JP2004208721A - アームレストの高さ調節装置 - Google Patents

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Abstract

【目的】ロック装置の構成の簡素化、コスト削減、操作性の向上。
【構成】シート1の背凭シート3の側部に、横方向のカラー10によりアームレスト4を回動自在に設け、前記カラー10と前記アームレスト4のアームレストフレーム8の間には、アームレスト4の使用範囲Aではアームレスト4の下方回動はロックし且つ上方回動のみ自在にして高さ調節可能にし、前記使用範囲Aの上限位置と同じかそれより越えた位置の所定の格納範囲Bではアンロック状態になって上下回動自在とし、前記格納範囲Bから前記使用範囲Aの最下方位置まで下方回動させると、下方回動のロック可能状態に復帰させるロック装置Lを設けたアームレスト。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、アームレストの高さ調節装置に係るものである。
【0002】
【従来技術】
従来、背凭シートの側部に設けたアームレストの高さ調節を、コイルバネの摩擦を利用して行うものは公知である。(特許文献1)。
また、従来公知ではないが、同一出願人に係る先願の特願2002−109710号には、シャフトの外周に嵌合するコイル部および常にアームレストと一体回動する移動端部およびアームレストの一体移動用嵌合溝に継脱する自由端とにより構成したロックスプリングと、前記シャフト側に設けた自由端を一体移動用嵌合溝に係合させるアンロック用作動部材および一体移動用嵌合溝に係合した自由端を離脱させるアンロック解除部を設けた構成について提案されている。
【0003】
【特許文献1】
実開平5−53547号公報(第2−3頁、図1、図3参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記実開平5−53547号公報の公知例では、コイルバネを用いたロック装置を設けているが、ロック装置のロックを解除するに際し、つまみやレバー等の手動操作部材を設けており、部品点数が増えて構成が複雑となるばかりでなく、アームレストの外観を良好にするための加工を必要とし、コストを上昇させるという課題がある。
また、先願のものは、自由端を一体移動用嵌合溝に継脱させる構成が複雑となるばかりでなく、アームレストの外観を良好にするための加工を必要とし、コストを上昇させるという課題がある。
本願はこの点に関して工夫し、ロック装置を直接操作する操作部材を省略しながら操作を簡単にし、また、部品の構成を簡素にしたアームレストのロック装置を提供するものである。
【0005】
【発明の目的】
ロック装置の構成の簡素化、コスト削減、操作性の向上。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、シート1の背凭シート3の側部に、横方向のカラー10の外周にロックスプリング11のコイル部12を嵌合させ、コイル部12とカラー10との摩擦により高さ調節自在にするロック装置Lを設けたアームレストにおいて、ロック装置Lは、コイル部12の一端の固定側端部15は背凭ブラケット6側に固定し、コイル部12の他端である自由端20は背凭ブラケット6側に設けた切替カム溝24に継脱自在とし、切替カム溝24はコイル部12の直径を変化させずにアンロック状態とするアンロック用カム面22および該アンロック用カム面22に自由端20を案内する案内カム面23を夫々形成し、前記カラー10には、自由端20の移動を停止させて切替カム溝24に嵌合させるアンロック用当接部32と、アンロック用カム面22に当接している自由端20を軸方向に移動させて切替カム溝24より離脱させるアンロック解除部37との夫々を設けた当接部材30を設けて構成したアームレストの高さ調節装置としたものである。
