JP2004209882A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】適切な間隔で生成された信号に基づいて回転多面鏡の回転速度を目標速度に制御することにより、回転多面鏡の回転速度変動を可及的に抑制しつつ、かつ安定した回転を容易に得られるようにする。
【解決手段】主走査同期信号を回転多面鏡の鏡面数より少ない分周数で分周し、分周された主走査同期信号に対応する回転多面鏡の複数の鏡面毎に、該複数の鏡面が光の照射面となっているときの該回転多面鏡の目標回転周期を纏めて設定する。
【選択図】 図2
【解決手段】主走査同期信号を回転多面鏡の鏡面数より少ない分周数で分周し、分周された主走査同期信号に対応する回転多面鏡の複数の鏡面毎に、該複数の鏡面が光の照射面となっているときの該回転多面鏡の目標回転周期を纏めて設定する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転多面鏡を回転駆動させるモータ(ポリゴンモータ)の速度制御技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式を採用したレーザビームプリンタ等の画像形成装置において、回転多面鏡を回転させるモータ(以下、ポリゴンモータという)の回転速度を制御する方式として、回転多面鏡の各鏡面の基準位置(例えば、先頭位置)からのレーザ光の反射光に基づいて生成される主走査同期信号(以下、BD信号という)の周期を目標の周期に合わせるように、ポリゴンモータの回転速度を制御する方式が知られている。
【0003】
電子写真方式のプリンタの露光走査系は、図5に示したように構成されている。図5において、レーザユニット102は、入力された画像信号(VIDEO信号)101に基づいてレーザビームをドット単位でON/OFFする。レーザユニット102から発振されたレーザビーム103は、回転多面鏡(ポリゴンミラー)105に照射される。このポリゴンミラー105は、ポリゴンモータ104により回転駆動されて、レーザビームを偏向させる。
【0004】
結像レンズ106は、偏向されたレーザビーム107の焦点が感光ドラム108上に結ばれるように作用する。このレーザビーム107の照射により、感光ドラム108には画像信号101に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、図示省略した現像器によりトナー像として現像されて、記録紙に転写される。
【0005】
上記ポリゴンモータ104は、ポリゴンミラー105を毎分1万〜2万回転位の高速で回転させているが、このポリゴンミラー105の1つの鏡面でレーザビーム107が図5の左右方向に1回振られる間に、すなわち感光ドラム108が主走査方向にレーザビーム107で1ライン露光走査される間に、この感光ドラム108は、縦方向(副走査方向)に1ドット分だけ回転される。
【0006】
反射鏡120は、レーザビーム107による露光走査位置が主走査方向の先頭位置になったときに、当該反射鏡120にレーザビーム107が照射される位置に配備されており、この反射鏡120で反射されたレーザビーム107は、光電変換素子109に入射される。光電変換素子109は、入射されたレーザビーム107を光電変換し、電気的な主走査同期信号(以下、BD信号という)として出力する。
【0007】
このBD信号は、ケーブル110を介して、ポリゴンモータ104の回転制御等の各種の制御を行う制御回路111に伝送される。なお、上記の説明から推測できるように、BD信号は、ポリゴンミラー105の鏡面毎に1パルスづつ生成されることになる。本従来例では、6面のポリゴンミラー105を使用しているので、1回転当たり6個のBD信号が生成されることになる。
【0008】
次に、従来のポリゴンモータ104の速度制御方法について説明する(特許公開公報等の文献をご教示ください)。図6は、図5に示した制御回路111の回路ブロック図であり、ポリゴンモータ104等を模式的に書き加えている。また、BD信号検出用の反射鏡120等は省略している。
【0009】
図6に示したように、主走査同期信号であるBD信号は、分周回路11に入力される。分周回路11では、BD信号をポリゴンミラー105の鏡面数に等しい値で分周する。ここでは、6面のポリゴンミラー105を使用しているので、BD信号を6分周することになる。そして、分周回路11で分周されたBD信号(BD/6信号)の周期をもとにして、ポリゴンモータ104の速度制御を行うことになる。
【0010】
次に、BD信号を分周する理由について説明する。ポリゴンミラー105の各鏡面は、全て等しくできてはおらず、鏡面の長さのバラツキ等、面精度等にバラツキがある。従って、ポリゴンモータ104の回転が安定している場合でも、実際のBD信号の周期はばらついている。
【0011】
その様子を図7に示す。ポリゴンミラー105の鏡面が6面であるとすると、図7に示したように、これら鏡面で生成される各BD信号の周期はT1,T2,T3,T4,T5,T6となり、以降、これら周期の各BD信号がサイクリックに生成されることになる。
【0012】
この場合、たとえポリゴンモータ104が目標速度で回転していても、図7のように各BD信号の周期T1〜T6がばらついていれば、これらBD信号に基づいてポリゴンモータ104を制御した場合に適正に制御できなくなってしまう。
【0013】
一方、BD信号を6分周してBD/6信号を生成すると、図7の下の波形のように、ポリゴンモータ104の1回転で1パルスのBD信号(BD/6信号)に整形される。この場合、ポリゴンモータ104の回転速度が目標速度で安定していれば、BD/6信号は、ポリゴンミラー105の各鏡面間の面精度のばらつきの影響を受けずに、その周期が常に一定(Tround)になる。
【0014】
換言すれば、このBD/6信号によって、ポリゴンミラー105の各鏡面間の面精度のばらつきの影響を受けずに、ポリゴンモータ104の回転周期を正確に測定することが可能になる。以上説明した理由により、BD信号をポリゴンミラーの鏡面数に等しい値で分周し、その分周に係るBD信号をポリゴンモータ104の速度検出用の基準信号として使用している。
【0015】
分周回路11で分周されたBD信号(BD/6信号)は、カウンタ12に入力される。カウンタ12は、図示しないクロックを計数するアップカウンタであり、BD/6信号が入力される毎にそのカウント値をクリアすることにより、BD/6信号の周期、すなわちポリゴンモータ104の回転周期を計測するように構成されている。
【0016】
比較器13は、カウンタ12のカウント値(BDprd信号)と目標速度(Vtgt)とを比較し、その比較結果に応じてポリゴンモータ104の加速/減速を指示する制御信号を生成する。なお、目標速度Vtgtとしては、BD/6信号に対応する目標速度が設定されている。
【0017】
図8は、比較器13の出力信号である加速指示信号(ACC信号)、減速指示信号(DEC信号)の機能を示している。
【0018】
これらACC信号、DEC信号は、共にハイアクティブの信号であり、図5に示したように、ACC信号だけが「High」のときは加速指示、DEC信号だけが「High」のときは減速指示、ACC信号とDEC信号が共に同レベルのときは速度保持を指示することを意味している。
【0019】
次に、比較器13の動作例を図9,10のタイミングチャートに基づいて説明する。なお、図9,10の例では、目標速度(Vtgt)を「80」としており、図9,10は、それぞれ、ポリゴンモータ104の速度が目標速度よりも遅い場合、速い場合を示している。
【0020】
まず、ポリゴンモータ104の速度が目標速度よりも遅い場合について説明する。図9に示したように、BD/6信号の立下りエッジが入力されると、カウンタ12のカウント値(BDprd)が「0」にクリアされる。その後、カウンタ12は、図示しないクロックに同期して1,2,3,…とカウントアップしていくが、カウント値がVtgtとして設定されている値「80」を超えると、比較器13は、BD/6信号の次の立下りエッジが入力されるまで、「High」レベルのACC信号を出力する。
【0021】
この場合、ポリゴンモータ104の速度が目標速度に対して遅くなるほどBD/6信号の周期は長くなるので、ACC信号は、ポリゴンモータ104の速度が遅くなるほど「High」レベルの幅が長くなることになる。
【0022】
