられてこの巻き取り軸1の回転に伴って回転されるように構成されている。
【0033】
図示の例にあっては、一面を開放させたケースベース32aと、このケースベース32aの開放部32bの外縁部を前方から塞ぐ前面に大きな貫通穴32eを備えた蓋体32dとによって、前記ケース体32が構成されていると共に、このケースベース32aに外側回転体31を納めた後、この外側回転体31の内方に内側回転体30を納め、この後さらに、ケースベース32aの開放部32bを塞ぐようにこのケースベース32aに蓋体32dを組み付けることにより、制動手段3をアッセンブリーするようにしてある。このようにアッセンブリーされた制動手段3は、図示の例にあっては、メインケース4の他端部を塞ぐホルダー43内にはめ込まれ、このホルダー43をメインケース4の他端部に止め付けることにより、メインケース4に対して組み付けられるようになっている。
【0034】
内側回転体30は、その回転軸xに直交する向きにある二つの面の一方(以下、内側回転体30の前面30aという。)を蓋体32dの内面に向き合わせ、かつ、この二つの面の他方(以下、内側回転体30の背面30bという。)を外側回転体31の後述する底面31aに向き合わせ、かつ、この二つの面の間にある側面30cを外側回転体31の内壁部31bに向き合わせるようにして、組み込まれている。
【0035】
内側回転体30の前面30aには、この内側回転体30の回転軸xに沿う向きに突き出すジョイント部30dが一体に設けられている。図示の例では、このジョイント部30dは筒一端を内側回転体30の前面30aに一体に連接させた筒状をなすように構成されており、前記蓋体32dの中央に形成された貫通穴32eから外方に突き出すようになっている。そして、図示の例では、巻き取り軸1の他端からこの巻き取り軸1内にこのジョイント部30dを入れ込ませることにより、この内側回転体30を介して前記メインケース4の他端部に対し巻き取り軸1の他端が軸支されるようになっている。図示の例にあっては、このジョイントの外周部に、このジョイント部30dの筒軸線に沿って延びる位置決めリブ30eが形成してあると共に、巻き取り軸1の他端には、この巻き取り軸1の他端開放部32bにおいて外方に開放されてこの巻き取り軸1の回転軸線に沿って延びる割溝10が形成してあり、この位置決めリブ30eをこの割溝10に入れ込ませるようにして巻き取り軸1内にジョイント部30dを入れ込ませることにより、巻き取り軸1と内側回転体30とを一体化させるようにしている。
【0036】
また、内側回転体30の背面30bであって、この内側回転体30の回転中心位置には、この内側回転体30の前面30a側に向けて窪み込んだ軸穴30fが形成されている。
【0037】
一方、外側回転体31は、内側回転体30を内方に納めた状態でケース体32内において回転可能となっている。図示の例では、かかる外側回転体31は、ケースベース32aの内側面に向き合う周回側板部31cと底板部31dとを有し、底板部31dと反対の開放側からその内方に内側回転体30を納め入れるように構成されている。それと共に、外側回転体31の底板部31dによって構成される底面31aであって、この外側回転体31の回転中心位置には、軸突部31eが形成されている。そして、図示の例にあっては、この軸突部31eを内側回転体30の軸穴30fに入れ込ませた状態で、外側回転体31内に内側回転体30が納められるようになっており、内側回転体30は外側回転体31の軸突部31eを中心として回転されるようになっている。
【0038】
また、図示の例では、ケースベース32aの底部のほぼ中央に軸凹部32cが形成してあると共に、外側回転体31の底板部31dの外面側であってこの外側回転体31の回転中心位置にこの軸凹部32cに入り込む軸突部31fが形成してある。
【0039】
また、内側回転体30は、内側回転体30の外周側から回転中心側に向けて窪んだ凹部30gを有している。そして、前記遊星ギア体33は、この内側回転体30の凹部30gに納められるようになっている。
【0040】
また、外側回転体31の内壁部(周回側板部31cの内側面部)には、遊星ギア体33に噛み合う周回状ラック部31gが設けてある。
【0041】
そして、前記巻き取り軸1の正転に伴う内側回転体30の正転時に、遊星ギア体33の回転が規制されるようにしてある。
【0042】
また、外側回転体31とケース体32との間には隙間34が形成されていると共に、この隙間34には図示しない粘性流体が封入されている。
【0043】
具体的には、図示の例にあっては、外側回転体31の底板部31dの外面とケースベース32aの底部との間に隙間34が形成されており、この隙間34にシリコンオイルなどの粘性流体を封入させている。図示の例では、かかる外側回転体31の周回側板部31cの先端外側にシールリング35がはめ付けられており、この粘性流体がケースベース32aの開放部32bから漏れ出さないようにしてある。
【0044】
また、図示の例にあっては、内側回転体30には三カ所の凹部30g‥30gが形成してある。各凹部30g‥30g間のピッチは、内側回転体30の回転軸を巡る向きにおいてほぼ等しくなるようにしてある。また、各凹部30g‥30gはいずれもほぼ同寸同形となるように構成してある。
【0045】
かかる凹部30gは、内側回転体30の側面と、内側回転体30の前面30aおよび背面において外方に開放されている。
【0046】
また、かかる凹部30gは、内側回転体30の逆転時に凹部30gに納められた遊星ギア体33を押圧する凹部30g壁面を、この遊星ギア体33の外周円、つまり、ギア歯の先端を通る仮想の円の円弧に沿った円弧面30hとしている。
【0047】
