JP2011107105A - 核計装システム - Google Patents

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真 竹村
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晋 内藤
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Takayuki Ishige
崇之 石毛
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Abstract

【課題】炉心内の監視精度を高く維持しつつ、原子炉圧力容器の貫通部を低減し、さらに、炉内中性子検出器の数を低減する。
【解決手段】沸騰水型原子炉用核計装システムは、原子炉圧力容器3内に配置されて炉心1を少なくとも部分的に貫通する中空の中性子輸送管4と、中性子輸送管4の端部に対向して原子炉圧力容器3外に配置された炉外中性子検出器5と、炉心1内の鉛直方向位置が異なる複数箇所の中性子またはガンマ線を検出する放射線検出器を一体として原子炉圧力容器3を貫通して炉心1内に挿入された炉内検出器集合体6と、を備える。炉心1には、複数の燃料集合体と、燃料集合体にはさまれた位置で挿入引抜が可能な制御棒とが配置され、複数の中性子輸送管4それぞれが、中性子輸送管4の周囲の5本以上の制御棒の挿入引抜状況を監視するように配置されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、原子炉の核計装システムに関し、特に、原子炉圧力容器貫通部を従来よりも削減することのできる核計装システムに関する。
軽水炉においては、炉心内の局所的中性子強度を測定するため、炉心内に多数の炉内中性子検出器を設置している。これら多数の炉内中性子検出器の信号ケーブルを取り出すため、原子炉圧力容器には、多くの貫通部が設けられている。もし、これら炉内検出器をゼロ化、もしくは個数を削減できるならば、放射性廃棄物の低減ができる。
また、強い放射線にさらされた結果、炉内中性子検出器は数年程度で寿命を向かえ、交換が必要になるが、ゼロ化、もしくは個数を削減できたならば、交換不要化または交換個数の削減ができ、交換にかかわるコストや作業時間の低減ができる。また炉内検出器に伴う貫通部を削減できることで、検査箇所の低減ができる。
なお、特許文献1に記載されているように、炉心内に挿入した中空の管で輸送された炉心内中性子を、原子炉圧力容器の外に設置した中性子検出器で検出することで、炉心内に検出器を設置しなくとも炉心内の中性子束を監視できる技術が知られている。
特開2008−175732号公報
従来に比べて単純に炉内検出器の数を減らせば、炉心内の監視精度は低下する。したがって、他の監視手法を併用して監視精度の低下を防ぐ必要がある。
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、炉心内の監視精度を高く維持しつつ、原子炉圧力容器の貫通部を低減し、さらに、炉内中性子検出器の数を低減することを目的とする。
この発明は上記目的を達成するものであって、この発明に係る核計装システムの一つの態様は、炉心を収容する原子炉圧力容器内に配置されて前記炉心を鉛直方向に少なくとも部分的に貫通して延びて密封された複数の中空の中性子輸送管と、前記複数の中性子輸送管の前記炉心から離れた端部に対向して前記原子炉圧力容器外に配置された複数の炉外中性子検出器と、前記炉心内の鉛直方向位置が互いに異なる複数箇所の中性子またはガンマ線を検出する複数の放射線検出器を一体として前記原子炉圧力容器を貫通して前記炉心内に鉛直方向に挿入された複数の炉内検出器集合体と、を備えた沸騰水型原子炉用核計装システムであって、前記炉心には、鉛直方向に延びる複数の燃料集合体と、前記複数の燃料集合体に水平方向にはさまれた位置で鉛直方向に挿入引抜が可能な複数の制御棒とが配置され、前記複数の中性子輸送管のうちの少なくとも前記炉心の水平方向中央部に配置された複数の中性子輸送管それぞれが、その中性子輸送管の周囲の5本以上の前記制御棒の挿入引抜状況を監視するように配置されていること、を特徴とする。