次に、ポリゴンモータ104の速度が目標速度よりも速い場合について説明する。図10に示したように、2個目のBD/6信号の立下りエッジが入力された時のカウント値が「77」であったとすると、比較器13は、目標速度である「80」に対して足りない分の幅だけ「High」レベルのDEC信号を出力する。
【0023】
この場合、ポリゴンモータ104の速度が速くなるほどBD/6信号の周期は短くなるので、DEC信号は、ポリゴンモータ104の速度が目標速度に対して速くなるほど「High」レベルの幅が長くなることになる。
【0024】
ポリゴンモータ104の速度が目標速度に等しい場合、すなわち、BD/6信号の周期=Vtgtの場合は、ACC信号、DEC信号ともに「Low」レベルのままとなる。
【0025】
比較器13で生成されたACC信号とDEC信号は、モータ駆動部14に入力される。モータ駆動部14は、定電流源19,20、スイッチング素子16,17、チャージポンプコンデンサ15、増幅器16により構成されている。
【0026】
定電流源19,20とスイッチング素子16,17は、コンデンサ15の充放電回路を形成している。DEC信号が「High」になるとスイッチング素子16がオンし、電流源19を介してチャージポンプコンデンサ15が充電される。また、ACC信号が「High」になると、スイッチング素子17がオンし、電流源20を介してチャージポンプコンデンサ15が放電される。
【0027】
従って、チャージポンプコンデンサ15の電圧は、ACC信号、DEC信号の「High」レベルの幅に比例して増減する。この電圧を次段の増幅器18を介してモータドライバ21に伝送する。モータドライバ21では、この電圧に比例した電流をポリゴンモータ104に供給して回転させる。
【0028】
ポリゴンモータ104の回転速度が目標速度よりも遅い場合、ACC信号が「High」になるのでチャージポンプコンデンサ15の電圧が高くなり、ポリゴンモータ104は加速される。逆に、ポリゴンモータ104の回転速度が目標速度よりも速い場合は、DEC信号が「High」になるのでチャージポンプコンデンサ15の電圧が低下し、ポリゴンモータ104は減速される。
【0029】
また、ACC信号,DEC信号が共に「Low」の場合は、スイッチング素子16,17が共にオフとなっているので、チャージポンプコンデンサ15の電圧は変化せず、速度を保持するモードとして動作する。このようにして、ポリゴンモータ104の回転速度は、最終的には目標速度で安定する。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例では、ポリゴンモータ104の回転速度変動を検出する間隔が、6個のBD信号に相当する長い間隔になるため、回転速度変動が大きくなってしまう可能性があった。
【0031】
また、ACC信号、DEC信号を生成する間隔が長くなってしまうので、ポリゴンモータ104を安定して回転制御するためのモータ駆動部14のチューニングが難しい、具体的には、チャージポンプコンデンサ15の電圧安定性の確保や、1回の加速/減速指示に対する加速量/減速量の調整等が難しいという問題があった。
【0032】
これら問題を解決するために、BD信号をポリゴンミラー105の面数で分周せずにBD信号毎に速度を検知し、その検知速度に基づいて加速・減速信号を生成する方法が考えられる。この場合、上述したポリゴンミラー105の面精度のばらつきがポリゴンモータ104の速度制御に影響を与えないように、ポリゴンミラー105のレーザ照射面が切替わる毎に、ポリゴンミラー105の各面の長さに応じた目標速度を設定していくようにする。
【0033】
しかし、BD信号の周期が短い場合は、加速・減速信号の発生間隔が短くなりすぎてしまい、ポリゴンモータ104(すなわち、ポリゴンミラー105)の速度制御応答が間に合わず、速度制御が不安定になってしまう虞がある。
【0034】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、適切な間隔で生成された信号に基づいて回転多面鏡の回転速度を目標速度に制御することにより、回転多面鏡の回転速度変動を可及的に抑制しつつ、かつ安定した回転を容易に得ることのできる画像形成装置を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、露光用の光の進行方向を回転多面鏡により偏向させながら感光体を露光走査する露光走査部を有する画像形成装置において、前記露光走査部は、前記回転多面鏡の各鏡面の所定位置からの反射光に基づいて主走査同期信号を生成する生成手段と、前記生成手段により生成された主走査同期信号を前記回転多面鏡の鏡面数より少ない分周数で分周する分周手段と、前記分周手段により分周された主走査同期信号を用いて前記回転多面鏡の回転速度を制御する制御手段とを有している。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0037】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態を適用したポリゴンモータの駆動制御等、各種の制御を行う制御回路のブロック図であり、本制御回路111は、電子写真方式のプリンタに搭載されたものである。
【0038】
なお、図1では、制御対象のポリゴンモータ等を模式的に書き加え、BD信号検出用の反射鏡120(図5参照)等は省略している。また、電子写真方式の露光走査系、及びモータ駆動部14の構成は、図6に示した従来例と全く同様なので、ここでは、その説明を省略する。また、ポリゴンミラー105の面数を6面としている。
【0039】
図1において、基準面検出信号は、ポリゴンミラー105の特定の鏡面がレーザ光の照射面になっている期間中に「High」レベルのパルスとなる信号であり、本実施形態では、6面ある鏡面の中から特定の1つの鏡面を基準面として検出するのに使用している。
【0040】
11は分周回路であり、予め設定された分周比(分周数)nに応じてBD信号を分周し、BD/n信号として出力する。本実施形態では分周比nを「2」とし、BD信号を2分周したBD/2信号を基準としてポリゴンモータ104の回転制御を行う。
【0041】
1はカウンタであり、BD/n信号(ここではBD/2信号)の立下りエッジが入力される度にクリアされ、その後0,1,2,…とアップカウントを繰り返す。従って、カウント動作の周期はBD/n信号(BD/2信号)の間隔に等しくなる。
【0042】
2は目標値切替部であり、必要な数だけ設定されている目標値、すなわちポリゴンモータ104の目標回転周期(実質的にはポリゴンミラー105の目標回転速度)の中からBD/2信号が入力される度に1つを選択し、目標周期信号Ttgtとして出力する。この目標周期信号Ttgtは、後段でBD信号の目標値として使用される。
【0043】
ここで、目標周期信号Ttgtの決め方について説明する。
【0044】
ポリゴンミラー105の各鏡面に対するポリゴンモータ104の目標周期信号Ttgtは、以下のようにして計算される。すなわち、ポリゴンミラー105の各鏡面の長さは、基準面の長さがL1、2〜6面目の長さがそれぞれL2,L3,L4,L5,L6であり、各鏡面の長さの合計がLAであり、ポリゴンモータ104の1回転の目標周期がPolyPrdであるとすると、目標周期信号Ttgtは、
Ttgt1=((L1+L2)/LA)×PolyPrd
(基準面と2面目がレーザ照射面となっているときの目標周期)
Ttgt2=((L3+L4)/LA)×PolyPrd
(3面目と4面目がレーザ照射面となっているときの目標周期)
Ttgt3=((L5+L6)/LA)×PolyPrd
(5面目と6面目がレーザ照射面となっているときの目標周期)
として算出される。
【0045】
すなわち、BD信号を分周しない場合は6種類の目標周期が必要となるが、本実施形態では、6面のポリゴンミラー105に対してBD信号を2分周して速度制御を行うので、設定すべき目標周期の数は6/2=3種類となる。なお、6面のポリゴンミラーに対してBD信号を3分周して速度制御を行う場合には、設定すべき目標周期の数は6/3=2種類となることは、言うまでもない。
【0046】
3は比較器であり、カウンタ1のカウント値(BDprd信号)と目標値切替部2からの目標周期(Ttgt1〜3)とを比較し、その比較結果に応じてポリゴンモータ104の加速/減速を指示する制御信号を生成する。この比較器3からの加速/減速指示信号と、その指示信号に基づくモータ駆動部4の動作については、従来例で説明したのと同様なので、ここでは、その説明を省略する。
