JP5443901B2 - 核計装システム - Google Patents

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Description

本発明は原子炉で発生する炉内中性子の監視および強度測定等を行う中性子監視方法および核計装システムに関する。
現行の沸騰水型原子炉および加圧水型原子炉においては、炉心内の局所的な中性子強度の測定または連続監視のために、炉心内に多数の炉内中性子検出器を設置している。これら炉内中性子検出器の信号ケーブルの取り出しのため、原子炉圧力容器には、多くの貫通部が設けられている。例えば改良型沸騰水型原子炉(ABWR)においては、炉内中性子検出器数は約210、貫通部数は約60箇所に設けられている。炉心内の中性子強度は非常に大きいため、炉内中性子検出器内の中性子有感物質は有意に減少してゆき、例えば沸騰水型原子炉においては、炉内中性子検出器は数年で寿命を終える。
それゆえ、炉内中性子検出器は、一定期間ごとに交換される。もし、中性子強度の小さい原子炉圧力容器の外に設置した中性子検出器で、炉心内の局所的な中性子強度を測定および連続監視できるならば、中性子検出器は長寿命化し、交換周期の延長による原子炉稼働率の向上、交換費用の低減が図れる。
さらに、原子炉容器外に設置した中性子検出器で局所的な中性子強度を監視できるならば、貫通部をなくすことができる。その結果、検査箇所が削減され、定検短縮につながり、原子炉稼働率が向上する。
このような技術として、炉心内に挿入した中空の管で輸送された炉心内中性子を原子炉圧力容器の外に設置した中性子検出器で検出することで、炉心内の軸方向または径方向の平均的な中性子束を監視するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−175732号公報
しかしながら、核計装に要求される機能は多々ある。特に多数の炉内検出器の信号が必要な機能としては、例えば沸騰水型原子炉においては、制御棒引き抜き監視、平均出力監視、局部の出力振動監視、さらに沸騰水型原子炉と加圧水型原子炉においては、出力分布監視がある。これらは、特許文献1記載の技術のみでは、実現できない。
上述した課題を鑑み、本発明は、原子炉圧力容器の外に設置した中性子検出器を用いて、上述した核計装に要求される機能を実現する核計装システムを提供することを目的とする。
発明による核計装システムは、炉心を原子炉圧力容器の軸方向に貫通するよう設けられた複数の中性子輸送管と、前記原子炉圧力容器外に設けられ、前記中性子輸送管の上方または下方に配置された複数の第一中性子検出器と、中性子遮蔽体、この中性子遮蔽体内部に前記炉心の軸方向に複数設置された第二中性子検出器、前記中性子遮蔽体の前記原子炉圧力容器と対向する面で開口し、前記第二中性子検出器と連絡する複数のスリット状コリメータ、を有し、前記原子炉圧力容器外側で前記炉心の高さ位置に配置されたコリメート検出器と、前記第一中性子検出器および前記コリメート検出器に接続され、前記第一中性子検出器と前記第二中性子検出器の出力信号に基づいて炉心の出力を算出する演算装置と、を備え、前記スリット状コリメータは前記原子炉圧力容器の軸方向幅よりも径方向幅が大きいことを特徴とする。なお、以下本文中において、第一中性子検出器を中性子検出器と、第二中性子検出器を高速中性子検出器として記載する。
本発明によれば、原子炉容器内の炉心部に配置した中性子輸送管を介して原子炉容器の周辺部および同容器の底部外面側の高速中性子検出により、原子炉圧力容器内に検出器を設置することなく、核計装で要求される機能を実現することができる。
また、中性子輸送管の中心軸上の中性子検出器の信号と原子炉圧力容器外側面に設置され、スリット形状の中性子コリメータが設けられた中性子遮蔽体内の高速中性子検出器の信号を信号処理・演算処理装置で演算処理することにより、原子炉圧力容器内に検出器を設置することなく、原子炉圧力容器外からの中性子測定により、核計装で要求される各機能を実現することができる。
