JP2004210542A - 階段及び斜面昇降装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】急なカーブでの安定して走行させることが可能で、またガイドレールを手摺りとして兼用することが可能な階段及び斜面昇降装置を提供すること。
【解決手段】階段または斜面に沿って設けられたガイドレール3,4に掛けられた走行台車2が、そのガイドレール3,4に当てたローラ23,33によって支えられ、走行台車2に連結されて環状になったワイヤロープ6が、階段または斜面の上と下の各一方にそれぞれ配置された駆動装置7及び折返し装置8と、階段または斜面の途中に設けられた複数の案内シーブ55とを介して張り渡され、駆動装置7がワイヤロープ6を送ることによって走行台車2をガイドレール3,4に従って走行させるようにしたものであり、ローラ23,33が、ガイドレール3,4の傾斜や曲線部に追随するように舵取り機構21,26/31,36を介して走行台車に設けられた階段及び斜面昇降装置1。
【選択図】 図5
【解決手段】階段または斜面に沿って設けられたガイドレール3,4に掛けられた走行台車2が、そのガイドレール3,4に当てたローラ23,33によって支えられ、走行台車2に連結されて環状になったワイヤロープ6が、階段または斜面の上と下の各一方にそれぞれ配置された駆動装置7及び折返し装置8と、階段または斜面の途中に設けられた複数の案内シーブ55とを介して張り渡され、駆動装置7がワイヤロープ6を送ることによって走行台車2をガイドレール3,4に従って走行させるようにしたものであり、ローラ23,33が、ガイドレール3,4の傾斜や曲線部に追随するように舵取り機構21,26/31,36を介して走行台車に設けられた階段及び斜面昇降装置1。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば荷物、台車、車椅子等を人ごと乗せて階段や斜面に沿って上下を行き来できるようにしたものであり、特に急なカーブでの安定した走行が可能な、また上り下りに使用するレールを手摺りとして兼用させるようにした階段及び斜面昇降装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、身体の不自由な人などが健常者と同様に生活を送ることができるようにバリアフリーが各方面で進められているが、例えばその一つとして車椅子を使用した人が車椅子ごと階段を上り下りすることができる階段昇降装置の設置が進められている。こうした階段昇降装置は、例えば鉄道を利用する場合に駅構内からプラットホームへ上り下りする階段など、条件が合わずにエレベータの設置ができないような場所に設けられている。
また、階段のみならず急な坂道などを車椅子で通ることも危険であることから、例えば特開昭55−21366号公報などには、傾斜地用昇降装置が提案されている。
【0003】
従来、こうした階段及び斜面昇降装置の駆動方法の一例として、特開平6−156948号公報に記載されたものがある。これは、階段の手摺りに沿ってチェーンラックが固定され、走行台車に設けられた電動機によって回転駆動する駆動スプロケットを、そのチェーンラックに噛合させたものである。また、別の駆動方法として特開2000−34077号公報に記載されたものがある。これは、ガイドレール内に収容された可撓性のある索条に連結アームを介して走行台車が連結され、ガイドレール端部に設けられた駆動スプロケットの正転・逆転により、そのスプロケットに噛合した索条がガイドレール内を往復し、それに従って走行台車が階段に沿って昇降するようにしたものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−156948号公報(第3−5頁、図1−3)
【特許文献2】
特開2000−34077号公報(第5−7頁、図1,6,9)
【特許文献3】
特開昭55−21366号公報(第2−3頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の階段及び斜面昇降装置においては次のような問題があった。前記特許文献1の階段昇降装置では、駆動スプロケットをチェーンラックに噛合して走行させているが、これでは階段の方向が変わる踊り場など、曲率半径が小さくなるカーブを通過させる場合に噛み合いが悪くなって安定した走行を行わせることが困難であった。
一方、前記特許文献2の階段昇降装置では、ガイドレール内を索条が移動するのでカーブ走行の安定性は良いものの、ガイドレールには索条と走行台車とを連結するアームを通すためのスリットが切られているため、そのガイドレール内にはグリスなどの潤滑油が塗られていると、そのスリットから潤滑油がこぼれ落ちたり、普通に階段を上り下りする歩行者がガイドレールを握ってしまって潤滑油で手を汚してしまうなど手摺りとして使用できなかった。
【0006】
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、急なカーブでの安定した走行が可能な階段及び斜面昇降装置を提供すること、またガイドレールを手摺りとして兼用することが可能な階段及び斜面昇降装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る階段及び斜面昇降装置は、階段または斜面に沿って設けられたガイドレールに掛けられた走行台車が、そのガイドレールに当てたローラによって支えられ、前記走行台車に連結されて環状になったワイヤロープが、階段または斜面の上と下の各一方にそれぞれ配置された駆動装置及び折返し装置と、階段または斜面の途中に設けられた複数の案内シーブとを介して張り渡され、前記駆動装置がワイヤロープを送ることによって前記走行台車をガイドレールに従って走行させるようにしたものであり、前記ローラが、ガイドレールの傾斜や曲線部に追随するように舵取り機構を介して走行台車に設けられたものであることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る階段及び斜面昇降装置は、前記舵取り機構が、走行台車本体側に対してガイドレールに沿って回転自在に取り付けられた傾斜対応枠と、その傾斜対応枠に対してガイドレールの中心線上にあって且つ直交する回転軸により回転自在に取り付けられた1又は2以上の曲部対応枠とを有し、その曲部対応枠に前記ローラが軸支されたものであることが望ましい。
【0009】
また、本発明に係る階段及び斜面昇降装置は、上下に平行して設けられた上部レールと下部レールとを有するガイドレールに対し、前記舵取り機構を上下に備えた走行台車が、その舵取り機構に設けられた各ローラをそれぞれ上部レール又は下部レールに当てたものであり、前記上下の舵取り機構は、各傾斜対応枠が走行台車本体側に対して同一垂直線上に軸支され、その各傾斜対応枠から水平方向に延びた平行のアーム部先端に1本のリンクバーが垂直に軸着されて平行リンクが構成されたものであることが望ましい。
【0010】
更に、本発明に係る階段及び斜面昇降装置は、ガイドレールに掛けられた走行台車が、前記上部レール又は下部レールの一方のレールに走行台車の荷重を支える走行ローラが当てられ、他方のレールに走行台車の水平バランスをとる水平ローラが当てられたものであることが望ましい。
【0011】
よって、本発明の階段及び斜面昇降装置では、駆動装置によってワイヤロープが所定方向に送られると、そのワイヤロープに引っ張られた走行台車は、走行ローラや水平ローラがガイドレールを転がって階段や斜面を昇降する。そのため、ローラが当てられるガイドレールは、スリットが切られたものでなく、潤滑油が塗られたものでもないため、普通に階段や斜面を上り下りする歩行者には手摺りとしての利用が可能である。そして、複数の案内シーブを介して張り渡されたワイヤロープは、階段や斜面の方向が変わる部分でも容易に向きを変えて送ることができ、走行台車のローラにしても舵取り機構によってガイドレールの曲線部に追随して転がり方向を変えることができるため、急なカーブでの安定した走行が可能になる。