【0047】
次に、ポリゴンモータ104の速度制御を、図2のタイムチャートに基づいて説明する。
【0048】
ポリゴンモータ104が回転中に基準面検出信号が入力されると、分周回路11でBD信号の分周の同期が取られる。本実施形態では2分周のモードに設定されているので、分周回路11の出力(BD/2信号)は図2のようになる。
【0049】
目標値切替部2は、基準面検出信号が検出された次のBD/2信号が入力された時点で目標周期信号Ttgt1を出力し、これがBD/2信号の目標周期となる。ここで、目標周期信号Ttgt1は、実質的に基準面と2面目で生成されるBD信号の目標周期を加算したものになっている。換言すれば、目標周期信号Ttgt1は、実質的に、分周信号に対応する基準面と2面目の各鏡面に係る各目標速度の平均値となっている。
【0050】
その後、BD/2信号が入力される毎に、目標値切替部2の出力は、Ttgt2、Ttgt3、Ttgt1、…とサイクリックに切替えられていく。
【0051】
上記の目標周期切替制御(目標速度切替制御)は、次のような意義がある。すなわち、ポリゴンモータ104の速度が目標速度に達した場合でも、ポリゴンミラー105の各鏡面間で面精度にばらつきがあるため、図2に示したように、各鏡面に対応するBD信号の周期T1〜T6はばらつく。
【0052】
しかし、第1の実施形態では、上記のように、ポリゴンミラー105の各鏡面に対応するポリゴンモータ104の目標周期(目標速度)を、BD/2信号が入力される毎に、そのBD/2信号に対応する2つの鏡面の長さの加算値に対応した値(Vtgt1〜3)に切替えることにより、各鏡面の長さのばらつきを吸収する形でポリゴンモータ104の目標周期(目標速度)を設定している。
【0053】
換言すれば、第1の実施形態では、ポリゴンミラーの鏡面数を或る分周数で除算した値が整数値となるような分周数で分周し、その分周に係るBD信号に対応するポリゴンミラーの複数の鏡面毎に、該複数の鏡面が露光用の光の照射面となっているときのポリゴンミラーの目標回転周期を纏めて設定している。
【0054】
従って、BD信号の周期が短い場合でも加速・減速信号の発生間隔が短くなりすぎてしまい、ポリゴンモータ104の加減速応答が間に合わず制御が不安定になるのを防止することが可能となる。換言すれば、高速に画像を形成すべくポリゴンモータ104の定常回転速度をアップした場合でも、ポリゴンモータ104を所望の回転速度に安定して制御することが可能となる。
【0055】
なお、カウンタ1、目標値切替部2、比較器3、モータ駆動部14等は、CPU111aにより統御されるものであり、CPU111aは、ROM111bにプリセットされた制御プログラムに基づいて、上記のモータ制御等の各種の処理を統御する。この際、CPU111aは、RAM111cをワークエリア等として利用する。
【0056】
[第2の実施の形態]
図3は、第2の実施形態に係る制御回路のブロック図である。
【0057】
105aはポリゴンミラーであり、本実施形態では5面としている。従って、1回転当たりBD信号は5回発生することになる。
【0058】
11は分周回路であり、設定された分周数に応じてBD信号を分周する回路である。分周を開始するタイミングは、「開始信号」が入力された次の「基準面検出信号」に続いてBD信号が入力されたタイミングとなっており、分周したBD信号をBD/n信号として出力する。本実施形態では、分周数を「2」に設定してBD信号を2分周している。
【0059】
1はカウンタであり、BD/2信号の立下りエッジが入力される度にクリアされ、その後0,1,2,…とアップカウントを繰り返す。従って、カウント動作の周期はBD/2信号の間隔に等しくなる。
【0060】
2aは目標値切替部であり、BD/2信号が入力される毎に、ポリゴンミラー105aの鏡面数分だけ設定されている目標周期の中から分周数に応じた数だけ選択し、それらの加算結果を目標周期信号Ttgtとして出力する。この目標周期信号Ttgtは、BD/2信号の目標周期として使用される。本実施形態では、分周数を「2」としているので、各鏡面に対応する5種類の目標周期の中から2種類の目標周期を選択してそれらを加算し、目標周期信号Ttgtとする。
【0061】
ここで、目標周期信号Ttgtの具体的な決め方について説明する。
【0062】
例えば、予め測定されているポリゴンミラー105aの各鏡面の長さは、基準面がL1、2〜5面目がそれぞれL2、L3、L4、L5、各鏡面の長さの合計がLAであるものとする。この場合、ポリゴンミラー105a(ポリゴンモータ104)の1回転の目標周期をPolyPrdとすると、各鏡面に対応する目標周期は以下のように計算する。
【0063】
Ttgt1=(L1/LA)*PolyPrd
(基準面がレーザ照射面となっているときの目標周期)
Ttgt2=(L2/LA)*PolyPrd
(2面目がレーザ照射面となっているときの目標周期)
Ttgt3=(L3/LA)*PolyPrd
(3面目がレーザ照射面となっているときの目標周期)
Ttgt4=(L4/LA)*PolyPrd
(4面目がレーザ照射面となっているときの目標周期)
Ttgt5=(L5/LA)*PolyPrd
(5面目がレーザ照射面となっているときの目標周期)
そして、BD/2信号の目標周期は、例えば、BD/2信号が入力されたときに、レーザ照射面が2面目であるとすると、2面目の目標周期Ttgt2と3面目の目標周期Ttgt3とを加算して
Ttgt=Ttgt2+Ttgt3とする。
【0064】
3は比較器であり、カウンタ1のカウント値(BDprd信号)と目標値切替部2からの目標周期(Ttgt1〜3)とを比較し、その比較結果に応じてポリゴンモータ104の加速/減速を指示する制御信号を生成する。この比較器3からの加速/減速指示信号と、その指示信号に基づくモータ駆動部4の動作については、従来例で説明したのと同様なので、ここでは、その説明を省略する。
【0065】
次に、ポリゴンモータ104の速度制御を、図4のタイムチャートに基づいて説明する。
【0066】
「開始信号」が設定されると(Taのタイミング)、その次の「基準面検出信号」(Tbのタイミング)に続いてBD信号が入力されたタイミングで(Tcのタイミング)、分周回路11によるBD信号の分周動作が開始される。本実施形態では分周数を「2」としているので、BD信号入力が2回入力される毎にBD/2信号が1回出力される。なお、1回目のBD/2信号(図9中の符号▲1▼)は、ポリゴンミラー105aの基準面で生成されたBD信号と同じタイミングで発生する。
【0067】
目標値切替部2aは、「開始信号」の次のBD/2n信号が入力されると、目標周期信号Ttgtとして、「Ttgt1+Ttgt2」を出力する。このように、1回目のBD/2信号(▲1▼)の目標周期は、基準面で生成されるBD信号の目標周期Ttgt1と2面目で生成されるBD信号の目標周期Ttgt2との和として出力される。そして、比較器3は、入力されたBD/2信号の周期と、目標値切替部2aからの加算に係る目標周期信号Ttgtとを比較することによって、ポリゴンモータ104の回転制御を行う。
【0068】
同様にして目標周期信号Ttgtは,以下のように生成される。
【0069】
BD/2が▲2▼のとき Ttgt=Ttgt3+Ttgt4
BD/2が▲3▼のとき Ttgt=Ttgt5+Ttgt1
BD/2が▲4▼のとき Ttgt=Ttgt2+Ttgt3
BD/2が▲5▼のとき Ttgt=Ttgt4+Ttgt5
すなわち、第2の実施形態では、ポリゴンミラーの鏡面数を或る分周数で除算した値が整数値とならないような分周数で分周した場合でも、第1の実施形態と同様に、その分周に係るBD信号に対応するポリゴンミラーの複数の鏡面毎に、該複数の鏡面が露光用の光の照射面となっているときのポリゴンミラーの目標回転周期を纏めて設定することにより、BD信号の周期が短い場合でも加速・減速信号の発生間隔が短くなりすぎてしまい、ポリゴンモータ104の加減速応答が間に合わず制御が不安定になるのを防止するようにしている。
【0070】
カウンタ1、目標値切替部2、比較器3、モータ駆動部14等は、CPU111aにより統御されるものであり、CPU111aは、ROM111bにプリセットされた制御プログラムに基づいて、上記のモータ制御等の各種の処理を統御する。この際、CPU111aは、RAM111cをワークエリア等として利用する。
