JP2004213196A - 半導体モジュール、非接触icタグ、半導体モジュールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の半導体モジュール1は、コイル3が、ICチップ2上に螺旋状に形成された配線31,32からなる構成とする。前記コイル3の螺旋中心軸33は、前記ICチップ2の主面に沿った方向となることが好ましい。また、少なくとも前記コイル3に囲まれた領域に、磁性材料が設けられたことが好ましい。本発明の非接触ICタグは、本発明の半導体モジュール1が組み込まれた構成とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICチップと無線通信用のアンテナコイルを有する半導体モジュールに関し、特にICチップ上にアンテナコイルが立体的に形成された半導体モジュール及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ICチップと無線通信用のアンテナコイルを有し、このアンテナコイルによって信号の送受信が行えるようにした半導体モジュールが提案されている。この半導体モジュールは、ICチップによる高い情報処理能力を有し、また非接触で信号の読み取りや書き込みができるため、高いセキュリティ性能を有する。このため、近年では、交通、流通情報通信などの分野で普及が進んでおり、例えば、非接触型ICカードとして交通手段の定期券、非接触のIDカード、カードキーなどに広く利用されている。
このような半導体モジュールは、一般に図7に示されたようにICチップ201が設けられた絶縁基板202上の同一面内に、渦巻き状にアンテナコイル203が形成されたものであり、カード形、タグ形、コイン形などがある。
また、半導体モジュールの小型化を行うために、図8に示されたように、電極204が設けられたICチップ201上の同一面内に、アンテナコイル203が渦巻き状に形成されたオンチップコイル形も提案されている。
また、アンテナコイル203として螺旋状に形成された配線を用いたものも提案されている(特許文献1参照。)。これは、基板上に第1層配線,絶縁層,空隙のエアーブリッジ,第2層配線が順に設けられ、第1層配線と第2層配線を電気的に接続することで螺旋状の配線とし、アンテナコイル203として用いている。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−354404号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記したようにアンテナコイル203が同一面内に渦巻き状に形成された従来の半導体モジュールでは、アンテナコイル203の巻き数増加と共に開口面36が小さくなってしまうため、この開口面36を大きくすることが難しい。このため、例えば、半導体モジュールの外部から交流電磁界を印加し、電磁誘導によりアンテナコイル203に交流電流を発生させる場合、アンテナコイル203の開口面36が小さいため、このアンテナコイル203を鎖交する磁束が少なくなり、電磁誘導による電力の供給が小さい。
【0005】
また、図8に示されたオンチップコイル形では、アンテナコイル203によって電磁界を発生させる場合、電磁界がICチップ201を貫通する方向に発生するため、ICチップ201内に不要な誘導起電力が発生するなどの不具合が生じる場合がある。また、通信機器等のデバイスに、前記オンチップコイル形の半導体モジュールを貼付して使用する場合、半導体モジュールのアンテナコイル203によって発生した電磁界は、デバイスを貫通する方向にあり、デバイス内部の他の素子に影響を与える場合がある。
【0006】
また、特許文献1では、アンテナコイル203がICプロセスにより形成されており、絶縁層としてSi3N4,SiONが用いられている。このため絶縁層の厚さは1μm程度であり、厚く設けることが難しい。また、第1層配線と第2層配線間には空隙が設けられており、アンテナコイル203の強度が弱く、素子などに組み込む際、アンテナコイルの変形や配線の断線などが生じやすい。
【0007】
