JP2004210068A - 農作業機 - Google Patents

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JP2004210068A JP2002380861A JP2002380861A JP2004210068A JP 2004210068 A JP2004210068 A JP 2004210068A JP 2002380861 A JP2002380861 A JP 2002380861A JP 2002380861 A JP2002380861 A JP 2002380861A JP 2004210068 A JP2004210068 A JP 2004210068A
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Hiroyuki Niiyama
裕之 新山
Hitoshi Okumura
仁 奥村
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

【課題】トロイダル型の変速装置を使用した農作業機の伝動機構における、伝動機構の機能性向上、コンパクト化。
【解決手段】動力源30の回転動力がトロイダル型変速装置40を介して伝達される第一軸50と、動力源30の回転動力が前記トロイダル型変速装置40を介さずに伝達される第二軸54と、これら第一軸50及び第二軸54の回転動力が遊星歯車機構60により合成して伝達される第三軸56とを設け、前記トロイダル型変速装置40の変速比を変更することにより前記第三軸56が正逆転可能になるように構成するとともに、該第三軸56から左右の車輪のデフ装置77へ伝動する構成とする。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、農作業機における伝動機構の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、田植機等の農作業機は、動力源であるエンジンの回転動力をベルト式の変速装置または油圧式無段変速装置を介してミッションケースに伝達し、該ミッションケース内の主変速装置により「路上走行速」「作業速」「中立」「後進速」等の各変速位置に切り替えるように伝動機構が構成されていた。
【0003】
【発明は解決しようとする課題】
伝動機構の改良のため、上記伝動機構の構成を改め、ベルト式の変速装置や油圧式無段変速装置の代わりにトロイダル型の変速装置を使用する試みがなされている。その場合、伝動機構全体の機能性向上、コンパクト化等の観点から、伝動機構をどのように構成するかが重要な課題となってくる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題に対し、本発明は以下の構成を採用した。すなわち、請求項1に記載の農作業機は、動力源の回転動力がトロイダル型変速装置を介して伝達される第一軸と、動力源の回転動力が前記トロイダル型変速装置を介さずに伝達される第二軸と、これら第一軸及び第二軸の回転動力が遊星歯車機構により合成して伝達される第三軸とを設け、前記トロイダル型変速装置の変速比を変更することにより前記第三軸が正逆転可能になるように構成するとともに、該第三軸から左右の車輪のデフ装置へ伝動する構成としたことを特徴としている。
【0005】
動力源からの回転動力の一部はトロイダル型変速装置を介して第一軸へ伝達され、残りはトロイダル型変速装置を介さずに第二軸に直接伝達される。これら第一軸及び第二軸の回転動力が、遊星歯車機構により合成されて第三軸に伝達される。そして、第三軸から左右の車輪のデフ装置へ伝動する。トロイダル型変速装置の変速比を変更することにより第三軸が正逆転可能であるから、後進のための歯車機構を別途設ける必要がなく、伝動機構の簡略化が図れる。
【0006】
また、請求項2に記載の農作業機は、請求項1の内容に加えて、第一軸、第二軸及び第三軸を略同方向に向けて設け、トロイダル型変速装置に対して遊星歯車機構を前記軸方向に偏位させて配置するとともに、その偏位する側と反対側の第三軸上にトロイダル型変速装置とは別の変速装置を設けている。
【0007】
これにより、第一軸、第二軸及び第三軸の方向における遊星歯車機構と別の変速装置とのバランスが良好となるとともに、伝動機構の変速部がコンパクトになる。
【0008】
さらに、請求項3に記載の農作業機は、請求項2の内容に加えて、トロイダル型変速装置とは別の変速装置を経由する伝動経路と経由しない伝動経路とを設け、一方の伝動経路で農作業部を駆動し、他方の伝動経路で走行部を駆動するように構成している。