【0071】
なお、本発明の目的は、上記実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0072】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0073】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したプログラムコードが格納されることになる。
【0074】
本発明は、露光用の光の進行方向を回転多面鏡により偏向させながら感光体を露光走査する露光走査部を有する画像形成装置において、前記露光走査部は、前記回転多面鏡の各鏡面の所定位置からの反射光に基づいて主走査同期信号を生成する生成手段と、前記生成手段により生成された主走査同期信号を前記回転多面鏡の鏡面数より少ない分周数で分周する分周手段と、前記分周手段により分周された主走査同期信号を用いて前記回転多面鏡の回転速度を制御する制御手段とを有することを基本構成とするものであるが、その実施形態としては、以下のようなものが考えられる。
【0075】
[実施形態1] 前記分周手段は、前記回転多面鏡の鏡面数を前記分周数で除算した値が整数値となるような分周数で分周することを特徴とする基本構成に係る画像形成装置。
【0076】
[実施形態2] 前記分周手段は、前記回転多面鏡の鏡面数を前記分周数で除算した値が整数値とならないような分周数で分周することを特徴とする基本構成に係る画像形成装置。
【0077】
[実施形態3] 前記分周手段は、前記生成手段により生成された主走査同期信号を任意に設定された分周数に基づいて分周することを特徴とする基本構成、実施形態1、2の何れかに係る画像形成装置。
【0078】
[実施形態4] 前記制御手段は、前記分周手段により分周された主走査同期信号に対応する前記回転多面鏡の複数の鏡面毎に、該複数の鏡面が前記露光用の光の照射面となっているときの該回転多面鏡の目標回転周期を纏めて設定する設定手段を有することを特徴とする基本構成、実施形態1〜3の何れかに係る画像形成装置。
【0079】
[実施形態5] 前記設定手段は、前記分周手段により分周された主走査同期信号に対応する前記回転多面鏡の複数の鏡面の長さの加算値、該回転多面鏡の全ての鏡面の長さの合計値、及び該回転多面鏡の1回転の目標回転周期に基づいて、該複数の鏡面が前記露光用の光の照射面となっているときの該回転多面鏡の目標回転周期を纏めて設定することを特徴とする実施形態4に係る画像形成装置。
【0080】
[実施形態6] 前記制御手段は、前記分周手段により分周された主走査同期信号の周期を測定する測定手段と、前記設定手段により設定された目標回転周期と該測定手段により測定された分周に係る主走査同期信号の周期とを比較する比較手段を有し、該比較手段による比較結果に基づいて前記回転多面鏡の回転速度を制御することを特徴とする基本構成、実施形態1〜5の何れかに係る画像形成装置。
【0081】
[実施形態7] 露光用の光の進行方向を回転多面鏡により偏向させながら感光体を露光走査する露光走査部を有する画像形成装置の制御方法において、
前記露光走査部は、前記回転多面鏡の各鏡面の所定位置からの反射光に基づいて主走査同期信号を生成する生成工程と、
前記生成工程により生成された主走査同期信号を前記回転多面鏡の鏡面数より少ない分周数で分周する分周工程と、
前記分周工程により分周された主走査同期信号を用いて前記回転多面鏡の回転速度を制御する制御工程と、
を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【0082】
[実施形態8] 前記分周工程は、前記回転多面鏡の鏡面数を前記分周数で除算した値が整数値となるような分周数で分周することを特徴とする実施形態7に係る画像形成装置の制御方法。
【0083】
[実施形態9] 前記分周工程は、前記回転多面鏡の鏡面数を前記分周数で除算した値が整数値とならないような分周数で分周することを特徴とする実施形態7に係る画像形成装置の制御方法。
【0084】
[実施形態10] 前記分周工程は、前記生成工程により生成された主走査同期信号を任意に設定された分周数に基づいて分周することを特徴とする実施形態7〜9の何れかに係る画像形成装置の制御方法。
【0085】
[実施形態11] 前記制御工程は、前記分周工程により分周された主走査同期信号に対応する前記回転多面鏡の複数の鏡面毎に、該複数の鏡面が前記露光用の光の照射面となっているときの該回転多面鏡の目標回転周期を纏めて設定する設定工程を有することを特徴とする実施形態7〜10の何れかに係る画像形成装置の制御方法。
【0086】
[実施形態12] 前記設定工程は、前記分周工程により分周された主走査同期信号に対応する前記回転多面鏡の複数の鏡面の長さの加算値、該回転多面鏡の全ての鏡面の長さの合計値、及び該回転多面鏡の1回転の目標回転周期に基づいて、該複数の鏡面が前記露光用の光の照射面となっているときの該回転多面鏡の目標回転周期を纏めて設定することを特徴とする実施形態11に係る画像形成装置の制御方法。
【0087】
[実施形態13] 前記制御工程は、前記分周工程により分周された主走査同期信号の周期を測定する測定工程と、前記設定工程により設定された目標回転周期と該測定工程により測定された分周に係る主走査同期信号の周期とを比較する比較工程を有し、該比較工程による比較結果に基づいて前記回転多面鏡の回転速度を制御することを特徴とする基本構成、実施形態7〜12の何れかに係る画像形成装置の制御方法。
【0088】
[実施形態14] 露光用の光の進行方向を回転多面鏡により偏向させながら感光体を露光走査する露光走査部を有する画像形成装置により実行される制御プログラムであって、
前記回転多面鏡の各鏡面の所定位置からの反射光に基づいて主走査同期信号を生成し、生成された主走査同期信号を前記回転多面鏡の鏡面数より少ない分周数で分周し、分周された主走査同期信号を用いて前記回転多面鏡の回転速度を制御する内容を有することを特徴とする制御プログラム。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、適切な間隔で生成された信号に基づいて回転多面鏡の回転速度を目標速度に制御することにより、回転多面鏡の回転速度変動を可及的に抑制しつつ、かつ安定した回転を容易に得ることのできる画像形成装置を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態におけるポリゴンモータの制御回路を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態におけるポリゴンモータの制御動作を示すタイムチャートである。
【図3】第2の実施形態におけるポリゴンモータの制御回路を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態におけるポリゴンモータの制御動作を示すタイムチャートである。
【図5】電子写真方式の画像形成装置における一般的な露光走査系の構成を示す構成図である。
【図6】従来のポリゴンモータの制御回路を示すブロック図である。
【図7】従来のポリゴンモータの制御動作を示すタイムチャートである。
【図8】本発明の実施形態、及び従来例におけるポリゴンモータに対する回転速度制御信号を示す図である。
【図9】ポリゴンモータの回転速度が目標速度より遅い場合の回転速度制御を説明するためのタイムチャートである。
【図10】ポリゴンモータの回転速度が目標速度より速い場合の回転速度制御を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
1:カウンタ
2,2a:目標値切替部
3:比較器
14:モータ駆動部
104:ポリゴンモータ
102:レーザユニット
105,105a:ポリゴンミラー
108:感光ドラム
111:制御回路
111a:CPU
111b:ROM
111c:RAM
