JP2004211810A - 筒形防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内筒と外筒とゴム弾性体とを備えたゴムブッシュを筒形の相手部材に圧入して成る筒形防振装置において、ゴムブッシュの外筒を樹脂製とした場合においても良好に抜け防止できるようにする。その際圧入したゴムブッシュを相手部材に対し軸方向の何れの方向にも抜け防止し、ゴムブッシュとして鍔無しのものも用い得るようにする。また相手部材の加工を容易なものとして加工コストを安価とする。
【解決手段】樹脂製の外筒18と、内筒16と、ゴム弾性体20とを有するゴムブッシュ10を外筒18の外面において筒形の剛性の相手部材12に圧入して成る筒形防振装置において、相手部材12の内面且つ軸方向の両端部に凹陥部28を形成して同内面を段付形状となし、そこに外筒18を縮径させながら圧入して外筒18を相手部材12の内面形状に倣った段付形状となす。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ゴムブッシュを筒形の相手部材に圧入し、嵌合状態に保持するようになした筒形防振装置に関し、特にゴムブッシュの外筒が樹脂にて構成されたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、剛性の外筒及び内筒と、それら外筒及び内筒間に配置されたゴム弾性体とを有するゴムブッシュを、外筒の外面において筒形の剛性の相手部材に圧入して、ゴムブッシュを相手部材にて嵌合状態に保持するようになした筒形防振装置が、自動車のトレーリングアームブッシュ,トルクロッドブッシュ等のサスペンションブッシュやエンジンマウント等として広く用いられている。
【0003】
この種の筒形防振装置は従来、ゴムブッシュの外筒,内筒,相手部材が何れも金属製であり、ゴムブッシュの外筒を所定の締め代で相手部材に圧入すると、外筒の外面と相手部材の内面との間に発生する強い摩擦力に基づいてゴムブッシュが相手部材から抜け防止される。
【0004】
ところで、近年ゴムブッシュの外筒を樹脂化することが検討されており、この場合、樹脂から成る外筒の弾性復元力が応力緩和により低下し、更に熱影響を受けることにより大きく応力緩和を生じ、初期には所定の締め代をもって圧入したとしても、その後の経時変化により外筒の相手部材に対する弾性復元力が低下し、抜き力が低下してしまう問題が内在する。
【0005】
この問題の対策の一例が下記特許文献1に開示されている。
図5はその具体例を示している。同図において200はゴムブッシュで、金属製の内筒202と、その外周面に一体に固着されたゴム弾性体204と、更にそのゴム弾性体204の外周面に一体に固着された樹脂製の外筒206とを有している。
208は金属製の筒形をなす相手部材で、ゴムブッシュ200は、この相手部材208内部に圧入されて嵌合状態に保持されている。
【0006】
樹脂製の外筒206及びゴム弾性体204は、それぞれ軸方向端部(図中下端部)に鍔部210及び212を有しており、また外筒206は、これとは反対側の軸方向端部且つ相手部材208から軸方向に突き出した部分に、互いに逆方向に傾斜する傾斜面214,216を備えた、部分的に厚肉の係合部218を有している。
ゴムブッシュ200は、相手部材208への圧入後において、この係合部218が相手部材208の軸端に係合することによって相手部材208から抜け防止される。
【0007】
【特許文献1】
実開平5−77637号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら図5に示す筒形防振装置の場合、外筒206の一部、詳しくは係合部218の部分が相手部材208から軸方向に突き出し、外部に露出して外気に曝されていることから劣化を生じ易い問題の外、相手部材208から突き出して露出した部分に飛び石等が当ったりして割れを生じ易い問題がある。
更にこの筒形防振装置の場合、必然的にゴムブッシュ200の軸方向長が相手部材208よりも長くなければならず、形状的な制約を受ける問題がある。
【0009】
更にこの例の筒形防振装置の場合、外筒206が割れを生じない範囲で最大の締め代をもって外筒206を相手部材208に圧入することが望ましいが、この場合相手部材208との嵌合部分において最大の締め代を設定すると、圧入時に部分的な厚肉部分である係合部218の部分が過大に縮径させられることとなって、同部分で割れを生じ易いといった問題がある。
一方で係合部218の部分で割れを生じないように圧入時の締め代を設定すると、圧入後において外筒206の、相手部材208との嵌合部分での締め代が不足してしまうといった問題を生ずる。
