JP2007305519A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料効率の低下を防止して、燃料電池内部における結露の発生を抑制できる燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】燃料電池システムは、燃料ガスおよび酸化ガスの反応により発電する燃料電池と、この燃料電池を通して冷媒を循環させる冷却システムと、を備える。また、この燃料電池システムは、燃料電池の外部に排出可能な水滴量が、燃料電池の内部で生成される水滴量より少ないか否かを判断する水滴排出判断手段53と、燃料電池からの放熱量を算出する放熱量算出手段52と、燃料電池の発熱量を算出する発熱量算出手段51と、水滴排出判断手段53により、排出可能な水滴量が生成される水滴量よりも少ないと判断された場合に、放熱量および発熱量に基づいて、冷却システムのウォータポンプ32を制御する冷媒制御手段54と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。詳しくは、自動車に搭載される燃料電池システムに関する。
近年、自動車の新たな動力源として燃料電池システムが注目されている。燃料電池システムは、例えば、反応ガスを化学反応させて発電する燃料電池と、反応ガス流路を介して燃料電池内部に反応ガスを供給する反応ガス供給装置と、この反応ガス供給装置を制御する制御装置と、を備える。
燃料電池は、例えば、数十個から数百個のセルが積層されたスタック構造である。ここで、各セルは、膜電極構造体(MEA)を一対のセパレータで挟持して構成され、膜電極構造体は、アノード電極(陽極)およびカソード電極(陰極)の2つの電極と、これら電極に挟持された固体高分子電解質膜とで構成される。
この燃料電池のアノード電極に反応ガスとしての水素ガスを供給し、カソード電極に反応ガスとしての酸素を含む空気を供給すると、電気化学反応により発電する。この発電時に生成されるのは、基本的に無害な水だけであるため、環境への影響や利用効率の観点から、燃料電池が注目されている。
ところで、上述のような燃料電池では、その内部で水素と酸素とを反応させているため、燃料電池内部の反応ガス流路において水が生成される。しかしながら、固体高分子電解質膜を用いた燃料電池では、水の沸騰温度以下で運転するため、結露が発生する場合がある。
図14は、発電電流と反応ガス出入口の圧力差との関係を示す図であり、具体的には、燃料電池の発電電流に対して、この発電電流を出力するのに必要な量の反応ガスを供給した場合に生じる反応ガス出入口の圧力差を示している。ここで、反応ガス出入口の圧力差とは、燃料電池内の反応ガス流路の出口側と入口側との間の圧力差である。
図14に示すように、反応ガス出入口の圧力差は、発電電流に略比例して増加する。図14中の水滴排出可能差圧は、反応ガスの供給により生じる反応ガス出入口の圧力差によって、燃料電池の内部で生成された水滴を含む水分が燃料電池の外部に排出される反応ガス出入口の圧力差の下限値を示している。また、図14中の所定電流は、この水滴排出可能差圧と対応する発電電流の値を示している。
すなわち、発電電流が図14に示す所定電流よりも小さい場合には、生成された水滴が燃料電池の外部に排出されずに滞留するフラッディング現象が発生し、これにより発電が不安定になる。
このため、発電電圧が異常であると判断された場合には、反応ガスの流量を一時的に増加させることにより、結露により発生して反応ガス流路に付着した水滴を、燃料電池の外部に排出する燃料電池システムが提案されている(特許文献1参照)。
この燃料電池システムによれば、反応ガスの流量を一時的に増加させることにより、低電流域であっても、図14中の破線に示すように、反応ガス出入口における圧力差を水滴排出可能差圧より大きくすることができる。したがって、発電電流が上記所定電流以下であっても、発電を安定させることができる。
特開平6−223859号公報
しかしながら、このような燃料電池システムでは、低電流域であっても反応ガスを多く供給する必要があり、燃料効率を低下させるだけでなく、この反応ガスを供給するコンプレッサ等の装置を駆動する必要もあるため、エネルギー効率をも低下させるおそれがあった。
本発明は、燃料効率の低下を防止して、燃料電池内部における結露の発生を抑制できる燃料電池システムを提供することを目的とする。
(1) 燃料ガスおよび酸化ガスの反応により発電する燃料電池(例えば、実施の形態における燃料電池10)と、当該燃料電池を通して冷媒を循環させる冷媒循環装置(例えば、実施の形態における冷却システム30,30A,30B)と、を備える燃料電池システム(例えば、実施の形態における燃料電池システム1,1A,1B)であって、前記燃料電池の外部に排出可能な水滴量が当該燃料電池の内部で生成される水滴量より少ないか否かを判断する水滴排出判断手段(例えば、実施の形態における水滴排出判断手段53)と、前記燃料電池からの放熱量を算出する放熱量算出手段(例えば、実施の形態における放熱量算出手段52)と、前記燃料電池の発熱量を算出する発熱量算出手段(例えば、実施の形態における発熱量算出手段51)と、前記水滴排出判断手段により、前記排出可能な水滴量が前記生成される水滴量よりも少ないと判断された場合に、前記放熱量および前記発熱量に基づいて、前記冷媒循環装置を制御する冷媒制御手段(例えば、実施の形態における冷媒制御手段54,54A,54B)と、を備えることを特徴とする燃料電池システム。
(1)の発明によれば、燃料電池システムに、水滴排出判断手段と、放熱量算出手段と、発熱量算出手段と、冷媒制御手段とを設けた。
これにより、水滴排出判断手段により排出可能な水滴量が生成される水滴量よりも少ないと判断された場合、すなわち、燃料電池の内部に水滴が滞留するおそれがあると判断された場合には、燃料電池の放熱量および発熱量に基づいて冷媒循環装置を制御し、燃料電池の温度を調整させることで結露の発生を抑制できる。すなわち、燃料電池の温度を調整して、燃料電池の内部で生成される水分の気化を促進することにより、この燃料電池の内部の水分を外部に排出させやすくでき、したがって、フラッディングを防止して、発電を安定させることができる。
また、以上のように、結露の発生を抑制するためには、冷媒循環装置を制御して燃料電池の温度を調整するのみでよく、燃料ガスや酸化ガスを余分に供給する必要がないため、燃料効率およびエネルギー効率の低下を防止できる。
(2) 前記冷媒制御手段は、前記放熱量が前記発熱量よりも小さい場合には、これら放熱量と発熱量との差に基づいて、前記冷媒循環装置の運転時間および停止時間を算出し、これら運転時間および停止時間に基づいて前記冷媒循環装置を間欠冷却運転させ、前記放熱量が前記発熱量よりも大きい場合には、前記冷媒循環装置の運転を停止させることを特徴とする(1)に記載の燃料電池システム。
(2)の発明によれば、水滴排出判断手段により排出可能な水滴量が生成される水滴量よりも少ないと判断され、かつ、放熱量が発熱量よりも小さい場合には、放熱量と発熱量との差に基づいて、冷媒循環装置を間欠冷却運転させる。また、水滴排出判断手段により排出可能な水滴量が生成される水滴量よりも少ないと判断され、かつ、放熱量が発熱量よりも大きい場合には、冷媒循環装置の運転を停止させる。
ここで、燃料電池の放熱量が発熱量よりも小さい場合には、燃料電池の温度は上昇する傾向にあり、また、燃料電池の放熱量が発熱量よりも大きい場合には、燃料電池の温度は下降する傾向にある。