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転多面鏡を回転駆動させるモータ(ポリゴンモータ)の速度制御技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式を採用したレーザビームプリンタ等の画像形成装置において、回転多面鏡を回転させるモータ(以下、ポリゴンモータという)の回転速度を制御する方式として、回転多面鏡の各鏡面の基準位置(例えば、先頭位置)からのレーザ光の反射光に基づいて生成される主走査同期信号(以下、BD信号という)の周期を目標の周期に合わせるように、ポリゴンモータの回転速度を制御する方式が知られている。
【0003】
電子写真方式のプリンタの露光走査系は、図5に示したように構成されている。図5において、レーザユニット102は、入力された画像信号(VIDEO信号)101に基づいてレーザビームをドット単位でON/OFFする。レーザユニット102から発振されたレーザビーム103は、回転多面鏡(ポリゴンミラー)105に照射される。このポリゴンミラー105は、ポリゴンモータ104により回転駆動されて、レーザビームを偏向させる。
【0004】
結像レンズ106は、偏向されたレーザビーム107の焦点が感光ドラム108上に結ばれるように作用する。このレーザビーム107の照射により、感光ドラム108には画像信号101に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、図示省略した現像器によりトナー像として現像されて、記録紙に転写される。
【0005】
上記ポリゴンモータ104は、ポリゴンミラー105を毎分1万〜2万回転位の高速で回転させているが、このポリゴンミラー105の1つの鏡面でレーザビーム107が図5の左右方向に1回振られる間に、すなわち感光ドラム108が主走査方向にレーザビーム107で1ライン露光走査される間に、この感光ドラム108は、縦方向(副走査方向)に1ドット分だけ回転される。
【0006】
反射鏡120は、レーザビーム107による露光走査位置が主走査方向の先頭位置になったときに、当該反射鏡120にレーザビーム107が照射される位置に配備されており、この反射鏡120で反射されたレーザビーム107は、光電変換素子109に入射される。光電変換素子109は、入射されたレーザビーム107を光電変換し、電気的な主走査同期信号(以下、BD信号という)として出力する。
【0007】
このBD信号は、ケーブル110を介して、ポリゴンモータ104の回転制御等の各種の制御を行う制御回路111に伝送される。なお、上記の説明から推測できるように、BD信号は、ポリゴンミラー105の鏡面毎に1パルスづつ生成されることになる。本従来例では、6面のポリゴンミラー105を使用しているので、1回転当たり6個のBD信号が生成されることになる。
【0008】
次に、従来のポリゴンモータ104の速度制御方法について説明する(特許公開公報等の文献をご教示ください)。図6は、図5に示した制御回路111の回路ブロック図であり、ポリゴンモータ104等を模式的に書き加えている。また、BD信号検出用の反射鏡120等は省略している。
【0009】
図6に示したように、主走査同期信号であるBD信号は、分周回路11に入力される。分周回路11では、BD信号をポリゴンミラー105の鏡面数に等しい値で分周する。ここでは、6面のポリゴンミラー105を使用しているので、BD信号を6分周することになる。そして、分周回路11で分周されたBD信号(BD/6信号)の周期をもとにして、ポリゴンモータ104の速度制御を行うことになる。
【0010】
次に、BD信号を分周する理由について説明する。ポリゴンミラー105の各鏡面は、全て等しくできてはおらず、鏡面の長さのバラツキ等、面精度等にバラツキがある。従って、ポリゴンモータ104の回転が安定している場合でも、実際のBD信号の周期はばらついている。
【0011】
その様子を図7に示す。ポリゴンミラー105の鏡面が6面であるとすると、図7に示したように、これら鏡面で生成される各BD信号の周期はT1,T2,T3,T4,T5,T6となり、以降、これら周期の各BD信号がサイクリックに生成されることになる。
【0012】
この場合、たとえポリゴンモータ104が目標速度で回転していても、図7のように各BD信号の周期T1〜T6がばらついていれば、これらBD信号に基づいてポリゴンモータ104を制御した場合に適正に制御できなくなってしまう。
【0013】
一方、BD信号を6分周してBD/6信号を生成すると、図7の下の波形のように、ポリゴンモータ104の1回転で1パルスのBD信号(BD/6信号)に整形される。この場合、ポリゴンモータ104の回転速度が目標速度で安定していれば、BD/6信号は、ポリゴンミラー105の各鏡面間の面精度のばらつきの影響を受けずに、その周期が常に一定(Tround)になる。
【0014】
換言すれば、このBD/6信号によって、ポリゴンミラー105の各鏡面間の面精度のばらつきの影響を受けずに、ポリゴンモータ104の回転周期を正確に測定することが可能になる。以上説明した理由により、BD信号をポリゴンミラーの鏡面数に等しい値で分周し、その分周に係るBD信号をポリゴンモータ104の速度検出用の基準信号として使用している。
【0015】
分周回路11で分周されたBD信号(BD/6信号)は、カウンタ12に入力される。カウンタ12は、図示しないクロックを計数するアップカウンタであり、BD/6信号が入力される毎にそのカウント値をクリアすることにより、BD/6信号の周期、すなわちポリゴンモータ104の回転周期を計測するように構成されている。
【0016】
比較器13は、カウンタ12のカウント値(BDprd信号)と目標速度(Vtgt)とを比較し、その比較結果に応じてポリゴンモータ104の加速/減速を指示する制御信号を生成する。なお、目標速度Vtgtとしては、BD/6信号に対応する目標速度が設定されている。
【0017】
図8は、比較器13の出力信号である加速指示信号(ACC信号)、減速指示信号(DEC信号)の機能を示している。
【0018】
これらACC信号、DEC信号は、共にハイアクティブの信号であり、図5に示したように、ACC信号だけが「High」のときは加速指示、DEC信号だけが「High」のときは減速指示、ACC信号とDEC信号が共に同レベルのときは速度保持を指示することを意味している。
【0019】
次に、比較器13の動作例を図9,10のタイミングチャートに基づいて説明する。なお、図9,10の例では、目標速度(Vtgt)を「80」としており、図9,10は、それぞれ、ポリゴンモータ104の速度が目標速度よりも遅い場合、速い場合を示している。
【0020】
まず、ポリゴンモータ104の速度が目標速度よりも遅い場合について説明する。図9に示したように、BD/6信号の立下りエッジが入力されると、カウンタ12のカウント値(BDprd)が「0」にクリアされる。その後、カウンタ12は、図示しないクロックに同期して1,2,3,…とカウントアップしていくが、カウント値がVtgtとして設定されている値「80」を超えると、比較器13は、BD/6信号の次の立下りエッジが入力されるまで、「High」レベルのACC信号を出力する。
【0021】
この場合、ポリゴンモータ104の速度が目標速度に対して遅くなるほどBD/6信号の周期は長くなるので、ACC信号は、ポリゴンモータ104の速度が遅くなるほど「High」レベルの幅が長くなることになる。
【0022】
次に、ポリゴンモータ104の速度が目標速度よりも速い場合について説明する。図10に示したように、2個目のBD/6信号の立下りエッジが入力された時のカウント値が「77」であったとすると、比較器13は、目標速度である「80」に対して足りない分の幅だけ「High」レベルのDEC信号を出力する。
【0023】
この場合、ポリゴンモータ104の速度が速くなるほどBD/6信号の周期は短くなるので、DEC信号は、ポリゴンモータ104の速度が目標速度に対して速くなるほど「High」レベルの幅が長くなることになる。
【0024】
ポリゴンモータ104の速度が目標速度に等しい場合、すなわち、BD/6信号の周期=Vtgtの場合は、ACC信号、DEC信号ともに「Low」レベルのままとなる。
【0025】
比較器13で生成されたACC信号とDEC信号は、モータ駆動部14に入力される。モータ駆動部14は、定電流源19,20、スイッチング素子16,17、チャージポンプコンデンサ15、増幅器16により構成されている。
【0026】
定電流源19,20とスイッチング素子16,17は、コンデンサ15の充放電回路を形成している。DEC信号が「High」になるとスイッチング素子16がオンし、電流源19を介してチャージポンプコンデンサ15が充電される。また、ACC信号が「High」になると、スイッチング素子17がオンし、電流源20を介してチャージポンプコンデンサ15が放電される。
