JP2008169984A - 防振ブッシュ - Google Patents

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Abstract

【課題】ねじり方向とこじり方向におけるばね定数を小さくするとともに、軸直角方向における荷重入力に対してばね特性を線形に近づける。
【解決手段】内筒12と外筒14の間に中間筒18を設け、内筒12に球帯状の第1膨出部20を形成するとともに、中間筒18に第1膨出部を取り囲む球帯状の第2膨出部22を形成する。第2膨出部22の内周面を第1膨出部の第1球状凸面21に対応する第1球状凹面23に形成し、該第2膨出部を取り囲む外筒14の内周面部分を、第2膨出部の外周面の第2球状凸面24に対応する第2球状凹面25に形成する。内筒12と中間筒18を連結する内側弾性部26と、中間筒18と外筒14を連結する外側弾性部28とからなるゴム状弾性体16において、内側弾性部の軸方向寸法D1を外側弾性部の軸方向寸法D2よりも大きく形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車のサスペンション装置などに組み込まれて使用される防振ブッシュに関するものである。
従来より、自動車のサスペンション装置においては、車体とサスペンションとの連結部位等に、振動減衰、緩衝などを目的として防振ブッシュが使用されている。かかる防振ブッシュは、一般に、内筒等の軸部材と、該軸部材の外側に間隔をおいて配置された外筒と、前記軸部材と外筒との間に介設されて両者を弾性的に結合するゴム状弾性体とを備えてなる。
この種の防振ブッシュを備えるサスペンション装置として、下記特許文献1には、図15及び図16に示すマルチリンク式リヤサスペンション装置が開示されている。このサスペンション装置は、車輪60を回転可能に支持するアクスル62と、一端部64a,66aがアクスル62に揺動可能に連結され、他端部64b,66bが車体側部材であるサスペンションメンバー68に揺動可能に連結された前後一対のアッパーリンク64,66と、一端部70a,72aがアクスル62に揺動可能に連結され、他端部70b,72bがサスペンションメンバー68に揺動可能に連結された前後一対のロアリンク70,72と、一端部74aがアクスル62に揺動可能に連結され、他端部74bがサスペンションメンバー68に揺動可能に連結されたトーコントロールリンク74とを備える。ここで、符号Fは車体前側を示し、符号Hは車体幅方向を示す。
そして、各リンク64,66,70,72,74の他端部64b,66b,70b,72b,74bとサスペンションメンバー68とは、それぞれ防振ブッシュ76,78,80,82,84を介して連結されており、各防振ブッシュの軸心p1,p2,p3,p4,p5が、平面視において、それぞれのリンクの長手方向r1,r2,r3,r4,r5と直交する方向に沿うように配置されている。
上記マルチリンク式サスペンション装置では、図16に示すように、各リンク64,66,70,72,74が平面視で傾斜姿勢に設定されている。詳細には、前側のロアリンク70が、平面視において、車体幅方向Hで内方側ほど車体前側Fに位置する傾斜姿勢に設定され、後側のロアリンク72が、平面視において、車体幅方向Hで外方側ほど車体前側Fに位置する傾斜姿勢に設定され、トーコントロールリンク74が、平面視において、車体幅方向Hで外方側ほど車体前側Fに位置する傾斜姿勢に設定されている。
そのため、車両の走行中において、主としてロアリンク70,72及びトーコントロールリンク74に結合された防振ブッシュ80,82,84には、種々の方向の力が入力する。例えば、車体に対してサスペンション装置が上下方向に変位すると、防振ブッシュ80,82,84には、ねじり方向N(図2参照)の力のみならずこじり方向Z(図1参照)の力も加わる。また、車体に対してサスペンション装置が左右方向に変位すると、防振ブッシュ80,82,84には、軸直角方向Y(図1参照)の力のみならず軸方向X(図1参照)の力も加わる。
