JPH09264984A - 原子炉炉外計装装置およびその方法 - Google Patents

原子炉炉外計装装置およびその方法

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JPH09264984A
JPH09264984A JP8073390A JP7339096A JPH09264984A JP H09264984 A JPH09264984 A JP H09264984A JP 8073390 A JP8073390 A JP 8073390A JP 7339096 A JP7339096 A JP 7339096A JP H09264984 A JPH09264984 A JP H09264984A
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rays
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JP8073390A
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English (en)
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Masayuki Ichige
正之 市毛
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
  • Measurement Of Radiation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 中性子またはγ線が炉内から炉外へ至るとき
に経た履歴から、出力あるいはボイドの分布または水位
という炉内の状態を計測可能な原子炉炉外計装装置を提
供する。 【解決手段】 本発明に係る原子炉炉外計装装置は、原
子炉圧力容器の外周に所定の間隔を有しながら鉛直方向
に長尺に設けられ複数位置の放射線の強度と放射線の検
出時刻を信号として検知する放射線検出器6と、この放
射線検出器6からの信号を増幅する増幅器7と、この増
幅器7に接続され放射線の発生位置を特定する信号処理
装置8と、この信号処理装置8に接続され出力あるいは
ボイドの分布または水位を解析する解析装置9とからな
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉から放射さ
れる中性子又はγ線の空間分布又は時間分布を測定し、
原子炉内の出力分布、水位及び水位変化あるいはボイド
分布を原子炉外にて計測する原子炉炉外計装装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来は、原子炉で発生する中性子あるい
はγ線の計測は、炉内に装荷された中性子あるいはγ線
等の放射線検出器により測定され、測定結果を分析し原
子炉出力、水位、あるいはボイド等の情報を得ていた。
【0003】また、一方では、原子炉炉外に放射線検出
器を設置し、炉外に漏洩してくる中性子あるいはγ線等
の放射線を計測し、この計測結果から原子炉出力を求め
る炉外計装も考えられていた。
【0004】以下に原子炉炉外計装装置の従来例につい
て説明する。炉外計装は、炉内で発生した中性子あるい
はγ線等の放射線が炉外に漏洩してくるものを測定対象
とするため、これらの放射線が完全に遮蔽されている場
合は成り立たない。また、炉心内の情報が放射線によっ
て炉外に伝達できない場合も成り立たない。比較的小型
の原子炉では、炉内構造物が少なく炉心が小さいため、
炉内で発生した放射線を炉外で測定することが可能なも
のの、現在の商業用大型原子炉では、炉内構造物が多
く、また、炉心が大きいため、炉内で発生した中性子あ
るいはγ線が炉外に達する場合は非常に微弱な信号とな
ってしまう。このため、商業用大型原子炉においては、
炉外計装によって出力分布を求めたり炉内情報を得るこ
とは殆どなされていない状況である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来の技術にお