また、この発明に係る核計装システムの他の一つの態様は、炉心を収容する原子炉圧力容器内に配置されて前記炉心を鉛直方向に少なくとも部分的に貫通して延びて密封された複数の中空の中性子輸送管と、前記複数の中性子輸送管の前記炉心から離れた端部に対向して前記原子炉圧力容器外に配置された複数の炉外中性子検出器と、前記炉心内の鉛直方向位置が互いに異なる複数箇所の中性子またはガンマ線を検出する複数の放射線検出器を一体として前記原子炉圧力容器を貫通して前記炉心内に鉛直方向に挿入された複数の炉内検出器集合体と、を備えた加圧水型原子炉用核計装システムであって、前記炉心には、鉛直方向に延びる複数の燃料集合体と、前記複数の燃料集合体の少なくとも一部の燃料集合体のそれぞれの内部に鉛直方向に挿入引抜が可能な複数の制御棒クラスタとが配置され、前記複数の中性子輸送管のうちの少なくとも前記炉心の水平方向中央部に配置された複数の中性子輸送管それぞれが、その中性子輸送管の周囲の5体以上の前記燃料集合体を監視するように配置されていること、を特徴とする核計装システム。
本発明によれば、炉心内の監視精度を高く維持しつつ、原子炉圧力容器の貫通部を低減し、さらに、炉内中性子検出器の数を低減することができる。
本発明に係る核計装システムの第1の実施形態を原子炉の立断面図とともに示す構成図。 本発明に係る核計装システムの第1の実施形態における中空管式検出器の原理を説明する立断面図。 従来の沸騰水型原子炉用核計装システムにおける検出器等の配置を示す炉心中央部の平断面図。 本発明に係る核計装システムの第1の実施形態における検出器等の配置を示す炉心中央部の平断面図。 沸騰水型原子炉における制御棒周りの局所的な出力と炉内検出器集合体の出力信号の関係を示すグラフ。 沸騰水型原子炉における制御棒周りの局所的な出力と中空管式検出器の出力信号の関係を示すグラフ。 本発明に係る核計装システムの第2の実施形態を原子炉の立断面図とともに示す構成図。 従来の加圧水型原子炉用核計装システムにおける検出器等の配置を示す炉心中央部の平断面図。 加圧水型原子炉用核計装システムにおける中性子輸送管(中空管)ありと無しの場合の炉心内出力の測定精度の計算結果を示すグラフ。 加圧水型原子炉用核計装システムにおける中性子輸送管ありと無しの場合の炉心内軸方向出力偏差の評価結果を示すグラフ。 本発明に係る核計装システムの第3の実施形態を原子炉の立断面図とともに示す構成図。
以下に、図面を参照しながら、本発明に係る核計装システムの実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
本発明に係る核計装システムの第1の実施形態について、図1ないし図6を用いて説明する。
図1は第1の実施形態の核計装システムを原子炉の立断面図とともに示す構成図である。本実施形態は沸騰水型原子炉用核計装システムである。原子炉圧力容器3内に炉心1が配置され、炉心1が炉水2の水面20の下方になるように構成されている。
炉心1を貫通する複数の中空の中性子輸送管(中空管)4が原子炉圧力容器3内に設置され、原子炉圧力容器3外かつ中性子輸送管4の中心軸上に複数の炉外中性子検出器5が設置されている。図2に示すように、中性子輸送管4に入射した中性子40は、中性子輸送管4内を下方に移動し、中性子輸送管4の下端から原子炉圧力容器3の外に飛び出して炉外中性子検出器5に検出される。なお、対になった中性子輸送管4と炉外中性子検出器5を、中空管式検出器と呼称するものとして以下説明する。
中空管式検出器は、炉内に検出器を設置した場合と同等の測定精度で出力を測定できるものである(たとえば、参考文献「EX−CORE LOCAL POWER MONITORING USING NEUTRON STREAMING PIPES, NPIC&HMIT 2009 (2009)」)。