従って、この種の防振ブッシュにおいて、乗り心地性と操縦安定性を向上させるためには、軸直角方向と軸方向におけるばね定数は大きくしつつ、ねじり方向やこじり方向におけるばね定数を小さくすることが求められる。
このような要求に対し、軸直角方向におけるばね定数を大きくしつつ、こじり方向におけるばね定数を小さくするため、内筒の軸方向中央部に軸直角方向に膨出する膨出部を設けた、いわゆるバルジタイプの防振ブッシュが開発されている(下記特許文献2参照)。そして、軸直角方向におけるばね定数を更に高めるため、下記特許文献3には、上記バルジタイプの防振ブッシュにおいて、内筒と外筒との間に中間筒を設けた構成が開示されている。
特開2005−112258号公報 特開平09−100859号公報 特開平09−100861号公報
上記特許文献3に開示の防振ブッシュでは、内筒に球帯状の膨出部を設けるとともに、中間筒にも該膨出部に対応する膨出部を設けて、中間筒の内側と外側のゴム状弾性体に、先端が上記膨出部にまで達するすぐり部をそれぞれ設け、これにより、軸直角方向における剛性を高くしつつ、こじり方向の剛性を低くしている。
しかしながら、同文献の開示の防振ブッシュでは、上記内側と外側のゴム状弾性体の軸方向寸法が同じであることから、次のような問題がある。すなわち、この種の防振装置では、ゴム状弾性体の加硫成形後に、成形歪みを解消するために外筒に絞り加工が施されるが、中間筒を備えたものでは、中間筒よりも外側のゴム状弾性体は圧縮されるものの、中間筒がほとんど縮径されないので、中間筒よりも内側のゴム状弾性体は圧縮されない。そのため、外側のゴム状弾性体は、圧縮により軸直角方向におけるばね定数が、内側のゴム状弾性体よりも高くなる。このように外側と内側とでゴム状弾性体のばね定数が異なると、防振ブッシュに対して軸直角方向に荷重が入力したとき、ばね定数の低い内側のゴム状弾性体により、荷重−撓み曲線の初期の立ち上がりが緩やかで、その後該曲線の勾配がきつくなるように、非線形なばね特性となってしまい、優れた防振特性が得られない。
また、同文献に開示の防振ブッシュでは、外筒の内周面に中間筒の膨出部に対応する球状凹面が設けられておらず、また上記すぐり部が膨出部にまで達していることから、外筒の絞り加工時に、ゴムを軸方向で均等に圧縮することができず、耐久性を損なうことが考えられる。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、軸直角方向と軸方向におけるばね定数を確保しつつ、ねじり方向やこじり方向におけるばね定数を小さくすることができ、しかも軸直角方向における荷重入力に対してばね特性を線形に近づけることができる防振ブッシュを提供することを目的とする。
本発明に係る防振ブッシュは、軸部材と、前記軸部材を軸平行に取り囲む外筒と、前記軸部材と前記外筒との間に介設されたゴム状弾性体と、を備える防振ブッシュであって、 前記軸部材と前記外筒の間に前記軸部材を軸平行に取り囲む中間筒が設けられ、
前記軸部材の軸方向の中央部が、軸直角方向外方側に膨出する球帯状の第1膨出部に形成されるとともに、前記第1膨出部を取り囲む前記中間筒の軸方向の中央部が、軸直角方向外方側に膨出する球帯状の第2膨出部に形成されて、前記第2膨出部の内周面が、前記第1膨出部の第1球状凸面に対応する第1球状凹面に形成され、更に、前記第2膨出部を取り囲む前記外筒の内周面部分が、前記第2膨出部の外周面の第2球状凸面に対応する第2球状凹面に形成され、
前記ゴム状弾性体が、前記第1球状凸面を含む前記軸部材の外周面と前記第1球状凹面を含む前記中間筒の内周面とにそれぞれ接着されて前記軸部材と前記中間筒を連結する内側弾性部と、前記第2球状凸面を含む前記中間筒の外周面と前記第2球状凹面を含む前記外筒の内周面とにそれぞれ接着されて前記中間筒と前記外筒を連結する外側弾性部とで構成され、前記内側弾性部が前記外側弾性部よりも軸方向寸法が大きく形成された、
という構成を具備するものである。
