JP2004214085A - 燃料電池の加湿システム - Google Patents

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Abstract

【課題】イオン交換フィルタを通過する水の通水抵抗が増大しても、ポンプの効率低下や出力低下を防止し、加湿器への通水を確保する。
【解決手段】純水タンク7に貯留した純水をポンプ15で汲み上げて加湿器3に送り、燃料ガスおよび空気を加湿し、加湿した燃料ガスおよび空気を燃料電池1に供給する。加湿器3にて加湿後の余剰の水は、圧力調整弁21で減圧し、イオン交換フィルタ27でイオン除去を行った後、水タンク7に戻す。第1の導電率計17による計測値が規定値を上回る場合には、ポンプ15からの純水を加湿器バイパス路37を経てイオン交換フィルタ27に流すよう第1の切替バルブ19を切り替える。第2,3の導電率計23,47による計測値が規定値以内の場合には、純水がそれぞれ第1,3のフィルタバイパス流路39,51を経て、水タンク7に流れるよう第2,第3の切替バルブ25,49を切り替える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料電池に設けた固体電解質膜を加湿する加湿部を備えた燃料電池の加湿システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来では、導電率が上昇する原因となるイオンをイオン交換フィルタで除去して貯留した純水を、ポンプで汲み上げて加湿器に供給する水回路を備えている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−332280号公報(段落〔0029〕)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した従来のものは、ポンプの上流側にイオン交換フィルタを配置する構成であるため、イオン交換フィルタ内のイオン交換樹脂が、凍結により粉々になると、イオン交換フィルタを通過する水の通水抵抗が増大することから、結果的に水回路の圧力損失が増大し、これによりポンプの効率低下や出力不足が発生したり、加湿器への通水ができなくなってしまうという問題がある。
【0005】
そこで、この発明は、イオン交換フィルタを通過する水の通水抵抗が増大しても、ポンプの効率低下や出力低下を防止するとともに、加湿器への通水を確保できるようにすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、この発明は、燃料電池に設けた固体電解質膜を加湿する加湿部を設けるとともに、この加湿部と純水を貯留する水タンクとを、前記純水が循環する水回路で接続し、この水回路に、前記水タンクに貯留した純水を吸い上げて前記加湿部に供給するポンプと、前記加湿部内の純水の圧力を調整する圧力調整弁と、前記純水に含まれるイオンを低減させるイオン交換フィルタとをそれぞれ設けた燃料電池の加湿システムにおいて、前記加湿部からの排水が前記水タンクへ向けて流れる前記水回路に、上流側から順に、前記圧力調整弁,前記イオン交換フィルタをそれぞれ配置した構成としてある。
【0007】
【発明の効果】
この発明によれば、加湿部からの排水が水タンクへ向けて流れる水回路に、加湿部側から順に、圧力調整弁,イオン交換フィタをそれぞれ配置したので、ポンプから吐出する純水は、加湿部に必要な圧力に設定でき、そのあと圧力調整弁にて減圧してイオン交換フィルタを通すことができ、このため、イオン交換フィルタが凍結して通水抵抗が増大しても、ポンプの吐出圧力、加湿部の圧力は所望に維持でき、ポンプの効率低下や出力低下、また加湿部への通水を確保でき、加湿部の性能劣化を防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0009】
図1は、この発明の第1の実施形態を示す燃料電池の加湿システムの全体構成図である。燃料電池1は、図示しない固体電解質膜としての固体高分子電解質膜を備えており、この固体高分子電解質膜を湿潤状態に維持するために、燃料電池1に供給する燃料ガスおよび酸化剤ガス(例えば空気)を、加湿部としての加湿器3によって加湿する。
