JP2004212337A - 放射線測定システム - Google Patents
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Abstract
【課題】湿気および周辺機器等の外来ノイズによる擬似信号と真の放射線信号とを明確に弁別して測定することができ、低レベルの放射線測定についての信頼性向上および診断システムとしての信頼性向上を図る。
【解決手段】低レベル放射線検出用の放射線検出器1と、この放射線検出器から出力された検出信号を増幅する増幅器2と、増幅された信号を入力して一定波高値以上の信号を弁別するとともに、弁別された信号に対応する基本パルスを発生させてその計数を行なう信号処理部3とを備え、信号処理部3は、弁別された一定波高値以上の信号から、測定対象となる放射線信号よりもパルス幅が小さい湿気による擬似信号と、測定対象となる放射線信号よりもパルス幅が大きい外来ノイズによる擬似信号と、測定対象となる真の放射線信号とを弁別する機能を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】低レベル放射線検出用の放射線検出器1と、この放射線検出器から出力された検出信号を増幅する増幅器2と、増幅された信号を入力して一定波高値以上の信号を弁別するとともに、弁別された信号に対応する基本パルスを発生させてその計数を行なう信号処理部3とを備え、信号処理部3は、弁別された一定波高値以上の信号から、測定対象となる放射線信号よりもパルス幅が小さい湿気による擬似信号と、測定対象となる放射線信号よりもパルス幅が大きい外来ノイズによる擬似信号と、測定対象となる真の放射線信号とを弁別する機能を有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば燃料再処理施設等において臨界の未然防止のため低レベル中性子を測定するような場合に適用される放射線測定システムに係り、特に湿気または外来ノイズによる擬似信号と真に測定対象とする放射線信号とを明確に弁別することにより、測定精度上および検出器健全性診断等についての信頼性向上を図った放射線測定システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、放射線測定システムとしては種々のものが知られており(例えば特許文献1参照)、特に燃料再処理施設において臨界の未然防止のため低レベル中性子を測定するような放射線測定システムとしては、例えば図5および図6に示す構成のものが適用されている。図5はシステム全体の構成図であり、図6はその要部としての信号処理部を示す機能ブロック図である。
【0003】
この図5に示すシステムは、複数の放射線検出器1と、各放射線検出器1から出力される検出信号をそれぞれ増幅する前置増幅器2と、増幅された一定波高値以上の信号を弁別して基本パルスを発生させ、その基本パルス数を計数する信号処理部3と、信号処理結果に基づく所定の計算を行なう計算機4と、計算結果を表示する表示器5とを備えている。計算機4は、各検出器系の設定値を遠隔設定し、その状態を遠隔モニタする機能を有している。
【0004】
信号処理部3は図6に示すように、波形整形回路6、信号弁別回路7、基本パルス発生回路8、計数回路9、CPU回路10および警報発生回路11等を備えている。信号処理部3に入力される信号については、まず波形整形回路6で整形され、信号弁別回路7により一定の波高値以上の信号が弁別され、弁別された信号が基本パルス発生回路8に入力されて基本パルスが発生され、この基本パルスが計数回路9で計数(カウント)される。CPU回路10では所定の計数値(カウント値)以上、例えば中性子が臨界となるような場合が判別され、そのような判別がなされた場合には警報発生回路11から警報が発報される。
【0005】
ところで、このような放射線測定システムにおける検出器1の健全性については、例えば定期点検時に感度校正などにより確認されている。また、検出器1の健全性の確認は定期点検以外の時期においても可能であり、この場合の検出器1の健全性を確認する方法としては、一般的にバックグラウンド(以下、略して「BG」とも記す)の計数率の有無による測定が行なわれている。バックグラウンドとは、測定対象が中性子の場合には周辺環境、または宇宙線に起因する信号である。また、ガンマ線検出器の場合には、周辺コンクリート等における40Kなどの放射線同位体からのガンマ線によるカウント値であり、検出下限値を設けてアラームを発報するようにしている。
【0006】
BG値が低い場合、通常は、バグソース(非常に弱い線源を検出器周辺に設置し人為的にBG信号を生成する)を設置し、警報設定値よりも十分低い計数率がバックグラウンドとなるようにし、レベル低の設定値をBG値より低く設定し、計数率がこれ以下の場合にレベル低(検出器故障)と判断する。
【0007】
ところが、BG計数値が低い場合には、バグソースを使用して、人為的にバックグラウンドを作るが、警報設定値が低い場合には適切なバグソースの取付けが困難である。例えば原子炉再処理施設等が測定対象プラントであると、周辺機器のノイズ等がない場合、1000秒に数カウント程度である。通常の測定下限は10−2cps程度であり、測定範囲外である。なお、機能を拡張して測定することは可能である。
【0008】