上記構成において、前記外筒は、前記ゴム状弾性体の加硫成形後に絞り加工して形成することができ、その際、前記外側弾性部は、軸直角方向における厚みが、前記絞り加工前では前記内側弾性部よりも大きく、かつ前記絞り加工により前記内側弾性部と同じ厚みに形成されてもよい。
また、前記内側弾性部の両端部が、前記第1球状凸面よりも軸方向外方側の軸部材部分と前記第1球状凹面よりも軸方向外方側の中間筒部分とを連結するように軸方向外方側に延設され、前記外側弾性部の両端部が、前記第2球状凸面よりも軸方向外方側の中間筒部分と前記第2球状凹面よりも軸方向外方側の外筒部分とを連結するように軸方向外方側に延設されてもよい。
また、前記外筒は、外周面の径が軸方向で一定のストレート筒状に形成されていることが好ましい。
また、前記軸部材が筒状をなす内筒により構成され、前記内筒の少なくとも一方の軸方向端部が、前記ゴム状弾性体の加硫成形後における冷間塑性加工により拡径されていてもよい。
また、前記外筒の軸方向端部にストッパゴム部が設けられていてもよい。
本発明の防振ブッシュであると、こじり方向における変位時、軸部材の第1球状凸面と中間筒の第1球状凹面との間の内側弾性部、及び、中間筒の第2球状凸面と外筒の第2球状凹面との間の外側弾性部が主として剪断変形を受けるようになるので、こじり方向におけるばね定数を効果的に低減することができる。また、軸方向における変位に対しては、各球状凸面と球状凹面との間でゴム状弾性体は剪断変形だけでなく圧縮変形も受けるようになるので、軸方向におけるばね定数を上げることができる。
また、中間筒を設けたことで、軸直角方向におけるばね定数が大きくなる。従って、軸直角方向におけるばね定数を中間筒を設けない場合と同等に設定する場合、ゴム状弾性体としてより軟らかいものを用いることができ、これにより、ねじり方向のばね定数を下げることができる。
更に、中間筒よりも外側の外側弾性部は、外筒の絞り加工により圧縮されてばね定数が高くなるが、該絞り加工により圧縮されない内側弾性部の軸方向寸法を大きく設定したことで、外側弾性部の絞り加工によるばね定数の上昇分を補うことができ、よって、軸直角方向における荷重入力に対してばね特性を線形に近づけることができる。
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
第1実施形態に係る防振ブッシュ10は、上述した図15及び図16に示すマルチリンク式サスペンション装置に用いられるものであり、より詳細には、前側のロアリンク70の他端部70bとサスペンションメンバー68とを連結する防振ブッシュ80、後側のロアリンク72の他端部72bとサスペンションメンバー68とを連結する防振ブッシュ82、及び、トーコントロールリンク74の他端部74bとサスペンションメンバー68とを連結する防振ブッシュ84として用いられる。サスペンション装置の全体構成としては、上記の通りであり、説明は省略する。
防振ブッシュ10は、図1,2に示すように、軸部材としての内筒12と、これを軸平行かつ同軸状に取り囲む外筒14と、内筒12と外筒14との間に介設された筒状のゴム状弾性体16と、内筒12と外筒14の中間位置において内筒12を軸平行かつ同軸状に取り囲む中間筒18を備えてなる。そして、図10に示すように、内筒12は、その両端面がサスペンションメンバーのブラケット1に挟まれた状態で、ボルトなどの不図示の締結部材で締め付けることによりブラケット1に固定され、また、外筒14は、ロアリンク70等の筒状のホルダ3内に圧入することにより固定され、これにより、防振ブッシュ10はロアリンク70等とサスペンションメンバー側のブラケット1とを防振的に連結する。
内筒12は、金属製の円筒状部材であり、図4,5に示すように、軸方向Xの中央部に軸直角方向外方Y1側に向けて全周にわたって膨出する球帯状の第1膨出部20を備える。第1膨出部20の外周面は球状凸面21(第1球状凸面という。)をなしている。詳細には、第1球状凸面21は、内筒12の軸心A上に中心Pを持つ球面の軸方向中央部を構成する球帯状をなし、内筒12の軸方向両端部における一般筒部(外径が一定のストレート筒状部)の外周面12Aからなだらかに連続して形成されている。