【0010】
加湿器3と、純水5を貯留する水タンク7とは、水回路を構成する水供給路9および水排出路11により接続する。水タンク7内の純水5は、異物除去用のストレーナ13を通してポンプ15により汲み上げ、加湿器3に供給する。ポンプ15と加湿器3との間の水供給路9には、ポンプ15側から、純水の導電率を計測する第1の導電率計17,第1の切替バルブ19を設けてある。
【0011】
水排出路11には、加湿器3側から、加湿器3内の圧力を調整する圧力調整弁21,加湿器3からの排水の導電率を計測する第2の導電率計23,第2の切替バルブ25,イオン交換フィルタ27を、それぞれ設けてある。
【0012】
イオン交換フィルタ27には、純水中のイオンを低減させるイオン交換樹脂29を封入してある。
【0013】
前記した第1の切替バルブ19には、加湿器3に空気を供給する空気供給路31から分岐した空気流路33を接続し、空気流路33には、空気開閉バルブ35を設けてある。
【0014】
また、前記第2の切替バルブ25とイオン交換フィルタ27との間の水排出路11と、第1の切替バルブ19とは、ポンプ15から吐出した純水が加湿器3をバイパスしてイオン交換フィルタ27に流れる加湿器バイパス流路37により接続する。この加湿器バイパス流路37と、第1の切替バルブ19とで、加湿器バイパス回路を構成する。
【0015】
さらに、前記第2の切替バルブ25と、水タンク7とは、加湿器3からの排水が、イオン交換フィルタ27をバイパスして水タンク7に流れる第1のフィルタバイパス流路39により接続する。この第1のフィルタバイパス流路39と第2の切替バルブ25とで、第1のフィルタバイパス回路を構成する。
【0016】
また、燃料電池1から排気される燃料ガスおよび空気に含まれている余剰の水や生成水を回収する水回収器を41,43をそれぞれ設ける。この水回収器41,43は、冷媒を用いた熱交換により凝縮水を得る。
【0017】
前記第2の切替バルブ25とイオン交換フィルタ27との間の水排出路11と、上記した各水回収器を41,43とは、回収した水をイオン交換フィルタ27に流す回収水回路としての回収水流路45により接続する。
【0018】
回収水流路45には、水回収器41,43側から、回収水の導電率を計測する第3の導電率計47,第3の切替バルブ49を、それぞれ設ける。
【0019】
上記した第3の切替バルブ49と水タンク7とは、回収水がイオン交換フィルタ27をバイパスして水タンク7に流れる第2のフィルタバイパス流路51により接続する。この第2のフィルタバイパス流路51と第3の切替バルブ49とは、第2のフィルタバイパス回路を構成する。
【0020】
上記した水タンク7の上部には、大気開放部となる排水路53を接続する。
【0021】
次に、第1の実施形態の作用を、図2〜図4に示すフローチャートに基づき説明する。
【0022】
通常運転時は、水タンク7に貯めてある純水5を、ストレーナ13により異物除去してポンプ15で吸い上げ、加湿器3に供給し、燃料ガスおよび空気を加湿する。この加湿した燃料ガスおよび空気を、燃料電池1にそれぞれ供給して発電させる。燃料ガスおよび空気を、燃料電池1にそれぞれ供給することで、燃料電池1に内蔵する固体高分子電解質膜を加湿して湿潤状態に保つ。
【0023】
ここで、燃料電池1の長期放置後などの起動時に、水タンク7を構成する素材や大気からのイオン溶出などにより、水タンク7内の純水5の導電率が上昇し、加湿器3内に供給する純水中のイオン含有量が、許容値を超える場合がある。
【0024】
このため起動時(図2)には、第1の切替バルブ19を、ポンプ15で吸い上げた純水が加湿器3をバイパスする加湿器バイパス流路37を経てイオン交換フィルタ27に流れるよう切り替えた状態で(ステップ201)、ポンプ15を駆動する(ステップ203)。
【0025】
このとき、第1の導電率計17により、純水の導電率が規定値(5μS/cm程度)以内かどうかを判定する(ステップ205)。ここで、規定値を超えてい場合には、第1の切替バルブ19を純水が加湿器バイパス流路37に流れる状態のままとし、加湿器3への純水供給は行わない。
【0026】