【0012】
また、本発明に係る階段及び斜面昇降装置は、前記ガイドレールと平行にスタビライザレールが設けられ、前記走行台車に直交して固定されたロッド先端のスタビライザローラが、このスタビライザレール内を転動するように装填されたものであることが望ましい。
よって、本発明の階段及び斜面昇降装置によれば、走行台車の傾きを抑えて利用者が直接乗る搭乗部分の水平を保つことができる。
【0013】
更に、本発明に係る階段及び斜面昇降装置は、階段または斜面に沿って設けられたガイドレールに掛けられた走行台車が、そのガイドレールに当てたローラによって支えられ、その走行台車に連結され環状になったワイヤロープが、階段または斜面の上と下の各一方にそれぞれ配置された駆動装置及び折返し装置と、階段または斜面の途中に設けられた複数の案内シーブとを介して張り渡され、
駆動装置によってワイヤロープを送ることにより前記走行台車をガイドレールに従って走行させるようにしたものであり、前記折返し装置は、スライダにシーブが軸支され、そのシーブに掛けられたワイヤロープを引っ張る方向にスライダを付勢する付勢部材を有することを特徴とする。
【0014】
よって、本発明の階段及び斜面昇降装置では、駆動装置によってワイヤロープが所定方向に送られると、そのワイヤロープに引っ張られた走行台車は、走行ローラや水平ローラなどがガイドレールを転がって階段や斜面を昇降する。その際、ワイヤロープが緩んでしまったのではワイヤロープに駆動装置の回転出力が伝えられなくなるが、付勢部材の付勢力によってワイヤロープに常にテンションをかけて緩まないようにすることができる。
【0015】
また、本発明に係る階段及び斜面昇降装置は、前記折返し装置が、前記付勢部材の付勢力を前記スライダに対して位置調節が可能な受け部材を介して作用させるものであることが望ましい。
よって、本発明の階段及び斜面昇降装置では、スライダに対する受け部材の位置を調節することにより、ワイヤロープの長さに合わせてスライダに軸支されたシーブの位置を変更しつつ、そのワイヤロープに作用する付勢部材の初期付勢力を調節することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る階段及び斜面昇降装置の一実施形態について図面を参照しながら以下に説明する。図1は、階段及び斜面昇降装置を示した全体構成図であり、図2は、その平面図である。なお、この実施形態では、図示するように階段に設置した場合について説明する。
【0017】
階段及び斜面昇降装置1は、走行台車2が階段100に沿って走行するようにしたものであり、平行に設けられた上部レール3と下部レール4とが自立ポスト5,5…によって支持され、走行台車2がその上部レール3及び下部レール4に従って走行できるように構成されている。この階段及び斜面昇降装置1では、走行台車2に連結されたワイヤロープ6を介して引っ張って走行させるようにしたものであり、そのワイヤロープ6は、階段100上部に設置された駆動装置7と階段100下部に設置されたターンシーブ装置8に張り渡されている。
【0018】
図3は、走行台車2を階段の上側方向から見た(図2のA矢視)図である。なお、走行台車2は、階段100に沿った走行方向を前後方向とする。走行台車2は、台車フレーム11に対して車椅子ごと乗り込み可能な搭乗台12と、その搭乗台12に乗った搭乗者を囲む遮断棒13とが、ともに水平に倒れた使用状態(実線)と垂直に起立した非使用状態(二点鎖線)との2形態をなすよう構成されている。搭乗台12は、車椅子に合わせた大きさであり、前後両側と横側に渡板12aが設けられている。渡板12aは、乗り込みの際に倒れて床との段差や隙間を無くして車椅子のスムーズな乗り降りを可能とし、階段昇降時には立ち上げて車椅子が搭乗台12から落ちないように車止めとなるようにしたものである。また、遮断棒13は、倒されたときに車椅子に乗った人の胸のあたりの高さで水平になり、取っ手になるとともに搭乗者を囲んで落下を防止するようにしたものである。
【0019】
こうした走行台車2の走行を案内する上部レール3と下部レール4とは、図3に示すように壁110に当てて設置された複数の自立ポスト5,5…(図1参照)に、その壁110から同じ距離だけ離した位置で上下に平行して固定されている。上部レール3及び下部レール4は、ともにスリットなどの切られていないパイプであり、特に下部レール4が、通常の階段に取り付けられている手摺りの高さに位置し、本装置を利用しないで階段100を上り下りする人にとって手摺りとして利用可能になっている。
【0020】
続いて図4は、走行台車2の走行部を横側から見た(図2のB矢視)図であり、特に各構成部品の位置関係を示している。また図5は、図3における走行台車2の走行部を示した拡大図である。走行台車2の走行部は、上部レール3と下部レール4とに従って走行する上走行部15と下走行部16からなり、それぞれに舵取り機構が構成されている。上走行部15及び下走行部16は、断面コ字状の傾斜対応枠21,31がともに台車フレーム11に固定された支持板17に対して回転自在に取り付けられている。そして、上下の傾斜対応枠21,31には同じ方向に延びたアーム22,32が固定され、同じ位置で先端同士にリンクバー18が軸着されている。走行台車2は、こうした支持板17、アーム22,23及びリンクバー18によって平行リンクが構成され、傾斜対応枠21,31が常に同じ角度で傾くようになっている。
【0021】
更に、この走行台車2には、搭乗台12に作用する前後方向の重心移動を抑えて水平状態を保つためのスタビライザが設けられている。スタビライザは、図1に示すように上下のレール3,4と平行したスタビライザレール9が自立ポスト5,5…に固定されている。このスタビライザレール9は、図3に示すように両レール3,4より壁110側にあって、下部レール4を手摺りとして使用する際に邪魔にならないように配置されている。そして、スタビライザレール9には図4及び図5に示すように走行方向にスリット9aが切られ、支持板17に直交したロッド41先端のスタビライザローラ42が、このスタビライザレール9内を走行方向に転がるように装填されている。
【0022】
走行台車2は、その荷重が下走行部16を介して下部レール4に支持され、更に上走行部15と下走行部16とで横方向の水平バランスをとるように構成されている。具体的には図5に示すように、走行ローラ33が下部レール4に上から当てられ、水平荷重を上部レール3に当てられた水平ローラ23によって受けるようにしている。また下部レール4には、走行ローラ33が脱輪しないように水平荷重を受ける補助ローラ34が上走行部15の水平ローラ23とは反対側から当てられ、更に走行ローラ33の浮き上がりを防止する補助ローラ35が下部レール4の下に配置されている。
【0023】
上走行部15の水平ローラ23と下走行部16の走行ローラ33及び補助ローラ34,35は、上下とも走行方向に前後して一対ずつ設けられ、これら各ローラ23,33…がレール3,4の傾斜部や曲線部においても追随するように、傾斜対応枠21,31と各ローラ23,33…が直接軸支された曲部対応枠26,36によって舵取り機構が構成されいる。ここで、図6は上走行部15を、また図7は下走行部16を示した平面図であり、両図とも図(a)が直線部分を通過する場合を示し、図(b)が、図1に示す本実施形態の階段及び斜面昇降装置1には構成されていない曲線部を通過する場合を示している。
【0024】
