JP2004210318A - プルトップ式缶 - Google Patents

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Abstract

【課題】プルタブの指引掛け部に容易に指を引掛けて飲み口を形成することができるプルトップ式缶を提供すること。
【解決手段】蓋部材2に不連続な略ループ状の切込み3によって形成された被押圧部4と、支点となるピン5によって前記蓋部材2に固定されるプルタブ6とからなり、該プルタブ6が引き起こされて前記被押圧部4が押し抜かれることにより開栓されるプルトップ式缶1において、
前記プルタブ6に、内周側から指を差し込むための指挿通孔8とプルタブ6を引き起こすための指引掛け部7とが形成され、該指引掛け部7の下方において前記蓋部材2に凹み部9が設けられたことを特徴とするプルトップ式缶1。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、缶の蓋部材に固定されたプルタブによって飲み口が形成されるプルトップ式缶に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ジュースやビール等の飲料が封入された缶には、いわゆるプルトップ式缶が普及している。図6は、従来のプルトップ式缶の一例を示すものであるが、このプルトップ式缶23は、不連続な略ループ状の切込み24により被押圧部25が形成された蓋部材21と、該蓋部材21に支点ピン28によって固定されるプルタブ22とを備えている。
【0003】
このプルトップ式缶23は、指引掛部27が上方へ引き起こされることにより、プルタブ22の押圧部26が蓋部材21の被押圧部25を押圧し、これにより切込み24が破断して、被押圧部25が蓋部材21の下方に押し下げられて切込み24に沿って飲み口が形成される。押し下げられた被押圧部25は、切込み24が破断された後も蓋部材21に連結されたままであるため、離脱して缶内部に落下することはない。また、プルタブ22も、支点ピン28によって蓋部材21に固定されているため、飲み口が形成された後も蓋部材21から離脱することはない。したがって、このプルトップ式缶23は缶切り等の他の道具を使用することなく予め蓋部材21に固定されているプルタブ22によって蓋部材21に飲み口を形成することができると共に、プルタブ22及び被押圧部25が単独で捨てられることがないという利点を備えているため、現在では広く一般に利用されている。
【0004】
しかし、このプルトップ式缶23は、上記のような利点を備えているものの、プルタブ22が蓋部材21に密接して取付けられているため、特に指先の力のない人にとってはこのプルトップ式の缶23の開栓は容易ではなかった。
【0005】
これに対し、図7に示すように、被押圧部25を押圧するプルタブ29の押圧部30が支点ピン28から切込み24方向に向けて蓋部材21から離れるように形成されたイージーオープン缶蓋31がある(例えば、特許文献1参照。)。このイージーオープン缶蓋31は、押圧部30が被押圧部25に当接していないため、プルタブ29の指引掛け部27を引き起こす際に、押圧部30は被押圧部25に当接するまで該被押圧部25を押圧しないため、押圧部30が被押圧部25に当接するまでは比較的弱い力でプルタブ29を引き起こすことができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−32255号公報(第8−9頁、第2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このイージーオープン缶蓋31は、一旦指引掛け部27に指を引掛けることができればプルタブ29を比較的容易に引き起こすことができるが、従来のプルトップ式缶23と同様に指引掛け部27と蓋部材21との隙間が小さいために指引掛け部27に指を掛けにくいという問題点がある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、プルタブの指引掛け部に容易に指を引掛けて飲み口を形成することができるプルトップ式缶を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載のプルトップ式缶は、蓋部材に不連続な略ループ状の切込みによって形成された被押圧部と、支点となるピンによって前記蓋部材に固定されるプルタブとからなり、該プルタブが引き起こされて前記被押圧部が押し抜かれることにより開栓されるプルトップ式缶において、前記プルタブに、内周側から指を差し込むための指挿通孔とプルタブを引き起こすための指引掛け部とが形成され、該指引掛け部の下方において前記蓋部材に凹み部が形成されたことを特徴としている。
【0010】
請求項2記載のプルトップ式缶は、請求項1記載のプルトップ式缶において、前記凹み部は前記ピンから前記指引掛部へ向かって下方へ傾斜したガイド部を有することを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係るプルトップ式缶について図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るプルトップ式缶1の平面図であり、図2は図1に示すプルトップ式缶1のX−X線断面図である。このプルトップ式缶1は、蓋部材2に不連続な略ループ状の切込み3によって形成された被押圧部4と、支点となるピン5によって前記蓋部材2に固定されるプルタブ6とからなり、該プルタブ6が引き起こされて前記被押圧部4が押し抜かれることにより開栓されるプルトップ式缶1であり、前記プルタブ6に、内周側から指を差し込むための指挿通孔8とプルタブ6を引き起こすための指引掛け部7とが形成され、該指引掛け部7の下方において前記蓋部材2に凹み部9が形成されている。
【0012】