本発明の目的は、上記した事情に鑑みなされたものである。すなわちアンテナコイルの開口面を大きく設けることができ、これにより電磁誘導による電力の供給量を大きくすることができ、またアンテナコイルによって発生された電磁界分布がICチップ2に与える影響が少なく、このICチップ2内に不具合が生じることを防止でき、更に優れた強度を有する半導体モジュールと非接触型ICタグ、及びこの半導体モジュールを容易に製造できる方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、ICチップ上に形成されたコイルを有する半導体モジュールであって、前記コイルが、ICチップ上に螺旋状に形成された配線からなることを特徴とする半導体モジュールである。
請求項2に係る発明は、ICチップ上に形成されたコイルを有する半導体モジュールであって、前記ICチップ上に形成された配線からなる第1の導電層と、前記第1の導電層上に設けられた絶縁層と、該絶縁層上に形成された配線からなる第2の導電層とを有し、前記コイルが、前記第1の導電層の配線と前記第2の導電層の配線とを、電気導通可能に接続して螺旋状としたものであることを特徴とする半導体モジュールである。
請求項3に係る発明は、前記コイルの螺旋中心軸がICチップの主面に沿った方向となるように形成されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体モジュールである。
請求項4に係る発明は、ICチップ上に設けられている絶縁層、樹脂層のうち少なくとも1つが磁性材料よりなるものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体モジュールである。
請求項5に係る発明は、非接触ICタグに用いられる半導体モジュールであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体モジュールである。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体モジュールが組み込まれたことを特徴とする非接触ICタグである。
請求項7に係る発明は、電極が設けられたICチップ上に前記電極に整合する領域に開口部が設けられた第1の絶縁層を形成する工程と、複数の配線からなる第1の導電層を前記第1の絶縁層上に形成する工程と、前記配線の端部に整合する位置に開口部が設けられた第2の絶縁層を前記第1の導電層上に形成する工程と、前記第2の絶縁層上に複数の配線からなる第2の導電層を形成し、前記第2の絶縁層に設けられた開口部を介して前記第1の導電層と第2の導電層の配線を電気導通可能に接続して螺旋状の配線とする工程を有することを特徴とする半導体モジュールの製造方法である。
請求項8に係る発明は、前記第1の導電層を形成する工程と第2の導電層を形成する工程は、前記配線を形成する位置に整合するように開口部が設けられたレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜をマスクとして電解メッキにより前記配線を形成する工程を有することを特徴とする請求項8に記載の半導体モジュールの製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
[半導体モジュール]
図1は、本実施形態の半導体モジュールの斜視図である。この半導体モジュール1は、ICチップ2と、このICチップ2上に形成されたアンテナコイル3から構成される。アンテナコイル3は、螺旋状に形成された配線31,32からなり、この螺旋中心軸33がICチップ2の主面に沿った方向となるように、立体的に形成されたものである。
【0010】
また、ICチップ2は、集積回路が保護カバー内に収容され、一方の主面上のうち離れた位置に2つの電極が設けられたものである。本実施形態では、ICチップ2として、非接触ICタグに用いられるものを使用する。この非接触ICタグ用のICチップとは、送受信回路,制御回路,メモリなどを構成する集積回路が形成された半導体チップであり、アンテナコイルと接続することによって、リーダ/ライタとのデータの送受信などが行えるようになっている。
なお、図1中、z軸は、アンテナコイル3の螺旋中心軸33の方向を示し、x軸は、このy軸と垂直な方向であり、y軸は、z軸とx軸に垂直な方向をそれぞれ示す。
【0011】