さらに、中性子輸送管の中心軸上の中性子検出器の信号と放射線検出器集合体により得られる同集合体の設置位置での信号を、信号処理および演算処理装置で信号処理および演算処理することにより、原子炉圧力容器内の炉内中性子検出器と貫通部を大幅に削減しつつ、核計装で要求される各機能、すなわち制御棒引抜き監視、平均出力監視、出力振動監視および出力分布監視を実現することができる。
本発明の実施例1による核計装システムの概要を示す縦断面図。 中性子検出器の斜視図。 コリメート検出器の縦断面図。 コリメート検出器の部分斜視図。 炉心の部分拡大横断面図。 炉心の部分拡大横断面図。 炉心出力分布を求める手順を示すブロック図。 高速中性子検出器での応答関数のモンテカルロシミュレーションによる算出例を示すグラフ。 本発明の実施例2による核計装システムの概要を示す縦断面図。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施例1について、図面を用いて以下説明する。
図1は本発明の実施例1による核計装システムの概要を示した縦断面図であり、同システムを沸騰水型原子炉に適用する場合を例示している。
図1において、炉心2と炉水3を内包する原子炉圧力容器1内に、炉心2を貫通して原子炉圧力容器1の底部付近に伸びた中性子輸送管4が複数設置されている。また、原子炉圧力容器1外かつ各中性子輸送管4の中心軸上に複数の中性子検出器5が設置されている。原子炉圧力容器1外側面には、原子炉圧力容器1側面に漏れ出た高速中性子を検出するコリメート検出器10が設置されている。コリメート検出器10は、スリット形状の複数の中性子コリメータが設けられた中性子遮蔽体8と、この中性子遮蔽体8内に設けられた複数の高速中性子検出器9から構成される。中性子検出器5とコリメート検出器10は信号処理および演算処理装置7に接続される。
本実施例による核計装システムの各構成要素の機能について、以下説明する。
中性子輸送管4は、炉心2内に分散して立設状態で挿入されており、それぞれ中性子を炉心2から原子炉圧力容器1の下方に輸送する機能を有する。この中性子輸送管4の内部は、炉心内中性子をできる限り散乱させず、炉心内中性子の輸送を妨げないように、真空またはガスとすることが望ましい。
中性子輸送管4のそれぞれの下方に設置された中性子検出器5は、中性子輸送管4内によって原子炉圧力容器1の下方へ移動した中性子を検出する。中性子検出器5は、ケーブル6を介して信号処理・演算処理装置7に接続されている。
中性子検出器5の構成と作用について、図2を用いて説明する。図2は中性子検出器5の概要を示す斜視図である。中性子検出器5は、例えば縦長円柱状に形成されたポリエチレン樹脂で構成され、その中央には、上方は開口し下方は閉塞された所定長さの中空孔12が設けられている。中空孔12は、中性子輸送管4の中心軸上に位置していることが好ましい。また、中空孔12を取り囲むように、縦長の中性子検出部13が複数(図2に示した例おいては4本)設けられている。これらの中性子検出部13がそれぞれ独立して中性子を検出する。中性子検出部13が中性子を検出すると、中性子検出器5から信号処理・演算処理装置7に出力信号が送信される。
信号処理・演算処理装置7は、中性子検出器5の出力信号に基づき、炉心2の径方向出力分布を導出する。各中性子検出器5は、それぞれ対応する位置の中性子輸送管4からの中性子を検出する。中性子輸送管4は炉心2を貫通するよう設けられているため、炉心2の上部で発生した中性子も、下部で発生した中性子も中性子輸送管4を経由して中性子検出器5に検出される。したがって、中性子検出器5の出力信号から、中性子検出器5の設置位置における炉心出力の軸方向平均値が得られる。さらに、複数の中性子検出器5から得られた軸方向平均値のデータを用いることで、炉心2の径方向出力分布が求められる。
なお、軸方向出力平均値は、中性子検出器5の信号と中性子輸送管位置での炉心2の軸方向平均値との間の相関関係より、予め導出した換算係数を乗じる等により算出される。この相関関係は良い比例関係であることが評価されており(参考:炉外核計装システムの開発,日本原子力学会 年会・大会予稿集,Vol. 2008s (2008)pp.264-)、単一の換算係数で炉心出力の軸方向平均値を算出できる。