いて、炉内で発生した中性子またはγ線の炉外に到達す
るまでの減衰のため、原子炉炉外で、炉内で発生した中
性子又はγ線の測定を充分な精度で行うことが困難であ
った。
【0006】また、炉内で発生した中性子又はγ線は炉
外では四方八方に拡がってしまっているため、炉外周囲
に設置された測定器の信号を総合して発生点あるいは強
度等の情報を再現しなければならない。複雑な炉内構造
物等があるため外部から中を見るためには多数の補正や
計算モデルの補助が必要である。従って、補正精度の向
上を計ることも大きな困難を生じていた。
【0007】この補正精度の向上については、通常のC
T(Computer Tomograph)法のみでは課題の解決は難し
く、原子炉あるいは中性子又はγ線等の放射線特有の事
象の積極的利用が図れるかに掛かっている。
【0008】中性子又はγ線が炉内から炉外へ至るとき
に経た履歴から出力分布だけでなく水位あるいはボイド
分布といった炉内の状態を監視することも必要であり、
特に沸騰水型軽水炉の炉心の炉水位あるいはボイド挙動
等を炉外から観測する技術の開発が注目される。
【0009】本発明は係る従来の事情に対処してなされ
たものであり、その目的は、中性子またはγ線が炉内か
ら炉外へ至るときに経た履歴から出力あるいはボイドの
分布または水位という炉内の状態を計測可能な原子炉炉
外計装装置およびその方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、請求項1記載の発明に係る原子炉炉外計装装置で
は、原子炉圧力容器の外周に所定の間隔を有しながら鉛
直方向に長尺に設けられ複数位置の放射線の強度と放射
線の検出時刻を信号として検知する放射線検出器と、こ
の放射線検出器からの信号を増幅する増幅器と、この増
幅器に接続され放射線の発生位置を特定する信号処理装
置と、この信号処理装置に接続され出力あるいはボイド
の分布または水位を解析する解析装置を有する。
【0011】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
原子炉炉外計装装置において、信号処理装置が、前記放
射線検出器からの信号を、複数位置のうち選択的に処理
可能に設けられているものである。
【0012】請求項3記載の発明では、請求項1または
2記載の原子炉炉外計装装置において、解析装置が、予
め定められた模擬計算条件において出力あるいはボイド
の分布または水位の変化に対する放射線検出器の信号出
力予測計算を行い、この模擬計算条件での計算結果とそ
の条件における計測結果を比較することにより出力ある
いはボイド分布または水位を推定するものである。
【0013】請求項4記載の発明では、請求項1乃至3
記載の原子炉炉外計装装置において、放射線検出器が、
原子炉炉内構造物を構成する元素あるいは炉水に含まれ
る元素からの即発γ線を計測するものである。
【0014】請求項5記載の発明では、請求項1乃至3
記載の原子炉炉外計装装置において、放射線検出器が、
原子炉炉内構造物を構成する元素あるいは炉水に含まれ
る元素の短寿命放射化物からのγ線を計測するものであ
る。
【0015】請求項6記載の発明では、請求項1乃至5
記載の原子炉炉外計装装置において、解析装置が、γ線
のエネルギー分布パターンから炉内中性子束分布及び中
性子エネルギー分布を解析するものである。
【0016】請求項7記載の発明では、請求項1乃至3
記載の原子炉炉外計装装置において、放射線検出器が、
中性子エネルギーに応じて感度が異なるものである。請
求項8記載の発明では、請求項1乃至7記載の原子炉炉
外計装装置において、解析装置が、中性子エネルギー分
布から炉水中のボイド分布を測定するものである。ボイ
ドの有無によって中性子の減速効率が異なり、その結果
炉外にて計測される中性子エネルギーが変化するのであ
る。
【0017】請求項9記載の発明では、請求項1乃至8
記載の原子炉炉外計装装置において、解析装置が、中性
子エネルギー分布及びγ線エネルギー分布の変化を用い
出力あるいはボイドの分布または水位を求め、中性子及