先ず、水平ローラ23は、図5に示す形状の曲部対応枠26に軸支され、その曲部対応枠26が傾斜対応枠21に対し上下の回転ピン27,27によって軸支されている。こうした曲部対応枠26は、図6(a)に示すように傾斜対応枠21に対して前後して2つ設けられ、いずれも回転ピン27,27…が上部レール3の軸線3g上にあって且つ直交している。そのため、図6(b)に示すように、上部レール3がカーブするところでも前後の水平ローラ23,23は常に軸線3gとの距離が一定で、上部レール3に対して直線部分と同じように当てられるようになっている。
【0025】
一方、走行ローラ33及び補助ローラ34,35は、図5に示す形状の曲部対応枠36に軸支され、その曲部対応枠36が傾斜対応枠31に対し上下の回転ピン37,37によって軸支されている。こうした曲部対応枠26も図7(a)に示すように傾斜対応枠31に対して前後して2つ設けられ、いずれも回転ピン37,37…が上部レール4の軸線4g上にあって且つ直交している。そのため、図7(b)に示すように、走行ローラ33,33は常に軸線4g上に位置し、補助ローラ35,35についても常に軸線4gとの距離が一定で、いずれも下部レール4に対して直線部分と同じように当てられるようになっている。
【0026】
支持板17には、図4及び図5に示すように、下走行部16の下にロープ繋ぎ金具45が略U字形のブラケット46によって取り付けられている。ロープ繋ぎ金具45は、階段100の角度に沿ってワイヤロープ6が真っ直ぐに張られるよう回転自在に取り付けられ、これに2本のワイヤロープ6が上下方向から図1に示すように連結されている。そして本実施形態では、ワイヤロープ6が外から見えないように化粧カバー47によって覆われている。化粧カバー47は、図3に示すように、階段100に沿って移動するブラケット46が干渉しないよう上下に2分割されている。
【0027】
ワイヤロープ6は両端が走行台車2に連結されて環状になり、階段100の上に配置された駆動装置7と下に配置されたターンシーブ装置8とに張り渡されている。この階段及び斜面昇降装置1では、環状のワイヤロープ6を上下双方向に送ることにより走行台車2を引っ張ってレール3,4に従って走行させるようにしている。そうした走行台車2を走行させるための駆動源は、ワイヤロープ6を送るための駆動装置7であり、図1に示すように走行台車2が昇降する階段100の最上階に設置されている。図1には、1階と2階との間の昇降しか記載していないが、前述したように走行台車2はカーブの走行も可能であり(図6、図7参照)、方向を変えて設けられた3階以上の階段における降も可能である。そうした場合、最上階にこの駆動装置7が設置され、一番下の階にはワイヤロープ6の折り返しとなるターンシーブ装置8が設置される。
【0028】
駆動装置7は、図8に示すようにギヤドモータ51を有し、その出力軸51aがウォーム減速機52の入力軸52aにカップリング53で連結され、ウォーム減速機52の出力軸に対して走行方向に沿って回転するように巻取りプーリ54が軸支されている。そして、巻取りプーリ54に掛けられたワイヤロープ6は、図1に示すように階段100の途中に設けられた複数の案内シーブ55,55…を介して下方のターンシーブ装置8へと張り渡されている。こうした案内シーブ55,55…やターンシーブ装置8に設けられたシーブ61,62,63は、ワイヤロープ6にテンションをかけるように配置され、特にターンシーブ装置8には図9に示すように配置されたシーブ61,62,63によってテンション調整が行えるようになっている。
【0029】
ターンシーブ装置8は、位置決めされた回転軸61a,63aにシーブ61,63が軸支され、上下方向にワイヤロープ6を巻き回したシーブ62は、その回転軸62aを上下方向にずらすことができるように構成されている。すなわちシーブ62は、スライドレール65に沿って上下方向に移動可能なスライダ66に対して回転軸62aによって軸支されている。そして、そのスライダ66には、ネジの切られたロッド68が上向きに突き出して固定され、そのロッド68に螺合した調節ナットによって位置決めが可能なバネ受69を介してスプリング67による上向きの付勢力を受けている。
【0030】
従って、ターンシーブ装置8は、シーブ62を持ち上げる方向にスプリング67の付勢力が作用し、常にワイヤロープ6にテンションがかかった状態になっている。また、ターンシーブ装置8は、バネ受け69の高さ調節が可能であり、これによりワイヤロープ6の長さに合わせてシーブ68の位置を変更しつつ、そのワイヤロープ6に作用するスプリング67の初期付勢力を調節することができるようになっている。
【0031】
以上のような構成からなる階段及び斜面昇降装置1は、階下に設けられたターンシーブ装置8に操作盤を有し、例えば駅構内の階段では駅員など、操作員によって走行台車2の昇降操作が行われる。また、遮断棒13の他にも重量検知など、安全策を施すことにより走行台車2にも操作手段を備え、ターンシーブ装置8に操作盤との間で無線や有線通信によって搭乗者自らが操作できる。更に、走行台車2に設けられた制御盤にはペンダントスイッチが接続され、搭乗者に付き添って階段を上り下りする人が操作することができる。
【0032】
そこで次に、この階段及び斜面昇降装置1における走行台車2の昇降動作について説明する。階段及び斜面昇降装置1は、走行台車2が各階のフロアや踊り場に配置されたところで車椅子ごと乗り降りする。このとき、渡板12aが倒れて床に着くことで搭乗台12との段差が無くなり、車椅子がスムーズに乗り降りすることができる。図1に示す場合、1Fで乗り降りするときは渡板12aが1F床面と搭乗台12との僅かな段差もなくし、2Fで乗り降りするときは階段を上りきる手前の搭乗台12と2F床面がほぼ同じ高さになるところで走行台車2が停止し、渡板12aによって搭乗台12と2F床面とが架け渡される。
【0033】
階段及び斜面昇降装置1は、走行台車2が階段を上る場合には図1においてワイヤロープ6が右回りに送られ、逆に走行台車2が階段100を下る場合にはワイヤロープが左回りに送られる。こうしたワイヤロープ6の送りは、駆動装置7においてその回転出力を巻取りプーリ54とワイヤロープ6との摩擦によって伝えるようにしている。動力伝達を確実に行うため、ワイヤロープ6は階段の途中に設けられた案内シーブ55,55…に当てられて角度を変え、長い距離を緩むことなく張り渡されている。
【0034】
通常、ワイヤロープ6は、使用している間に伸びてしまい緩みが生じてくる。そして緩みが生じると、ワイヤロープ6が巻取りプーリ54との間で滑ってしまい、確実なワイヤロープ6の送り、すなわち走行台車2の安定した走行が困難になる。しかし本実施形態の場合、ターンシーブ装置8ではワイヤロープ6がスプリング67の付勢力によって常にテンションがかかった状態で引っ張られているため、ワイヤロープ6は緩むことはなく走行台車2は安定して走行する。
【0035】
また、このスプリング67は、バネ受け69の高さ調整により、ワイヤロープ6の長さに合わせてシーブ68の位置を変更しつつ、その初期付勢力を調節することができる。一方、使用している間にワイヤロープ6が伸びてスプリングの付勢力が落ちてきたような場合には、調節ナットを締め直してバネ受け69を下降させる。これにより、スプリング67が押し縮められてワイヤロープ6に十分な付勢力が作用し、改めて初期付勢力が設定できる。
【0036】
次に、駆動装置7でギヤドモータ51が起動すると、その回転がウォーム減速機52に伝達され、そこで回転方向が変えられて巻取りプーリ54に回転が与えられる。巻取りプーリ54の回転により、張り渡されたワイヤロープ6が摩擦によって所定方向に送られ、そのワイヤロープ6に引っ張られて走行台車2が上部レール3及び下部レール4を走行する。走行台車2(図5参照)は、走行ローラ33が下部レール4上を転がって走行する。走行台車2の荷重はこの走行ローラ33を介して下部レール4に支持され、水平ローラ23及び補助ローラ34、更にスタビライザによって走行台車2の姿勢が保たれる。すなわち、搭乗台12の水平状態が保たれる。