本発明は、シート1の背凭シート3の側部に、横方向のシャフト7によりアームレスト4を回動自在に設け、前記シャフト7の外周に設けたカラー10を前記アームレスト4のアームレストフレーム8に固定し、カラー10と背凭シート3の背凭ブラケット6との間には、アームレスト4の使用範囲Aではアームレスト4の下方回動はロックし且つ上方回動のみ自在にして高さ調節可能にし、前記使用範囲Aの上限位置と同じかそれより越えた位置の所定の格納範囲Bではアンロック状態になって上下回動自在とし、前記格納範囲Bから前記使用範囲Aの最下方位置まで下方回動させると、下方回動のロック可能状態に復帰させるロック装置Lを設け、該ロック装置Lは、前記カラー10の外周にロックスプリング11の巻き方向をアームレスト4を下方回動させると直径が小になるようにしたコイル部12を嵌合させ、コイル部12の一端である固定側端部15は背凭ブラケット6側に形成し、コイル部12の他端である自由端20は背凭ブラケット6側に設けた切替カム溝24に継脱自在とし、自由端20が切替カム溝24に嵌合するとコイル部12の直径を変化させずにアンロック状態とし、切替カム溝24から離脱すると、前記コイル部12の径を小さくしてロック状態とするように構成し、前記切替カム溝24は背凭ブラケット6側にカラー10の軸心方向と略平行の略U型形状に形成し、切替カム溝24には、前記自由端20が弾力的に当接して係合するアンロック用カム面22および該アンロック用カム面22に自由端20が弾力的に当接するように切替カム溝24に案内する案内カム面23を夫々形成し、案内カム面23の先端とアンロック用カム面22の外端縁との間には自由端20が通り抜け可能な隙間26を設け、前記カラー10には、自由端20をコイル部12の径拡大方向に移動させて切替カム溝24に嵌合させるアンロック用当接部32と、アンロック用カム面22に弾力的に当接している自由端20を軸方向に移動させて切替カム溝24より離脱させるアンロック解除部37との夫々を設けた当接部材30を設けて構成したアームレストの高さ調節装置としたものである。
本発明は、前記アンロック用カム面22は切替カム溝24内のアームレスト4の下方回動方向側にカラー10の軸心方向と略平行な面形状に形成し、前記案内カム面23はアームレスト4の上方回動方向側の切替カム溝24に先端に至るに従い切替カム溝24の開口方向側であってアンロック用カム面22に近づくように傾斜させて形成したアームレストの高さ調節装置としたものである。
本発明は、前記当接部材30のアンロック用当接部32の後側の周縁は、アンロック用当接部32の端縁と同一面のアンロック保持面33に形成し、アンロック保持面33に続く板部材31の後側周縁には交差方向の外れ防止面34を設けたアームレストの高さ調節装置としたものである。
【0007】
【実施例】
本発明の実施例を図面により説明すると、1は車両用等のシート、2は座席シート、3は座席シート2に傾斜角度調節自在に設けた背凭シート、4は背凭シート3の側部に設けたアームレストである。
前記アームレスト4は、背凭シート3の背凭骨格フレーム5の側部に設けた背凭ブラケット6に、左右方向のシャフト7を軸心として上下回動自在に取付け、シャフト7と背凭骨格フレーム5の取付け構成は任意である。
【0008】
アームレスト4は、そのアームレストフレーム8の基部と背凭ブラケット6との間にロック装置Lを設ける。ロック装置Lは、アームレスト4として本来使用される使用範囲Aではアームレスト4の下方回動をロックして荷重を支受し、且つ、上方回動のみ自在にして高さ調節可能にし、使用範囲Aの上限位置と同じかそれより間隔を置いて設けた格納範囲Bではアンロック状態になって上下回動自在とし、格納範囲Bから使用範囲Aの最下方位置まで一旦下方回動可能であるが、最下方位置でロック可能状態に復帰させて使用範囲Aでは上方回動のみ自在となるように構成する。
【0009】
シャフト7の外周にはアームレストフレーム8に固定のカラー10を設け、カラー10の外周にはロック装置Lの一部を構成するロックスプリング11のコイル部12を嵌合させ、ロックスプリング11の一端は背凭ブラケット6に固定のバネ取付用ブラケット13の係合孔14に係合させて固定側端部15に形成し、ロックスプリング11の他端は自由端20に形成する。
【0010】
この場合、コイル部12は、アームレスト4の下動に伴ってカラー10が回転すると、締まる巻き方向に設定し、これにより、他端が自由端20であってもアームレスト4を下方回動させようとすると、カラー10とコイル部12の内周との摩擦抵抗によりコイル部12の直径を小にする方向に作用し、この摩擦抵抗によりアームレスト4の下方回動を阻止してロックさせる。