びγ線のそれぞれにより求めた結果を相互に補正するも
のである。出力分布、水位、及びボイド等は、一方で中
性子の強度のみならずエネルギー分布にも変化をもたら
す、またγ線に対してはエネルギーだけでなくその強度
にも変化を与える。そこで、中性子及びγ線の各々に対
して、エネルギー変化及び強度変化の相関を求めておき
相互補正できるようにするのである。
【0018】請求項10記載の発明では、請求項1乃至
9記載の原子炉炉外計装装置において、解析装置が、中
性子エネルギー分布及びγ線エネルギー分布から求めた
出力分布と炉内核計装により計測された出力分布との相
関を用いて出力あるいはボイドの分布または水位を測定
するものである。
【0019】請求項11記載の発明に係る原子炉炉外計
装方法では、原子炉から原子炉外に放射される中性子又
はγ線のエネルギー及び強度について空間分布又は時間
分布を測定し、炉内構造物の物質密度分布から、炉内構
造物中での中性子又はγ線の減衰を考慮して、原子炉内
の出力分布を推定し、中性子又はγ線の空間分布及び時
間分布の変動から物質透過に伴う中性子又はγ線の減衰
による変動を水位及び水位変化あるいはボイド分布に特
徴的な空間的及び時間的変動成分として算出することに
より、原子炉内の出力分布、水位及び水位変化あるいは
ボイド分布を計測する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の第1の実施の形態
を図1に基づき説明する。図1は、通常の沸騰水型軽水
炉への炉外計装装置の適用を模式的に表した図である。
図1において、原子炉圧力容器1は、炉心2を覆うもの
で、炉心2は炉水3に満たされている。この炉水3中に
は炉心2中の核燃料の燃焼に伴いボイド4という水蒸気
の気泡を生じる。
【0021】一方、原子炉圧力容器1の周囲には炉外計
装装置5が設置されており、その中には放射線検出器6
が一定間隔に設置されている。この放射線検出器6は中
性子又はγ線に有感なものであり、長尺な放射線検出器
6を用いるが、信号の到達時間の遅れの利用あるいは複
数のセンサの組み込み等によりその軸方向に位置有感型
であるものを用いる。
【0022】例えば、信号の到達時間の遅れを利用した
ものであれば、特願平8−22831号に記載された中
性子計測システムなどがある。この中性子計測システム
の中性子検出センサによれば、中性子を吸収して荷電粒
子を放出する核変換物質を表面に塗布したワイヤーにお
いて、中性子が吸収されると核変換物質から荷電粒子が
放出され、ガスによる発光を光ケーブルによって光伝送
する。光伝送時には、ケーブル位置によって時間差が生
じるため、逆にこの時間差から中性子の軸方向の検出位
置を特定するものである。
【0023】このように、軸方向において位置有感型の
検出器を用いれば、軸方向は一つの信号処理系で時間差
分析により位置を特定することができる。一方、複数の
センサを組み込むことによっても軸方向に位置有感型の
検出器とすることが可能であるが、この場合には、軸方
向の複数のセンサを一まとめとして一つの信号処理系で
検出位置を特定する。
【0024】このような放射線検出器6によれば、炉外
計装装置5では原子炉圧力容器1の周囲を空間的網羅し
た放射線分布を得ることができる。個々の放射線検出器
6の信号は、微弱なため前置増幅器7に送られる。この
前置増幅器7に送られる信号は、検出部位における放射
線の強度および検出時刻である。また、前置増幅器7の
出力は、信号パルスとして信号処理装置8に送られる。
この信号処理装置8では、各々の増幅器7から送られて
きた信号から放射線の強度、発生時間ごとに分析し、コ
ンピュータ9に送られる。
【0025】コンピュータ9内部では、中性子あるいは
γ線の空間的な強度分布あるいは時間的な変化について
局所空間領域、周上空間領域、軸方向空間領域、時間領
域及び周波数領域等毎に分布を作成し出力分布を算出す
る。また、炉水あるいはボイドの有無によってγ中性子
の減速及びγ線の減衰が異なることから空間領域毎の出
力の変化を用いて炉水情報を抽出し、また時間的信号の