これにより、燃料電池の温度が下降する傾向にある場合には、冷媒循環装置の運転を停止させることにより、燃料電池の過剰な温度低下を防止でき、したがって、結露の発生を抑制できる。また、燃料電池の温度が上昇する傾向にある場合には、冷媒循環装置を間欠冷却運転させることにより、燃料電池の過剰な温度上昇を防止でき、したがって、結露の発生を抑制しながら燃料電池内部の過乾燥を防止できる。
(3) 前記燃料電池に酸化ガスを供給する酸化ガス供給装置(例えば、実施の形態におけるコンプレッサ21A)をさらに備え、前記冷媒循環装置は、前記燃料電池を通って冷媒が循環する冷媒循環路(例えば、実施の形態における冷媒循環路31)と、前記冷媒循環路から分岐して前記燃料電池を迂回する冷媒迂回路(例えば、実施の形態における燃料電池迂回路35A)と、前記冷媒循環路内の冷媒を圧送する循環機構(例えば、実施の形態におけるウォータポンプ32A)と、前記冷媒循環路または前記冷媒迂回路を切り替える冷媒流路切替手段(例えば、実施の形態におけるバイパス弁36A)と、を備え、前記循環機構は、前記酸化ガス供給装置と駆動軸が一体化されており、前記冷媒制御手段は、前記放熱量が前記発熱量よりも小さい場合には、前記放熱量と前記発熱量との差に基づいて、冷媒を前記冷媒迂回路に流す冷媒迂回時間を算出し、この冷媒迂回時間に基づいて前記冷媒流路切替手段を切り替えて冷媒を間欠的に迂回させ、前記放熱量が前記発熱量よりも大きい場合には、前記冷媒流路切替手段を切り替えて冷媒を迂回させることを特徴とする(1)に記載の燃料電池システム。
(3)の発明によれば、酸化ガスを供給する酸化ガス供給装置の駆動軸と、冷媒を圧送する循環機構の駆動軸とを一体化した。これにより、これら酸化ガス供給装置および循環機構を駆動するためのエネルギーの効率を上げることができ、かつ、燃料電池システムを小型化できる。
しかしながら、駆動軸を一体化することにより、酸化ガス供給装置と循環機構とは、同時に駆動されることとなるため、例えば、酸化ガスを供給している間は、循環機構を間欠的に運転させたり停止させたりできない。
そこで、燃料電池を通って冷媒が循環する冷媒循環路と、この冷媒循環路から分岐して燃料電池を迂回する冷媒迂回路とを設け、さらに、これら冷媒循環路または冷媒迂回路を切り替える冷媒流路切替手段を設けた。
これにより、循環機構が冷媒の圧送を継続した状態であっても、冷媒流路切替手段により、冷媒が流れる流路を冷媒循環路または冷媒迂回路に切り替えることによって、燃料電池を間欠的に冷却させたり、燃料電池の冷却を停止させたりできる。
また、この燃料電池システムは、水滴排出判断手段により排出可能な水滴量が生成される水滴量よりも少ないと判断され、かつ、放熱量が発熱量よりも小さい場合には、放熱量と発熱量との差に基づいて、冷媒が冷媒迂回路を流れる冷媒迂回時間を算出し、この冷媒迂回時間に基づいて冷媒流路切替手段を切り替えて冷媒を間欠的に迂回させる。一方、水滴排出判断手段により排出可能な水滴量が生成される水滴量よりも少ないと判断され、かつ、放熱量が発熱量よりも大きい場合には、冷媒流路切替手段を切り替えて冷媒を迂回させる。
これにより、燃料電池の温度が下降する傾向にある場合には、冷媒を迂回させることにより、燃料電池の過剰な温度低下を防止でき、したがって、結露の発生を抑制できる。また、燃料電池の温度が上昇する傾向にある場合には、冷媒を間欠的に迂回させることにより、燃料電池の過剰な温度上昇を防止でき、したがって、結露の発生を抑制しながら燃料電池内部の過乾燥を防止できる。
(4) 前記燃料電池に酸化ガスを供給する酸化ガス供給装置(例えば、実施の形態におけるコンプレッサ21B)をさらに備え、前記冷媒循環装置は、前記燃料電池を通って冷媒が循環する冷媒循環路(例えば、実施の形態における冷媒循環路31)と、前記冷媒循環路内の冷媒を圧送する循環機構(例えば、実施の形態におけるウォータポンプ32B)と、前記冷媒循環路に設けられ冷媒の流量を調整可能な冷媒流量調整弁(例えば、実施の形態における絞り弁36B)と、を備え、前記冷媒制御手段は、前記放熱量および前記発熱量に基づいて、前記冷媒流量調整弁の開度を調整することを特徴とする(1)に記載の燃料電池システム。
(4)の発明によれば、燃料電池を通って冷媒が循環する冷媒循環路に、冷媒を圧送する循環機構と、冷媒の流量を調整可能な冷媒流量調整弁を設けた。
これにより、循環機構による冷媒の圧送を継続しながら、冷媒流量調整弁の開度を調整することにより、燃料電池を通る冷媒の流量を調整して、燃料電池を適度な温度に調整できる。
(5) 前記循環機構は、前記酸化ガス供給装置と駆動軸が一体化されていることを特徴とする(4)に記載の燃料電池システム。
(5)の発明によれば、酸化ガスを供給する酸化ガス供給装置の駆動軸と、冷媒を圧送する循環機構の駆動軸とを一体化した。これにより、これら酸化ガス供給装置および循環機構を駆動するためのエネルギーの効率を上げることができ、かつ、燃料電池システムを小型化できる。
本発明によれば、燃料電池システムに、水滴排出判断手段と、放熱量算出手段と、発熱量算出手段と、冷媒制御手段とを設けた。これにより、水滴排出判断手段により排出可能な水滴量が生成される水滴量よりも少ないと判断された場合、すなわち、燃料電池の内部に水滴が滞留するおそれがあると判断された場合には、燃料電池の放熱量および発熱量に基づいて冷媒循環装置を制御し、燃料電池の温度を調整させることで結露の発生を抑制できる。すなわち、燃料電池の温度を調整して、燃料電池の内部で生成される水分の気化を促進することにより、この燃料電池の内部の水分を外部に排出させやすくでき、したがって、フラッディングを防止して、発電を安定させることができる。また、以上のように、結露の発生を抑制するためには、冷媒循環装置を制御して燃料電池の温度を調整するのみでよく、燃料ガスや酸化ガスを余分に供給する必要がないため、燃料効率およびエネルギー効率の低下を防止できる。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池システム1のブロック図である。
燃料電池システム1は、燃料電池10と、この燃料電池10に燃料ガスとしての水素ガスや酸化ガスとしての空気を供給する供給装置20と、燃料電池10を通して冷媒を循環させる冷媒循環装置としての冷却システム30と、これらを制御する制御装置40とを有する。
燃料電池10は、例えば、数十個から数百個のセルが積層されたスタック構造である。各セルは、膜電極構造体(MEA)を一対のセパレータで挟持して構成される。膜電極構造体は、アノード電極(陽極)およびカソード電極(陰極)の2つの電極と、これら電極に挟持された固体高分子電解質膜とで構成される。通常、両電極は、固体高分子電解質膜に接して酸化・還元反応を行う触媒層と、この触媒層に接するガス拡散層とから形成される。
このような燃料電池10は、アノード電極(陽極)側に水素ガスが供給され、カソード電極(陰極)側に酸素を含む空気が供給されると、これらの電気化学反応により発電する。この燃料電池10の各セパレータの間には、後述の冷却システム30の冷媒が流れる燃料電池内部流路101が形成されており、これにより、上記電気化学反応により発熱した燃料電池10は冷却される。また、この燃料電池10には、燃料電池10の電流を計測する燃料電池電流計41と、燃料電池10の電圧を計測する燃料電池電圧計42とが接続されている。
供給装置20は、燃料電池10のカソード電極側に空気を供給する酸化ガス供給装置としてのコンプレッサ21および加湿器29と、アノード電極側に水素ガスを供給する水素タンク22およびエゼクタ28と、を含んで構成される。
コンプレッサ21は、エア供給路23および加湿器29を介して、燃料電池10のカソード電極側に接続されている。