【0011】
しかして、バネ取付用ブラケット13には前記ロック装置Lの自由端20をアンロック位置に保持するアンロック用カム面22と該アンロック用カム面22への係合を案内する案内カム面23とを有する切替カム溝24を形成する。
切替カム溝24は、バネ取付用ブラケット13のカラー10と略平行に屈曲させた屈曲板部25に、基本的にはカラー10の軸心方向(左右方向)と平行に屈曲板部25の先端側(左側)を開放したU型形状に形成する。
【0012】
実施例では、屈曲板部25はバネ取付用ブラケット13の下側に形成し、図5、図7、図9、図11、図13、図15、図17、図18は、下側から見た状態で図示しているが、屈曲板部25の設置位置は図示に限定されない。
【0013】
切替カム溝24のアームレスト4の下方回動方向側(後側)にはカラー10の軸心方向と略平行に前記アンロック用カム面22を形成し、切替カム溝24のアームレスト4の上方回動方向側(前側)には切替カム溝24の開口方向(左方向)に至るに従いアンロック用カム面22(後側)に近づくように傾斜させて案内カム面23を形成する。
【0014】
案内カム面23の先端とアンロック用カム面22の外端縁との間には自由端20が通り抜け可能な隙間26を設ける。
アンロック用カム面22に続く屈曲板部25は、後側に至るに従い屈曲板部25の基部側(右側)に近づく傾斜面27に形成している。
【0015】
一方、シャフト7およびカラー10には、アームレスト4の回動により移動する自由端20が当接する当接部材30を設ける。当接部材30は、カラー10に対して交差方向の板部材31をカラー10の端部に固定し、板部材31には、切替カム溝24に自由端20を嵌合させるアンロック用当接部32を設ける。アンロック用当接部32はロック状態の自由端20に当接し、自由端20をコイル部12の緩み方向に移動させ、アンロック用当接部32により押された自由端20は案内カム面23により案内されて切替カム溝24に嵌合する。
【0016】
アンロック用当接部32の端縁はアンロック用カム面22の端縁と一致させ、アンロック用当接部32の端縁まで自由端20が案内カム面23により案内されて移動すると、自由端20はアンロック用当接部32から外れて自由端20それ自体の弾力によりアンロック用カム面22に当接する。
【0017】
板部材31のアンロック用当接部32の後側の周縁は、アンロック用当接部32の端縁と同一面のアンロック保持面33に形成する。自由端20はアンロック用カム面22に当接してコイル部12の直径を拡大させてアンロック状態にしているから、本来、アンロック用カム面22から自由端20は外れないが、アンロック用カム面22の端縁の側方にアンロック保持面33を位置させることで、アンロック状態を保持する。また、アンロック用当接部32を使用範囲Aの上限位置と格納範囲Bの間にアームレスト4が位置するように配置すると、格納範囲Bの上限までアームレスト4を上動させなくても、アンロック状態にしてアームレスト4の下方回動が可能になって、操作性が著しく向上する。
【0018】
また、アンロック保持面33に続く板部材31の後側周縁には交差方向の外れ防止面34を設ける。外れ防止面34は、切替カム溝24および板部材31の周縁の何れもから自由端20が外れて作動不能状態になるのを防止する。
即ち、外れ防止面34を設けないと、自由端20が切替カム溝24に係合し、しかも、アンロック保持面33に当接状態で、格納位置より過剰回動が可能になり、アームレスト4が元の位置に戻らないメカロック状態になるが、外れ防止面34によりアームレスト4の過剰回動を停止させ、メカロックを防止する。
【0019】
この場合、アームレスト4がアームレスト4として本来使用される使用範囲Aの上限位置までアームレスト4を上方回動させたとき自由端20が切替カム溝24に嵌合するように設定し、使用範囲Aを越えた格納範囲Bでは常時自由端20は切替カム溝24に嵌合させてアンロック保持面33により保持させる。
【0020】
