JP4565375B2 - 回転減衰器を持つ安全ベルト巻取り器 - Google Patents
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Description
本発明は、自動車における安全装置としての安全ベルト巻取り器であって、巻付けられるベルトの担体としてU字状ハウジング内に支持されるベルト軸と、ベルト軸に作用する力限定素子としての回転減衰器とを有するものに関する。
【0002】
前記の特徴を持つ安全ベルト巻取り器は、ドイツ連邦共和国特許第1440232号明細書に記載されている。ベルト軸の中空に構成される軸本体の内部には、ねじ付き棒上を軸線方向に移動可能なピストンが設けられて、端面で、高粘性媒体を満たされた動作空間へ入り込み可能であり、その縦方向にあふれ通路を持ち、ピストンの入り込みの際動作空間から押出される媒体が、このあふれ通路を経て流出することができる。ピストンは軸本体に連結され、ねじ付き棒はベルト巻取り器の拘束装置に結合されている。従ってベルト巻取り器の拘束の場合、ベルトの引続く引張り荷重及びこれに伴う軸本体の回転が生じると、ピストンがねじ付き棒上を軸線方向に移動せしめられ、従って動作空間からの媒体の押出しを介して、所望の力限定が行われる。
【0003】
公知の回転減衰器には、回転減衰器への粘性媒体の収容及びベルト軸の内部にある収容空間の密封が困難であるという欠点が伴うので、本発明の基礎になっている課題は、最初にあげた種類の安全ベルト巻取り器用の回転減衰器を、簡単な構造で、場合によっては独立に前もって組立て可能な構造素子として構成することである。
【0004】
この課題の解決策は、本発明の有利な構成及び展開を含めて、特許請求の範囲の内容から明らかになる。
【0005】
本発明は、その基本思想において、回転減衰器が高粘性媒体を満たされて中に固定的に設けられる穴あき板を持つ円筒状ハウジングを含み、ハウジング内に穴あき板に対して平行に、回転を減衰すベきベルト軸に固定的に結合される円板ピストンが設けられ、この円板ピストンが、半径方向に突出して円板ピストンの回転の際旋回するピストン羽根を持っているようにすることを意図している。本発明に伴う利点は、穴あき板に対する円板ピストンの回転の際媒体の押出し又はあふれが行われず、互いに回転可能な両方の板(穴あき板及び円板ピストン)の間に生じるせん断応力が力限定のために利用されることである。
【0006】
安全ベルト巻取り器において本発明による回転減衰器を使用する実施例として、本発明はまず、ハウジングが側方で安全ベルト巻取り器のハウジングにフランジ結合され、円板ピストンがベルト軸に結合されていることに向けられる。このような安全ベルト巻取り器がベルト軸に結合されるねじり棒の形の力限定装置を既に持っている限り、円板ピストンが付加的な力限定素子としてねじり棒に結合されていることを考慮することができる。
【0007】
その代わりに、目的のためベルト軸の中空に構成される軸本体に回転減衰器を統合することも考慮でき、その際軸本体内に、安全ベルト巻取り器の停止の場合拘束される軸芯が、その上にかみ合いで設けられ、穴あき板の担体として設けられ、円板ピストンがかみ合い結合を介して軸本体に結合されている。
【0008】
本発明の実施例によれば、複数の円板ピストン及び穴あき板が交互に回転減衰器のハウジング内に設けられ、円板ピストンと穴あき板との間にそれぞれ1つの間隔素子が設けられているように考慮することができる。
【0009】
高粘性媒体としてなるべくシリコーンが使用される。力限定器のカレベルを一般に高めるため、及び高い温度において起こり得る力低下を補償するため、力限定の作用する前に既にシリコーンが高められた圧力を受けるように考慮することができる。
この高い圧力は、適当に高い圧力でシリコーンをハウジングへ充填することによって生じることができる。
【0010】
図面には本発明の実施例が示されており、以下に説明される。
【0011】
図1に全体を示されている安全ベルト巻取り器10は、付属するU脚辺を持つU字状に構成されたベルト巻取り器ハウジングを持ち、両方のU脚辺11にベルト軸12が回転可能に支持され、このベルト軸12上で、図示しないベルトが巻取り可能であるか、又はそれから巻戻し可能である。このためベルト軸12の一端は、装置キヤツプにより覆われている制御及び拘束装置の作用を受け、ベルト軸の他端は、ばねキヤツプ13の中にあるベルト巻取りばねの作用を受けている。U脚辺11には、適当な腕17でベルト案内片15が揺動可能に支持され、図示しないベルトを入れるための案内スリツト16を持っているので、ベルトは歪むことなくベルト軸12上へ巻取るか又はこれから巻戻し可能である。その限りで安全ベルト巻取り器10のこのような構造は従来技術に属し、図1は本発明の特徴をまだ示していない。
【0012】