前記蓋部材2は、プルトップ式缶1の上部を覆うように形成された略円盤状の平板部材であり、その上面には中央付近から略ループ状の切込み3が刻設されている。また、その切込み3によって囲まれた被押圧部4は、蓋部材2の中央部付近にピン5によって固定されたプルタブ6の指引掛け部7が上方へ引き起こされることにより押圧部10によって下方へと押圧され、これにより切込み3が破断して蓋部材2の下面側へ曲折される。また、その際、被押圧部4は、その周囲に刻設された前記切込み3が図示するように蓋部材2の中央部付近で不連続になっているため、前記押圧部11によって押圧されて蓋部材2の下面側へ曲折された後も蓋部材2から離脱することはない。
【0013】
前記プルタブ6は、指を引掛けるための指引掛け部7と、上方から指を差し込むためにプルタブ6の内周側に設けられた指挿通孔8と、前記蓋部材2の被押圧部4を押圧するための押圧部10とを備えており、支点となるピン5によって蓋部材2の上面中央部付近に固定されている。前記指挿通孔8は、図示するようにプルタブ6の上方から人差し指を差し込んで指引掛け部7にその指を引掛けられる程度の大きさに形成されている。なお、平均的な成人男性の人差し指の大きさよりも約2割程度大きく形成されると好適である。また、その指挿通孔8の形状は、指挿通孔8から差し込んだ指を指引掛け部7に容易に引掛けられる形状であれば種々の形状に形成することが可能であり、例えば図3の(a)乃至(c)に示すような略円形状、略矩形状、略三角形状が考えられるが、指の形状を考えると指引掛け部7に向けて拡幅するような形状に形成された(c)のような形状がが好適である。
【0014】
前記凹み部9は、図1及び図2に示すように、前記指引掛け部7の下方に位置する蓋部材2が下方に凹むように形成されたものであり、前記指挿通孔8から差し込んだ指を前記プルタブ6の指引掛け部7と蓋部材2の間に容易に入れることができるような深さ及び形状に形成されたものである。更に、前記凹み部9には図4及び図5に示すようにピン5から指引掛け部7へ向かって下方へ傾斜したガイド部11を設けるとよく、この場合、指挿通孔8から差し込まれた指はこのガイド部11によって指引掛け部7の下方へと案内されるようになっており、より指引掛け部7に指を引掛けやすいように構成されている。
【0015】
以下、前記プルトップ式缶1の開栓方法について説明する。まず、プルトップ式缶1をプルタブ6の指引掛け部7が手前にくるように置き、一方の手でプルトップ式缶1を固定すると共に指挿通孔8から他方の手の人差し指を差し込んで指引掛け部7に指を引掛ける。そして、この指引掛け部7を上方へと引き起こす。その際、指引掛け部7に人差し指と共に親指を添えて引き起こすとプルタブ6をより容易に引き起こすことができる。これにより、ピン5により蓋部材2の上面に固定されているプルタブ6の押圧部10は、被押圧部4を押圧して切込み3を破断すると共に被押圧部4を蓋部材2の下方へと曲折して、蓋部材2の切込み3に沿って飲み口を形成する。
【0016】
以上説明したように、プルタブ6には、内周側から指を差し込むための指挿通孔8とプルタブ6を引き起こすための指引掛け部7とが形成され、該指引掛け部7の下方において前記蓋部材2に凹み部9が形成されている。従って、指挿通孔8を通して指引掛け部7に容易に指を引掛けることができるため、プルトップ式缶1の開栓作業を容易に行うことができる。なお、このプルトップ式缶1は、プルタブ6の内周側からではなく、従来のプルトップ式缶23及びイージーオープン缶蓋31と同様にプルタブ6と蓋部材2の間に指を差し込んでプルタブ6を引き起こすことも当然可能である。
【0017】
【発明の効果】
請求項1記載のプルトップ式缶によれば、プルタブに、内周側から指を差し込むための指挿通孔とプルタブを引き起こすための指引掛け部とが形成され、該指引掛け部の下方において前記蓋部材に凹み部が形成されているため、プルタブの指引掛け部に容易に指を引掛けることができ、結果としてプルタブの引き起こし動作を容易に行うことができる。
【0018】
請求項2記載のプルトップ式缶によれば、凹み部にピンから指引掛け部に向かって下方へ傾斜したガイド部が設けられているため、指挿通孔から入れた指が指引掛け部の下方へと案内されて、指を指引掛け部により引掛けやすくなるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るプルトップ式缶を説明するための平面図である。
【図2】図1に示したプルトップ式缶のX−X線断面図である。
【図3】指挿通孔の形状が異なるプルタブの平面図である。
【図4】プルトップ式缶の平面図である。
【図5】図4に示したプルトップ式缶のY−Y線断面図である。
【図6】従来のプルトップ式缶を説明するための平面図である。
【図7】従来のイージーオープン缶蓋を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 プルトップ式缶
2 蓋部材
3 切込み
4 被押圧部
5 ピン
6 プルタブ
7 指引掛け部
8 指挿通孔
9 凹み部
10 押圧部
11 ガイド部

Claims (2)

  1. 蓋部材に不連続な略ループ状の切込みによって形成された被押圧部と、支点となるピンによって前記蓋部材に固定されるプルタブとからなり、該プルタブが引き起こされて前記被押圧部が押し抜かれることにより開栓されるプルトップ式缶において、
    前記プルタブに、内周側から指を差し込むための指挿通孔とプルタブを引き起こすための指引掛け部とが形成され、該指引掛け部の下方において前記蓋部材に凹み部が形成されたことを特徴とするプルトップ式缶。
  2. 前記凹み部は前記ピンから前記指引掛部へ向かって下方へ傾斜したガイド部を有することを特徴とする請求項1記載のプルトップ式缶。
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