しかして、板部材31の前側部分には前記切替カム溝24のアンロック用カム面22に係合している自由端20をアンロック用カム面22から離脱させて自由端20を自由状態に復帰させるアンロック解除部37を設ける。アンロック解除部37は板部材31の前端部をバネ取付用ブラケット13に向けて屈曲させ屈曲部38を形成し、屈曲部38の先端より基部に至るに従い前側(上方回動方向側)に傾斜する傾斜解除面39を形成し、傾斜解除面39はアンロック用カム面22の端縁より外側にまで位置させ、アンロック用カム面22と当接部材30とが相対的に移動することで自由端20がアンロック解除部37の傾斜解除面39に案内されてアンロック用カム面22(切替カム溝24)より離脱させ、アンロック状態をロック可能状態にさせる。
【0021】
【作用】
次に作用を述べる。
アームレスト4は略水平位置を含む使用範囲Aで使用状態となり、使用範囲Aでは一旦最下方位置にアームレスト4を下方回動させると、ロック装置Lは作動状態となって、上方回動はできるが下方回動はロックして荷重を支持する。
【0022】
したがって、一旦使用範囲Aの最下方位置にアームレスト4を下方回動させてから、必要に応じてアームレスト4を上方回動させて、アームレスト4の高さ調節を行う。
【0023】
次に、使用範囲Aの最上位置までアームレスト4を上方回動させると、この位置がアームレスト4の下方回動をロックして荷重を支持する上側の限界位置であり、これを一旦越えると、格納範囲Bとなり、格納範囲Bでは上下何れの方向にもアンロック状態となる。
【0024】
しかして、格納位置から使用状態にするには、前記のように、使用範囲Aの一旦最下方位置にまでアームレスト4を下方回動させ、ロック装置Lを作動状態すればよく、その後は、前記の作動(操作)の反復となる。
【0025】
しかして、ロック装置Lの作動を具体的に説明すると、背凭骨格フレーム5のブラケット6に左右方向のカラー10の基部を固定し、カラー10の外周にロックスプリング11のコイル部12を嵌合させ、ロックスプリング11の一端をバネ取付用ブラケット13に設けた係合孔14に係合させ、ロックスプリング11の他端は自由端20に形成し、コイル部12はアームレスト4の上方回動に伴ってカラー10が回転すると緩むように巻き方向を設定しているから、使用範囲Aではアームレスト4を下方回動させようとすると、カラー10の回転によりコイル部12の内周とカラー10の外周の摩擦抵抗が発生し、この抵抗によりコイル部12の直径を小にするように作用し、この抵抗でアームレスト4の下方回動を阻止してロックさせる。
【0026】
したがって、アームレスト4を上方回動させる高さ調節は自在であり、アームレスト4に掛かる荷重は下方回動を規制してロックする。
【0027】
しかして、使用範囲Aの最上位置までアームレスト4を上方回動させると、自由端20にアームレスト4と共に回動する当接部材30の板部材31の後側のアンロック用当接部32が当接し、アンロック用当接部32は自由端20を前側(緩み方向)に移動させる。
【0028】
そのため、自由端20はアンロック用当接部32に押されてバネ取付用ブラケット13の案内カム面23に当接し、更にアンロック用当接部32により押された自由端20は案内カム面23により弾力に抗して切替カム溝24の内側に移動し、自由端20はアンロック用当接部32の端縁まで移動するとアンロック用当接部32から外れ、自由端20それ自体の弾力でアンロック用カム面22に向かって移動して当接し、自由端20が切替カム溝24に嵌合すると、ロックスプリング11の固定側端部15および自由端20は何れも不動状態になって、コイル部12の直径は変化せず、ロック装置Lはアンロック状態となって、アームレスト4は上下何れの方向でも回動自在となる(勿論上方回動も自由)。
【0029】
したがって、自由端20が切替カム溝24に嵌合する位置は、アームレスト4がアームレスト4として本来使用される使用範囲Aの上限位置に設定しているから、使用範囲Aを越えた格納範囲Bになると、常時自由端20は切替カム溝24に嵌合してアンロック状態となる。
【0030】
この場合、板部材31のアンロック用当接部32の後側の周縁は、アンロック用当接部32の端縁と同一面のアンロック保持面33に形成しているから、アンロック用当接部32を使用範囲Aの上限位置と格納範囲Bの間にアームレスト4が位置するように配置すると、格納範囲Bの上限までアームレスト4を上動させなくても、アンロック状態にしてアームレスト4の下方回動が可能になって、アームレスト4の回動範囲を広げつつ、操作性を低下させない。
【0031】