変化からボイド分布情報を算出する。
【0026】以下に請求項2記載の発明の実施の形態を
図2に基づき説明する。請求項1記載の発明において、
出力分布、水位、及びボイド分布等を詳細に把握しよう
とすると局所的に細かく分析する必要がある。出力分布
を求める場合、原子炉の垂直方向の分布を得るために
は、測定領域13のように原子炉を輪切りにした分布を
取得していくこととする。また、原子炉の同径方向の分
布を得るためには測定領域14のように原子炉を縦割り
にした分布を取得していくこととする。また、水位に対
しては、測定領域Aのように水位付近の垂直方向の分布
を求めその信号出力に変化が現れたところに対して、測
定領域13を局所化し分析することにより水位の正確な
測定をすることが可能となる。ボイド分布については出
力分布、水位に比べ僅かな変化であるため、これらの効
果を測定後、取り除いた中から、さらに分析を進め測定
領域の選び方の最適化を進め抽出していくことにより計
測する。
【0027】以下に請求項3記載の発明の実施の形態を
図3に基づき説明する。請求項1乃至2記載の発明にお
いて述べた炉外計装装置により出力分布、水位、ボイド
を計測する方法に対して、計算機による模擬計算を導入
し、予測計算及び測定データの解析等を容易にすること
ができる。図3中に示したブロック図に示す通り、まず
検出器の出力信号を取得し(A2)、空間出力分布を算
出する(A3)。ここでは、各々の検出器信号のばらつ
きの補正等の校正を行いCT(Computer Tomograph)法
を用いた空間分布算出を行う。この結果は逐次模擬計算
を行う計算機に送られていく(A1)。次に、横方向即
ち原子炉の水平方向に対していくつかの領域に分け各々
平均を取り、相互に比較していく(A4)。その相互の
領域間の比較の結果水位の影響を抽出できたならば、さ
らにその領域を細かく分割し、より詳細な分析へと進
む。そして、必要な精度で水位を同定できたならば、水
位を表示するとともに(A5)、この計算過程を模擬計
算を行う計算機に送る(A1)。
【0028】次には、縦方向即ち原子炉の軸方向に領域
を分割し局所的な出力の変動を把握する(A6)。そし
て、時間的に領域に分けて、出力の時間変化及び周期変
動を追跡する(A7)。その結果、ボイド分布に特徴的
な変化が現れた場合は、これを抽出しボイド分布を求め
(A8)、その計算過程を計算機にフィードバックする
(A1)。以上の諸量の算出過程は逐次計算機に転送さ
れ整理され次回以降の計算に反映されるよう工夫されて
いる。そして、模擬計算は学習機能を持ち予測計算が迅
速化していくとともに精度も向上いていくことが期待さ
れる。模擬計算により予測した値と実測値の差異を修正
し続けていくことにより模擬計算のみで原子炉挙動を把
握していくことが可能となっていく。
【0029】以下に請求項4記載の発明の実施の形態を
図4に基づき説明する。請求項1乃至3記載の発明にお
いて、原子炉炉心内部で発生した即発γ線及び中性子等
の放射線により炉内構造物あるいは炉水から発生した即
発γ線を信号処理装置8及びコンピュータ9を用いて分
析することにより弁別できる。γ線検出器の信号出力波
形から即発的な成分を抽出し波高分布をとる。すると、
図4に示すように、特徴的なスペクトルが得られ、この
分布パターン形状から推定して即発γ線強度を求めるこ
とができる。このようにしてγ線のエネルギー及び強度
の変化を測定し、出力分布や水位あるいはボイド分布測
定へフィードバックしていく。
【0030】以下に請求項5記載の発明の実施形態を図
5に基づき説明する。炉心で発生した中性子あるいは放
射線により放射化された炉内構造物あるいは炉水の中に
含まれる元素の内、短寿命放射化物となりγ線を放出す
るものがある。そこで、請求項1乃至4記載の発明にお
いて、短寿命放射化物からのγ線がその核種に特徴的な
複数のエネルギーや発生比率を持つことから、γ線のエ
ネルギー分布を求める時に細かいピークに注目し核種分
析を行うことが可能である。また、この核種分析から推
定された娘核から、反応断面積と放射線強度から親核を