原子炉圧力容器3内に複数の炉内検出器集合体6が設置されている。炉内検出器集合体6は、たとえば中性子やγ線を検出する検出器を炉心軸方向に複数内蔵したもので、たとえばSRNM(起動領域モニタ)やLPRM(局所出力領域モニタ)を用いる。
炉外中性子検出器5および炉内検出器集合体6の出力信号は第1の信号処理・演算処理装置7に送信される。
本実施形態における中性子検出器の配置について以下に説明する。
従来の沸騰水型原子炉の核計装システムでは、10個または12個のSRNMと、制御棒の約1/4程度のLPRMが炉心に均等に挿入されている。1体の炉内検出器集合体で、周囲4本の制御棒の個々の引抜き位置による局所的な出力の変化を監視している。
これに対し、本実施形態の核計装システムにおいては、従来よりも少ない中性子検出器を配置している。たとえば、10個のSRNMと、制御棒の本数の約1/8程度の中空管式検出器によって核計装システムが構成され、従来と同等以上の監視精度を得ることが可能である。この理由について、以下詳細に説明する。
図3は従来の沸騰水型原子炉用核計装システムにおける検出器等の配置を示す炉心中央部の平断面図であり、図4は本実施形態における検出器等の配置例を示す炉心中央部の平断面図である。また、図5は沸騰水型原子炉における制御棒周りの局所的な出力と炉内検出器集合体の出力信号との関係を示すグラフであり、図6は沸騰水型原子炉における制御棒周りの局所的な出力と中空管式検出器の出力信号との関係を示すグラフである。
図3に示すように、従来の沸騰水型原子炉では、平断面形状がほぼ正方形の燃料集合体21が正方格子状に配列され、各燃料集合体21の周囲はチャンネルボックス(図示せず)に囲まれている。縦横2列の燃料集合体21それぞれの中央に平断面形状が十字形の制御棒22が配置され、各制御棒22は上下に移動して炉心内に挿入・引抜きが可能である。
炉内検出器集合体(LPRM)6は、縦横2列の制御棒22に囲まれる中央位置で、燃料集合体21の外側に配置され、各炉内検出器集合体6がそれを取り囲む4本の制御棒22の挿入・引抜き状況を監視できるように構成されている。また、LPRMとは別に、SRNM24が、炉心全体に対してたとえば10本程度配置されている。
これに対して、本実施形態では、たとえば図4に示すように、図3の炉内検出器集合体6の半数の中性子輸送管4を配置し、各中性子輸送管4がそれを取り囲む8本の制御棒22の挿入・引抜き状況を監視できるように構成されている。
図3に示す多数の制御棒22のうちの1本の制御棒22aの挿入・引抜き操作による出力変化を、炉内検出器集合体(LPRM)6のうちの第1の炉内検出器集合体6aと第2の炉内検出器集合体6bで監視する場合を説明する。第1の炉内検出器集合体6aは制御棒22aに最も近い位置にあり、第2の炉内検出器集合体6bは次に近い位置にある。
図5は、1本の制御棒22aだけを徐々に引き抜いた場合の、制御棒22aから最も近い位置に設置された炉内検出器集合体6aの出力信号と、制御棒22aから次に近い位置に設置された炉内検出器集合体6bの出力信号の解析結果を示すグラフである。
図5を用い、炉内検出器集合体6を用いた場合の出力監視結果について説明する。炉内検出器集合体6は、軸方向に並べられた4個の炉内中性子検出器で構成されるとし、これら4個の出力信号の平均値を炉内検出器集合体の出力信号として示した。この構成は、沸騰水型原子炉では標準的な構成である。
図5に示すように、制御棒22aの周りの局所的な出力の変化に対し、制御棒22aに最も近い炉内検出器集合体6aでは、出力信号はほぼ比例関係にある。一方、制御棒22aに2番目に近い検出器集合体6bでは、非線形である。原子炉の運転においては、炉内検出器集合体6は、制御棒22の周りの局所的な出力の変化を精度良く監視できることが重要であり、そのためには、局所的な出力の変化に対し、出力信号は比例関係にあることが重要である。換言すると、精度よく監視できる状況では、出力信号は線形になる。このように、制御棒22aに2番目に近い検出器集合体6bでは非線形であるため、精度よい監視は望めないことがわかる。