また、アンロック保持面33に続く板部材31の後側周縁には交差方向の外れ防止面34を設けているから、格納位置より過剰回動を停止させるストッパ作用と、自由端20が当接部材30の周縁から外れて、メカロック状態になるのを防止する。
【0032】
しかして、アームレストフレーム8にはカラー10を固定し、カラー10には当接部材30を固定し、当接部材30には切替カム溝24に嵌合している自由端20を離脱させて自由状態に復帰させるアンロック解除部37を設けているから、一旦ロック装置Lをアンロック状態にして、使用範囲Aの最下方位置にまでアームレスト4を下方回動させると、アンロック解除部37の傾斜解除面39が自由端20に当たり、傾斜解除面39により自由端20はアンロック用カム面22に当たりながらカラー10の軸方向に移動し、アンロック用カム面22の端縁を過ぎると、自由端20の弾力で隙間26を通って切替カム溝24から離脱し、ロック装置Lは作動状態となり、アームレスト4の下方回動をロックする。
【0033】
この場合、アンロック用カム面22は切替カム溝24内の後部にカラー10の軸心方向に対して交差方向の面形状に形成し、自由端20はコイル部12が緩むようにアンロック用カム面22で押されているから、アンロック用カム面22の端縁を過ぎると、自由端20の弾力で隙間26を通って切替カム溝24から離脱し、これにより、コイル部12の直径は元の小径状態に復帰し、ロック装置Lの作動状態となり、アームレスト4の下方回動をロックする。
【0034】
以上のように、切替カム溝24に自由端20を継脱させる構成は、切替カム溝24の形状と、自由端20に当接する当接部材30を設ければよいので、作動が確実で安価にできる。
【0035】
また、アンロック用当接部32と傾斜解除面39との位置(距離)を変更した当接部材30に交換するだけで、使用範囲Aと格納範囲Bの設定変更可能となる。
【0036】
【効果】
本発明は、シート1の背凭シート3の側部に、横方向のカラー10の外周にロックスプリング11のコイル部12を嵌合させ、コイル部12とカラー10との摩擦により高さ調節自在にするロック装置Lを設けたアームレストにおいて、ロック装置Lは、コイル部12の一端の固定側端部15は背凭ブラケット6側に固定し、コイル部12の他端である自由端20は背凭ブラケット6側に設けた切替カム溝24に継脱自在とし、切替カム溝24はコイル部12の直径を変化させずにアンロック状態とするアンロック用カム面22および該アンロック用カム面22に自由端20を案内する案内カム面23を夫々形成し、前記カラー10には、自由端20の移動を停止させて切替カム溝24に嵌合させるアンロック用当接部32と、アンロック用カム面22に当接している自由端20を軸方向に移動させて切替カム溝24より離脱させるアンロック解除部37との夫々を設けた当接部材30を設けて構成したアームレストの高さ調節装置としたものであるから、従来のようにロック装置を直接操作する操作部材を省略してコストを低くし、また、ラッチとラチェットの組合せようなアームレストの回動ストロークの始端あるいは終端の何れかでラチェットを解除させることもなく、狭い車内でも操作を容易にし、また、先行技術に比して、切替カム溝24にアンロック用カム面22と案内カム面23を形成したので、構成が簡素で、作動の確実性を向上させ、しかも、コストを低くできる。
【0037】
本発明は、シート1の背凭シート3の側部に、横方向のシャフト7によりアームレスト4を回動自在に設け、前記シャフト7の外周に設けたカラー10を前記アームレスト4のアームレストフレーム8に固定し、カラー10と背凭シート3の背凭ブラケット6との間には、アームレスト4の使用範囲Aではアームレスト4の下方回動はロックし且つ上方回動のみ自在にして高さ調節可能にし、前記使用範囲Aの上限位置と同じかそれより越えた位置の所定の格納範囲Bではアンロック状態になって上下回動自在とし、前記格納範囲Bから前記使用範囲Aの最下方位置まで下方回動させると、下方回動のロック可能状態に復帰させるロック装置Lを設け、該ロック装置Lは、前記カラー10の外周にロックスプリング11の巻き方向をアームレスト4を下方回動させると直径が小になるようにしたコイル部12を嵌合させ、コイル部12の一端である固定側端部15は背凭ブラケット6側に形成し、コイル部12の他端である