図2は、図1に示された半導体モジュール1のAA’線における断面模式図である。ICチップ2の一方の主面上には、Alパッドからなる第1の電極41と第2の電極42が離れた位置に設けられている。このICチップ2の一方の主面上に、第1の電極41と第2の電極42に整合する領域に開口部5aを有する第1の絶縁層5が設けられている。この第1の絶縁層5は、例えばポリイミド、エポキシ、シリコーン樹脂、感光性樹脂などからなる。
この第1の絶縁層5上には、x軸と平行とならず、このx軸から傾斜した方向に、長手方向を揃えて並行に配列された複数の配線31からなる第1のCuメッキ層34が設けられている。この複数の配線31のうち2つの配線31は、第1の電極41と第2の電極42のいずれか一方に第1の絶縁層5の開口部5aを介して電気的に接続されている。
【0012】
前記第1のCuメッキ層34上には、この第1のCuメッキ層34の配線31の端部に整合する位置に開口部6aが設けられた第2の絶縁層6が設けられている。この第2の絶縁層6は、第1の絶縁層と同一のものからなる。
ここで、図1において、z軸方向から配線31,32を見たとき、右側に位置する端部を右端、左側に位置する端部を左端とする。
第1のCuメッキ層34の配線31のうち、右端が第1の電極41と接続された配線31の左端と、隣り合う配線31の右端とを接続するように、第2の絶縁層6上に配線32が設けられている。また、左端が第2の電極42と接続された配線31の右端と、隣り合う配線31の左端とを接続するように、第2の絶縁層6上に配線32が設けられている。
更に第1の電極41と第2の電極42とは接続していない配線31の左端と、隣り合う配線31の右端とを接続するように、第2の絶縁層6上に配線32が設けられている。
【0013】
以上のように、第1のCuメッキ層34の配線31のうち、第1の電極41と第2の電極42とは接続していない端部において、配線31の左端と、隣り合う配線31の1つの右端とを接続するように、第2の絶縁層6上に配線32が設けられている。また、配線31の右端と、隣り合う配線31の1つの左端とを接続するように、第2の絶縁層6上に配線32が設けられている。
このような複数の配線32からなる第2のCuメッキ層35が第2の絶縁層6上に設けられる。更に、少なくとも前記第2のCuメッキ層35を被覆するように、封止樹脂層7が設けられている。
【0014】
前記配線31,32は、電気導通可能に接続されて螺旋状となっており、アンテナコイル3として機能するようになっている。この配線31,32の螺旋中心軸33は、ICチップ2の主面に沿った方向となる。
【0015】
第1の電極41から第2の電極42へ交流電流を通電すると、アンテナコイル3の螺旋中心軸33の方向に、電磁界が発生する。また、外部から交流電磁界を印加すると、電磁誘導によりアンテナコイル3に交流電流が発生する。これにより、アンテナコイル3を用いることによって、例えば、外部のリーダ/ライタとの信号の送受信や、ICチップ2への電力供給を行うことができ、非接触ICタグとして用いることができる。
ここで、非接触ICタグとは、ICチップとアンテナを内蔵し、リーダ/ライタと接触せずに電波で交信して信号の送受信ができるようにしたものである。
【0016】
本実施形態では、第1のCuメッキ層34、第2の絶縁層6、第2のCuメッキ層35がICチップ2上に順に形成されたものであり、第1のCuメッキ層34の配線31と、第2のCuメッキ層35の配線32とが電気導通可能に接続されて立体的な螺旋状となり、アンテナコイル3として機能するようになっている。このため、第2の絶縁層6を厚くすることによって、アンテナコイル3の開口面36を容易に大きくすることができ、アンテナコイル3を鎖交する磁束が多く、電磁誘導による電力の供給量を大きくすることができる。
また、第2のCuメッキ層35の配線32は、第2の絶縁層6上に設けられており、アンテナコイル3は優れた強度を有し、素子などに組み込む際、アンテナコイルの変形や配線の断線などが生じることがほとんど無い。
【0017】
また、アンテナコイル3は、その螺旋中心軸33がICチップ2の主面に沿った方向となるように形成されているため、アンテナコイル3の螺旋中心軸33の方向に電磁界が発生する。従って、電磁界分布がICチップ2に与える影響が少なく、このICチップ2内に不具合が生じることが無い。