次に、6bの位置で検出器集合体の出力信号が非線形となる理由を説明する。制御棒22aから2番目に近い検出器集合体6bまでの間の燃料集合体群による中性子散乱、中性子吸収、および核分裂の影響を受け、2番目に近い検出器集合体6bの位置での軸方向の出力分布は、制御棒周りの局所的な出力の軸方向分布を歪めた分布となる。2番目に近い検出器集合体6bの信号は、集合体を構成する4個の炉内中性子検出器により、検出器集合体6bでの軸方向の出力分布を離散的に4点で測定した信号である。測定点数が少ないため、ゆがみの影響を受け、その平均値は、非線形になる。炉内検出器集合体6を構成する炉内中性子検出器の数を、平均値がゆがみの影響を受けなくなるまで増やすことで線形の出力信号を得ることが可能であるが、それには従来の数倍の炉内中性子検出器が必要と見られ、設置スペースの問題や、炉内中性子検出器の故障確率が上がることから、現実的ではない。
つぎに、図3の検出器集合体6a、6bの位置に中空管式検出器を配置した場合の出力監視結果を、図6を用いて説明する。図6は、1本の制御棒22aを徐々に引抜いた場合の、制御棒22aから近い位置(図3の符号6aの位置)に設置された中空管式検出器の出力信号と、制御棒22aから遠い位置(図3の符号6bの位置)に設置された中空管式検出器の出力信号の解析結果を示している。この図6の中空管式検出器の場合は、制御棒22aから近い位置だけでなく、遠い位置においても、制御棒22a周りの局所的な出力の変化に対し、出力信号は比例関係にあることがわかる。
これは、中空管式検出器の出力信号は、中性子輸送管の表面全体に入射した中性子総量に比例した信号となることから、出力信号は無限個の炉内中性子検出器で構成された炉内検出器集合体の出力信号相当となり、出力分布のゆがみの影響を受けなくなるからである。この結果、制御棒22aから近い位置(図3の符号6aの位置)に設置された中性子輸送管を削減しても、制御棒22aから遠い位置(図3の符号6bの位置)に設置された中性子輸送管により、制御棒周りの局所的な出力の変化を精度良く監視できる。
すなわち、中空管式検出器は、炉心の水平面上の出力を精度よく監視できる範囲が従来の検出器集合体よりも広い。したがって、従来の検出器集合体を中空管式検出器に置換し、さらにその数を削減しても、従来と同等以上の監視精度を維持することが可能である。
なお、炉内検出器集合体をすべてなくして中空管式検出器とする必要はなく、一部の炉内検出器集合体を残すのが望ましい。
本実施形態では、10個のSRNMと、制御棒の約1/8程度の中空管式検出器によって核計装システムを構成すると説明したが、当然ながらこの数にとらわれるものではない。
従来の配置では1本(1組)の検出器集合体が4本の制御棒の出力を監視するのに対し、上記実施形態の構成例では1個の中空管式検出器が8本相当の制御棒の出力を監視することとなるが、たとえば中空管式検出器の個数(組数)を制御棒本数の約1/6または約1/7として配置する等、従来よりも検出器総数が少なくなる範囲で適宜設定することが可能である。
[第2の実施形態]
本発明に係る核計装システムの第2の実施形態について、図7ないし図10を用いて説明する。ここで、第1の実施形態と共通の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略する。本実施形態は加圧水型原子炉用核計装システムである。
図7は本実施形態の核計装システムを原子炉の立断面図とともに示す構成図である。また図8は、従来の加圧水型原子炉用核計装システムにおける検出器等の配置を示す炉心中央部の平断面図である。