中間筒18は、内筒12及び外筒14よりも薄肉の金属製の円筒状部材であり、図1,8,9に示すように、第1膨出部20を取り囲む軸方向Xの中央部が、軸直角方向外方Y1側に向けて全周にわたって膨出する球帯状の第2膨出部22に屈曲形成されている。第2膨出部22の内周面は、第1膨出部20の第1球状凸面21と同心状(即ち、共通の中心Pを持つ。)の球状凹面23(第1球状凹面という。)をなしている。また、第2膨出部22の外周面は、第1膨出部20の第1球状凸面21と同心状の球状凸面24(第2球状凸面という。)をなしている。第1球状凹面23は、中間筒18の軸方向両端部における一般筒部(内外径が一定のストレート筒部)の内周面18Aからなだらかに連続して形成されている。また、第2球状凸面24は、中間筒18の上記一般筒部の外周面18Bからなだらかに連続して形成されている。
外筒14は、金属製の円筒状部材であり、図6,7に示すように、外形が断面円形状をなし、外周面14Aの径が軸方向Xで一定のストレート筒状に形成されている。図1に示すように、上記第2膨出部22を取り囲む外筒14の内周面部分は、第2膨出部22の外周面側の第2球状凸面24と同心状の球状凹面25(第2球状凹面という。)に形成されている。詳細には、後述する絞り加工後の形状において、上記第2球状凸面24に一定の間隔をおいて沿うように、外筒14の中央部における内周面14Bが、軸直角方向外方Y1側に凹んだ球状凹面25に凹設されている。第2球状凹面25は、球面の中央部を構成する球帯状をなし、外筒12の軸方向両端部における一般筒部(内径が一定のストレート筒状部)の内周面14Bからなだらかに連続して形成されている。
そして、かかる第2球状凹面25が設けられたことで、外筒14は、軸方向中央部が両端部よりも薄肉に形成されている。なお、図7に示すように、絞り加工前の状態では、第2球状凹面25は厳密な球帯ではなく、中心Pが外筒14の軸心A上から軸直角方向Yにずれた位置にあり、縮径方向に絞り加工することで、図1に示すように中心Pが軸心A上に位置する球帯状に形成される。
図1に示すように、ゴム状弾性体16は、内筒12と中間筒18を連結する内側弾性部26と、中間筒18と外筒14を連結する外側弾性部28とで構成されており、両者は、同一のゴム材料からなり、中間筒18の第2膨出部22において周方向に複数設けられた連通孔30を介して互いに連結されている。
内側弾性部26は、第1球状凸面21を含む内筒12の外周面12Aと第1球状凹面23を含む中間筒18の内周面18Aとにそれぞれ加硫接着されている。また、外側弾性部28は、第2球状凸面24を含む中間筒18の外周面18Bと第2球状凹面25を含む外筒14の内周面14Bとにそれぞれ加硫接着されている。
内側弾性部26は、第1球状凸面21と第1球状凹面23との間に充填されているだけでなく、その両端部26A,26Aが、第1球状凸面21よりも軸方向外方X1側の内筒部分12Bと第1球状凹面23よりも軸方向外方X1側の中間筒部分18Cとを連結するように軸方向外方X1側に延設されている。外側弾性部28についても同様に、第2球状凸面24と第2球状凹面25との間に充填されているだけでなく、その両端部28A,28Aが、第2球状凸面24よりも軸方向外方X1側の中間筒部分18Cと第2球状凹面25よりも軸方向外方X1側の外筒部分14Cとを連結するように軸方向外方X1側に延設されている。
そして、両弾性部26,28の軸方向端面には、軸方向内方X2側に向かって断面円弧状に陥没する環状のすぐり部32,34が設けられている。内側弾性部26のすぐり部32の方が、外側弾性部28のすぐり部34よりも軸方向Xの深さが浅く形成されており、これにより、内側弾性部26の軸方向寸法D1が、外側弾性部28の軸方向寸法D2よりも大に形成されている(即ち、D1>D2)。