つまり、ポンプ15が吐出した純水は、加湿器バイパス流路37を通ってイオン交換フィルタ27に流し、イオンを除去した後に、水タンク7に排出して循環させる。これにより、許容値を超えたイオンを含む水を加湿器3に供給することを防止できる。
【0027】
一方、導電率が規定値以内となっている場合には、第1の切り替えバルブ19を、ポンプ15が吐出した純水が加湿器3に流れるように切り替える(ステップ207)。
【0028】
加湿器3に純水を供給し、ここで水素などの燃料ガスおよび酸素が含まれる空気を加湿し終えた余剰の純水を、水排出路11に排出する。水排出路11では、排出した純水を、圧力調整弁21で減圧し、第2の導電率計23,第2の切替バルブ25,イオン交換フィルタ27を通して、水タンク7に戻す。
【0029】
このとき、加湿器3に適する水圧、水量となるようポンプ15および圧力調整弁21を動作させ(ステップ209)、燃料電池1の発電を開始する(ステップ211)。
【0030】
燃料電池1の運転中(図3)は、第2の導電率計23により、圧力調整弁21から流出する純水の導電率が規定値(5μS/cm程度)以内かどうかを判定する(ステップ301)。ここで規定値以内の場合には、第2の切替バルブ25を、純水がイオン交換フィルタ27をバイパスする第1のフィルタバイパス路39を経て水タンク7に流れるよう切り替える(ステップ303)。これより、導電率が低い状態の純水をイオン交換フィルタ27に流す必要がなくなり、イオン交換フィルタ27の寿命が向上する。
【0031】
一方前記ステップ301で、純水の導電率が規定値を超える場合には、第2の切換バルブ25を、純水がイオン交換フィルタ27に流れるよう切替え、純水中のイオンを除去する(ステップ305)。
【0032】
また、第3の導電率計47により、水回収器41,43から流出する純水の導電率が規定値(5μS/cm程度)以内かどうかを判定する(ステップ307)。ここで規定値以内の場合には、第3の切替バルブ49を、純水がイオン交換フィルタ27をバイパスする第2のフィルタバイパス路51を経て水タンク7に流れるよう切り替える(ステップ309)。これより、導電率が低い状態の純水をイオン交換フィルタ27に流す必要がなくなり、イオン交換フィルタ27の寿命が向上する。
【0033】
一方前記ステップ307で、純水の導電率が規定値を超える場合には、第3の切換バルブ49を、純水がイオン交換フィルタ27に流れるよう切替え、純水中のイオンを除去する(ステップ311)。
【0034】
燃料電池1の発電により、生成水が増え、水タンク7内の水が上昇し、水タンク7の許容容積を超える場合は、水タンク7上部の排水路53から水を排水する。
【0035】
上記した水回路は、媒体に純水を使用しているため、氷点下では、凍結により体積膨張が起こる。したがって水回路の配管、タンク、ポンプなどの破損防止策が必要である。
【0036】
そこで、水回路内の水を抜き凍結防止を行うため、図4に示すように、燃料電池1の停止時(ステップ401)には、ポンプ15を停止し(ステップ403)、空気開閉バルブ35を開放する(ステップ405)。これにより、空気供給路31を流れる空気を、第1の切替バルブ19,加湿器バイパス流路37,イオン交換フィルタ27の順に流し、水タンク7に水を貯める(ステップ407)。
【0037】
その後、空気開閉バルブ35を閉じて(ステップ409)、空気供給を停止し(ステップ411)、システムを停止させる(ステップ413)。
【0038】
ところで、イオン交換フィルタ27は、内部にイオン交換樹脂29を封入しており、このイオン交換樹脂29が導電率を上昇させる原因である金属イオンを除去する働きがある。イオン交換樹脂29は、その構造上、水を50〜60%程度含んだ物質であり、イオン交換性能を保つためには常に、樹脂内に水を含む湿潤状態にしておく必要があり、乾燥状態では交換性能が劣化してしまう。
【0039】
そのため氷点下では、水回路内の水を抜く場合でも、完全に乾燥するまで水抜きをせずに、必ずイオン交換樹脂29が乾燥しない程度までの湿潤状態にしておく必要がある。
【0040】
以上のことから、氷点下では、イオン交換フィルタ27内部のイオン交換樹脂29は、水回路の水を抜く抜かないに拘わらず、湿潤状態であることから凍結することになる。
【0041】