【0037】
走行台車2が傾斜したレール3,4を走行する場合、傾斜対応枠21,31が傾き、そこに設けられた各ローラ23,33…は、図4や図5に示す水平な箇所を走行するときと同様にレール3,4に対して常に同じ状態で当てられる。特に、傾斜対応枠21,31は、支持板17、アーム22,32及びリンクバー18によって構成された平行リンクによって常に平行状態が保たれるため、平行な上部レール3と下部レール4を走行する走行台車2は、その上部レール3と下部レール4に対する各ローラ23,33…の当たり方が安定している。
【0038】
一方、図1には示していないが、1階から3階へ階段に沿って昇降する場合は2階部分で走行方向が180度反転する。このときは、図6及び図7に示すように、ローラ23,33…がレール3,4の曲線部分で向きを変えて転がるが、上走行部15及び下走行部16は、共に曲部対応枠26,26,36,36の回転軸(回転ピン26,37)がレール3,4の軸線3g,4g上にあって且つ直交しているため、回転軸(回転ピン37)上に配置された走行ローラ33は、下部レール4に従って自由に向きを変えることができる。また、水平ローラ23や補助ローラ34は、回転軸(回転ピン26,37)からの距離、すなわち上部レール3や下部レール4の軸線3g,4gからそれらが当接する外周面までの距離が常に一定であるため、カーブでも常に当てられ状態にあって水平荷重を受けている。
【0039】
従って、本実施形態の階段及び斜面昇降装置1では、走行ローラ33や水平ローラ23などが、傾斜対応枠21,31及び曲部対応枠26,26,36,36からなる舵取り機構によって、上部レール3及び下部レール4の傾斜部分や曲線部分でも常に同じ状態で当てられて走行台車2の安定した走行が可能であり、ワイヤロープ6も階段の方向が変わる部分でも容易に向きを変えて送ることができるため、本発明の課題であった急なカーブでの安定した走行が可能となった。
上部レール3及び下部レール4は、ともにスリットなどの切られていないパイプであり、特に下部レール4が、通常の階段に取り付けられている手摺りの高さに位置しているため、本装置を利用しないで階段100を上り下りする人にとって手摺りとして利用が可能になった。
【0040】
搭乗台12は、支持板17、アーム22,32及びリンクバー18によって構成された平行リンクによって、常に上下の傾斜対応枠21,31の平行状態が保たれ、前述した舵取り機構が、特に傾斜部分を走行する際に確実に機能させることができる。
スタビライザレール9及びスタビライザローラ42などからなるスタビライザを設けることによって、走行台車2の姿勢を維持させることができるため車椅子のままでも安定した昇降が可能である。
【0041】
ワイヤロープ6や案内シーブ55を化粧カバー47で覆ったため、外観を損なわず、歩行者に対する安全を確保することができた。そして、歩行者がガイドレールに近づくことで下部レール4を手摺りとして利用でき、その下部レール4自身にしてもスリットによるけがや潤滑油による汚れの心配はない。
ターンシーブ装置8では、スプリング67によってワイヤロープ6のテンション調整を行うようにしたので、走行台車2の安定した走行が可能になった。なお、万一ワイヤロープ6が切断した場合でも、図4に示すブレーキ用ゴム48を下部レール4と走行ローラ33との間に差し込むことで走行台車2の下降を防ぐことができる。
【0042】
以上、階段及び斜面昇降装置の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなくその趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば前記実施形態では、最上階に駆動装置7を設け最下階にターンシーブ装置8を設置したが、上下逆であってもよい。
また、前記実施形態では、階段に設置した場合について説明したが、例えば急な坂道などの斜面に設置するようにしてもよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明は、走行台車がイドレールに当てたローラによって支えられ、その走行台車を駆動装置によって送ったワイヤロープによって引っ張ってガイドレールに従って走行させるようにしたものであり、ローラをガイドレールの傾斜や曲線部に追随するように舵取り機構を介して走行台車に設けたので、急なカーブでも安定して走行させることができ、またガイドレールを手摺りとして兼用することができる階段及び斜面昇降装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】階段及び斜面昇降装置の一実施形態を全体構成図である。
【図2】階段及び斜面昇降装置の一実施形態を全体構成図である。
【図3】走行台車を階段の上側方向から見た(図2のA矢視)図である。
【図4】走行台車2の走行部を横側から見た(図2のB矢視)図である。
【図5】図3における走行台車の走行部を示した拡大図である。
【図6】上走行部を示した平面図である。
【図7】下走行部を示した平面図である。
【図8】駆動装置を示した内部構成図である。
【図9】ターンシーブ装置を示した内部構成図である。
【符号の説明】
1 階段及び斜面昇降装置
2 走行台車
3 上部レール
4 下部レール
6 ワイヤロープ
7 駆動装置
8 ターンシーブ装置
9 スタビライザレール
12 搭乗台
13 遮断棒
15 上走行部
16 下走行部
17 支持板
18 リンクバー
23 水平ローラ
33 走行ローラ
21,31 傾斜対応枠
22,32 アーム
26,36 曲部対応枠
100 階段
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば荷物、台車、車椅子等を人ごと乗せて階段や斜面に沿って上下を行き来できるようにしたものであり、特に急なカーブでの安定した走行が可能な、また上り下りに使用するレールを手摺りとして兼用させるようにした階段及び斜面昇降装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、身体の不自由な人などが健常者と同様に生活を送ることができるようにバリアフリーが各方面で進められているが、例えばその一つとして車椅子を使用した人が車椅子ごと階段を上り下りすることができる階段昇降装置の設置が進められている。こうした階段昇降装置は、例えば鉄道を利用する場合に駅構内からプラットホームへ上り下りする階段など、条件が合わずにエレベータの設置ができないような場所に設けられている。
また、階段のみならず急な坂道などを車椅子で通ることも危険であることから、例えば特開昭55−21366号公報などには、傾斜地用昇降装置が提案されている。
【0003】
従来、こうした階段及び斜面昇降装置の駆動方法の一例として、特開平6−156948号公報に記載されたものがある。これは、階段の手摺りに沿ってチェーンラックが固定され、走行台車に設けられた電動機によって回転駆動する駆動スプロケットを、そのチェーンラックに噛合させたものである。また、別の駆動方法として特開2000−34077号公報に記載されたものがある。これは、ガイドレール内に収容された可撓性のある索条に連結アームを介して走行台車が連結され、ガイドレール端部に設けられた駆動スプロケットの正転・逆転により、そのスプロケットに噛合した索条がガイドレール内を往復し、それに従って走行台車が階段に沿って昇降するようにしたものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−156948号公報(第3−5頁、図1−3)