しかし、計数率が低いため、通常は問題にならない発生頻度が低い周辺機器からの外来ノイズ、湿気などによる高電圧回路の微小放電などの擬似信号が原因となるカウントもある。従来では、このような擬似信号と測定対象となる真の放射線信号とを明確に区別することができない。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−196080号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、BG値が極めて少なく、場所的な制約など、システム的な制約により、バグソースが使用できない場合、従来では検出系の健全性を常時監視することが困難であった。すなわち、検出器の健全性を示す信号が極めて小さい場合(例えば、1000秒に数カウント程度の場合)、通常は問題にならないインバータノイズ等の周辺機器からの電気的ノイズの影響、検出系自体の理由(例えば湿気などによる微小放電ノイズ)による擬似信号と区別することができない。また、検出器が断線し機能を停止した場合でも、電気ノイズが継続的に発生する可能性もあり、検出器の故障を検知することができないことも考えられる。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、湿気および周辺機器等の外来ノイズによる擬似信号と真の放射線信号とを明確に弁別して測定することができ、低レベルの放射線測定についての信頼性向上が図れる放射線測定システムを提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は湿気による擬似信号、外来ノイズによる擬似信号および真の放射線信号のパルス計数率に基づいて、擬似信号が過多である場合の警報および検出器の故障などのシステム診断をあわせて行うことができ、診断システムとしての信頼性向上も図れる放射線測定システムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
発明者の検討によると、例えば通常の中性子による信号のパルス幅は200〜400nsであるのに対し、検出器周辺の湿度が上昇した場合には、湿気による微小放電に起因して100〜200nsの短いパルス幅の信号が発生する。そこで、この小パルス幅の信号の上限である200nsよりパルス幅の小さい信号については、湿気による擬似信号として弁別処理することが可能である。
【0014】
一方、インバータモータなど周辺機器による電気的な周囲からのノイズ、すなわち外来ノイズに基づく擬似信号のメイン周波数は、数百kHzであり、パルス幅換算で1μs程度である。対象とする真の中性子信号のパルス幅が200〜400ns程度であるのに対し、パルス幅が数百ns以上の信号、例えば500ns以上の信号は、外来ノイズによる擬似信号として弁別処理することが可能である。
【0015】
さらに、このような湿気による擬似信号と外来ノイズによる擬似信号との間のパルス幅をもつ通常の中性子による信号、すなわち測定対象となる真の放射線信号についても、同様に弁別することが可能となる。
【0016】
以上の着眼に基づき、請求項1に係る発明では、低レベル放射線検出用の放射線検出器と、この放射線検出器から出力された検出信号を増幅する増幅器と、増幅された信号を入力して一定波高値以上の信号を弁別するとともに、弁別された信号に対応する基本パルスを発生させてその計数を行なう信号処理部とを備え、前記基本パルスの計数に基づいて放射線量を測定する放射線測定システムであって、前記信号処理部は、弁別された一定波高値以上の信号から、測定対象となる放射線信号よりもパルス幅が小さい湿気による擬似信号と、測定対象となる放射線信号よりもパルス幅が大きい外来ノイズによる擬似信号と、測定対象となる真の放射線信号とを弁別する機能を有することを特徴とする放射線測定システムを提供する。
【0017】
これにより、湿気および周辺機器等の外来ノイズによる擬似信号と、真の放射線信号とを明確に弁別して測定することができ、低レベルの放射線測定についての信頼性向上が図れる。
【0018】
また、このように明確に弁別された湿気および周辺機器等の外来ノイズによる擬似信号と、真の放射線信号とについては、それぞれ信号処理部において発生する基本パルスの計数率を測定することにより定量的に把握して、擬似信号が過多である場合の警報および検出器の故障などのシステム診断をあわせて行うことが可能である。
【0019】
そこで、請求項2に係る発明では、前記信号処理部は、測定対象となる真の放射線信号の基本パルス数を計数し、この計数率が一定値以下となった場合に、前記検出器の故障等による異常と判断してアラームを出力する機能を有する請求項1記載の放射線測定システムを提供する。
【0020】
請求項3に係る発明では、前記信号処理部は、湿気による擬似信号の基本パルス数を計数し、この計数率が一定値以上となった場合に、湿気による擬似信号過多と判断してアラームを出力する機能を有する請求項1記載の放射線測定システムを提供する。
【0021】
請求項4に係る発明では、前記信号処理部は、外来ノイズによる擬似信号の基本パルス数を計数し、この計数率が一定値以上となった場合に、外来ノイズによる擬似信号過多と判断してアラームを出力する機能を有する請求項1記載の放射線測定システムを提供する。
【0022】