また、かかる凹部30gは、内側回転体30の正転時に凹部30gに納められた遊星ギア体33を押圧する凹部30g壁面を、この遊星ギア体33の外周円に対する接線であって、遊星ギア体33の回転中心と内側回転体30の回転中心とを通る仮想の直線にほぼ沿ったストレート面30iとしている。そして、このストレート面30iと内側回転体30の外周面との間に、このストレート面30iが遊星ギア体33に押し付けられる前記正転時に、遊星ギア体33の外周円よりもやや内方に入り込むコーナー部30jが形成されている。
【0048】
すなわち、凹部30gの円弧面30hとストレート面30i間のピッチは、遊星ギア体33の前記外周円の径よりもわずかに広くなっており、また、遊星ギア体33は内側回転体30及び外側回転体31のいずれにも軸支されていない。
【0049】
一方、三カ所の凹部30gに納められる遊星ギア体33は、いずれもほぼ同寸同形をなすように構成されている。また、いずれの遊星ギア体33も、内側回転体30の凹部30g内に、この遊星ギア体33の回転軸x’を内側回転体30の回転軸xにほぼ沿わせる向きで、納められている。
【0050】
そして、内側回転体30の凹部30gの底と外側回転体31の内壁部との間のピッチが遊星ギア体33の径とほぼ等しくなうように構成してある。
【0051】
これにより、この実施の形態にあっては、巻き取り軸1の逆転時には、この巻き取り軸1の逆転により外側回転体31内で逆転される内側回転体30により押圧される遊星ギア体33を外側回転体31の周回状ラック部31gに沿って回転させながら走行させることができ、この逆転時には内側回転体30の回転によって外側回転体31が回転にしないようにすることができる。(図9)粘性流体は外側回転体31とケース体32との間の隙間34に封入されていることから、内側回転体30の逆転、つまり、巻き取り軸1の逆転に制動を付与させることがない。つまり、シート状体の引き出し操作に対し抵抗を生じさせない状態を確実に作り出すことができる。
【0052】
具体的には、このように内側回転体30が逆転されると、遊星ギア体33に対し内側回転体30は前記凹部30gの円弧面30hを押し付けさせることになるが、この円弧面30hは遊星ギア体33の外周円に沿った面であることから、この押し付けによって遊星ギア体33の回転が妨げられることはなく、遊星ギア体33は前記周回状ラック部31gに沿って回転しながら走行し、周回状ラック部31g側、つまり、外側回転体31を回転させることがない。
【0053】
一方、巻き取り軸1の正転時には、この巻き取り軸1の正転により外側回転体31内で正転される内側回転体30により押圧される遊星ギア体33の回転を規制することができる。このように遊星ギア体33の回転が規制されると、外側回転体31の周回状ラック部31gに噛み合っている遊星ギア体33を通じて、この正転時には内側回転体30の回転によって外側回転体31も回転するようにすることができる。(図8)このように外側回転体31が回転されると前記粘性流体により、外側回転体31の内側回転体30の正転、つまり、巻き取り軸1の正転に制動が付与される。つまり、引き出されたシート状体の付勢手段2による自動的な巻き取り動作に対し抵抗を生じさせる状態を確実に作り出すことができる。
【0054】
具体的には、このように内側回転体30が正転されると、遊星ギア体33に対し内側回転体30は前記凹部30gのストレート面30iを押し付けさせることになると共に、このストレート面30iと内側回転体30の外周面との接し合うコーナー部30j、つまり、凹部30gの入り口にあるコーナー部30jの一方が遊星ギア体33の隣り合うギア歯間に入り込むことから、この押し付けによって遊星ギア体33の回転は規制され、この遊星ギア体33に周回状ラック部31gを噛み合わせている外側回転体31は内側回転体30と同じ向きに回転される。
【0055】
【発明の効果】
この発明にかかるシート状物の巻き取り機構によれば、巻き取り時には一定の制動を巻き取り軸に付与することができると共に、引き出し時にはこうした制動を全く付与しないようにして、シート状物の引き出しを抵抗なく行えるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】巻き取り機構の概要を示す斜視構成図
【図2】同要部断面構成図
【図3】同要部断面構成図
【図4】制動手段3の平面図
【図5】同側面図
【図6】同底面図
【図7】図4におけるA−A線断面図
【図8】図7におけるB−B線断面図(正転時)
【図9】図7におけるB−B線断面図(逆転時)
【符号の説明】
S シート状物
f 正転方向
1 巻き取り軸
2 付勢手段
3 制動手段
Claims (3)
- シート状物の一端が止着されるこのシート状物の巻き取り軸と、
この巻き取り軸を、この巻き取り軸にシート状物が巻き取られる正転方向に向けて、常時付勢する付勢手段と、
巻き取り軸の前記正転に対してのみ一定の制動を付与する制動手段とを備えていることを特徴とするシート状物の巻き取り機構。 - 制動手段が、
巻き取り軸に組み付けられてこの巻き取り軸の回転に伴って回転される内側回転体と、
内側回転体を内方に納めた状態で回転可能とされる外側回転体と、
外側回転体を納めるケース体と、
内側回転体の外周側から回転中心側に向けて窪んだ凹部に納められる遊星ギア体とを備えており、
外側回転体の内壁部には、遊星ギア体に噛み合う周回状ラック部が設けてあり、
外側回転体とケース体との間には隙間が形成されていると共に、この隙間には粘性流体が封入されており、
しかも、巻き取り軸の正転に伴う内側回転体の正転時に、遊星ギア体の回転が規制されるようにしてあることを特徴とする請求項1記載のシート状物の巻き取り機構。 - 巻き取り軸の両端部にそれぞれ制動手段が備えられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシート状物の巻き取り機構。
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