推定し出力分布をもとめ、これが生成娘核と親核、放射
線強度の何れとも矛盾しないことに基づき相互校正する
ことにより出力分布を決め、水位分布及びボイド分布を
間接的に予測することが可能である。
【0031】例えば、炉内で生成する核種として、高速
中性子により生成するものとして、16N(γ線エネルギ
ー6.1MeV、半減期7.1 秒)、18N(γ線エネルギー2.0M
eV、半減期0.6 秒)、15C(γ線エネルギー5.3MeV、半
減期2.5 秒)がある。また、熱中性子により生成するも
のとして19O(γ線エネルギー1.4MeV、半減期27秒)、
13N(γ線エネルギー0.5MeV、半減期10分)、17N(γ
線エネルギー0.9MeV、半減期4.2 秒)等があげられる。
これ以外にも放射化物はあるが、以上の放射化物の生成
比及びエネルギー分布等を測定し、炉内状態を監視する
ことが可能となる。
【0032】以下に請求項6記載の発明の実施の形態を
図6に基づき説明する。請求項1乃至5記載の発明にお
いて、測定されたγ線のエネルギー分布及び強度分布あ
るいは波形及びスペクトル形状を用いて、即発γ線及び
各種放射化物からのγ線による寄与を分離することが可
能である。ここで、核種からのγ線の寄与を、さらに分
析し、核種の放射化断面積を用いて、どのように放射化
されたか逆算することが可能である。この逆算過程にお
いて、中性子放射化断面積、あるいは(n,γ)反応断
面積等を蓄積したデータベースを逐次参照し計算できる
ようにしておく。その結果γ線エネルギー分布から中性
子エネルギー及び強度分布を求めることを可能とする。
【0033】以下に請求項7記載の発明の実施の形態を
図7に基づき説明する。請求項1乃至6記載の発明にお
いて、炉外に設置された中性子検出器10a,10b,
10cを中性子エネルギーに応じて感度の異なる複数種
類のものを装荷することにより、この感度の違いから中
性子のエネルギー分布を抽出することを可能とする。エ
ネルギーの異なる中性子を検出する手法としては、中性
子のエネルギーに応じて核分裂する反応断面積が異なる
複数種類の核変換物質を用い、中性子吸収による核分裂
の結果生成した核分裂片を測定する方式の中性子検出器
を用いればよい。中性子検出器10a,10b,10c
は、それぞれ中性子エネルギーに対する中性子反応断面
積の異なる核分裂性物質を塗った中性子検出器(フィッ
ション・チェンバ)である。この信号出力の差に対し、
核分裂反応を起こす中性子吸収断面積の違いで割ること
により中性子エネルギー分布が求まる。
【0034】以下に請求項8記載の発明の実施の形態を
図8に基づき説明する。請求項1乃至7記載の発明にお
いて、炉水中の中性子輸送過程において、ボイドの有無
により中性子減速挙動が異なる。ボイドが多く発生すれ
ば、ボイドの部分での中性子の減速は進まず、まわりの
炉水中の熱中性子に対して中性子エネルギーが大きく変
化する。そこで中性子エネルギー変化とボイド率の関係
を予め計算及び実験的に求めておくと図8に示すとおり
になる。そして、この関係式を用いて、実際の中性子エ
ネルギー分布の変化からボイド率を推定する。
【0035】以下に請求項9記載の発明の実施の形態を
図9に基づき説明する。請求項1乃至8記載の発明にお
いて、γ線と中性子をそれぞれ独立に用いて炉外計装を
行うのではなく、これらを相互に補正し合い使用する。
【0036】図9において、符号11および12は、そ
れぞれ炉外計装装置に組み込まれた中性子検出器11及
びγ線検出器12を示す。このようにそれぞれの検出器
11,12を同等に配置し、それぞれ信号処理装置8
a,8bで信号を処理し、コンピュータ9において相互
に補正する。γ線は、物質量に応じて吸収され強度が減
衰し、また原子番号の大きい物質中で散乱がおこりやす
くエネルギーが変化する。
【0037】一方、中性子は、軽い元素中でエネルギー
を失いやすく減速しやすい。この相反する性質の放射線
を炉外で計測し、それぞれ中性子あるいはγ線から見た
出力分布を求める。双方から見た分布は炉内構造物の物
質分布、物質密度分布に対して正反対であるため、これ