【特許文献2】
特開2000−34077号公報(第5−7頁、図1,6,9)
【特許文献3】
特開昭55−21366号公報(第2−3頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の階段及び斜面昇降装置においては次のような問題があった。前記特許文献1の階段昇降装置では、駆動スプロケットをチェーンラックに噛合して走行させているが、これでは階段の方向が変わる踊り場など、曲率半径が小さくなるカーブを通過させる場合に噛み合いが悪くなって安定した走行を行わせることが困難であった。
一方、前記特許文献2の階段昇降装置では、ガイドレール内を索条が移動するのでカーブ走行の安定性は良いものの、ガイドレールには索条と走行台車とを連結するアームを通すためのスリットが切られているため、そのガイドレール内にはグリスなどの潤滑油が塗られていると、そのスリットから潤滑油がこぼれ落ちたり、普通に階段を上り下りする歩行者がガイドレールを握ってしまって潤滑油で手を汚してしまうなど手摺りとして使用できなかった。
【0006】
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、急なカーブでの安定した走行が可能な階段及び斜面昇降装置を提供すること、またガイドレールを手摺りとして兼用することが可能な階段及び斜面昇降装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る階段及び斜面昇降装置は、階段または斜面に沿って設けられたガイドレールに掛けられた走行台車が、そのガイドレールに当てたローラによって支えられ、前記走行台車に連結されて環状になったワイヤロープが、階段または斜面の上と下の各一方にそれぞれ配置された駆動装置及び折返し装置と、階段または斜面の途中に設けられた複数の案内シーブとを介して張り渡され、前記駆動装置がワイヤロープを送ることによって前記走行台車をガイドレールに従って走行させるようにしたものであり、前記ローラが、ガイドレールの傾斜や曲線部に追随するように舵取り機構を介して走行台車に設けられたものであることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る階段及び斜面昇降装置は、前記舵取り機構が、走行台車本体側に対してガイドレールに沿って回転自在に取り付けられた傾斜対応枠と、その傾斜対応枠に対してガイドレールの中心線上にあって且つ直交する回転軸により回転自在に取り付けられた1又は2以上の曲部対応枠とを有し、その曲部対応枠に前記ローラが軸支されたものであることが望ましい。
【0009】
また、本発明に係る階段及び斜面昇降装置は、上下に平行して設けられた上部レールと下部レールとを有するガイドレールに対し、前記舵取り機構を上下に備えた走行台車が、その舵取り機構に設けられた各ローラをそれぞれ上部レール又は下部レールに当てたものであり、前記上下の舵取り機構は、各傾斜対応枠が走行台車本体側に対して同一垂直線上に軸支され、その各傾斜対応枠から水平方向に延びた平行のアーム部先端に1本のリンクバーが垂直に軸着されて平行リンクが構成されたものであることが望ましい。
【0010】
更に、本発明に係る階段及び斜面昇降装置は、ガイドレールに掛けられた走行台車が、前記上部レール又は下部レールの一方のレールに走行台車の荷重を支える走行ローラが当てられ、他方のレールに走行台車の水平バランスをとる水平ローラが当てられたものであることが望ましい。
【0011】
よって、本発明の階段及び斜面昇降装置では、駆動装置によってワイヤロープが所定方向に送られると、そのワイヤロープに引っ張られた走行台車は、走行ローラや水平ローラがガイドレールを転がって階段や斜面を昇降する。そのため、ローラが当てられるガイドレールは、スリットが切られたものでなく、潤滑油が塗られたものでもないため、普通に階段や斜面を上り下りする歩行者には手摺りとしての利用が可能である。そして、複数の案内シーブを介して張り渡されたワイヤロープは、階段や斜面の方向が変わる部分でも容易に向きを変えて送ることができ、走行台車のローラにしても舵取り機構によってガイドレールの曲線部に追随して転がり方向を変えることができるため、急なカーブでの安定した走行が可能になる。
【0012】
また、本発明に係る階段及び斜面昇降装置は、前記ガイドレールと平行にスタビライザレールが設けられ、前記走行台車に直交して固定されたロッド先端のスタビライザローラが、このスタビライザレール内を転動するように装填されたものであることが望ましい。
よって、本発明の階段及び斜面昇降装置によれば、走行台車の傾きを抑えて利用者が直接乗る搭乗部分の水平を保つことができる。
【0013】
更に、本発明に係る階段及び斜面昇降装置は、階段または斜面に沿って設けられたガイドレールに掛けられた走行台車が、そのガイドレールに当てたローラによって支えられ、その走行台車に連結され環状になったワイヤロープが、階段または斜面の上と下の各一方にそれぞれ配置された駆動装置及び折返し装置と、階段または斜面の途中に設けられた複数の案内シーブとを介して張り渡され、
駆動装置によってワイヤロープを送ることにより前記走行台車をガイドレールに従って走行させるようにしたものであり、前記折返し装置は、スライダにシーブが軸支され、そのシーブに掛けられたワイヤロープを引っ張る方向にスライダを付勢する付勢部材を有することを特徴とする。
【0014】
よって、本発明の階段及び斜面昇降装置では、駆動装置によってワイヤロープが所定方向に送られると、そのワイヤロープに引っ張られた走行台車は、走行ローラや水平ローラなどがガイドレールを転がって階段や斜面を昇降する。その際、ワイヤロープが緩んでしまったのではワイヤロープに駆動装置の回転出力が伝えられなくなるが、付勢部材の付勢力によってワイヤロープに常にテンションをかけて緩まないようにすることができる。
【0015】
また、本発明に係る階段及び斜面昇降装置は、前記折返し装置が、前記付勢部材の付勢力を前記スライダに対して位置調節が可能な受け部材を介して作用させるものであることが望ましい。
よって、本発明の階段及び斜面昇降装置では、スライダに対する受け部材の位置を調節することにより、ワイヤロープの長さに合わせてスライダに軸支されたシーブの位置を変更しつつ、そのワイヤロープに作用する付勢部材の初期付勢力を調節することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る階段及び斜面昇降装置の一実施形態について図面を参照しながら以下に説明する。図1は、階段及び斜面昇降装置を示した全体構成図であり、図2は、その平面図である。なお、この実施形態では、図示するように階段に設置した場合について説明する。
【0017】
階段及び斜面昇降装置1は、走行台車2が階段100に沿って走行するようにしたものであり、平行に設けられた上部レール3と下部レール4とが自立ポスト5,5…によって支持され、走行台車2がその上部レール3及び下部レール4に従って走行できるように構成されている。この階段及び斜面昇降装置1では、走行台車2に連結されたワイヤロープ6を介して引っ張って走行させるようにしたものであり、そのワイヤロープ6は、階段100上部に設置された駆動装置7と階段100下部に設置されたターンシーブ装置8に張り渡されている。
【0018】