更に、半導体モジュール1を生体や金属物体などの表面に配置し、信号の送受信が行えるようにした場合、外部から発信された電波信号のうち、半導体モジュール1の垂直方向の電界は、生体や金属物体などの表面によるミラー効果によって強度が減衰しやすい。このとき、半導体モジュール1の垂直方向の電界が減衰した分、半導体モジュール1の水平方向の磁界は増加することとなり、本実施形態の半導体モジュール1では、この強度が増加した磁界を有効に捉えることができる。
【0018】
[半導体モジュールの製造方法]
次に半導体モジュール1の製造方法について説明する。図3〜5は本実施形態の半導体モジュール1の製造工程を示す図である。まず図3(a)に示されたように、第1の電極41と第2の電極42が設けられたICチップ2の全面にSiO2などのパッシベーション膜8を形成したものを準備する。そして、このパッシベーション膜8のうち、第1の電極41と第2の電極42に整合する位置に開口部8aを形成し、第1の電極41と第2の電極42を露出させる。
その後、図3(b)に示すように、第1の電極41と第2の電極42に整合する位置に開口部5aを有する第1の絶縁層5を形成する。第1の絶縁層5としては、例えばポリイミド、エポキシ、シリコーン樹脂、感光性樹脂などが好適に用いられる。
【0019】
この第1の絶縁層5は、例えば回転塗布法、印刷法、ラミネート法などにより形成することができる。開口部5aは、例えば絶縁層5を構成するポリイミドなどの膜を全面に成膜した後に、フォトリソグラフィー技術によりパターニングすることにより形成できる。
また、感光性ポリイミド樹脂などの感光性樹脂を用いて、フォトリソグラフィ技術によりパターニングすることにより、開口部5aを有する第1の絶縁層5を形成しても構わない。
【0020】
次に、図3(c)に示されたように、電界メッキ用の第1のシード層91を全面又は必要な領域に形成する。この第1のシード層91は、例えばスパッタ法により形成されたCu層及びCr層の積層体又はCu層及びTi層の積層体である。また、無電解Cuメッキ層でもよく、蒸着法、塗布法、化学気相成長(CVD)法などにより形成された金属薄膜層であってもよく、これらを組み合わせてもよい。
【0021】
そして、第1のシード層91上に電解メッキ用のレジスト膜(図示省略)を形成する。このレジスト膜は、アンテナコイル3となる第1のCuメッキ層34を形成する領域に整合する領域に開口部を有している。本実施形態では、並列に並んだ複数の線状の開口部が設けられている。
このレジスト膜は、例えばフィルムレジストをラミネートする方法、又は液体レジストを回転塗布する方法などを使用して形成することができる。
【0022】
その後、図4(a)及び図4(b)に示されたように、レジスト膜をマスクとして露出した第1のシード層91上に、複数の配線31からなる第1のCuメッキ層34を電解Cuメッキにより形成する。ここで、まず第1の絶縁層5の開口部5aにのみCuメッキ層を形成し、第1のシード層91の上面が平坦となるようにした後に、この上面に第1のCuメッキ層34を形成することが好ましく、これにより第1のCuメッキ層34の配線31の厚さを均一で精度良く所望の値とすることができる。
以上の工程により、ICチップ2上に第1のCuメッキ層34の配線31を形成する。第1のCuメッキ層34の配線31の厚さは例えば5〜50μmであり、線幅は、例えば20〜100μmである。
続いて、レジスト膜を剥離し、ICチップ2の面上に露出している不要な第1のシード層91をエッチングにより除去して、第1のCuメッキ層34の配線31以外の部分に第1の絶縁層5を露出させる。
このようにして、図4(b)に示されたように、x軸と平行とならず、このx軸から傾斜した方向に、長手方向を揃えて並行に配列された複数の配線31からなる第1のCuメッキ層34がICチップ2上に形成される。この複数の配線31のうち少なくとも2つの配線31の端部は、それぞれ第1電極の41と第2の電極42のいずれか一方に第1の絶縁層5の開口部5aを介して電気的に接続されている。
【0023】
そして、前述した方法と同様にして、図5(a)〜(c)に示されたように、再び絶縁層、電解メッキ用シード層、Cuメッキ層を順に形成していく。
まず、図5(a)に示されたように、線状の第1のCuメッキ層34の配線31の端部に整合する位置に開口部6aを有する第2の絶縁層6を形成する。
【0024】