【0027】
従って、チャージポンプコンデンサ15の電圧は、ACC信号、DEC信号の「High」レベルの幅に比例して増減する。この電圧を次段の増幅器18を介してモータドライバ21に伝送する。モータドライバ21では、この電圧に比例した電流をポリゴンモータ104に供給して回転させる。
【0028】
ポリゴンモータ104の回転速度が目標速度よりも遅い場合、ACC信号が「High」になるのでチャージポンプコンデンサ15の電圧が高くなり、ポリゴンモータ104は加速される。逆に、ポリゴンモータ104の回転速度が目標速度よりも速い場合は、DEC信号が「High」になるのでチャージポンプコンデンサ15の電圧が低下し、ポリゴンモータ104は減速される。
【0029】
また、ACC信号,DEC信号が共に「Low」の場合は、スイッチング素子16,17が共にオフとなっているので、チャージポンプコンデンサ15の電圧は変化せず、速度を保持するモードとして動作する。このようにして、ポリゴンモータ104の回転速度は、最終的には目標速度で安定する。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例では、ポリゴンモータ104の回転速度変動を検出する間隔が、6個のBD信号に相当する長い間隔になるため、回転速度変動が大きくなってしまう可能性があった。
【0031】
また、ACC信号、DEC信号を生成する間隔が長くなってしまうので、ポリゴンモータ104を安定して回転制御するためのモータ駆動部14のチューニングが難しい、具体的には、チャージポンプコンデンサ15の電圧安定性の確保や、1回の加速/減速指示に対する加速量/減速量の調整等が難しいという問題があった。
【0032】
これら問題を解決するために、BD信号をポリゴンミラー105の面数で分周せずにBD信号毎に速度を検知し、その検知速度に基づいて加速・減速信号を生成する方法が考えられる。この場合、上述したポリゴンミラー105の面精度のばらつきがポリゴンモータ104の速度制御に影響を与えないように、ポリゴンミラー105のレーザ照射面が切替わる毎に、ポリゴンミラー105の各面の長さに応じた目標速度を設定していくようにする。
【0033】
しかし、BD信号の周期が短い場合は、加速・減速信号の発生間隔が短くなりすぎてしまい、ポリゴンモータ104(すなわち、ポリゴンミラー105)の速度制御応答が間に合わず、速度制御が不安定になってしまう虞がある。
【0034】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、適切な間隔で生成された信号に基づいて回転多面鏡の回転速度を目標速度に制御することにより、回転多面鏡の回転速度変動を可及的に抑制しつつ、かつ安定した回転を容易に得ることのできる画像形成装置を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、露光用の光の進行方向を回転多面鏡により偏向させながら感光体を露光走査する露光走査部を有する画像形成装置において、前記露光走査部は、前記回転多面鏡の各鏡面の所定位置からの反射光に基づいて主走査同期信号を生成する生成手段と、前記生成手段により生成された主走査同期信号を前記回転多面鏡の鏡面数より少ない分周数で分周する分周手段と、前記分周手段により分周された主走査同期信号を用いて前記回転多面鏡の回転速度を制御する制御手段とを有している。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0037】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態を適用したポリゴンモータの駆動制御等、各種の制御を行う制御回路のブロック図であり、本制御回路111は、電子写真方式のプリンタに搭載されたものである。
【0038】
なお、図1では、制御対象のポリゴンモータ等を模式的に書き加え、BD信号検出用の反射鏡120(図5参照)等は省略している。また、電子写真方式の露光走査系、及びモータ駆動部14の構成は、図6に示した従来例と全く同様なので、ここでは、その説明を省略する。また、ポリゴンミラー105の面数を6面としている。
【0039】
図1において、基準面検出信号は、ポリゴンミラー105の特定の鏡面がレーザ光の照射面になっている期間中に「High」レベルのパルスとなる信号であり、本実施形態では、6面ある鏡面の中から特定の1つの鏡面を基準面として検出するのに使用している。
【0040】
11は分周回路であり、予め設定された分周比(分周数)nに応じてBD信号を分周し、BD/n信号として出力する。本実施形態では分周比nを「2」とし、BD信号を2分周したBD/2信号を基準としてポリゴンモータ104の回転制御を行う。
【0041】
1はカウンタであり、BD/n信号(ここではBD/2信号)の立下りエッジが入力される度にクリアされ、その後0,1,2,…とアップカウントを繰り返す。従って、カウント動作の周期はBD/n信号(BD/2信号)の間隔に等しくなる。
【0042】
2は目標値切替部であり、必要な数だけ設定されている目標値、すなわちポリゴンモータ104の目標回転周期(実質的にはポリゴンミラー105の目標回転速度)の中からBD/2信号が入力される度に1つを選択し、目標周期信号Ttgtとして出力する。この目標周期信号Ttgtは、後段でBD信号の目標値として使用される。
【0043】
ここで、目標周期信号Ttgtの決め方について説明する。
【0044】
ポリゴンミラー105の各鏡面に対するポリゴンモータ104の目標周期信号Ttgtは、以下のようにして計算される。すなわち、ポリゴンミラー105の各鏡面の長さは、基準面の長さがL1、2〜6面目の長さがそれぞれL2,L3,L4,L5,L6であり、各鏡面の長さの合計がLAであり、ポリゴンモータ104の1回転の目標周期がPolyPrdであるとすると、目標周期信号Ttgtは、
Ttgt1=((L1+L2)/LA)×PolyPrd
(基準面と2面目がレーザ照射面となっているときの目標周期)
Ttgt2=((L3+L4)/LA)×PolyPrd
(3面目と4面目がレーザ照射面となっているときの目標周期)
Ttgt3=((L5+L6)/LA)×PolyPrd
(5面目と6面目がレーザ照射面となっているときの目標周期)
として算出される。
【0045】
すなわち、BD信号を分周しない場合は6種類の目標周期が必要となるが、本実施形態では、6面のポリゴンミラー105に対してBD信号を2分周して速度制御を行うので、設定すべき目標周期の数は6/2=3種類となる。なお、6面のポリゴンミラーに対してBD信号を3分周して速度制御を行う場合には、設定すべき目標周期の数は6/3=2種類となることは、言うまでもない。
【0046】
3は比較器であり、カウンタ1のカウント値(BDprd信号)と目標値切替部2からの目標周期(Ttgt1〜3)とを比較し、その比較結果に応じてポリゴンモータ104の加速/減速を指示する制御信号を生成する。この比較器3からの加速/減速指示信号と、その指示信号に基づくモータ駆動部4の動作については、従来例で説明したのと同様なので、ここでは、その説明を省略する。
【0047】
次に、ポリゴンモータ104の速度制御を、図2のタイムチャートに基づいて説明する。
【0048】
ポリゴンモータ104が回転中に基準面検出信号が入力されると、分周回路11でBD信号の分周の同期が取られる。本実施形態では2分周のモードに設定されているので、分周回路11の出力(BD/2信号)は図2のようになる。
【0049】
目標値切替部2は、基準面検出信号が検出された次のBD/2信号が入力された時点で目標周期信号Ttgt1を出力し、これがBD/2信号の目標周期となる。ここで、目標周期信号Ttgt1は、実質的に基準面と2面目で生成されるBD信号の目標周期を加算したものになっている。換言すれば、目標周期信号Ttgt1は、実質的に、分周信号に対応する基準面と2面目の各鏡面に係る各目標速度の平均値となっている。
【0050】
その後、BD/2信号が入力される毎に、目標値切替部2の出力は、Ttgt2、Ttgt3、Ttgt1、…とサイクリックに切替えられていく。
【0051】