なお、請求項1における各信号のパルス幅に基づく弁別処理においては、各信号の波形特性を考慮することが望ましい。例えば検出器における真の中性子信号の波形は立下りがなだらかな波形となるのに対し、湿気による擬似信号の波形は左右対称である。パルス幅に基づいて有意な差を得るためには、このような異なる波形部分の影響を除外する必要がある。
【0023】
そこで、請求項5に係る発明では、前記信号処理部により湿気による擬似信号および外来ノイズによる擬似信号の弁別を行なう場合のパルス幅を、最大波高値の1/3以下の時間幅に設定する請求項1記載の放射線測定システムを提供する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る放射線測定システムの一実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。なお、システム全体の基本的な系統構成については、従来技術の説明に使用した図5に示したものと略同様であるから、図5も本発明の実施形態として参照し、かつ図5および図6と同一の符号を使用して説明を行なう。
【0025】
本実施形態は、例えば周辺にインバータ機器などが多数存在して電気的ノイズの影響がある環境において、10Bo、3Heなどを検出する中性子検出器を備えた放射線測定システムを対象としている。
【0026】
この放射線測定システムは、図5に示すように、複数の放射線検出器1と、各放射線検出器1から出力される検出信号をそれぞれ増幅する前置増幅器2と、増幅された一定波高値以上の信号を弁別して基本パルスを発生させ、その基本パルス数を計数する信号処理部3と、信号処理結果に基づく所定の計算を行なう計算機4と、計算結果を表示する表示器5とを備えている。計算機4は、各検出器系の設定値を遠隔設定し、その状態を遠隔モニタする機能を有している。
【0027】
図1は、図5に示した複数系統の信号処理部3のうち1系統を示す機能ブロック図である。図1に示すように、信号処理部3は、波形整形回路6、信号弁別回路7、基本パルス発生回路8、計数回路9、CPU回路10および警報発生回路11等を備え、このうち基本パルス発生回路8および計数回路9は、信号弁別回路7により弁別される信号に対応して複数の並列な回路(第1〜第3基本パルス発生回路8a,8b,8c,および第1〜第3計数回路9a,9b,9c)を有している。
【0028】
各検出器1から出力される信号は、それぞれの前置増幅器2で増幅され、各信号処理部3に伝送される。信号処理部3に入力された信号は、まず波形整形回路6で整形された後、信号弁別回路7に入力される。信号弁別回路7では、一定の波高値以上の信号が弁別された後、パルス幅が測定対象となる放射線信号よりも小さい湿気による擬似信号と、パルス幅が測定対象となる放射線信号よりも大きい一定幅以上の外来ノイズによる擬似信号と、測定対象となる真の放射線信号とに弁別される。
【0029】
これらの弁別作用を、図2および図3により説明する。図2は、信号弁別回路7の弁別機能を示すロジックフローチャートであり、図3(A),(B)は、信号波形の説明図である。図2に示すように、弁別回路7では、まず所定値(V1)以上の波高値の信号が弁別される(ステップS101)。ここで、(V1)は、例えばディスク電圧、増幅器ノイズなどの影響を除去するための参照電圧である。この波高値に基づく弁別により、電圧(V1)以下の波高値のノイズ等による信号が除去される。
【0030】
次に、弁別回路7ではパルス幅が一定の値(T1)以下の信号が弁別される(ステップS102)。ここで、(T1)は、湿気による信号のパルス幅であり、例えば、(T1)=200nsとする。すなわち、通常の中性子による信号のパルス幅が200〜400nsであるのに対し、検出器周辺の湿度が上昇した場合には、湿気による微小放電に起因して100〜200nsの短いパルス幅の信号が発生する。本実施形態では、この短いパルス幅の信号の上限である200nsを(T1)として設定し、これにより湿気による信号を擬似信号bとして弁別処理する。
【0031】
次に、弁別回路7ではパルス幅が一定の値(T2)以上の信号が弁別される(ステップS103)。ここで、(T2)は、周辺機器のノイズによる擬似信号のパルス幅であり、例えば、(T2)=500nsとする。すなわち、インバータモータなど周辺機器による電気的な周囲からのノイズに基づく擬似信号のメイン周波数は、数百kHzであり、パルス幅換算で1μs程度である。対象とする真の中性子信号のパルス幅が200〜400ns程度であるのに対し、パルス幅が数百ns以上の信号を電気的ノイズとして、500nsを(T2)として設定し、これにより周辺機器のノイズによる信号を擬似信号cとして弁別処理する。
【0032】
さらに、このようなパルス幅(T1)以下の信号と、パルス幅(T2)以上の信号との弁別により、(T1)と(T2)との間のパルス幅200〜400nsをもつ通常の中性子による信号、すなわち測定対象となる真の放射線信号aが弁別される。そして、これら真の放射線信号a、湿気による擬似信号bおよび周辺機器のノイズによる擬似信号cが、それぞれ図1に示した第1基本パルス発生回路8a,第2基本パルス発生回路8bおよび第3基本パルス発生回路8cにおけるパルス出力となる。
【0033】
なお、以上の信号弁別手段としては、一般的なアナログ回路による波形弁別手段(パルス幅)、および高速ADCを使用した波形解析技術等を適用することができる。
【0034】