コリメート検出器10の構成と作用について、図3、図4を用いて説明する。図3はコリメート検出器10の概要を示す縦断面図であり、中性子の挙動を模式的に図示している。図4はコリメート検出器10の概要を示す部分斜視図である。
図3、図4に示すように、コリメート検出器10は中性子遮蔽体8に複数のスリット状コリメータ14が設けられ、このスリット状コリメータ14それぞれに高速中性子検出器9を接続した構成とされている。炉心2で発生して原子炉圧力容器1側面から漏れ出た高速中性子fは、スリット状コリメータ14を通過して高速中性子検出器9によって検出される。スリット状コリメータ14は、図4に示すように、炉心2の軸方向に狭く、径方向に広がった形状である。このような形状によれば、軸方向の幅を狭くすることで軸方向の高い位置分解能を確保するとともに、径方向の幅を大きくすることで高速中性子検出器9に到達する高速中性子数を確保し、軸方向と径方向の幅が同程度の形状のコリメータよりも良好な検出応答時間、S/N比、位置分解能が得られる。
コリメート検出器10による中性子の検出について、詳細に説明する。炉心2で発生し、原子炉圧力容器1外側面から漏れ出た高速中性子fは、中性子遮蔽体8に設けられたスリット状コリメータ14でコリメートされ、高速中性子検出器9で検出される。ここで、図3に示すように、炉心2で発生して原子炉圧力容器1外側面から漏れ出た中性子のうち低速中性子γは、発生から原子炉圧力容器1から漏れ出るまでの過程で、炉水2および原子炉圧力容器1において多重散乱を起こした中性子であり、高速中性子検出器9に到達する時点では、炉心1での中性子発生位置の情報は失われている。一方、高速中性子fは多重散乱を起こしていない、またはほぼ起こしていないため、炉心2における発生位置の情報が得られる中性子である。つまり、複数の高速中性子検出器9で検出される高速中性子fは、炉心2において、高速中性子検出器9の設置高さに対応した位置で発生したものである。高速中性子検出器9が中性子を検出すると、信号処理・演算処理装置7に出力信号が送信される。
信号処理・演算処理装置7は、コリメート検出器10からの出力信号に基づき、予め導出した応答関数等を用いて、炉心2の軸方向出力分布を導出する。コリメート検出器10で検出される高速中性子は、上述したように、高速中性子検出器9の設置高さに対応した位置で発生したものである。したがって、コリメート検出器10の出力信号から炉心2の軸方向出力分布が得られる。
ここで、炉心2内で発生した中性子は、炉心2自体で遮蔽されるため、コリメート検出器10が検出する高速中性子は、主に炉心2側面の表面近くで発生した中性子である。典型的な沸騰水型原子炉においては、炉心の最外周および一つ内側の燃料集合体で発生した中性子が原子炉圧力容器外側面に漏れ出る。したがって、コリメート検出器10で得られる軸方向出力分布は、炉心2側面近傍についての軸方向出力分布である。
以下、スリット形状コリメータ14について詳細に説明する。出力の炉心軸方向分布測定においては、多点の測定が必要である。例えば沸騰水型原子炉においては、現行では、炉心内に挿入した移動式中性子検出器を用いて、炉心軸方向について24点程度の検出器位置で出力測定を行なっている。したがって、同定度の検出精度を担保するため、コリメータ検出器10においても高速中性子検出器9を軸方向に24点程度配置して測定する必要がある。炉心の軸方向全長は約4mであり、24点設置の場合、高速中性子検出器9の間隔は15cm程度となる。一方で、一般的な遮蔽材であるポリエチレンを用いた場合、高速中性子が十分に減速するためには、30cm厚程度が必要である。したがって15cmでは、各高速中性子検出器9に入射する高速中性子を十分にコリメーションするには小さく各高速中性子検出器9に到達するバックグランド中性子数は多い。また例えば沸騰水型原子炉においては、原子炉圧力容器1側面から原子炉圧力容器1を内包する生体遮蔽体までの距離は1m程度であり、特別な工事をすることなく容器側面に中性子遮蔽体6を設置するためには、1m内に収まる寸法でなければならない。このため、中性子遮蔽体6を十分に大きくはできず、各高速中性子検出器9に到達するバックグランド中性子数は多くなる。このような、高速中性子検出器9の間隔の制約と遮蔽体6の寸法の制約の下で、良好なS/N比で高速中性子を測定するためには、スリット状コリメータ14を設けることが効果的である。