次に、図5(b)に示されたように、電界メッキ用の第2のシード層92を全面又は必要な領域に形成する。そして、第2のシード層92上に電解メッキ用のレジスト膜(図示省略)を形成する。このレジスト膜は、アンテナコイル3となる第2のCuメッキ層35を形成する領域に整合する領域に開口部を有している。本実施形態では、第1のCuメッキ層34の配線31のうち、第1の電極41と第2の電極42とは接続していない端部において、配線31の左側の端部と整合する位置と、隣り合う配線31の1つの右側の端部と整合する位置を接続するように、開口部が設けられている。また、配線31の右側の端部と整合する位置と、隣り合う配線31の1つの左側の端部と整合する位置とを接続するように、開口部が設けられている。
【0025】
その後、図5(c)に示されたように、レジスト膜をマスクとして露出した第2のシード層92上に、導電層である第2のCuメッキ層35の配線32を電解Cuメッキにより形成する。この第2のCuメッキ層35の配線32の厚さ、線幅は、第1のCuメッキ層34の場合と同一である。
続いて、レジスト膜を剥離し、面上に露出している不要な第2のシード層921をエッチィングにより除去して導電層以外の部分に第2の絶縁層6を露出させる。
このようにして、図1に示されたように、第1のCuメッキ層34の配線31のうち、第1の電極41と第2の電極42とは接続していない端部において、配線31の左側の端部と、隣り合う配線31の1つの右側の端部とを接続するように、第2の絶縁層6上に配線32が設けられている。また、配線31の右側の端部と、隣り合う配線31の1つの左側の端部とを接続するように、第2の絶縁層6上に配線32が設けられている。以上により配線31,32は、電気導通可能に接続されて螺旋状となっており、アンテナコイル3として機能するようになっている。
【0026】
その後、図5(c)に示されたように、表面保護用の封止樹脂層7を被覆する。この封止樹脂層7には、第1の絶縁層5,第2の絶縁層6と同様に、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂が好適に用いられる。
【0027】
本実施形態では、レジスト膜をマスクとして露出したシード層91,92上に、アンテナコイル3の配線31,32となるCuメッキ層34,35を電解Cuメッキにより形成するため、このアンテナコイル3の配線31,32の線幅、厚さ、位置などを精度良く調整でき、更に比較的容易に形成できる。
また、第1のCuメッキ層34上に形成する第2の絶縁層6の厚さを厚くすることによって、第1のCuメッキ層34の配線31と第2のCuメッキ層35の配線32との間隔を広げることができ、半導体モジュール1のアンテナコイル3の開口面36を容易に大きくすることができる。このように、第1のCuメッキ層34上に形成する第2の絶縁層6の厚さを調整することによって、アンテナコイル3の開口面36を容易に調整できる。
【0028】
なお、本発明の技術範囲は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、図6に示されたように第1のCuメッキ層134の配線131と、第2のCuメッキ層135の配線132を、L字型に形成し、長手方向を揃えて並行に配列するように配線131,132を設けても構わない。
この場合も、本実施の形態と同様に、第1のCuメッキ層134の配線131のうち、第1の電極141と第2の電極142とは接続していない端部において、配線131の左側の端部と、隣り合う配線131の1つの右側の端部とを接続するように、第2の絶縁層上に配線132を設ける。また、配線131の右側の端部と、隣り合う配線131の1つの左側の端部とを接続するように、第2の絶縁層上に配線132を設ける。これにより、配線131,132は、電気導通可能に接続されて螺旋状となっており、アンテナコイル103として機能するようになっている。このアンテナコイル103の螺旋中心軸133は、ICチップ2の主面に沿った方向となる。
また、配線31,32は、曲線状であってもよく、また、第1のCuメッキ層34の配線31と整合する位置に、第2のCuメッキ層35の配線32の一部が重なるように配線32を設けても構わない。
【0029】
また、第1の絶縁層5,第2の絶縁層6,封止樹脂層7として、磁性材料からなるものも使用できる。磁性材料としては、例えば、微細なフェライトなどの磁性粉末と、ポリイミドなどの樹脂とからなる樹脂組成物などが挙げられる。
