JP3650191B2 - 操作性を改善したケース巻き尺 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はケース巻き尺とくに二つ合わせ薄肉環状殻よりなるケースの内部に、目盛つきのスチールテープをその内端で係止して多重に巻きつけた巻き胴を、回転可能な支持の下に収容し、ケースの外周に設けた開口から引出したスチールテープを、巻き胴に付設した把手による巻き胴の転向操作ケース中へ再繰込み可能としたケース巻き尺について、軽快な操作性を、簡便に実現しようとするものでる。
【0002】
【従来の技術】
上記したスチールテープを用いたケース巻き尺そのものは古くから知られていたが、無頓着な取扱いによってしばしば操作性が著しく損われる欠点のため、小型のまま長尺化できる利点に拘らず普及が阻まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のスチールテープを用いたケース巻き尺が、その使用に際しはじめに強く引き出されるような粗暴なあるいは不注意な取扱いの下に、スチールテープを多重に巻付けた巻き胴の惰性回転を生じ、そのためケース内周に沿うスチールテープの内巻きによる、干渉巻き締めを来して、その後のスチールテープの引き出しを妨げる拘束を発生し、この種巻き尺の操作性が著しく害される欠点を残していた。
この操作性の改善を図って、ケース巻き尺の利便性をさらに拡充することが、この発明の課題とするところである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、二つ合せ薄肉環状殻よりなるケースの内部に、目盛つきのスチールテープをその内端で係止して多重に巻きつけた巻き胴を、回転可能な支持の下に収容し、ケースの外周に設けた開口から引き出したスチールテープを、横軸ピンの回りの転向による折畳みを可能として巻き胴に付設した把手による巻き胴の回転にて、ケース中への再繰り込み可能としたケース巻き尺において、
巻き胴が、ケースの組立ての際、ケースとの間に摩擦力を発生させて巻き胴の自由回転を抑制し、これによってスチールテープの引き出しの際に生じる巻き胴の惰性回転に基くスチールテープの干渉巻き締りを防止するスラスト用ばね舌片と、把手の折畳み姿勢における収納を司る凹所とを備え、
前記凹所はその底に、スチールテープの係止を脱着自在に司る掛合爪を有することを特徴とする、操作性を改善したケース巻き尺である。
【0005】
【発明の実施の形態】
この発明は、二つ合わせ薄肉環状殻よりなるケースの内部に目盛つきのスチールテープを、その内端で係止して多重に巻きつけた巻き胴で回転可能な支持の下で上記ケース内に収容し、ケースの外周に設けた開口から引き出したスチールテープを、巻き胴に付設した把手による巻き胴の回転にて、ケース中への再繰込み可能とする型式の巻き尺であれば、上記把手の折畳みを可能とする場合、この折畳み姿勢にて巻き胴に設けた収納のための凹所内での保持を可能とする場合、さらにはとくにこの収納用の凹所内に掛合爪を設けてスチールテープ内端の係止を脱着自在とする場合などであっても実施できる。
【0006】
この発明で利用するスチールテープは薄肉ばね鋼帯に白色塗装を施し、片面又は両面に寸法目盛り及び数字表記を施して成るものが好ましく、通常10mm幅を可とし、例えば0.13mm厚み程度ならば全長10m のものが、外径約80mm程度のケース内に巻き収めることができ便利である。
【0007】
【実施例】
図1にてこの発明によるケース巻き尺の断面をあらわし、また図2は、スチールテープをとり外したときのケース断面を示し、また図3(a), (b)にてスチールテープを示し、さらに図4(a) 〜(e) は巻き胴をあらわす平面、正面、底面、左側面及び右側面の正投影である。
図1,図2においてケース1は、二つ合わせ薄肉環状の殻半部1a, 1bよりなり、目盛つきのスチールテープ2をその内端で係止して多重に巻きつける巻き胴3を回転可能な支持の下に収容する。
ここに殻半部1aは巻き胴3の端壁3aにあけた軸孔4に緩くはまり合う中心突起5を有する一方殻半部1bは、巻き胴3の面壁3bから段下りをなして張り出す周縁6を受入れる回転ガイド7をそなえる。
【0008】
また両殻部1a, 1bの周縁の一部を切欠いて、ケース1の外周の接線方向に向う開口8を形成し、この開口8に沿ってマウスピース9を取付け、また図にあらわれていないがケースの下げ緒(ストラップ)を止めるピンを開口8に対設する。なお図中10, 11ははめあわせリブ12, 13はガイドリブである。
【0009】
スチールテープ2は、図3に示すように一端に引手14を、他端には係止鉤15を有し、両端間の少なくとも片面に目盛表記とその読取りのための数字表記をそなえる。
巻き胴3は前記したようにその端壁3aの中心に軸孔4、また同じく面壁3bのまわりで段下りをなす周縁6を有するほか、図4(a) のように面壁3bを二つの弦で区切るほぼ長方形のくぼみ16をそなえ、くぼみ16は端壁3aによって底がまた巻き胴3の胴壁17の一部及び上記の弦を形成する弦壁18, 19によって周囲が限定される。
【0010】