【0010】
そこで本発明者等は、相手部材の内面に径方向外方に凹陥した形態の凹陥部を軸方向に部分的に形成して、相手部材の内面の形状を凹陥部と非凹陥部との境界部に段付部を有する段付形状となす一方、外筒の外面を相手部材への圧入前の状態で非凹陥部よりも大径となし、樹脂の弾性変形を利用して外筒を縮径させながら相手部材内部に圧入し、外筒の凹陥部に対向して位置する部分を圧入後の弾性復元力で拡径させて、外筒の外面形状を相手部材の内面形状に倣った段付形状となし、相手部材の段付部と外筒の段付部とを軸方向に且つ抜け方向に互いに係合させて成る筒形防振装置を案出し、先の特許願(特願2002−343097号:未公開)において提案している。
【0011】
この発明によれば、外筒及び相手部材の段付部の係合作用によってゴムブッシュの抜き力を効果的に高め得、ゴムブッシュの抜けを良好に防止することができる。
【0012】
またこの先願の発明によれば、外筒が相手部材から軸方向に突出しない形態で筒形防振装置を構成することが可能であり、そしてこのようになした場合、外筒の相手部材から突き出した部分が外気に曝されて劣化し、また飛び石等が当って割れを生じる等の問題を解決することができる。
またゴムブッシュを相手部材よりも長くすることの制約が除かれて、筒形防振装置の設計の自由度が増す効果も得られる。
【0013】
この先願ではまた、図6に示しているように相手部材12Aにおける凹陥部28Aを軸方向の中間部に設けて、その凹陥部28Aの軸方向両側の非凹陥部30Aと凹陥部28Aとの境界部に、軸方向に互いに逆向きをなす一対の段付部32Aを形成したものも提案している。
【0014】
このようになした場合、相手部材12Aに圧入されたゴムブッシュは相手部材12Aに対し軸方向において互いに逆方向に係合した状態となり、軸方向の何れの方向(図中左方向及び右方向の何れの方向)にも良好に抜け防止される利点が得られる。
また相手部材12Aをこのような形状となした場合、ゴムブッシュとして、軸方向端に鍔部を有しない鍔無しのものを用いた場合においても、即ち鍔部による相手部材への当接によって軸方向且つ一方に抜け防止するといったことができない場合であっても、圧入されたゴムブッシュを支障なく相手部材12Aに対し軸方向の両方向に抜け防止できる利点が得られる。
【0015】
しかしながら相手部材の内面且つ軸方向の中間部にこのような相対的に大径の凹陥部28Aを設ける場合、相手部材12Aに対する加工が難しいものとなり、その加工コスト、ひいては筒形防振装置のコストが高いものとなってしまう。
【0016】
そこでこの先願では、相手部材12Aを軸方向に3つに分割し、そして大径の内径を有する分割筒体12A−2にて凹陥部28Aを形成し、また分割筒体12A−1,12A−3によって相対的に内径の小さな非凹陥部30Aを形成するようにしている。
【0017】
しかしながらこの場合においても、互いに別体をなす3つの分割筒体12A−1,12A−2,12A−3を先ず用意して、それらを更に一体化する工程が必要で、加工性ないし製品の製造のし易さにおいて未だ十分でなく、従ってまたそのコストも十分に低減できない問題が内在している。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の筒形防振装置はこのような課題を解決するために案出されたものである。
而して請求項1のものは、樹脂製の外筒と、内筒と、それら外筒及び内筒間に配置されたゴム弾性体とを有するゴムブッシュを、該外筒の外面において筒形の剛性の相手部材に圧入して、該ゴムブッシュを該相手部材にて嵌合状態に保持するようになした筒形防振装置において、軸方向の端から中間部に向う、径方向外方に凹陥した形態の凹陥部を、前記相手部材の内面且つ軸方向の一端部と他端部とにそれぞれ部分的に形成して、該相手部材の内面の形状を軸方向の両端部の凹陥部と中間部の非凹陥部との境界部に、軸方向において互いに逆向きをなす一対の段付部を有する段付形状となす一方、前記外筒の外面を、該相手部材への圧入前の状態で前記非凹陥部よりも大径となし、樹脂の弾性変形を利用して該外筒を縮径させながら該相手部材内部に圧入し、該外筒の前記凹陥部に対向する軸方向の両端部を圧入後の弾性復元力で拡径させて、該外筒の外面形状を前記相手部材の内面形状に倣った段付形状となし、該相手部材の一対の段付部と該外筒の対応する一対の段付部とを、軸方向且つ互いに逆向きにそれぞれ係合させたことを特徴とする。
【0019】
請求項2のものは、請求項1において、前記外筒の、前記凹陥部に対向して位置する軸方向の両端部の、前記弾性復元力による拡径方向の戻り変形の変形量を軸方向中間部よりも大となし、以って該外筒の外面形状を前記相手部材の内面形状に倣った段付形状となしたことを特徴とする。