ところで、図3(A)には検出器1における真の中性子信号の波形を示し、図3(B)には湿気による擬似信号の波形を示している。図3(B)に示すように、湿気による擬似信号の波形は、左右対称であるが、図3(A)に示すように、真の中性子信号の波形は立下りがなだらかな波形となっている。この場合、パルス幅に基づいて有意な差を得るためには異なる波形部分の影響を除外する必要がある。
【0035】
そこで、本実施形態では信号処理部において湿気による擬似信号および外来ノイズによる擬似信号の弁別を行なう場合のパルス幅を、最大波高値の1/3以下の時間幅に設定している。
【0036】
次に、以上のロジックに基づいて弁別された信号の計数により、検出器1の健全性判断および擬似信号が過多である等の判断による警報発報システムについて説明する。
【0037】
すなわち、図2のロジックを用いて、信号弁別回路7で弁別された真の放射線信号a、湿気による擬似信号bおよび周辺機器のノイズによる擬似信号cは、それぞれ第1〜第3基本パルス発生回路8a,8b,8cに入力され、ここでそれぞれパルスが発生し、第1〜第3計数回路9a,9b,9cに伝送されて計数(カウント)された後、CPU回路10により各信号の計数率が一定値以上である場合が判別され、所定の判別がなされた場合に警報発生回路11から警報が発報される。
【0038】
具体例として、図4(A),(B),(C)に計算機アラームのロジックフローチャートを示す。
【0039】
図4(A)に示すように、真の放射線信号aについての第1基本パルス発生回路8aから発生するパルス信号の計数率が、実績値等に基づいて定められる所定の値(C11)以下の場合には、レベル低として検出器故障アラームが発生する。また、所定の値(C12)を越えた場合には、レベル高(または高高)のアラームが発生する。すなわち、基本パルスの計数率が異常に高いと判断される場合には、アラームにより報知され、この場合には検出器の故障と評価される一方、計数率が高い場合には中性子高としての報知がなされる。これにより、計数率を測定することにより、測定精度の信頼性向上および検出器の故障などのシステム診断に対する信頼性向上が図れるようになる。
【0040】
また、図4(B)に示すように、湿気による擬似信号bについての第2基本パルス発生回路8bから発生するパルス信号の計数率が、所定の値(C2)以上の場合には、湿気による影響アラームが発生する。この結果、湿気による擬似信号が過多である場合を明確に把握することができる。
【0041】
さらに、図4(C)に示すように、周辺機器からの外来ノイズによる擬似信号cについての第3基本パルス発生回路8cから発生するパルス信号の計数率が、所定の値(C3)以上の場合には、周辺機器によるノイズの影響アラームが発生する。この結果、外来ノイズによる擬似信号が過多である場合を明確に把握することができる。
【0042】
このように、本実施形態によれば、パルス幅の大小により信号を弁別、区分けし、通常は問題にならない低計数率の湿気による影響、周辺機器(インバータ機器などの)外来ノイズの影響による擬似信号を計数し、BG信号計数値から差し引いて真の放射線信号のみを計数することができ、非常に低計数率の信号をアルゴリズムに基づいて常時モニタすることにより、測定上の信頼性向上が図れるようになる。
【0043】
また、信号処理部において測定対象となる真の放射線信号の基本パルス数を計数し、この計数率が一定値以下となった場合に、検出器の故障等による異常と判断してアラームを出力することにより、検出器診断が高精度で行なえ、機器診断に対する信頼性向上が図れるようになる。
【0044】
さらに、湿気による擬似信号の計数率が所定の値以上になった場合、および外来ノイズによる擬似信号の計数率が所定の値以上になった場合には、それぞれアラームを発報し、システムの信頼性の向上を図ることができる。
【0045】
なお、以上の実施形態では中性子検出を例として説明したが、本発明はこれに限らず、γ線その他の各種放射線検出についても同様に適用することができるのは勿論である。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、湿気および周辺機器等の外来ノイズによる擬似信号と真の放射線信号とを明確に弁別して測定することができ、低レベルの放射線測定についての信頼性向上が図れる。
【0047】
また、本発明によれば、湿気による擬似信号、外来ノイズによる擬似信号および真の放射線信号のパルス計数率に基づいて、擬似信号が過多である場合の警報および検出器の故障などのシステム診断をあわせて行うことができ、診断システムとしての信頼性向上も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すシステム構成図。
【図2】本発明の一実施形態による信号弁別回路の機能を説明するロジックフローチャート。
【図3】(A)、(B)は本発明の一実施形態による信号波形を示す説明図。
【図4】(A)、(B)、(C)は本発明の一実施形態によるアラーム機能を説明するロジックフローチャート。
【図5】放射線測定システムのシステム全体を示す構成図。
【図6】従来の放射線測定システムにおける信号号処理部を示す機能ブロック図。
【符号の説明】
1 放射線検出器
2 前置増幅器
3 信号処理部
4 計算機
5 表示器
6 波形整形回路
7 信号弁別回路
8(8a,8b,8c) 基本パルス発生回路
9(9a,9b,9c) 計数回路
10 CPU回路