次に、上述した核計装システムの各機能について、従来の核計装システムにおける機能と比較しながら以下説明する。
まず、制御棒の引き抜き監視機能について、図5を用いて以下説明する。図5は、本実施例による炉心2の概要を示す部分拡大横断面図である。15が制御棒、16が燃料集合体を示しており、燃料集合体16間に中性子輸送管4が配設されている。
まず、従来の沸騰水型原子炉における制御棒の引き抜き監視について説明する。従来のシステムでは、中性子輸送管4の位置に、炉内検出器集合体が入った計装管17が設置されている。炉心軸方向に挿入された炉内検出器集合体のうち、監視対象とする制御棒近傍に位置する炉内検出器集合体から得られる複数の信号を平均演算することで炉心出力の軸方向平均値相当値を求め、この軸方向平均値相当値を監視することで制御棒の引き抜き監視を行なっている。
また、計装管17内の軸方向に並んだ複数の検出器を検出器17a、17b、17c、17dとした場合に、4個の検出器17a、17b、17c、17dについて、17aと17cの平均値を軸方向平均相当値とし、また別途に検出器17bと17dの平均値を軸方向平均相当値とすることで、2個の独立した軸方向平均相当値を冗長化する。検出器の故障等によって一方の値が利用できなくなっても、他方の値で監視できるようにし、安全を担保するためである。
本実施例では、複数の中性子輸送管4のうち、監視対象とする制御棒近傍に位置する中性子輸送管4の中心軸上に設置された中性子検出器5の信号より得られる炉心出力の軸方向平均値の監視によって制御棒の引き抜き監視ができる。
本実施例における冗長化に関して、単なる中空管である中性子輸送管4の故障は考えにくく、冗長化すべきは中性子検出器5と考えられる。本実施例においては、上述したように、中性子検出器5の内部に複数の中性子検出部13が設けられ、中性子検出部13ごとに独立した回路構成にし、中性子検出部13ごとに軸方向平均相当値を導出することで複数個の独立した軸方向平均相当値が得られ、従来と同様に冗長化することが可能である。
次に、平均出力監視機能について説明する。従来の沸騰水型原子炉においては、全炉心において炉内検出器の信号を規定の手法に従って複数個選択し、選択された信号を平均演算することで得られる炉心出力の平均値相当値を監視することで行なっている。また、上述した制御棒引き抜き監視と同様、異なる信号の組合せで複数の平均相当値を得ることで冗長化されている。
本実施例では、複数の中性子検出器5の信号を複数選択し、選択された信号を平均演算することで得られる炉心出力平均値を監視することで平均出力監視が可能である。また、制御棒の引き抜き監視と同様、各中性子検出器5に設けられた複数の中性子検出部13ごとに独立した出力信号値を得られるようにすることで冗長化が達成できる。
次に、出力振動監視について、図6を用いて説明する。図6は、本実施例による炉心2の概要を示す部分拡大横断面図である。複数の中性子輸送管4によって囲まれた位置に配置された燃料集合体を16a、16b、16c、16dとして図示している。
従来の沸騰水型原子炉の核計装システムでは、制御棒の引き抜き監視の説明と同様に、各中性子輸送管4の位置に、炉内検出器集合体が入った計装管17が設置されている。監視対象となる4体の燃料集合体16a、16b、16c、16dの近傍での平均出力相当値を燃料集合体16a、16b、16c、16dを取り囲む計装管17の炉内検出器の信号の平均演算によって導出し、この平均出力相当値を監視することで、出力振動監視を行なっている。また、制御棒引き抜き監視と同様に、異なる信号の組合せで複数の平均出力相当値を得ることで冗長化されている。
本実施例においては、複数の中空管4のうち、対象とする4体の燃料集合体を取り囲む4本の中性子輸送管4それぞれの中心軸上に設置された4個の中性子検出器5の信号の平均演算によって燃料集合体16a、16b、16c、16dの出力平均値を求め、この出力平均値を監視することで出力振動監視が可能である。