【0020】
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記外筒の外面を、前記相手部材への圧入前の状態で実質的に軸方向のストレート形状となしてあることを特徴とする。
【0021】
請求項4のものは、請求項1〜3の何れかにおいて、前記凹陥部の内径を、圧入前の状態において前記外筒の対応する部分の最大外径と同等以下となしてあることを特徴とする。
【0022】
請求項5のものは、請求項1〜4の何れかにおいて、前記ゴムブッシュが軸方向端に鍔部を有しない鍔無しのものであることを特徴とする。
【0023】
【作用及び発明の効果】
上記のように本発明は、相手部材の内面且つ軸方向の一端部と他端部とに部分的な凹陥部を形成することによって、互いに逆向きをなす一対の段付部を形成し、そしてその相手部材の内面にゴムブッシュの樹脂製の外筒を縮径させながら圧入して、その凹陥部に対応する部分を圧入後の弾性復元力で拡径させ、これにより樹脂製の外筒の外面形状を相手部材の内面形状に倣った段付形状となして、相手部材と外筒との対応する各一対の段付部を軸方向において互いに逆向きにそれぞれ係合させたもので、本発明によれば、図6に示す比較例のものと同等の効果を奏することができる。即ち相手部材に圧入したゴムブッシュを軸方向の何れの方向にも良好に抜け防止することができる。
【0024】
従ってゴムブッシュとして軸端に鍔部を有しないものを用いることも可能となる(請求項5)。
而してそのような鍔部を有しないゴムブッシュを用いることができれば、相手部材に対してゴムブッシュを圧入する際の方向性が制約されなくなり、圧入作業性が良好となる。
【0025】
本発明ではまた、相手部材における凹陥部を軸方向の一端部と他端部とに形成していることから、相手部材に対するそれら凹陥部を形成するための加工も容易となり、その加工コストも低減することができる。ひいては筒形防振装置のコストを安価となすことができる。
相手部材の内面且つ軸方向の中間部に凹陥部を加工形成する場合に比べて、かかる凹陥部を軸方向端部に加工形成することは容易であるからである。
【0026】
従ってまた、本発明によれば図6に示したように相手部材を複数の分割筒体に分割した上で、それらを一体化するといったことを要せず、従って図6に示したものの問題点も解決することができる。
【0027】
本発明においては、外筒を相手部材に圧入したときの軸方向の両端部の弾性復元力による拡径方向の戻り変形の変形量を軸方向中間部よりも大となし、以って外筒の外面形状を相手部材の内面形状に倣った段付形状となすことができる(請求項2)。
【0028】
また外筒の外面を、相手部材への圧入前の状態で実質的に軸方向のストレート形状となしておくことができる(請求項3)。
また凹陥部の内径を、圧入前の状態において外筒の対応する軸方向端部の最大外径と同等以下となしておくことができる(請求項4)。
【0029】
【実施例】
次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。
この例は自動車のトーションビーム式リヤサスペンションにおけるトレーリングアームと車体との連結部分に用いられる筒形防振装置の例で、図2はゴムブッシュ10を、図3は図2のゴムブッシュ10を圧入すべき相手部材12を、図1は図3の相手部材12に図2のゴムブッシュ10を圧入して組み付けた状態をそれぞれ示している。
尚、図1において14は相手部材12から延び出したアームである。
【0030】
図2に示しているように、ゴムブッシュ10は円筒形状をなす内筒16と、同じく円筒形状をなす外筒18と、それらの間に配置されて内筒16及び外筒18を弾性的に連結するゴム弾性体20とを有している。
ここで内筒16は金属製とされ、また外筒18は樹脂製とされている。
尚、内筒16については剛性のある樹脂を用いることも可能である。
またゴム弾性体20には、同図(A)に示しているように一対の空所(すぐり)22が軸方向に沿って形成されている。
【0031】
本例においてゴムブッシュ10は、図2に示しているように外筒18及びゴム弾性体20の軸方向端に鍔部が設けられておらず、かかるゴムブッシュ10が鍔無しのゴムブッシュとして構成されている。
【0032】
ここでゴムブッシュ10は、図4に示す外筒18の外径dが直径67mmとされている。
また外筒18の軸方向長lが、相手部材12の軸方向長Lとほぼ同等とされている。
【0033】
尚本例において、外筒18を構成する樹脂としては各種のものを用いることができる。