イオン交換樹脂29は凍結した場合、分子レベルまで破損するわけではないので、イオン交換性能自体は劣化しないことを実験で確認済みである。しかし、水を含んだまま凍結するため、樹脂の内部で体積膨張し、樹脂の形態が破損されて、一般に球状の形態をしている樹脂の粒径が小さくなり、繰り返し凍結解凍することで、粉々になってしまう。凍結によりイオン交換樹脂29が粉々になると、イオン交換フィルタ27を通過する水の通水抵抗が増す。
【0042】
ここで、図5の比較例に示すように、イオン交換フィルタ27を、水回路における加湿器3の上流側の水供給路9に配置すると、粉々になったイオン交換樹脂29の影響で、水回路の圧力損失が増大し、ポンプ15の効率低下や出力不足が発生し、最終的には通水ができなくなってしまうという問題が発生する。また、イオン交換フィルタ27の圧力損失が変化することにより、加湿器3に必要な圧力範囲を制御することが困難になり、加湿器3の破損、性能劣化につながる可能性もある。
【0043】
一方、上記した本明による第1の実施形態では、イオン交換フィルタ27が、水回路における加湿器3の下流側の水排出路11にあり、かつ圧力調整弁21がイオン交換フィルタ27の上流にあるため、イオン交換フィルタ27が凍結解凍などにより、イオン交換樹脂29の粒径などが変化し、圧損が増大した場合でも、ポンプ15の吐出圧力は変化せず、加湿器3に一定の圧力で純水を供給することができる。
【0044】
したがって、ポンプ15の効率低下や出力低下を防止でき、また加湿器3への通水を確保できることから、加湿器3の性能劣化を防止することができる。
【0045】
また、水回収器41,43で回収した水を、イオン交換フィルタ27を通して水タンク7に回収するので、加湿器3で水を消費し、残った水の量が低下しても純水を確保できるとともに、イオン交換樹脂29の乾燥を避けることができる。
【0046】
また、第2,第3の各導電率計23,47により、水がイオン交換フィルタ27で除去する必要のない5μS/cm程度の低い導電率レベルであれば、イオン交換フィルタ27に通さずに、水タンク7に直接水を送るため、イオン交換フィルタ57は、必要以上に交換容量を減らさずに済み、寿命向上が図れる。
【0047】
さらに、加湿器3の入口部に第1の導電率計17を設け、導電率が規定値を超えるときは、加湿器3に水を流さず、加湿器バイパス流路37を経てイオン交換フィルタ27に流し、水の導電率を低下させるので、加湿器3や燃料電池1を保護することができる。
【0048】
つまり、長期放置などにより水の導電率が例えば20〜30μS/cm程度に上昇する場合や、水タンク7に水の導電率が高いものを補給してしまった場合でも、加湿器3に高導電率の水が入ることはなく、加湿器3や燃料電池1の寿命低下および発電能力の低下を抑制することができる。
【0049】
また、この際加湿器3へ水を循環させるための通常のポンプ15を用いるので、イオン交換フィルタ27に水を通過させるためだけに専用のポンプを設ける必要がなく、コスト,効率,軽量コンパクト化の点で有利となる。
【0050】
図2は、この発明の第2の実施形態を示す燃料電池の加湿システムの全体構成図である。ここでは、第1の実施形態と同じ部分の説明は省略する。
【0051】
水タンク7の上方に、もう一つの水タンク55を配置し、水タンクを上下2段構成とする。そして、上段の水タンク55の下部に、イオン交換樹脂57を備えたイオン交換フィルタ59を配置する。
【0052】
水排出路11は、上段の水タンク55に接続する。これにより加湿器3からの排水が、圧力調整弁21を通って前記上段の水タンク55に入り、イオン交換フィルタ59を経て下段の水タンク7に入る。また、加湿器バイパス流路37および回収水流路45も、上段の水タンク55に接続する。
【0053】
また、上段の水タンク55には、水位を計測する水位センサ61を設けるとともに、大気開放部となるドレン回路としての排水路63を設け、排水路63および下段の水タンク7の排水路53には、開閉バルブ65および67をそれぞれ設ける。
【0054】
次に、第2の実施形態の作用を、図7〜図9に示すフローチャートに基づき説明する。
【0055】