11 警報発生回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば燃料再処理施設等において臨界の未然防止のため低レベル中性子を測定するような場合に適用される放射線測定システムに係り、特に湿気または外来ノイズによる擬似信号と真に測定対象とする放射線信号とを明確に弁別することにより、測定精度上および検出器健全性診断等についての信頼性向上を図った放射線測定システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、放射線測定システムとしては種々のものが知られており(例えば特許文献1参照)、特に燃料再処理施設において臨界の未然防止のため低レベル中性子を測定するような放射線測定システムとしては、例えば図5および図6に示す構成のものが適用されている。図5はシステム全体の構成図であり、図6はその要部としての信号処理部を示す機能ブロック図である。
【0003】
この図5に示すシステムは、複数の放射線検出器1と、各放射線検出器1から出力される検出信号をそれぞれ増幅する前置増幅器2と、増幅された一定波高値以上の信号を弁別して基本パルスを発生させ、その基本パルス数を計数する信号処理部3と、信号処理結果に基づく所定の計算を行なう計算機4と、計算結果を表示する表示器5とを備えている。計算機4は、各検出器系の設定値を遠隔設定し、その状態を遠隔モニタする機能を有している。
【0004】
信号処理部3は図6に示すように、波形整形回路6、信号弁別回路7、基本パルス発生回路8、計数回路9、CPU回路10および警報発生回路11等を備えている。信号処理部3に入力される信号については、まず波形整形回路6で整形され、信号弁別回路7により一定の波高値以上の信号が弁別され、弁別された信号が基本パルス発生回路8に入力されて基本パルスが発生され、この基本パルスが計数回路9で計数(カウント)される。CPU回路10では所定の計数値(カウント値)以上、例えば中性子が臨界となるような場合が判別され、そのような判別がなされた場合には警報発生回路11から警報が発報される。
【0005】
ところで、このような放射線測定システムにおける検出器1の健全性については、例えば定期点検時に感度校正などにより確認されている。また、検出器1の健全性の確認は定期点検以外の時期においても可能であり、この場合の検出器1の健全性を確認する方法としては、一般的にバックグラウンド(以下、略して「BG」とも記す)の計数率の有無による測定が行なわれている。バックグラウンドとは、測定対象が中性子の場合には周辺環境、または宇宙線に起因する信号である。また、ガンマ線検出器の場合には、周辺コンクリート等における40Kなどの放射線同位体からのガンマ線によるカウント値であり、検出下限値を設けてアラームを発報するようにしている。
【0006】
BG値が低い場合、通常は、バグソース(非常に弱い線源を検出器周辺に設置し人為的にBG信号を生成する)を設置し、警報設定値よりも十分低い計数率がバックグラウンドとなるようにし、レベル低の設定値をBG値より低く設定し、計数率がこれ以下の場合にレベル低(検出器故障)と判断する。
【0007】
ところが、BG計数値が低い場合には、バグソースを使用して、人為的にバックグラウンドを作るが、警報設定値が低い場合には適切なバグソースの取付けが困難である。例えば原子炉再処理施設等が測定対象プラントであると、周辺機器のノイズ等がない場合、1000秒に数カウント程度である。通常の測定下限は10−2cps程度であり、測定範囲外である。なお、機能を拡張して測定することは可能である。
【0008】
しかし、計数率が低いため、通常は問題にならない発生頻度が低い周辺機器からの外来ノイズ、湿気などによる高電圧回路の微小放電などの擬似信号が原因となるカウントもある。従来では、このような擬似信号と測定対象となる真の放射線信号とを明確に区別することができない。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−196080号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、BG値が極めて少なく、場所的な制約など、システム的な制約により、バグソースが使用できない場合、従来では検出系の健全性を常時監視することが困難であった。すなわち、検出器の健全性を示す信号が極めて小さい場合(例えば、1000秒に数カウント程度の場合)、通常は問題にならないインバータノイズ等の周辺機器からの電気的ノイズの影響、検出系自体の理由(例えば湿気などによる微小放電ノイズ)による擬似信号と区別することができない。また、検出器が断線し機能を停止した場合でも、電気ノイズが継続的に発生する可能性もあり、検出器の故障を検知することができないことも考えられる。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、湿気および周辺機器等の外来ノイズによる擬似信号と真の放射線信号とを明確に弁別して測定することができ、低レベルの放射線測定についての信頼性向上が図れる放射線測定システムを提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は湿気による擬似信号、外来ノイズによる擬似信号および真の放射線信号のパルス計数率に基づいて、擬似信号が過多である場合の警報および検出器の故障などのシステム診断をあわせて行うことができ、診断システムとしての信頼性向上も図れる放射線測定システムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