加湿器29は、燃料電池10から排出される空気に含まれる水分で、コンプレッサ21から供給される空気を加湿する。
また、燃料電池10のカソード電極側には、エア排出路24が接続され、このエア排出路24の先端側には、加湿器29を介して、背圧弁241が設けられる。
水素タンク22は、水素供給路25を介して、燃料電池10のアノード電極側に接続されている。この水素供給路25には、上述のエゼクタ28が設けられている。水素供給路25のうち水素タンク22とエゼクタ28との間には、遮断弁251が設けられている。
また、燃料電池10のアノード電極側には、水素排出路26が接続され、この水素排出路26の先端側には、パージ弁261が設けられている。この水素排出路26のうちパージ弁261よりもアノード電極側では、水素排出路26が分岐されて、上述のエゼクタ28に接続されている。
エゼクタ28は、水素排出路26の分岐路を通して、水素排出路26に流れた水素ガスを回収し、水素供給路25に還流する。
冷却システム30は、燃料電池10の燃料電池内部流路101を通って冷媒が循環する冷媒循環路31と、この冷媒循環路31に接続されたラジエタ33と、を備える。
冷媒循環路31は、冷媒がラジエタ33から燃料電池10へ流れる燃料電池流入路311と、燃料電池10に形成された燃料電池内部流路101と、冷媒が燃料電池10からラジエタ33へ流れる燃料電池流出路312と、ラジエタ33に形成された後述のラジエタ内部流路331と、を含んで構成される。
また、この冷媒循環路31には、燃料電池流出路312から分岐して燃料電池流入路311に連結されたラジエタバイパス流路313が、さらに設けられている。
ラジエタ33には、燃料電池流出路312および燃料電池流入路311と接続されたラジエタ内部流路331が設けられている。このラジエタ内部流路331に冷媒を流すことにより、ラジエタ33は、冷媒と熱交換して、この冷媒を冷却する。
燃料電池流入路311には、循環機構としてのウォータポンプ32が設けられている。
ウォータポンプ32は、冷媒循環路31内の冷媒を圧送することにより、冷媒を冷媒循環路31内で循環させる。このウォータポンプ32は、制御装置40によってその回転数を制御することが可能となっており、冷媒循環路31の燃料電池内部流路101を流れる冷媒の流量は、このウォータポンプ32の回転数を制御することにより調整される。
例えば、ウォータポンプ32の回転数を増加させると、冷媒循環路31を循環する冷媒の流速は増加する。このように冷媒の流速が増加すると、単位時間当たりに燃料電池内部流路101を流れる冷媒の流量も増加するため、冷媒と燃料電池10との熱交換が促進されて、燃料電池10が迅速に冷却される。
また、例えば、ウォータポンプ32の運転を停止させると、燃料電池内部流路101の冷媒の流れが停止するため、燃料電池10の冷却も停止する。
燃料電池流出路312の、ラジエタバイパス流路313と分岐した部分には、サーモスタット34が設けられている。
サーモスタット34は、燃料電池流出路312を流れる冷媒を、その冷媒温度に応じた割合で、ラジエタ内部流路331とラジエタバイパス流路313とに分流するバルブである。サーモスタット34には、このサーモスタット34内部を流れる冷媒の温度に応じて膨張するワックスが設けられており、これにより、燃料電池流出路312からラジエタ内部流路331またはラジエタバイパス流路313に流れる冷媒の流量を調整する。
これにより、例えば、燃料電池10が始動直後であり冷媒の温度が低い場合には、ラジエタバイパス流路313に多くの冷媒を流入させて冷媒の過冷却を防止する。また、燃料電池10の運転中であり冷媒の温度が高い場合には、ラジエタ内部流路331に多くの冷媒を流入させて冷媒の冷却を促進する。以上のようにして、冷媒の温度は調整される。
また、燃料電池流入路311の燃料電池10側には、この燃料電池流入路311内の冷媒の温度を計測する流入口温度計43が設けられており、燃料電池流出路312の燃料電池10側には、この燃料電池流出路312内の冷媒の温度を計測する流出口温度計44が設けられている。さらに、燃料電池10および冷却システム30から離れた場所には、燃料電池システム1が設置された場所の外気の温度を計測する外部温度計45が設けられている。
また、上述のコンプレッサ21、背圧弁241、遮断弁251、パージ弁261、およびウォータポンプ32は、後述の制御装置40により制御される。
燃料電池10で発電する手順は、以下のようになる。
すなわち、水素タンク22から、水素供給路25を介して、燃料電池10のアノード側に水素ガスを供給する。また、コンプレッサ21を駆動させることにより、エア供給路23を介して、燃料電池10のカソード側に空気を供給する。
燃料電池10に供給された水素ガスおよび空気は、発電に供された後、燃料電池10からアノード側の生成水などの残留水とともに、水素排出路26およびエア排出路24に流入する。これら水素ガスおよび空気は、図示しない排ガス処理装置で処理されて、外部に排出される。
図2は、制御装置40のブロック図である。
制御装置40は、発熱量算出手段51、放熱量算出手段52、水滴排出判断手段53、および冷媒制御手段54、を備える。
燃料電池電流計41は、燃料電池10で発電した電流を計測して、この計測値を制御装置40に送信する。
燃料電池電圧計42は、燃料電池10で発電した電圧を計測して、この計測値を制御装置40に送信する。
流入口温度計43は、燃料電池流入路311を流れる冷媒の温度T1を計測して、この計測値を制御装置40に送信する。
流出口温度計44は、燃料電池流出路312を流れる冷媒の温度T2を計測して、この計測値を制御装置40に送信する。
外部温度計45は、燃料電池システム1が設置された場所の外気の温度T3を計測して、この計測値を制御装置40に送信する。
また、制御装置40には、図示しないイグニッションスイッチが接続される。このイグニッションスイッチは、燃料電池車の運転席に設けられており、運転者の操作に従って、オン/オフ信号を制御装置40に送信する。制御装置40は、イグニッションスイッチのオン/オフに従って、燃料電池10の発電を行う。
発熱量算出手段51は、燃料電池電流計41によって計測された電流と、燃料電池電圧計42によって計測された電圧と、に基づいて、燃料電池10の発熱量を算出する。
図3は、燃料電池10の発電電力量と発熱量との関係を示す図である。この図に示すように、燃料電池10の発熱量は、この燃料電池10の発電電力量に略比例して増加する。
発熱量算出手段51は、まず、燃料電池電流計41によって計測された電流に、燃料電池電圧計42によって計測された電圧を乗ずることによって、燃料電池10で発電電力量を算出する。次に、算出された発電電力量をパラメータとして、図3に基づいて燃料電池10の発熱量を算出する。
放熱量算出手段52は、流入口温度計43によって計測された冷媒の温度T1と、流出口温度計44によって計測された冷媒の温度T2と、外部温度計45によって計測された外気の温度T3と、に基づいて、燃料電池10からの放熱量を算出する。
図4は、冷媒出入口の温度差と燃料電池10の放熱量との関係を示す図であり、ウォータポンプ32の一定の回転数で運転させた場合における冷媒出入口の温度差と放熱量との関係を示す図である。ここで、冷媒出入口の温度差とは、燃料電池流出路312を流れる冷媒の温度(T2)と、燃料電池流入路311を流れる冷媒の温度(T1)との差である。また、この図に示すように、ウォータポンプ32を一定の回転数で運転させた場合には、燃料電池10の放熱量は、この燃料電池10の冷媒出入口温度差に略比例して増加する。