図7に示すように、炉心1と炉水2を内包する原子炉圧力容器3内に、炉心の半分まで挿入された複数の中性子輸送管4が設置され、原子炉圧力容器3外かつ中性子輸送管4の中心軸上に複数の炉外中性子検出器5が設置される。原子炉圧力容器3を貫通して炉心1内に複数の炉内検出器集合体6が挿入され設置されている。炉外中性子検出器5および炉内検出器集合体6の出力は第1の信号処理・演算処理装置7に入力される。第1の信号処理・演算処理装置7は、炉心シミュレータ8および第2の信号処理・演算処理装置9に接続されている。
加圧水型原子炉では、図8に示すように、平断面形状がほぼ正方形の複数の燃料集合体30が格子状に配列され、複数の燃料集合体30のうちの一部の燃料集合体30aに制御棒クラスタ(図示せず)を挿入可能である。制御棒クラスタは複数の丸棒状の制御棒の束であって、制御棒クラスタごとに上下に移動して炉心1内に挿入・引抜きが可能である。また、燃料集合体30の格子配列の一部の位置の燃料集合体30には、内部に計装管31が配置される。沸騰水型原子炉とは異なり、各燃料集合体30の周囲はチャンネルボックスに囲まれていない。
つぎに、この第2の実施形態の作用について説明する。炉心シミュレータ8(図7)により炉心出力分布が算出される。複数の炉内検出器集合体6の信号から、第1の信号処理・演算処理装置7において前記算出された炉心出力分布の補正を行ない第1の補正値を得る。複数の炉外中性子検出器5の信号から、第2の信号処理・演算処理装置9において前記第1の補正値の補正を行ない、第1の補正値をさらに補正した第2の補正値を得る。
本実施形態において、中性子輸送管4は、炉心の上半分まで挿入されていることが重要である。中性子輸送管4の挿入を炉心の上半分までに留めておくことで、炉心の上半分の中性子のみが中性子輸送管4内に侵入し、原子炉圧力容器3外へ導かれる。複数の炉外中性子検出器5では、炉心の上半分の中性子のみが検出され、その中性子量に比例した信号が出力される。左記信号から、炉心の上半分の出力が決定される。中性子輸送管4は複数本設置されることから、各中性子輸送管4に対応した炉外中性子検出器5の信号から、各中性子輸送管4の位置での炉心の上半分の出力が求まる。すなわち、炉心上半分の出力の水平方向分布(図7に示すx方向およびy方向の分布)が得られる。
この中性子輸送管技術を用いた軸方向出力偏差の導出手順を以下に示す。
[1] 炉心3次元シミュレータにより炉内の3次元出力分布を算出する。
[2] 複数の炉内検出器集合体6の信号を用いて、算出した3次元出力分布を補正する。上記補正後の3次元出力分布を第1出力分布とする。
ここまでの[1]と[2]の過程は、軽水炉での現行の手法と同一である。
[3] 複数の炉外中性子検出器5の出力信号から得られる炉心上半分の出力を用いて、第1出力分布を補正する。第1出力分布より得られる炉心上半分の出力の水平方向分布をP(x,y)、複数の炉外中性子検出器5の出力信号から得られる炉心上半分の出力の水平方向分布をP(x,y)とし、以下の式(1)により補正を行ない、補正後の炉心上半分の出力の水平方向分布P(x,y)を算出する。
Figure 2011107105
式(1)において「spline」はスプライン補間を行なうことを示し、スプライン補間により補正位置(x,y)での補正値を算出する。(i,j)は中性子輸送管の設置位置の座標であり、中性子輸送管位置全ての(i,j)の組み合わせを用いて、スプライン補間を行なう。式(1)により、中性子輸送管が挿入されていない(x,y)座標も含めて、P(x,y)の補正を行なうことができる。
[4] P(x,y)を積分して、炉心上半分の出力を算出する。算出結果と第1出力分布より得られる炉心下半分の出力との差を取ることで、炉心軸方向出力偏差を決定する。
図9および図10は、中性子輸送管(中空管)4を用いた場合と用いない場合での、軸方向出力偏差の評価精度を炉心3次元シミュレータと中性子輸送計算コードを用いて算出した例である。図9および図10で、「中空管なし」は、複数の炉内検出器集合体6の信号のみを用いて補正した第1出力分布で算出した軸方向出力偏差の評価精度を示す。中性子輸送管4によって炉心上半分の出力の補正精度(すなわち、上半分の出力の測定精度)が向上し、その結果、軸方向出力偏差の評価精度は向上する。