【0009】
この構成によれば、トロイダル型変速装置よりも伝動下手側で農作業部を駆動する伝動経路と走行部を駆動する伝動経路とに分岐しているので、トロイダル型変速装置により農作業部及び走行部の両方を共に変速することができる。また、農作業部への伝動速度と走行部への伝動速度を相対的に変更できるので、作業条件の変更が可能である。
【0010】
【発明の効果】
上述のように、請求項1〜3に記載の農作業機は、トロイダル型変速装置と遊星歯車機構とを組み合わせることにより、後進のための歯車機構を別途設ける必要がなくなり、伝動機構の簡略化が図れるようになった。特に、請求項2の場合には、遊星歯車機構と、トロイダル型変速装置とは別の変速装置とのバランスが良好で、伝動機構の変速部がコンパクトにできるという効果を奏する。さらに、請求項3の場合には、トロイダル型変速装置により農作業部及び走行部の両方を共に変速することができ、変速操作が簡単であるとともに、農作業部への伝動速度と走行部への伝動速度とを相対的に変更でき、作業条件の変更が可能であるという効果を奏する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に表された実施の形態について説明する。図1及び図2に示す農作業機は乗用施肥田植機であって、この乗用施肥田植機1は、走行部として前輪2,2及び後輪3,3を備えた四輪駆動型走行車体4の後部上方に農作業部である施肥装置5を装備し、さらに走行車体4の後方に昇降リンク装置6を介して同じく農作業部である8条植え苗植付部7を昇降可能に装着している。
【0012】
施肥装置5は、肥料タンク10内の肥料を肥料繰出器11によって一定量づつ下方に繰り出し、その繰り出された肥料を、ブロア12から供給される圧力風によって施肥ホース13内を移送して、苗植付部7に設けた作溝具14の肥料吐出口から圃場に散布する周知の構成である。
【0013】
また、苗植付部7も、苗を載せて左右に往復動する苗載台15、該苗載台上の苗を圃場に植え付ける植付条数分の苗植付装置16,…、複数の整地用フロート17,…等を備え、フロート17,…が泥面に接地する位置まで苗植付部7を下降させて走行車体4を前進させることにより、フロート17,…が泥面を滑走して整地し、その整地跡に苗植付装置16,…が苗載台15の苗を植付けるとともに、前記作溝具14によって整地跡に形成される溝の中に肥料を散布する周知の構成である。
【0014】
図3は走行車体4の一部を省略した平面図である。機体の前部に配置したミッションケース20の左右側面部から左右側方に突出する前輪アクスルフレーム21,21の先端部に前輪ファイナルケース22,22が設けられ、その前輪ファイナルケースの下部から外向きに突出する前輪車軸2a,2aに前輪2,2が取り付けられている。また、ミッションケース20の背面部には左右一対のメインフレーム23,23の前端部が固着連結され、そのメインフレームの後端部に左右方向の横フレーム24が固着連結されている。そして、横フレーム24の左右中央部に軸心が前後方向を向く後輪ローリング軸25が固定状態で嵌合しており、その後輪ローリング軸にローリング自在に支持された後輪フレーム26の左右端部に後輪支持ケース27,27が設けられ、その後輪支持ケースから外向きに突出する後輪車軸3a,3aに後輪3,3が取り付けられている。
【0015】
動力源であるエンジン30はメインフレーム23,23の上に搭載されている。そのエンジン30の左側面から突出する第一エンジン出力軸30aに取り出される回転動力が、第一ベルト伝動装置31を介して油圧ポンプ32の駆動軸32aに伝達され、さらに油圧ポンプ駆動軸32aから第二ベルト伝動装置33を介してミッションケース20の前部左側面から突出するミッション入力軸34へ伝達される。また、エンジン30の右側面には第二エンジン出力軸30bが突出し、該出力軸から第三ベルト伝動装置35を介してエンジン30の上部に取り付けたオルタネータ36へ動力が伝達される。
【0016】