放熱量算出手段52は、まず、T2とT1との差、すなわちT2−T1を算出する。次に、この算出された温度差T2−T1、およびウォータポンプ32の回転数をパラメータとして、図4に基づいて燃料電池10の放熱量を算出する。
以上のようにして算出される放熱量は、燃料電池10から燃料電池内部流路101を介して冷媒に放熱された熱量であるが、放熱量算出手段52が算出する放熱量は、これに限らない。例えば、燃料電池10、冷媒、ラジエタ33および冷媒循環路31等から外気に放熱した熱量も含めたものを放熱量として、放熱量算出手段52は、外部温度計45によって計測された外気の温度T3を考慮して、この放熱量を算出してもよい。
水滴排出判断手段53は、燃料電池電流計41によって計測された電流に基づいて、燃料電池10の外部に排出可能な水滴量が、この燃料電池10の内部で生成される水滴量より少ないか否かを判断する。
図14を参照して先に説明したように、発電電流が上述の水滴排出可能差圧と対応する所定電流よりも小さい場合には、燃料電池10内部で生成された水滴が、外部に排出されずに滞留するおそれがある。
水滴排出判断手段53は、燃料電池電流計41によって計測された電流が、上記所定電流より小さいか否かを判断することにより、燃料電池10の外部に排出可能な水滴量が、この燃料電池10の内部で生成される水滴量より少ないか否かを判断する。すなわち、計測された電流が所定電流よりも小さい場合には、排出可能な水滴量が生成される水滴量よりも少ないと判断し、計測された電流が所定電流よりも大きい場合には、排出可能な水滴量が生成される水滴量よりも多いと判断する。
冷媒制御手段54は、ウォータポンプ制御部541と、間欠冷却運転時間算出部542と、を含んで構成され、燃料電池10の状態に適した運転方法でウォータポンプ32を制御する。
上述のように、ウォータポンプ32は、制御装置40によって、その回転数が制御可能である。冷媒制御手段54は、ウォータポンプ32の回転数を制御することにより、ウォータポンプ32を通常冷却運転および間欠冷却運転させることができる。
ここで、通常冷却運転とは、ウォータポンプ32を予め設定された所定の回転数で連続的に駆動して、燃料電池内部流路101に連続的に冷媒を流入させる運転方法である。
間欠冷却運転とは、ウォータポンプ32を所定の回転数で間欠的に駆動して、燃料電池内部流路101に間欠的に冷媒を流入させる運転方法である。より具体的には、この間欠冷却運転とは、後述の間欠冷却運転時間算出部542によって算出される間欠冷却運転時間に基づいて、ウォータポンプ32を所定の回転数で駆動した状態と、ウォータポンプ32の回転数を0にした状態とを、交互に繰り返す運転方法である。この間欠冷却運転時間は、ウォータポンプ32を所定の回転数で駆動した状態を継続する運転時間と、回転数を0にした状態を継続する停止時間と、で構成される、なお、この間欠冷却運転時間を算出する手順については、後に詳述する。
また、冷媒制御手段54は、ウォータポンプ32を、通常冷却運転または間欠冷却運転のいずれかの運転方法で運転させることができるとともに、これらの運転を停止させることもできる。
図5は、燃料電池10の発電電流と、燃料電池10の温度および水分排出量と、の関係を示す図である。ここで、図5では、ウォータポンプ32の運転を停止させた場合における温度および水分排出量を実線で示し、ウォータポンプ32を通常冷却運転させた場合における温度および水分排出量を破線で示している。また、水分排出量とは、燃料電池10内部で生成された水分(水滴の状態を含む)が、反応ガス(水素ガスおよび空気)の供給によって、外部に排出される水分の量を示す。
図5中の破線で示すように、全発電電流域に亘ってウォータポンプ32を通常冷却運転させた場合には、燃料電池10の温度は、発電電流を小さくするに従って減少する。このため、発電電流が所定電流よりも小さい場合には、燃料電池10の内部で生成された水分の多くは水滴として滞留し、水分排出量は急激に減少する。
一方、図5中の実線で示すように、発電電流が所定電流より小さい領域でウォータポンプ32の運転を停止させた場合には、燃料電池内部流路101内の冷媒の流れが停止するため、通常冷却運転させた場合と比較して、燃料電池10の温度は大きく上昇する。これにより、発電電流が所定電流よりも小さい場合であっても、燃料電池10の内部で生成される水分の気化が促進されるため、この水分を反応ガスの供給によって容易に排出することが可能となる。したがって、ウォータポンプ32を通常冷却運転させた場合と比較して、燃料電池10の水分排出量は上昇する。
図6は、燃料電池10の発電電力と、燃料電池10の温度および水分排出量と、の関係を示す図である。ここで、図6では、ウォータポンプ32を間欠冷却運転させた場合における温度および水分排出量を実線で示し、ウォータポンプ32を通常冷却運転させた場合における温度および水分排出量を破線で示している。また、図6中の膜乾燥領域とは、水分排出量がこの膜乾燥領域内に含まれる場合には、燃料電池10の電解質膜が過乾燥して劣化するおそれがある領域である。
発電電流が所定電流よりも小さい領域でウォータポンプ32を間欠冷却運転させた場合には、冷媒は燃料電池内部流路101を間欠的に流れるため、通常冷却運転させた場合と比較して、燃料電池10の温度は上昇する。しかしながら、通常冷却運転させた場合と比較して燃料電池10の温度は上昇するものの、冷媒は間欠的に流れているため、図6に示すように、燃料電池10の温度は、膜乾燥領域内に含まれる温度にまで上昇することはない。すなわち、間欠冷却運転時間算出部542によって算出された間欠冷却運転時間に基づいて、ウォータポンプ32を間欠冷却運転させることで、燃料電池10内部の水分の排出を容易にするとともに、燃料電池10の電解質膜の過乾燥を防止している。
図2に戻って、ウォータポンプ制御部541は、水滴排出判断手段53による判断と、発熱量算出手段51によって算出された発熱量と、放熱量算出手段52によって算出された放熱量と、間欠冷却運転時間算出部542によって算出された間欠冷却運転時間と、に基づいて、ウォータポンプ32を制御する。
ウォータポンプ制御部541は、まず、水滴排出判断手段53による判断に基づいて、ウォータポンプ32を通常冷却運転させるか、または、間欠冷却運転させる。
水滴排出判断手段53によって、燃料電池10から排出可能な水滴量が生成される水滴量よりも多いと判断された場合には、ウォータポンプ制御部541は、ウォータポンプ32を通常冷却運転させる。
また、水滴排出判断手段53により、燃料電池10から排出可能な水滴量が生成される水滴量よりも少ないと判断された場合には、ウォータポンプ制御部541は、放熱量算出手段52によって算出された放熱量、および発熱量算出手段51によって算出された発熱量に基づいて、ウォータポンプ32を間欠冷却運転させるか、またはウォータポンプ32の運転を停止させる。
具体的には、ウォータポンプ制御部541は、発熱量と放熱量との大きさを比較する。このウォータポンプ制御部541による比較の結果、放熱量が発熱量よりも大きい場合には、ウォータポンプ制御部541は、ウォータポンプ32の運転を停止させる。また、放熱量が発熱量よりも小さい場合には、間欠冷却運転時間算出部542は、これら放熱量と発熱量との差に基づいて、間欠冷却運転時間(運転時間および停止時間)を算出し、ウォータポンプ制御部541は、この間欠冷却運転時間に基づいてウォータポンプ32を間欠冷却運転させる。
ここで、間欠冷却運転時間算出部542は、発熱量算出手段51によって算出された発熱量と、放熱量算出手段52によって算出された放熱量と、に基づいて、間欠冷却運転時間を算出する。