図3は、走行台車2を階段の上側方向から見た(図2のA矢視)図である。なお、走行台車2は、階段100に沿った走行方向を前後方向とする。走行台車2は、台車フレーム11に対して車椅子ごと乗り込み可能な搭乗台12と、その搭乗台12に乗った搭乗者を囲む遮断棒13とが、ともに水平に倒れた使用状態(実線)と垂直に起立した非使用状態(二点鎖線)との2形態をなすよう構成されている。搭乗台12は、車椅子に合わせた大きさであり、前後両側と横側に渡板12aが設けられている。渡板12aは、乗り込みの際に倒れて床との段差や隙間を無くして車椅子のスムーズな乗り降りを可能とし、階段昇降時には立ち上げて車椅子が搭乗台12から落ちないように車止めとなるようにしたものである。また、遮断棒13は、倒されたときに車椅子に乗った人の胸のあたりの高さで水平になり、取っ手になるとともに搭乗者を囲んで落下を防止するようにしたものである。
【0019】
こうした走行台車2の走行を案内する上部レール3と下部レール4とは、図3に示すように壁110に当てて設置された複数の自立ポスト5,5…(図1参照)に、その壁110から同じ距離だけ離した位置で上下に平行して固定されている。上部レール3及び下部レール4は、ともにスリットなどの切られていないパイプであり、特に下部レール4が、通常の階段に取り付けられている手摺りの高さに位置し、本装置を利用しないで階段100を上り下りする人にとって手摺りとして利用可能になっている。
【0020】
続いて図4は、走行台車2の走行部を横側から見た(図2のB矢視)図であり、特に各構成部品の位置関係を示している。また図5は、図3における走行台車2の走行部を示した拡大図である。走行台車2の走行部は、上部レール3と下部レール4とに従って走行する上走行部15と下走行部16からなり、それぞれに舵取り機構が構成されている。上走行部15及び下走行部16は、断面コ字状の傾斜対応枠21,31がともに台車フレーム11に固定された支持板17に対して回転自在に取り付けられている。そして、上下の傾斜対応枠21,31には同じ方向に延びたアーム22,32が固定され、同じ位置で先端同士にリンクバー18が軸着されている。走行台車2は、こうした支持板17、アーム22,23及びリンクバー18によって平行リンクが構成され、傾斜対応枠21,31が常に同じ角度で傾くようになっている。
【0021】
更に、この走行台車2には、搭乗台12に作用する前後方向の重心移動を抑えて水平状態を保つためのスタビライザが設けられている。スタビライザは、図1に示すように上下のレール3,4と平行したスタビライザレール9が自立ポスト5,5…に固定されている。このスタビライザレール9は、図3に示すように両レール3,4より壁110側にあって、下部レール4を手摺りとして使用する際に邪魔にならないように配置されている。そして、スタビライザレール9には図4及び図5に示すように走行方向にスリット9aが切られ、支持板17に直交したロッド41先端のスタビライザローラ42が、このスタビライザレール9内を走行方向に転がるように装填されている。
【0022】
走行台車2は、その荷重が下走行部16を介して下部レール4に支持され、更に上走行部15と下走行部16とで横方向の水平バランスをとるように構成されている。具体的には図5に示すように、走行ローラ33が下部レール4に上から当てられ、水平荷重を上部レール3に当てられた水平ローラ23によって受けるようにしている。また下部レール4には、走行ローラ33が脱輪しないように水平荷重を受ける補助ローラ34が上走行部15の水平ローラ23とは反対側から当てられ、更に走行ローラ33の浮き上がりを防止する補助ローラ35が下部レール4の下に配置されている。
【0023】
上走行部15の水平ローラ23と下走行部16の走行ローラ33及び補助ローラ34,35は、上下とも走行方向に前後して一対ずつ設けられ、これら各ローラ23,33…がレール3,4の傾斜部や曲線部においても追随するように、傾斜対応枠21,31と各ローラ23,33…が直接軸支された曲部対応枠26,36によって舵取り機構が構成されいる。ここで、図6は上走行部15を、また図7は下走行部16を示した平面図であり、両図とも図(a)が直線部分を通過する場合を示し、図(b)が、図1に示す本実施形態の階段及び斜面昇降装置1には構成されていない曲線部を通過する場合を示している。
【0024】
先ず、水平ローラ23は、図5に示す形状の曲部対応枠26に軸支され、その曲部対応枠26が傾斜対応枠21に対し上下の回転ピン27,27によって軸支されている。こうした曲部対応枠26は、図6(a)に示すように傾斜対応枠21に対して前後して2つ設けられ、いずれも回転ピン27,27…が上部レール3の軸線3g上にあって且つ直交している。そのため、図6(b)に示すように、上部レール3がカーブするところでも前後の水平ローラ23,23は常に軸線3gとの距離が一定で、上部レール3に対して直線部分と同じように当てられるようになっている。
【0025】
一方、走行ローラ33及び補助ローラ34,35は、図5に示す形状の曲部対応枠36に軸支され、その曲部対応枠36が傾斜対応枠31に対し上下の回転ピン37,37によって軸支されている。こうした曲部対応枠26も図7(a)に示すように傾斜対応枠31に対して前後して2つ設けられ、いずれも回転ピン37,37…が上部レール4の軸線4g上にあって且つ直交している。そのため、図7(b)に示すように、走行ローラ33,33は常に軸線4g上に位置し、補助ローラ35,35についても常に軸線4gとの距離が一定で、いずれも下部レール4に対して直線部分と同じように当てられるようになっている。
【0026】
支持板17には、図4及び図5に示すように、下走行部16の下にロープ繋ぎ金具45が略U字形のブラケット46によって取り付けられている。ロープ繋ぎ金具45は、階段100の角度に沿ってワイヤロープ6が真っ直ぐに張られるよう回転自在に取り付けられ、これに2本のワイヤロープ6が上下方向から図1に示すように連結されている。そして本実施形態では、ワイヤロープ6が外から見えないように化粧カバー47によって覆われている。化粧カバー47は、図3に示すように、階段100に沿って移動するブラケット46が干渉しないよう上下に2分割されている。
【0027】
ワイヤロープ6は両端が走行台車2に連結されて環状になり、階段100の上に配置された駆動装置7と下に配置されたターンシーブ装置8とに張り渡されている。この階段及び斜面昇降装置1では、環状のワイヤロープ6を上下双方向に送ることにより走行台車2を引っ張ってレール3,4に従って走行させるようにしている。そうした走行台車2を走行させるための駆動源は、ワイヤロープ6を送るための駆動装置7であり、図1に示すように走行台車2が昇降する階段100の最上階に設置されている。図1には、1階と2階との間の昇降しか記載していないが、前述したように走行台車2はカーブの走行も可能であり(図6、図7参照)、方向を変えて設けられた3階以上の階段における降も可能である。そうした場合、最上階にこの駆動装置7が設置され、一番下の階にはワイヤロープ6の折り返しとなるターンシーブ装置8が設置される。
【0028】
駆動装置7は、図8に示すようにギヤドモータ51を有し、その出力軸51aがウォーム減速機52の入力軸52aにカップリング53で連結され、ウォーム減速機52の出力軸に対して走行方向に沿って回転するように巻取りプーリ54が軸支されている。そして、巻取りプーリ54に掛けられたワイヤロープ6は、図1に示すように階段100の途中に設けられた複数の案内シーブ55,55…を介して下方のターンシーブ装置8へと張り渡されている。こうした案内シーブ55,55…やターンシーブ装置8に設けられたシーブ61,62,63は、ワイヤロープ6にテンションをかけるように配置され、特にターンシーブ装置8には図9に示すように配置されたシーブ61,62,63によってテンション調整が行えるようになっている。
【0029】