安全ベルト巻取り器のベルト軸への本発明による回転減衰器の結合の図2〜4に詳細に示す実施例では、高粘性媒体として特にシリコーンを満たされるハウジング21内に、それぞれ1つの固定した穴あき板28が設けられ、この穴あき板28に対して、半径方向へ突出するピストン羽根16を備えた円板ピストン27が対応している。円板ピストン27はその回転を減衰すべき部材に固定的に結合されているので、図2〜4による実施例では、互いにねじり可能な円板ピストン27と対応する穴あき板28との間には、適当なせん断応力が生じる。なぜならば、両方の板の間にある高粘性の媒体なるべくシリコーンは、円板ピストン27により圧力の作用を受け、場合によっては圧縮され、板面の間で擦り砕かれる。穴あき板28に設けられている穴は個々の板の間の圧力平衡に役立ち、ハウジングへのシリコーンの均一な充填を可能にする。図2からわかるように、なるべく複数の円板ピストン27と穴あき板28が交互に設けられている。
【0013】
図2及び3は実施例を詳細に示し、円筒状ハウジング21がベルト巻取り器ハウジングの外側に結合され、ベルト巻取り器の軸又は対応するねじり棒に連結されている。それぞれの穴あき板28は円筒状ハウジング21内に回転しないように固定され、円板ピストン27は、異形断面の支持開口33を、ベルト軸12の軸芯31の同じ形断の異形断面部分32上にはめられているので、ベルト軸12の回転従ってベルト軸12の構成部分としての軸芯31の回転の際、ベルト軸12の回転が減衰される。
【0014】
これに反し図4に示されている実施例は、詳細には図2及び3からわかる回転減衰器をベルト軸の内部へ統合したものを示し、ベルト軸は中空に構成された軸本体34を持っている。この軸本体34を通って、実施例では35で示す軸芯が延び、この軸芯は関係する安全ベルト巻取り器の拘束装置に結合されている。穴あき板28は異形断面の軸芯35上に設けられ、一方円板ピストン27は軸芯35上で回転可能であるが、かみ合い形成部36を介して軸本体34にかみ合いで結合されている。ベルト巻取り器の拘束状態で軸芯35が固定され、ベルトの引張り荷重のため軸本体34が矢印38の方向へ更に回転すると、円板ピストン27と軸本体34との間のかみ合い結合のため、円板ピストン27が一緒に回転し、一方穴あき板28は静止している。これにより所望のせん断応力が生じる。
【0015】
前記の説明、特許請求の範囲、要約及び図面に開示されたこの書類の対象の特徴は、個々にも任意の組合わせでも、種々の実施形態で発明の実現にとって重要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 安全ベルト巻取り器を全体の斜視図で示す。
【図2】 組立てられて安全ベルト巻取り器への組込み状態にある回転減衰器の構成を断面で示す。
【図3】 図2の対象を異なる表示態様で示す。
【図4】 ベルト軸へ統合される回転減衰器の別の実施形態を一部切断して示す。
Claims (7)
- 自動車における安全装置としての安全ベルト巻取り器であって、巻付けられるベルトの担体としてU字状ハウジング内に支持されるベルト軸と、ベルト軸に作用する力限定素子としての回転減衰器とを有するものにおいて、回転減衰器が高粘性媒体を満たされて中に固定的に設けられる穴あき板(28)を持つ円筒状ハウジング(21)を含み、ハウジング(21)内に穴あき板(28)に対して平行に、回転を減衰すべきベルト軸(31,34)に固定的に結合される円板ピストン(27)が設けられ、この円板ピストン(27)が、半径方向に突出して円板ピストンの回転の際旋回するピストン羽根(16)を持っていることを特徴とする、安全ベルト巻取り器。
- ハウジング(21)が側方で安全ベルト巻取り器(10)のハウジング(11)にフランジ結合され、円板ピストン(27)がベルト軸(31,34)に結合されていることを特徴とする、請求項1に記載の安全ベルト巻取り器。
- ベルト軸に結合されて力限定装置として動作するねじり棒を有し、円板ピストン(27)がねじり棒に結合されている、請求項2に記載の安全ベルト巻取り器。
- 円筒状ハウジングがベルト軸の軸本体(34)により形成され、穴あき板(28)及び円板ピストン(27)が軸本体(34)内に設けられ、軸本体(34)内に、安全ベルト巻取り器の停止の場合拘束される軸芯(35)が、その上にかみ合いで設けられ、穴あき板の担体として設けられ、円板ピストン(27)がかみ合い結合(36)を介して軸本体(34)に結合されていることを特徴とする、請求項1に記載の安全ベルト巻取り器。
- 複数の円板ピストン(27)及び穴あき板(28)が交互に回転減衰器のハウジング(21,34)内に設けられていることを特徴とする、請求項1〜4の1つに記載の安全ベルト巻取り器。
- 円板ピストン(27)と穴あき板(28)との間にそれぞれ1つの間隔素子(30)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜5の1つに記載の安全ベルト巻取り器。
- ハウジング(21,34)が高粘性媒体としてのシリコーンを満たされていることを特徴とする、請求項1〜6の1つに記載の安全ベルト巻取り器。
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