具体的には、間欠冷却運転時間算出部542は、まず、発熱量と放熱量との差を算出する。
ここで、発熱量と放熱量との差が正である場合、すなわち、燃料電池10の発熱量が放熱量よりも大きい場合は、燃料電池10の温度は上昇する傾向にある。また、発熱量と放熱量との差が負である場合、すなわち、燃料電池10の発熱量が放熱量よりも小さい場合は、燃料電池10の温度は下降する傾向にある。
このため、間欠冷却運転時間算出部542は、算出した発熱量と放熱量との差が大きくなるに従って、すなわち、燃料電池10の温度の上昇が大きくなるに従って、間欠冷却運転時間における運転時間を長くするとともに、間欠冷却運転時間における停止時間を短くする。
以上のようにして、間欠冷却運転時間算出部542は、間欠冷却運転時間(運転時間および停止時間)を算出する。
また、ウォータポンプ制御部541は、ウォータポンプ32を間欠冷却運転させている間は、燃料電池流出路312を流れる冷媒の温度T2を監視しており、この温度T2が電解質膜保護温度を下回る場合には間欠冷却運転を継続し、温度T2が電解質膜保護温度を上回った場合には間欠冷却運転を一旦終了させる。
ここで、この電解質膜保護温度とは、冷媒の温度の過上昇によって、電解質膜が過乾燥するのを防止するために設定された冷媒温度である。具体的には、この電解質膜保護温度とは、発電電流が所定電流以下であり、かつ、燃料電池10の水分排出量と生成される水分量とが等しい場合における、燃料電池流出路312を流れる冷媒温度である。このような電解質膜保護温度を設定することにより、燃料電池10の電解質膜が過乾燥するのを確実に防止している。
以上の燃料電池システム1の動作について、図7のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、制御装置40の水滴排出判断手段53は、発電電流が所定電流よりも小さいか否かを判別する(ST1)。この判別が“YES”のときはST3に移り、この判別が“NO”のときはST2に移る。ST2では、ウォータポンプ制御部541は、ウォータポンプ32を通常冷却運転させ、ST1に移る。
ST3では、ウォータポンプ制御部541は、発熱量と放熱量とを比較して、発熱量が放熱量よりも大きいか否かを判別する。この判別が“YES”のときはST5に移り、この判別が“NO”のときはST4に移る。ST4では、ウォータポンプ制御部541は、ウォータポンプ32の運転を停止させ、ST1に移る。
ST5では、間欠冷却運転時間算出部542は、発熱量と放熱量との差を算出し、この差に基づいて、間欠冷却運転時間(運転時間および停止時間)を算出し、ST6に移る。ST6では、ウォータポンプ制御部541は、ST5で算出された間欠冷却運転時間で、ウォータポンプ32を間欠冷却運転させ、ST7に移る。
ST7では、ウォータポンプ制御部541は、燃料電池流出路312を流れる冷媒の温度T2と電解質膜保護温度とを比較して、T2が電解質膜保護温度よりも大きいか否かを判別する。この判別が“YES”のときはST1に移り、“NO”ときはST6に移る。
さらに、以上の燃料電池システム1の動作の例について、ウォータポンプ32の運転を停止させた場合と、ウォータポンプ32を間欠冷却運転させた場合とを、それぞれ図8および図9を用いて説明する。
図8は、燃料電池10の温度変化を示す図である。この図8では、発電電流が上記所定電流より小さくなった時刻をtとして、図7のフローチャートに基づいてウォータポンプ32を運転させた場合の温度変化の例を実線で示し、ウォータポンプ32を通常冷却運転させた場合の温度変化の例を破線で示す。
まず、ウォータポンプ32を通常冷却運転させた場合における燃料電池10の温度変化について説明する。
図8中の破線に示すように、発電電流が所定電流より小さくなった時刻t以降において、ウォータポンプ32を通常冷却運転させた場合には、燃料電池10の温度は急激に低下する。これにより、燃料電池10内部に水滴が滞留することとなる。
次に、ウォータポンプ32を図7のフローチャートに基づいて運転させた場合における燃料電池10の温度変化について説明する。
時刻tでは、水滴排出判断手段53によって、排出可能な水滴量が生成される水滴量よりも少ないと判断され(図7中ST1)、かつ、ウォータポンプ制御部541によって、燃料電池10の温度が下降する傾向にある(放熱量>発熱量)と判断される(図7中ST3)。これにより、ウォータポンプ32の運転が停止される(図7中ST4)。
時刻t以降は、ウォータポンプ32の運転を停止させることにより、燃料電池10の冷却が停止される。この時刻t以降では、冷却が停止されているので、破線に示す通常冷却運転を行った場合と比較して、燃料電池10の温度の下降は緩やかになる。これにより、燃料電池10内部で生成された水分の気化が促進されて、燃料電池10内部に水分が滞留しにくくなる。
図9は、燃料電池10の温度変化を示す図である。この図9では、発電電流が所定電流より小さくなった時刻をtとして、図7のフローチャートに基づいてウォータポンプ32を運転させた場合の温度変化の例を実線で示し、ウォータポンプ32を通常冷却運転させた場合の温度変化の例を破線で示す。
まず、図9中の破線に示すように、発電電流が所定電流より小さくなった時刻t以降において、ウォータポンプ32を通常冷却運転させた場合には、燃料電池10の温度は急激に低下する。これにより、燃料電池10内部に水滴が滞留することとなる。
次に、ウォータポンプ32を図7のフローチャートに基づいて運転させた場合における燃料電池10の温度変化について説明する。
時刻tでは、水滴排出判断手段53によって、排出可能な水滴量が生成される水滴量よりも少ないと判断され(図7中ST1)、かつ、ウォータポンプ制御部541によって、燃料電池10の温度が上昇する傾向にある(放熱量<発熱量)と判断される(図7中ST3)。これにより、ウォータポンプ32は間欠冷却運転される(図7中ST6)。
時刻t〜tでは、ウォータポンプ32を間欠冷却運転させることにより、燃料電池10は間欠的に冷却される。この時刻t〜tでは、燃料電池10を間欠的に冷却しているので、燃料電池10の温度は上昇と下降を繰り返す。また、燃料電池10の温度は、破線に示す通常冷却運転を行った場合と比較して、高く保持される。
時刻tでは、ウォータポンプ制御部541によって、燃料電池流出路312を流れる冷媒の温度T2が電解質膜保護温度より大きいと判断され(図7中ST7)、かつ、発電電流が所定電流より大きいと判断される(図7中ST1)。これにより、ウォータポンプ32は間欠冷却運転から通常冷却運転に切り替えられる。
時刻t〜tでは、ウォータポンプ32を通常冷却運転させることにより、燃料電池10が冷却される。
時刻tでは、水滴排出判断手段53によって、排出可能な水滴量が生成される水滴量よりも少ないと判断され(図7中ST1)、かつ、ウォータポンプ制御部541によって、燃料電池10の温度が上昇する傾向にある(放熱量<発熱量)と判断される(図7中ST3)。これにより、ウォータポンプ32は再び間欠冷却運転される(図7中ST6)。
時刻t以降は、ウォータポンプ32を間欠冷却運転させることにより、燃料電池10は間欠的に冷却される。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1) 燃料電池システム1に、水滴排出判断手段53と、放熱量算出手段52と、発熱量算出手段51と、冷媒制御手段54とを設けた。