上記の目標周期切替制御(目標速度切替制御)は、次のような意義がある。すなわち、ポリゴンモータ104の速度が目標速度に達した場合でも、ポリゴンミラー105の各鏡面間で面精度にばらつきがあるため、図2に示したように、各鏡面に対応するBD信号の周期T1〜T6はばらつく。
【0052】
しかし、第1の実施形態では、上記のように、ポリゴンミラー105の各鏡面に対応するポリゴンモータ104の目標周期(目標速度)を、BD/2信号が入力される毎に、そのBD/2信号に対応する2つの鏡面の長さの加算値に対応した値(Vtgt1〜3)に切替えることにより、各鏡面の長さのばらつきを吸収する形でポリゴンモータ104の目標周期(目標速度)を設定している。
【0053】
換言すれば、第1の実施形態では、ポリゴンミラーの鏡面数を或る分周数で除算した値が整数値となるような分周数で分周し、その分周に係るBD信号に対応するポリゴンミラーの複数の鏡面毎に、該複数の鏡面が露光用の光の照射面となっているときのポリゴンミラーの目標回転周期を纏めて設定している。
【0054】
従って、BD信号の周期が短い場合でも加速・減速信号の発生間隔が短くなりすぎてしまい、ポリゴンモータ104の加減速応答が間に合わず制御が不安定になるのを防止することが可能となる。換言すれば、高速に画像を形成すべくポリゴンモータ104の定常回転速度をアップした場合でも、ポリゴンモータ104を所望の回転速度に安定して制御することが可能となる。
【0055】
なお、カウンタ1、目標値切替部2、比較器3、モータ駆動部14等は、CPU111aにより統御されるものであり、CPU111aは、ROM111bにプリセットされた制御プログラムに基づいて、上記のモータ制御等の各種の処理を統御する。この際、CPU111aは、RAM111cをワークエリア等として利用する。
【0056】
[第2の実施の形態]
図3は、第2の実施形態に係る制御回路のブロック図である。
【0057】
105aはポリゴンミラーであり、本実施形態では5面としている。従って、1回転当たりBD信号は5回発生することになる。
【0058】
11は分周回路であり、設定された分周数に応じてBD信号を分周する回路である。分周を開始するタイミングは、「開始信号」が入力された次の「基準面検出信号」に続いてBD信号が入力されたタイミングとなっており、分周したBD信号をBD/n信号として出力する。本実施形態では、分周数を「2」に設定してBD信号を2分周している。
【0059】
1はカウンタであり、BD/2信号の立下りエッジが入力される度にクリアされ、その後0,1,2,…とアップカウントを繰り返す。従って、カウント動作の周期はBD/2信号の間隔に等しくなる。
【0060】
2aは目標値切替部であり、BD/2信号が入力される毎に、ポリゴンミラー105aの鏡面数分だけ設定されている目標周期の中から分周数に応じた数だけ選択し、それらの加算結果を目標周期信号Ttgtとして出力する。この目標周期信号Ttgtは、BD/2信号の目標周期として使用される。本実施形態では、分周数を「2」としているので、各鏡面に対応する5種類の目標周期の中から2種類の目標周期を選択してそれらを加算し、目標周期信号Ttgtとする。
【0061】
ここで、目標周期信号Ttgtの具体的な決め方について説明する。
【0062】
例えば、予め測定されているポリゴンミラー105aの各鏡面の長さは、基準面がL1、2〜5面目がそれぞれL2、L3、L4、L5、各鏡面の長さの合計がLAであるものとする。この場合、ポリゴンミラー105a(ポリゴンモータ104)の1回転の目標周期をPolyPrdとすると、各鏡面に対応する目標周期は以下のように計算する。
【0063】
Ttgt1=(L1/LA)*PolyPrd
(基準面がレーザ照射面となっているときの目標周期)
Ttgt2=(L2/LA)*PolyPrd
(2面目がレーザ照射面となっているときの目標周期)
Ttgt3=(L3/LA)*PolyPrd
(3面目がレーザ照射面となっているときの目標周期)
Ttgt4=(L4/LA)*PolyPrd
(4面目がレーザ照射面となっているときの目標周期)
Ttgt5=(L5/LA)*PolyPrd
(5面目がレーザ照射面となっているときの目標周期)
そして、BD/2信号の目標周期は、例えば、BD/2信号が入力されたときに、レーザ照射面が2面目であるとすると、2面目の目標周期Ttgt2と3面目の目標周期Ttgt3とを加算して
Ttgt=Ttgt2+Ttgt3とする。
【0064】
3は比較器であり、カウンタ1のカウント値(BDprd信号)と目標値切替部2からの目標周期(Ttgt1〜3)とを比較し、その比較結果に応じてポリゴンモータ104の加速/減速を指示する制御信号を生成する。この比較器3からの加速/減速指示信号と、その指示信号に基づくモータ駆動部4の動作については、従来例で説明したのと同様なので、ここでは、その説明を省略する。
【0065】
次に、ポリゴンモータ104の速度制御を、図4のタイムチャートに基づいて説明する。
【0066】
「開始信号」が設定されると(Taのタイミング)、その次の「基準面検出信号」(Tbのタイミング)に続いてBD信号が入力されたタイミングで(Tcのタイミング)、分周回路11によるBD信号の分周動作が開始される。本実施形態では分周数を「2」としているので、BD信号入力が2回入力される毎にBD/2信号が1回出力される。なお、1回目のBD/2信号(図9中の符号▲1▼)は、ポリゴンミラー105aの基準面で生成されたBD信号と同じタイミングで発生する。
【0067】
目標値切替部2aは、「開始信号」の次のBD/2n信号が入力されると、目標周期信号Ttgtとして、「Ttgt1+Ttgt2」を出力する。このように、1回目のBD/2信号(▲1▼)の目標周期は、基準面で生成されるBD信号の目標周期Ttgt1と2面目で生成されるBD信号の目標周期Ttgt2との和として出力される。そして、比較器3は、入力されたBD/2信号の周期と、目標値切替部2aからの加算に係る目標周期信号Ttgtとを比較することによって、ポリゴンモータ104の回転制御を行う。
【0068】
同様にして目標周期信号Ttgtは,以下のように生成される。
【0069】
BD/2が▲2▼のとき Ttgt=Ttgt3+Ttgt4
BD/2が▲3▼のとき Ttgt=Ttgt5+Ttgt1
BD/2が▲4▼のとき Ttgt=Ttgt2+Ttgt3
BD/2が▲5▼のとき Ttgt=Ttgt4+Ttgt5
すなわち、第2の実施形態では、ポリゴンミラーの鏡面数を或る分周数で除算した値が整数値とならないような分周数で分周した場合でも、第1の実施形態と同様に、その分周に係るBD信号に対応するポリゴンミラーの複数の鏡面毎に、該複数の鏡面が露光用の光の照射面となっているときのポリゴンミラーの目標回転周期を纏めて設定することにより、BD信号の周期が短い場合でも加速・減速信号の発生間隔が短くなりすぎてしまい、ポリゴンモータ104の加減速応答が間に合わず制御が不安定になるのを防止するようにしている。
【0070】
カウンタ1、目標値切替部2、比較器3、モータ駆動部14等は、CPU111aにより統御されるものであり、CPU111aは、ROM111bにプリセットされた制御プログラムに基づいて、上記のモータ制御等の各種の処理を統御する。この際、CPU111aは、RAM111cをワークエリア等として利用する。
【0071】
なお、本発明の目的は、上記実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0072】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0073】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したプログラムコードが格納されることになる。
【0074】
本発明は、露光用の光の進行方向を回転多面鏡により偏向させながら感光体を露光走査する露光走査部を有する画像形成装置において、前記露光走査部は、前記回転多面鏡の各鏡面の所定位置からの反射光に基づいて主走査同期信号を生成する生成手段と、前記生成手段により生成された主走査同期信号を前記回転多面鏡の鏡面数より少ない分周数で分周する分周手段と、前記分周手段により分周された主走査同期信号を用いて前記回転多面鏡の回転速度を制御する制御手段とを有することを基本構成とするものであるが、その実施形態としては、以下のようなものが考えられる。
【0075】