また、両弾性部26,28の軸直角方向Yにおける厚みに関しては、図3に示す外筒14の絞り加工前では、内側弾性部26の厚みE1よりも外側弾性部28の厚みE2の方が大に設定されている(即ち、E1<E2)。そして、図1に示す絞り加工後では、絞り加工により外側弾性部28が軸直角方向Yに圧縮されることで、内側弾性部26の厚みE1と外側弾性部28の厚みE2が実質上同じ厚みになるように設定されている(即ち、E1=E2)。
この防振ブッシュ10を製造するに際しては、まず、図4,5に示すように第1膨出部20を備えた内筒12と、図6,7に示すように内周面14Bに第2球状凹面25を持つ外筒14と、図8,9に示すように第2膨出部22を備えた中間筒18を、それぞれ作製する。
次いで、上記の内筒12と外筒14と中間筒18を不図示の成形型に配置し、該成形型内にゴム材料を注入することで、内筒12と外筒14との間に内側弾性部26と外側弾性部28とからなるゴム状弾性体16を加硫成形する。これにより、図3に示す絞り加工前の加硫成形体が得られる。
その後、上記加硫成形体の外筒14に絞り加工を施して、外筒14を縮径することにより、図1に示す防振ブッシュ10が得られる。該絞り加工により、外側弾性部28は軸直角方向Yに圧縮されてばね定数が高くなる。一方、内側弾性部26については、外側弾性部28の存在により中間筒18が縮径されないことから、軸直角方向Yに圧縮されない。しかしながら、内側弾性部26は外側弾性部28よりも軸方向寸法が大に設定されているため(D1>D2)、上記絞り加工によるばね定数の上昇分を補うことができ、軸直角方向Yにおけるばね定数を内側弾性部26と外側弾性部28とで同等に設定することができる。よって、防振ブッシュ10に対する軸直角方向Yでの荷重入力に対してばね特性を線形に近づけることができ、所望の防振特性を発揮することができる。また、内外のばね定数を同等にすることで、軸直角方向Yにおける荷重入力に対する防振ブッシュ10の耐久性を向上することができる。
本実施形態の防振ブッシュ10であると、また、こじり方向Zにおける変位時、内筒12の第1球状凸面21と中間筒18の第1球状凹面23との間の内側弾性部26、及び、中間筒18の第2球状凸面24と外筒14の第2球状凹面25との間の外側弾性部28が、主として剪断変形を受けるようになる。そのため、こじり方向Zにおけるばね定数を効果的に低減することができる。
また、軸方向Xにおける変位に対しては、球状凸面21,24と球状凹面23,25との間でゴム状弾性体16は剪断変形だけでなく圧縮変形も受けるようになる。そのため、軸方向Xにおけるばね定数を上げることができる。
また、中間筒18を設けたことで、軸直角方向Yにおけるばね定数が大きくなる。そのため、軸直角方向Yにおけるばね定数を中間筒を設けない場合と同等に設定する場合、ゴム状弾性体16としてより軟らかいものを用いることができ、これにより、ねじり方向Nのばね定数を下げることができる。
以上より、この防振ブッシュ10であると、軸方向Xと軸直角方向Yにおけるばね定数を確保しながら、こじり方向Zとねじり方向Nにおけるばね定数を効果的に小さくすることができる。よって、サスペンション装置の左右方向におけるばね定数を大きく確保しながら、上下方向におけるばね定数を効果的に小さくすることができるので、操縦安定性を確保しながら、乗り心地性を大幅に向上させることができる。
また、この防振ブッシュ10であると、内側弾性部26の軸方向寸法D1を、外側弾性部28の軸方向寸法D2よりも大に形成したので、周長の短い内側弾性部26において内筒12との接着面積をその分大きく確保することができ、耐久性を向上することができる。
また、こじり方向Zの変位時におけるばね定数は軸方向寸法の短い外側弾性部28の寄与が大きいが、同心状に設けられた各球状凸面21,24及び球状凹面23,25との間では、外側弾性部28が連結する外周側の第2球状凸面24及び第2球状凹面25の方が、内周側の第1球状凸面21及び第1球状凹面23よりも、図1に示す軸方向断面での円弧長が長い。そのため、こじり方向Zの変位時に、外側弾性部28にてより主体的に剪断変形させるようにして、こじり方向Zのばね定数を低減することができる。