を炉内の物質分布と照合することにより相互補正するこ
とに使える。また、観測対象となる原子炉内部挙動は共
通であるため中性子とγ線の各々で計測した場合のモデ
ル化の検証としても役立つ。
【0038】以下に請求項10記載の発明の実施の形態
を図10に基づき説明する。請求項1乃至9記載の発明
において、図10において、炉内には、中性子及びγ線
用の炉内放射線検出器15が設置されている。この炉内
放射線検出器15は、現在の炉内核計装に使用されてい
るものであるが、この炉内計装と炉外計装の出力を総合
して時間的・空間的に分布を求め炉内監視を行う。大型
の原子炉においては、炉内で発生した放射線が減衰して
しまい炉外まで届かない場合があり、炉外から炉内状況
を観測することが必ずしも充分とは言えないため、炉内
放射線検出器15の信号と同期することにより出力分布
等を正確に推定することが可能となる。炉内と炉外での
放射線量の比率等をとることにより炉内構造物での減衰
が正確に評価でき、出力分布だけでなく水位、ボイドを
推定する場合の精度を向上することにつながる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明の原子炉炉外
計装装置においては、請求項1および請求項11記載の
発明では、原子炉圧力容器の周囲に張り巡らされた放射
線検出器により放射線強度分布を測定する炉外計装によ
り炉内の出力分布、炉水の水位、ボイド分布などの炉内
状況を監視すること可能とする効果を奏する。
【0040】請求項2記載の発明では、炉外計装装置の
計測領域を分割し、局所的に分布を求めることにより迅
速で効率的な測定を可能とする効果を奏する。請求項3
記載の発明では、計算機模擬計算により測定の効率化と
計算による出力分布、水位、ボイド分布の予測を可能と
する効果を奏する。
【0041】請求項4記載の発明では、即発γ線の計測
から炉内状況の監視を可能とする効果を奏する。請求項
5記載の発明では、放射化生成物からのγ線の計測によ
り、炉内状況の監視を可能とする効果を奏する。
【0042】請求項6記載の発明では、γ線の計測から
炉内の中性子エネルギー分布及び強度を算出することを
可能とする効果を奏する。請求項7記載の発明では、原
子炉炉外計装装置において中性子のエネルギー分布を直
接測定することを可能とする効果を奏する。
【0043】請求項8記載の発明では、炉外計装装置に
おいて測定された中性子エネルギー分布から炉内ボイド
分布の測定を可能とする効果を奏する。請求項9記載の
発明では、炉外計装装置における中性子とγ線を相互に
比較し補正することにより、炉外計装装置の信頼性向上
を図ることを可能とする効果を奏する。
【0044】請求項10記載の発明では、炉内計装と炉
外計装を連携させ同期することにより大型原子炉への炉
外計装の適用可能性を拡大するとともに炉外計装による
計測精度向上を図ることを可能とする効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原子炉炉外計装装置の第1の実施
の形態を示す構成図。
【図2】本発明に係る原子炉炉外計装装置の第2の実施
の形態を示す構成図。
【図3】本発明に係る原子炉炉外計装装置の第3の実施
の形態を説明するためのブロック図。
【図4】本発明に係る原子炉炉外計装装置の第4の実施
の形態におけるγ線エネルギー分布の特性図。
【図5】本発明に係る原子炉炉外計装装置の第5の実施
の形態におけるγ線エネルギー分布の特性図。
【図6】本発明に係る原子炉炉外計装装置の第6の実施
の形態を説明するためのブロック図。
【図7】本発明に係る原子炉炉外計装装置の第7の実施
の形態を示す構成図。
【図8】本発明に係る原子炉炉外計装装置の第8の実施
の形態における中性子エネルギー変化とボイド率の相関
図。
【図9】本発明に係る原子炉炉外計装装置の第9の実施
の形態を示す構成図。
【図10】本発明に係る原子炉炉外計装装置の第10の
実施の形態を示す構成図。
【符号の説明】
1…原子炉圧力容器 2…炉心 3…炉水 4…ボイド 5…炉外計装装置 6…放射線検出器 7…前置増幅器 8,8a,8b…信号