これにより、水滴排出判断手段53により排出可能な水滴量が生成される水滴量よりも少ないと判断された場合、すなわち、燃料電池10の内部に水滴が滞留するおそれがあると判断された場合には、燃料電池10の放熱量および発熱量に基づいて冷却システム30のウォータポンプ32を制御し、燃料電池10の温度を調整させることで結露の発生を抑制できる。すなわち、燃料電池10の温度を調整して、燃料電池10の内部で生成される水分の気化を促進することにより、この燃料電池10の内部の水分を外部に排出させやすくでき、したがって、フラッディングを防止して発電を安定させることができる。
また、以上のように、結露の発生を抑制するためには、ウォータポンプ32を制御して燃料電池10の温度を調整するのみでよく、水素ガスや空気を余分に供給する必要がないため、燃料効率およびエネルギー効率の低下を防止できる。
(2) 水滴排出判断手段53により排出可能な水滴量が生成される水滴量よりも少ないと判断され、かつ、放熱量が発熱量よりも小さい場合には、放熱量と発熱量との差に基づいて、冷却システム30のウォータポンプ32を間欠冷却運転させる。また、水滴排出判断手段53により排出可能な水滴量が生成される水滴量よりも少ないと判断され、かつ、放熱量が発熱量よりも大きい場合には、ウォータポンプ32を冷媒停止運転させる。
ここで、燃料電池10の放熱量が発熱量よりも小さい場合には、燃料電池10の温度は上昇する傾向にあり、また、燃料電池10の放熱量が発熱量よりも大きい場合には、燃料電池10の温度は下降する傾向にある。
これにより、燃料電池10の温度が下降する傾向にある場合には、ウォータポンプ32を冷媒停止運転させることにより、燃料電池10の過剰な温度低下を防止でき、したがって、結露の発生を抑制できる。また、燃料電池10の温度が上昇する傾向にある場合には、ウォータポンプ32を間欠冷却運転させることにより、燃料電池10の過剰な温度上昇を防止でき、したがって、結露の発生を抑制しながら燃料電池10内部の電解質膜の過乾燥を防止できる。
<第2実施形態>
以下の第2実施形態の説明にあたって、第1実施形態と同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
図10は、本発明の第2実施形態に係る燃料電池システム1Aのブロック図である。
第2実施形態の燃料電池システム1Aでは、供給装置20Aおよび冷却システム30Aと、これら供給装置20Aおよび冷却システム30Aを制御する制御装置40Aの構成が、第1実施形態の燃料電池システム1と異なる。
具体的には、ウォータポンプ32Aは、コンプレッサ21Aと駆動軸が一体化されている点と、冷却システム30Aには、冷媒循環路31の燃料電池流入路311から分岐して燃料電池10を迂回する冷媒迂回路としての燃料電池迂回路35Aがさらに設けられる点と、が第1実施形態の燃料電池システム1と異なる。
また、燃料電池流入路311から燃料電池迂回路35Aに分岐する部分には、冷媒循環路31または燃料電池迂回路35Aを切り替える冷媒流路切替手段としてのバイパス弁36Aが設けられている。このバイパス弁36Aは、制御装置40Aによって開閉することが可能となっており、これにより、冷媒を燃料電池内部流路101に流入させたり、冷媒を燃料電池迂回路35Aに流入させて燃料電池内部流路101から迂回させたりできる。
例えば、バイパス弁36Aを開くと、冷媒を、燃料電池内部流路101に流入させることができ、これにより、燃料電池10を冷却できる。
また、バイパス弁36Aを閉じると、冷媒を、燃料電池迂回路35Aに流入させて燃料電池内部流路101から迂回させることができ、これにより、燃料電池10の冷却を停止できる。
図11は、制御装置40Aのブロック図である。
冷媒制御手段54Aは、バイパス弁制御部541Aと、間欠冷却運転時間算出部542Aと、を含んで構成され、燃料電池10の状態に応じてバイパス弁36Aを開閉制御する。
第1実施形態では、制御装置40の冷媒制御手段54で、ウォータポンプ32の回転数を制御して、ウォータポンプ32を通常冷却運転または間欠冷却運転させることにより、燃料電池内部流路101を流れる冷媒の流量を調整していた。しかしながら、本実施形態では、ウォータポンプ32Aは、コンプレッサ21Aと駆動軸が一体化されているため、コンプレッサ21Aを駆動している状態では、ウォータポンプ32Aの回転数を制御できない。
このため本実施形態では、バイパス弁36Aを開閉制御して、冷媒を、燃料電池内部流路101に流入させたり、燃料電池内部流路101から迂回させたりすることにより、燃料電池内部流路101を流れる冷媒の流量を調整する。
すなわち、本実施形態において、バイパス弁36Aを開いて燃料電池内部流路101に連続的に冷媒を流入させることは、第1実施形態においてウォータポンプ32を通常冷却運転することに対応する。
また、本実施形態において、バイパス弁36Aを開閉させて、冷媒を燃料電池内部流路101に流入させたり、燃料電池内部流路101から迂回させたりすることは、第1実施形態においてウォータポンプ32を間欠冷却運転することに対応する。より具体的には、間欠冷却運転時間算出部542Aによって算出される間欠冷却運転時間に基づいて、バイパス弁36Aを開いた状態と、バイパス弁36Aを閉じた状態とを、交互に繰り返すことは、第1実施形態においてウォータポンプ32を間欠冷却運転させることに対応する。本実施形態では、この間欠冷却運転時間は、バイパス弁36Aを開いて冷媒を燃料電池内部流路101に流す冷却時間と、バイパス弁36Aを閉じて冷媒を燃料電池迂回路35Aに流す冷媒迂回時間と、で構成される。すなわち、本実施形態における間欠冷却運転時間の冷却時間および冷媒迂回時間は、第1実施形態における間欠冷却運転時間の運転時間および停止時間に対応する。
また、本実施形態において、バイパス弁36Aを閉じて、冷媒を燃料電池内部流路101から迂回させることは、第1実施形態においてウォータポンプ32の運転を停止させることに対応する。
バイパス弁制御部541Aは、水滴排出判断手段53による判断と、発熱量算出手段51によって算出された発熱量と、放熱量算出手段52によって算出された放熱量と、間欠冷却運転時間算出部542Aによって算出された間欠冷却運転時間と、に基づいて、バイパス弁36Aを制御する。
バイパス弁制御部541Aは、まず、水滴排出判断手段53による判断に基づいて、バイパス弁36Aを開いた状態にするか、または、閉じた状態にする。
水滴排出判断手段53によって、燃料電池10から排出可能な水滴量が生成される水滴量よりも多いと判断された場合には、バイパス弁制御部541Aは、バイパス弁36Aを開いた状態にする。
また、水滴排出判断手段53により、燃料電池10から排出可能な水滴量が生成される水滴量よりも少ないと判断された場合には、バイパス弁制御部541Aは、放熱量算出手段52によって算出された放熱量、および発熱量算出手段51によって算出された発熱量に基づいて、バイパス弁36Aを開閉させるか、またはバイパス弁36Aを閉じた状態にする。
具体的には、バイパス弁制御部541Aは、発熱量と放熱量との大きさを比較する。このバイパス弁制御部541Aによる比較の結果、放熱量が発熱量よりも大きい場合には、バイパス弁制御部541Aは、バイパス弁36Aを閉じた状態にして冷媒を燃料電池内部流路101から迂回させる。また、放熱量が発熱量よりも小さい場合には、間欠冷却運転時間算出部542Aは、これら放熱量と発熱量との差に基づいて、間欠冷却運転時間(冷却時間および冷媒迂回時間)を算出し、バイパス弁制御部541Aは、この間欠冷却運転時間に基づいてバイパス弁36Aを開閉して冷媒を間欠的に迂回させる。