また、予め前記樹脂組成物を成形し、磁石成形体として用いても構わない。この場合、磁石成形体を所定の位置に配し、その表面に樹脂を被覆して絶縁層や樹脂層とすることができる。これにより磁石材料を所定の位置に設置でき、かつ磁性材料の表面を樹脂により被覆でき、高い絶縁性が得られる。
絶縁層、樹脂層のうち少なくとも1つが磁性材料よりなるものとすることによって、アンテナコイル3の相互インダクタンスを向上させることができる。このため、例えば、半導体モジュール1の外部から交流電磁界を印加し、電磁誘導によりアンテナコイル3に交流電流を発生させる場合、この電磁誘導による電力の供給量を増大させることができる。
上記磁性材料は、少なくともアンテナコイル3に囲まれた領域に設けることが好ましい。これにより効率良くアンテナコイル3の相互インダクタンスを向上させることができる。
【0030】
[非接触ICタグ]
本実施形態の非接触ICタグは、前述した本実施形態の半導体モジュールが組み込まれたものであり、形状,大きさは特に限定されないが、例えばシート状やカード型などが挙げられる。
リーダ/ライタと接触せずに電波で交信して信号の送受信ができる。また、外部から印加された交流電磁界によって電磁誘導が生じ電力供給を受けることができる。
特に本実施形態の半導体モジュールが用いられており、アンテナコイル3の開口面36が大きく、電磁誘導による電力の供給量を大きくすることができる。また、アンテナコイル3の螺旋中心軸33がICチップ2の主面に沿った方向となるように形成されているため、電磁界分布がICチップ2に与える影響が少なく、このICチップ2内に不具合が生じることが無い。また、アンテナコイル3は優れた強度を有し、アンテナコイル3の変形や配線の断線などが生じることがほとんど無い。
【0031】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の半導体モジュールによれば、コイルが、立体的に設けられた螺旋状の配線からなるため、コイルの開口面を容易に大きくすることができる。このため、コイルを鎖交する磁束が多く、電磁誘導による電力の供給量を大きくすることができる。
【0032】
ICチップ上に形成された複数の配線からなる第1の導電層と、開口部を有し第1の導電層上に設けられた絶縁層と、絶縁層上に形成された複数の配線からなる第2の導電層とを有し、この第1の導電層の配線と第2の導電層の配線を電気導通可能に接続し、螺旋状のコイルとした構成にすることによって、コイルは優れた強度を有し、素子などに組み込む際、コイルの変形や配線の断線などが生じることがほとんど無い。また、絶縁層を厚くすることで、コイルの開口面を容易に大きくすることができる。
【0033】
また、コイルの螺旋中心軸がICチップの主面に沿った方向となるように形成することによって、電磁界はICチップの主面に沿った方向に発生する。従って、電磁界分布がICチップに与える影響が少なく、このICチップ内に不具合が生じることが無い。
更に、半導体モジュールを生体や金属物体などの表面に配置し、信号の送受信が行えるようにした場合、外部から発信された電波信号のうち、半導体モジュールの垂直方向の電界は、生体や金属物体などの表面によるミラー効果によって強度が減衰し、その分、半導体モジュールの水平方向の磁界は増加することとなり、本発明の半導体モジュール1では、この強度が増加した磁界を有効に捉えることができる。
【0034】
更に、少なくとも前記コイルに囲まれた領域に、磁性材料を設けることによって、コイルの相互インダクタンスを向上させることができる。このため、例えば、半導体モジュールの外部から交流電磁界を印加し、電磁誘導によりコイルに交流電流を発生させる場合、この電磁誘導による電力の供給量を増大させることができる。
【0035】
本発明の半導体モジュールの製造方法によれば、第1の導電層上に形成する第2の絶縁層の厚さを厚くすることによって、第1の導電層と第2の導電層との間隔を広げることができ、半導体モジュールのアンテナコイルの開口面を大きくすることができる。このように、第1の導電層上に形成する第2の絶縁層の厚さを調整することによって、アンテナコイルの開口面を容易に調整できる。
また、レジスト膜をマスクとして電解メッキにより第1の導電層と第2の導電層の配線を形成することによって、アンテナコイルの配線の線幅、厚さ、位置などを精度良く調整でき、更に比較的容易に形成できる。
【0036】