図4は走行車体の伝動機構図である。ミッションケース20内には、ミッション入力軸34を入力軸とするトロイダル型変速装置40が設けられている。トロイダル型変速装置40は、図5に示すように、ミッション入力軸34にスプライン嵌合する入力ディスク41A,41Bと、ミッション入力軸34に対し軸受42を介して回転自在なリング状出力部材43に一体に取り付けた出力ディスク44A,44Bとを備えている。入力ディスク41A(41B)及び出力ディスク44A(44B)の対向面は同一球面状になっている。入力ディスク41A(41B)と出力ディスク44A(44B)との間には、複数の球面摩擦車45A(45B)が設けられている。変速制御装置46により球面摩擦車45A(45B)の角度を変えることにより、該球面摩擦車と入力及び出力両ディスクとの接触点が変わり、入力ディスク41A(41B)から出力ディスク44A(44B)へ変速して回転動力が伝えられる。
【0017】
前記リング状出力部材43は爪車になっており、この爪車であるリング状出力部材43と変速第一軸50に取り付けた爪車51とにチェーン52が掛けられている。これにより、ミッション入力軸34の回転動力がトロイダル型変速装置40によって変速して変速第一軸50へ伝えられる。また、ミッション入力軸34に取り付けた歯車53と変速第二軸54に取り付けた歯車55とが噛み合い、ミッション入力軸34の回転動力が直接に変速第二軸54へ伝えられる。変速第一軸50及び変速第二軸54は筒軸で、両軸は左右方向の変速第三軸56の外周部に回転自在に嵌合している。
【0018】
変速第一軸50及び変速第二軸54の回転動力は、遊星歯車機構60により合成されて変速第三軸56へ伝達される。遊星歯車機構60は、第一変速軸50と一体回転する太陽歯車61と、変速第三軸56と一体回転する環状歯車62と、回動支点軸が変速第二軸54と一体回転し前記太陽歯車61及び環状歯車62の両方に噛み合う遊星歯車63,63とを組み合わせてなり、トロイダル型変速装置40の変速比を変更することにより、変速第三軸56の回転速度が無段階に変わるとともに、回転方向が正逆切り替わるように作用する。
【0019】
遊星歯車機構60はトロイダル型変速装置40の左右中心に対し左側に偏位した位置に配置されている。変速第三軸56の右端部から作業動力が取り出され、その作業動力がPTO伝動軸65を介して、走行車体2の右側後部に設けた伝動分岐ケース66へ伝動される。そして、この伝動分岐ケース66から、植付伝動軸67を介して苗植付部7へ伝動するとともに、施肥駆動機構68により施肥装置5へ伝動する。伝動分岐ケース内66には、苗植付部7への伝動の回転速度を変更して苗の株間を調節するための株間変速装置69と、苗植付部7への伝動を入・切する植付クラッチ70と、施肥装置5への伝動を入・切する施肥クラッチ71とが設けられている。なお、これら植付クラッチ70及び施肥クラッチ71は、正回方向の回転だけを伝えるワンウェイクラッチとして構成されている。
【0020】
また、変速第三軸56のトロイダル型変速装置40の左右中心に対し右側に偏位した位置には、変速第三軸56から走行動力を取り出すドッグクラッチ式変速装置72が設けられている。このドッグクラッチ式変速装置72は、変速第三軸56に摺動自在かつ一体回転するように嵌合するクラッチ体73の左右両側に、変速第三軸56に対して回転自在な作業速歯車74と走行速歯車75とが設けられている。作業速歯車74は、前輪デフ装置77のケースに取り付けた歯車78と噛み合っている。また、走行速歯車75は変速第三軸56と平行なカウンタ軸79の歯車80と噛み合い、カウンタ軸79のもう一つの歯車81が作業速歯車74と噛み合っている。
【0021】
ドッグクラッチ式変速装置72は次のように作動する。すなわち、クラッチ体73を左側に移動させてクラッチ体73の爪と作業速歯車74の爪とを噛み合わせると、作業速歯車74が変速第三軸56と同速回転する「作業速」となる。クラッチ体73を右側に移動させてクラッチ体73の爪と走行速歯車75の爪とを噛み合わせると、変速第三軸56の回転が歯車75と歯車80、及び歯車81と歯車74の組み合わせにより、2段階に減速して作業速歯車74に伝わる「路上走行速」になる。また、クラッチ体73を左右中央に保持して左右いずれの歯車74,75とも噛み合わないようにすると、走行動力が伝動されない「中立」になる。
【0022】
変速第三軸56からドッグクラッチ式変速装置72を介して取り出された走行動力は、前輪デフ装置77により左右の前輪アクスル83,83に分配して伝達される。前輪アクスル83,83の回転動力の一部は、前輪ファイナル軸84,84、前輪車軸2a,2aの順に伝達され、前輪2,2を駆動する。また、前輪アクスル83,83の残りの回転動力は、伝動入・切可能なサイドクラッチ装置85,85により後輪ファイナル軸86,86に伝達され、さらに後輪伝動軸87,87を介して後輪支持ケース27,27の後輪車軸3a,3aに伝達され、後輪3,3を駆動する。