自由端20は背凭ブラケット6側に設けた切替カム溝24に継脱自在とし、自由端20が切替カム溝24に嵌合するとコイル部12の直径を変化させずにアンロック状態とし、切替カム溝24から離脱すると、前記コイル部12の径を小さくしてロック状態とするように構成し、前記切替カム溝24は背凭ブラケット6側にカラー10の軸心方向と略平行の略U型形状に形成し、切替カム溝24には、前記自由端20が弾力的に当接して係合するアンロック用カム面22および該アンロック用カム面22に自由端20が弾力的に当接するように切替カム溝24に案内する案内カム面23を夫々形成し、案内カム面23の先端とアンロック用カム面22の外端縁との間には自由端20が通り抜け可能な隙間26を設け、前記カラー10には、自由端20をコイル部12の径拡大方向に移動させて切替カム溝24に嵌合させるアンロック用当接部32と、アンロック用カム面22に弾力的に当接している自由端20を軸方向に移動させて切替カム溝24より離脱させるアンロック解除部37との夫々を設けた当接部材30を設けて構成したアームレストの高さ調節装置としたものであるから、先行技術に比して、切替カム溝24にアンロック用カム面22と案内カム面23を形成したので、構成が簡素で、各構成部品の公差の集積が少なくロック開始および解除の位置ずれが少ない。
【0038】
本発明は、前記アンロック用カム面22は切替カム溝24内のアームレスト4の下方回動方向側にカラー10の軸心方向と略平行な面形状に形成し、前記案内カム面23はアームレスト4の上方回動方向側の切替カム溝24に先端に至るに従い切替カム溝24の開口方向側であってアンロック用カム面22に近づくように傾斜させて形成したアームレストの高さ調節装置としたものであるから、U型形状の切替カム溝24にアンロック用カム面22と案内カム面23を形成しているので、切替カム溝24の変形が少なく、耐久性を向上させる。
【0039】
本発明は、前記当接部材30のアンロック用当接部32の後側の周縁は、アンロック用当接部32の端縁と同一面のアンロック保持面33に形成し、アンロック保持面33に続く板部材31の後側周縁には交差方向の外れ防止面34を設けたアームレストの高さ調節装置としたものであるから、アンロック用当接部32までアームレスト4を上動させれば、アンロック状態にしてアームレスト4の下方回動が可能になり、アンロック保持面33をもうけているので、アームレスト4の回動範囲を広げつつ、操作性を低下させない。
また、アンロック保持面33に続く板部材31の後側周縁には交差方向の外れ防止面34を設けているから、格納位置より過剰回動を停止させるストッパ作用と、自由端20が当接部材30の周縁から外れて、メカロック状態になるのを防止する。
なお、前述した実施例は理解を容易にするため個別具体的に記載しているが、何れの記載表現等からも明示的でないという理由をもって、構成、作用等の要件を取捨選択するに当たり、限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】シートの側面図。
【図2】ロック装置の分解斜視図。
【図3】同一部拡大分解斜視図。
【図4】アームレストと背凭骨格フレームの位置関係を示す側面図。
【図5】図4のロック装置の斜視図。
【図6】アームレストと背凭骨格フレームの位置関係を示す側面図。
【図7】図6のロック装置の斜視図。
【図8】アームレストと背凭骨格フレームの位置関係を示す側面図。
【図9】図8のロック装置の斜視図。
【図10】アームレストと背凭骨格フレームの位置関係を示す側面図。
【図11】図10のロック装置の斜視図。
【図12】アームレストと背凭骨格フレームの位置関係を示す側面図。
【図13】図12のロック装置の斜視図。
【図14】アームレストと背凭骨格フレームの位置関係を示す側面図。
【図15】図14のロック装置の斜視図。
【図16】アームレストと背凭骨格フレームの位置関係を示す側面図。
【図17】図16のロック装置の斜視図。
【図18】切替カム溝と当接部材の位置関係図。
【符号の説明】