まず、運転開始時に開閉バルブ65,67を開くとともに(ステップ701)、第1の切替バルブ19を、ポンプ15からの純水が加湿器3をバイパスして上段の水タンク55に流れるよう切り替える(ステップ703)。この状態でポンプ15を駆動すると(ステップ705)、ポンプ15から吐出した純水は、加湿器3へは流れずに、上段の水タンク55,イオン交換フィルタ59,下段の水ンク7を循環する。
【0056】
ここで、水位センサ61で検知する上段の水タンク55の水位が規定値以内かどうかを判定し(ステップ707)、ポンプ駆動開始から所定時間(約30秒間)内に規定値を超えた場合には、イオン交換樹脂57が、凍結などの破損により圧損が異常増大して交換時期であると判定し、交換指示警報を行った後(ステップ709)、システムを停止する(ステップ711)。
【0057】
一方、水位が規定値以内の場合には、第1の導電率計17により、純水の導電率が規定値以内かどうかを判定する(ステップ713)。ここで、導電率が規定値を超える場合には、導電率の時間に伴う低下を判定し(ステップ715)、規定値に下がるまでポンプ15を駆動する。第1の導電率計17の計測値が時間とともに下がっていかなければ、イオン交換樹脂57の性能が劣化していると判断し、イオン交換樹脂57の交換指示を知らせる警報を発し(ステップ709)、システムを停止させる(ステップ711)。
【0058】
逆に、導電率が規定値以内まで下がった場合には、第1の切替バルブ19を、ポンプ15から吐出した純水が加湿器3に流れるよう切り替える(ステップ717)。
【0059】
加湿器3に純水を供給し、ここで水素などの燃料ガスと酸素が含まれる空気を加湿し終えた余剰の純水を、水排出路11に排出する。水排出路11では、加湿器3からの排水を、圧力調整弁21で減圧し、第2の導電率計23,第2の切替バルブ35,上段の水タンク55,イオン交換フィルタ59を通して、下段の水タンク7に戻す。
【0060】
このとき、加湿器3に適する水圧,水量となるようポンプ15および圧力調整弁21を動作させ(ステップ719)、燃料電池1の発電を開始する(ステップ721)。
【0061】
燃料電池1の運転中(図8)は、第2の導電率計23により計測する、圧力調整弁21から流出する純水の導電率が規定値(5μS/cm程度)以内かどうかを判定する(ステップ801)。ここで規定値以内の場合には、第2の切替バルブ25を、純水が上段の水タンク55をバイパス、すなわちイオン交換フィルタ59をバイパスする第1のフィルタバイパス流路39を経て下段の水タンク7に流れるよう切り替える(ステップ803)。これより、導電率が低い状態の純水をイオン交換フィルタ59に流す必要がなくなり、イオン交換フィルタ59の寿命が向上する。
【0062】
一方前記ステップ801で、純水の導電率が規定値を超える場合には、上段の水タンク55すなわちイオン交換フィルタ59に純水を流してイオンを除去する(ステップ805)。
【0063】
また、第3の導電率計47により、水回収器41,43から流出する純水の導電率が規定値(5μS/cm程度)以内かどうかを判定する(ステップ807)。ここで規定値以内の場合には、第3の切替バルブ49を、純水が、上段の水タンク55すなわちイオン交換フィルタ59をバイパスする第2のフィルタバイパス流路51を経て下段の水タンク7に流れるよう切り替える(ステップ809)。これより、導電率が低い状態の純水をイオン交換フィルタ59に流す必要がなくなり、イオン交換フィルタ59の寿命が向上する。
【0064】
一方前記ステップ807で、純水の導電率が規定値を超える場合には、第3の切換バルブ49を、純水がイオン交換フィルタ59に流れるよう切替え、純水中のイオンを除去する(ステップ811)。
【0065】
次に、第1の導電率計17により計測する、ポンプ15から吐出する純水の導電率が規定値以内かどうかを判定し(ステップ813)、規定値以内の場合はそのまま運転を継続し、規定値を超える場合はイオン交換フィルタ59の交換指示を知らせる警告を発して(ステップ815)、システムを停止させる(ステップ817)。
【0066】
上記した燃料電池1の発電により生成水が増え、各水タンク7,55は、水位が上昇し許容容積を超える場合は、各水タンク7,55上部の排水路53,63から開放状態の開閉バルブ67,65を通して水を排出する。