[実施形態1] 前記分周手段は、前記回転多面鏡の鏡面数を前記分周数で除算した値が整数値となるような分周数で分周することを特徴とする基本構成に係る画像形成装置。
【0076】
[実施形態2] 前記分周手段は、前記回転多面鏡の鏡面数を前記分周数で除算した値が整数値とならないような分周数で分周することを特徴とする基本構成に係る画像形成装置。
【0077】
[実施形態3] 前記分周手段は、前記生成手段により生成された主走査同期信号を任意に設定された分周数に基づいて分周することを特徴とする基本構成、実施形態1、2の何れかに係る画像形成装置。
【0078】
[実施形態4] 前記制御手段は、前記分周手段により分周された主走査同期信号に対応する前記回転多面鏡の複数の鏡面毎に、該複数の鏡面が前記露光用の光の照射面となっているときの該回転多面鏡の目標回転周期を纏めて設定する設定手段を有することを特徴とする基本構成、実施形態1〜3の何れかに係る画像形成装置。
【0079】
[実施形態5] 前記設定手段は、前記分周手段により分周された主走査同期信号に対応する前記回転多面鏡の複数の鏡面の長さの加算値、該回転多面鏡の全ての鏡面の長さの合計値、及び該回転多面鏡の1回転の目標回転周期に基づいて、該複数の鏡面が前記露光用の光の照射面となっているときの該回転多面鏡の目標回転周期を纏めて設定することを特徴とする実施形態4に係る画像形成装置。
【0080】
[実施形態6] 前記制御手段は、前記分周手段により分周された主走査同期信号の周期を測定する測定手段と、前記設定手段により設定された目標回転周期と該測定手段により測定された分周に係る主走査同期信号の周期とを比較する比較手段を有し、該比較手段による比較結果に基づいて前記回転多面鏡の回転速度を制御することを特徴とする基本構成、実施形態1〜5の何れかに係る画像形成装置。
【0081】
[実施形態7] 露光用の光の進行方向を回転多面鏡により偏向させながら感光体を露光走査する露光走査部を有する画像形成装置の制御方法において、
前記露光走査部は、前記回転多面鏡の各鏡面の所定位置からの反射光に基づいて主走査同期信号を生成する生成工程と、
前記生成工程により生成された主走査同期信号を前記回転多面鏡の鏡面数より少ない分周数で分周する分周工程と、
前記分周工程により分周された主走査同期信号を用いて前記回転多面鏡の回転速度を制御する制御工程と、
を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【0082】
[実施形態8] 前記分周工程は、前記回転多面鏡の鏡面数を前記分周数で除算した値が整数値となるような分周数で分周することを特徴とする実施形態7に係る画像形成装置の制御方法。
【0083】
[実施形態9] 前記分周工程は、前記回転多面鏡の鏡面数を前記分周数で除算した値が整数値とならないような分周数で分周することを特徴とする実施形態7に係る画像形成装置の制御方法。
【0084】
[実施形態10] 前記分周工程は、前記生成工程により生成された主走査同期信号を任意に設定された分周数に基づいて分周することを特徴とする実施形態7〜9の何れかに係る画像形成装置の制御方法。
【0085】
[実施形態11] 前記制御工程は、前記分周工程により分周された主走査同期信号に対応する前記回転多面鏡の複数の鏡面毎に、該複数の鏡面が前記露光用の光の照射面となっているときの該回転多面鏡の目標回転周期を纏めて設定する設定工程を有することを特徴とする実施形態7〜10の何れかに係る画像形成装置の制御方法。
【0086】
[実施形態12] 前記設定工程は、前記分周工程により分周された主走査同期信号に対応する前記回転多面鏡の複数の鏡面の長さの加算値、該回転多面鏡の全ての鏡面の長さの合計値、及び該回転多面鏡の1回転の目標回転周期に基づいて、該複数の鏡面が前記露光用の光の照射面となっているときの該回転多面鏡の目標回転周期を纏めて設定することを特徴とする実施形態11に係る画像形成装置の制御方法。
【0087】
[実施形態13] 前記制御工程は、前記分周工程により分周された主走査同期信号の周期を測定する測定工程と、前記設定工程により設定された目標回転周期と該測定工程により測定された分周に係る主走査同期信号の周期とを比較する比較工程を有し、該比較工程による比較結果に基づいて前記回転多面鏡の回転速度を制御することを特徴とする基本構成、実施形態7〜12の何れかに係る画像形成装置の制御方法。
【0088】
[実施形態14] 露光用の光の進行方向を回転多面鏡により偏向させながら感光体を露光走査する露光走査部を有する画像形成装置により実行される制御プログラムであって、
前記回転多面鏡の各鏡面の所定位置からの反射光に基づいて主走査同期信号を生成し、生成された主走査同期信号を前記回転多面鏡の鏡面数より少ない分周数で分周し、分周された主走査同期信号を用いて前記回転多面鏡の回転速度を制御する内容を有することを特徴とする制御プログラム。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、適切な間隔で生成された信号に基づいて回転多面鏡の回転速度を目標速度に制御することにより、回転多面鏡の回転速度変動を可及的に抑制しつつ、かつ安定した回転を容易に得ることのできる画像形成装置を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態におけるポリゴンモータの制御回路を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態におけるポリゴンモータの制御動作を示すタイムチャートである。
【図3】第2の実施形態におけるポリゴンモータの制御回路を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態におけるポリゴンモータの制御動作を示すタイムチャートである。
【図5】電子写真方式の画像形成装置における一般的な露光走査系の構成を示す構成図である。
【図6】従来のポリゴンモータの制御回路を示すブロック図である。
【図7】従来のポリゴンモータの制御動作を示すタイムチャートである。
【図8】本発明の実施形態、及び従来例におけるポリゴンモータに対する回転速度制御信号を示す図である。
【図9】ポリゴンモータの回転速度が目標速度より遅い場合の回転速度制御を説明するためのタイムチャートである。
【図10】ポリゴンモータの回転速度が目標速度より速い場合の回転速度制御を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
1:カウンタ
2,2a:目標値切替部
3:比較器
14:モータ駆動部
104:ポリゴンモータ
102:レーザユニット
105,105a:ポリゴンミラー
108:感光ドラム
111:制御回路
111a:CPU
111b:ROM
111c:RAM
Claims (1)
- 露光用の光の進行方向を回転多面鏡により偏向させながら感光体を露光走査する露光走査部を有する画像形成装置において、
前記露光走査部は、前記回転多面鏡の各鏡面の所定位置からの反射光に基づいて主走査同期信号を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された主走査同期信号を前記回転多面鏡の鏡面数より少ない分周数で分周する分周手段と、
前記分周手段により分周された主走査同期信号を用いて前記回転多面鏡の回転速度を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003001305A JP2004209882A (ja) | 2003-01-07 | 2003-01-07 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP2004209882A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8437064B2 (en) | 2008-06-06 | 2013-05-07 | Canon Kabushiki Kaisha | Optical scanning apparatus |
-
2003
- 2003-01-07 JP JP2003001305A patent/JP2004209882A/ja active Pending
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