1…シート、2…座席シート、3…背凭シート、4…アームレスト、5…背凭骨格フレーム、6…背凭ブラケット、7…シャフト、8…アームレストフレーム、10…カラー、11…ロックスプリング、12…コイル部、13…バネ取付用ブラケット、14…係合孔、15…固定側端部、20…自由端、22…アンロック用カム面、23…案内カム面、24…切替カム溝、25…屈曲板部、26…隙間、27…傾斜面、30…当接部材、31…板部材、32…アンロック用当接部、33…アンロック保持面、34…外れ防止面、37…アンロック解除部、38…屈曲部、39…傾斜解除面。

Claims (4)

  1. シート1の背凭シート3の側部に、横方向のカラー10の外周にロックスプリング11のコイル部12を嵌合させ、コイル部12とカラー10との摩擦により高さ調節自在にするロック装置Lを設けたアームレストにおいて、ロック装置Lは、コイル部12の一端の固定側端部15は背凭ブラケット6側に固定し、コイル部12の他端である自由端20は背凭ブラケット6側に設けた切替カム溝24に継脱自在とし、切替カム溝24はコイル部12の直径を変化させずにアンロック状態とするアンロック用カム面22および該アンロック用カム面22に自由端20を案内する案内カム面23を夫々形成し、前記カラー10には、自由端20の移動を停止させて切替カム溝24に嵌合させるアンロック用当接部32と、アンロック用カム面22に当接している自由端20を軸方向に移動させて切替カム溝24より離脱させるアンロック解除部37との夫々を設けた当接部材30を設けて構成したアームレストの高さ調節装置。
  2. シート1の背凭シート3の側部に、横方向のシャフト7によりアームレスト4を回動自在に設け、前記シャフト7の外周に設けたカラー10を前記アームレスト4のアームレストフレーム8に固定し、カラー10と背凭シート3の背凭ブラケット6との間には、アームレスト4の使用範囲Aではアームレスト4の下方回動はロックし且つ上方回動のみ自在にして高さ調節可能にし、前記使用範囲Aの上限位置と同じかそれより越えた位置の所定の格納範囲Bではアンロック状態になって上下回動自在とし、前記格納範囲Bから前記使用範囲Aの最下方位置まで下方回動させると、下方回動のロック可能状態に復帰させるロック装置Lを設け、該ロック装置Lは、前記カラー10の外周にロックスプリング11の巻き方向をアームレスト4を下方回動させると直径が小になるようにしたコイル部12を嵌合させ、コイル部12の一端である固定側端部15は背凭ブラケット6側に形成し、コイル部12の他端である自由端20は背凭ブラケット6側に設けた切替カム溝24に継脱自在とし、自由端20が切替カム溝24に嵌合するとコイル部12の直径を変化させずにアンロック状態とし、切替カム溝24から離脱すると、前記コイル部12の径を小さくしてロック状態とするように構成し、前記切替カム溝24は背凭ブラケット6側にカラー10の軸心方向と略平行の略U型形状に形成し、切替カム溝24には、前記自由端20が弾力的に当接して係合するアンロック用カム面22および該アンロック用カム面22に自由端20が弾力的に当接するように切替カム溝24に案内する案内カム面23を夫々形成し、案内カム面23の先端とアンロック用カム面22の外端縁との間には自由端20が通り抜け可能な隙間26を設け、前記カラー10には、自由端20をコイル部12の径拡大方向に移動させて切替カム溝24に嵌合させるアンロック用当接部32と、アンロック用カム面22に弾力的に当接している自由端20を軸方向に移動させて切替カム溝24より離脱させるアンロック解除部37との夫々を設けた当接部材30を設けて構成したアームレストの高さ調節装置。
  3. 請求項1または請求項2において、前記アンロック用カム面22は切替カム溝24内のアームレスト4の下方回動方向側にカラー10の軸心方向と略平行な面形状に形成し、前記案内カム面23はアームレスト4の上方回動方向側の切替カム溝24に先端に至るに従い切替カム溝24の開口方向側であってアンロック用カム面22に近づくように傾斜させて形成したアームレストの高さ調節装置。
  4. 請求項1または請求項2または請求項3において、前記当接部材30のアンロック用当接部32の後側の周縁は、アンロック用当接部32の端縁と同一面のアンロック保持面33に形成し、アンロック保持面33に続く板部材31の後側周縁には交差方向の外れ防止面34を設けたアームレストの高さ調節装置。
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