この中性子輸送管4の炉心1内の本数は、現行方式における、すなわち中性子輸送管4を用いずかつ炉内検出器集合体の数を削減しない場合における炉内検出器集合体の本数よりも少ない挿入本数で、軸方向出力偏差の評価精度を向上させることができる。
以上の説明より明らかなように、本実施形態によれば、炉心シミュレータ8によって算出された炉心出力分布を複数の炉内検出器集合体6の信号を用いて第1の信号処理・演算処理装置7により補正し、さらに炉心の上半分まで挿入された複数の中性子輸送管4の中心軸上に設置された複数の炉外中性子検出器5からの信号を用いて第2の信号処理・演算処理装置9によりさらに補正することにより、炉内中性子検出器数を削減しても、軸方向出力偏差の評価精度を担保できる。
[第3の実施形態]
この実施形態は第2の実施形態の変形であって、第2の実施形態と同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図11に示すように、原子炉圧力容器3内に、炉心1と炉水2が内包されている。図7に示す第2の実施形態と同様に、原子炉圧力容器3を貫通して炉心1内に複数の炉内検出器集合体6が挿入され設置されている。また、炉心の半分まで挿入された複数の第1の中性子輸送管4が設置され、原子炉圧力容器3外かつ第1の中性子輸送管4の中心軸上に複数の第1の炉外中性子検出器5が設置されている。第3の実施形態ではさらに、炉心1を貫通して複数の第2の中性子輸送管11が設置され、原子炉圧力容器3外かつ第2の中性子輸送管11の中心軸上に複数の第2の中性子検出器12が設置されている。ただし、図11では、中性子輸送管4、11および炉外中性子検出器5、12はそれぞれ1個ずつが代表して示されている。
炉内検出器集合体6の出力と、第1および第2の中性子検出器5、12の出力は第1の信号処理・演算処理装置7に入力される。第1の信号処理・演算処理装置7は、炉心シミュレータ8および第2の信号処理・演算処理装置9に接続されている。
つぎに、第3の実施形態の作用について説明する。
複数の炉内検出器集合体6の信号と複数の第1の炉外中性子検出器5の信号と複数の第2の中性子検出器12の信号から、第1の信号処理・演算処理装置7において補正値を得る。
複数の第2中性子検出器12の信号から、炉心の出力(炉心の上半分と下半分の出力の和)の水平方向分布が得られる。複数の炉外中性子検出器5の信号から炉心の上半分の出力の水平方向分布が得られる。複数の中性子検出器12による炉心の出力と複数の炉外中性子検出器5による炉心の上半分の出力との差を取ることで炉心の下半分の出力が得られる。
第2の実施形態に記載の、複数の炉内検出器集合体6の信号を用いて補正された出力分布(第1出力分布)の補正に、炉心上半分の出力の水平方向分布だけではなく、炉心下半分の出力の水平方向分布を用いて、第1出力分布の下半分出力を補正することで、軸方向出力偏差の評価精度はより向上する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、炉心シミュレータ8によって算出された炉心出力分布を複数の炉内検出器集合体6の信号を用いて第1の信号処理・演算処理装置7により補正し、さらに炉心の複数の炉外中性子検出器5、12からの信号を用いて第2演算処理装置9によりさらに補正することにより、軸方向出力偏差の評価精度をより向上できる。
以上、本発明を沸騰水型原子炉、加圧水型原子炉に適用した例を複数の実施形態を用いて説明してきた。第2の実施形態、第3の実施形態では、加圧水型原子炉に適用した例を説明したが、中空管式検出器が炉内検出器集合体6に比べて、炉心水平面上で広範囲の出力を精度よく検出できる点は第1の実施形態と同様である。したがって、第1の実施形態と同様に、炉内検出器集合体6を中空管式検出器に置き換えることで、従来よりも検出器の総数を削減した核計装システムとすることが可能である。すなわち、第1の中性子輸送管4を用いず、第2の中性子輸送管11と炉内検出器集合体6を併用した構成とすることで、炉心内の監視精度を高く維持しつつ、原子炉圧力容器の貫通部を低減し、さらに、炉内中性子検出器の数を低減することができる。