ターンシーブ装置8は、位置決めされた回転軸61a,63aにシーブ61,63が軸支され、上下方向にワイヤロープ6を巻き回したシーブ62は、その回転軸62aを上下方向にずらすことができるように構成されている。すなわちシーブ62は、スライドレール65に沿って上下方向に移動可能なスライダ66に対して回転軸62aによって軸支されている。そして、そのスライダ66には、ネジの切られたロッド68が上向きに突き出して固定され、そのロッド68に螺合した調節ナットによって位置決めが可能なバネ受69を介してスプリング67による上向きの付勢力を受けている。
【0030】
従って、ターンシーブ装置8は、シーブ62を持ち上げる方向にスプリング67の付勢力が作用し、常にワイヤロープ6にテンションがかかった状態になっている。また、ターンシーブ装置8は、バネ受け69の高さ調節が可能であり、これによりワイヤロープ6の長さに合わせてシーブ68の位置を変更しつつ、そのワイヤロープ6に作用するスプリング67の初期付勢力を調節することができるようになっている。
【0031】
以上のような構成からなる階段及び斜面昇降装置1は、階下に設けられたターンシーブ装置8に操作盤を有し、例えば駅構内の階段では駅員など、操作員によって走行台車2の昇降操作が行われる。また、遮断棒13の他にも重量検知など、安全策を施すことにより走行台車2にも操作手段を備え、ターンシーブ装置8に操作盤との間で無線や有線通信によって搭乗者自らが操作できる。更に、走行台車2に設けられた制御盤にはペンダントスイッチが接続され、搭乗者に付き添って階段を上り下りする人が操作することができる。
【0032】
そこで次に、この階段及び斜面昇降装置1における走行台車2の昇降動作について説明する。階段及び斜面昇降装置1は、走行台車2が各階のフロアや踊り場に配置されたところで車椅子ごと乗り降りする。このとき、渡板12aが倒れて床に着くことで搭乗台12との段差が無くなり、車椅子がスムーズに乗り降りすることができる。図1に示す場合、1Fで乗り降りするときは渡板12aが1F床面と搭乗台12との僅かな段差もなくし、2Fで乗り降りするときは階段を上りきる手前の搭乗台12と2F床面がほぼ同じ高さになるところで走行台車2が停止し、渡板12aによって搭乗台12と2F床面とが架け渡される。
【0033】
階段及び斜面昇降装置1は、走行台車2が階段を上る場合には図1においてワイヤロープ6が右回りに送られ、逆に走行台車2が階段100を下る場合にはワイヤロープが左回りに送られる。こうしたワイヤロープ6の送りは、駆動装置7においてその回転出力を巻取りプーリ54とワイヤロープ6との摩擦によって伝えるようにしている。動力伝達を確実に行うため、ワイヤロープ6は階段の途中に設けられた案内シーブ55,55…に当てられて角度を変え、長い距離を緩むことなく張り渡されている。
【0034】
通常、ワイヤロープ6は、使用している間に伸びてしまい緩みが生じてくる。そして緩みが生じると、ワイヤロープ6が巻取りプーリ54との間で滑ってしまい、確実なワイヤロープ6の送り、すなわち走行台車2の安定した走行が困難になる。しかし本実施形態の場合、ターンシーブ装置8ではワイヤロープ6がスプリング67の付勢力によって常にテンションがかかった状態で引っ張られているため、ワイヤロープ6は緩むことはなく走行台車2は安定して走行する。
【0035】
また、このスプリング67は、バネ受け69の高さ調整により、ワイヤロープ6の長さに合わせてシーブ68の位置を変更しつつ、その初期付勢力を調節することができる。一方、使用している間にワイヤロープ6が伸びてスプリングの付勢力が落ちてきたような場合には、調節ナットを締め直してバネ受け69を下降させる。これにより、スプリング67が押し縮められてワイヤロープ6に十分な付勢力が作用し、改めて初期付勢力が設定できる。
【0036】
次に、駆動装置7でギヤドモータ51が起動すると、その回転がウォーム減速機52に伝達され、そこで回転方向が変えられて巻取りプーリ54に回転が与えられる。巻取りプーリ54の回転により、張り渡されたワイヤロープ6が摩擦によって所定方向に送られ、そのワイヤロープ6に引っ張られて走行台車2が上部レール3及び下部レール4を走行する。走行台車2(図5参照)は、走行ローラ33が下部レール4上を転がって走行する。走行台車2の荷重はこの走行ローラ33を介して下部レール4に支持され、水平ローラ23及び補助ローラ34、更にスタビライザによって走行台車2の姿勢が保たれる。すなわち、搭乗台12の水平状態が保たれる。
【0037】
走行台車2が傾斜したレール3,4を走行する場合、傾斜対応枠21,31が傾き、そこに設けられた各ローラ23,33…は、図4や図5に示す水平な箇所を走行するときと同様にレール3,4に対して常に同じ状態で当てられる。特に、傾斜対応枠21,31は、支持板17、アーム22,32及びリンクバー18によって構成された平行リンクによって常に平行状態が保たれるため、平行な上部レール3と下部レール4を走行する走行台車2は、その上部レール3と下部レール4に対する各ローラ23,33…の当たり方が安定している。
【0038】
一方、図1には示していないが、1階から3階へ階段に沿って昇降する場合は2階部分で走行方向が180度反転する。このときは、図6及び図7に示すように、ローラ23,33…がレール3,4の曲線部分で向きを変えて転がるが、上走行部15及び下走行部16は、共に曲部対応枠26,26,36,36の回転軸(回転ピン26,37)がレール3,4の軸線3g,4g上にあって且つ直交しているため、回転軸(回転ピン37)上に配置された走行ローラ33は、下部レール4に従って自由に向きを変えることができる。また、水平ローラ23や補助ローラ34は、回転軸(回転ピン26,37)からの距離、すなわち上部レール3や下部レール4の軸線3g,4gからそれらが当接する外周面までの距離が常に一定であるため、カーブでも常に当てられ状態にあって水平荷重を受けている。
【0039】
従って、本実施形態の階段及び斜面昇降装置1では、走行ローラ33や水平ローラ23などが、傾斜対応枠21,31及び曲部対応枠26,26,36,36からなる舵取り機構によって、上部レール3及び下部レール4の傾斜部分や曲線部分でも常に同じ状態で当てられて走行台車2の安定した走行が可能であり、ワイヤロープ6も階段の方向が変わる部分でも容易に向きを変えて送ることができるため、本発明の課題であった急なカーブでの安定した走行が可能となった。
上部レール3及び下部レール4は、ともにスリットなどの切られていないパイプであり、特に下部レール4が、通常の階段に取り付けられている手摺りの高さに位置しているため、本装置を利用しないで階段100を上り下りする人にとって手摺りとして利用が可能になった。
【0040】
搭乗台12は、支持板17、アーム22,32及びリンクバー18によって構成された平行リンクによって、常に上下の傾斜対応枠21,31の平行状態が保たれ、前述した舵取り機構が、特に傾斜部分を走行する際に確実に機能させることができる。
スタビライザレール9及びスタビライザローラ42などからなるスタビライザを設けることによって、走行台車2の姿勢を維持させることができるため車椅子のままでも安定した昇降が可能である。
【0041】
ワイヤロープ6や案内シーブ55を化粧カバー47で覆ったため、外観を損なわず、歩行者に対する安全を確保することができた。そして、歩行者がガイドレールに近づくことで下部レール4を手摺りとして利用でき、その下部レール4自身にしてもスリットによるけがや潤滑油による汚れの心配はない。
ターンシーブ装置8では、スプリング67によってワイヤロープ6のテンション調整を行うようにしたので、走行台車2の安定した走行が可能になった。なお、万一ワイヤロープ6が切断した場合でも、図4に示すブレーキ用ゴム48を下部レール4と走行ローラ33との間に差し込むことで走行台車2の下降を防ぐことができる。
【0042】