処理装置 9…コンピュータ 10a,10b,10
c…中性子検出器 11…中性子検出器 12…γ線検出器 13…測定領域 14…測定領域 15…炉内放射線検出器

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉圧力容器の外周に所定の間隔を有
    しながら鉛直方向に長尺に設けられ複数位置の放射線の
    強度と放射線の検出時刻を信号として検知する放射線検
    出器と、この放射線検出器からの信号を増幅する増幅器
    と、この増幅器に接続され放射線の発生位置を特定する
    信号処理装置と、この信号処理装置に接続され出力ある
    いはボイドの分布または水位を解析する解析装置とを有
    することを特徴とする原子炉炉外計装装置。
  2. 【請求項2】 前記信号処理装置は、前記放射線検出器
    からの信号を、複数位置のうち選択的に処理可能に設け
    られたことを特徴とする請求項1記載の原子炉炉外計装
    装置。
  3. 【請求項3】 前記解析装置は、予め定められた模擬計
    算条件において出力あるいはボイドの分布または水位の
    変化に対する放射線検出器の信号出力予測計算を行い、
    この模擬計算条件での計算結果とその条件における計測
    結果を比較することにより出力あるいはボイド分布また
    は水位を推定することを特徴とする請求項1または2記
    載の原子炉炉外計装装置。
  4. 【請求項4】 前記放射線検出器は、原子炉炉内構造物
    を構成する元素あるいは炉水に含まれる元素からの即発
    γ線を計測することを特徴とする請求項1乃至3記載の
    原子炉炉外計装装置。
  5. 【請求項5】 前記放射線検出器は、原子炉炉内構造物
    を構成する元素あるいは炉水に含まれる元素の短寿命放
    射化物からのγ線を計測することを特徴とする請求項1
    乃至3記載の原子炉炉外計装装置。
  6. 【請求項6】 前記解析装置は、γ線のエネルギー分布
    パターンから炉内中性子束分布及び中性子エネルギー分
    布を解析することを特徴とする請求項1乃至5記載の原
    子炉炉外計装装置。
  7. 【請求項7】 前記放射線検出器は、中性子エネルギー
    に応じて感度が異なることを特徴とする請求項1乃至3
    記載の原子炉炉外計装装置。
  8. 【請求項8】 前記解析装置は、中性子エネルギー分布
    から炉水中のボイド分布を測定することを特徴とする請
    求項1乃至7記載の原子炉炉外計装装置。
  9. 【請求項9】 前記解析装置は、中性子エネルギー分布
    及びγ線エネルギー分布の変化を用い出力あるいはボイ
    ドの分布または水位を求め、中性子及びγ線のそれぞれ
    により求めた結果を相互に補正することを特徴とする請
    求項1乃至8記載の原子炉炉外計装装置。
  10. 【請求項10】 前記解析装置は、中性子エネルギー分
    布及びγ線エネルギー分布から求めた出力分布と炉内核
    計装により計測された出力分布との相関を用いて出力あ
    るいはボイドの分布または水位を測定することを特徴と
    する請求項1乃至9記載の原子炉炉外計装装置。
  11. 【請求項11】 原子炉から原子炉外に放射される中性
    子又はγ線のエネルギー及び強度について空間分布又は
    時間分布を測定し、炉内構造物の物質密度分布から、炉
    内構造物中での中性子又はγ線の減衰を考慮して、原子
    炉内の出力分布を推定し、中性子又はγ線の空間分布及
    び時間分布の変動から物質透過に伴う中性子又はγ線の
    減衰による変動を水位及び水位変化あるいはボイド分布
    に特徴的な空間的及び時間的変動成分として算出するこ
    とにより、原子炉内の出力分布、水位及び水位変化ある
    いはボイド分布を計測することを特徴とする原子炉炉外
    計装方法。
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