詳しくは、かかる外筒18の構成樹脂として熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等を用いることができ、その中でも振動入力に対する耐衝撃強度や外筒18としての成形性に優れる熱可塑性樹脂が好適に用いられる。
【0034】
また熱可塑性樹脂材料としてはポリアミド(芳香族ポリアミドや変性ポリアミドを含む),ポリエステル(変性ポリエステルを含む),ポリプロピレン,ポリカーボネート,ポリアセタール,ポリフェニレンサルファイド,変性ポリフェニレンエーテル等があり、その中でも強度や充填材による補強効果,コストのバランスに優れるポリアミドが好適に用いられる。
【0035】
またそのような樹脂材料を補強するために樹脂材料に配合ないしは混合される充填材としてガラス繊維,炭素繊維,アラミド繊維,ボロン繊維,アルミナ繊維,金属繊維,炭化珪素繊維,ガラスビーズ,ウィスカー,ワラスナイト,カオリナイト,タルク,マイカ,カーボンナノチューブ他、珪酸マグネシウム若しくは珪酸アルミニウムの層で構成される層状フィロ珪酸塩、例えばモンモリロナイト,ヘクトライト,バーミキュライト,ハロサイト等があるが、その中でも補強効果の高さやコストの点からガラス繊維が好適に用いられる。
また使用部位によっては充填材のない非強化樹脂材料も用いることができる。
本例の外筒18の樹脂材料は、ポリアミド66(PA66)に充填材としてガラス繊維30%を混合したものを用いている。
【0036】
一方図3に示す相手部材12は、全体としてゴムブッシュ10に対応した円筒形状をなしている。
ここで相手部材12はその全体が金属にて構成されている。
【0037】
図3(B)に示しているように、相手部材12には軸方向の端から中間部に向って、径方向外方に凹陥する形態の凹陥部28が軸方向の一端部と他端部とに環状に形成されており、かかる凹陥部28と軸方向中間の非凹陥部30との境界部に段付部32が形成されている。
【0038】
ここで凹陥部28の内径D(図4参照)は、圧入前のゴムブッシュ10の外筒18の外径dと等しい寸法とされている。
一方非凹陥部30の内径Dは、外筒18の外径dよりも小さい寸法、具体的にはここでは直径65mmの寸法とされている。
尚、一対の凹陥部28の軸方向長Lを合せたL+Lの合計の寸法は、全体の軸方向長Lに対して略1/2の寸法とされている。但しLの寸法は適宜変更可能である。
【0039】
本例の筒形防振装置では、図4に示すようにしてゴムブッシュ10を相手部材12内部に軸方向に圧入して、ゴムブッシュ10を相手部材12にて嵌合状態に保持するようにする。
このとき、樹脂製の外筒18は弾性変形を伴って縮径しつつその外面において相手部材12の内部に圧入される。
そして圧入後、外筒18の相手部材12における凹陥部28に対向して位置する部分、具体的には軸方向の両端部が弾性復元力によって拡径し、凹陥部28内に部分的に入り込んだ状態となる。
【0040】
そして外筒18の外面形状は、その圧入後の弾性復元力により、相手部材12の内面形状に倣った段付形状に変形する。
詳しくは、図1において凹陥部28に対応した軸方向の各端部が大径部34、非凹陥部30に対応した中間部が小径部36をなす段付形状に変形し、そして外筒18における一対の段付部38が、相手部材12の内面に形成された一対の段付部32に対して軸方向且つ互いに逆向きに係合した状態となる。
【0041】
そしてこれら段付部32と38との係合作用によって、ゴムブッシュ10の相手部材12からの高い抜き力が得られ、ゴムブッシュ10が良好に抜け防止される。
この場合、ゴムブッシュ10は互いに逆向きをなす一対の段付部32と38との係合によって、軸方向の一方にも、またこれと逆向きをなす他方にも抜け防止される。
【0042】
以上のような本例の筒形防振装置の場合、相手部材12及び外筒18の各段付部32,38の係合作用によって、ゴムブッシュ10の抜き力を効果的に高め得、ゴムブッシュ10が相手部材12から抜けるのを良好に防止することができる。
【0043】
また本例では、ゴムブッシュ10の外筒18を相手部材12から軸方向に突出させず、相手部材12の内面で外筒18を軸方向に係合させていることから、図5に示す従来の筒形防振装置のように、相手部材208から外筒206が外部に露出することによって劣化し、或いはまたそこに飛び石等が当って外筒206が割れを生じるといった不具合を生じない。
またゴムブッシュ10を相手部材12よりも必ず長くしなければならないといった制約がなく、筒形防振装置の設計の自由度が増す利点も得られる。
【0044】
また本例では、外筒18の外面が軸方向にストレート形状をなしているため、図5に示す筒形防振装置における問題、即ち外筒206に径方向外方に突出する部分的な厚肉部を形成することによって、圧入の際に同部分が過度に縮径方向に締め付けられ、割れを生じてしまうといった問題を解決することができる。