また、制御棒引き抜き監視、平均出力監視と同様に、中性子検出器5内部に複数の中性子検出部13を設けることにより冗長化することが可能である。
次に、出力分布監視について説明する。従来のシステムによる出力分布監視は、炉心シミュレータを用いて出力分布を算出し、この算出値を用いて監視する。炉心シミュレータは、運転条件等のデータから出力分布を算出し、さらに炉心内に挿入した移動式中性子検出器で測定した出力の炉心軸方向および径方向の分布測定値による学習を行うことで、監視精度が担保される。ここで学習とは、補正演算や校正に相当する。
本実施例における出力分布監視について、図7を用いて説明する。図7は、本実施例による核計装システムを用いて炉心出力分布を求める手順を示すブロック図である。
炉心シミュレータが運転条件等のデータから出力分布を算出し(S1)、算出した値について、複数の高速検出器9より得られる炉心軸方向出力分布の測定値(S2、S3)を用いて学習を行ない(S4)、補正された炉心出力分布を算出する(S5)。この測定値が軸方向位置分解能の要求値を満たしていれば、出力分布監視の要求精度は達成できる。この軸方向位置分解能の要求値は、移動式中性子検出器で学習した場合との比較評価の結果、高速中性子検出器9を軸方向に24個設置した場合において、各高速中性子検出器9について半値幅5cmが典型的な値である。左記半値幅5cmは、コリメート検出器10を用いることで、達成できる。図8にモンテカルロシミュレーションにより求めた、コリメート検出器10の応答関数の例を示す。応答関数は、炉心2内で軸方向に対して無限小の幅で発生した高速中性子が、コリメート検出器10では、どれだけの幅の広がりを持って検出されるかを示すものである。図8に示すように、半値幅は3.5cmであり、軸方向位置分解能の要求値である半値幅5cmを満たしている。
また、さらに中性子検出器5の各信号より得られる炉心出力の軸方向平均値の炉心径方向分布でも学習を行なうことが可能である(S6、S7)。上述したようにコリメート検出器10で検出される出力分布は炉心2表面近くで発生した高速中性子に基づくものであるが、中性子検出器5の各信号についても学習することにより、炉心内部についても炉心シミュレータを計測値で学習でき、出力分布の算出値の妥当性が担保できる。
なお、上述した炉心シミュレータは、その機能を信号処理・演算処理装置7がさらに有するものとしても、別途に専用のハードウェアもしくはソフトウェアが組み込まれた汎用のパーソナルコンピュータ等を用意して信号処理・演算処理装置7と接続するものとしてもよい。
以上説明したように、本実施例によれば、原子炉圧力容器1の外部に設置された中性子検出器5とコリメート検出器10内部の高速中性子検出器9の出力信号用いることにより炉心2の径方向出力分布と軸方向出力分布が得られ、これらの値を用いることにより核計装で要求される各機能を実現することが可能である。
なお、本実施例においては、中性子検出器5が中性子輸送管4の中心軸上に設置されるものとして説明したが、必ずしも中性子輸送管4の中心軸上に配置されていなくとも、概ね中性子輸送管4の下方に位置していればよい。
本発明の実施例2について、図面を用いて以下説明する。図9は本実施例による核計装システムの概要を示す縦断面図である。なお、実施例1と同一の構成部分については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施例においては、原子炉圧力容器1内に複数の放射線検出器集合体21が設置されている。放射線検出器集合体21には、中性子を主として検出する検出器集合体、あるいはγ線を主として検出する検出器集合体を用いる。放射線検出器集合体21は信号処理・演算処理装置7に接続される。
次に核計装の各機能について説明する。本実施例においては、信号処理・演算処理装置7で以下の信号処理および演算処理が行なわれる。