また、この防振ブッシュ10では、絞り加工後に内側弾性部26の厚みE1と外側弾性部28の厚みE2を同等にするようにしたので、軸直角方向Yにおけるばね定数を内側弾性部26と外側弾性部28とでより同等に近づけることができ、線形なばね特性に近づけることができる。
また、中間筒18の第2膨出部22を取り囲む外筒14内周面の凹設部が球面状の第2球状凹面25であり、かつ、外側弾性部28の両端部28A,28Aが第2球状凹面25よりも外側まで延設されているので、外筒14の絞り加工時に外側弾性部28を軸方向Xで均等に圧縮することができ、耐久性を向上することができる。
また、外筒14は内周面14Bに第2球状凹面25を持つものでありながら、外周面14Aの径を軸方向で一定のストレート筒状としたので、筒状ホルダ3との間で圧入のための十分な軸方向寸法を確保することができ、筒状ホルダ3からの抜け力を向上することができる。
図11〜13は、第2実施形態に係る防振ブッシュ10Aを示したものである。この実施形態では、内筒12の軸方向Xにおける両端部12C,12Cが、ゴム状弾性体16の加硫成形後における冷間塑性加工により拡径されることで、拡径部36,36として構成されたことを特徴とする。
すなわち、第2実施形態では、図11に示すようにゴム状弾性体16を加硫成形して絞り加工前の加硫成形体を得た後、外筒14を絞り加工して図12に示した防振ブッシュ10Aを得る。次いで、この防振ブッシュ10Aの内筒12の両端部12C,12Cの各端面に対して不図示の圧接治具を軸方向Xに圧接して、図13に示すように、内筒12の端部12Cの肉厚がその軸方向内側部分の肉厚よりも大となる拡径部36を形成する。このような冷間塑性加工による拡径は、例えば特開2003−106359号公報に開示されており、同公報に開示の方法を用いることができる。
かかる拡径部36を設けたことで、第2実施形態によれば、ゴム状弾性体16、特に内側弾性部26の端部26Aでの自由長を確保して耐久性を向上させながら、しかも内筒12の端面の面積を大きくして、ブラケット1との締結による内筒12の端面の面圧を小さくすることができる。その他の構成及び作用効果は上記第1実施形態と同様であり、説明は省略する。
図14は、第3実施形態に係る防振ブッシュ10Bを示したものである。この実施形態では、外筒14の一方の軸方向端部14Dに軸直角方向外方Y1側に延びるフランジ部38が設けられ、該フランジ部38の軸方向外側面38Aに、不図示のブラケットとの間でストッパ作用を発揮するストッパゴム部40が設けられたことを特徴とする。また、外筒14の他方の軸方向端部14Eには、フランジ部を設けることなく、端面に直接ストッパゴム部42が設けられている。
フランジ部38は、外筒14の軸方向端部14Dにおいて全周にわたって環状に設けられており、ストッパゴム部40もフランジ部38に沿って全周にわたって環状に設けられている。他端側のストッパゴム部42も外筒14の軸方向端部14Eに全周にわたって環状に設けられている。両ストッパゴム部40,42は、上記ゴム状弾性体16から連なるゴムにより一体に設けられている。
このように外筒14の両端部14D,14Eにストッパゴム部40,42を設けたことにより、内筒12を保持するブラケットとの間でストッパ作用を発揮して、外筒14の軸方向Xにおける過大変位を制限することができる。その他の構成及び作用効果は上記第1実施形態と同様であり、説明は省略する。
本発明は、自動車のサスペンション装置に組み込まれて使用される防振ブッシュや、エンジンマウントとしての筒形の防振ブッシュなど、各種防振ブッシュに利用できる。