発明者の検討によると、例えば通常の中性子による信号のパルス幅は200〜400nsであるのに対し、検出器周辺の湿度が上昇した場合には、湿気による微小放電に起因して100〜200nsの短いパルス幅の信号が発生する。そこで、この小パルス幅の信号の上限である200nsよりパルス幅の小さい信号については、湿気による擬似信号として弁別処理することが可能である。
【0014】
一方、インバータモータなど周辺機器による電気的な周囲からのノイズ、すなわち外来ノイズに基づく擬似信号のメイン周波数は、数百kHzであり、パルス幅換算で1μs程度である。対象とする真の中性子信号のパルス幅が200〜400ns程度であるのに対し、パルス幅が数百ns以上の信号、例えば500ns以上の信号は、外来ノイズによる擬似信号として弁別処理することが可能である。
【0015】
さらに、このような湿気による擬似信号と外来ノイズによる擬似信号との間のパルス幅をもつ通常の中性子による信号、すなわち測定対象となる真の放射線信号についても、同様に弁別することが可能となる。
【0016】
以上の着眼に基づき、請求項1に係る発明では、低レベル放射線検出用の放射線検出器と、この放射線検出器から出力された検出信号を増幅する増幅器と、増幅された信号を入力して一定波高値以上の信号を弁別するとともに、弁別された信号に対応する基本パルスを発生させてその計数を行なう信号処理部とを備え、前記基本パルスの計数に基づいて放射線量を測定する放射線測定システムであって、前記信号処理部は、弁別された一定波高値以上の信号から、測定対象となる放射線信号よりもパルス幅が小さい湿気による擬似信号と、測定対象となる放射線信号よりもパルス幅が大きい外来ノイズによる擬似信号と、測定対象となる真の放射線信号とを弁別する機能を有することを特徴とする放射線測定システムを提供する。
【0017】
これにより、湿気および周辺機器等の外来ノイズによる擬似信号と、真の放射線信号とを明確に弁別して測定することができ、低レベルの放射線測定についての信頼性向上が図れる。
【0018】
また、このように明確に弁別された湿気および周辺機器等の外来ノイズによる擬似信号と、真の放射線信号とについては、それぞれ信号処理部において発生する基本パルスの計数率を測定することにより定量的に把握して、擬似信号が過多である場合の警報および検出器の故障などのシステム診断をあわせて行うことが可能である。
【0019】
そこで、請求項2に係る発明では、前記信号処理部は、測定対象となる真の放射線信号の基本パルス数を計数し、この計数率が一定値以下となった場合に、前記検出器の故障等による異常と判断してアラームを出力する機能を有する請求項1記載の放射線測定システムを提供する。
【0020】
請求項3に係る発明では、前記信号処理部は、湿気による擬似信号の基本パルス数を計数し、この計数率が一定値以上となった場合に、湿気による擬似信号過多と判断してアラームを出力する機能を有する請求項1記載の放射線測定システムを提供する。
【0021】
請求項4に係る発明では、前記信号処理部は、外来ノイズによる擬似信号の基本パルス数を計数し、この計数率が一定値以上となった場合に、外来ノイズによる擬似信号過多と判断してアラームを出力する機能を有する請求項1記載の放射線測定システムを提供する。
【0022】
なお、請求項1における各信号のパルス幅に基づく弁別処理においては、各信号の波形特性を考慮することが望ましい。例えば検出器における真の中性子信号の波形は立下りがなだらかな波形となるのに対し、湿気による擬似信号の波形は左右対称である。パルス幅に基づいて有意な差を得るためには、このような異なる波形部分の影響を除外する必要がある。
【0023】
そこで、請求項5に係る発明では、前記信号処理部により湿気による擬似信号および外来ノイズによる擬似信号の弁別を行なう場合のパルス幅を、最大波高値の1/3以下の時間幅に設定する請求項1記載の放射線測定システムを提供する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る放射線測定システムの一実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。なお、システム全体の基本的な系統構成については、従来技術の説明に使用した図5に示したものと略同様であるから、図5も本発明の実施形態として参照し、かつ図5および図6と同一の符号を使用して説明を行なう。
【0025】
本実施形態は、例えば周辺にインバータ機器などが多数存在して電気的ノイズの影響がある環境において、10Bo、3Heなどを検出する中性子検出器を備えた放射線測定システムを対象としている。
【0026】
この放射線測定システムは、図5に示すように、複数の放射線検出器1と、各放射線検出器1から出力される検出信号をそれぞれ増幅する前置増幅器2と、増幅された一定波高値以上の信号を弁別して基本パルスを発生させ、その基本パルス数を計数する信号処理部3と、信号処理結果に基づく所定の計算を行なう計算機4と、計算結果を表示する表示器5とを備えている。計算機4は、各検出器系の設定値を遠隔設定し、その状態を遠隔モニタする機能を有している。
【0027】