核計装の各機能のうち、制御棒引き抜き監視、平均出力監視、および出力振動監視の方法は、実施例1に記載したように中性子検出器5の信号のみで実現できることから、実施例1と同じである。
出力分布監視は、実施例1と同様、炉心シミュレータを用いて出力分布を算出し、この算出値を用いて監視される。炉心シミュレータは、複数の放射線検出器集合体21により得られる、放射線検出器集合体21の設置位置での炉心軸方向の出力分布測定値による学習を行い、監視精度が担保される。例えばABWR相当で、現行の起動領域中性子モニタ(SRNM)用検出器が内包されている計装管(約10体)内に軸方向に9個程度、放射線検出器21を併設することで、従来と同等レベルでの学習が可能であることが評価されている。このような構成では、SRNM用検出器が炉内に残されているため、起動領域の監視ができるという利点がある。
ABWRに上記の核計装システムを適用した場合のシステム構成例について詳述する。従来の約52体の局部出力監視用の炉内中性子検出器および移動式中性子検出器用の計装管を中性子輸送管4に置き換え、原子炉圧力容器1下部に、中性子輸送管4の位置に対応する中性子検出器5を配置し、約10体のSRNM用計装管内にSRNM用検出器を残したまま、放射線検出器21を軸方向に9個併設した構成となる。このような核計装システムの構成によれば、従来に比較して(例えばABWRにおいては、炉内中性子検出器数は約210、貫通部数は約60)、炉内中性子検出器と貫通部を大幅に削減することが可能である(炉内の放射線検出器数は約100に削減、貫通部数は約10に削減)。
ここで、複数の放射線検出器集合体21として、ガンマサーモメータ集合体を用いた場合、ガンマサーモメータは自己校正ができるため、複数の放射線検出器集合体21の校正のための移動式中性子検出器を炉内に挿入することが不要になる。
さらに、ガンマサーモメータの信号を用いて、運転中に適時、炉心シミュレータを学習させ、学習された炉心シミュレータで出力分布を算出する。そして、運転中に適時、出力分布の算出値から求まる中性子輸送管4位置での炉心出力の軸方向平均値と、中性子検出器5の信号との間の相関関係から、検出器信号を軸方向平均値へ換算する換算係数を求めることによって、運転中に中性子検出器5の校正ができる。
以上説明したように、局部出力監視用の炉内中性子検出器および移動式中性子検出器用の計装管を、中性子輸送管4と原子炉圧力容器1外に設置される中性子検出器5に置換し、またSRNM用計装管内に放射線検出器21を併設した構成の核計装システムとすることで、原子炉圧力容器1内の炉内中性子検出器と貫通部を大幅に削減しつつ、核計装で要求される各機能を実現することができる。また、運転中に中性子検出器5の校正を行なうことが可能である。
以上、本発明について複数の実施の形態を用いて説明してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものでなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの変形を採ることができる。例えば、上述した実施形態では沸騰水型原子炉に適用するものとして説明してきたが、中性子輸送管を炉心から上方へ伸び、中性子検出器が中性子輸送管の上方に設置された構成として加圧水型原子炉に適用することが可能である。
1 原子炉圧力容器
2 炉心
3 炉水
4 中性子輸送管
5 中性子検出器(第一中性子検出器)
6 ケーブル
7 信号処理・演算処理装置
8 中性子遮蔽体
9 高速中性子検出器(第二中性子検出器)
10 コリメート検出器
12 中空孔
13 中性子検出部
14 スリット状コリメータ
15 制御棒
16、16a、16b、16c、16d 燃料集合体
17 計装管
21 放射線検出器集合体

Claims (9)

  1. 炉心を原子炉圧力容器の軸方向に貫通するよう設けられた複数の中性子輸送管と、
    前記原子炉圧力容器外に設けられ、前記中性子輸送管の上方または下方に配置された複数の第一中性子検出器と、
    中性子遮蔽体、この中性子遮蔽体内部に前記炉心の軸方向に複数設置された第二中性子検出器、前記中性子遮蔽体の前記原子炉圧力容器と対向する面で開口し、前記第二中性子検出器と連絡する複数のスリット状コリメータ、を有し、前記原子炉圧力容器外側で前記炉心の高さ位置に配置されたコリメート検出器と、