本発明の非接触ICタグは、本発明の半導体モジュールが組み込まれたものであるため、コイルの開口面が大きく、電磁誘導による電力の供給量を大きくすることができる。また、コイルの螺旋中心軸がICチップ2の主面に沿った方向となるように形成されているため、電磁界分布がICチップ2に与える影響が少なく、このICチップ内に不具合が生じることが無い。またコイルは優れた強度を有し、コイルの変形や配線の断線などが生じることがほとんど無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の半導体モジュールの一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示された半導体モジュールのAA’線における断面図である。
【図3】本実施形態の半導体モジュールの製造方法を工程順に示す断面図である。
【図4】(a)は、図3に示された工程の次工程を示す断面図であり、(b)は、その平面図である。
【図5】図4に示された工程の次工程を工程順に示す断面図である。
【図6】本実施形態の半導体モジュールの他の一例を示す斜視図である。
【図7】従来の半導体モジュールの一例を示す平面図である。
【図8】従来の半導体モジュールの他の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
1,101‥‥半導体モジュール、2‥‥ICチップ、3,103‥‥アンテナコイル、41‥‥第1の電極、42‥‥第2の電極、5‥‥第1の絶縁層、5a‥‥第1の絶縁層の開口部、6‥‥第2の絶縁層、6a‥‥第2の絶縁層の開口部、31,32,131,132‥‥配線、33,133‥‥中心軸、34,134‥‥第1の導電層、35,135‥‥第2の導電層
Claims (8)
- ICチップ上に形成されたコイルを有する半導体モジュールであって、
前記コイルが、ICチップ上に螺旋状に形成された配線からなることを特徴とする半導体モジュール。 - ICチップ上に形成されたコイルを有する半導体モジュールであって、
前記ICチップ上に形成された配線からなる第1の導電層と、前記第1の導電層上に設けられた絶縁層と、該絶縁層上に形成された配線からなる第2の導電層とを有し、
前記コイルが、前記第1の導電層の配線と前記第2の導電層の配線とを、電気導通可能に接続して螺旋状としたものであることを特徴とする半導体モジュール。 - 前記コイルの螺旋中心軸がICチップの主面に沿った方向となるように形成されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体モジュール。
- ICチップ上に設けられている絶縁層、樹脂層のうち少なくとも1つが磁性材料よりなるものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体モジュール。
- 非接触ICタグに用いられる半導体モジュールであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体モジュール。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体モジュールが組み込まれたことを特徴とする非接触ICタグ。
- 電極が設けられたICチップ上に前記電極に整合する領域に開口部が設けられた第1の絶縁層を形成する工程と、
複数の配線からなる第1の導電層を前記第1の絶縁層上に形成する工程と、
前記配線の端部に整合する位置に開口部が設けられた第2の絶縁層を前記第1の導電層上に形成する工程と、
前記第2の絶縁層上に複数の配線からなる第2の導電層を形成し、前記第2の絶縁層に設けられた開口部を介して前記第1の導電層と第2の導電層の配線を電気導通可能に接続して螺旋状の配線とする工程を有することを特徴とする半導体モジュールの製造方法。 - 前記第1の導電層を形成する工程と第2の導電層を形成する工程は、前記配線を形成する位置に整合するように開口部が設けられたレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜をマスクとして電解メッキにより前記配線を形成する工程を有することを特徴とする請求項8に記載の半導体モジュールの製造方法。
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