【0045】
その他本例の場合、ゴムブッシュ10における外筒18と相手部材12との軸方向の一端部と他端部とに、互いに逆向きをなす段付部32,38を設けてそれらを係合させるようにしていることから、相手部材12に圧入したゴムブッシュ10を、軸方向の何れの方向にも良好に抜け防止することができる。
【0046】
これにより、ゴムブッシュ10として軸端に鍔部を有しない鍔無しのものを用いることも可能となる。
而してそのような鍔部を有しないゴムブッシュ10を用いることによって、相手部材12に対するゴムブッシュ10の圧入に際してその方向性が制約されなくなり、圧入作業性が良好となる。
【0047】
また本例では相手部材12の凹陥部28を、軸方向の一端部と他端部とに形成していることから、それら凹陥部28の加工形成も容易であり、その加工コストを低減することができる。ひいては筒形防振装置のコストを安価となすことができる。
【0048】
また凹陥部28の加工が容易であることから、図6に示す比較例のものと異なって、相手部材12を軸方向の複数の分割筒体を組み合せることによって構成するといった面倒なことを行わなくても良く、かかる比較例のものに対してもその加工コストないし製造コストを安価となすことができる。
【0049】
以上本発明の実施例を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明は上記自動車のトーションビーム式リヤサスペンションにおける筒形防振装置以外の各種筒形防振装置に適用することが可能であるなど、その趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である筒形防振装置を示す図である。
【図2】同実施例におけるゴムブッシュを圧入前の状態で示す図である。
(A):(B)の左側面図である。
(B):(A)のB−B断面図である。
【図3】同実施例における相手部材を示す図である。
【図4】同実施例におけるゴムブッシュと相手部材との寸法関係を圧入方向とともに示す図である。
【図5】従来の筒形防振装置の一例を示す図である。
【図6】本願の先願で提案された筒形防振装置における相手部材の一形態例を示す比較例図である。
【符号の説明】
10 ゴムブッシュ
12 相手部材
16 内筒
18 外筒
20 ゴム弾性体
28 凹陥部
30 非凹陥部
32,38 段付部
外筒の外径
凹陥部の内径

Claims (5)

  1. 樹脂製の外筒と、内筒と、それら外筒及び内筒間に配置されたゴム弾性体とを有するゴムブッシュを、該外筒の外面において筒形の剛性の相手部材に圧入して、該ゴムブッシュを該相手部材にて嵌合状態に保持するようになした筒形防振装置において、
    軸方向の端から中間部に向う、径方向外方に凹陥した形態の凹陥部を、前記相手部材の内面且つ軸方向の一端部と他端部とにそれぞれ部分的に形成して、該相手部材の内面の形状を軸方向の両端部の凹陥部と中間部の非凹陥部との境界部に、軸方向において互いに逆向きをなす一対の段付部を有する段付形状となす一方、前記外筒の外面を、該相手部材への圧入前の状態で前記非凹陥部よりも大径となし、樹脂の弾性変形を利用して該外筒を縮径させながら該相手部材内部に圧入し、該外筒の前記凹陥部に対向する軸方向の両端部を圧入後の弾性復元力で拡径させて、該外筒の外面形状を前記相手部材の内面形状に倣った段付形状となし、該相手部材の一対の段付部と該外筒の対応する一対の段付部とを、軸方向且つ互いに逆向きにそれぞれ係合させたことを特徴とする筒形防振装置。
  2. 請求項1において、前記外筒の、前記凹陥部に対向して位置する軸方向の両端部の、前記弾性復元力による拡径方向の戻り変形の変形量を軸方向中間部よりも大となし、以って該外筒の外面形状を前記相手部材の内面形状に倣った段付形状となしたことを特徴とする筒形防振装置。
  3. 請求項1,2の何れかにおいて、前記外筒の外面を、前記相手部材への圧入前の状態で実質的に軸方向のストレート形状となしてあることを特徴とする筒形防振装置。
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、前記凹陥部の内径を、圧入前の状態において前記外筒の対応する部分の最大外径と同等以下となしてあることを特徴とする筒形防振装置。
  5. 請求項1〜4の何れかにおいて、前記ゴムブッシュが軸方向端に鍔部を有しない鍔無しのものであることを特徴とする筒形防振装置。
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