    前記第一中性子検出器および前記コリメート検出器に接続され、前記第一中性子検出器と前記第二中性子検出器の出力信号に基づいて炉心の出力を算出する演算装置と、を備え、
    前記スリット状コリメータは前記原子炉圧力容器の軸方向幅よりも径方向幅が大きいことを特徴とする核計装システム。
  2. 炉心シミュレータにより炉心出力分布を算出する炉心出力分布算出手段と、前記第二中性子検出器の出力信号を用いて炉心出力の軸方向分布を算出する軸方向分布算出手段と、前記軸方向分布を用いて前記炉心出力分布の補正をする第1炉心出力分布補正手段とを備えることを特徴とする請求項記載の核計装システム。
  3. 前記第一中性子検出器の出力信号を用いて各中性子輸送管位置での炉心出力の軸方向平均値の径方向分布を算出する径方向分布算出手段と、前記径方向分布を用いて前記炉心出力分布を補正する第2炉心出力分布補正手段と、を備えることを特徴とする請求項記載の核計装システム。
  4. 記炉心を原子炉圧力容器の軸方向に貫通するよう設けられた計装管の内部に設置された複数のガンマサーモメータを有し、
    前記演算装置は、前記第一中性子検出器および前記ガンマサーモメータに接続され、前記第一中性子検出器と前記ガンマサーモメータの出力信号に基づいて炉心の出力を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の核計装システム。
  5. 前記ガンマサーモメータは自己校正機能を有し、炉心シミュレータにより炉心出力分布を算出する手段と、前記第一中性子検出器の出力信号を用いて各中性子輸送管位置での炉心出力の軸方向平均値の径方向分布を導出する手段と、複数の前記ガンマサーモメータ集合体の出力信号値から炉心出力の軸方向分布を導出する手段と、前記軸方向分布を用いて炉心シミュレータの補正をする手段と、原子炉の運転中に前記補正炉心シミュレータを用いて複数の前記中性子輸送管式検出器の校正を運転中にする手段とを備えることを特徴とする請求項記載の核計装システム。
  6. 前記第一中性子検出器は内部に複数の中性子検出部を有し、前記演算装置は、前記中性子検出部それぞれの出力信号を個別に受信可能に構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項の何れか1項記載の核計装システム。
  7. 複数の前記中性子輸送管のうち、監視対象とする制御棒に最も近接した前記中性子輸送管の上方または下方に配置された前記第一中性子検出器を選択し、選択された前記第一中性子検出器の複数の前記中性子検出部それぞれの出力信号に基づいて、炉心出力の軸方向平均相当値を複数算出する制御棒監視手段を備えることを特徴とする請求項記載の核計装システム。
  8. 複数の前記第一中性子検出器のうち、第1の組合せとして任意の前記第一中性子検出器を複数選択し、この選択された前記第一中性子検出器の出力信号に基づいて炉心の平均出力相当値を算出し、また第2の組合せとして任意の前記第一中性子検出器を複数選択し、この選択された前記第一中性子検出器の出力信号に基づいて炉心の平均出力相当値を算出して複数の平均出力相当値を算出する平均出力算出手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項の何れか1項記載の核計装システム。
  9. 複数の前記中性子輸送管のうち、監視対象とする燃料集合体を取り囲むように配置された複数の前記中性子輸送管それぞれの上方または下方に設置された前記第一中性子検出器を選択し、この選択された前記第一中性子検出器の出力信号に基づいて前記燃料集合体の位置での炉心出力の軸方向平均相当値を算出する軸方向出力算出手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項の何れか1項記載の核計装システム。
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