第1実施形態に係る防振ブッシュの断面図(図2のI−I線断面図)。 同防振ブッシュの側面図。 同防振ブッシュの絞り加工前の断面図。 同防振ブッシュの内筒の側面図。 図4のV−V線断面図。 同防振ブッシュの外筒の側面図。 図6のVII−VII線断面図。 同防振ブッシュの中間筒の側面図。 図8のIX−IX線断面図。 同防振ブッシュの組み付け状態を示す断面図。 第2実施形態に係る防振ブッシュの絞り加工前の断面図。 同防振ブッシュの絞り加工後の断面図。 同防振ブッシュの拡径後の断面図。 第3実施形態に係る防振ブッシュの断面図。 サスペンション装置の斜視図である。 サスペンション装置の平面図である。
符号の説明
10,10A,10B…防振ブッシュ、
12…内筒(軸部材)、12A…外周面、12B…軸方向外方側の内筒部分、12C…軸方向端部、
14…外筒、14A…外周面、14B…内周面、14C…軸方向外方側の外筒部分、14D,14E…軸方向端部、
16…ゴム状弾性体、
18…中間筒、18A…内周面、18B…外周面、18C…軸方向外方側の中間筒部分、
20…第1膨出部、
21…第1球状凸面、
22…第2膨出部、
23…第1球状凹面、
24…第2球状凸面、
25…第2球状凹面、
26…内側弾性部、26A…端部、
28…外側弾性部、28A…端部、
36…拡径部、
40,42…ストッパゴム部、
D1…内側弾性部の軸方向寸法、D2…外側弾性部の軸方向寸法、
E1…内側弾性部の軸直角方向での厚み、E2…外側弾性部の軸直角方向での厚み、
X…軸方向、X1…軸方向外方、
Y…軸直角方向、Y1…軸直角方向外方

Claims (6)

  1. 軸部材と、前記軸部材を軸平行に取り囲む外筒と、前記軸部材と前記外筒との間に介設されたゴム状弾性体と、を備える防振ブッシュであって、
    前記軸部材と前記外筒の間に前記軸部材を軸平行に取り囲む中間筒が設けられ、
    前記軸部材の軸方向の中央部が、軸直角方向外方側に膨出する球帯状の第1膨出部に形成されるとともに、前記第1膨出部を取り囲む前記中間筒の軸方向の中央部が、軸直角方向外方側に膨出する球帯状の第2膨出部に形成されて、前記第2膨出部の内周面が、前記第1膨出部の第1球状凸面に対応する第1球状凹面に形成され、更に、前記第2膨出部を取り囲む前記外筒の内周面部分が、前記第2膨出部の外周面の第2球状凸面に対応する第2球状凹面に形成され、
    前記ゴム状弾性体が、前記第1球状凸面を含む前記軸部材の外周面と前記第1球状凹面を含む前記中間筒の内周面とにそれぞれ接着されて前記軸部材と前記中間筒を連結する内側弾性部と、前記第2球状凸面を含む前記中間筒の外周面と前記第2球状凹面を含む前記外筒の内周面とにそれぞれ接着されて前記中間筒と前記外筒を連結する外側弾性部とで構成され、前記内側弾性部が前記外側弾性部よりも軸方向寸法が大きく形成された、
    ことを特徴とする防振ブッシュ。
  2. 前記外筒は、前記ゴム状弾性体の加硫成形後に絞り加工されてなるものであり、
    前記外側弾性部は、軸直角方向における厚みが、前記絞り加工前では前記内側弾性部よりも大きく、かつ前記絞り加工により前記内側弾性部と同じ厚みに形成された、
    ことを特徴とする請求項1記載の防振ブッシュ。
  3. 前記内側弾性部の両端部が、前記第1球状凸面よりも軸方向外方側の軸部材部分と前記第1球状凹面よりも軸方向外方側の中間筒部分とを連結するように軸方向外方側に延設され、
    前記外側弾性部の両端部が、前記第2球状凸面よりも軸方向外方側の中間筒部分と前記第2球状凹面よりも軸方向外方側の外筒部分とを連結するように軸方向外方側に延設された、
    ことを特徴とする請求項1記載の防振ブッシュ。
  4. 前記外筒は、外周面の径が軸方向で一定のストレート筒状に形成された、
    ことを特徴とする請求項1記載の防振ブッシュ。
  5. 前記軸部材が筒状をなす内筒により構成され、前記内筒の少なくとも一方の軸方向端部が、前記ゴム状弾性体の加硫成形後における冷間塑性加工により拡径された、
    ことを特徴とする請求項1記載の防振ブッシュ。
  6. 前記外筒の軸方向端部にストッパゴム部が設けられた、
    ことを特徴とする請求項1記載の防振ブッシュ。
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