【0067】
この第2の実施形態における水回路についても、第1の実施形態と同様に、媒体に純水を使用しているため、氷点下では、凍結により体積膨張が起こり、したがって水回路の配管,タンク,ポンプなどの破損防止策が必要である。
【0068】
そこで、水回路の水を抜き凍結防止を行うため、図9に示すように、燃料電池1の停止時(ステップ901)には、ポンプ15を停止し(ステップ903)、空気開閉バルブ35を開放し(ステップ905)、空気供給路31を流れる空気を、第1の切替バルブ19,加湿器バイパス路37,上段の水タンク55およびイオン交換フィルタ27を経て供給し、下段の水タンク7に水を貯める(ステップ907)。
【0069】
次に、空気開閉バルブ35を閉じ(ステップ909)、空気供給停止(ステップ911)後に、開閉バルブ65,67を閉じて(ステップ913)、システムを停止する(ステップ915)。
【0070】
上記したように、停止時は開閉バルブ65,67を閉じることにより、イオン交換フィルタ59の乾燥および、水タンク7,55内の純水への二酸化炭素やNO,SO混入による導電率上昇を防ぐ。
【0071】
以上のように、第2の実施形態では、第1の実施形態の効果に加えて以下の効果が得られる。
【0072】
第1の実施形態では、イオン交換フィルタ27の圧損が20kPa以下であれば成立するが、それ以上の圧損にまで上昇した場合、ポンプ揚程の能力によっては、イオン交換フィルタ27の上流である圧力調整弁21より上流で水が流れなくなることも想定される。
【0073】
第2の実施形態では、水タンクを上下2段構造にして上段の水タンク55の下部にイオン交換フィルタ59を配置するので、イオン交換フィルタ59の圧損が20kPa以上に上昇して圧力調整弁21で減圧した圧力では、イオン交換フィルタ59を通過する流量が減ってしまう場合でも、上段の水タンク55にて水を貯めておくことができるので、加湿器3に入る流量が減ってしまうことを回避することができる。
【0074】
また、上段の水タンク55に一時的に水が貯められるため、重力により除々に水をイオン交換フィルタ59に通水させることができる。
【0075】
さらに、上段の水タンク55に水位センサ61を設けたため、圧損増大を水位で検知し、凍結などにより圧損が増大し、イオン交換樹脂57が粉々になって寿命がきた場合の交換時期を判定することができるとともに、水のオーバーフローを防止できる。
【0076】
また、停止中は開閉バルブ65,67を閉じる機構としたため、上段の水タンク55内の水がなくなる停止中に、イオン交換樹脂57が乾燥してしまうことを避けることができ、イオン交換樹脂57の劣化を防止することができる。
【0077】
なお、上記した第1,2の各実施形態では、燃料電池1とは別体の加湿器3を加湿部として使用しているが、この別体の加湿器3を設けずに、燃料電池1内の固体電解質膜で発電と加湿を同時に行うことができるものに対しても、この発明を適用することが可能である。また、水回収器41,43は、冷媒を用いて凝縮水を得るようにしているが、冷媒を用いず、単に凝縮した水を回収するようなタイプの水回収器であっても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示す燃料電池の加湿システムの全体構成図である。
【図2】第1の実施形態の起動時での動作を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施形態の運転時での動作を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態の停止時での動作を示すフローチャートである。
【図5】比較例を示す燃料電池の加湿システムの全体構成図である。
【図6】この発明の第2の実施形態を示す燃料電池の加湿システムの全体構成図である。
【図7】第2の実施形態の起動時での動作を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施形態の運転時での動作を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施形態の停止時での動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 燃料電池