【0023】
このように、この農作業機1の伝動機構は、トロイダル型変速装置40で変速した回転動力を、ドッグクラッチ式変速装置72を経由しない伝動経路で農作業部へ伝動するとともに、ドッグクラッチ式変速装置72を経由する伝動経路で走行部へ伝動するようになっているので、農作業部と走行部との速度比を変えることができ、作業条件の変更を自由に行える。また、ドッグクラッチ式変速装置72は走行動力を非伝動状態(「中立」)にすることが可能であるので、走行車体2を移動させずに農作業部5,7だけを伝動させることができ、株間等の調節が容易である。
【0024】
トロイダル型変速装置40の左右中心に対し左側に偏位した位置に遊星歯車機構60を配置するとともに、右側に偏位した位置にドッグクラッチ式変速装置72を配置することにより、変速部全体をコンパクトにすることが可能になっている。また、各変速軸50,54,56を左右方向に向けて設けることにより、変速部の前後長を短くすることが可能になっている。
【0025】
さらに、エンジン30からミッションケース20へはベルト伝動装置31,33で動力伝達するようになっているので、仮にトロイダル型変速装置40がロックしてしまったとしても、ベルト伝動装置31,33の伝動ベルトがスリップしてミッションケース20への動力伝達を遮断する。つまり、ベルト伝動装置31,33が安全装置として機能し、トロイダル型変速装置40の破損を防ぐようになっている。
【0026】
トロイダル型変速装置40を変速作動させる前記変速制御装置46は操向ハンドル90の右下に設けたフィンガレバー91で操作する。図6に示すように、フィンガレバー91を前後に操作すると車速が増減する。その時の車速は段階的にモニタランプ92に表示される。また、フィンガレバー91は旋回時に苗植付部の昇降及び植付クラッチの入・切をするための操作具でもあり、該レバーを上に操作すると苗植付部が上昇するとともに植付クラッチが「切」になり、下に操作すると苗植付部が下降するとともに植付クラッチが「入」になる。このフィンガレバー91を設けることにより、操向ハンドル90から手を離すことなく車速調節や旋回時操作を行えるので、運転がしやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】農作業機の側面図である。
【図2】農作業機の平面図である。
【図3】一部を省略した走行車体の平面図である。
【図4】伝動機構図である。
【図5】トロイダル型変速装置の展開断面図である。
【図6】操向ハンドル周辺部の平面図である。
【符号の説明】
1 乗用施肥田植機(農作業機)
2 前輪(走行部)
3 後輪(走行部)
4 走行車体
5 施肥装置(農作業部)
7 苗植付部(農作業部)
20 ミッションケース
30 エンジン(動力源)
40 トロイダル型変速装置
50 変速第一軸
54 変速第二軸
56 変速第三軸
60 遊星歯車機構
72 ドッグクラッチ式変速装置(別の変速装置)
77 前輪デフ装置

Claims (3)

  1. 動力源の回転動力がトロイダル型変速装置を介して伝達される第一軸と、動力源の回転動力が前記トロイダル型変速装置を介さずに伝達される第二軸と、これら第一軸及び第二軸の回転動力が遊星歯車機構により合成して伝達される第三軸とを設け、前記トロイダル型変速装置の変速比を変更することにより前記第三軸が正逆転可能になるように構成するとともに、該第三軸から左右の車輪のデフ装置へ伝動する構成としたことを特徴とする農作業機。
  2. 第一軸、第二軸及び第三軸を略同方向に向けて設け、トロイダル型変速装置に対して遊星歯車機構を前記軸方向に偏位させて配置するとともに、その偏位する側と反対側の第三軸上にトロイダル型変速装置とは別の変速装置を設けた請求項1に記載の農作業機。
  3. トロイダル型変速装置とは別の変速装置を経由する伝動経路と経由しない伝動経路とを設け、一方の伝動経路で農作業部を駆動し、他方の伝動経路で走行部を駆動するように構成した請求項2に記載の農作業機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104827894A (zh) * 2014-02-07 2015-08-12 本田技研工业株式会社 车辆用动力传递装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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