図1は、図5に示した複数系統の信号処理部3のうち1系統を示す機能ブロック図である。図1に示すように、信号処理部3は、波形整形回路6、信号弁別回路7、基本パルス発生回路8、計数回路9、CPU回路10および警報発生回路11等を備え、このうち基本パルス発生回路8および計数回路9は、信号弁別回路7により弁別される信号に対応して複数の並列な回路(第1〜第3基本パルス発生回路8a,8b,8c,および第1〜第3計数回路9a,9b,9c)を有している。
【0028】
各検出器1から出力される信号は、それぞれの前置増幅器2で増幅され、各信号処理部3に伝送される。信号処理部3に入力された信号は、まず波形整形回路6で整形された後、信号弁別回路7に入力される。信号弁別回路7では、一定の波高値以上の信号が弁別された後、パルス幅が測定対象となる放射線信号よりも小さい湿気による擬似信号と、パルス幅が測定対象となる放射線信号よりも大きい一定幅以上の外来ノイズによる擬似信号と、測定対象となる真の放射線信号とに弁別される。
【0029】
これらの弁別作用を、図2および図3により説明する。図2は、信号弁別回路7の弁別機能を示すロジックフローチャートであり、図3(A),(B)は、信号波形の説明図である。図2に示すように、弁別回路7では、まず所定値(V1)以上の波高値の信号が弁別される(ステップS101)。ここで、(V1)は、例えばディスク電圧、増幅器ノイズなどの影響を除去するための参照電圧である。この波高値に基づく弁別により、電圧(V1)以下の波高値のノイズ等による信号が除去される。
【0030】
次に、弁別回路7ではパルス幅が一定の値(T1)以下の信号が弁別される(ステップS102)。ここで、(T1)は、湿気による信号のパルス幅であり、例えば、(T1)=200nsとする。すなわち、通常の中性子による信号のパルス幅が200〜400nsであるのに対し、検出器周辺の湿度が上昇した場合には、湿気による微小放電に起因して100〜200nsの短いパルス幅の信号が発生する。本実施形態では、この短いパルス幅の信号の上限である200nsを(T1)として設定し、これにより湿気による信号を擬似信号bとして弁別処理する。
【0031】
次に、弁別回路7ではパルス幅が一定の値(T2)以上の信号が弁別される(ステップS103)。ここで、(T2)は、周辺機器のノイズによる擬似信号のパルス幅であり、例えば、(T2)=500nsとする。すなわち、インバータモータなど周辺機器による電気的な周囲からのノイズに基づく擬似信号のメイン周波数は、数百kHzであり、パルス幅換算で1μs程度である。対象とする真の中性子信号のパルス幅が200〜400ns程度であるのに対し、パルス幅が数百ns以上の信号を電気的ノイズとして、500nsを(T2)として設定し、これにより周辺機器のノイズによる信号を擬似信号cとして弁別処理する。
【0032】
さらに、このようなパルス幅(T1)以下の信号と、パルス幅(T2)以上の信号との弁別により、(T1)と(T2)との間のパルス幅200〜400nsをもつ通常の中性子による信号、すなわち測定対象となる真の放射線信号aが弁別される。そして、これら真の放射線信号a、湿気による擬似信号bおよび周辺機器のノイズによる擬似信号cが、それぞれ図1に示した第1基本パルス発生回路8a,第2基本パルス発生回路8bおよび第3基本パルス発生回路8cにおけるパルス出力となる。
【0033】
なお、以上の信号弁別手段としては、一般的なアナログ回路による波形弁別手段(パルス幅)、および高速ADCを使用した波形解析技術等を適用することができる。
【0034】
ところで、図3(A)には検出器1における真の中性子信号の波形を示し、図3(B)には湿気による擬似信号の波形を示している。図3(B)に示すように、湿気による擬似信号の波形は、左右対称であるが、図3(A)に示すように、真の中性子信号の波形は立下りがなだらかな波形となっている。この場合、パルス幅に基づいて有意な差を得るためには異なる波形部分の影響を除外する必要がある。
【0035】
そこで、本実施形態では信号処理部において湿気による擬似信号および外来ノイズによる擬似信号の弁別を行なう場合のパルス幅を、最大波高値の1/3以下の時間幅に設定している。
【0036】
次に、以上のロジックに基づいて弁別された信号の計数により、検出器1の健全性判断および擬似信号が過多である等の判断による警報発報システムについて説明する。
【0037】
すなわち、図2のロジックを用いて、信号弁別回路7で弁別された真の放射線信号a、湿気による擬似信号bおよび周辺機器のノイズによる擬似信号cは、それぞれ第1〜第3基本パルス発生回路8a,8b,8cに入力され、ここでそれぞれパルスが発生し、第1〜第3計数回路9a,9b,9cに伝送されて計数(カウント)された後、CPU回路10により各信号の計数率が一定値以上である場合が判別され、所定の判別がなされた場合に警報発生回路11から警報が発報される。
【0038】
具体例として、図4(A),(B),(C)に計算機アラームのロジックフローチャートを示す。
【0039】
図4(A)に示すように、真の放射線信号aについての第1基本パルス発生回路8aから発生するパルス信号の計数率が、実績値等に基づいて定められる所定の値(C11)以下の場合には、レベル低として検出器故障アラームが発生する。また、所定の値(C12)を越えた場合には、レベル高(または高高)のアラームが発生する。すなわち、基本パルスの計数率が異常に高いと判断される場合には、アラームにより報知され、この場合には検出器の故障と評価される一方、計数率が高い場合には中性子高としての報知がなされる。これにより、計数率を測定することにより、測定精度の信頼性向上および検出器の故障などのシステム診断に対する信頼性向上が図れるようになる。