二つの弦で区切られた面壁3bにピン受け横孔20をあけ、これに横軸ピン21(図1,2参照)を挿し通して巻き胴3の回転駆動に供する把手22の基端を軸支し、この把手22はその回転操作用のつまみ23とともにくぼみ16の内部に納った格納姿勢から横軸ピン21のまわりに、図1、図2の仮想線で示す操作姿勢までの間で回動可能とする。従ってくぼみ16は把手22の収納を司る凹所となる。把手22の基端は、その格納、操作両姿勢位置で巻き胴3の別な一部胴壁17′に形成したクリック止め用ばね舌片24と掛合させる。
【0011】
この発明においては図4に示すように巻き胴3の胴縁6を半径方向の切込み25の多数によって切込み25に挟まれる弧状のスラスト用ばね舌片26を形成し、このスラスト用ばね舌片26は、図1,2に示すように殻半部1bの回転ガイド7に対してスラストを及ぼし、このスラストは巻き胴3がスチールテープ2を勢いよく引張ったときの回転惰性を適切に減殺する摩耗抵抗を発生するが、通常の操作性を妨げることのない程度に定める。ここに巻き胴3は、ポリアセタール、ポリアミド、ポリプロピレンなどの弾性作用を生じ得るプラスチックによることがのぞましい。
【0012】
この発明において巻き胴3は、ケース1の開口8を通してスチールテープ2の内端の係止鉤15をくぼみ16内に導き入れることができる窓孔27(図4(a), (b), (c) 参照)と、この窓孔27からくぼみ16内にのぞませた内端の係止鉤15を適合する掛合爪28とを有する。
【0013】
従ってスチールテーブル2は、ケース1内の巻き胴3に対して係脱可能であり、ケースから必要な長さだけ引出して測長に供することも、またスチールテープ2の全体をケースから引抜いたメジャーテープとして用いることもできる。
【0014】
このような引き出し操作に際してはじめに勢よく引張ったときにしばしば巻き胴3が空転滑走してケース内周への圧着をもたらす巻き太りに由来してスチールテープが抜き差しならぬ事態に至っていた欠点を回避することがきる。
【0015】
【発明の効果】
巻き胴がケースの回転ガイドに対し適切な摩擦力を生じるスラスト用ばね舌15を有するので、スチールテープがかりに過剰に勢いよく引き出されたときでも巻き胴に無用の惰性回転を生じることなくまた程よい摩擦抵抗によって引き出し操作の軽快性は持続される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ケース巻き尺の断面図である。
【図2】スチールテープを除いたケースの断面図である。
【図3】スチールテープの展開図と要部の前面図である。
【図4】 (a) 〜(e) は巻き胴の平面、正面、底面、左並びに右各側面の投影図である。
Claims (1)
- 二つ合せ薄肉環状殻(1a、1b)よりなるケース(1)の内部に、目盛つきのスチールテープ(2)をその内端で係止して多重に巻きつけた巻き胴(3)を、回転可能な支持の下に収容し、ケース(1)の外周に設けた開口(8)から引き出したスチールテープ(2)を、横軸ピン(21)の回りの転向による折畳みを可能として巻き胴(3)に付設した把手(22)による巻き胴(3)の回転にて、ケース(1)中への再繰り込み可能としたケース巻き尺において、
巻き胴(3)が、ケース(1)の組立ての際、ケース ( 1 ) との間に摩擦力を発生させて巻き胴(3)の自由回転を抑制し、これによってスチールテープの引き出しの際に生じる巻き胴の惰性回転に基くスチールテープの干渉巻き締りを防止するスラスト用ばね舌片(26)と、把手(22)の折畳み姿勢における収納を司る凹所(16)とを備え、
前記凹所(16)はその底に、スチールテープ(2)の係止を脱着自在に司る掛合爪(28)を有することを特徴とする、操作性を改善したケース巻き尺。
Priority Applications (1)
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JP33339095A JP3650191B2 (ja) | 1995-12-21 | 1995-12-21 | 操作性を改善したケース巻き尺 |
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JP33339095A JP3650191B2 (ja) | 1995-12-21 | 1995-12-21 | 操作性を改善したケース巻き尺 |
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JPH09170901A JPH09170901A (ja) | 1997-06-30 |
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JP33339095A Expired - Fee Related JP3650191B2 (ja) | 1995-12-21 | 1995-12-21 | 操作性を改善したケース巻き尺 |
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1995
- 1995-12-21 JP JP33339095A patent/JP3650191B2/ja not_active Expired - Fee Related
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