ここで、間欠冷却運転時間算出部542Aは、発熱量算出手段51によって算出された発熱量と、放熱量算出手段52によって算出された放熱量との差に基づいて、間欠冷却運転時間(冷却時間および冷媒迂回時間)を算出する。
なお、この間欠冷却運転時間算出部542Aが冷却時間および冷媒迂回時間を算出する手順は、第1実施形態の間欠冷却運転時間算出部542が運転時間および停止時間を算出する手順と同様であるので、説明を省略する。
本実施形態によれば、上述の(1)および(2)の効果に加えて、以下のような効果がある。
(3) 空気を供給するコンプレッサ21Aの駆動軸と、冷媒を圧送するウォータポンプ32Aの駆動軸とを一体化した。これにより、これらコンプレッサ21Aおよびウォータポンプ32Aを駆動するためのエネルギーの効率を上げることができ、かつ、燃料電池システム1Aを小型化できる。
しかしながら、駆動軸を一体化することにより、コンプレッサ21Aとウォータポンプ32Aとは、同時に駆動されることとなるため、例えば、空気を供給している間は、ウォータポンプ32Aを間欠的に運転させたり停止させたりできない。
そこで、燃料電池10を通って冷媒が循環する冷媒循環路31と、この冷媒循環路31から分岐して燃料電池10を迂回する燃料電池迂回路35Aとを設け、さらに、これら冷媒循環路31または燃料電池迂回路35Aを切り替えるバイパス弁36Aを設けた。
これにより、ウォータポンプ32Aが冷媒の圧送を継続した状態であっても、バイパス弁36Aにより、冷媒が流れる流路を冷媒循環路31または燃料電池迂回路35Aに切り替えることによって、燃料電池10を間欠的に冷却させたり、燃料電池10の冷却を停止させたりできる。
また、この燃料電池システム1Aは、水滴排出判断手段53により排出可能な水滴量が生成される水滴量よりも少ないと判断され、かつ、放熱量が発熱量よりも小さい場合には、放熱量と発熱量との差に基づいて、冷媒が燃料電池迂回路35Aを流れる冷媒迂回時間を算出し、この冷媒迂回時間に基づいてバイパス弁36Aを切り替えて冷媒を間欠的に迂回させる。一方、水滴排出判断手段53により排出可能な水滴量が生成される水滴量よりも少ないと判断され、かつ、放熱量が発熱量よりも大きい場合には、バイパス弁36Aを切り替えて冷媒を迂回させる。
これにより、燃料電池10の温度が下降する傾向にある場合には、冷媒を迂回させることにより、燃料電池10の過剰な温度低下を防止でき、したがって、結露の発生を抑制できる。また、燃料電池10の温度が上昇する傾向にある場合には、冷媒を間欠的に迂回させることにより、燃料電池10の過剰な温度上昇を防止でき、したがって、結露の発生を抑制しながら燃料電池10内部の電解質膜の過乾燥を防止できる。
<第3実施形態>
以下の第3実施形態の説明にあたって、第1実施形態と同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
図12は、本発明の第3実施形態に係る燃料電池システム1Bのブロック図である。
第3実施形態の燃料電池システム1Bでは、供給装置20Bおよび冷却システム30Bと、これら供給装置20Bおよび冷却システム30Bを制御する制御装置40Bの構成が、第1実施形態の燃料電池システム1と異なる。
具体的には、ウォータポンプ32Bは、コンプレッサ21Bと駆動軸が一体化されている点と、冷却システム30Bの燃料電池流入路311には、この冷媒循環路31を流れる冷媒の流量を調整可能な冷媒流量調整弁としての絞り弁36Bがさらに設けられている点と、が第1実施形態の燃料電池システム1と異なる。
この絞り弁36Bは、制御装置40Bによって開度を調整することが可能となっており、これにより、燃料電池流入路311を流れる冷媒の流量、すなわち、燃料電池内部流路101に流入する冷媒の流量を調整することができる。
例えば、絞り弁36Bを開状態にすると、冷媒を、燃料電池内部流路101に流入させることができ、これにより、燃料電池10を冷却できる。
また、絞り弁36Bを閉状態にすると、すなわち、絞り弁36Bの開度を開状態における開度よりも小さくすると、燃料電池内部流路101に流入する冷媒の流量を制限することができる。すなわち、絞り弁36Bを閉状態にすることにより、燃料電池内部流路101に流入する冷媒の流量を、開状態における流量よりも少なくでき、これにより、燃料電池の冷却を停止できる。
図13は、制御装置40Bのブロック図である。
冷媒制御手段54Bは、絞り弁制御部541Bと、間欠冷却運転時間算出部542Bと、を含んで構成され、燃料電池10の状態に応じて絞り弁36Bの開度を調整する。
第1実施形態では、制御装置40の冷媒制御手段54で、ウォータポンプ32の回転数を制御して、ウォータポンプ32を通常冷却運転または間欠冷却運転させることにより、燃料電池内部流路101を流れる冷媒の流量を調整していた。しかしながら、本実施形態では、ウォータポンプ32Bは、コンプレッサ21Bと駆動軸が一体化されているため、コンプレッサ21Bを駆動している状態では、ウォータポンプ32Bの回転数を制御できない。
このため本実施形態では、絞り弁36Bの開度を調整することにより、燃料電池内部流路101を流れる冷媒の流量を調整する。
すなわち、本実施形態において、絞り弁36Bを開状態にして燃料電池内部流路101に連続的に冷媒を流入させることは、第1実施形態においてウォータポンプ32を通常冷却運転することに対応する。
また、本実施形態において、絞り弁36Bを開閉して、燃料電池内部流路101に流入する冷媒の流量を増減させることは、第1実施形態においてウォータポンプ32を間欠冷却運転することに対応する。より具体的には、間欠冷却運転時間算出部542Bによって算出される間欠冷却運転時間に基づいて、絞り弁36Bの開状態および閉状態を交互に繰り返すことは、ウォータポンプ32を間欠冷却運転させることに対応する。本実施形態では、この間欠冷却運転時間は、絞り弁36Bを開状態にして冷媒を燃料電池内部流路101に流す開時間と、絞り弁36Bを閉状態にして冷媒の流量を制限する閉時間と、で構成される。すなわち、本実施形態における間欠冷却運転時間の開時間および閉時間は、第1実施形態における間欠冷却運転時間の運転時間および停止時間に対応する。
また、本実施形態において、絞り弁36Bを閉状態にして、燃料電池内部流路101を流れる冷媒の流量を制限することは、第1実施形態においてウォータポンプ32の運転を停止させることに対応する。
絞り弁制御部541Bは、水滴排出判断手段53による判断と、発熱量算出手段51によって算出された発熱量と、放熱量算出手段52によって算出された放熱量と、間欠冷却運転時間算出部542Bによって算出された間欠冷却運転時間と、に基づいて、絞り弁36Bを制御する。
絞り弁制御部541Bは、まず、水滴排出判断手段53による判断に基づいて、絞り弁36Bを開状態にするか、または、閉状態にする。
水滴排出判断手段53によって、燃料電池10から排出可能な水滴量が生成される水滴量よりも多いと判断された場合には、絞り弁制御部541Bは、絞り弁36Bを開状態にする。
また、水滴排出判断手段53により、燃料電池10から排出可能な水滴量が生成される水滴量よりも少ないと判断された場合には、絞り弁制御部541Bは、放熱量算出手段52によって算出された放熱量、および発熱量算出手段51によって算出された発熱量に基づいて、絞り弁36Bを開閉させるか、または絞り弁36Bを閉状態にする。