3 加湿器(加湿部)
5 純水
7 水タンク
9 水供給路(水回路)
11 水排出路(水回路)
15 ポンプ
17 第1の導電率計
19 第1の切替バルブ(加湿器バイパス回路)
21 圧力調整弁
23 第2の導電率計
25 第2の切替バルブ(第1のフィルタバイパス回路)
27,59 イオン交換フィルタ
37 加湿器バイパス流路(加湿器バイパス回路)
39 第1のフィルタバイパス流路(第1のフィルタバイパス回路)
41,43 水回収器
45 回収水流路(回収水回路)
47 第3の導電率計
49 第3の切換バルブ(第2のフィルタバイパス回路)
51 第2のフィルタバイパス流路(第2のフィルタバイパス回路)
55 上段の水タンク
61 水位センサ
63 排出路(ドレン回路)
65,67 開閉バルブ

Claims (9)

  1. 燃料電池に設けた固体電解質膜を加湿する加湿部を設けるとともに、この加湿部と純水を貯留する水タンクとを、前記純水が循環する水回路で接続し、この水回路に、前記水タンクに貯留した純水を吸い上げて前記加湿部に供給するポンプと、前記加湿部内の純水の圧力を調整する圧力調整弁と、前記純水に含まれるイオンを低減させるイオン交換フィルタとをそれぞれ設けた燃料電池の加湿システムにおいて、前記加湿部からの排水が前記水タンクへ向けて流れる前記水回路に、上流側から順に、前記圧力調整弁,前記イオン交換フィルタをそれぞれ配置したことを特徴とする燃料電池の加湿システム。
  2. 前記水タンクを上下2段構成とし、上段の水タンクの下部に前記イオン交換フィルタを配置し、前記加湿部からの排水が前記圧力調整弁を通って前記上段の水タンクに入り、前記イオン交換フィルタを経て前記下段の水タンクに入るよう構成したことを特徴とする請求項1記載の燃料電池の加湿システム。
  3. 前記上段の水タンクがオーバーフローしたときに、この上段の水タンクから水を排出するドレン回路を設けたことを特徴とする請求項2記載の燃料電池の加湿システム。
  4. 前記圧力調整弁と前記イオン交換フィルタとの間に導電率計を設け、この導電率計によって計測する前記純水の導電率が規定値以内のときに、前記圧力調整弁を通った純水が前記イオン交換フィルタをバイパスするフィルタバイパス回路を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の燃料電池の加湿システム。
  5. 前記燃料電池の排気から水を回収する水回収器を設け、この水回収器により回収した水を、前記イオン交換フィルタに供給する回収水回路を設けたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の燃料電池の加湿システム。
  6. 前記回収水回路に導電率計を設け、この導電率計によって計測する回収水の導電率が規定値以内のときに、前記水回収器からの回収水が前記イオン交換フィルタをバイパスする第2のフィルタバイパス回路を設けたことを特徴とする請求項5記載の燃料電池の加湿システム。
  7. 前記ポンプと前記加湿部との間の水回路に導電率計を設け、この導電率計によって計測する純水の導電率が規定値を超えるときに、前記ポンプから吐出する純水が、前記加湿部をバイパスして前記イオン交換フィルタに流れる加湿部バイパス回路を設けことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の燃料電池の加湿システム。
  8. 前記上段の水タンクの水位を計測する水位センサを設け、運転開始時に、前記純水を、前記加湿部バイパス回路に流して前記上段の水タンクに供給し、この上段の水タンク内の水位が一定以上になった時点で、前記イオン交換フィルタが劣化したと判定することを特徴とする請求項7記載の燃料電池の加湿システム。
  9. 前記上段および下段の各水タンクの大気開放部に、開閉バルブを設け、この開閉バルブを、燃料電池の運転停止時には閉じ、同運転時には開くことを特徴とする請求項2ないし8のいずれかに記載の燃料電池の加湿システム。
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