以上、階段及び斜面昇降装置の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなくその趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば前記実施形態では、最上階に駆動装置7を設け最下階にターンシーブ装置8を設置したが、上下逆であってもよい。
また、前記実施形態では、階段に設置した場合について説明したが、例えば急な坂道などの斜面に設置するようにしてもよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明は、走行台車がイドレールに当てたローラによって支えられ、その走行台車を駆動装置によって送ったワイヤロープによって引っ張ってガイドレールに従って走行させるようにしたものであり、ローラをガイドレールの傾斜や曲線部に追随するように舵取り機構を介して走行台車に設けたので、急なカーブでも安定して走行させることができ、またガイドレールを手摺りとして兼用することができる階段及び斜面昇降装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】階段及び斜面昇降装置の一実施形態を全体構成図である。
【図2】階段及び斜面昇降装置の一実施形態を全体構成図である。
【図3】走行台車を階段の上側方向から見た(図2のA矢視)図である。
【図4】走行台車2の走行部を横側から見た(図2のB矢視)図である。
【図5】図3における走行台車の走行部を示した拡大図である。
【図6】上走行部を示した平面図である。
【図7】下走行部を示した平面図である。
【図8】駆動装置を示した内部構成図である。
【図9】ターンシーブ装置を示した内部構成図である。
【符号の説明】
1 階段及び斜面昇降装置
2 走行台車
3 上部レール
4 下部レール
6 ワイヤロープ
7 駆動装置
8 ターンシーブ装置
9 スタビライザレール
12 搭乗台
13 遮断棒
15 上走行部
16 下走行部
17 支持板
18 リンクバー
23 水平ローラ
33 走行ローラ
21,31 傾斜対応枠
22,32 アーム
26,36 曲部対応枠
100 階段
Claims (7)
- 階段または斜面に沿って設けられたガイドレールに掛けられた走行台車が、そのガイドレールに当てたローラによって支えられ、
前記走行台車に連結されて環状になったワイヤロープが、階段または斜面の上と下の各一方にそれぞれ配置された駆動装置及び折返し装置と、階段または斜面の途中に設けられた複数の案内シーブとを介して張り渡され、
前記駆動装置がワイヤロープを送ることによって前記走行台車をガイドレールに従って走行させるようにしたものであり、
前記ローラが、ガイドレールの傾斜や曲線部に追随するように舵取り機構を介して走行台車に設けられたものであることを特徴とする階段及び斜面昇降装置。 - 請求項1に記載の階段及び斜面昇降装置において、
前記舵取り機構は、走行台車本体側に対してガイドレールに沿って回転自在に取り付けられた傾斜対応枠と、その傾斜対応枠に対してガイドレールの中心線上にあって且つ直交する回転軸により回転自在に取り付けられた1又は2以上の曲部対応枠とを有し、その曲部対応枠に前記ローラが軸支されたものであることを特徴とする階段及び斜面昇降装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の階段及び斜面昇降装置において、
上下に平行して設けられた上部レールと下部レールとを有するガイドレールに対し、前記舵取り機構を上下に備えた走行台車が、その舵取り機構に設けられた各ローラをそれぞれ上部レール又は下部レールに当てたものであり、
前記上下の舵取り機構は、各傾斜対応枠が走行台車本体側に対して同一垂直線上に軸支され、その各傾斜対応枠から水平方向に延びた平行のアーム部先端に1本のリンクバーが垂直に軸着されて平行リンクが構成されたものであることを特徴とする階段及び斜面昇降装置。 - 請求項3に記載の階段及び斜面昇降装置において、
ガイドレールに掛けられた走行台車は、前記上部レール又は下部レールの一方のレールに走行台車の荷重を支える走行ローラが当てられ、他方のレールに走行台車の水平バランスをとる水平ローラが当てられたものであることを特徴とする階段及び斜面昇降装置。 - 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の階段及び斜面昇降装置において、
前記ガイドレールと平行にスタビライザレールが設けられ、前記走行台車に直交して固定されたロッド先端のスタビライザローラが、このスタビライザレール内を転動するように装填されたものであることを特徴とする階段及び斜面昇降装置。 - 階段または斜面に沿って設けられたガイドレールに掛けられた走行台車が、そのガイドレールに当てたローラによって支えられ、
その走行台車に連結され環状になったワイヤロープが、階段または斜面の上と下の各一方にそれぞれ配置された駆動装置及び折返し装置と、階段または斜面の途中に設けられた複数の案内シーブとを介して張り渡され、
駆動装置によってワイヤロープを送ることにより前記走行台車をガイドレールに従って走行させるようにしたものであり、
前記折返し装置は、スライダにシーブが軸支され、そのシーブに掛けられたワイヤロープを引っ張る方向にスライダを付勢する付勢部材を有することを特徴とする階段及び斜面昇降装置。 - 請求項6に記載の階段及び斜面昇降装置において、
前記折返し装置は、前記付勢部材の付勢力を前記スライダに対して位置調節が可能な受け部材を介して作用させるものであることを特徴とする階段及び斜面昇降装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003002861A JP2004210542A (ja) | 2003-01-09 | 2003-01-09 | 階段及び斜面昇降装置 |
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JP2003002861A JP2004210542A (ja) | 2003-01-09 | 2003-01-09 | 階段及び斜面昇降装置 |
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JP2004210542A true JP2004210542A (ja) | 2004-07-29 |
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ID=32820483
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2004210542A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6022721B1 (ja) * | 2016-03-16 | 2016-11-09 | 東阪工業株式会社 | 車椅子用階段昇降装置 |
CN107416646A (zh) * | 2017-05-04 | 2017-12-01 | 中山天达电梯科技有限公司 | 一种楼道电梯 |
CN115306167A (zh) * | 2022-08-31 | 2022-11-08 | 中建幕墙有限公司 | 一种倾斜轨道作业装置 |
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2003
- 2003-01-09 JP JP2003002861A patent/JP2004210542A/ja active Pending
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