具体的には、絞り弁制御部541Bは、発熱量と放熱量との大きさを比較する。この絞り弁制御部541Bによる比較の結果、放熱量が発熱量よりも大きい場合には、絞り弁制御部541Bは、絞り弁36Bを閉状態にして、燃料電池内部流路101を流れる冷媒の流量を制限する。また、放熱量が発熱量よりも小さい場合には、間欠冷却運転時間算出部542Bは、これら放熱量と発熱量との差に基づいて、間欠冷却運転時間(開時間および閉時間)を算出し、絞り弁制御部541Bは、この間欠冷却運転時間に基づいて絞り弁36Bを開閉して冷媒の流量を増減させる。
ここで、間欠冷却運転時間算出部542Bは、発熱量算出手段51によって算出された発熱量と、放熱量算出手段52によって算出された放熱量との差に基づいて、間欠冷却運転時間(開時間および閉時間)を算出する。
なお、この間欠冷却運転時間算出部542Bが開時間および閉時間を算出する手順は、第1実施形態の間欠冷却運転時間算出部542が運転時間および停止時間を算出する手順と同様であるので、説明を省略する。
本実施形態によれば、上述の(1)および(2)の効果に加えて、以下のような効果がある。
(4) 燃料電池10を通って冷媒が循環する冷媒循環路31に、冷媒を圧送するウォータポンプ32Bと、冷媒の流量を調整可能な絞り弁36Bを設けた。
これにより、ウォータポンプ32Bによる冷媒の圧送を継続しながら、絞り弁36Bの開度を調整することにより、燃料電池10を通る冷媒の流量を調整して、燃料電池10を適度な温度に調整できる。
(5) 空気を供給するコンプレッサ21Bの駆動軸と、冷媒を圧送するウォータポンプ32Bの駆動軸とを一体化した。これにより、これらコンプレッサ21Bおよびウォータポンプ32Bを駆動するためのエネルギーの効率を上げることができ、かつ、燃料電池システム1Bを小型化できる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、第3実施形態では、コンプレッサ21Bとウォータポンプ32Bとの駆動軸を一体化するとともに、冷媒循環路31に絞り弁36Bを設け、この絞り弁36Bの開度を調整することによって、冷媒の流量を調整したが、これに限らない。
例えば、第1実施形態におけるウォータポンプ32およびコンプレッサ21のように、ウォータポンプおよびコンプレッサの駆動軸を一体化せずに、絞り弁を設け、これにより冷媒の流量を調整してもよい。
本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムのブロック図である。 前記実施形態に係る燃料電池システムの制御装置のブロック図である。 前記実施形態に係る燃料電池の発電電力と発熱量との関係を示す図である。 前記実施形態に係る冷媒出入口の温度差と燃料電池の放熱量との関係を示す図である。 前記実施形態に係る発電電流と、温度および水分排出量と、の関係を示す図である。 前記実施形態に係る発電電流と、温度および水分排出量と、の関係を示す図である。 前記実施形態に係る燃料電池システムのフローチャートである。 前記実施形態に係る燃料電池の温度変化を示す図である。 前記実施形態に係る燃料電池の温度変化を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る燃料電池システムのブロック図である。 前記実施形態に係る燃料電池システムの制御装置のブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る燃料電池システムのブロック図である。 前記実施形態に係る燃料電池システムの制御装置のブロック図である。 発電電流と反応ガス出入口の圧力差との関係を示す図である。
符号の説明
1,1A,1B 燃料電池システム
10 燃料電池
20,20A,20B 供給装置
21,21A,21B コンプレッサ(酸化ガス供給装置)
30,30A,30B 冷却システム(冷媒循環装置)
31 冷媒循環路(冷媒循環路)
101 燃料電池内部流路
311 燃料電池流入路
312 燃料電池流出路
331 ラジエタ内部流路
313 ラジエタバイパス流路
32,32A,32B ウォータポンプ(循環機構)
35A 燃料電池迂回路(冷媒迂回路)
36A バイパス弁(冷媒流路切替手段)
36B 絞り弁(冷媒流量調整弁)
40,40A,40B 制御装置
51 発熱量算出手段(発熱量算出手段)
52 放熱量算出手段(放熱量算出手段)
53 水滴排出判断手段(水滴排出判断手段)
54,54A,54B 冷媒制御手段(冷媒制御手段)
541 ウォータポンプ制御部
541A バイパス弁制御部
541B 絞り弁制御部
542,542A,542B 間欠冷却運転時間算出部

Claims (5)

  1. 燃料ガスおよび酸化ガスの反応により発電する燃料電池と、
    当該燃料電池を通して冷媒を循環させる冷媒循環装置と、を備える燃料電池システムであって、
    前記燃料電池の外部に排出可能な水滴量が当該燃料電池の内部で生成される水滴量より少ないか否かを判断する水滴排出判断手段と、
    前記燃料電池からの放熱量を算出する放熱量算出手段と、
    前記燃料電池の発熱量を算出する発熱量算出手段と、
    前記水滴排出判断手段により、前記排出可能な水滴量が前記生成される水滴量よりも少ないと判断された場合に、前記放熱量および前記発熱量に基づいて、前記冷媒循環装置を制御する冷媒制御手段と、を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記冷媒制御手段は、
    前記放熱量が前記発熱量よりも小さい場合には、これら放熱量と発熱量との差に基づいて、前記冷媒循環装置の運転時間および停止時間を算出し、これら運転時間および停止時間に基づいて前記冷媒循環装置を間欠冷却運転させ、
    前記放熱量が前記発熱量よりも大きい場合には、前記冷媒循環装置の運転を停止させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池に酸化ガスを供給する酸化ガス供給装置をさらに備え、
    前記冷媒循環装置は、前記燃料電池を通って冷媒が循環する冷媒循環路と、前記冷媒循環路から分岐して前記燃料電池を迂回する冷媒迂回路と、前記冷媒循環路内の冷媒を圧送する循環機構と、前記冷媒循環路または前記冷媒迂回路を切り替える冷媒流路切替手段と、を備え、
    前記循環機構は、前記酸化ガス供給装置と駆動軸が一体化されており、
    前記冷媒制御手段は、
    前記放熱量が前記発熱量よりも小さい場合には、前記放熱量と前記発熱量との差に基づいて、冷媒を前記冷媒迂回路に流す冷媒迂回時間を算出し、この冷媒迂回時間に基づいて前記冷媒流路切替手段を切り替えて冷媒を間欠的に迂回させ、
    前記放熱量が前記発熱量よりも大きい場合には、前記冷媒流路切替手段を切り替えて冷媒を迂回させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃料電池に酸化ガスを供給する酸化ガス供給装置をさらに備え、
    前記冷媒循環装置は、前記燃料電池を通って冷媒が循環する冷媒循環路と、前記冷媒循環路内の冷媒を圧送する循環機構と、前記冷媒循環路に設けられ冷媒の流量を調整可能な冷媒流量調整弁と、を備え、
    前記冷媒制御手段は、前記放熱量および前記発熱量に基づいて、前記冷媒流量調整弁の開度を調整することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  5. 前記循環機構は、前記酸化ガス供給装置と駆動軸が一体化されていることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
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