1 … 炉心
2 … 炉水
3 … 原子炉圧力容器
4 … 中性子輸送管(第1の中性子輸送管)
5 … 炉外中性子検出器(第1の炉外中性子検出器)
6,6a,6b … 炉内検出器集合体(中性子またはγ線検出器集合体)
7 … 第1の信号処理・演算処理装置
8 … 炉心シミュレータ
9 … 第2の信号処理・演算処理装置
11 … 第2の中性子輸送管
12 … 第2の中性子検出器
21 … 燃料集合体
22,22a … 制御棒
30,30a … 燃料集合体
31 … 計装管

Claims (5)

  1. 炉心を収容する原子炉圧力容器内に配置されて前記炉心を鉛直方向に少なくとも部分的に貫通して延びて密封された複数の中空の中性子輸送管と、
    前記複数の中性子輸送管の前記炉心から離れた端部に対向して前記原子炉圧力容器外に配置された複数の炉外中性子検出器と、
    前記炉心内の鉛直方向位置が互いに異なる複数箇所の中性子またはガンマ線を検出する複数の放射線検出器を一体として前記原子炉圧力容器を貫通して前記炉心内に鉛直方向に挿入された複数の炉内検出器集合体と、
    を備えた沸騰水型原子炉用核計装システムであって、
    前記炉心には、鉛直方向に延びる複数の燃料集合体と、前記複数の燃料集合体に水平方向にはさまれた位置で鉛直方向に挿入引抜が可能な複数の制御棒とが配置され、
    前記複数の中性子輸送管のうちの少なくとも前記炉心の水平方向中央部に配置された複数の中性子輸送管それぞれが、その中性子輸送管の周囲の5本以上の前記制御棒の挿入引抜状況を監視するように配置されていること、を特徴とする核計装システム。
  2. 炉心を収容する原子炉圧力容器内に配置されて前記炉心を鉛直方向に少なくとも部分的に貫通して延びて密封された複数の中空の中性子輸送管と、
    前記複数の中性子輸送管の前記炉心から離れた端部に対向して前記原子炉圧力容器外に配置された複数の炉外中性子検出器と、
    前記炉心内の鉛直方向位置が互いに異なる複数箇所の中性子またはガンマ線を検出する複数の放射線検出器を一体として前記原子炉圧力容器を貫通して前記炉心内に鉛直方向に挿入された複数の炉内検出器集合体と、
    を備えた加圧水型原子炉用核計装システムであって、
    前記炉心には、鉛直方向に延びる複数の燃料集合体と、前記複数の燃料集合体の少なくとも一部の燃料集合体のそれぞれの内部に鉛直方向に挿入引抜が可能な複数の制御棒クラスタとが配置され、
    前記複数の中性子輸送管のうちの少なくとも前記炉心の水平方向中央部に配置された複数の中性子輸送管それぞれが、その中性子輸送管の周囲の5体以上の前記燃料集合体を監視するように配置されていること、を特徴とする核計装システム。
  3. 前記中性子輸送管は前記炉心の鉛直方向半分深さまで挿入されていることを特徴とする請求項2に記載の核計装システム。
  4. 炉心シミュレータにより炉心出力分布を算出する出力分布算出手段と、
    前記出力分布算出手段によって算出された炉心出力分布を、複数の前記炉内検出器集合体の出力信号に基づいて補正する第1の補正手段と、
    前記第1の補正手段によって補正された炉心出力分布を前記複数の炉外中性子検出器の出力信号に基づいてさらに補正する第2の補正手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の核計装システム。
  5. 前記炉外中性子検出器の出力信号と前記炉内検出器集合体の出力信号とに基づいて、前記炉心の上半分と下半分の出力差を算出する手段をさらに有することを特徴とする請求項4に記載の核計装システム。
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