【0040】
また、図4(B)に示すように、湿気による擬似信号bについての第2基本パルス発生回路8bから発生するパルス信号の計数率が、所定の値(C2)以上の場合には、湿気による影響アラームが発生する。この結果、湿気による擬似信号が過多である場合を明確に把握することができる。
【0041】
さらに、図4(C)に示すように、周辺機器からの外来ノイズによる擬似信号cについての第3基本パルス発生回路8cから発生するパルス信号の計数率が、所定の値(C3)以上の場合には、周辺機器によるノイズの影響アラームが発生する。この結果、外来ノイズによる擬似信号が過多である場合を明確に把握することができる。
【0042】
このように、本実施形態によれば、パルス幅の大小により信号を弁別、区分けし、通常は問題にならない低計数率の湿気による影響、周辺機器(インバータ機器などの)外来ノイズの影響による擬似信号を計数し、BG信号計数値から差し引いて真の放射線信号のみを計数することができ、非常に低計数率の信号をアルゴリズムに基づいて常時モニタすることにより、測定上の信頼性向上が図れるようになる。
【0043】
また、信号処理部において測定対象となる真の放射線信号の基本パルス数を計数し、この計数率が一定値以下となった場合に、検出器の故障等による異常と判断してアラームを出力することにより、検出器診断が高精度で行なえ、機器診断に対する信頼性向上が図れるようになる。
【0044】
さらに、湿気による擬似信号の計数率が所定の値以上になった場合、および外来ノイズによる擬似信号の計数率が所定の値以上になった場合には、それぞれアラームを発報し、システムの信頼性の向上を図ることができる。
【0045】
なお、以上の実施形態では中性子検出を例として説明したが、本発明はこれに限らず、γ線その他の各種放射線検出についても同様に適用することができるのは勿論である。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、湿気および周辺機器等の外来ノイズによる擬似信号と真の放射線信号とを明確に弁別して測定することができ、低レベルの放射線測定についての信頼性向上が図れる。
【0047】
また、本発明によれば、湿気による擬似信号、外来ノイズによる擬似信号および真の放射線信号のパルス計数率に基づいて、擬似信号が過多である場合の警報および検出器の故障などのシステム診断をあわせて行うことができ、診断システムとしての信頼性向上も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すシステム構成図。
【図2】本発明の一実施形態による信号弁別回路の機能を説明するロジックフローチャート。
【図3】(A)、(B)は本発明の一実施形態による信号波形を示す説明図。
【図4】(A)、(B)、(C)は本発明の一実施形態によるアラーム機能を説明するロジックフローチャート。
【図5】放射線測定システムのシステム全体を示す構成図。
【図6】従来の放射線測定システムにおける信号号処理部を示す機能ブロック図。
【符号の説明】
1 放射線検出器
2 前置増幅器
3 信号処理部
4 計算機
5 表示器
6 波形整形回路
7 信号弁別回路
8(8a,8b,8c) 基本パルス発生回路
9(9a,9b,9c) 計数回路
10 CPU回路
11 警報発生回路
Claims (5)
- 低レベル放射線検出用の放射線検出器と、この放射線検出器から出力された検出信号を増幅する増幅器と、増幅された信号を入力して一定波高値以上の信号を弁別するとともに、弁別された信号に対応する基本パルスを発生させてその計数を行なう信号処理部とを備え、前記基本パルスの計数に基づいて放射線量を測定する放射線測定システムであって、前記信号処理部は、弁別された一定波高値以上の信号から、測定対象となる放射線信号よりもパルス幅が小さい湿気による擬似信号と、測定対象となる放射線信号よりもパルス幅が大きい外来ノイズによる擬似信号と、測定対象となる真の放射線信号とを弁別する機能を有することを特徴とする放射線測定システム。
- 前記信号処理部は、測定対象となる真の放射線信号の基本パルス数を計数し、この計数率が一定値以下となった場合に、前記検出器の故障等による異常と判断してアラームを出力する機能を有する請求項1記載の放射線測定システム。
- 前記信号処理部は、湿気による擬似信号の基本パルス数を計数し、この計数率が一定値以上となった場合に、湿気による擬似信号過多と判断してアラームを出力する機能を有する請求項1記載の放射線測定システム。
- 前記信号処理部は、外来ノイズによる擬似信号の基本パルス数を計数し、この計数率が一定値以上となった場合に、外来ノイズによる擬似信号過多と判断してアラームを出力する機能を有する請求項1記載の放射線測定システム。
- 前記信号処理部により湿気による擬似信号および外来ノイズによる擬似信号の弁別を行なう場合のパルス幅を、最大波高値の1/3以下の時間幅に設定する請求項1記載の放射線測定システム。
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